商標拒絶査定不服審判
2021-013066
ジョインウエブトゥプリント、ジョイン、ウエブトゥプリント、ウエブトゥ、ウエブ、ダブリュウイイビイ
- 審判番号
- 2021-013066
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-088918
- 請求日
- 2021年09月29日
- 審決日
- 2022年04月13日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社オンデオマ
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 【請求人代理人】古岩 信幸
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T18 .261-Z (W0942) / T18 .262-Z (W0942) / T18 .263-Z (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-88918拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年7月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年6月23日付け:拒絶理由通知書
令和3年6月29日 :意見書の提出
令和3年9月10日付け:拒絶査定
令和3年9月29日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の3件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5254654号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Web To Print」の文字を標準文字で表してなり、平成20年12月15日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同21年8月7日に設定登録されたものである。
2 登録第6042509号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成29年8月24日に登録出願、第9類「コンピュータソフトウェア,ダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアを記録させた記録媒体,インターネット又はその他の通信ネットワークを介して電子媒体又は情報をアップロード・投稿・提示・タグ付け・共有利用・その他提供することを可能にするためのコンピュータソフトウェア,電子計算機,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「コンピュータソフトウェアの提供,アプリケーションサービスプロバイダーによるコンピュータソフトウェアの提供,コンピュータソフトウェアの貸与」を含む第9類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同30年5月11日に設定登録されたものである。
3 国際登録第1452666号商標(以下「引用商標3」という。)は、「JOIN」の文字を横書きしてなり、2018年(平成30年)12月4日に国際商標登録出願、第9類「Electronic publications (downloadable) available online from databases or the Internet.」及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、令和2年12月18日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、「引用商標」という。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、無限大の記号を模したとおぼしき図形を薄い灰色でグラデーションを施して表し、当該図形の下部に重なるように大きく「JOIn」の文字を、ややデザイン化した太字で横書きし、さらにその下に小さく「WEB TO PRINT」の文字を横書きしてなるところ、図形部分と「JOIn」の文字部分及び「WEB TO PRINT」の文字部分は、その大きさや態様(書体)を異にするものであるから、それぞれ視覚的に分離して把握されるものである。
そして、本願商標の図形部分は、無限大の記号をモチーフにしたものといい得るとしても、特定の称呼及び観念を生じるものとまではいえず、また、構成中の「JOIn」の文字部分は、「参加する」(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典第2版)の意味を有する語であり、「WEB TO PRINT」の文字部分は、別掲4によれば、近年、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「インターネット上から印刷物を発注する仕組み」の意味合いにおいて使用されているものであることがうかがえる。
以上のことからすると、本願商標の構成においては、図形部分、「JOIn」の文字部分及び「WEB TO PRINT」の文字部分がそれぞれ視覚上分離して看取されるものであって、かつ、観念上のつながりもないことから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難い。
そして、構成中の図形部分は、その配置から、文字部分を強調するための装飾的な背景図形として認識されるものというのが相当であり、また、「WEB TO PRINT」の文字部分も、上記の意味合いからすれば、本願の指定商品及び指定役務との関係において、自他商品及び役務の出所識別標識としての機能がないとまではいえないとしても、強い印象を与える部分とはいい難いものである。
そうすると、本願商標は、構成中、中央に大きく書された「JOIn」の文字が、取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから、当該「JOIn」の文字部分のみを要部として抽出し、他人の商標と比較して、商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成中、独立して自他商品及び役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「JOIn」の文字部分に相応して、「ジョイン」の称呼及び「参加する」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、上記第3の1のとおり、「Web To Print」の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは、「ウェブトゥープリント」の称呼を生じ、当該文字からは「インターネット上から印刷物を発注する」の意味合いを想起させるものの、特定の観念を生じさせるとまではいえないと判断するのが相当である。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲3のとおり、上部に長さの異なるオレンジ色の2つの円弧を配し、その下に8色で彩色したハート形の図形の内部に、「JOIN」の文字をややデザイン化して表してなるところ、構成中の「JOIN」の文字部分は、当該図形の内部に表されているものの、引用商標2の中央に大きく、白色の正方形及び三角形を継ぎ合わせて表したかのような特異な書体で目立つように表されているものであるから、視覚上、図形部分とは分離して看取されるものである。
また、引用商標2の図形部分は、特定の観念を生じるものではなく、他方、「JOIN」の文字部分は「参加する」の意味を有する語であるところ、これらが観念上、密接な関連性を有しているとはいい難く、称呼上も、一連一体となって特定の称呼を生じるとはいえないものである。
そうすると、引用商標2の構成中の図形部分と「JOIN」の文字部分とは、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認めることはできず、当該図形部分と当該文字部分が、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部となり得るものである。
してみれば、引用商標2は、その構成中の「JOIN」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して、商標そのものの類否の判断をすることも許されるというのが相当である。
したがって,引用商標2は、その要部である「JOIN」の文字に相応して「ジョイン」の称呼を生じ、「参加する」の観念を生じるものである。
ウ 引用商標3について
引用商標3は、上記第3の3のとおり、「JOIN」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「ジョイン」の称呼を生じ、「参加する」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標1との類否について
本願商標と引用商標1とを比較するに、本願商標の構成中の「WEB TO PRINT」の文字は、上記(1)のとおり、「JOIn」の文字に比して、商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分ではないから、本願商標において当該文字部分を抽出し、この部分を引用商標1と比較してその類否を判断することは許されないというべきである。
してみれば、本願商標と引用商標「Web To Print」とは、その外観、称呼及び観念において異なるものであることは明らかであるから、互いに類似する商標であるということはできない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
イ 本願商標と引用商標2及び引用商標3との類否について
本願商標と引用商標2を比較するに、両者は全体の外観は相違するものの、本願商標の要部である「JOIn」の文字部分と、引用商標2の要部である「JOIN」の文字部分とは、いずれも同じつづりの欧文字からなるものであるから、それぞれの文字がデザイン化されていることを考慮しても、外観上近似した印象を与えるものである。そして、両者は「ジョイン」の称呼及び「参加する」の観念を共通にするものである。
また、本願商標と引用商標3を比較するに、両者は全体の外観は相違するものの、本願商標の要部である「JOIn」の文字部分と引用商標3とは、いずれも同じつづりの欧文字からなるものであるから、本願商標の文字がデザイン化されていることを考慮しても、外観上近似した印象を与えるものである。そして、両者は「ジョイン」の称呼及び「参加する」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標2及び引用商標3とは、全体の外観において相違するとしても、独立して出所識別機能を有する要部の外観において近似した印象を与えるものであり、かつ、称呼及び観念を共通にするものであるから、これらを総合して、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すれば、本願商標と引用商標2及び引用商標3とは、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標と引用商標2及び引用商標3との指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,監視用コンピュータプログラム,記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータプログラム(記憶されたもの),コンピュータプログラム用記録済み磁気カード,コンピュータ用ゲームソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータ用ゲームソフトウェア(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),携帯情報端末」及び指定役務中、第42類「電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサーバーの貸与,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),コンピュータソフトウェアの貸与,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),コンピュータの貸与,サーバーのホスティング,電子データの保存用記憶領域の貸与,コンピュータウィルスの侵入防止用プログラムの設計・作成・保守又はそのプログラムの提供」は、引用商標2の指定商品中、第9類「コンピュータソフトウェア,ダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,コンピュータソフトウェアを記録させた記録媒体,インターネット又はその他の通信ネットワークを介して電子媒体又は情報をアップロード・投稿・提示・タグ付け・共有利用・その他提供することを可能にするためのコンピュータソフトウェア,電子計算機,電子応用機械器具及びその部品」及び指定役務中、第42類「コンピュータソフトウェアの提供,アプリケーションサービスプロバイダーによるコンピュータソフトウェアの提供,コンピュータソフトウェアの貸与」と同一又は類似の商品又は役務である。
また、本願商標の指定商品中、第9類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,録音済み又は録画済みのコンパクトディスク,電子出版物」は、引用商標3の指定商品中、第9類「Electronic publications (downloadable) available online from databases or the Internet.」と同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標2及び引用商標3と類似する商標であり、かつ、これらの指定商品若しくは指定役務と同一又は類似の商品若しくは役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の構成中の文字部分について、「「JOIn」の語は、平易で日常的にも比較的に頻繁に使用される独創性のない既成の英単語であり、「WEB TO PRINT」の語も、取引上、インターネット上の仕組みの一般的な名称として使用されているため、これらの語は、いずれも識別力において劣ることから、「JOIn」の文字部分又は「WEB TO PRINT」の文字部分のみから称呼が抽出されることはない。」旨、及び、「本願商標の文字部分からは「インターネット上で印刷物を発注する仕組みに加入する」程の観念が生じるから、殊更に「JOIn」と「WEB TO PRINT」の文字を分断して認識されることはない。」旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中、「WEB TO PRINT」の文字部分については、上記1(1)のとおり、商品及び役務の出所識別標識として強い印象を与える部分ではないといい得るものの、「JOIn」の文字部分は、上記1(1)のとおりの意味を有する語であるところ、本願の指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質を表すものでもなく、十分に自他商品及び役務の出所識別標識としての機能を有するものというべきであって、該語が広く一般的に知られた平易な英語であるとしても、そのことを理由として、該語の識別力が劣るものということはできない。そして、そうである以上、本願商標は、構成中の文字部分から、請求人の主張するような一連の観念が生じるとはいい難く、構成中、商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える「JOIn」の文字部分から、「参加する」の観念を生じるというべきである。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(2)請求人は、「本願の指定商品及び指定役務は、主として、コンピュータを使用しインターネットを通じて商品の販売・役務の提供が行われるのであり、このような取引では、取引者・需要者は、コンピュータのディスプレイを見ながら取引にあたるため、必然的に商標に視覚的に接する。そのため、本願の指定商品及び指定役務の分野において、取引者・需要者は、商標の外観によって商品及び役務の出所を識別しているのであって、構成文字の一部が共通していたとしても、本願商標と引用商標の外観上の差異が存在すれば、商品及び役務の出所について誤認混同の生ずるおそれは皆無である。」旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品及び指定役務の取引は、インターネットによるものに限られず、実際の店舗における取引も通常行われると考えられることからすれば、商標の全体の外観のみをもって、取引に資されるとはいい難く、また、それを裏付ける証拠の提出はないから、請求人による上記主張も採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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