2021-012992
結露水吸水保水不織布を装着するための切込又は穴を設けたCPAPマスク,NPPVマスクに装着する、吸入薬を含浸又は包含させた結露水吸水保水不織布及びそのマスク構成
- 審判番号
- 2021-012992
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-215898外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年09月28日
- 審決日
- 2022年09月27日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】澤口 高司
- 分類
- P18 .121-WZ (A61M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、令和 1年11月28日の出願であって、その後の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、令和 4年 5月17日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである(以下「本願発明」という。)。
「【請求項1】睡眠時無呼吸症候群の治療に使用するCPAPマスク又は非侵襲的陽圧換気療法に使用するNPPVマスクの少なくとも一方であって、前記マスクに吸入薬を含侵又は包含させた結露水吸水保水不織布を装着するための切込又は穴を設けたマスクと、前記マスクに設けた切込又は穴を用いてマスク内部に装着する吸入薬を含侵又は包含させた結露水吸水保水不織布との組み合わせ」
第3 当審の拒絶の理由
令和 4年 4月27日付けで当審が通知した拒絶理由のうちの理由1は、概略、次のものである。
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1.特開2019-193686号公報
引用文献2.特開平10-118183号公報
引用文献3.特開2014-76125号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1について
(1)引用文献1には、図面と共に以下の事項が記載されている(なお、下線は当審で付与。以下同様。)。
「【0001】本発明は睡眠時無呼吸症候群の治療に使用するCPAPマスク,非侵襲的陽圧換気療法に使用するNPPVマスクに関するものである。」
「【0009】本発明は、上記の課題を解決するために、CPAPマスク,NPPVマスクに結露水吸水保水不織布を装着するための切込又は穴を設けることを特徴とする。【0010】CPAPマスク,NPPVマスクに設けた切込又は穴を用いて結露水吸水保水不織布を装着し、CPAPマスク,NPPVマスク内部に発生する結露水を吸水及び保水することを特徴とする。」
「【0015】図1に、本発明に係るCPAPマスク,NPPVマスクの基本的実施形態の構成を示す。(正面図)マスク1に結露水吸水保水不織布3の装着に用いる切込又は穴2を設け、この切込又は穴2を利用して結露水吸水保水不織布3をマスク1内部に挿入装着する。マスク1をマスク使用者の顔5、鼻4に密着させる。マスク1に装着の結露水吸水保水不織布3は使用毎に交換し、マスク1も使用毎に洗浄する。構成が単純で簡潔なため衛生管理の徹底を容易に実現させることができる。」
「【0017】図3は、本発明に係るCPAPマスク,NPPVマスクの実施形態要素を分解説明する図である。マスク1に切込又は穴2を設ける。マスク1に設けた切込又は穴2を用いて結露水吸水保水不織布3をマスク1に挿入装着する。マスク1に挿入装着された結露水吸水保水不織布3はマスク1の結露水を吸水及び保水するとともに、呼吸気体の調質機能を果たす。」
「【図1】[図:0001391553000001.jpg]」
「【図3】[図:0001391553000002.jpg]」
(2)上記(1)の記載及び図示内容から、引用文献1には次の事項が記載されているといえる。
上記(1)の各記載事項並びに図1及び3に示された内容から、引用文献1に記載された技術は、マスク1と結露水吸水保水不織布3との組み合わせに関するものである。また、当該組み合わせにおけるマスク1は、CPAPマスク又はNPPVマスクの少なくとも一方であることは明らかである。
(3)上記(1)の記載事項及び(2)の認定事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「睡眠時無呼吸症候群の治療に使用するCPAPマスク又は非侵襲的陽圧換気療法に使用するNPPVマスクの少なくとも一方であって、前記マスクに結露水吸水保水不織布3を装着するための切込又は穴2を設けたマスク1と、前記マスク1に設けた切込又は穴2を用いてマスク1内部に装着する結露水吸水保水不織布3との組み合わせ」
2 引用文献2について
(1)引用文献2には、図面と共に以下の事項が記載されている。
「【0017】鼻被覆具1は、鼻全体を緩やかに覆う覆い3に装着手段、ここでは装着バンド15を取り付けたものであり、軽量のものが適している。本実施例では、直径約5センチの円形底面を有する筒型でプラスチック製のものを用いている。前記筒型の覆い3は、ここでは本体5と挟持部7からなっている。本体5と挟持部7は底面に複数の吸入用穴9を有しており、それぞれの穴の総面積は鼻孔の断面積よりも大きい。このため、吸気が無理なくできる。」
「【0020】前記挟持部7は前記本体5の外側前方に取り付けて使用する。このとき、本体5と挟持部7との間に機能通気シート17を挟持し、本体5の内側に、湿らせた機能通気シート18をストッパー6内に保持させて装着する。図1の実施例では、機能通気シート17は防塵用のものを用いている。吸気時は、防塵用の機能通気シート17で汚れた外気を清浄し、さらに本体内側の加湿用の機能通気シート18で清浄した空気を加湿して体内に取り込むことができる。【0021】前記機能通気シート17又は18はそのシートを通過した空気を吸い込むことによって、体内の機能を保護あるいは改善または治療するためのものであり、需要に応じて様々な種類のシート、あるいはシート状に形成できる様々な物質を使用することができる。例えば、活性炭とすれば、吸気を清浄し、花粉、埃等の粉塵を取り込まないようにすることができる。また、細孔を無数に有する繊維部材等を用いても、花粉や埃等を防止することができ、アレルギー症の症状の緩和に効果的である。また、湿らせたガーゼや湿らせた繊維部材を用いれば、吸気を加湿することもでき、鼻の乾きを防ぐほか、乾燥によって炎症等を起こしやすい鼻の粘膜を保護することができる。また、薬剤をしみこませて使用することもできる。この場合、吸気によって、薬剤を体内に自然に取り込むことができるため、無理なく持続的な治療ができる。また、前記機能通気シートは、必要に応じて図1の実施例のように2層に分けて用いても良く、また、どちらか1層のみで使用することもできる。例えば、加湿具として就寝時に使用する場合には、図1の実施例のように加湿用の機能通気シート18を本体の内側に装着しておけば、寝具を濡らす等の心配がない。」
「【0029】図5に本発明の他の実施例で、弁の動きを検知するモニター装置を付加した場合の概念図を示す。このモニタ装置21は、鼻被覆具1に設けられた排気弁13の開閉状態から呼吸の動きを監視する装置である。」
「【0031】前記モニター装置により、無呼吸症候群と呼ばれる、睡眠時の一時的な呼吸停止の病状をモニターすることができる。この場合、患者の睡眠時前に予め鼻被覆具1を装着させ、モニター装置をセットしておけば、一晩の睡眠中のある時間内に約何秒間何回呼吸が停止したかを知ることができる。また、前記モニター装置は、前記無呼吸症候群に限らず、呼吸を感知する必要のある病気等の診断等に活用することもできる。」
(2)上記(1)の記載から、引用文献2には次の事項が記載されているといえる。
ア 段落【0021】に、鼻被覆具1に装着した機能通気シート17,18を通過した空気を吸い込むことによって、体内の機能を保護あるいは改善または治療すること、及び、機能通気シート17,18に薬剤をしみこませて使用することができ、この場合、吸気によって薬剤を体内に取り込むことができるため、無理なく持続的な治療ができることが記載されていることからみて、「鼻被覆具1内部に装着した機能通気シート17,18に薬剤をしみこませ、該鼻被覆具1を通過した吸気によって体内に薬剤を取り込むこと。」が記載されている。
イ 段落【0029】及び【0031】の記載事項からみて、引用文献2に記載された技術は、睡眠時無呼吸症候群の患者に適用可能な鼻被覆具に関するものである。
(3)上記(1)の記載事項及び(2)の認定事項から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「睡眠時無呼吸症候群の患者に適用可能な鼻被覆具1において、鼻被覆具1内部に装着した機能通気シート17,18に薬剤をしみこませ、該鼻被覆具1を通過した吸気によって体内に薬剤を取り込む技術。」
3 引用文献3について
(1)引用文献3には、図面と共に以下の事項が記載されている。
「【0002】従来より、睡眠時無呼吸症候群等を防止するために、呼吸を補助する装置が知られている。例えば、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)と呼ばれる治療法では、睡眠時無呼吸症候群の患者が睡眠時に鼻に装着したマスクから、空気を送り込み、気道を押し広げることとしている。これにより、いびきの発生を抑制し、患者が無呼吸状態となることを防止している。なお、睡眠時無呼吸症候群等を防止するための呼吸補助装置については、例えば、特許文献1に記載されている。」
「【0010】図1~5において、呼吸補助装置1は、本体部100と、左右のゲート部材200,300と、パッド部400と、装着用バンド500とを備えている。本体部100は、正面視において外形が略三角形をなす三角柱状の部材であり、三角形の各辺を構成する側壁100Sによって囲まれた中空構造を有している。この本体部100は、使用者の鼻全体を覆う形状及びサイズからなる部材によって構成されている。また、本体部100の側壁100Sにおける背面側と正面側との中間位置(以下、「奥行き中央位置M」と称する。)には、本体部100の中空部分を正面側と背面側とに仕切る格子が形成された格子部材110が設置されている。」
「【0019】さらに、本体部100の側壁100S内部には、液体を貯留するための管状のタンク100Tが形成され、このタンク100Tは、正面視において略三角形の側壁100Sを周回して形成されている。タンク100Tには、1箇所あるいは複数箇所にタンク100T内の液体を流出させる微小な穴(以下、「液体流出穴100H」と称する。)が形成されている。液体流出穴100Hは、例えば、直径0.5mm~1.0mm程度の穴として形成される。また、本体部100の頂部には、タンク100Tに液体を注入するための注入口が設置されている。タンク100Tに液体を注入する際には、注入栓を取り外して注入口から液体を注入し、注入栓を取り付けることで、注入口は封止される。【0020】本体部100の正面側には、パッキン101、ガーゼ固定板102,103及びパッキン104を本体部100に固定する本体カバー105が取り付けられている。パッキン101は、側壁100Sの正面側に接触して配置される枠状の封止部材であり、液体流出穴100Hから流出した液体を正面側に設置されるガーゼGへと導く流路を備えている。この流路は、パッキン101を貫通して、あるいは、パッキン101の内周側に形成されている。【0021】ガーゼ固定板102は、正面視において、パッキン101と重なる枠部102aと、枠部102aに囲まれた内部を左右方向に渡る格子部102bとを有している。枠部102aは、正面視において、パッキン101と重ねて配置され、パッキン101を側壁100S側に押し付けている。また、ガーゼ固定板102は、パッキン101の液体流出穴100Hから流出した液体を正面側に設置されるガーゼGへと導く流路を備えている。この流路は、枠部102aを貫通して、あるいは、枠部102aの内周側に形成されている。【0022】ガーゼ固定板103は、ガーゼ固定板102と同様に、枠部103aと格子部103bとを有している。ガーゼ固定板103は、ガーゼ固定板102との間にガーゼGが配置された状態で、パッキン104によって側壁100S側に押し付けられることにより、ガーゼ固定板102と一体となってガーゼGを保持する。このように保持されたガーゼGには、ガーゼ固定板102の流路によって導かれた液体が浸透する。そのため、ガーゼGへと導かれる液体、即ち、側壁100Sのタンク100Tに貯留される液体として、水、吸入用の薬剤あるいはアロマオイル等を用いることで、調湿、呼吸器系疾患の治療あるいはリラクゼーション効果といった種々の機能を付加することができる。」
「【0026】[作用]次に、作用を説明する。本実施形態に係る呼吸補助装置1は、使用者が、パッド部400を鼻の周囲に押し当てて、装着用バンド500を頭に装着することにより、本体部100が使用者の鼻全体を覆う状態となる。そして、使用者が、自らの睡眠時における呼吸の強さに合わせて、ゲート部材200,300の位置を調整する。【0027】このとき、パッド部400が使用者の鼻の周囲に密着するため、使用者の呼気及び吸気は、本体部100を通して行われる状態となる。・・・(中略)・・・【0028】また、使用者が呼気を行う場合、上格子部110Aにおいて、ゲート部材200,300によって塞がれていない開口部を通して、呼気が流出する。ゲート部材200,300の間隔は、使用者の睡眠時における呼吸の強さに合わせて調整されており、呼気時に使用者の気道に発生する陽圧によって、いびきの発生が抑制される。 そのため、使用者自らの呼吸によって、気道に適切な陽圧を発生させることができるため、電源を用いることなく、睡眠時に無呼吸状態となることを防止できる。・・・(後略)・・・」
(2)上記(1)の記載から、引用文献3には次の事項が記載されているといえる。
ア 段落【0002】及び【0028】の記載事項からみて、引用文献3に記載された技術は、睡眠時無呼吸症候群の患者に適用する呼吸補助装置に関するものである。
イ 段落【0010】及び【0019】~【0022】に、使用者の鼻全体を覆う形状及びサイズの呼吸補助装置1において、呼吸補助装置1のタンク100Tに貯留された吸入用の薬剤を呼吸補助装置1の本体部100に配置されたガーゼGへと導き、該ガーゼGに薬剤を浸透させ、この薬剤によって呼吸器系疾患を治療する機能を付加することが記載され、さらに、段落【0026】及び【0027】に、使用者の呼気及び吸気は呼吸補助装置1の本体部100を通して行われることが記載されていることからみて、「ガーゼGに浸透された吸入用の薬剤は、使用者の吸気が呼吸補助装置1を通過することによって吸入されること。」が記載されている。
(3)上記(1)の記載事項及び(2)の認定事項から、引用文献3には、次の技術的事項が記載されていると認められる。
「睡眠時無呼吸症候群の患者に適用される呼吸補助装置1において、使用者の鼻全体を覆う呼吸補助装置1内部に配置されたガーゼGに吸入用の薬剤を浸透させ、該呼吸補助装置1を通過した吸気によって薬剤を吸入する技術。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「CPAPマスク」、「NPPVマスク」、「切込又は穴2」及び「マスク1」は、その機能及び構造からみて、本願発明の「CPAPマスク」、「NPPVマスク」、「切込又は穴」及び「マスク」にそれぞれ相当する。
また、引用発明の「結露水吸水保水不織布3」と本願発明の「吸入薬を含浸又は包含させた結露水吸水保水不織布」とは、「結露水を吸水保水する不織布」の限りで一致する。
したがって、本願発明と引用発明とは、
「睡眠時無呼吸症候群の治療に使用するCPAPマスク又は非侵襲的陽圧換気療法に使用するNPPVマスクの少なくとも一方であって、前記マスクに結露水を吸水保水する不織布を装着するための切込又は穴を設けたマスクと、前記マスクに設けた切込又は穴を用いてマスク内部に装着する結露水を吸水保水する不織布との組み合わせ」
である点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点]
結露水を吸水保水する不織布に関し、本願発明では「吸入薬を含浸又は包含させた」のに対し、引用発明では吸入薬を含浸又は包含させているのか明らかでない点。
第6 判断
上記相違点について以下検討する。
上記第4の2(3)のとおり、引用文献2には、「睡眠時無呼吸症候群の患者に適用可能な鼻被覆具1において、鼻被覆具1内部に装着した機能通気シート17,18に薬剤をしみこませ、該鼻被覆具1を通過した吸気によって体内に薬剤を取り込む技術。」が記載されており、また、同3(3)のとおり、引用文献3には、「睡眠時無呼吸症候群の患者に適用される呼吸補助装置1において、使用者の鼻全体を覆う呼吸補助装置1内部に配置されたガーゼGに吸入用の薬剤を浸透させ、該呼吸補助装置1を通過した吸気によって薬剤を吸入する技術。」が記載されているとおり、睡眠時無呼吸症候群の患者に適用可能であり、鼻全体を覆い呼吸を行う器具において、該器具を通過した吸気によって薬剤を投与すること、及び、その際に薬剤を該器具内に装着されたシート部材に含浸させることは、本願出願日前に周知の技術(以下「周知技術」という。)である。
そして、引用文献1の段落【0015】の「マスク1をマスク使用者の顔5、鼻4に密着させる。」との記載及び図1に示された内容から、引用発明におけるマスク1は、鼻全体を覆い、該マスク1を通じて呼吸を行うものであるから、引用発明と上記周知技術とは、鼻全体を覆う呼吸器具という技術分野に属する点で共通しており、また、引用発明は、「睡眠時無呼吸症候群の治療に使用するCPAPマスク」に関するものであるから、引用発明と上記周知技術とは、睡眠時無呼吸症候群の患者に適用される点でも共通している。
そうすると、引用発明において、上記周知技術を採用し、睡眠時無呼吸症候群の治療に使用するCPAPマスクのマスク1を通過した吸気によって薬剤を投与するために、マスク1内部に装着された結露水吸水保水不織布3に吸入薬を含浸させる構成とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。
また、本願発明の効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものであって、格別のものとはいえない。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 請求人の主張について
令和 4年 5月17日提出の意見書における請求人の主張について、以下検討する。
請求人は、令和 4年 4月27日付け拒絶理由通知で引用した引用文献2に関し、「引用文献2発明には、医療機器のCPAPマスク,NPPVマスクを活用した吸入薬の新たな投与方法を創造し実現させる構成の記載がない。また、引用文献2発明には、本願発明の医薬工業製品「吸入薬を含侵又は包含させた結露水吸水保水不織布3」の記載がない。」等主張する。また、同引用文献3に関し、「引用文献3発明は、医療機器のCPAPマスク,NPPVマスクとは全く異なる呼吸補助装置に関するものであることは明白である。」、「引用文献3発明には、医療機器のCPAPマスク,NPPVマスクを活用した吸入薬の新たな投与方法を創造し実現させる構成の記載がない。」及び「引用文献3発明には、本願発明の医薬工業製品「吸入薬を含侵又は包含させた結露水吸水保水不織布3」の記載がない。」等主張する。
しかしながら、上記第6で説示したとおり、引用文献2及び引用文献3は、「鼻全体を覆い呼吸を行う器具において、該器具を通過した吸気によって薬剤を投与すること、及び、その際に薬剤を該器具内に装着されたシート部材に含浸させること」が周知技術であることを例示するために引用したものである。また、引用文献2及び引用文献3に記載された鼻を覆い呼吸を行う器具は、いずれもCPAPマスク又はNPPVマスクではないものの、上記第4の2及び同3で認定したとおり、いずれも睡眠時無呼吸症候群の患者に適用されるものであって、睡眠時無呼吸症候群用の器具を通じて吸入薬を投与するものであるといえる。
そして、上記周知技術を引用発明において採用し、CPAPマスク又はNPPVマスクの内部に装着された結露水吸水保水不織布に吸入薬を含浸させる構成とすることは、当業者が容易になし得ることであり、そのように構成することで、CPAPマスク又はNPPVマスクを活用して吸入薬を投与できることは、当業者が予測し得る程度のことであるので、請求人の主張を採用することはできない。
よって、請求人の上記主張はいずれも採用することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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