2021-010057
適応的グラフィック使用者インターフェース拡大方法及びそれを遂行するモバイルデバイス
- 審判番号
- 2021-010057
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-196331外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年07月28日
- 審決日
- 2022年08月05日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】エヌエイチエヌ コーポレーション
- 【請求人代理人】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 15項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和元年10月29日(パリ条約による優先権主張2018年10月31日、韓国)の出願であって、令和2年12月16日付けで拒絶理由が通知され、令和3年3月19日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年3月26日付けで拒絶査定がされ、これに対し、令和3年7月28日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、その後、令和4年3月1日付けで当審より拒絶理由が通知され(以下、「当審拒絶理由」という。)、令和4年6月3日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年3月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-19に係る発明は、以下の引用文献A-Bに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
A.特開2017-49664号公報
B.米国特許出願公開第2014/0285418号明細書
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
本願請求項1-19に係る発明は、以下の引用文献1-2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.特開2017-49664号公報(拒絶査定時の「引用文献A」)
2.米国特許出願公開第2014/0285418号明細書(拒絶査定時の「引用文献B」)
第4 本願発明
本願請求項1-18に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明18」という。)は、令和4年6月3日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-18に記載された事項により特定される発明であって、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】ディスプレイパネルと、使用者の位置を感知するセンサと、前記センサから受信された使用者の位置から前記使用者に対する前記ディスプレイパネルの相対傾きを算出する相対傾き算出部と、前記相対傾きに基づいて、前記ディスプレイパネルに表示される、操作の対象であり拡大の対象である第1種グラフィックユーザインターフェースと、操作の対象であり拡大の対象ではない第2種グラフィックユーザインターフェースと、を含む複数のユーザインターフェースのうち前記第1種グラフィックユーザインターフェースの大きさを拡大するインターフェース拡大処理部と、を含み、前記第1種グラフィックユーザインターフェース及び前記第2種グラフィックユーザインターフェースは、予め指定されており、前記センサは前記ディスプレイパネルに対する使用者の目の位置を感知する視線感知センサを含み、使用者の視線方向に対して前記ディスプレイパネルが縦に置かれた場合、前記第1種グラフィックユーザインターフェースは縦方向に拡大され、使用者の視線方向に対して前記ディスプレイパネルが横に置かれた場合、前記第1種グラフィックユーザインターフェースは横方向に拡大されることを特徴とするモバイルデバイス。」
なお、本願発明2-18の概要は以下のとおりである。
本願発明2-10は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明11は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明12-18は、本願発明11を減縮した発明である。
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1及び引用発明
(1) 引用文献1
当審拒絶理由に引用した引用文献1には、図面とともに、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。
ア 段落【0012】-【0013】
「【0012】<実施形態1>図1は、本発明の実施形態1にかかる表示装置を備える画像形成装置の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態1にかかる表示装置を備える画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。【0013】画像形成装置1は、ファクシミリ通信機能、コピー機能、プリンター機能、およびスキャナー機能などの複数の機能を兼ね備えた複合機である。図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、装置本体2の上方に配置された画像読取部10と、画像読取部10と装置本体2との間に設けられた連結部3とから概略構成される。」
イ 【図20】-【図22】
「【図20】[図:0001388029000001.jpg]【図21】[図:0001388029000002.jpg]【図22】[図:0001388029000003.jpg]」
ウ 段落【0095】-【0106】
「【0095】<実施形態5>図20は、実施形態5にかかる表示装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートで示した処理と同内容の処理については同符号を付して説明を略する。【0096】続きを表示(全27行)表示制御部103は、補正表示モードにおいて、記憶部40に記憶されたアイコンを読み出し(ステップS40)、読み出したアイコンを拡大する処理を行う(ステップS41)。具体的には、表示制御部103は、読み出したアイコンの縦横比を維持したままアイコンを拡大する。このアイコンを拡大する処理は、アイコンの視認性を向上させるために行うものである。【0097】アイコンの拡大後、表示制御部103は、拡大したアイコンが操作画面内において隣り合う他のアイコンと重なるか否かを判定する(ステップS42)。また、表示制御部103は、拡大したアイコンが操作画面内に収まるか否かを判定する(ステップS43)。拡大したアイコンが隣り合う他のアイコンと重ならず(ステップS42においてNO)、かつ、拡大したアイコンが操作画面内に収まる(ステップS43においてYES)場合、表示制御部103は、拡大したアイコンを含む操作画面を表示部60に表示させる(ステップS44)。【0098】一方、拡大したアイコンが隣り合うアイコンと重なる場合(ステップS42においてYES)、または、拡大したアイコンが操作画面内に収まらない場合(ステップS43においてNO)、表示制御部103は、拡大したアイコンのうち、操作画面内に含めるアイコンを決定する処理を行う(ステップS45)。【0099】表示制御部103は、まず、拡大後のアイコンが隣り合うアイコンと重なることなく操作画面内に収まる数を特定する。そして、表示制御部103は、記憶部40に記憶される優先度に基づき操作画面に含めるアイコンを決定する。図21は、記憶部40に記憶される優先度を示す図である。本図に示すように、操作画面に含まれるアイコン毎に優先度が記憶されている。表示制御部103は、拡大したアイコンのうち当該優先度が高いアイコンから順に操作画面にアイコンを配置する。そして、表示制御部103は、操作画面内に他のアイコンと重なることなくアイコンを配置することができるスペースがなくなるまでアイコンを配置することで、操作画面内に含めるアイコンを決定する。これにより、表示制御部103は、操作画面内に含めるアイコンの数を少なくとも既述の特定した数まで減らした操作画面を表示部60に表示させることができる。【0100】図22は、表示制御部103が行う処理の内容を示す図である。図22の上段に示すように操作画面D9内に配置された8つのアイコンa71~a78のそれぞれを拡大した場合、拡大後のアイコンを操作画面内に収めることができなくなる。この場合、表示制御部103は、図22の下段に示すように、8つのアイコンのうち記憶部40に記憶される優先度が高い3つのアイコンa81、a84、a86のみを操作画面D10内に含めるようにする。【0101】以上のように、実施形態5にかかる表示装置によれば、操作画面に含まれるアイコンを拡大することによりアイコンの視認性を高めることができ、ユーザーが操作画面を斜めから視認することによりアイコンの視認性が低下することを抑えることができる。また、アイコンを拡大することにより、拡大したアイコンが隣り合う他のアイコンと重なったり、拡大したアイコンが操作画面内に収まらなくなったりする事態を回避することができる。【0102】<補足>実施形態5では、表示制御部103が操作画面に含まれるアイコンの縦横比を維持したままアイコンを拡大する場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。表示制御部103は、図23に示すように、操作画面D11に含まれる各アイコンを実施形態1と同様に第一方向(紙面上方向)に向けて伸長することにより、操作画面D12においてアイコンの重なりが生じた場合において、アイコンの数を減らした操作画面D13を表示部60に表示させてもよい。【0103】また、表示制御部103は、実施形態3と同様に、第一方向だけでなく、当該第一方向に直交する第二方向に向けて操作画面に含まれるアイコンを伸長してもよい。さらに、表示制御部103は、実施形態2と同様に、傾き検知部65が検知した表示面64の傾きに応じてアイコンを伸長する長さを変えてもよい。【0104】なお、本発明は、上記の実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。【0105】<変形例1>上記の各実施形態では、各実施形態にかかる表示装置が画像形成装置に設けられた表示パネルである場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。各実施形態にかかる表示装置は、スマートフォン等の携帯端末に設けられる表示装置やPC(Personal Computer)、テレビ等に設けられる表示装置等に適用することができる。【0106】例えば、各実施形態にかかる表示装置を携帯端末に適用した場合、携帯端末に設けられたカメラ等の視線検知部によりユーザーの視線の向きを検知してもよい。そして、制御部101(角度算出部)は、当該視線検知部が検知した向きと各実施形態で説明した傾き検知部65が検知した傾きとを用いて、ユーザーの視線と表示部60の表示面64とが交わる角度を算出する。表示制御部103は、制御部101が算出した角度が90度から離れるにつれて、操作画面に含まれるアイコンを伸長する長さを長くする。こうすることで、記憶部40に記憶される傾き情報を用いなくとも、ユーザーが操作画面を視認する角度に応じて操作画面に含まれるアイコンを伸長する長さを変えることができる。」
エ 【図23】
「【図23】[図:0001388029000004.jpg]」
(2) 引用発明
したがって、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「表示装置を備える画像形成装置1は、ファクシミリ通信機能、コピー機能、プリンター機能、およびスキャナー機能などの複数の機能を兼ね備えた複合機であり、表示制御部103は、補正表示モードにおいて、記憶部40に記憶されたアイコンを読み出し(ステップS40)、読み出したアイコンを拡大する処理を行い(ステップS41)、アイコンの拡大後、表示制御部103は、拡大したアイコンが操作画面内において隣り合う他のアイコンと重なるか否かを判定し(ステップS42)、また、表示制御部103は、拡大したアイコンが操作画面内に収まるか否かを判定し(ステップS43)、拡大したアイコンが隣り合うアイコンと重なる場合(ステップS42においてYES)、または、拡大したアイコンが操作画面内に収まらない場合(ステップS43においてNO)、表示制御部103は、拡大したアイコンのうち、操作画面内に含めるアイコンを決定する処理を行い(ステップS45)、続きを表示(全13行)表示制御部103は、まず、拡大後のアイコンが隣り合うアイコンと重なることなく操作画面内に収まる数を特定し、そして、表示制御部103は、記憶部40に記憶される優先度に基づき操作画面に含めるアイコンを決定し、記憶部40に、操作画面に含まれるアイコン毎に優先度が記憶されており、表示制御部103は、拡大したアイコンのうち当該優先度が高いアイコンから順に操作画面にアイコンを配置し、そして、表示制御部103は、操作画面内に他のアイコンと重なることなくアイコンを配置することができるスペースがなくなるまでアイコンを配置することで、操作画面内に含めるアイコンを決定し、これにより、表示制御部103は、操作画面内に含めるアイコンの数を少なくとも既述の特定した数まで減らした操作画面を表示部60に表示させることができ、表示制御部103が行う処理の内容を示す例において、操作画面D9内に配置された8つのアイコンa71~a78のそれぞれを拡大した場合、拡大後のアイコンを操作画面内に収めることができなくなる場合、表示制御部103は、8つのアイコンのうち記憶部40に記憶される優先度が高い3つのアイコンa81、a84、a86のみを操作画面D10内に含めるようにし、表示制御部103が操作画面に含まれるアイコンの縦横比を維持したままアイコンを拡大する場合に限定されず、表示制御部103は、操作画面D11に含まれる各アイコンを、第一方向(紙面上方向)に向けて伸長することにより、操作画面D12においてアイコンの重なりが生じた場合において、アイコンの数を減らした操作画面D13を表示部60に表示させてもよく、表示制御部103は、傾き検知部65が検知した表示面64の傾きに応じてアイコンを伸長する長さを変えてもよく、表示装置が画像形成装置に設けられた表示パネルである場合に限定されず、表示装置は、スマートフォン等の携帯端末に設けられる表示装置に適用することができ、表示装置を携帯端末に適用した場合、携帯端末に設けられたカメラ等の視線検知部によりユーザーの視線の向きを検知して、制御部101(角度算出部)は、当該視線検知部が検知した向きと、傾き検知部65が検知した傾きとを用いて、ユーザーの視線と表示部60の表示面64とが交わる角度を算出し、表示制御部103は、制御部101が算出した角度が90度から離れるにつれて、操作画面に含まれるアイコンを伸長する長さを長くすることで、記憶部40に記憶される傾き情報を用いなくとも、ユーザーが操作画面を視認する角度に応じて操作画面に含まれるアイコンを伸長する長さを変えることができる、表示装置。」
2 引用文献2について
(1) 引用文献2
当審拒絶理由に引用した引用文献2には、以下の記載がある。(訳は当審訳。)
ア 段落【0005】
「[0005] Virtual keyboards on many recent mobile devices may display character keys on a relatively small area, such as a screen smaller than a typical user's hand. Consequently, the dimensions of each key displayed on the virtual keyboard are typically narrow and therefore, unintended operations frequently occur where a user inadvertently touches a virtual keyboard key that is displayed adjacent to the key that the user intends to touch. As one technology intended to solve the problem of unintentional virtual keyboard key operations, there exists a technology that enlarges a display area corresponding to an area at which a proximity detection occurs. By enlarging an area of the displayed virtual keyboard, the key that the user intends to touch may become more prominent because it is displayed in a larger size, thereby reducing the likelihood of an unintentional input operation.」
(訳:
【0005】 最近の多くのモバイル装置上の仮想キーボードでは、例えば、典型的なユーザの手よりも小さい画面など、比較的小さな面積に、文字を表示する。その結果、仮想キーボード上に表示される各キーの大きさは、典型的には狭くなり、従って、ユーザがタッチしようとした仮想キーボードのキーの隣に表示されたキーにタッチしてしまうとき、意図しない動作がしばしば生じる。意図しない仮想キーボードのキー操作の問題を解決するための一つの技術として、近接検出がなされた領域に対応する表示領域を拡大する技術が存在する。表示された仮想キーボードのある領域を拡大することによって、ユーザがタッチしようとするキーがより大きなサイズで表示されて、より目立つようになり、意図しない入力操作の可能性が低減される。)
イ 【図7】、【図9】
「【図7】[図:0001388029000005.jpg]【図9】[図:0001388029000006.jpg]」
ウ 段落【0050】
「[0050] Next, FIGS. 7A and 7B provide non-limiting examples of determining an enlarged display area based on a line-of-sight angle calculated based on features of a captured image. Referring first to FIG. 7A, a user's finger f2 is shown approaching the character 123t displayed on the virtual keyboard 122. The example of FIG. 7A is shown from the perspective of eye E11. Further, it is assumed that light is incident upon the surface of the mobile device 100 at a perpendicular angle resulting in shadow sS2 being cast on the mobile device 100. An image may be captured in the example of FIG. 7A by the lens 109a. The captured image may, e.g., include a face that is detected by the controller 110. The controller 110 may also detect the presence of the eye E11 in the face. Based on the detection of the presence of eye E11, a line-of-sight angle from the eye E11 to the mobile device 100 may be calculated. For example, the controller 110 may determine the line-of-sight angle of E11 to the mobile device 100 corresponds to the line-of-sight angle θ1 shown in FIGS. 4 and 5. In response to detecting the presence of the finger f2 within a predetermined proximity of the character 123t and the calculation of the line-of-sight angle corresponding to the eye E11, the controller 110 may generate an enlarged area 123A for display on the display 120. The determined line-of-sight angle of eye E11 in FIG. 7A results in the character 123t being shifted slightly above the position at which the proximity detection occurs. As a result, the shifted character 123t within the enlarged area 123A allows a user looking at the mobile device 100 from the perspective of eye E11 to visually see the character 123t rather than the character being obscured by the finger f2.」
(訳:
【0050】 次に、図7A及び図7Bは、撮像した画像の特徴に基づいて計算された視線角度に基づいて、拡大表示領域を決定するための非限定的な例を提供する。最初に、図7Aを参照すると、ユーザの指が仮想キーボード122上に表示された文字123tに近づくように示される。図7(a)の例は、目(E11)の視点から図示される。さらに、光は、モバイルデバイス100上に垂直な角度で入射する結果、モバイルデバイス100の表面に、影sS2を落とすものと仮定する。図7(a)の例では、画像は、撮像レンズ109aによって取り込まれてよい。取り込まれた画像は、例えば、コントローラ110によって検出される顔を含んでもよい。また、制御部110は、顔における目E11の存在も検出できる。目E11の存在の検出に基づいて、目E11からモバイル装置100への視線角度を算出してもよい。例えば、コントローラ110は、図4及び図5に示される視線角度θ1に対応する、E11からモバイル装置100への視線角度を決定する。文字123tの所定の範囲内で近接する指f2の存在を検出したことと、目E11に対応する視線角度の計算とに応答して、制御部110は、ディスプレイ120上に表示するために拡大領域123Aを生成してもよい。図7(a)で目E11の視線角度が決定されることによって、上記キャラクタ123tは、近接検出が生じた位置からわずかに上にシフトされる。これによって、拡大領域内で、文字123tがシフトされることにより、移動装置100を、E11の視点から見たとき、指f2によって文字が覆い隠されるがことなくなって、文字123tを視覚的に見ることができる。)
エ 段落【0055】-【0056】
「[0055] Referring first to FIG. 9A , FIG. 9A illustrates a web search display shown on the mobile device 100 from a downward perspective of eye E11. In particular, a key word search corresponding to a character string entered in search area 121 results in search results 125A, 125B, and 125X being displayed on the display 120. In response to the finger f2 approaching within a predetermined distance of the display 120, an enlarged area 126A that includes the search result 126X is shown on the display 120. The enlarged area 126A is determined based on the line-of-sight angle calculated from an image captured by the lens 109a, and corresponds to the eye E11 in the captured image. The example of FIG. 9A assumes that light is incident upon the mobile device 100 at a perpendicular angle resulting in the shadow fS2 being cast on the mobile device 100. As shown in the figure, the search result 126X is shifted to a slightly higher position relative to the position at which the proximity detection occurs (i.e., search result 126X). The upward shift in the search result 126X is caused by the controller 110 detecting a line-of-sight angle corresponding to the downward perspective of the eye E11.[0056] Similarly, FIG. 9B illustrates the mobile device 100 from an upward perspective of eye E12. The example of FIG. 9B assumes finger f3 approaches the search result 126X within a predetermined distance, and an image captured by the lens 109a includes the eye E12, whereby the controller 110 calculates a line-of-sight angle corresponding to the eye E12. Based on the calculated line-of-sight angle of the eye E12 in the captured image, the search result 126X is shifted slightly downward from the position at which proximity detection occurs. The shifting of the search result 126X mitigates the obscuring of display data beneath the instruction object (i.e., finger F3), which improves user friendliness.」
(訳:
【0055】 図9Aをまず参照すると、図9Aは、下を向いた眼E11から見た、モバイルデバイス100上に示されるウェブ検索表示を示している。具体的には、探索エリア121に入力された文字列に対応するキーワード検索によって、表示部120には、検索結果125A,125B,125Xが表示される。ディスプレイ120の所定の距離内に指f2が接近したことに応答して、検索結果126Xを含む拡大領域126Aが、表示装置120に表示される。拡大領域126Aは、レンズ109aにより撮影された画像から計算された視線角度に基づいて決定され、取り込まれた画像における目E11に対応している。図9(a)の例では、光は、モバイルデバイス100上に垂直な角度で入射する結果として、モバイルデバイス100の表面に、影fS2を落とすものと仮定する。図に示されるように、検索結果126Xは、近接検出がなされた位置よりも若干高い位置にシフトされる(すなわち、検索結果126X)。検索結果126Xの上方へのシフトは、コントローラ110が、下方を向いた目E11の視線角度を検出することによって生じる。
【0056】 同様に、図9Bは、上を向いた目E12から見た、モバイルデバイス100を示している。図9Bの例では、指f3は、検索結果126Xから所定の距離内に接近し、レンズ109aによって取り込まれた画像は目E12を含み、それによって、コントローラ110は、E12に対応する視線角度を算出すると仮定する。取り込まれた画像中の眼E12の計算された視線角度に基づいて、検索結果部126Xは、近接の検出がなされた位置よりわずかに下方にシフトされる。検索結果126のシフトによって、指示物体(すなわち、指F3)の下側のディスプレイのデータの隠蔽を緩和して、ユーザの利便性を向上できる。)
(2) 周知技術
引用文献2に記載されるように、携帯端末等の小型の表示画面の見やすさや、操作性の向上のために、視線角度に基づいて、表示画面の一部のみを拡大の対象とすることは、周知技術であると認められる。
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と、引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。
ア 引用発明の「表示装置」は、「画像形成装置に設けられた表示パネルである場合に限定されず、表示装置は、スマートフォン等の携帯端末に設けられる表示装置に適用することができ」るから、本願発明1の「ディスプレイパネル」に相当する。
イ 引用発明を「表示装置を携帯端末に適用した場合」における、「携帯端末に設けられたカメラ等の視線検知部」は、携帯端末から見た「ユーザーの視線の向きを検知して」いるから、本願発明1の「使用者の位置を感知するセンサ」に相当し、また、「前記センサは前記ディスプレイパネルに対する使用者の目の位置を感知する視線感知センサを含」むことに相当する。
ウ 引用発明の「表示装置」の「制御部101(角度算出部)」は、「当該視線検知部が検知した向きと、傾き検知部65が検知した傾きとを用いて、ユーザーの視線と表示部60の表示面64とが交わる角度を算出し」ているから、本願発明1の「前記センサから受信された使用者の位置から前記使用者に対する前記ディスプレイパネルの相対傾きを算出する相対傾き算出部」に相当する。
エ 引用発明の「拡大したアイコンのうち当該優先度が高いアイコン」は、具体的には、「操作画面D9内に配置された8つのアイコンa71~a78」のうちの「優先度が高い3つのアイコンa81、a84、a86」(【図22】参照。)であって、本願発明1の「前記ディスプレイパネルに表示される、操作の対象であり拡大の対象である第1種グラフィックユーザインターフェース」に相当する。
引用発明の上記「拡大したアイコンのうち当該優先度が高いアイコン」以外のアイコンは、具体的には、「操作画面D9内に配置された8つのアイコンa71~a78」のうちの「優先度が高い3つのアイコンa81、a84、a86」以外の5つのアイコンa72、a73、a75、a77、a78(【図22】参照。)であって、本願発明1の「前記ディスプレイパネルに表示される」、「操作の対象であり拡大の対象ではない第2種グラフィックユーザインターフェース」と、「第2種グラフィックユーザインターフェース」である点で共通するといえる。
よって、引用発明の「表示制御部103は、補正表示モードにおいて、記憶部40に記憶されたアイコンを読み出し(ステップS40)、読み出したアイコンを拡大する処理を行い(ステップS41)、
アイコンの拡大後、表示制御部103は、拡大したアイコンが操作画面内において隣り合う他のアイコンと重なるか否かを判定し(ステップS42)、また、表示制御部103は、拡大したアイコンが操作画面内に収まるか否かを判定し(ステップS43)、
拡大したアイコンが隣り合うアイコンと重なる場合(ステップS42においてYES)、または、拡大したアイコンが操作画面内に収まらない場合(ステップS43においてNO)、表示制御部103は、拡大したアイコンのうち、操作画面内に含めるアイコンを決定する処理を行い(ステップS45)、
表示制御部103は、まず、拡大後のアイコンが隣り合うアイコンと重なることなく操作画面内に収まる数を特定し、そして、表示制御部103は、記憶部40に記憶される優先度に基づき操作画面に含めるアイコンを決定し、
記憶部40に、操作画面に含まれるアイコン毎に優先度が記憶されており、表示制御部103は、拡大したアイコンのうち当該優先度が高いアイコンから順に操作画面にアイコンを配置し、そして、表示制御部103は、操作画面内に他のアイコンと重なることなくアイコンを配置することができるスペースがなくなるまでアイコンを配置することで、操作画面内に含めるアイコンを決定し、これにより、表示制御部103は、操作画面内に含めるアイコンの数を少なくとも既述の特定した数まで減らした操作画面を表示部60に表示させることができ、
表示制御部103が行う処理の内容を示す例において、
操作画面D9内に配置された8つのアイコンa71~a78のそれぞれを拡大した場合、拡大後のアイコンを操作画面内に収めることができなくなる場合、表示制御部103は、8つのアイコンのうち記憶部40に記憶される優先度が高い3つのアイコンa81、a84、a86のみを操作画面D10内に含めるようにし」ていることは、本願発明1の「前記相対傾きに基づいて、前記ディスプレイパネルに表示される、操作の対象であり拡大の対象である第1種グラフィックユーザインターフェースと、操作の対象であり拡大の対象ではない第2種グラフィックユーザインターフェースと、を含む複数のユーザインターフェースのうち前記第1種グラフィックユーザインターフェースの大きさを拡大するインターフェース拡大処理部」と、「前記相対傾きに基づいて、前記ディスプレイパネルに表示される、操作の対象であり拡大の対象である第1種グラフィックユーザインターフェースと、第2種グラフィックユーザインターフェースと、を含む複数のユーザインターフェースのうち前記第1種グラフィックユーザインターフェースの大きさを拡大するインターフェース拡大処理部」である点で共通するといえる。
オ 引用発明の「記憶部40に、操作画面に含まれるアイコン毎に優先度が記憶されており、表示制御部103は、拡大したアイコンのうち当該優先度が高いアイコンから順に操作画面にアイコンを配置し」ていることは、本願発明1の「前記第1種グラフィックユーザインターフェース及び前記第2種グラフィックユーザインターフェースは、予め指定されていること」に相当する。
カ 引用発明の「表示装置」を、「スマートフォン等の携帯端末に設けられる表示装置に適用する」場合における「スマートフォン等の携帯端末」は、本願発明1の「モバイルデバイス」に相当する。
キ よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。
(2) 一致点、相違点
よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。
[一致点]
「ディスプレイパネルと、使用者の位置を感知するセンサと、前記センサから受信された使用者の位置から前記使用者に対する前記ディスプレイパネルの相対傾きを算出する相対傾き算出部と、前記相対傾きに基づいて、前記ディスプレイパネルに表示される、操作の対象であり拡大の対象である第1種グラフィックユーザインターフェースと、第2種グラフィックユーザインターフェースと、を含む複数のユーザインターフェースのうち前記第1種グラフィックユーザインターフェースの大きさを拡大するインターフェース拡大処理部と、を含み、前記第1種グラフィックユーザインターフェース及び前記第2種グラフィックユーザインターフェースは、予め指定されており、前記センサは前記ディスプレイパネルに対する使用者の目の位置を感知する視線感知センサを含む、ことを特徴とするモバイルデバイス。」
[相違点1]
「拡大の対象ではない第2種グラフィックユーザインターフェース」が、本願発明1では、「前記ディスプレイパネルに表示される」、「操作の対象であり拡大の対象ではない第2種グラフィックユーザインターフェース」であるのに対して、引用発明では、操作画面に収まらない、優先度の低いアイコンの表示や操作の有無について、特定されていない点。
[相違点2]
本願発明1では、「使用者の視線方向に対して前記ディスプレイパネルが縦に置かれた場合、前記第1種グラフィックユーザインターフェースは縦方向に拡大され、
使用者の視線方向に対して前記ディスプレイパネルが横に置かれた場合、前記第1種グラフィックユーザインターフェースは横方向に拡大される」のに対して、引用発明では、使用者の視線方向に対して、ディスプレイパネルが置かれる向きに応じて、拡大の方向を定めることについて、特定されていない点。
(3) 当審の判断
事案に鑑みて、上記[相違点2]について先に検討すると、[相違点2]に係る本願発明1の「使用者の視線方向に対して前記ディスプレイパネルが縦に置かれた場合、前記第1種グラフィックユーザインターフェースは縦方向に拡大され、
使用者の視線方向に対して前記ディスプレイパネルが横に置かれた場合、前記第1種グラフィックユーザインターフェースは横方向に拡大される」という構成は、上記引用文献1ないし2には記載されておらず、周知技術であるともいえない。
引用発明は、「表示装置を備える画像形成装置1は、ファクシミリ通信機能、コピー機能、プリンター機能、およびスキャナー機能などの複数の機能を兼ね備えた複合機であり」、「表示装置が画像形成装置に設けられた表示パネルである場合に限定されず、表示装置は、スマートフォン等の携帯端末に設けられる表示装置に適用することができ」るものである。
ここで、引用発明の「表示装置」が「ファクシミリ通信機能、コピー機能、プリンター機能、およびスキャナー機能などの複数の機能を兼ね備えた複合機であ」る「画像形成装置」に設けられる場合については、そもそも、「表示パネル」の置き方を変えることは想定し難い。また、引用発明の「表示装置」が、「スマートフォン等の携帯端末に設けられる」場合であっても、使用者の視線方向に対して、ディスプレイパネルが置かれる向きに応じて、拡大の方向を定めることは開示されていない。
引用文献2には、携帯端末等の小型の表示画面の見やすさや、操作性の向上のために、視線角度に基づいて、表示画面の一部のみを拡大の対象とする周知技術は記載されているが、使用者の視線方向に対して、ディスプレイパネルが置かれる向きに応じて、拡大の方向を定めることは開示されていない。
したがって、本願発明1は、相違点1について検討するまでもなく、当業者であっても引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 請求項2-18について
本願発明2-18も、本願発明1の上記[相違点2]に係る構成と、(実質的に)同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
3 当審拒絶理由についてのまとめ
以上のとおりであるから、当審拒絶理由によっては、もはや、本願を拒絶することはできない。
第7 原査定についての判断
令和4年6月3日付けの手続補正により、補正後の請求項1-18は、本願発明1の上記[相違点2]に係る「使用者の視線方向に対して前記ディスプレイパネルが縦に置かれた場合、前記第1種グラフィックユーザインターフェースは縦方向に拡大され、
使用者の視線方向に対して前記ディスプレイパネルが横に置かれた場合、前記第1種グラフィックユーザインターフェースは横方向に拡大される」という技術的事項を有するものとなった。
当該技術的事項は、原査定における引用文献A-Bには記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1-18は、当業者であっても、原査定における引用文献A-Bに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-010057