2021-009609
遊技機
- 審判番号
- 2021-009609
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-173589外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年07月19日
- 審決日
- 2022年04月05日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯の概要
本願は、平成30年9月18日の特許出願であって、令和2年11月25日付けで拒絶の理由が通知され、令和3年1月27日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年4月19日付け(謄本送達日:同年同月27日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年7月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和3年7月19日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年7月19日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、令和3年1月27日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】始動条件の成立に基づき図柄を変動表示し、前記図柄が予め定められた特定図柄で停止表示すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、前記図柄の変動表示中に、表示手段で複数列の演出図柄での変動演出を実行し、前記図柄が前記特定図柄で停止表示する場合に、前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示するように制御可能な演出制御手段、を備え、前記演出制御手段は、続きを表示(全11行)前記図柄の変動表示中に、複数列の全てにおいて前記演出図柄が認識可能な認識可能表示態様を実行可能な第1時間と、複数列の全てにおいて前記演出図柄が停止表示される停止表示態様として、前記複数列のそれぞれにおいて異なる前記演出図柄で停止表示される第1状態と、前記特定演出図柄で停止表示される第2状態と、を実行可能な第2時間と、により停止演出を実行可能であり、前記停止表示態様が前記第2状態となる場合は、前記第1状態となる場合に比べて、前記認識可能表示態様の実行前に期待度を向上させる所定の演出が実行され易くなるように制御可能であり、前記第1時間中の前記停止演出としては、前記第1状態となる場合は、複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出を実行可能であり、前記第2状態となる場合は、前記第1演出と前記第1演出の振れ動く態様とは異なる態様の第2演出とを実行可能であることを特徴とする遊技機。」を、
審判請求時に提出された手続補正書(令和3年7月19日付け)の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】始動条件の成立に基づき図柄を変動表示し、前記図柄が予め定められた特定図柄で停止表示すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、前記図柄の変動表示中に、表示手段で複数列の演出図柄での変動演出を実行し、前記図柄が前記特定図柄で停止表示する場合に、前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示するように制御可能な演出制御手段、を備え、前記演出制御手段は、続きを表示(全11行)前記図柄の変動表示中に、複数列の全てにおいて前記演出図柄が認識可能な認識可能表示態様を実行可能な第1時間と、複数列の全てにおいて前記演出図柄が停止表示される停止表示態様として、前記複数列のそれぞれにおいて異なる前記演出図柄で停止表示される第1状態と、前記特定演出図柄で停止表示される第2状態と、を実行可能な第2時間と、により停止演出を実行可能であり、前記停止表示態様が前記第1状態となる場合より、前記第2状態となる場合の方が、前記認識可能表示態様の実行前に期待度を向上させる所定の演出が実行され易くなるように制御可能であり、前記第1時間中の前記停止演出は、前記第1状態となる場合は、複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出を実行可能であり、前記第2状態となる場合は、前記第1演出と、前記第1演出の振れ動く態様とは異なり複数の前記演出図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様の第2演出と、を実行可能であることを特徴とする遊技機。」
にする補正を含むものである(下線は、補正箇所を明示するために当審判合議体にて付した。)。
2 補正の適否
2-1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第2演出」に関して、「前記第1演出の振れ動く態様とは異なる態様」としていたものを「前記第1演出の振れ動く態様とは異なり複数の前記演出図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様」と限定するとともに、補正前の請求項1で「前記停止表示態様が前記第2状態となる場合は、前記第1状態となる場合に比べて」としていたものを「前記停止表示態様が前記第1状態となる場合より、前記第2状態となる場合の方が」と語順及び表現変更し、「前記第1時間中の前記停止演出としては、」としていたものを「前記第1時間中の前記停止演出は、」とする表現態様の変更を含むものである。
そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書」という。)の段落【0636】、【0642】、【0645】~【0651】、図51-1、図54-2、図55-1の記載に基づくものであり、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
2-2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A~Eは、分説するため当審判合議体にて付した。)。
「【請求項1】A 始動条件の成立に基づき図柄を変動表示し、前記図柄が予め定められた特定図柄で停止表示すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、B 前記図柄の変動表示中に、表示手段で複数列の演出図柄での変動演出を実行し、前記図柄が前記特定図柄で停止表示する場合に、前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示するように制御可能な演出制御手段、を備え、C 前記演出制御手段は、続きを表示(全11行)C1 前記図柄の変動表示中に、複数列の全てにおいて前記演出図柄が認識可能な認識可能表示態様を実行可能な第1時間と、C2 複数列の全てにおいて前記演出図柄が停止表示される停止表示態様として、前記複数列のそれぞれにおいて異なる前記演出図柄で停止表示される第1状態と、前記特定演出図柄で停止表示される第2状態と、を実行可能な第2時間と、により停止演出を実行可能であり、C3 前記停止表示態様が前記第1状態となる場合より、前記第2状態となる場合の方が、前記認識可能表示態様の実行前に期待度を向上させる所定の演出が実行され易くなるように制御可能であり、D 前記第1時間中の前記停止演出は、D1 前記第1状態となる場合は、複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出を実行可能であり、D2 前記第2状態となる場合は、前記第1演出と、前記第1演出の振れ動く態様とは異なり複数の前記演出図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様の第2演出と、を実行可能であるE ことを特徴とする遊技機。」
(2)引用発明
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2004-202114号公報(平成16年7月22日公開)(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア 記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
(ア)「【0009】【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1~図7は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。4はガラス扉、5は前面板で、これらは前枠3の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。7は遊技盤で、窓孔6に対応するように前枠3の裏側に着脱自在に装着されている。」
(イ)「【0018】特別図柄始動手段18は、開閉自在な左右一対の開閉爪28を備えた可変作動式の電動式チューリップ等により構成され、普通図柄表示手段23の変動後の普通図柄が当たり態様となることに基づいて第1利益状態が発生したときに開閉爪28が所定時間開状態に作動するようになっている。【0019】特別図柄表示手段27は、可変表示手段22上に1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別図柄(識別情報)を変動表示可能に構成され、特別図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件に特別図柄を所定時間変動して、例えば左・右・中等の所定の順序で仮停止させた後、全ての特別図柄を確定停止させるようになっている。仮停止状態の特別図柄は、その確定停止までの間、後述するように縦揺れ、横揺れ等の揺れ変動態様で表示されるようになっている。続きを表示(全16行)【0020】揺れ変動態様は、特別図柄が例えば縦、横、斜め等の所定方向に小さい移動量の往復運動を繰り返して、特別図柄が揺れているように見せる表示態様で、この揺れ変動態様で表示することにより、特別図柄が未だ確定停止していないことを遊技者が認識することができる。【0021】特別図柄は、変動時には上下方向又は左右方向にスクロールする等、所定の変動パターンA~Eで変動して、特別図柄始動手段18による遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値に基づく後述する大当たり判定において大当たり態様判定となった場合には全ての特別図柄が同一となる大当たり態様で、それ以外の場合には特別図柄の少なくとも1つが異なる図柄となる外れ態様で確定停止するようになっている。【0022】特別図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の図柄を使用可能であり、本実施形態では「0」~「9」までの10種類の数字図柄が使用されている。【0023】また、特別図柄表示手段27の変動表示中、又は後述する第2利益状態(利益状態)の発生中に特別図柄始動手段18が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定用乱数値等が所定の上限保留個数(例えば4個)を限度として記憶されると共に、中央表示手段16の特別保留個数表示手段25がその大当たり判定用乱数の記憶個数(特別保留個数)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。【0024】可変入賞手段19は、遊技者に有利な開状態と遊技者に不利な閉状態とに変化可能な開閉板29を備えた可変作動式であって、特別図柄表示手段27の確定停止後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて第2利益状態が発生したときに、開閉板29が前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。また可変入賞手段19は、その内部側が3個等の複数個の通路に分割され、その一部の通路が特定領域30となっている。【0025】なお、可変入賞手段19は、その開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、その所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞することを条件に開閉板29を閉じ、遊技球が特定領域30を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)までこの開閉動作(第2利益状態)を繰り返すようになっている。」
(ウ)「【0036】第2抽選手段42は、特別図柄始動手段18が遊技球を検出することに基づいて大当たり判定用乱数等の抽選を行なうもので、特別図柄始動手段18が遊技球を検出したときに、第2乱数発生手段41から大当たり判定用乱数と大当たり図柄用乱数とを1個ずつ取得するようになっている。取得された大当たり判定用乱数値と大当たり図柄用乱数値とは共に所定の上限保留個数(例えば4個)を限度として記憶され、特別図柄表示手段27が変動表示可能な状態となる毎に順次第2判定手段43側に出力されると共に記憶から消去されるようになっている。」
(エ)「【0041】特別図柄の変動パターンA~Eとしては、例えば図4の左欄に示すように、リーチ態様を経由することなく外れ態様となるリーチなし外れ変動パターンA、ノーマルリーチ態様を経由して外れ態様となるノーマルリーチ外れ変動パターンB、スーパーリーチ態様を経由して外れ態様となるスーパーリーチ外れ変動パターンC、ノーマルリーチ態様を経由して大当たり態様となるノーマルリーチ大当たり変動パターンD、スーパーリーチ態様を経由して大当たり態様となるスーパーリーチ大当たり変動パターンE等が用意されている。【0042】スーパーリーチ態様とは、例えば、特別図柄表示手段27の背景画面として可変表示手段22に表示される動画等の演出画面がノーマルリーチ態様に比べて派手なリーチ態様、特別図柄の変動時間がノーマルリーチ態様に比べて長いリーチ態様等のことである。【0043】なお、これらの各変動パターンA~Eは、各特別図柄の仮停止後の再変動、全特別図柄の仮停止後の再変動の有無等により更に細分化され、またスーパーリーチ外れ変動パターンC及びスーパーリーチ大当たり変動パターンEは、スーパーリーチ態様の種類(例えば演出画面、変動時間等)により細分化されているが、便宜上、変動パターンA~Eを上記の5種類として説明する。【0044】例えば変動パターン選択手段45は、第2判定手段43の判定結果が外れ態様判定で、停止図柄態様選択手段44の選択結果による左図柄と右図柄とが異なる場合には、リーチなし外れ変動パターンAを選択し、第2判定手段43の判定結果が外れ態様判定で、停止図柄態様選択手段44の選択結果による左図柄と右図柄とが同一図柄の場合には、ノーマルリーチ外れ変動パターンB又はスーパーリーチ外れ変動パターンCを選択し、また第2判定手段43の判定結果が大当たり態様判定の場合には、ノーマルリーチ大当たり変動パターンD又はスーパーリーチ大当たり変動パターンEを選択するようになっている。」
(オ)「【0059】揺れ変動態様選択手段54は、例えば主制御基板34側から送信されてくる変動パターンコマンド、各停止図柄コマンド等に基づいて、左・中・右の各特別図柄の仮停止状態時の揺れ変動態様を選択するもので、例えば図5に示すように、各特別図柄の揺れ変動の方向の複数パターンの組み合わせとして揺れ変動組み合わせパターンA~Gが用意されており、主制御基板34側で選択された変動パターンA~E、停止図柄に応じて、例えば図4に示す抽選確率により各揺れ変動組み合わせパターンA~Gの何れかを選択して、その選択結果を特別図柄制御手段55に出力するようになっている。【0060】実施形態では、例えば7種類の揺れ変動組み合わせパターンA~Gが用意されている。なお、揺れ変動組み合わせパターンAは「左図柄・中図柄・右図柄」(以下同じ)が「縦揺れ・縦揺れ・縦揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンBは「横揺れ・縦揺れ・縦揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンCは「斜め揺れ・縦揺れ・縦揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンDは「横揺れ・縦揺れ・横揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンEは「斜め揺れ・縦揺れ・斜め揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンFは「横揺れ・横揺れ・横揺れ」、また揺れ変動組み合わせパターンGは「斜め揺れ・斜め揺れ・斜め揺れ」となっている。続きを表示(全14行)【0061】また、各揺れ変動組み合わせパターンA~Gは、変動パターンA~E、停止図柄との対応関係が夫々異なっている。例えば、揺れ変動組み合わせパターンAは全ての変動パターンA~Eに対応し、揺れ変動組み合わせパターンBはリーチなし外れ変動パターンA以外の変動パターンB~Eに対応し、揺れ変動組み合わせパターンC及びDはスーパーリーチ外れ変動パターンC及びスーパーリーチ大当たり変動パターンEに対応し、揺れ変動組み合わせパターンE及びFはスーパーリーチ大当たり変動パターンEに対応し、揺れ変動組み合わせパターンGはスーパーリーチ変動パターンEで且つ停止図柄が特定の大当たり態様(確変大当たり態様)の場合に対応している。【0062】従って、この実施形態では、縦揺れよりも横揺れの方が、横揺れよりも斜め揺れの方が利益状態等の信頼度が高く、更に横揺れ、斜め揺れの特別図柄の個数が多いほど利益状態等の信頼度が高くなっている。【0063】例えば、揺れ変動態様選択手段54は、変動パターンコマンドがスーパーリーチ外れ変動パターンCであった場合には、揺れ変動組み合わせパターンA~Dのうち何れかを各32/128の確率で抽選するようになっている。その他の変動パターンA~Eの場合にも(変動パターンEの場合には停止図柄も考慮して)、各選択率に応じて揺れ変動組み合わせパターンA~Gの何れかを選択するようになっている。【0064】特別図柄制御手段55は、特別図柄表示手段27の表示制御を行なうもので、特別図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件に、制御コマンド送信手段48からの変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、右停止図柄コマンド、中停止図柄コマンドに基づいて、変動パターン記憶手段53に記憶された画像表示データにより特別図柄表示手段27の特別図柄を所定のパターンで変動させて、制御コマンド送信手段48からの変動停止コマンドに基づいて、第2判定手段43の判定結果が大当たり態様判定ときに「7・7・7」等の大当たり態様で、それ以外のときに外れ態様で特別図柄を停止させるようになっている。【0065】特別図柄制御手段55は、図6に示すように、各特別図柄を所定の順番(例えば、左、右、中の順)で仮停止させると共に、揺れ変動態様選択手段54により選択された揺れ変動組み合わせパターンA~Gに基づいて、例えば変動パターン記憶手段53に記憶された揺れ変動態様に関する画像表示データにより、仮停止状態の各特別図柄を揺れ変動させるようになっている。なお、一部又は全部の特別図柄が、一旦仮停止した後さらに再変動して各停止図柄コマンドに基づく停止図柄で確定停止する場合に、再変動前の仮停止図柄を特別図柄制御手段55が適宜選択するようにしても良い。」
(カ)「【0091】このように本実施形態では、複数(3個)の特別図柄を変動表示可能な可変表示手段22(特別図柄表示手段27)と、特別図柄の表示制御を行なう特別図柄制御手段55と、確定停止後の特別図柄が所定の表示態様となることを条件に、遊技者に有利となる利益状態を発生させる利益状態発生手段46,47とを備えた遊技機であって、確定停止前の仮停止状態となった特別図柄の揺れ変動の態様が複数あるので、揺れ変動の演出効果を高めることができ、遊技者の興趣を増大できる。」
イ 図面の図示内容
「【図4】[図:0001385950000001.jpg]」
上記図4には、リーチなし外れ変動パターンAでは、揺れ変動組み合わせパターンAが128/128の確率で抽選で選ばれ、ノーマルリーチ大当たり変動パターンDでは、揺れ変動組み合わせパターンAが64/128の確率で、揺れ変動組み合わせパターンBが64/128の確率で抽選で選ばれることが図示されている。
ウ 引用発明
上記アの記載事項及び上記イの図面の図示内容から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める(記号a~e等は、本件補正発明の記号A~Eに対応させて当審判合議体にて付した。)。
「a 特別図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件に特別図柄を所定時間変動して、例えば左・右・中等の所定の順序で仮停止させた後、全ての特別図柄を確定停止させるようになっている可変表示手段22上に1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別図柄(識別情報)を変動表示可能に構成された特別図柄表示手段27(【0019】)と、特別図柄表示手段27の確定停止後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて第2利益状態が発生したときに、開閉板29が前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている可変入賞手段19(【0024】)と、を備えたパチンコ機(【0009】、【0091】)において、b、c 特別図柄制御手段55は、特別図柄表示手段27の表示制御を行ない(【0064】)、特別図柄は、変動時には上下方向又は左右方向にスクロールする等、所定の変動パターンA~Eで変動して、特別図柄始動手段18による遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値に基づく大当たり判定において大当たり態様判定となった場合には全ての特別図柄が同一となる大当たり態様で、それ以外の場合には特別図柄の少なくとも1つが異なる図柄となる外れ態様で確定停止するようになっており(【0021】)、c1 特別図柄の変動パターンA~Eとしては、リーチ態様を経由することなく外れ態様となるリーチなし外れ変動パターンA、ノーマルリーチ態様を経由して外れ態様となるノーマルリーチ外れ変動パターンB、スーパーリーチ態様を経由して外れ態様となるスーパーリーチ外れ変動パターンC、ノーマルリーチ態様を経由して大当たり態様となるノーマルリーチ大当たり変動パターンD、スーパーリーチ態様を経由して大当たり態様となるスーパーリーチ大当たり変動パターンE等が用意されており(【0041】)、各変動パターンA~Eは、各特別図柄の仮停止後の再変動、全特別図柄の仮停止後の再変動の有無等により更に細分化され、またスーパーリーチ外れ変動パターンC及びスーパーリーチ大当たり変動パターンEは、スーパーリーチ態様の種類(例えば演出画面、変動時間等)により細分化され(【0043】)、c2 各特別図柄の揺れ変動の方向の複数パターンの組み合わせとして揺れ変動組み合わせパターンA~Gが用意されており(【0059】)、リーチなし外れ変動パターンAでは、揺れ変動組み合わせパターンAが128/128の確率で抽選で選ばれ、ノーマルリーチ大当たり変動パターンDでは、揺れ変動組み合わせパターンAが64/128の確率で、揺れ変動組み合わせパターンBが64/128の確率で抽選で選ばれ(【図4】)、d 各特別図柄を所定の順番(例えば、左、右、中の順)で仮停止させると共に、揺れ変動態様選択手段54により選択された揺れ変動組み合わせパターンA~Gに基づいて、例えば変動パターン記憶手段53に記憶された揺れ変動態様に関する画像表示データにより、仮停止状態の各特別図柄を揺れ変動させるようになっており(【0065】)、d1、d2 揺れ変動組み合わせパターンAは「左図柄・中図柄・右図柄」(以下同じ)が「縦揺れ・縦揺れ・縦揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンBは「横揺れ・縦揺れ・縦揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンCは「斜め揺れ・縦揺れ・縦揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンDは「横揺れ・縦揺れ・横揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンEは「斜め揺れ・縦揺れ・斜め揺れ」、揺れ変動組み合わせパターンFは「横揺れ・横揺れ・横揺れ」、また揺れ変動組み合わせパターンGは「斜め揺れ・斜め揺れ・斜め揺れ」となっている(【0060】)e パチンコ機(【0009】)。」
(3)引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-115325号公報(平成22年5月27日公開)(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
(ア)「【0026】〔第1実施形態〕まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。」
(イ)「【0029】遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示部)に相当する。演出図柄表示領域には、複数種類の識別情報を変動表示する変動表示領域が複数設けられている。本実施の形態における複数の変動表示領域として、たとえば演出図柄表示領域のうち、左の領域において識別情報を変動表示する左の図柄表示エリア9Lと、中央の領域において識別情報を変動表示する中の図柄表示エリア9Cと、右の領域において識別情報を変動表示する右の図柄表示エリア9Rとが設けられている。各図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L、9C、9Rの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。【0030】遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、「1」~「8」の8種類の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、「1」~「8」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、「1」~「8」の8種類の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、「1」~「8」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。【0031】小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに「1」~「8」の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00~99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。」
(ウ)「【0044】演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を複数の図柄表示エリア9L、9C、9R各々において行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。・・・【0048】また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。・・・【0055】遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。【0056】遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。」
(エ)「【0065】この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(後述する演出制御用マイクロコンピュータ100)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なう。」
(オ)「【0115】擬似連演出では、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、すべての図柄列(左,中,右)について仮停止させた後に、変動表示を再開(以下、再変動ともいう)する再変動表示を所定回数実行した後、最終の変動において最終停止図柄を停止表示させる演出表示が行なわれる。」
(カ)「【0126】ランダム3は、変動パターンの種類(種別)を決定する変動パターン種別判定用のランダムカウンタである。ランダム3は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である109まで加算更新された後再度0から加算更新される。【0127】ランダム4は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン判定用のランダムカウンタである。ランダム4は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である99まで加算更新された後再度0から加算更新される。」
イ 図面の図示内容
(ア)「【図9】[図:0001385950000002.jpg]」
(イ)「【図10】[図:0001385950000003.jpg]」
ウ 認定事項
上記アの記載事項(カ)から、ランダム3は、変動パターンの種類(種別)を決定する変動パターン種別判定用のランダムカウンタであって、0から加算更新されてその上限である109まで加算更新された後再度0から加算更新されるものであり、ランダム4は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン判定用のランダムカウンタであって、0から加算更新されてその上限である99まで加算更新された後再度0から加算更新されるものである。
上記イの図面の図示内容(ア)には、非リーチはずれ時に「変動パターン種別」が第1通常の場合(ランダム3範囲がr1A(0~100))は、全て(ランダム4範囲r1(0~99))擬似連なし通常変動が選ばれ、第2通常の場合(r1B(101~109))は、ランダム4範囲r2(0~80)で擬似連あり通常変動が選ばれ、ランダム4範囲r3(81~99)で滑りが選ばれることが図示されている。
上記イの図面の図示内容(イ)には、15R非確変大当り時のノーマルリーチの場合(ランダム3範囲がr20(0~30))は、ランダム4範囲r30(71~89)で擬似連ありが選ばれ、ランダム4範囲r29(0~70)及びランダム4範囲r31(90~99)で擬似連なしの変動パターンが選ばれ、15R非確変大当り時のスーパーリーチAの場合(ランダム3範囲がr21(31~65))は、ランダム4範囲r33(5~10)、r34(11~30)、r35(31~60)及びr36(61~99)で擬似連ありが選ばれ、ランダム4範囲r32(0~4)で擬似連なしの変動パターンが選ばれ、15R非確変大当り時のスーパーリーチBの場合(ランダム3範囲がr22(66~109))は、ランダム4範囲r38(5~10)、r39(11~30)、r40(31~60)及びr41(61~99)で擬似連ありが選ばれ、ランダム4範囲r37(0~4)で擬似連なしの変動パターンが選ばれ、15R確変大当り時のノーマルリーチの場合(ランダム3範囲がr23(0~15))は、ランダム4範囲r43(31~89)で擬似連ありが選ばれ、ランダム4範囲r42(0~30)及びランダム4範囲r44(90~99)で擬似連なしの変動パターンが選ばれ、15R確変大当り時のスーパーリーチAの場合(ランダム3範囲がr24(16~45))は、ランダム4範囲r46(3~5)、r47(6~26)、r48(27~58)及びr49(59~99)で擬似連ありが選ばれ、ランダム4範囲r45(0~2)で擬似連なしの変動パターンが選ばれ、15R確変大当り時のスーパーリーチBの場合(ランダム3範囲がr25(46~109))は、ランダム4範囲r51(3~5)、r52(6~26)、r53(27~58)及びr54(59~99)で擬似連ありが選ばれ、ランダム4範囲r50(0~2)で擬似連なしの変動パターンが選ばれることが図示されており、擬似連が実行される確率について、非リーチはずれ時は、9/110×81/100(約6.3%)であり、15R非確変大当り時は、31/110×19/100+35/110×95/100+44/110×95/100(約73.6%)であり、15R確変大当り時は、16/110×59/100+30/110×97/100+64/110×97/100(約91.5%)である。
そうすると、図9及び図10には、非リーチはずれ時は約6.3%で、15R非確変大当り時は約73.6%で、15R確変大当り時は約91.5%で擬似連が実行されることが図示されているといえる。
エ 上記アの記載事項、上記イの図面の図示内容及び上記ウの認定事項から引用文献2には次の事項が記載されている(以下「引用文献2の記載事項」という。)。
「遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられ、演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域があり、演出図柄表示領域には、複数種類の識別情報を変動表示する変動表示領域が複数設けられており、演出図柄表示領域のうち、左の領域において識別情報を変動表示する左の図柄表示エリア9Lと、中央の領域において識別情報を変動表示する中の図柄表示エリア9Cと、右の領域において識別情報を変動表示する右の図柄表示エリア9Rとが設けられ(【0029】)、演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御され、演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させ(【0029】)、遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aが設けられ、遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bが設けられ(【0030】)、遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始され(【0055】)、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始され(【0056】)、演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を複数の図柄表示エリア9L、9C、9R各々において行ない、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示され(【0044】)、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になり(【0048】)、擬似連演出では、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、すべての図柄列(左,中,右)について仮停止させた後に、変動表示を再開(以下、再変動ともいう)する再変動表示を所定回数実行した後、最終の変動において最終停止図柄を停止表示させる演出表示が行なわれ(【0115】)、非リーチはずれ時は約6.3%で、15R非確変大当り時は約73.6%で、15R確変大当り時は約91.5%で擬似連が実行される(認定事項)パチンコ遊技機1(【0026】)」
(4)周知技術
ア 周知例1
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-104515号公報(平成22年5月13日公開)(以下「周知例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(ア)「【0010】以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1~図10にしたがって説明する。図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、・・・」
(イ)「【0086】表示制御用CPU42aは、襖開放演出の図柄変動ゲームの開始に伴って各図柄列の変動を開始させ、当該ゲームを開始させてからの経過時間が所定時間に達すると、リーチ状態を形成させるように演出表示装置21の表示内容を制御する。その後、表示制御用CPU42aは、各停止図柄列の図柄組み合わせがリーチ状態によるはずれの図柄組み合わせとなるように、各停止図柄列の図柄を一旦停止表示させるように演出表示装置21の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、図9(a)に示すように、例えば、[767]というようにリーチ状態によるはずれの図柄組み合わせが一旦停止表示(確定停止表示ではなく揺れ変動状態で停止表示)される。なお、表示制御用CPU42aは、襖開放演出を伴う図柄変動ゲームで一旦停止表示させるリーチ状態によるはずれの図柄組み合わせとして、今回の図柄変動ゲームがはずれの場合に最終的に確定停止表示させる図柄組み合わせを出現させる。また、表示制御用CPU42aは、襖開放演出を伴う図柄変動ゲームで一旦停止表示させるリーチ状態によるはずれの図柄組み合わせとして、今回の図柄変動ゲームが大当りの場合に最終的に確定停止表示させる大当りの図柄組み合わせを構成する種類の図柄でリーチ状態を形成させて出現させる。【0087】その後、表示制御用CPU42aは、所定のタイミング(変動パターンに示される襖開放演出を開始させるタイミング)で襖開放演出を開始させるように演出表示装置21の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU42aは、有効期間設定コマンドを入力すると、操作有効期間が設定された旨を示す表示演出をさせるように演出表示装置21の表示内容を制御する。その結果、画像表示部GHでは、図9(b)に示すように、画像表示部GHの左右両側から「襖D」が出現して、一旦停止表示されている図柄組み合わせを襖で覆い隠す表示演出が展開される。続いて、画像表示部GHでは、図9(c)に示すように、「チャンス」の表示画像と、演出用ボタン26を模した表示画像及び「ボタンを連打せよ」の表示画像とが出現する。これにより、遊技者は、襖開放演出が開始したことを認識し得る。続きを表示(全11行)【0088】また、表示制御用CPU42aは、「襖D」の開放段階を変化させる移行条件が成立したことを示すとともに「襖D」の開放段階を変化させることを指示する演出指示コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき指示される開放段階になるように演出表示装置21の表示内容を制御する。すなわち、表示制御用CPU42aは、「襖D」の開放段階を変化させることを指示する演出指示コマンドを入力する毎に、「襖D」の開放段階を対応する開放段階となるように表示画像を切り換えることで演出表示装置21の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU42aは、「襖D」の開放段階を切り替えるに際し、襖の開放段階に合わせて開放した部分から大当りの図柄組み合わせを構成する画像の一部分の画像を表示させる。なお、表示制御用CPU42aは、大当りの図柄組み合わせを構成する一部分の画像を表示させるに際し、襖開放演出の開始時に一旦停止表示させた図柄組み合わせのうちリーチ状態を形成している種類の図柄組み合わせによる大当りの図柄組み合わせを構成する一部分の画像を表示させる。【0089】その結果、画像表示部GHでは、図9(d)~(h)に示す態様で、「襖D」の開放段階が変化していく。具体的には、画像表示部GHでは、図9(d)に示すように、「襖D」の開放段階が0段階の画像が表示される。・・・・・・【0092】その結果、画像表示部GHでは、図10(a)に示すように、「襖D」が「全開状態」になるとともに画面上に大当りの図柄組み合わせが画像表示される。また、画像表示部GHでは、「襖D」が「全開状態」に変化することに伴って演出用ボタン26を模した画像及び「ボタンを連打せよ」の表示画像が表示されなくなる。これにより、遊技者は、襖開放演出の復活パターンによる「大当り確定」を認識し得る。」
(ウ)「【図9】[図:0001385950000004.jpg]」
(エ)上記(ア)~(ウ)の記載事項から周知例1には次の事項が記載されている(以下「周知例1の記載事項」という。)。
「襖開放演出の図柄変動ゲームの開始に伴って各図柄列の変動を開始させ、当該ゲームを開始させてからの経過時間が所定時間に達すると、リーチ状態を形成させるように演出表示装置21の表示内容を制御し、その後、各停止図柄列の図柄組み合わせがリーチ状態によるはずれの図柄組み合わせとなるように、各停止図柄列の図柄を一旦停止表示させるように演出表示装置21の表示内容を制御し、その結果、画像表示部GHでは、例えば、[767]というようにリーチ状態によるはずれの図柄組み合わせが一旦停止表示(確定停止表示ではなく揺れ変動状態で停止表示)され(【0086】)、その後、所定のタイミング(変動パターンに示される襖開放演出を開始させるタイミング)で襖開放演出を開始させるように演出表示装置21の表示内容を制御し、画像表示部GHの左右両側から「襖D」が出現して、一旦停止表示されている図柄組み合わせを襖で覆い隠す表示演出が展開され(【0087】)、「襖D」の開放段階を変化させることを指示する演出指示コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき指示される開放段階になるように演出表示装置21の表示内容を制御し(【0088】)、「襖D」が「全開状態」になるとともに画面上に大当りの図柄組み合わせが画像表示される(【0092】)パチンコ遊技機10(【0010】)。」
イ 周知例2
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2004-129680号公報(平成16年4月30日公開)(以下「周知例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(ア)「【0047】【発明の実施の形態】以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に具体化した一実施形態を図1~図12に基づき説明する。」
(イ)「【0125】<b>リーチ変動時における態様【0126】リーチ変動動作では、第1及び第3図柄が停止表示され、第2図柄は引き続き変動表示される。そして、統括CPU29aにおいて決定された演出内容パターンが演出内容パターンP2-1a~P2-1d,P2-2a~P2-2d,P3-1a~P3-1d,P3-2a~P3-2d,P6-1,P6-2,P7-1,P7-2のいずれかである場合には、図11(a)に示すように、可視表示部Hの上部から降下してくる態様で隠蔽画像31が表示される。そして、第1~第3図柄の非共通部分が隠蔽された状態で第2図柄の変動表示が行われる。そして、演出内容パターンの"β"が「1」である場合には、リーチを構成する図柄(第1及び第3図柄)と同一グループに属する図柄のみによって変動表示が行われる。つまりこの場合、第1及び第3図柄と同じ共通部分を有する図柄(ここではグループDに属する図柄、図11(a)参照)によってのみ変動表示が行われる。また、演出内容パターンの"β"が「2」である場合には、すべてのグループに属する図柄によって変動表示が行われる。その後、所定時間が経過すると、第2図柄が停止表示される。このとき、図11(b)に示すように、第2図柄が第1及び第3図柄と同じグループに属している場合には、遊技者によって視認可能な部分が全て同じ図柄となる。よって、隠蔽画像31による隠蔽が解除されるまでは、一見して大当りの組合せであるかのように見える。つまり、この状態においては、全図柄が停止表示されたにもかかわらず、大当りかハズレかを遊技者は認識できないため、期待感及び緊張感が高まる。特に、「"β"=1」の場合、第2図柄は、第1及び第3図柄と同じグループに属する図柄のみによって変動表示されるため、期待感及び緊張感がいっそう高まる。そして、全ての図柄が停止表示されると、隠蔽画像31による隠蔽が解除され、図11(c),(d)に示すように、大当りの組合せ(図11(c)参照)であるかハズレの組合せ(図11(d)参照)であるかが表示される。」
(ウ)「【図11】[図:0001385950000005.jpg]」
(エ)上記(ア)~(ウ)の記載事項から周知例2には次の事項が記載されている(以下「周知例2の記載事項」という。)。
「リーチ変動動作では、第1及び第3図柄が停止表示され、第2図柄は引き続き変動表示され、可視表示部Hの上部から降下してくる態様で隠蔽画像31が表示され、第1~第3図柄の非共通部分が隠蔽された状態で第2図柄の変動表示が行われ、その後、所定時間が経過すると、第2図柄が停止表示され、全ての図柄が停止表示されると、隠蔽画像31による隠蔽が解除され、大当りの組合せであるかハズレの組合せであるかが表示されるパチンコ機。」
ウ 周知技術
上記ア(エ)の周知例1の記載事項及びイ(エ)の周知例2の記載事項を総合すると、
「リーチ状態において、隠蔽する画像で図柄を隠蔽し、その後、全ての図柄が停止表示されると隠蔽を解除して大当りの組合せを表示する変動演出を行うパチンコ機。」は本願出願前に周知(以下「周知技術」という。)であると認められる。
(5)対比
本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
ア 構成Aについて
引用発明の構成aの「特別図柄始動手段18が遊技球を検出すること」、「可変入賞手段19」が「開閉板29が前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようにな」ること、「パチンコ機」は、それぞれ本件補正発明の「始動条件の成立」、「遊技者に有利な特別遊技」、「遊技機」に相当し、引用発明の「特別図柄」は、本件補正発明の「演出図柄」に相当するが、引用発明では、特別図柄とは別の図柄(本件補正発明における「図柄」に相当するもの)を備えていない。
しかしながら、引用発明の「特別図柄」は、本件補正発明における「図柄」及び「演出図柄」の両方の機能を有していることから、引用発明の「特別図柄」は、本件補正発明の「図柄」と「図柄※(「※」は本件補正発明の「図柄」とは同じではないことから識別のために付した。以下同じ)」である点で共通する。
そうすると、引用発明と本件補正発明とは「始動条件の成立に基づき図柄※を変動表示し、前記図柄※が予め定められた特定の図柄※で停止表示すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機」である点で共通する。
イ 構成Bについて
引用発明の構成b、cでは、「特別図柄は、変動時には上下方向又は左右方向にスクロールする等、所定の変動パターンA~Eで変動して、・・・大当たり判定において大当たり態様判定となった場合には全ての特別図柄が同一となる大当たり態様で、それ以外の場合には特別図柄の少なくとも1つが異なる図柄となる外れ態様で確定停止するようになって」おり、引用発明の「左右方向に3個の特別図柄」、「所定の変動パターンA~Eで変動」すること、「全ての特別図柄が同一となる大当たり態様で」「確定停止する」こと、「特別図柄制御手段55」は、それぞれ本件補正発明の「複数列の演出図柄」、「変動演出を実行」すること、「前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示する」こと、「演出制御手段」に相当するものの、引用発明では、上記アで説示したとおり、特別図柄とは別の図柄(本件補正発明における「図柄」に相当するもの)を備えていないことから、引用発明と本件補正発明とは「表示手段で複数列の演出図柄での変動演出を実行し、前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示するように制御可能な演出制御手段、を備え」る点で共通する。
ウ 構成C及びC1ついて
引用発明の構成b、c及び構成c1では「特別図柄制御手段55」により「各変動パターンA~Eは、各特別図柄の仮停止後の再変動、全特別図柄の仮停止後の再変動の有無等により更に細分化され」ており、上記アで説示したとおり、引用発明では、特別図柄とは別の図柄(本件補正発明における「図柄」に相当するもの)を備えておらず、特別図柄が大当たり態様となることに基づいて第2利益状態が発生しているものの、引用発明の「全特別図柄」を「仮停止」している時間が、本件補正発明の「第1時間」に相当するから、引用発明と本件補正発明とは、「前記演出制御手段は、」「複数列の全てにおいて前記演出図柄が認識可能な認識可能表示態様を実行可能な第1時間と」を備える点で共通する。
エ 構成C及びC2について
引用発明の構成b、c及び構成c2では「特別図柄制御手段55」により「リーチなし外れ変動パターンAでは、揺れ変動組み合わせパターンAが128/128の確率で抽選で選ばれ、ノーマルリーチ大当たり変動パターンDでは、揺れ変動組み合わせパターンAが64/128の確率で、揺れ変動組み合わせパターンBが64/128の確率で抽選で選ばれ」ており、「リーチなし外れ変動パターンA」では、リーチなしで外れであることから、「3個の特別図柄」は全て異なる特別図柄で停止することは明らかであり、「ノーマルリーチ大当たり変動パターンD」では、ノーマルリーチで大当たりであることから、「3個の特別図柄」は2個が同じ特別図柄で停止(リーチ)した後に3個が同じ特別図柄で停止することは明らかである。
ここで、引用発明の「3個の特別図柄」が全て異なる特別図柄で停止する状態が、本件補正発明の「第1状態」に相当し、引用発明の2個が同じ特別図柄で停止(リーチ)した後に3個が同じ特別図柄で停止する状態が、本件補正発明の「第2状態」に相当し、引用発明の「3個の特別図柄」が全て異なる特別図柄で停止する演出、2個が同じ特別図柄で停止(リーチ)した後に3個が同じ特別図柄で停止する演出を実行する時間が、本件補正発明の「第2時間」に相当する。
そうすると、上記アで説示したとおり、引用発明では、特別図柄とは別の図柄(本件補正発明における「図柄」に相当するもの)を備えておらず、特別図柄が大当たり態様となることに基づいて第2利益状態が発生しているものの、引用発明と本件補正発明とは「前記演出制御手段は、」「複数列の全てにおいて前記演出図柄が停止表示される停止表示態様として、前記複数列のそれぞれにおいて異なる前記演出図柄で停止表示される第1状態と、前記特定演出図柄で停止表示される第2状態と、を実行可能な第2時間と、により停止演出を実行可能であ」る点で共通する。
オ 構成D及びD1について
引用発明の構成dの「仮停止状態」の「揺れ変動」、構成d1、d2の「(例えば)揺れ変動組み合わせパターンA(「左図柄・中図柄・右図柄」が「縦揺れ・縦揺れ・縦揺れ」)」は本件補正発明の「前記第1時間中の前記停止演出」、「複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出」に相当するものの、上記アで説示したとおり、引用発明では、特別図柄とは別の図柄(本件補正発明における「図柄」に相当するもの)を備えておらず、特別図柄が大当たり態様となることに基づいて第2利益状態が発生していることから、引用発明と本件補正発明とは「前記第1時間中の前記停止演出は、前記第1状態となる場合は、複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出を実行可能であ」る点で共通する。
カ 構成D2について
引用発明の構成c2では「各特別図柄の揺れ変動の方向の複数パターンの組み合わせとして揺れ変動組み合わせパターンA~Gが用意されており、リーチなし外れ変動パターンAでは、揺れ変動組み合わせパターンAが128/128の確率で抽選で選ばれ、ノーマルリーチ大当たり変動パターンDでは、揺れ変動組み合わせパターンAが64/128の確率で、揺れ変動組み合わせパターンBが64/128の確率で抽選で選ばれ」ており、「揺れ変動組み合わせパターンB」はリーチなし外れで選ばれず、引用発明の構成d1、d2において、「揺れ変動組み合わせパターンA」は「左図柄・中図柄・右図柄」が「縦揺れ・縦揺れ・縦揺れ」で、「揺れ変動組み合わせパターンB」は「左図柄・中図柄・右図柄」が「横揺れ・縦揺れ・縦揺れ」であることから、「揺れ変動組み合わせパターンB」は「揺れ変動組み合わせパターンA」と異なる態様であるといえる。
そうすると、上記アで説示したとおり、引用発明では、特別図柄とは別の図柄(本件補正発明における「図柄」に相当するもの)を備えておらず、特別図柄が大当たり態様となることに基づいて第2利益状態が発生しているものの、引用発明と本件補正発明とは「前記第2状態となる場合は、前記第1演出と、前記第1演出の振れ動く態様とは異なる態様の第2演出と、を実行可能である」点で共通する。
キ 構成Eについて
引用発明の構成eの「パチンコ機」は本件補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の構成eは、本件補正発明の構成Eに相当する構成を有する。
上記ア~キによれば、本件補正発明と引用発明は、
<一致点>
「A’ 始動条件の成立に基づき図柄※を変動表示し、前記図柄※が予め定められた特定の図柄※で停止表示すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、B’ 表示手段で複数列の演出図柄での変動演出を実行し、前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示するように制御可能な演出制御手段、を備え、C 前記演出制御手段は、C1’ 複数列の全てにおいて演出図柄が認識可能な認識可能表示態様を実行可能な第1時間と、C2’ 複数列の全てにおいて演出図柄が停止表示される停止表示態様として、前記複数列のそれぞれにおいて異なる前記演出図柄で停止表示される第1状態と、前記特定演出図柄で停止表示される第2状態と、を実行可能な第2時間と、により停止演出を実行可能であり、D 前記第1時間中の前記停止演出は、D1’ 前記第1状態となる場合は、複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出を実行可能であり、D2’ 前記第2状態となる場合は、前記第1演出と、前記第1演出の振れ動く態様とは異なる態様の第2演出と、を実行可能であるE 遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>(構成A)
本件補正発明では、「始動条件の成立に基づき図柄を変動表示し、前記図柄が予め定められた特定図柄で停止表示すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能」であるのに対して、
引用発明では、「特別図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件に特別図柄を所定時間変動して」「特別図柄表示手段27の確定停止後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて第2利益状態が発生したときに、開閉板29が前側に所定時間開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになって」おり、「特別図柄」(演出図柄)とは別の図柄(図柄)が設けられていない点。
<相違点2>(構成B)
「表示手段で複数列の演出図柄での変動演出を実行し、前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示するように制御可能な演出制御手段」に関して、
本件補正発明では「表示手段で複数列の演出図柄での変動演出を実行」するのが「前記図柄の変動表示中」であり、「前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示するように制御可能」とするのは、「前記図柄が前記特定図柄で停止表示する場合」であるのに対して、
引用発明では、「特別図柄」(演出図柄)とは別の図柄(図柄)を設けていないことから、別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に、「特別図柄」(演出図柄)が「全ての特別図柄が同一となる大当たり態様」(前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄)で「確定停止」(停止表示)していない点。
<相違点3>(構成C1及びC2)
「複数列の全てにおいて演出図柄が認識可能な認識可能表示態様を実行可能な第1時間と、複数列の全てにおいて演出図柄が停止表示される停止表示態様として、前記複数列のそれぞれにおいて異なる前記演出図柄で停止表示される第1状態と、前記特定演出図柄で停止表示される第2状態と、を実行可能な第2時間と、により停止演出を実行可能であ」る点に関し、
本件補正発明では「前記図柄の変動表示中に」「停止演出を実行可能」であるのに対して、
引用発明では、「特別図柄」(演出図柄)とは別の図柄(図柄)を設けて別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に所定の変動パターンで変動(変動演出を実行)していないことから、「特別図柄」(演出図柄)とは別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に、「全特別図柄」を「仮停止」したり(第1時間の停止演出)、「3個の特別図柄」が全て異なる特別図柄で停止する演出、2個が同じ特別図柄で停止(リーチ)した後に3個が同じ特別図柄で停止する演出(第2時間の停止演出)を実行してない点。
<相違点4>(構成C3)
本件補正発明では「前記図柄の変動表示中に」(構成C1の一部)「前記停止表示態様が前記第1状態となる場合より、前記第2状態となる場合の方が、前記認識可能表示態様の実行前に期待度を向上させる所定の演出が実行され易くなるように制御可能であ」るのに対して、引用発明では、「特別図柄」(演出図柄)とは別の図柄(図柄)を設けて別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に所定の変動パターンで変動しておらず、また、そのような所定の演出を実行していない点。
<相違点5>(構成D1)
「前記第1状態となる場合は、複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出を実行可能である」点に関し、
本件補正発明では「前記図柄の変動表示中に」(構成C1の一部)「第1演出を実行可能であ」るのに対して、
引用発明では、「特別図柄」(演出図柄)とは別の図柄(図柄)を設けて別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に「(例えば)揺れ変動組み合わせパターンA(「左図柄・中図柄・右図柄」が「縦揺れ・縦揺れ・縦揺れ」)」(複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出)を実行していない点。
<相違点6>(構成D2)
本件補正発明では「前記図柄の変動表示中に」(構成C1の一部)「前記第2状態となる場合は、前記第1演出と、前記第1演出の振れ動く態様とは異なり複数の前記演出図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様の第2演出と、を実行可能であ」るのに対して、
引用発明では、「特別図柄」(演出図柄)とは別の図柄(図柄)を設けて別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に所定の変動パターンで変動しておらず、また、複数の特別図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様の演出を実行していない点。
(6)判断
ア 相違点1~3及び5について
引用文献2の記載事項における「遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出される」こと又は「遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出される」こと、「第1特別図柄または第2特別図柄」、「大当り図柄」、「特定遊技状態(大当り遊技状態)」、「第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中」、「複数の図柄表示エリア9L、9C、9R」の「装飾用(演出用)の図柄」、「第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示」すること、「演出表示装置9」は、それぞれ本件補正発明の「始動条件の成立」、「図柄」、「予め定められた特定図柄」、「遊技者に有利な特別遊技」、「前記図柄の変動表示中」、「複数列の演出図柄」、「前記図柄が前記特定図柄で停止表示する場合に、前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示する」こと、「演出制御手段」に相当する。
そして、引用発明及び引用文献2の記載事項は、ともに遊技機における図柄の演出に関するものであり、ともに遊技の興趣を向上するという課題を有する点で共通しており、また、遊技機の分野において、1つの図柄で変動表示演出をしていた時代を経て、変動表示演出を多様なものとするため、演出用の図柄とは別の図柄を設けるようになったことが、当業者にとって技術常識である点を踏まえれば、1つの図柄で変動表示演出をしている引用発明に引用文献2の記載事項を適用して、特別図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件に変動する特別図柄(演出図柄)とは別の図柄(図柄)を設けて、別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に特別図柄(演出図柄)を所定の変動パターンで変動するようにして(相違点1)、別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に、別の図柄(図柄)が大当り図柄(特定図柄)で停止表示されるとき(停止表示する場合)に「特別図柄」(演出図柄)が「全ての特別図柄が同一となる大当たり態様」(前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄)で「確定停止」(停止表示)するようにし(相違点2)、「全特別図柄」を「仮停止」したり(第1時間の停止演出)、「3個の特別図柄」が全て異なる特別図柄で停止する演出、2個が同じ特別図柄で停止(リーチ)した後に3個が同じ特別図柄で停止する演出(第2時間の停止演出)を実行可能とし(相違点3)、「(例えば)揺れ変動組み合わせパターンA(「左図柄・中図柄・右図柄」が「縦揺れ・縦揺れ・縦揺れ」)」(複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出)を実行して(相違点5)、上記相違点1~3及び5に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点4について
引用文献2の記載事項の「非リーチはずれ」の場合、「15R非確変大当り」又は「15R確変大当り」の場合、「擬似連演出」は、それぞれ本件補正発明の「前記停止表示態様が前記第1状態となる場合」、「前記停止表示態様が」「前記第2状態となる場合」、「所定の演出」に相当する。
また、引用文献2の記載事項で「非リーチはずれ」の場合は約6.3%で擬似連が実行され、「15R非確変大当り」の場合は約73.6%で、「15R確変大当り」の場合は約91.5%で擬似連が実行され、これは本件補正発明の「前記停止表示態様が前記第1状態となる場合より、前記第2状態となる場合の方が、前記認識可能表示態様の実行前に期待度を向上させる所定の演出が実行され易くなるように制御可能であ」ることに相当するといえる。
そして、引用発明及び引用文献2の記載事項は、ともに遊技機における図柄の演出に関するものであり、ともに遊技の興趣を向上するという課題を有する点で共通していることから、変動演出としてより遊技者の興趣を向上させるため、上記アで検討したとおり、1つの図柄で変動表示演出をしている引用発明に引用文献2の記載事項を適用して、特別図柄(演出図柄)とは別の図柄(図柄)を設けて、該別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に特別図柄(演出図柄)が所定の変動パターンで変動するとともに、引用発明の全特別図柄が確定停止する前の仮停止する時間(第1時間)より前(前記認識可能表示態様の実行前)に、引用文献2の記載事項の擬似連続演出(所定の演出)を採用して、本件補正発明の相違点4に係る発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
ウ 相違点6について
上記周知技術の「大当りの組合せを表示する」場合、「隠蔽する画像で図柄を隠蔽し、その後、全ての図柄が停止表示されると隠蔽を解除」することは、それぞれ本件補正発明の「前記第2状態となる場合」、「複数の前記演出図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様の第2演出」に相当する。
そして、引用発明及び上記周知技術とは、ともに遊技機における図柄の演出に関するものであり、周知技術も遊技の興趣を向上するという潜在的な課題を備えることは自明であって、引用発明と周知技術とで課題が共通することは明らかであるから、変動演出として、より遊技者の興趣を向上させるため、上記アで検討したとおり、1つの図柄で変動表示演出をしている引用発明に引用文献2の記載事項を適用して、特別図柄(演出図柄)とは別の図柄(図柄)を設けて、該別の図柄(図柄)の変動時(変動表示中)に特別図柄(演出図柄)に所定の変動パターンで変動するとともに、仮停止状態の各特別図柄を揺れ変動をする演出(第1演出)に加えて、リーチ状態において、隠蔽する画像で図柄を隠蔽し、その後、全ての図柄が停止表示されると隠蔽を解除して大当りの組合せを表示する変動演出(当該変動演出が仮停止状態の各特別図柄を揺れ変動をする演出と異なる演出(第2演出。「前記第1演出の振れ動く態様とは異な」る演出)であることは明らかである。)を行うようにして、本件補正発明の相違点6に係る発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果、引用文献2の記載事項及び周知技術の奏する効果から、予測することができた程度のものである。
(7)請求人の主張について
請求人は、令和3年7月19日付けの審判請求書において、次の点について主張をする。
「(3)本件補正発明と引用文献との対比引用文献1および引用文献2には、上述のような本願の新請求項1に係る遊技機の要旨について、開示も示唆もありません。まず、引用文献1においては、審査官殿がご指摘された事項であって、リーチハズレとなる場合に実行される揺れ変動パターンBは、演出図柄の縦揺れと横揺れといったような単に演出図柄の揺れ方向が異なる態様の演出を組み合わせたものである、といえます。この点、本願の新請求項1に係る遊技機では、第2時間中の停止演出として、複数の演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような第1演出と、複数の演出図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様の第2演出と、を組み合わせたような停止演出を実行可能であり、このような態様の停止演出は、引用文献1の揺れ変動パターンBのような単なる演出図柄の揺れ方向が異なる態様の演出を組み合わせたものとは異なるものである、といえます。つまり、引用文献1における審査官殿のご指摘の事項は、上述した本願の新請求項1に係る遊技機の特徴(ニ)とは異なるものです。また、引用文献1のその他の記載においては、特に、本願の新請求項1に係る遊技機における第2演出に相当する事項に関して開示も示唆もされておらず、上述した特徴(ニ)に関して開示も示唆もされていないこととなり、延いては、上述のような本願の新請求項1に係る遊技機の作用および効果に関する開示も示唆もありません。そして、引用文献2においては、審査官殿がご指摘された事項であって、大当たりとなる場合は、非リーチはずれとなる場合に比べて、期待度を向上させる演出である擬似連が実行され易い、という事項は、確かに、本願の新請求項1に係る遊技機の特徴(ロ)に相当する事項です。しかしながら、引用文献2のその他の記載においては、特に、本願の新請求項1に係る遊技機における複数の演出図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様の第2演出に相当する事項に関して開示も示唆もされておらず、上述した特徴(ニ)に関して開示も示唆もされていないこととなり、延いては、上述のような本願の新請求項1に係る遊技機の作用および効果に関する開示も示唆もありません。以上より、引用文献1および引用文献2には、本願の新請求項1に係る遊技機の要旨に関して開示も示唆もされていないため、引用文献1および引用文献2に基づいて、当業者であっても、上述のような効果を奏する本願の新請求項1に係る発明に容易に想到できないものといえます。」((3)本願発明1と引用文献との記載との対比)
そこで、請求人の上記主張について検討する。
上記(4)ウで説示したとおり、遊技機における変動演出として、リーチ状態において、隠蔽する画像で図柄を隠蔽し、その後、全ての図柄が停止表示されると隠蔽を解除して大当りの組合せを表示するものは周知技術である。そして、上記(6)ア及びウで説示したとおり、変動演出としてより遊技者の興趣を向上させるため、1つの図柄で変動表示演出をしている引用発明に引用文献2の記載事項を適用して、特別図柄とは別の図柄を設けて、該別の図柄の変動時に特別図柄を所定の変動パターンで変動するとともに、仮停止状態の各特別図柄を揺れ変動をする演出に加えて、リーチ状態において、隠蔽する画像で図柄を隠蔽し、その後、全ての図柄が停止表示されると隠蔽を解除して大当りの組合せを表示する変動演出(当該変動演出が仮停止状態の各特別図柄を揺れ変動をする演出と異なる演出(「前記第1演出の振れ動く態様とは異な」る演出)であることは明らかである。)を行うようにして、本件補正発明の相違点6に係る発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことであるから、請求人の上記主張を採用することはできない。
(8)まとめ
以上のように、本件補正発明は、当業者が、引用発明、引用文献2の記載事項及び周知技術から容易に発明できたものである。
したがって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年1月27日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】始動条件の成立に基づき図柄を変動表示し、前記図柄が予め定められた特定図柄で停止表示すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、前記図柄の変動表示中に、表示手段で複数列の演出図柄での変動演出を実行し、前記図柄が前記特定図柄で停止表示する場合に、前記演出図柄を予め定められた特定演出図柄で停止表示するように制御可能な演出制御手段、を備え、前記演出制御手段は、続きを表示(全11行)前記図柄の変動表示中に、複数列の全てにおいて前記演出図柄が認識可能な認識可能表示態様を実行可能な第1時間と、複数列の全てにおいて前記演出図柄が停止表示される停止表示態様として、前記複数列のそれぞれにおいて異なる前記演出図柄で停止表示される第1状態と、前記特定演出図柄で停止表示される第2状態と、を実行可能な第2時間と、により停止演出を実行可能であり、前記停止表示態様が前記第2状態となる場合は、前記第1状態となる場合に比べて、前記認識可能表示態様の実行前に期待度を向上させる所定の演出が実行され易くなるように制御可能であり、前記第1時間中の前記停止演出としては、前記第1状態となる場合は、複数の前記演出図柄の各々が少なくとも1回以上振れ動くような所定の態様の第1演出を実行可能であり、前記第2状態となる場合は、前記第1演出と前記第1演出の振れ動く態様とは異なる態様の第2演出とを実行可能であることを特徴とする遊技機。」
2 拒絶の理由(令和2年11月25日付け)
原査定の拒絶の理由は、この出願の令和3年1月27日提出の手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものを含むものである。
引用文献1.特開2004-202114号公報
引用文献2.特開2010-115325号公報
3 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1である特開2004-202114号公報の記載事項及び引用発明の認定については、前記「第2 2 2-2(2)引用発明」に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明(上記第2〔理由〕1)は、本件補正発明(上記第2〔理由〕2の2-2(1))から、上記「第2〔理由〕2の2-1」において検討したとおり、本件補正発明において、「第2演出」に関して、「前記第1演出の振れ動く態様とは異なり複数の前記演出図柄を表示状態から非表示状態とした後に表示状態とする態様」としていたものを「前記第1演出の振れ動く態様とは異なる態様」と限定を省くとともに、「前記停止表示態様が前記第1状態となる場合より、前記第2状態となる場合の方が」としていたものが「前記停止表示態様が前記第2状態となる場合は、前記第1状態となる場合に比べて」と語順及び表現が変更され、「前記第1時間中の前記停止演出は、」としていたものが「前記第1時間中の前記停止演出としては、」とする表現態様の変更を含むものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、上記「第2〔理由〕2の2-2(5)対比」において検討した、上記相違点1~5のみで相違するから、本願発明も上記第2〔理由〕2の2-2(6)で示した理由と同様の理由により、当業者が、引用発明、引用文献2の記載事項及び周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-009609