2021-009566
被検者の呼吸情報を決定するための方法及び装置
- 審判番号
- 2021-009566
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-566590外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年07月19日
- 審決日
- 2021年12月10日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】宮崎 修
- 分類
- P18 .113-WY (A61B) / P18 .121-WY (A61B) / P18 .575-WY (A61B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
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結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
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本件出願(以下「本願」と記す。)は、2017年(平成29年)6月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年6月22日 米国(US)、2016年7月18日 欧州特許庁(EP))を国際出願日とする出願であって、令和2年6月18日に審査請求がなされ、令和3年2月8日付けで拒絶理由が通知され、同年3月29日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月21日付けで拒絶査定(原査定)されたところ、同年7月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に提出された手続補正書により手続補正がなされ、同年9月1日に前置報告がなされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年4月21日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
1.本願の下記の請求項に係る発明は、下記の引用文献1に記載された発明又は引用文献1に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、または特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項 1
・引用文献 1
・請求項 2-8,11-15
・引用文献 1
2.本願の下記の請求項に係る発明は、下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項 9-10
・引用文献 1
引用文献等一覧
1.米国特許出願公開第2016/0007935号明細書
第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
審判請求時の補正における、特許請求の範囲の請求項1の「前記制御ユニットが、前記コンテキスト情報に基づいて、前記1つ又は複数の生理学的信号のそれぞれについて、呼吸情報を決定するように適合された少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップ」を「前記制御ユニットが、前記コンテキスト情報に基づいて、前記1つ又は複数の生理学的信号のそれぞれについて、呼吸情報を決定するように適合された少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップであって、該少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップは、複数の信号処理アルゴリズムのそれぞれを包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則にさらに基づく、選択するステップ」に変更する補正、及び請求項12の「前記コンテキスト情報に基づいて、前記1つ又は複数の生理学的信号のそれぞれについて、呼吸情報を決定するように適合された少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択すること」を「前記コンテキスト情報に基づいて、前記1つ又は複数の生理学的信号のそれぞれについて、呼吸情報を決定するように適合された少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択することであって、該少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択することは、複数の信号処理アルゴリズムのそれぞれを包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則にさらに基づく、選択すること」に変更する補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
上記特許請求の範囲及び明細書の補正が、新規事項を追加するものではないかについて検討すると、上記補正により「少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップ(こと)」をさらに限定する「該少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップ(こと)は、複数の信号処理アルゴリズムのそれぞれを包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則にさらに基づく、選択するステップ(こと)」という事項は、明細書の段落【0053】ないし【0056】に開示されているから、当初明細書等に記載された事項であり、上記特許請求の範囲及び明細書の補正は新規事項を追加するものではないといえる。
そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1ないし15に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。
第4 本願発明
本願請求項1ないし15に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明15」という。)は、令和3年7月19日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1及び12は以下のとおりである。(下線は補正箇所を表す。)
「【請求項1】被検者の呼吸情報を決定するための制御ユニットを含む装置を作動させる作動方法であって、当該作動方法は、前記制御ユニットが、前記被検者の少なくとも1つの生理学的特徴を示す1つ又は複数の生理学的信号を獲得するステップと、前記制御ユニットが、前記被検者と前記1つ又は複数の生理学的信号とのうちの少なくとも1つに関するコンテキスト情報を取得するステップと、前記制御ユニットが、前記コンテキスト情報に基づいて、前記1つ又は複数の生理学的信号のそれぞれについて、呼吸情報を決定するように適合された少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップであって、該少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップは、複数の信号処理アルゴリズムのそれぞれを包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則にさらに基づく、選択するステップと、前記制御ユニットが、前記1つ又は複数の生理学的信号について選択された前記少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを使用して、前記1つ又は複数の生理学的信号に基づいて前記被検者の呼吸情報を決定するステップと、を含む、作動方法。」
「【請求項12】被検者の呼吸情報を決定するための装置であって、当該装置は、制御ユニットを含み、該制御ユニットは、前記被検者の少なくとも1つの生理学的特徴を示す1つ又は複数の生理学的信号を獲得すること、前記被検者と前記1つ又は複数の生理学的信号とのうちの少なくとも1つに関するコンテキスト情報を取得すること、前記コンテキスト情報に基づいて、前記1つ又は複数の生理学的信号のそれぞれについて、呼吸情報を決定するように適合された少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択することであって、該少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択することは、複数の信号処理アルゴリズムのそれぞれを包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則にさらに基づく、選択すること、及び前記1つ又は複数の生理学的信号について選択された前記少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを使用して、前記1つ又は複数の生理学的信号に基づいて前記被検者の呼吸情報を決定すること、を行うように構成される、装置。」
なお、本願発明2ないし11は本願発明1を引用する発明であり、本願発明13ないし15は本願発明12を引用する発明である。
第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。和訳は当審訳である。以下同じ。)
(1)「FIELD OF TECHNOLOGY[0003] The present invention relates generally to dynamic weighting of data from a set of sensors, such that weighting changes over time and depends on at least (i) type of sensor and (ii) sensor position relative to a user's body.」
(当審訳:技術分野
[0003] 本発明は、一般に、1組のセンサからのデータを動的に重みづけし、重みは時間とともに変化し、少なくとも(i)センサの種類と(ii)ユーザの身体に対するセンサ位置に依存するようになっている。)
(2)「[0031] FIG. 2 shows hardware components of a sensor system for detecting physiological parameters, in an illustrative implementation of this invention. The sensor system includes three sensor modules: a head-mounted sensor module 201, a wrist-worn sensor module 211, and a sensor module 221 carried in a pocket. Each of the three sensor modules includes an accelerometer (e.g., a 3-axis digital accelerometer) 202, 212, 222, a gyroscope (e.g., a 3-axis digital gyroscope) 203, 213, 223, a wireless transceiver unit 205, 215, 225, a computer (e.g., a microcontroller) 206, 216, 226, an electronic memory device 207, 217, 227, and a battery 208, 218, 238. In addition, the wrist-worn sensor module 211 includes a PPG sensor 219. In some cases, at least one of the sensor modules include one or more other sensors 204, 214, 224, such as one or more video cameras, electrodermal activity (EDA) sensors, or thermometers. Each sensor module includes a housing that provides structural support of components (e.g., sensors) that are onboard the module. Each battery 208, 218, 228 provides power for the sensors, computer, memory device, and wireless transceiver unit in a sensor module.[0032] In the example shown in FIG. 2, a computer 236 calculates a physiological parameter such as heart rate (HR), heart rate variability (HRV) or breathing rate (BR), based at least in part on sensor readings from the sensors or on data derived from the sensor readings. In some cases, when determining a physiological parameter (e.g., HR, HRV, or BR), the computer 236 weights input from different sensors by different amounts. The computer 236 determines the weighting based on one or more trigger factors such as sensor position relative to a user's body, posture (e.g., whether a user is standing, sitting up, lying down), identity of user, gender of user, weight of user, age of user, activity of user (e.g., watching a movie, listening to music, or browsing), availability of data, quality of data, and what the weighted average is computing (e.g., heart rate or breathing rate). The computer 236 determines the trigger factors by either: (a) accessing a database that stores user-inputted information regarding the trigger factors, (b) downloading information regarding the trigger factors from the Internet, (c) by accepting user input regarding the trigger factors, or (d) by analyzing data from one or more of the sensors. For example, a human user may input data that indicates the user's identity, age, gender or weight. Or, for example, computer 236 may process data indicative of sensor readings from one or more of the sensors, in order to calculate any one or more of the trigger factors.」
(当審訳:[0031] 図2は、本発明の例示的な実施形態における、生理学的パラメータを検出するためのセンサシステムのハードウェア構成要素を示している。センサシステムは、3つのセンサモジュールを含んでいる。頭部装着センサモジュール201、手首に装着されるセンサモジュール211、ポケット内で搬送されるセンサモジュール221。なお、3組のセンサの各々は、加速度計(例えば、3軸デジタル加速度計)202、212、222、ジャイロセンサ(例えば、3軸デジタルジャイロスコープ)、203、213、223、無線送受信部205、215、225、コンピュータ(例えば、マイクロコントローラ)206、216、226、207、217、227、208、218、238を含む。また、手首装着型のセンサモジュール211は、PPGセンサ219を備えている。いくつかの場合において、センサモジュールのうちの少なくとも1つは、1つまたは複数の他の、1つ以上のビデオカメラ、皮膚電気活動(EDA)センサ、温度計などのセンサ204、214、224を含んでいる。各センサモジュールは、モジュールに搭載される構成要素(例えば、センサ)を構造的に支持するハウジングを含む。各電池208、218、228は、センサモジュール内のセンサ、コンピュータ、記憶装置、および無線送受信部に電力を供給する。
[0032] 図2に示す例では、コンピュータ236は、心拍数(HR)、心拍数変動(HRV)または呼吸速度(BR)のような生理的パラメータを、センサからのセンサ読み出し値、またはセンサ読取り値から導出されたデータ、に少なくとも部分的に基づいて計算する。いくつかの場合において、生理的パラメータ(例えば、HR、HRVまたはBR)を決定する場合、コンピュータ236は、様々なセンサからの入力を重みづけ量を異ならせて重み付けする。コンピュータ236は、ユーザの身体に対するセンサ位置、姿勢(例えば、ユーザが立っている、座っている、寝ているか)、ユーザのアイデンティティ、ユーザの性別、ユーザの体重、ユーザの年齢、ユーザの活動(例えば、映画、音楽を聴くか、または閲覧を見ている)、データの利用可能性、データの質、そして、何 (例えば、心拍数または呼吸数) の加重平均を計算するのか、のような一つ以上のトリガ因子に基づいて重みを決定する。コンピュータ236は、以下のいずれかによりトリガ因子を決定する:(a)トリガ要因に関してユーザが入力したデータを保存するデータベースにアクセスする(b)インターネットからトリガ因子に関する情報をダウンロードする(c)トリガ因子に関するユーザの入力を受容する(d)1つ又は複数のセンサからのデータを分析する。例えば、ユーザは、ユーザの同一性、年齢、性別または体重を示すデータを入力することができる。また、例えば、コンピュータ236は、任意の1つまたは複数のトリガ因子を計算するために、1つ又は複数のセンサから読み出したデータの兆候からデータを生成することができる。)
(3)「[0060] When considering sensors from different body locations, the weights are automatically selected to choose the most advantageous combination. For instance, in some cases, among several motion-based sensors on the head, a gyroscope receives a higher weight than an accelerometer. However, in some cases, when gathering the same sensor information from a smartphone carried in a pocket, the accelerometer receives a higher weight than the gyroscope.[0061] Different sensors receive different weights based on the quality and availability of the data. For instance, if the person carries devices on the head and the wrist, the algorithm will dynamically select the one that contains less noise and best signal to noise ratio. For instance, while typing at the computer, head sensors are expected to have less noise than wrist sensors.[0062] In some implementations, posture is the only trigger factor that controls the dynamic adjustment of weighting. In some other implementations, identity or activity of a user is the only trigger factor that controls weighting. In other more complicated versions, there are multiple trigger factors that interact in more complex and perhaps iterative ways (see list of trigger factors above).[0063] The weighting of sensors (by different sensor type or by different sensor position relative to the body) may be done in different ways, in illustrative implementations of this invention. In some cases, the signal stream for each sensor, respectively, is assigned a weight, so that data from different sensors may have different weights. In some other cases, an intermediate output of processing (e.g., pulse and respiratory waves, heart and breathing rates) performed by each of the sensors are weighted and combined. Both approaches may also be combined. The weighting may be done with different operators such as a weighted average (e.g., continuous weights) or filtering approach (e.g., binary weights).」
(当審訳:[0060] 異なる身体位置からセンサを考えた場合、重みは自動的に最も有利な組合わせを選択するために選択される。例えば、いくつかの場合では、頭部のいくつかの運動ベースのセンサのうち、ジャイロスコープは、加速度計よりも高い重みを受け取る。しかし、いくつかの場合には、ポケット内に所持されたスマートフォンから同じセンサ情報を収集する場合、加速度計はジャイロスコープよりも高い重みを受け取る。
[0061] 異なるセンサは、データの品質および利用可能性に基づいて異なる重みを受け取る。例えば、人は、ヘッドと手首に装置を持っている場合には、アルゴリズムは、動的にノイズの少ない最良の信号対雑音比を含むものを選択する。例えば、コンピュータにタイプ入力している間、ヘッドセンサは、手首センサよりも少ないノイズを有すると予想される。
[0062] いくつかの実施形態において、姿勢には重みの動的調整を制御する唯一のトリガ因子である。いくつかの他の実装形態では、ユーザの同一性または活性は、重み付けを制御する唯一のトリガ因子である。他のより複雑なバージョンでは、より複雑な、恐らくは反復的な方法で相互作用する複数のトリガ因子がある(上記のトリガ因子のリストを参照のこと)。
[0063] (異なるタイプのセンサによる、または身体に対する異なるセンサ位置による) センサの重み付けは、本発明の例示的な実施形態では様々な方法で行われる。いくつかの場合において、それぞれのセンサ用の信号ストリームは、重みが割り当てられ、異なるセンサからのデータは、異なる重みを有することができるようになっている。いくつかの他の場合において、センサの各々によって実行される処理(例えば、脈拍、呼吸、心拍数及び呼吸速度)の中間出力は、重み付けして組み合わされる。両方のアプローチを組み合わせてもよい。重みは、加重平均(例えば、連続的な重み)またはフィルタリングアプローチ(例えば、バイナリ重み付け)のような異なる操作によって実行されてもよい。)
(4)「[0086] In FIGS. 5, 6, 7, 8, 9 and 10, heart rate (i.e., cardiac pulse rate) is determined. However, other physiological parameters may be determined. For example, in some cases (including in alternative versions of FIGS. 5-10), the physiological parameter that is determined is breathing rate, heart rate variability or another cardiac parameter (such as a shape of the cardiac pulse waveform).[0087] As used herein, the terms “ballistocardiographic” and “BCG” are adjectives that mean: of or relating to estimating pulse rate or breath rate from measurements of body movements caused by cardiac pulse or by respiration. This definition is different than the common meaning of those terms.[0088] FIG. 11 illustrates a method of determining (1) heart rate as a weighted average of a BCG heart rate estimate and a PPG heart rate estimate, and (2) breathing rate as a weighted average of a breathing rate estimate from gyroscope and accelerometer data and a PPG breathing rate estimate, in an illustrative implementation of this invention.[0089] In FIG. 11, the BCG heart rate estimate is determined from a BCG pulse waveform. The BCG breathing rate estimate is determined from a BCG respiratory waveform. The BCG pulse and respiratory waveforms are calculated based on sensor readings by one or more motion sensors, such as an accelerometer or gyroscope.[0090] In FIG. 11, the PPG heart rate estimate is determined from a PPG pulse waveform. The PPG breathing rate estimate is determined from a PPG respiratory waveform. The PPG pulse and respiratory waveforms are calculated based on sensor readings by one or more PPG sensors.[0091] In FIG. 11, motion sensor(s) take ballistocardiographic (BCG) measurements of subtle body movements caused by heartbeat and respiration. The motion sensor(s) comprise one or more accelerometers or gyroscopes (Step 1101). A computer (and in some cases, signal processing circuitry) performs processing that includes, among other things, computationally applying a moving average and filters. The processing outputs a BCG pulse waveform and BCG respiratory waveform (Step 1103). A computer calculates Fast Fourier Transforms (FFTs) of the BCG pulse waveform and BCG respiratory waveform (Step 1105). A computer extracts BCG heart rate and BCG breathing rate from the FFTs (Step 1107).[0092] In FIG. 11, a PPG sensor takes photoplethysmographic (PPG) measurements of blood volume pulse and other subtle body changes caused by heartbeat and respiration (Step 1109). A computer (and in some cases, signal processing circuitry) performs processing that includes, among other things, computationally applying a moving average window and filters. The processing outputs a PPG pulse waveform and PPG respiratory waveform (Step 1111). A computer calculates Fast Fourier Transforms (FFTs) of the PPG pulse waveform and PPG respiratory waveform (Step 1113). A computer extracts PPG heart rate and PPG breathing rate from the FFTs (Step 1115).[0093] In FIG. 11, a computer determines weights (e.g., w1, w2, w3 and w4) to be applied in a weighted average (e.g., of heart estimates, or of breathing rate estimates). The computer determines the weights based on trigger factors such as sensor position (e.g., head, wrist or pocket), posture (e.g., whether a user is standing, sitting up, lying down), identity of user, gender of user, weight of user, age of user, activity of user (e.g., watching a movie, listening to music, or browsing), availability of data, quality of data, and what the weighted average is computing (e.g., heart rate or breathing rate) (Step 1117).[0094] In FIG. 11, a computer determines heart rate (HR) as a weighted average of the BCG heart rate (HRBCG) and PPG heart rate (HRPPG). For example, in some cases, a computer calculates heart rate as follows:HR=(w1HRBCG×w2HRPPG)/(w1+w2), where w1 and w2 are weights. A computer determines breathing rate (BR) as a weighted average of the BCG breathing rate (BRBCG) and PPG breathing rate (BRPPG). For example, in some cases, a computer calculates breathing rate as follows: BR=(w3BRBCG×w4BRPPG)/)/(w3+w4), where w3 and w4 are weights. (Step 1119).」
(当審訳:[0086] 図5,6,7,8,9,10において、心拍数(心拍率)が決定される。しかしながら、他の生理学的パラメータを決定することができる。例えば、いくつかの場合(図5-10の代替バージョンを含む)では、決定される生理学的パラメータは、呼吸速度、心拍数変動またはその他の心臓パラメータ(心臓パルス波形のような形状)である。
[0087] 本明細書で使用される場合、用語”ballistocardiographic”と”BCG”は、心拍や呼吸により生じる身体の動きの測定に基づいて、脈拍数または呼吸速度の推定に関連する形容詞である。この定義は、それらの用語の通常の意味とは異なる。
[0088] 図11は、本発明の例示的な実施形態における、(1)BCGの心臓レート推定とPPGの心拍数の予測値の加重平均としての心拍数と、(2)ジャイロスコープ及び加速度計データからの呼吸速度推定値と、PPGからの呼吸速度推定値の加重平均としての呼吸速度と、を決定する手法を示す図である。
[0089] 図11において、BCG心拍数推定値は、BCGのパルス波形から決定される。BCGの呼吸速度の推定値は、BCGの呼吸波形から決定される。BCG心拍及び呼吸波形は、加速度計またはジャイロスコープなどの1つ又はそれ以上の運動センサによるセンサ読取り値に基づいて計算される。
[0090] 図11において、PPG心拍数推定値は、PPGパルス波形から決定される。PPG呼吸速度推定値は、PPG、呼吸波形から決定される。PPG心拍および呼吸波形は、1つ以上のPPGセンサのセンサ測定値に基づいて計算される。
[0091] 図11において、動きセンサ(複数可)は、心拍及び呼吸によって引き起こされたわずかな身体運動の心弾動(BCG)測定を行う。動きセンサ(複数可)は、1つまたは複数の加速度計またはジャイロスコープからなる(ステップ1101)。コンピュータ(およびいくつかの場合には、信号処理回路構成)は、とりわけ、移動平均と複数フィルタをコンピュータ的に適用することを含む生成処理を行う。処理により、BCG心拍波形及びBCG呼吸波形を出力する(ステップ1103)。コンピュータは、BCG心拍波形及びBCG呼吸波形の高速フーリエ変換(FFT)を計算する(ステップ1105)。コンピュータは、高速フーリエ変換から、BCGの心拍数及びBCGの呼吸速度を抽出する(ステップ1107)。
[0092] 図11において、PPGセンサは、心拍および呼吸速度によって生じる血液容積パルスおよびその他の微妙な体の変化の光電脈波(PPG)測定を行う(ステップ1109)。コンピュータ(およびいくつかの場合には、信号処理回路構成)は、とりわけ、移動平均窓とフィルタをコンピュータ的に適用することを含む処理を行う。処理は、PPG心拍波形およびPPG呼吸波形を出力する(ステップ1111)。コンピュータは、PPG心拍波形およびPPG呼吸波形の高速フーリエ変換(FFT)を計算する(ステップ1113)。コンピュータは、高速フーリエ変換からのPPGの心拍数および呼吸速度を抽出する(ステップ1115)。
[0093] 図11では、コンピュータは、加重平均(例えば、心臓の又は呼吸数推定値の)に適用される重み(例えば、w1、w2、w3およびw4)を決定する。コンピュータは、センサ位置(例えば、頭、手首又はポケット)、姿勢(例えば、ユーザが立っている、座っている、寝ているか)、ユーザのアイデンティティ、ユーザの性別、ユーザの体重、ユーザの年齢、ユーザの活動(例えば、映画、音楽を聴くか、または閲覧を見ている)、データの利用可能性、データの品質、何(例えば、心拍数または呼吸数)を重み付け平均で計算するか、のような因子に基づいて重みを決定する(ステップ1117)。
[0094] 図11では、コンピュータは、BCGの心臓レート(HRBCG)およびPPGの心拍数(HRPPG)の加重平均として心拍数(HR)を決定する。例えば、いくつかの場合には、以下のようにコンピュータは、心拍数を計算する。
HR=(w1HRBCG×w2HRPPG)/(w1+w2)、w1及びw2は、重みである。コンピュータは、BCGの呼吸速度(BRBCG)およびPPGの呼吸速度(BRPPG)の加重平均として、呼吸速度(BR)を決定する。例えば、いくつかの場合では、コンピュータは次のようにして呼吸速度を計算する:BR=(w3BRBCG×w4BRPPG))/(w3+w4)、ここで、w3及びw4は、重みである。(ステップ1119)。)
(5)「FIG.2[図:0001380907000001.jpg]」
上記引用文献1の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「ジャイロスコープ及び加速度計データからの呼吸速度推定値と、PPGからの呼吸速度推定値との加重平均としての呼吸速度を決定するセンサシステム及びその作動方法において、センサシステムは、頭部装着センサモジュール201、手首に装着されるセンサモジュール211、ポケット内で搬送されるセンサモジュール221の、3つのセンサモジュールを含んでおり、3つのセンサの各々は、加速度計(例えば、3軸デジタル加速度計)202、212、222、ジャイロセンサ(例えば、3軸デジタルジャイロスコープ)、203、213、223、無線送受信部205、215、225、コンピュータ(例えば、マイクロコントローラ)206、216、226、207、217、227、208、218、238を含み、手首装着型のセンサモジュール211は、PPGセンサ219を備えており、コンピュータ236は、呼吸速度(BR)のような生理的パラメータを、センサからのセンサ読み出し値、またはセンサ読取り値から導出されたデータ、に少なくとも部分的に基づいて計算し、生理的パラメータ(例えば、BR)を決定する場合、コンピュータ236は、様々なセンサからの入力を重みづけ量を異ならせて重み付けし、ユーザの身体に対するセンサ位置、姿勢(例えば、ユーザが立っている、座っている、寝ているか)、ユーザのアイデンティティ、ユーザの性別、ユーザの体重、ユーザの年齢、ユーザの活動(例えば、映画、音楽を聴くか、または閲覧を見ている)、データの利用可能性、データの質、そして、何 (例えば、心拍数または呼吸数) の加重平均を計算するのか、のような一つ以上のトリガ因子に基づいて重みを決定し、続きを表示(全11行)異なる身体位置からセンサを考えた場合、重みは自動的に最も有利な組合わせを選択するために選択され、異なるセンサは、データの品質および利用可能性に基づいて異なる重みを受け取り、動きセンサ(複数可)は、1つまたは複数の加速度計またはジャイロスコープからなり、コンピュータ236は、移動平均と複数フィルタをコンピュータ的に適用することを含む生成処理を行い、BCG呼吸波形を出力し、BCG呼吸波形の高速フーリエ変換(FFT)を計算し、高速フーリエ変換から、BCG呼吸速度を抽出し、PPGセンサは、心拍および呼吸速度によって生じる血液容積パルスおよびその他の微妙な体の変化の光電脈波(PPG)測定を行い、コンピュータ236は、移動平均窓とフィルタをコンピュータ的に適用することを含む処理を行って、PPG呼吸波形を出力し、PPG呼吸波形の高速フーリエ変換(FFT)を計算し、高速フーリエ変換からPPG呼吸速度を抽出し、コンピュータ236は、BCGの呼吸速度(BRBCG)およびPPGの呼吸速度(BRPPG)の加重平均として、以下の式BR=(w3BRBCG×w4BRPPG))/(w3+w4) (ここで、w3及びw4は、重みである。)により、呼吸速度(BR)を決定する、センサシステム及びその作動方法。」
第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1を、引用発明1と比較する。
ア 引用発明1の「ユーザ」は、本願発明1における「被検者」に相当する。
イ 引用発明1の「呼吸速度(BR)」は、本願発明1における「呼吸情報」に相当する。
ウ 引用発明1の「コンピュータ236」は、「呼吸速度(BR)のような生理的パラメータを、センサからのセンサ読み出し値、またはセンサ読取り値から導出されたデータ、に少なくとも部分的に基づいて計算」するものであるから、本願発明1における「呼吸情報を決定するための制御ユニット」に相当する。
エ 引用発明1の「コンピュータ236」が「ジャイロスコープ及び加速度計データからの呼吸速度推定値と、PPGからの呼吸速度推定値との加重平均としての呼吸速度を決定するセンサシステム」は、本願発明1の「被検者の呼吸情報を決定するための制御ユニットを含む装置」に相当する。
オ 引用発明1の「コンピュータ236」が「ジャイロスコープ及び加速度計データからの呼吸速度推定値と、PPGからの呼吸速度推定値との加重平均としての呼吸速度を決定するセンサシステム及びその作動方法」は、本願発明1の「被検者の呼吸情報を決定するための制御ユニットを含む装置を作動させる作動方法」に相当する。
カ 引用発明1の「BCG呼吸速度」及び「PPG呼吸速度」は、本願発明1における「被験者の」「生理学的特徴を示す」「生理学的信号」に相当する。
キ 引用発明1の「動きセンサ(複数可)は、1つまたは複数の加速度計またはジャイロスコープからなり、コンピュータ236は、移動平均と複数フィルタをコンピュータ的に適用することを含む生成処理を行い、BCG呼吸波形を出力し、BCG呼吸波形の高速フーリエ変換(FFT)を計算し、高速フーリエ変換から、BCG呼吸速度を抽出し、」「PPGセンサは、心拍および呼吸速度によって生じる血液容積パルスおよびその他の微妙な体の変化の光電脈波(PPG)測定を行い、コンピュータ236は、移動平均窓とフィルタをコンピュータ的に適用することを含む処理を行って、PPG呼吸波形を出力し、PPG呼吸波形の高速フーリエ変換(FFT)を計算し、高速フーリエ変換からPPG呼吸速度を抽出」することは、本願発明1における「前記制御ユニットが、前記被検者の少なくとも1つの生理学的特徴を示す1つ又は複数の生理学的信号を獲得するステップ」に相当する。
ク 引用発明1の「ユーザの身体に対するセンサ位置、姿勢(例えば、ユーザが立っている、座っている、寝ているか)、ユーザのアイデンティティ、ユーザの性別、ユーザの体重、ユーザの年齢、ユーザの活動(例えば、映画、音楽を聴くか、または閲覧を見ている)、データの利用可能性、データの質、そして、何 (例えば、心拍数または呼吸数) の加重平均を計算するのか、のような一つ以上のトリガ因子」は、本願発明1における「被検者と」「生理学的信号とのうちの少なくとも1つに関するコンテキスト情報」に相当する。
ケ 引用発明1は、「生理的パラメータ(例えば、BR)を決定する場合、コンピュータ236は、様々なセンサからの入力を重みづけ量を異ならせて重み付けし、ユーザの身体に対するセンサ位置、姿勢(例えば、ユーザが立っている、座っている、寝ているか)、ユーザのアイデンティティ、ユーザの性別、ユーザの体重、ユーザの年齢、ユーザの活動(例えば、映画、音楽を聴くか、または閲覧を見ている)、データの利用可能性、データの質、そして、何 (例えば、心拍数または呼吸数) の加重平均を計算するのか、のような一つ以上のトリガ因子に基づいて重みを決定し」ていることから、本願発明1における「前記制御ユニットが、前記被検者と前記1つ又は複数の生理学的信号とのうちの少なくとも1つに関するコンテキスト情報を取得するステップ」を備えていると認められる。
コ 引用発明1の「BCGの呼吸速度(BRBCG)およびPPGの呼吸速度(BRPPG)の加重平均」である「式 BR=(w3BRBCG×w4BRPPG))/(w3+w4) (ここで、w3及びw4は、重みである。)」は、本願発明1における「信号処理アルゴリズム」に相当する。
サ 引用発明1は、「コンピュータ236は、BCGの呼吸速度(BRBCG)およびPPGの呼吸速度(BRPPG)の加重平均として、以下の式
BR=(w3BRBCG×w4BRPPG))/(w3+w4) (ここで、w3及びw4は、重みである。)
により、呼吸速度(BR)を決定する」ものであり、「コンピュータ236は、呼吸速度(BR)のような生理的パラメータを、センサからのセンサ読み出し値、またはセンサ読取り値から導出されたデータ、に少なくとも部分的に基づいて計算し、生理的パラメータ(例えば、BR)を決定する場合、コンピュータ236は、様々なセンサからの入力を重みづけ量を異ならせて重み付けし、ユーザの身体に対するセンサ位置、姿勢(例えば、ユーザが立っている、座っている、寝ているか)、ユーザのアイデンティティ、ユーザの性別、ユーザの体重、ユーザの年齢、ユーザの活動(例えば、映画、音楽を聴くか、または閲覧を見ている)、データの利用可能性、データの質、そして、何 (例えば、心拍数または呼吸数) の加重平均を計算するのか、のような一つ以上のトリガ因子に基づいて重みを決定し」ていることから、本願発明1における「前記制御ユニットが、前記コンテキスト情報に基づいて、前記1つ又は複数の生理学的信号のそれぞれについて、呼吸情報を決定するように適合された少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップ」を備えていると認められる。
シ 引用発明1は、「コンピュータ236は、BCGの呼吸速度(BRBCG)およびPPGの呼吸速度(BRPPG)の加重平均として、以下の式
BR=(w3BRBCG×w4BRPPG))/(w3+w4) (ここで、w3及びw4は、重みである。)
により、呼吸速度(BR)を決定する」ことから、本願発明1における「前記制御ユニットが、前記1つ又は複数の生理学的信号について選択された前記少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを使用して、前記1つ又は複数の生理学的信号に基づいて前記被検者の呼吸情報を決定するステップ」を備えていると認められる。
すると、本願発明1と、引用発明1とは、次の点で一致する。
<一致点>
「被検者の呼吸情報を決定するための制御ユニットを含む装置を作動させる作動方法であって、当該作動方法は、前記制御ユニットが、前記被検者の少なくとも1つの生理学的特徴を示す1つ又は複数の生理学的信号を獲得するステップと、前記制御ユニットが、前記被検者と前記1つ又は複数の生理学的信号とのうちの少なくとも1つに関するコンテキスト情報を取得するステップと、前記制御ユニットが、前記コンテキスト情報に基づいて、前記1つ又は複数の生理学的信号のそれぞれについて、呼吸情報を決定するように適合された少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップと、前記制御ユニットが、前記1つ又は複数の生理学的信号について選択された前記少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを使用して、前記1つ又は複数の生理学的信号に基づいて前記被検者の呼吸情報を決定するステップと、を含む、作動方法。」
一方で、両者は、次の点で相違する。
<相違点1>
少なくとも1つの信号処理アルゴリズムを選択するステップが、本願発明1は「複数の信号処理アルゴリズムのそれぞれを包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則にさらに基づく、選択するステップ」であるのに対し、引用発明1では「コンピュータ236は、BCGの呼吸速度(BRBCG)およびPPGの呼吸速度(BRPPG)の加重平均として、以下の式 BR=(w3BRBCG×w4BRPPG))/(w3+w4) (ここで、w3及びw4は、重みである。) により、呼吸速度(BR)を決定」し、「コンピュータ236は、様々なセンサからの入力を重みづけ量を異ならせて重み付けし、ユーザの身体に対するセンサ位置、姿勢(例えば、ユーザが立っている、座っている、寝ているか)、ユーザのアイデンティティ、ユーザの性別、ユーザの体重、ユーザの年齢、ユーザの活動(例えば、映画、音楽を聴くか、または閲覧を見ている)、データの利用可能性、データの質、そして、何 (例えば、心拍数または呼吸数) の加重平均を計算するのか、のような一つ以上のトリガ因子に基づいて重みを決定し、」「異なる身体位置からセンサを考えた場合、重みは自動的に最も有利な組合わせを選択するために選択され、異なるセンサは、データの品質および利用可能性に基づいて異なる重みを受け取」るステップを備え、該ステップは上記式の重みを変更することにより、「信号処理アルゴリズム」を「選択」しているとは認められるものの、重みについては、「異なる身体位置からセンサを考えた場合、重みは自動的に最も有利な組合わせを選択するために選択され、異なるセンサは、データの品質および利用可能性に基づいて異なる重みを受け取り、」という、センサ装着位置やセンサ信号のデータ品質及び利用可能性により選択されるものであるから、引用発明1は、「複数の」重み「のそれぞれを包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則」を備えておらず、その規則にさらに基づいて、信号処理アルゴリズムを選択することも備えていない点。
(2)判断
上記「(1)」で記載した相違点1について判断する。
ア 引用発明1では、呼吸速度(BR)の決定には、
「BR=(w3BRBCG×w4BRPPG))/(w3+w4) (ここで、w3及びw4は、重みである。)」
という加重平均の式を用いており、その重みw3及びw4は、トリガ因子に基づいて決定されるものであるから、引用発明1において、呼吸速度を決定する加重平均の式の重み付けを変えた複数の加重平均の式が、本願発明1でいう「複数の信号処理アルゴリズムのそれぞれ」に相当すると認められる。
しかしながら、引用発明1は、呼吸速度を決定する加重平均の式の重み付けを変えた複数の加重平均の式を「包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則に」「基づ」いて、複数の加重平均の式の中から、1つの加重平均の式を「選択する」ものではない。
イ また、上記加重平均の式による呼吸速度の決定の際の重み付けを変えた複数の加重平均の式(複数の信号処理アルゴリズムのそれぞれ)を「包含及び/又は除外することによる利点及び/又は不利点に関する1組の規則に」「基づ」いて、複数の加重平均の式の中から、1つの加重平均の式を選択することが、本願の優先日前において周知の技術であったことを示す他の文献も無い。
ウ 以上のことから、上記相違点1に係る発明特定事項を引用発明1から当業者が導き出すことはできない。
(3)小括
したがって、本願発明1は、引用発明1と同一ではなく、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
2.本願発明2ないし11について
本願発明1を引用する本願発明2ないし11も、本願発明1の上記相違点1に係る発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1と同一ではなく、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
3.本願発明12について
本願発明12は、本願発明1の「作動方法」に関する発明を「装置」の発明にそのカテゴリーを変更した発明であり、本願発明1の発明特定事項を全て備えた発明であることから、本願発明12も、本願発明1の上記相違点1に係る発明特定事項を備えるものとなるので、本願発明1と同じ理由により、引用発明1と同一ではなく、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
4.本願発明13ないし15について
本願発明12を引用する本願発明13ないし15も、上記「3.」で検討したとおり本願発明1の上記相違点1に係る発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1と同一ではなく、引用発明1に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
第7 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1ないし15は、上記「第6」で検討した相違点1に係る発明特定事項を有するものとなっており、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明ではなく、当業者であっても、引用文献1に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-009566