特許拒絶査定不服審判
2021-009481
液晶媒体
- 審判番号
- 2021-009481
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-166898外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年07月16日
- 審決日
- 2022年07月12日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
- 【請求人代理人】伊藤 克博
- 分類
- P18 .113-Z (C09K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第1項第4号、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-166898「液晶媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月 7日出願公開、特開2019- 19330〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)年8月30日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年8月31日 (EP)欧州特許庁 2012年10月17日 (US)米国)の出願である特願2013-179367号の一部を、平成30年9月6日に新たな特許出願としたものであって、平成30年9月26日に上申書及び手続補正書が提出され、令和元年7月16日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内(3月延長)の令和2年1月14日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月1日付けで拒絶理由(最後)が通知され、その指定期間内(2月延長)の同年10月23日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年3月9日に令和2年10月23日付けの手続補正が却下されるとともに、拒絶査定がなされ(謄本送達は令和3年3月16日)、これに対して、令和3年7月16日に拒絶査定不服の審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和3年7月16日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和3年7月16日付け手続補正を却下する。
[理由]
1.本件補正の内容
特許法第17条の2第1項第4号に該当する手続補正である令和3年7月16日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、令和2年1月14日付けで提出された)手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~17を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~19へと補正するものである。
(1)本件補正前の請求項1~17(すなわち、令和2年1月14日付け手続補正書の請求項1~17)
「 【請求項1】
正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、
1種類以上の式Iの化合物と、
式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される化合物、式XIX~XXVIIIから選択される四環式化合物、式APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-FおよびPUQU-n-Fから選択される化合物、式CCP-V-mおよびCCP-Vn-mから選択される化合物、式PP-1-nVmの化合物ならびに式PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される化合物から成る群より選択される1種類以上の化合物とを含み、ただし 式Iの化合物は、式I-1~I-5の化合物から選択される1種類以上の化合物であり、
該液晶媒体は、式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合
物を含む液晶媒体。
【化1】
[図:0001391474000001.jpg]
(式中、
R1は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化2】
[図:0001391474000002.jpg]
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよい。)
【化3】
[図:0001391474000003.jpg]
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化4】
[図:0001391474000004.jpg]
【化5】
[図:0001391474000005.jpg]
(式中、
R0は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化6】
[図:0001391474000006.jpg]
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよく、
X0は、F、Cl、1~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルキルまたはアルコキシ基、2~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルケニルまたはアルケニルオキシ基を表し、
Y1~4は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表す。)
【化7】
[図:0001391474000007.jpg]
【化8】
[図:0001391474000008.jpg]
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化9】
[図:0001391474000009.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化10】
[図:0001391474000010.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化11】
[図:0001391474000011.jpg]
【化12】
[図:0001391474000012.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化13】
[図:0001391474000013.jpg]
【請求項2】
式Iの化合物は、式I-2の化合物(式CC-3-2V1の化合物とも言う。)であることを特徴とする請求項1に記載の液晶媒体。
【化14】
[図:0001391474000014.jpg]
【請求項3】
式CC-n-Vから選択される1種類以上の化合物と、式CC-n-V1から選択される1種類以上の化合物とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶媒体。
【請求項4】
式CC-n-VおよびCC-n-V1の化合物は、それぞれ式IIa-1~IIa-6の化合物から選択されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化15】
[図:0001391474000015.jpg]
【請求項5】
式CC-n-Vの化合物は、式IIa-1の化合物(式CC-3-Vの化合物とも言う。)であることを特徴とする請求項4に記載の液晶媒体。
【化16】
[図:0001391474000016.jpg]
【請求項6】
式CC-n-V1の化合物は、式IIa-2の化合物(式CC-3-V1の化合物とも言う。)であることを特徴とする請求項4に記載の液晶媒体。
【化17】
[図:0001391474000017.jpg]
【請求項7】
式APUQU-n-Fの化合物から選択される1種類以の化合物を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化18】
[図:0001391474000018.jpg]
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【請求項8】
式PGUQU-n-Fの化合物から選択される1種類以の化合物を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化19】
[図:0001391474000019.jpg]
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【請求項9】
式APUQU-n-Fの化合物から選択される1種類以の化合物と、式PGUQU-n-Fの化合物から選択される1種類以の化合物とを含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化20】
[図:0001391474000020.jpg]
(式中、
nは、それぞれ1~15の整数を表す。)
【請求項10】
正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、
1種類以上の式Iの化合物と、
式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される化合物、式XIX~XXVIIIから選択される四環式化合物、式APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-FおよびPUQU-n-Fから選択される化合物、式CCP-V-mおよびCCP-Vn-mから選択される化合物、式PP-1-nVmの化合物ならびに式PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される化合物から成る群より選択される1種類以上の化合物とを含み、ただし
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であって、ただし
該液晶媒体は、分子の右側が-UQU-Xで表される1種類以上の化合物を27.5重量%以上の合計濃度で含む液晶媒体。
【化21】
[図:0001391474000021.jpg]
(式中、
R1は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化22】
[図:0001391474000022.jpg]
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよい。)
【化23】
[図:0001391474000023.jpg]
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化24】
[図:0001391474000024.jpg]
【化25】
[図:0001391474000025.jpg]
(式中、
R0は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化26】
[図:0001391474000026.jpg]
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよく、
X0は、F、Cl、1~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルキルまたはアルコキシ基、2~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルケニルまたはアルケニルオキシ基を表し、
Y1~4は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表す。)
【化27】
[図:0001391474000027.jpg]
【化28】
[図:0001391474000028.jpg]
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化29】
[図:0001391474000029.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化30】
[図:0001391474000030.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化31】
[図:0001391474000031.jpg]
【化32】
[図:0001391474000032.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
(-UQU-Xは、以下の部分構造を表し、
【化33】
[図:0001391474000033.jpg]
Xは、F、OCF3またはCF3を表す。)
【請求項11】
+10.4以上の誘電異方性Δεを有することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項12】
1種類以上の式RM-1~RM-83から選択される重合性化合物を含む請求項1~11のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化34】
[図:0001391474000034.jpg]
【化35】
[図:0001391474000035.jpg]
【化36】
[図:0001391474000036.jpg]
【化37】
[図:0001391474000037.jpg]
【化38】
[図:0001391474000038.jpg]
【化39】
[図:0001391474000039.jpg]
【化40】
[図:0001391474000040.jpg]
【化41】
[図:0001391474000041.jpg]
【化42】
[図:0001391474000042.jpg]
【化43】
[図:0001391474000043.jpg]
【請求項13】
1種類以上の表Dから選択される安定剤を含む請求項1~12のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【表1】
[図:0001391474000044.jpg]
【表2】
[図:0001391474000045.jpg]
【表3】
[図:0001391474000046.jpg]
【表4】
[図:0001391474000047.jpg]
【請求項14】
式Iの1種類以上の化合物を、少なくとも1種類の更なるメソゲン化合物と、任意成分として、1種類以上の添加剤(1種類または多種類)および/または1種類以上の重合性化合物と混合することを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の液晶媒体の調製方法。
【請求項15】
電気光学的目的のための請求項1~13のいずれか1項に記載の液晶媒体の使用。
【請求項16】
TN、STN、TN-TFT、OCB、IPS、PS-IPS、FFS、PS-FFSディスプレイ、シャッター眼鏡、LCレンズおよび正VAディスプレイにおける請求項15に記載の液晶媒体の使用。
【請求項17】
請求項1~13のいずれか1項に記載の液晶媒体を含有する電気光学的液晶ディスプレイ。」
(2)本件補正後の請求項1~19(すなわち、令和3年7月16日付け手続補正書の請求項1~19)
「 【請求項1】
正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、
1種類以上の式Iの化合物と、
式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み、ただし
式Iの化合物は、式I-1~I-5の化合物から選択される1種類以上の化合物であり、
該液晶媒体は、式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり、
該液晶媒体は、式APUQU-n-F、CDUQU-n-FおよびDGUQU-n-Fから選択される1種類以上の化合物を含む
液晶媒体。
【化1】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R1は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化2】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよい。)
【化3】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化4】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
【化5】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R0は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化6】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよく、
X0は、F、Cl、1~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルキルまたはアルコキシ基、2~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルケニルまたはアルケニルオキシ基を表し、
Y1~4は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表す。)
【化7】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
【化8】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化9】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化10】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化11】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
【化12】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化13】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
【請求項2】
該液晶媒体中に存在する式APUQU-n-F、CDUQU-n-FおよびDGUQU-n-Fの化合物の合計含有量は37重量%以上である請求項1に記載の液晶媒体。
【請求項3】
正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、
1種類以上の式Iの化合物と、
式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み、ただし
式Iの化合物は、式I-1~I-5の化合物から選択される1種類以上の化合物であり、
該液晶媒体は、式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり、
該液晶媒体は、式PGUQU-n-FおよびDGUQU-n-Fから選択される1種類以上の化合物を含み、 式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上
の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は27.5重量%以上である液晶媒体。
【化14】(前記【化1】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R1は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化15】(前記【化2】と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよい。)
【化16】(前記【化3】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化17】(前記【化4】と同じであるため、摘記を省略)
【化18】(前記【化5】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R0は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化19】(前記【化6】と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよく、
X0は、F、Cl、1~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルキルまたはアルコキシ基、2~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルケニルまたはアルケニルオキシ基を表し、
Y1~4は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表す。)
【化20】(前記【化7】と同じであるため、摘記を省略)
【化21】(前記【化8】と同じであるため、摘記を省略)
【化22】(前記【化9】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化23】(前記【化10】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化24】(前記【化11】と同じであるため、摘記を省略)
【化25】(前記【化12】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化26】(前記【化13】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項4】
正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、
1種類以上の式Iの化合物と、
式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み、ただし
式Iの化合物は、式I-1~I-5の化合物から選択される1種類以上の化合物であり、
該液晶媒体は、式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の合計含有量は40重量%以上であり、
該液晶媒体は、式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上の化合物を含み、
式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上の化合物の合計含有量は27.5重量%以上である
液晶媒体。
【化27】(前記【化1】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R1は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化28】(前記【化2】と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよい。)
【化29】(前記【化3】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化30】(前記【化4】と同じであるため、摘記を省略)
【化31】(前記【化5】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R0は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化32】(前記【化6】と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよく、
X0は、F、Cl、1~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルキルまたはアルコキシ基、2~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルケニルまたはアルケニルオキシ基を表し、
Y1~4は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表す。)
【化33】(前記【化7】と同じであるため、摘記を省略)
【化34】(前記【化8】と同じであるため、摘記を省略)
【化35】(前記【化9】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化36】(前記【化10】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化37】(前記【化11】と同じであるため、摘記を省略)
【化38】(前記【化12】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化39】(前記【化13】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項5】
正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、
1種類以上の式Iの化合物と、
式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み、ただし
式Iの化合物は、式I-1~I-5の化合物から選択される1種類以上の化合物であり、
該液晶媒体は、式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり、
該液晶媒体は、17.5重量%以上の式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物を含む
液晶媒体。
【化40】(前記【化1】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R1は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化41】(前記【化2】と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよい。)
【化42】(前記【化3】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化43】(前記【化4】と同じであるため、摘記を省略)
【化44】(前記【化5】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R0は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化45】(前記【化6】と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよく、
X0は、F、Cl、1~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルキルまたはアルコキシ基、2~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルケニルまたはアルケニルオキシ基を表し、
Y1~4は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表す。)
【化46】(前記【化7】と同じであるため、摘記を省略)
【化47】(前記【化8】と同じであるため、摘記を省略)
【化48】(前記【化9】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化49】(前記【化10】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化50】(前記【化11】と同じであるため、摘記を省略)
【化51】(前記【化12】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化52】(前記【化13】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項6】
正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、
1種類以上の式Iの化合物と、
式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み、ただし
式Iの化合物は、式I-1~I-5の化合物から選択される1種類以上の化合物であり、
該液晶媒体は、式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の合計含有量は40重量%以上であり、
該液晶媒体は、17.5重量%以上の式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物を含む
液晶媒体。
【化53】(前記【化1】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R1は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化54】(前記【化2】と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよい。)
【化55】(前記【化3】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化56】(前記【化4】と同じであるため、摘記を省略)
【化57】(前記【化5】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
R0は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化58】(前記【化6】と同じであるため、摘記を省略)
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよく、
X0は、F、Cl、1~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルキルまたはアルコキシ基、2~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルケニルまたはアルケニルオキシ基を表し、
Y1~4は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表す。)
【化59】(前記【化7】と同じであるため、摘記を省略)
【化60】(前記【化8】と同じであるため、摘記を省略)
【化61】(前記【化9】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化62】(前記【化10】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化63】(前記【化11】と同じであるため、摘記を省略)
【化64】(前記【化12】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化65】(前記【化13】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項7】
式Iの化合物は、式I-2の化合物(式CC-3-2V1の化合物とも言う。)であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化66】(前記(1)の【化14】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項8】
式CC-n-VおよびCC-n-V1の化合物は、それぞれ式IIa-1~IIa-6の化合物から選択されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化67】(前記(1)の【化15】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項9】
式CC-n-Vの化合物は、式IIa-1の化合物(式CC-3-Vの化合物とも言う。)であることを特徴とする請求項8に記載の液晶媒体。
【化68】(前記(1)の【化16】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項10】
式CC-n-V1の化合物は、式IIa-2の化合物(式CC-3-V1の化合物とも言う。)であることを特徴とする請求項8に記載の液晶媒体。
【化69】(前記(1)の【化17】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項11】
式APUQU-n-Fの化合物から選択される1種類以の化合物を含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化70】(前記(1)の【化18】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【請求項12】
式APUQU-n-Fの化合物から選択される1種類以の化合物と、式PGUQU-n-Fの化合物から選択される1種類以の化合物とを含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化71】(前記(1)の【化19】と同じであるため、摘記を省略)
(式中、
nは、それぞれ1~15の整数を表す。)
【請求項13】
+10.4以上の誘電異方性Δεを有することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【請求項14】
1種類以上の式RM-1~RM-83から選択される重合性化合物を含む請求項1~13のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【化72】(前記(1)の【化34】と同じであるため、摘記を省略)
【化73】(前記(1)の【化35】と同じであるため、摘記を省略)
【化74】(前記(1)の【化36】と同じであるため、摘記を省略)
【化75】(前記(1)の【化37】と同じであるため、摘記を省略)
【化76】(前記(1)の【化38】と同じであるため、摘記を省略)
【化77】(前記(1)の【化39】と同じであるため、摘記を省略)
【化78】(前記(1)の【化40】と同じであるため、摘記を省略)
【化79】(前記(1)の【化41】と同じであるため、摘記を省略)
【化80】(前記(1)の【化42】と同じであるため、摘記を省略)
【化81】(前記(1)の【化43】と同じであるため、摘記を省略)
【請求項15】
1種類以上の表Dから選択される安定剤を含む請求項1~14のいずれか1項に記載の液晶媒体。
【表1】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
【表2】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
【表3】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
【表4】(前記(1)と同じであるため、摘記を省略)
【請求項16】
式Iの1種類以上の化合物を、少なくとも1種類の更なるメソゲン化合物と、任意成分として、1種類以上の添加剤(1種類または多種類)および/または1種類以上の重合性化合物と混合することを特徴とする請求項1~15のいずれか1項に記載の液晶媒体の調製方法。
【請求項17】
電気光学的目的のための請求項1~15のいずれか1項に記載の液晶媒体の使用。
【請求項18】
TN、STN、TN-TFT、OCB、IPS、PS-IPS、FFS、PS-FFSディスプレイ、シャッター眼鏡、LCレンズおよび正VAディスプレイにおける請求項17に記載の液晶媒体の使用。
【請求項19】
請求項1~15のいずれか1項に記載の液晶媒体を含有する電気光学的液晶ディスプレイ。」
2 補正の適否
(1)特許法第17条の2第5項に適合するかについての検討
特許法第17条の2第5項の規定によれば、拒絶査定不服審判の請求と同時にする特許請求の範囲についての補正は、請求項の削除(第1号)、特許請求の範囲の減縮(第2号)、誤記の訂正(第3号)、明瞭でない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)(第4号)のいずれかを目的とするものに限るとされている。
そこで、本件補正について、以下、検討する。
本件補正後の特許請求の範囲の請求項7~19は、その記載から見て、それぞれ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項2、4~8、11~17に対応するものであるのは明らかである。
そして、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~6は、いずれも、その内容が本件補正前の特許請求の範囲の請求項1を限定したものに対応すると認められるから、本件補正は、(本件補正前の請求項3、9、10を削除するとともに)新たに請求項2~6を追加し、いわゆる増項補正を行っているから、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる「第36条第5項に規定する請求項の削除」、同3号に掲げる「誤記の訂正」及び、同4号に掲げる「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的としているものとはいえない。
ここで、増項補正は、(ア)n項引用形式請求項をn-1以下の請求項に変更する補正、又は(イ)発明特定事項が択一的なものとして記載された一つの請求項について、その択一的な発明特定事項をそれぞれ限定して複数の請求項に変更する補正、という格別な事情のある場合を除き、特許請求の範囲を減縮する補正に該当しないというべきである。
しかし、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1は独立請求項であるので、前記(ア)には該当しない。
そして、本件補正により追加された請求項2は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1を限定するものであるから、本件補正は、択一的な発明特定事項を補正後の特許請求の範囲の請求項1及び2とするものとはいえないから、前記(イ)に示すような格別な事情があるとも認められない。
また、本件補正後の特許請求の範囲の請求項3~6は、式CC-n-VおよびCC-n-V1の1種類以上の化合物を含み、式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり、式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物を含み、式PGUQU-n-Fの含有量が27.5重量%以上である点で重複するから、前記(イ)に示すような格別な事情があるとも認められない。
以上のことから、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定される補正の要件を満たさないものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
(2)独立特許要件について
上記(1)における検討のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであり却下されるべきものであるが、仮に、本件補正が増項補正でないとすると、本件補正後の請求項3は補正前の請求項1に対応し、それらを対比すると、本件補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される化合物、式XIX~XXVIIIから選択される四環式化合物、式APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-FおよびPUQU-n-Fから選択される化合物、式CCP-V-mおよびCCP-Vn-mから選択される化合物、式PP-1-nVmの化合物ならびに式PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される化合物から成る群より選択される1種類以上の化合物とを含み」なる事項について、「式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み」とする補正を含み、この補正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものといえる。
また、本件補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合物を含む」なる事項について、「式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり」とし、合計含有量を限定する補正を含み、さらに、「該液晶媒体は、式PGUQU-n-FおよびDGUQU-n-Fから選択される1種類以上の化合物を含み、
式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は27.5重量%以上である」という特定を追加することを含み、本件補正前の請求項1に係る発明と本件補正発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、この補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。
そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号にいう特許請求の範囲の限定的減縮を目的とする補正ともいえる。
そこで、上記本件補正発明が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(すなわち、いわゆる独立特許要件を満たすか)について以下検討する。
ア 本件補正発明
本件補正発明は、上記1(2)の請求項3に記載されたとおりのものである。
イ 引用文献及びその記載事項
引用文献A:国際公開2011/036985号(原査定の引用文献1)
A.引用文献A
原査定で引用された本願優先日前に頒布された引用文献Aには、次の記載がある。
(1a)「[請求項1]
第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、および第二成分として式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、その他の液晶性化合物の中でシアノ化合物は含有せず、そしてネマチック相を有する液晶組成物。
[図:0001391474000048.jpg]
ここで、R1は炭素数1から12のアルキルであり;R2は炭素数1から12のアルキルまたは炭素数1から12のアルコキシであり;R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または任意の水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Aは独立して、1,4-シクロへキシレン、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン、3-フルオロ-1,4-フェニレン、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、またはテトラヒドロピラン-2,5-ジイルであり、少なくとも一つの環Aは1,4-フェニレン、3-フルオロ-1,4-フェニレン、または3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレンであり;Z1は独立して、単結合、エチレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;X1、およびX2は独立して、水素またはフッ素であり;Y1は、フッ素、塩素、またはトリフルオロメトキシであり;mは、1、2、3、または4である。」
(1b)「[0078]
・・・
実施例
[0079]
組成物および組成物に含有させる化合物の特性を評価するために、組成物およびこの化合物を測定目的物とする。測定目的物が組成物のときはそのままを試料として測定し、得られた値を記載した。測定目的物が化合物のときは、この化合物(15重量%)を母液晶(85重量%)に混合することによって測定用試料を調製した。測定によって得られた値から外挿法によって化合物の特性値を算出した。(外挿値)={(測定用試料の測定値)-0.85×(母液晶の測定値)}/0.15。この割合でスメクチック相(または結晶)が25℃で析出するときは、化合物と母液晶の割合を10重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1重量%:99重量%の順に変更した。この外挿法によって化合物に関する上限温度、光学異方性、粘度および誘電率異方性の値を求めた。
[0080]
母液晶の成分は下記のとおりである。各成分の割合は、重量%である。
[図:0001391474000049.jpg]
[0081]
特性の測定は下記の方法にしたがった。それらの多くは、日本電子機械工業会規格(Standard of Electric Industries Association of Japan)EIAJ・ED-2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法である。
[0082]
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
[0083]
ネマチック相の下限温度(TC;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、-10℃、-20℃、-30℃、および-40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が-20℃ではネマチック相のままであり、-30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TCを≦-20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
[0084]
粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定にはE型回転粘度計を用いた。
[0085]
粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s):測定はM. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995)に記載された方法に従った。ツイスト角が0°であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論文中の40頁記載の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
[0086]
光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n∥は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n∥-n⊥、の式から計算した。
[0087]
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε∥)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε∥-ε⊥、の式から計算した。
[0088]
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が約0.45 / Δn (μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧-透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧である。
[0089]
電圧保持率(VHR-1;25℃;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率である。
[0090]
電圧保持率(VHR-2;80℃;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率である。
[0091]
電圧保持率(VHR-3;25℃;%):紫外線を照射したあと、電圧保持率を測定し、紫外線に対する安定性を評価した測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmである。この素子に試料を注入し、光を20分間照射した。光源は超高圧水銀ランプUSH-500D(ウシオ電機製)であり、素子と光源の間隔は20cmである。VHR-3の測定では、減衰する電圧を16.7ミリ秒のあいだ測定した。。大きなVHR-3を有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。VHR-3は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
[0092]
電圧保持率(VHR-4;25℃;%):試料を注入したTN素子を80℃の恒温槽内で500時間加熱したあと、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR-4の測定では、減衰する電圧を16.7ミリ秒のあいだ測定した。大きなVHR-4を有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。
[0093]
応答時間(τ;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和である。
[0094]
弾性定数(K;25℃で測定;pN):測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向セルに試料を入れた。このセルに0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を『液晶デバイスハンドブック』(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11およびK33の値を得た。次に同171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11およびK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数は、このようにして求めたK11、K22、およびK33の平均値である。
[0095]
比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm):電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
[0096]
ガスクロマト分析:測定には島津製作所製のGC-14B型ガスクロマトグラフを用いた。キャリアーガスはヘリウム(2mL/分)である。試料気化室を280℃に、検出器
(FID)を300℃に設定した。成分化合物の分離には、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm;固定液相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。このカラムは、200℃で2分間保持したあと、5℃/分の割合で280℃まで昇温した。試料はアセトン溶液(0.1重量%)に調製したあと、その1μLを試料気化室に注入した。記録計は島津製作所製のC-R5A型Chromatopac、またはその同等品である。得られたガスクロマトグラムは、成分化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積を示した。
[0097]
試料を希釈するための溶媒は、クロロホルム、ヘキサンなどを用いてもよい。成分化合物を分離するために、次のキャピラリカラムを用いてもよい。Agilent Technologies Inc.製のHP-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製のRtx-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE International Pty. Ltd製のBP-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)。化合物ピークの重なりを防ぐ目的で島津製作所製のキャピラリカラムCBP1-M50-025(長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いてもよい。
[0098]
組成物に含有される液晶性化合物の割合は、次のような方法で算出してよい。液晶性化合物はガスクロマトグラフで検出することができる。ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は液晶性化合物の割合(モル数)に相当する。上に記載したキャピラリカラムを用いたときは、各々の液晶性化合物の補正係数を1とみなしてよい。したがって、液晶性化合物の割合(重量%)は、ピークの面積比から算出する。
[0099]
実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は下記の実施例によって限定されない。比較例および実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。
表3において、1,4-シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。実施例において記号の後にあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(-)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)であり、液晶組成物には不純物が含まれている。最後に、組成物の特性値をまとめた。
[0100]
[図:0001391474000050.jpg]
・・・
[0112]
[実施例9]
1V2-HH-3 (1-1-1) 8%
5-BB(F)B(F,F)-F (2-6-1) 5%
3-BB(F,F)XB(F,F)-F (2-7-1) 5%
3-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F (2-13-3) 3%
4-HH2BB(F,F)-F (2) 4%
3-HH-V (3-2-1) 33%
3-HH-V1 (3-3-1) 10%
V2-HHB-1 (3-7-1) 5%
5-HBB(F)B-3 (3-14-1) 3%
3-HB(F)HH-5 (3-15-1) 4%
3-HB(F)HH-V (3-15-1) 4%
3-HHXB(F,F)-F (4-4-1) 10%
2-HHEB(F,F)-F (4-6-1) 3%
2-HGB(F,F)-F (4-7-1) 3%
NI=91.4℃;Tc≦-20℃;Δn=0.089;Δε=3.6;γ1=46.0mPa・s;K11=13.9pN;K22=9.2pN;K33=20.4pN;K=14.5pN;VHR-1=99.3%;VHR-2=98.1%;VHR-3=97.9%.
[0113]
[実施例10]
1V2-HH-1 (1-1-1) 4%
1V2-HH-3 (1-1-1) 5%
3-BB(F,F)XB(F,F)-F (2-7-1) 9%
2-HHBB(F,F)-F (2-10-1) 4%
3-HHBB(F,F)-F (2-10-1) 3%
4-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F (2-13-3) 7%
5-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F (2-13-3) 2%
2-HH-3 (3-1-1) 3%
3-HH-V (3-2-1) 35%
3-HH-V1 (3-3-1) 12%
V2-HHB-1 (3-7-1) 3%
3-HHEBH-3 (3-11-1) 3%
3-HHXB(F)-OCF3 (4-5-1) 3%
3-HHB-F (4) 4%
3-HBBH-1O1 (-) 3%
NI=91.9℃;Tc≦-20℃;Δn=0.089;Δε=3.7;γ1=44.1mPa・s;K11=12.3pN;K22=9.7pN;K33=20.4pN;K=14.1pN;VHR-1=99.2%;VHR-2=98.3%;VHR-3=98.2%.
」
ウ 引用文献Aに記載された発明
上記引用文献Aの実施例9には、「
1V2-HH-3 (1-1-1) 8%
5-BB(F)B(F,F)-F (2-6-1) 5%
3-BB(F,F)XB(F,F)-F (2-7-1) 5%
3-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F (2-13-3) 3%
4-HH2BB(F,F)-F (2) 4%
3-HH-V (3-2-1) 33%
3-HH-V1 (3-3-1) 10%
V2-HHB-1 (3-7-1) 5%
5-HBB(F)B-3 (3-14-1) 3%
3-HB(F)HH-5 (3-15-1) 4%
3-HB(F)HH-V (3-15-1) 4%
3-HHXB(F,F)-F (4-4-1) 10%
2-HHEB(F,F)-F (4-6-1) 3%
2-HGB(F,F)-F (4-7-1) 3 %
NI=91.4℃;Tc≦-20℃;Δn=0.089;Δε=3.6;γ1=46.0mPa・s;K11=13.9pN;K22=9.2pN;K33=20.4pN;K=14.5pN;VHR-1=99.3%;VHR-2=98.1%;VHR-3=97.9%.
である液晶組成物。」の発明(以下、「引用発明1」という。)が、記載されているといえる(摘記1b参照)。
また、実施例10には、「
1V2-HH-1 (1-1-1) 4%
1V2-HH-3 (1-1-1) 5%
3-BB(F,F)XB(F,F)-F (2-7-1) 9%
2-HHBB(F,F)-F (2-10-1) 4%
3-HHBB(F,F)-F (2-10-1) 3%
4-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F (2-13-3) 7%
5-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F (2-13-3) 2%
2-HH-3 (3-1-1) 3%
3-HH-V (3-2-1) 35%
3-HH-V1 (3-3-1) 12%
V2-HHB-1 (3-7-1) 3%
3-HHEBH-3 (3-11-1) 3%
3-HHXB(F)-OCF3 (4-5-1) 3%
3-HHB-F (4) 4%
3-HBBH-1O1 (-) 3%
NI=91.9℃;Tc≦-20℃;Δn=0.089;Δε=3.7;γ1=44.1mPa・s;K11=12.3pN;K22=9.7pN;K33=20.4pN;K=14.1pN;VHR-1=99.2%;VHR-2=98.3%;VHR-3=98.2%である液晶組成物。」の発明(以下、「引用発明2」という。)が、記載されているといえる(摘記1b参照)。
エ 対比
本件補正発明と引用発明1及び2とを対比する。
引用発明1及び2の「1V2-HH-3」は、引用文献Aの表3を参照すると、本件補正発明の「式I―2の化合物」に相当するから、本件補正発明の「1種類以上の式Iの化合物」及び「式Iの化合物は、式I-1~I-5の化合物から選択される1種類以上の化合物であり」に相当する。
引用発明1の「3-BB(F,F)XB(F,F)-F」、「4-HH2BB(F,F)-F」及び「V2-HHB-1」は、引用文献Aの表3を参照すると、それぞれ、本件補正発明の「PUQU-n-F」、「XX」及び「CCP-Vn-m」に相当するから、本件補正発明の「式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み」に相当する。
引用発明2の「3-BB(F,F)XB(F,F)-F」、「2-HHBB(F,F)-F」、「3-HHBB(F,F)-F」及び「V2-HHB-1」は、引用文献Aの表3を参照すると、それぞれ、本件補正発明の「PUQU-n-F」、「XXI」及び「CCP-Vn-m」に相当するから、本件補正発明の「式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み」に相当する。
引用発明1及び2の「3-HH-V」及び「3-HH-V1」は、引用文献Aの表3を参照すると、それぞれ、本件補正発明の「CC-n-V」及び「CC-n-V1」に相当し、その合計含有量は、引用発明1で43重量%、引用発明2で47重量%であるから、引用発明1の「3-HH-V(3-2-1) 33%」及び「3-HH-V1(3-3-1) 10%」、引用発明2の「3-HH-V(3-2-1) 35%」及び「3-HH-V1(3-3-1) 12%」は、本件補正発明の「該液晶媒体は、式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり」に相当する。
引用発明1の「3-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F」、引用発明2の「4-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F」及び「5-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F」は、引用文献Aの表3を参照すると、本件補正発明の「式PGUQU-n-F」及び「から選択される1種類以上の化合物を含み」に相当し、本件補正発明の「式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は27.5重量%以上である」なる特定は、式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上の化合物の両者を含む場合に限られるものであるから、引用発明1の「3-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F(2-13-3) 3%」、引用発明2の「4-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F(2-13-3) 7%」及び「5-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F(2-13-3) 2%」は、本件補正発明の「該液晶媒体は、式PGUQU-n-FおよびDGUQU-n-Fから選択される1種類以上の化合物を含み、
式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は27.5重量%以上である」に相当する。
引用発明1の「Δε=3.6」、引用発明2の「Δε=3.7」は、本件補正発明の「正の誘電異方性を有する」に相当する。
引用発明1及び2の「液晶組成物」は、本件補正発明の「正の誘電異方性を有する」に相当する。
そうすると、本件補正発明と引用発明1及び2は「正の誘電異方性を有する液晶媒体であって、
1種類以上の式Iの化合物と、
式CC-n-V、CC-n-V1、XIX~XXVIII、APUQU-n-F、PGUQU-n-F、DGUQU-n-F、CDUQU-n-F、PUQU-n-F、CCP-V-m、CCP-Vn-m、PP-1-nVm、PGP-n-2VおよびPGP-n-mから選択される1種類以上の化合物を含み、ただし
式Iの化合物は、式I-1~I-5の化合物から選択される1種類以上の化合物であり、
該液晶媒体は、式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり、
該液晶媒体は、式PGUQU-n-FおよびDGUQU-n-Fから選択される1種類以上の化合物を含み、 式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上
の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は27.5重量%以上である液晶媒体。
【化14】
[図:0001391474000051.jpg]
(式中、
R1は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化15】
[図:0001391474000052.jpg]
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよい。)
【化16】
[図:0001391474000053.jpg]
(式中、
nは、1~15の整数を表す。)
【化17】
[図:0001391474000054.jpg]
【化18】
[図:0001391474000055.jpg]
(式中、
R0は1~15個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を表し、ただし加えて、これらの基における1個以上のCH2基は、それぞれ互いに独立に、O原子が互いに直接連結しないようにして、-C≡C-、-CF2O-、-CH=CH-、
【化19】
[図:0001391474000056.jpg]
-O-、-CO-O-または-O-CO-で置き換えられていてもよく、ただし加えて、1個以上のH原子はハロゲン原子で置き換えられていてもよく、
X0は、F、Cl、1~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルキルまたはアルコキシ基、2~6個のC原子を有し一フッ素化または多フッ素化されたアルケニルまたはアルケニルオキシ基を表し、
Y1~4は、それぞれ互いに独立に、HまたはFを表す。)
【化20】
[図:0001391474000057.jpg]
【化21】
[図:0001391474000058.jpg]
【化22】
[図:0001391474000059.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化23】
[図:0001391474000060.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化24】
[図:0001391474000061.jpg]
【化25】
[図:0001391474000062.jpg]
(式中、
nおよびmは独立に、1~15の整数を表す。)
【化26】
[図:0001391474000063.jpg]
」である点で一致し、相違する点はない。
オ 審判請求人の主張
請求人は、上記審判請求書において、「本願式Iの化合物、特に本願式CC-3-2V1の化合物を、40重量%以上の本願式CC-n-V及びCC-n-V1の化合物と、連結構造-CF2O-を有する特定の正の誘電異方性を有する本願液晶化合物の特定含有量とを組み合わせて採用することは、引用文献1及び2のいずれにも記載も示唆もされていません。」と主張している。
しかし、上記エで検討したとおり、引用文献A(当審注:上記引用文献1に同じ。)には、引用発明1として、1V2-HH-3として本願式CC-3-2V1の化合物を含み、3-HH-V(3-2-1)としてCC-n-V 33%及び3-HH-V1(3-3-1)としてCC-n-V1 10%を含み、CC-n-V及びCC-n-V1を合計43質量%含み、3-BB(F,F)XB(F,F)-FとしてPUQU-n-F及び3-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-FとしてPGUQU-n-Fである連結構造-CF2O-を有する化合物を含み、正の誘電異方性を有する液晶組成物が、記載されており、引用発明2として、1V2-HH-3として本願式CC-3-2V1の化合物を含み、3-HH-V(3-2-1)としてCC-n-V 35%及び3-HH-V1(3-3-1)としてCC-n-V1 12%を含み、CC-n-V及びCC-n-V1を合計47質量%含み、3-BB(F,F)XB(F,F)-FとしてPUQU-n-F、4-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-F (2-13-3)及び5-BB(F)B(F,F)XB(F,F)-FとしてPGUQU-n-Fである連結構造-CF2O-を有する化合物を含み、正の誘電異方性を有する液晶組成物が、記載されている。
そして、本件補正発明において、PUQU-n-Fの含有量は特定されておらず、PGUQU-n-F及びDGUQU-n-Fの両者を含む場合にその合計含有量は特定されているが、PGUQU-n-Fのみを含む場合にその含有量は特定されていない。
よって、請求人の主張は採用できない。
カ 小括
したがって、本件補正発明は、引用文献Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定される補正の目的要件を満たさないものであり、また、同法第17条の2第5項第2号に規定する請求項の限定的減縮に該当するとしても、特許法第17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1.本願発明
上記第2のとおり、本件補正は却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和2年1月14日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~17に記載された事項により特定されるとおりのものであって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は上記第2 1(1)の請求項1に記載されたとおりのものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定の拒絶の理由は、「令和2年6月1日付け拒絶理由通知書に記載した理由2」を含み、要するに、この出願の請求項1~6、14~17に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、というものを含むである。
そして、該拒絶の理由において引用された引用文献は次のとおりである。
<引用文献等一覧>
引用文献1:国際公開2011/036985号
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1は、上記引用文献Aであって、引用文献Aの記載事項は、前記「第2 2(2)イ」に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記「第2 1(2)」で検討した本件補正発明の「該液晶媒体は、式CC-n-VおよびCC-n-V1から選択される1種類以上の化合物を含み、
式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり」なる事項について、「式CC-n-Vの1種類以上の化合物および式CC-n-V1の1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は40重量%以上であり」との限定がないものであり、「式PGUQU-n-FおよびDGUQU-n-Fから選択される1種類以上の化合物を含み、
式PGUQU-n-Fの1種類以上の化合物および式DGUQU-n-Fの1種類以上の化合物の両者を含む場合、全ての該化合物の合計含有量は27.5重量%以上である」との限定がないものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに上記事項によって限定したものに相当する本件補正発明が、前記「第2 2(2)カ」に記載したとおり、当該引用文献Aに記載された発明であるから、本願発明も、当該引用文献A、すなわち原査定において引用された引用文献1に記載された発明である。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の発明に該当し、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-009481