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特許拒絶査定不服審判

2021-008533

開口保持装置および開口保持装置を有するパッケージ

審判番号
2021-008533
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-223675外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年06月29日
審決日
2022年07月29日
公報発行日
2023年01月27日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (B65D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-223675「開口保持装置および開口保持装置を有するパッケージ」拒絶査定不服審判事件〔平成30年7月19日出願公開、特開2018-111534〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 8項目
理 由

1 手続の経緯

本願は、2017年(平成29年)11月21日(パリ条約による優先権主張2016年11月22日、米国)を出願日とする特許出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和2年 7月21日付け:拒絶理由通知書
令和2年10月28日 :意見書及び手続補正書の提出
令和3年 2月15日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和3年 6月29日 :審判請求書の提出

2 本願発明

本願の請求項1ないし64に係る発明は、令和2年10月28日提出の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし64に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
パッケージ開口部を開いた構成で選択的に保持するための装置であって、
前記装置は、
パッケージ開口部に固定されるように構成され、開口軸を画定する周縁ストリップと、
続きを表示(全11行)
垂直ヒンジとして形成される一対の側部密閉部であって、前記一対の側部密閉部は、装置の対向する第1の端部および第2の端部を画定し、前記装置は、前記一対の側部密閉部により、第1の側部および第2の側部に分割される、一対の側部密閉部と、
前記周縁ストリップの上側縁部から第1の軸方向に延びる一対のタブであって、前記一対のタブの1つは、前記装置の前記対向する第1の端部および第2の端部のそれぞれに配置され、前記一対のタブのそれぞれ1つは、水平ヒンジで前記周縁ストリップに連結され、前記一対のタブは、前記開口軸から離れて、それぞれの折り畳み位置に向かって、対向する方向に、前記水平ヒンジの周りに旋回可能である、一対のタブと
を備え、
前記一対の側部密閉部のそれぞれ1つは、前記一対のタブの前記水平ヒンジの対応する1つと交差し、前記側部密閉部における前記装置の折り畳みが、前記一対のタブのそれぞれの折り畳み位置への旋回を阻止し、前記一対のタブがそれぞれの折り畳み位置にあるときに、前記装置の開いた開口構成を保持するために、前記側部密閉部における前記装置の折り畳みが阻止され、
前記垂直ヒンジは、前記周縁ストリップおよび前記一対のタブの隣接部分の材料厚さの全体を貫通する通し切れ目またはミシン目線を含み、前記通し切れ目または前記ミシン目線は、前記装置の全体の軸長さの大部分にわたって、前記一対のタブの上側端部から前記周縁ストリップの下側端部に延び、
前記一対のタブの前記水平ヒンジが、前記周縁ストリップおよび前記一対のタブのそれぞれの隣接部分の材料厚さ全体を貫通する通し切れ目またはミシン目線を備える、
装置。」

3 原査定における拒絶の理由

本願発明に対する原査定の拒絶の理由は、次のとおりである。

(進歩性)本願発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2、5に記載された周知技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1.米国特許出願公開第2014/0314342号明細書

引用文献2.米国特許第5037138号明細書(周知技術を示す文献)

引用文献5.特開2000-062748号公報(周知技術を示す文献)

4 当審の判断

(1)引用文献の記載及び引用発明

ア 引用文献1の記載

引用文献1には、図面とともに、次の記載がある。なお、訳文及び下線は当審で付したものである。

(ア)「1.パッケージ開口部を開いた構成で選択的に保持するための装置であって、前記装置は、
パッケージ開口部に固定されるように構成され、開口軸を画定する周縁ストリップと、
ヒンジとして形成される一対の側部密閉部であって、前記一対の側部密閉部は、装置の対向する第1の端部および第2の端部を画定し、前記装置は、前記一対の側部密閉部により、第1の側部および第2の側部に分割される、一対の側部密閉部と、
前記周縁ストリップの上側縁部から第1の軸方向に延びる一対のタブであって、前記一対のタブの1つは、前記装置の前記対向する第1の端部および第2の端部のそれぞれに配置され、前記一対のタブのそれぞれ1つは、ヒンジで前記周縁ストリップに連結され、前記一対のタブは、前記開口軸から離れて、それぞれの折り畳み位置に向かって、対向する方向に、前記ヒンジの周りに旋回可能である、一対のタブと
を備え、
前記一対の側部密閉部のそれぞれ1つは、前記一対のタブの前記ヒンジの対応する1つと交差し、前記側部密閉部における前記装置の折り畳みが、前記一対のタブのそれぞれの折り畳み位置への旋回を阻止し、前記一対のタブがそれぞれの折り畳み位置にあるときに、前記装置の開いた開口構成を保持するために、前記側部密閉部における前記装置の折り畳みが阻止される、
装置」(請求項1)

(イ)「図1~6は、パッケージを開口保持できる装置20を示す。開口保持装置20は、以下にさらに詳細に説明するように、パッケージ開口部を開いた構成で維持することができる一方で、装置20は、大きな抵抗なく、そしてパッケージから装置20を取り外すことなく、パッケージ開口部を閉じることを可能にする。追加の図面においてパッケージの一部として示され、以下に説明されるが、開口保持装置20の構造を、図1~6を参照して最初に説明する。」(段落0022)

(ウ)「周縁ストリップを形成する2つの側部24は、可撓性材料から構成される。いくつかの構造では、構造は、可撓性熱可塑性ポリマー材料から、リングとして一体成形することを含む。他の構造では、周縁ストリップは、連続的なテープの供給から切断された材料の有限長またはストリップの2つの対向する端部を一緒に(たとえばヒートシール、溶媒溶接などによって)接着することによって形成されてもよい。たとえば、このような結合部32は、図10および図11の代替構造に示されるように、側部24の1つの中間位置に形成することができる。成形されてもリング状に結合されても、2つの側部24およびヒンジ部28は、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはそれらの任意の混合物を含むポリオレフィン材料で作製することができる。装置20は、完全にまたは主に、ポリオレフィン材料で形成することができるが、追加の充填剤および/または可塑剤を任意に添加する。以下でさらに詳細に説明するように、周縁ストリップは、パッケージ本体に(たとえば、その開口部に隣接して)締め付けられ、または固定されて、開口部の構成を選択的に制御することができる。周縁ストリップは、パッケージ本体との固定のために、側部24の両方に半径方向外面36が設けられる。図4Bに最もよく示されているように、2つの側部24を接続するヒンジ部28は、半径方向外側にブラインドスリットとして形成され、半径方向外面36を分離または中断する。言い換えれば、ヒンジ部28は、側部24の半径方向最内側に、またはそれに隣接して配置される。ヒンジ部28は、隣接する側部24の間に連続的な半径方向内面を形成してもよい。リビングヒンジとして設けられる場合、ヒンジ部28は、材料の薄肉部分として、隣接する側部24の両方と単一ピースとして一体的に形成され得る。ヒンジ部28は、いくつかの構造において、成形後に行われるスリット加工によって形成することができる。あるいは、ヒンジ部28は、他の可能な技術の中でも、ダイカッティングによって、または、直接的に射出成形プロセスにより、もしくはレーザー彫刻で形成することができる。ヒンジ部28は、周縁ストリップの隣接部分の材料厚さの50%未満の材料厚さを有することができる。いくつかの構造では、ヒンジ部28は、周縁ストリップの隣接部分の材料厚さの10%以下の材料厚さを有することができる。いくつかの構造では、ヒンジ部28の材料厚さは、約0.010インチ~約0.020インチ(たとえば、約0.254mm~約0.508mm)である。いくつかの構造では、ヒンジ部28は、側部24の間に連結された別個の材料および/またはマルチピースヒンジ機構によって提供される。ただし、ヒンジ部28は、折り畳み、曲げ、または旋回を可能にする任意の部分として設けられてもよい。たとえば、ヒンジ部28は、材料の折り畳みまたは折り目のみによって提供されてもよい。」(段落0024)

(エ)「タブ40のそれぞれは、周縁ストリップ(すなわち、側部24の両方の隣接端セクション)にそれぞれのヒンジ部48で連結される。ヒンジ部48は、中心軸Aに対して横方向に、ほぼ円周方向に沿って延びることができるが、それぞれの長さは、単に、タブ40の長さに等しい。いくつかの構造では、ヒンジ部48は、リビングヒンジである。図6に最もよく示されているように、ヒンジ部48は、半径方向内側でブラインドスリットによって形成され、周縁ストリップ部分とタブ部分との間の装置20の半径方向内側表面を分離する、または中断する。言い換えれば、ヒンジ部48は、タブ40および側部24の半径方向の最も外側に、またはそれに隣接して配置される。各ヒンジ部48は、それぞれのタブ40と、隣接する側部24との間で、連続的な半径方向の外面を形成してもよい。ヒンジ部48がリビングヒンジとして設けられている場合、タブ40は、上述した材料およびプロセスによる材料の薄肉部分として、周縁ストリップ(すなわち、隣接する側部24の両方)と一体的に単一ピースとして形成することができる。ヒンジ部48は、いくつかの構造において、成形後に行われるスリット加工によって形成することができる。あるいは、ヒンジ部48は、他の可能な技術の中でも、ダイカッティングによって、または、直接的に射出成形プロセスにより、もしくはレーザー彫刻で直接形成することができる。ヒンジ部48は、隣接するタブ40、および周縁ストリップの隣接部分の材料厚さの50%未満の材料厚さを有することができる。いくつかの構造では、ヒンジ部48は、隣接するタブ40、および周縁ストリップ24の隣接部分の材料厚さの10%以下の材料厚さを有することができる。いくつかの構造では、ヒンジ部48の材料の厚さは、約0.254mm~約0.508mm(たとえば、約0.010インチ~約0.020インチ)であり得る。いくつかの構造では、ヒンジ部48は、周縁ストリップと各タブ40との間に連結された別個の材料および/またはマルチピースヒンジ機構によって提供される。ただし、ヒンジ部48は、折り畳み、曲げ、または旋回を可能にする任意の部分として設けられてもよい。たとえば、ヒンジ部48は、材料の折り畳みまたは折り目のみによって提供されてもよい。」(段落0026)

(オ)「
[図:0001392565000001.jpg]
」
(カ)「
[図:0001392565000002.jpg]
」

(キ)図7における左上の符号28が付された線を参照すると、ヒンジ部28は、装置20の全体の軸長さの大部分にわたって、一対のタブ40の上側端部から周縁ストリップの下側端部46に延びることが看取できる。

イ 引用発明

引用文献1に記載された「パッケージ開口部を開いた構成で選択的に保持するための装置20」は、上記ア(ア)、(ウ)及び(エ)によれば、

「パッケージ開口部に固定されるように構成され、開口軸を画定する周縁ストリップと、
ヒンジ部28として形成される一対の側部密閉部であって、前記一対の側部密閉部は、装置20の対向する第1の端部26および第2の端部26を画定し、前記装置20は、前記一対の側部密閉部により、第1の側部24および第2の側部24に分割される、一対の側部密閉部と、
前記周縁ストリップの上側縁部から第1の軸方向に延びる一対のタブ40であって、前記一対のタブ40の1つは、前記装置20の前記対向する第1の端部26および第2の端部26のそれぞれに配置され、前記一対のタブ40のそれぞれ1つは、ヒンジ部48で前記周縁ストリップに連結され、前記一対のタブ40は、前記開口軸から離れて、それぞれの折り畳み位置に向かって、対向する方向に、前記ヒンジ部48の周りに旋回可能である、一対のタブ40と
を備え、
前記一対の側部密閉部のそれぞれ1つは、前記一対のタブ40の前記ヒンジ部48の対応する1つと交差し、前記側部密閉部における前記装置20の折り畳みが、前記一対のタブ40のそれぞれの折り畳み位置への旋回を阻止し、前記一対のタブ40がそれぞれの折り畳み位置にあるときに、前記装置20の開いた開口構成を保持するために、前記側部密閉部における前記装置20の折り畳みが阻止される」

ものである。

また、上記「ヒンジ部28」は、上記ア(ウ)及び(キ)によれば、「半径方向外側にブラインドスリットとして形成され、半径方向外面36を分離または中断し、リビングヒンジとして設けられる場合、材料の薄肉部分として形成され、いくつかの構造において、成形後に行われるスリット加工、あるいはダイカッティング等によって形成することができ、前記ヒンジ部28は、前記装置20の全体の軸長さの大部分にわたって、前記一対のタブ40の上側端部から前記周縁ストリップの下側端部に延び」るものである。

また、上記「ヒンジ部48」は、上記ア(エ)によれば、「半径方向内側でブラインドスリットによって形成され、周縁ストリップ部分とタブ部分との間の装置20の半径方向内側表面を分離する、または中断し、リビングヒンジとして設けられている場合、材料の薄肉部分として形成され、いくつかの構造において、成形後に行われるスリット加工、あるいはダイカッティング等によって形成することができる」ものである。

そうすると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「パッケージ開口部を開いた構成で選択的に保持するための装置20であって、
前記装置20は、
パッケージ開口部に固定されるように構成され、開口軸を画定する周縁ストリップと、
ヒンジ部28として形成される一対の側部密閉部であって、前記一対の側部密閉部は、装置20の対向する第1の端部26および第2の端部26を画定し、前記装置20は、前記一対の側部密閉部により、第1の側部24および第2の側部24に分割される、一対の側部密閉部と、
前記周縁ストリップの上側縁部から第1の軸方向に延びる一対のタブ40であって、前記一対のタブ40の1つは、前記装置20の前記対向する第1の端部26および第2の端部26のそれぞれに配置され、前記一対のタブ40のそれぞれ1つは、ヒンジ部48で前記周縁ストリップに連結され、前記一対のタブ40は、前記開口軸から離れて、それぞれの折り畳み位置に向かって、対向する方向に、前記ヒンジ部48の周りに旋回可能である、一対のタブ40と
を備え、
前記一対の側部密閉部のそれぞれ1つは、前記一対のタブ40の前記ヒンジ部48の対応する1つと交差し、前記側部密閉部における前記装置20の折り畳みが、前記一対のタブ40のそれぞれの折り畳み位置への旋回を阻止し、前記一対のタブ40がそれぞれの折り畳み位置にあるときに、前記装置20の開いた開口構成を保持するために、前記側部密閉部における前記装置20の折り畳みが阻止され、
前記ヒンジ部28は、半径方向外側にブラインドスリットとして形成され、半径方向外面36を分離または中断し、リビングヒンジとして設けられる場合、材料の薄肉部分として形成され、いくつかの構造において、成形後に行われるスリット加工、あるいはダイカッティング等によって形成することができ、前記ヒンジ部28は、前記装置20の全体の軸長さの大部分にわたって、前記一対のタブ40の上側端部から前記周縁ストリップの下側端部に延び、
前記一対のタブ40の前記ヒンジ部48が、半径方向内側でブラインドスリットによって形成され、周縁ストリップ部分とタブ部分との間の装置20の半径方向内側表面を分離する、または中断し、リビングヒンジとして設けられている場合、材料の薄肉部分として形成され、いくつかの構造において、成形後に行われるスリット加工、あるいはダイカッティング等によって形成することができる、
装置20。」

(2)対比

本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。

引用発明の「装置20」は、本願発明の「装置」に相当し、同様に、「第1の端部26」、「第2の端部26」、「第1の側部24」、「第2の側部24」、「タブ40」は、それぞれ「第1の端部」、「第2の端部」、「第1の側部」、「第2の側部」、「タブ」に相当する。

引用発明の「ヒンジ部28」と本願発明の「垂直ヒンジ」とは、「垂直方向のヒンジ」という限りで一致する。

引用発明の「ヒンジ部48」と本願発明の「水平ヒンジ」とは、「水平方向のヒンジ」という限りで一致する。

以上から、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

[一致点]

「パッケージ開口部を開いた構成で選択的に保持するための装置であって、
前記装置は、
パッケージ開口部に固定されるように構成され、開口軸を画定する周縁ストリップと、
垂直方向のヒンジとして形成される一対の側部密閉部であって、前記一対の側部密閉部は、装置の対向する第1の端部および第2の端部を画定し、前記装置は、前記一対の側部密閉部により、第1の側部および第2の側部に分割される、一対の側部密閉部と、
前記周縁ストリップの上側縁部から第1の軸方向に延びる一対のタブであって、前記一対のタブの1つは、前記装置の前記対向する第1の端部および第2の端部のそれぞれに配置され、前記一対のタブのそれぞれ1つは、水平方向のヒンジで前記周縁ストリップに連結され、前記一対のタブは、前記開口軸から離れて、それぞれの折り畳み位置に向かって、対向する方向に、前記水平方向のヒンジの周りに旋回可能である、一対のタブと
を備え、
前記一対の側部密閉部のそれぞれ1つは、前記一対のタブの前記水平方向のヒンジの対応する1つと交差し、前記側部密閉部における前記装置の折り畳みが、前記一対のタブのそれぞれの折り畳み位置への旋回を阻止し、前記一対のタブがそれぞれの折り畳み位置にあるときに、前記装置の開いた開口構成を保持するために、前記側部密閉部における前記装置の折り畳みが阻止される、
装置。」

[相違点]

垂直方向のヒンジと水平方向のヒンジに関して、

本願発明は、「前記垂直ヒンジは、前記周縁ストリップおよび前記一対のタブの隣接部分の材料厚さの全体を貫通する通し切れ目またはミシン目線を含み、前記通し切れ目または前記ミシン目線は、前記装置の全体の軸長さの大部分にわたって、前記一対のタブの上側端部から前記周縁ストリップの下側端部に延び、

前記一対のタブの前記水平ヒンジが、前記周縁ストリップおよび前記一対のタブのそれぞれの隣接部分の材料厚さ全体を貫通する通し切れ目またはミシン目線を備える」のに対して、

引用発明は、「前記ヒンジ部28は、半径方向外側にブラインドスリットとして形成され、半径方向外面36を分離または中断し、リビングヒンジとして設けられる場合、材料の薄肉部分として形成され、いくつかの構造において、成形後に行われるスリット加工、あるいはダイカッティング等によって形成することができ、前記ヒンジ部28は、前記装置20の全体の軸長さの大部分にわたって、前記一対のタブ40の上側端部から前記周縁ストリップの下側端部に延び、

前記一対のタブ40の前記ヒンジ部48が、半径方向内側でブラインドスリットによって形成され、周縁ストリップ部分とタブ部分との間の装置20の半径方向内側表面を分離する、または中断し、リビングヒンジとして設けられている場合、材料の薄肉部分として形成され、いくつかの構造において、成形後に行われるスリット加工、あるいはダイカッティング等によって形成することができる」ものである点。

(3)判断

ア 相違点について

ヒンジ部に材料厚さの全体を貫通する切れ目を設けてヒンジ部の曲げに対する抵抗力を弱めることは、本願の優先日前に周知技術である(必要であれば、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(第3欄第10~26行及び図1、2、5)記載の「垂直スリット34」及び引用文献5(段落0011、0015及び図1、2)記載の「ヒンジ部2」に設けた「スリット4」を参照。)。

引用発明において、ヒンジ部28、48は、「折り畳み、曲げ、または旋回を可能にする」(段落0024、0026)ように形成されるものであり、それらの動きを可能とする範囲で、求められるヒンジ部の柔軟さに応じて、形成方法は適宜選択し得るものである。

そうすると、引用発明の「装置20の全体の軸長さの大部分にわたって、前記一対のタブ40の上側端部から前記周縁ストリップの下側端部に延び」るヒンジ部28、及び、ヒンジ部48を、引用文献1の示唆に従い、スリット加工やダイカッティングで形成し、その際、「折り畳み、曲げ、または旋回」のしやすさ、すなわち、ヒンジ部の柔軟さの調整のため、スリット加工やダイカッティングで、周知技術である通し切れ目を形成することは、容易に成し得たものである。この点、引用発明のスリット加工及びダイカッティングは、材料厚さの全体を貫通する通し切れ目を形成することが可能な加工手段であるから、引用発明に上記周知技術を採用したヒンジとすることに困難性はない。

イ 効果について

本願発明の奏する作用効果は、引用発明の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

ウ よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定より特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-008533

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