商標拒絶査定不服審判
2021-004743
ソーサイコーディネーター、コーディネーター
- 審判番号
- 2021-004743
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-113631
- 請求日
- 2021年04月12日
- 審決日
- 2022年01月24日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】全日本葬祭業協同組合連合会
- 【請求人代理人】一色国際特許業務法人
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .13 -Z (W45)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-113631拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「葬祭コーディネーター」の文字を標準文字で表してなり、第45類「葬儀に関する相談・情報の提供,葬儀・法要に関する礼儀作法及び返礼の助言,葬儀のための施設の利用に関する情報の提供,葬儀・法事のための施設の提供,葬儀・法事の企画,葬儀・法事の執行の媒介又は取次ぎ,葬儀・法事のための施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,葬儀・法要の執行,葬儀・法要の執行の媒介又は取次ぎ,葬儀に関する衣服の貸与,祭壇・葬儀用具の貸与,墓地又は納骨堂の提供」を指定役務として、令和元年8月26日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年9月17日付けで拒絶理由の通知がされ、同年10月9日に意見書が提出されたが、同年12月22日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和3年4月12日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『葬祭コーディネーター』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『葬祭』の文字は『葬式と祭祀』を、『コーディネーター』の文字は『物事を調整する人。』(広辞苑第七版 株式会社岩波書店)を、それぞれ意味し、本願商標は構成全体として、『葬祭を調整する人』程度を認識させるものである。また、葬祭の実施にあたり、調整業務を行う者を、『葬祭コーディネーター』と称している事実がある。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、葬祭の実施にあたり、調整業務を行う者による役務であることを理解するにとどまり、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和3年10月21日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
4 証拠調べに対する請求人の意見
前記3の「証拠調べ通知」に対して、所定の期間を経過するも、請求人は何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「葬祭コーディネーター」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「葬祭」の文字部分は、「葬式と祭祀。」を意味する語であり、また、「コーディネーター」の文字部分は、「物事を調整する人。」(出典:いずれも「広辞苑 第七版」)をそれぞれ意味する語であって、いずれも日常的に使用されている語であるといえる。
そうすると、本願商標を構成する「葬祭コーディネーター」の文字からは、「葬祭を調整する人」の意味を容易に理解させるものである。
また、当審における証拠調べ通知において示したとおり、本願指定役務を取り扱う分野において、葬儀に係る役務を提供する者を「コーディネーター」とする表現や、それらの役務を提供することを「コーディネートする」という表現が使用されている例や、それらの役務を提供する者を「葬祭コーディネーター」と称している例が認められ、例えば、「お葬式の流れやプランをご提案する」(別掲1(1))、「ご家族様の思いをうかがってから調整させていただく」(別掲1(3))、「葬祭にまつわる事柄をサポートする」(別掲1(6))、「通夜・葬儀の一連の流れを滞りなく執り行えるよう、総合的にコーディネートする」(別掲1(10))のような文脈において、葬儀に関する一連の計画、事柄、遂行を調整することを「コーディネート」や「コーディネーター」の語を用いて表現している実情も認められる。
このような状況の下、本願商標である「葬祭コーディネーター」を本願の指定役務に使用しても、需要者は、これを「葬祭を調整する人」と理解し、「葬祭を調整する人」による役務であることを認識するにとどまるものというのが相当であって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「葬祭コーディネーター」の語が、「葬式と祭祀」などを意味する「葬祭」と「物事を調整する人。」などを意味する「コーディネーター」の語を組み合わせたものだとしても、「葬祭を調整する」とはどのようなことなのか、具体的に理解することはできない旨、本願商標は、創意工夫によるユニークな造語であって、単に「葬祭の実施にあたり、調整業務を行う者」といった意味合いで理解されることはない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「葬祭」及び「コーディネーター」の語は、いずれも日常的に使用されている語であり、「葬祭を調整する人」の意味を容易に理解させるものであることに加え、当審における証拠調べ通知によって示した事例のように、葬儀に関する一連の計画、事柄、遂行を調整することを「コーディネート」や「コーディネーター」の語を用いて表現している実情、さらにそれらの役務を提供する者を「葬祭コーディネーター」と称している実情を考慮すれば、「葬祭を調整する」とはどのようなことなのか、具体的に理解することはできないとは到底いえず、本願商標が、創意工夫によるユニークな造語であるということもできない。
イ 請求人は、登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、それらの登録例は、商標の構成文字及び取引の実情において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能しうるか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであって、本願商標についての判断は、上記(1)のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本件判断が左右されるものではない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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