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特許拒絶査定不服審判

2021-004407

多孔質膜上のフィーチャ

審判番号
2021-004407
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-525643外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年04月05日
審決日
2022年10月04日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (B01D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法49条1項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2018-525643「多孔質膜上のフィーチャ」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 5月26日国際公開、WO2017/087461、平成31年 1月31日国内公表、特表2019-502535〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2016年(平成28年)11月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年11月19日(US)アメリカ合衆国(2件))を国際出願日とする出願であって、平成30年8月1日に手続補正書が提出され、令和1年6月21日付け拒絶理由通知書に対して、同年10月1日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年3月26日付け拒絶理由通知書に対して、同年6月30日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、令和3年4月5日に拒絶査定に対する不服審判請求がなされたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由の1つは、「令和2年3月26日付け拒絶理由通知書に記載した理由1」であり、要するに、下記の引用文献1を主たる証拠として、本願の請求項1~4、6~8に係る発明は、下記の引用文献1、5及び6に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるし、また、下記の引用文献5を主たる証拠として、本願の請求項1、4、6に係る発明は、下記の引用文献5、1及び6に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 ・引用文献一覧 1 特開2011-92905号公報 5 特開2012-45540号公報 6 国際公開第2013/125505号 第3 本願発明 本願の請求項1~8に係る発明は、令和2年6月30日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。 「【請求項1】 多孔質膜であって、 少なくとも1つのポリマー部材が、多孔質膜の表面に結合されており、 多孔質膜が、隣接するひだを有するプリーツ加工多孔質膜であり、 少なくとも1つのポリマー部材が、隣接するひだを分離し、かつ 少なくとも1つのポリマー部材が、多孔質である、多孔質膜。」 第4 引用文献等の記載事項 1 原査定の拒絶理由に引用された引用文献の記載事項 (1) 引用文献1(特開2011-92905号公報)の記載事項(下線は当審が付した。以下同様である。) ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、液体中に溶存する気体を脱気させる脱気膜の製造方法および、その方法により製造される封筒状物、および該封筒状物を用いた脱気装置に関するものである。」 イ 「【背景技術】 【0002】 化学品製造、食品製造、医療、電気機器、半導体製造装置等の様々な分野において、液体中に溶存している気体の脱気(気液分離)が必要となることが多い。上記液体が機能性粒子のような固体懸濁物を含む場合、従来からある中空糸タイプの脱気モジュールでは中空糸開口部の径が小さいため容易に目詰まりを起こしてしまう。 【0003】 他の脱気装置として、溶存気体を透過させる多孔質高分子膜材をロール状(スパイラル状)、あるいはプリーツ状に重ねてモジュール化したものが知られている。このタイプの装置では、膜材の片側を液体流路とし、膜材の他の片側を減圧とした除去気体流路を構成して脱気を行っている(特許文献1~4)。 【0004】 例えば、特許文献1の図8~図11には、ケーシング内に合成樹脂の薄膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を介してスパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなる脱気装置が記載されている。また特許文献1の図10(本明細書に添付した図面の図13)に示されるように、この膜構造体(封筒状脱気膜)51はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材52を有し、膜構造体51の外側には液体流路形成材53により液体流路が形成され、かつ、液体流路形成材53は膜構造体51の内部が減圧になるとき膜構造体1を構成する薄膜と密着することにより液体流路が形成される。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】 特開平10-76106号公報 (図8~11) 【特許文献2】 特開平8-332306号公報 (図5~7) 【特許文献3】 特開平9-225206号公報 (図7~10) 【特許文献4】 特開平10-216403号公報 (図8~11) 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献1に記載された従来の脱気装置では、液流路のためのスペーサーとして用いているスクリーンネットの交点に徐々に機能性粒子が堆積し、圧力損失が上昇し、最悪の場合は目詰まりによる閉塞を起こしてしまう。 【0007】 また本明細書の図13に示すように液体流路形成材を用いてリブ状(畝状)の立体構造を予め形成する場合は膜構造体の製造工程自体が複雑である。また、図13から判断する限り、液体流路形成材は糸状物(或いは繊維状物)で構成されているため、(1)これをリブ状に形成することは容易ではないと考えられ、また、(2)外部応力に対して極めて容易に変形するものと考えられる。変形しやすいため膜構造体内の減圧の度合いや気圧むらによって薄膜表面に反映されるリブ形状が必ずしも一定せず、液体の流れが不安定になる。本発明は、製造が容易であり、かつ液体流路の形状が安定しやすい脱気膜の製造方法および該方法により製造される脱気装置を提供することを目的とする。」 ウ 「【0022】 図1は、本発明の実施の形態における脱気膜を有する封筒状物1の一部斜視図である。図1に示すように、封筒状物1はPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)膜5,10により構成され、その内部にはナイロンやポリエステル等で構成される気体流路形成材であるニット材2、ニット材2の一側面に形成された多孔質PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜3、ニット材2の他側面に形成された第1の通気膜である多孔質PTFE膜4、この多孔質PTFE膜4上に突出部として形成されたリブ6を備えている。第2の通気膜であるPFA膜5は、リブ6の上を覆うため、リブ6の立体形状を反映した凸部5aを有している。 【0023】 本明細書では、少なくとも第1の通気膜である多孔質PTFE膜4、リブ6、第2の通気膜であるPFA膜5を含む積層構造を脱気膜と記載している。さらにPFA膜5とPFA膜10とにより封筒状を成し、封筒の内部に、ニット材2の両面に多孔質PTFE膜3,4を積層したものを挿入した構造を封筒状物1と記載している。」 エ 「【0032】 本発明では、封筒状物1を約5層~100層重ねて積層体を構成し、この積層体を合成樹脂あるいは金属等からなる筐体内に収容して脱気装置を構成する。その積層体の形態としては、例えば図2に示すように封筒状物1をスパイラル状に積層してもよいし、図3に示すようにプリーツ状に積層してもよい。いずれの形態の場合も、封筒状物1の表面にリブ6の存在による突起が存在するため、この突起がスペーサーの役割を果たして封筒状物1同士の間に隙間が形成され、これが被脱気液体を流すための流路となる。」 オ 「【0036】 本発明の脱気膜の製造方法は、まず第1の通気膜である多孔質PTFE膜4上にホットメルト樹脂を吐出することにより多孔質PTFE膜4にリブ6を形成するものである。図5は、ホットメルト樹脂の吐出工程を示す図である。図5に示されるように、溶融したホットメルト樹脂を一定量吐出できるホットメルトアプリケーター18を矢印Cの方向に平行移動させながら、多孔質PTFE膜4上に軟化したホットメルト樹脂をライン状に吐出してゆき、リブ6を形成する。図5に示されたホットメルトアプリケーター18は4つの吐出ノズルを有するため、リブ6を4本ずつ並行して同時に形成することができる。」 カ 「【図1】 [図:0001394374000001.jpg] 」 キ 「【図3】 [図:0001394374000002.jpg] 」 (2) 引用文献5(特開2012-45540号公報)の記載事項 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用される分離膜複合体および分離膜エレメントに関する。」 イ 「【背景技術】 【0002】 液体、気体等の流体に含まれる成分を分離する方法としては、様々なものがある。例えば海水、かん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術を例にとると、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜には、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば海水、かん水、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。 【0003】 分離膜エレメントは、分離膜の一方の面に原流体を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、各種形状からなる分離膜素子を多数束ねて膜面積を大きくし、単位エレメントあたりで多くの透過流体を得ることができるように構成されており、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種エレメントが製造されている。 【0004】 例えば、逆浸透ろ過に用いられる流体分離膜エレメントを例にとると、その分離膜エレメント部材は、原流体を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原流体に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を中心管へと導くための透過側流路材からなる部材を中心管の周りに巻き付けたスパイラル型分離膜エレメントが、原流体に圧力を付与し、透過流体を多く取り出す点で広く用いられている。 【0005】 スパイラル型逆浸透分離膜エレメントの部材としては、供給側流路材では供給側流体の流路を形成させるために主に高分子製のネットが使用され、分離膜としては、ポリアミドなどの架橋高分子からなる分離機能層、ポリスルホンなどの高分子からなる多孔性支持層、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子からなる不織布がそれぞれ供給側から透過側にかけて積層された複合半透膜が使用され、透過側流路材では膜の落ち込みを防き、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給側流路材よりも間隔が細かいトリコットと呼ばれる編み物部材が使用されている。 【0006】 近年、分離膜エレメントに造水コストの低減への高まりから、膜エレメントの高性能化のニーズが求められている。分離膜エレメントの分離性能、単位時間あたりの透過流体量を大きくする観点から、各流路部材、分離膜、エレメント部材の性能向上方法が提案されてきた。例えば、特許文献1では凹凸賦形されたシート状物を透過側流路材として使用する方法、特許文献2では、基材を使用せず、供給側表面に凹凸を形成させ、内部に中空通路を有する平膜を使用する方法、特許文献3および4では、凹凸を有する多孔性支持体と分離活性層とを備えるシート状複合半透膜を用い、ネットなどの供給側流路材やトリコットなどの透過側流路材を用いない方法が提案されている。しかしながら、エレメントに加工して加圧運転した場合に、付与した高低差が変化して小さくなるという問題があった。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0007】 【特許文献1】 特開2006-247453号公報 【特許文献2】 特開平11-114381号公報 【特許文献3】 特開2010-99590号公報 【特許文献4】 特開2010-125418号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 しかし、上記した分離膜エレメントは、性能向上、特に長期間にわたり運転を行った際の安定性能の点では、十分とは言えず、例えば特許文献1で記載される、凹凸賦形されたシート状物を透過側流路材として使用する方法では透過側の流動抵抗を軽減するのみであり、かつシート表面の抵抗があるため、流動抵抗低減効果が十分とは言えない。 【0009】 特許文献2で記載される、基材を使用せず、供給側表面に凹凸を形成させ、内部に中空通路を有する平膜を使用する方法では、膜表面と平行な方向に延びる中空通路を平膜内に有するため、表面の凹凸の高さを大きくすることが困難かつ凹凸形状が限定され(実施例では段差0.15mmの溝)、また透過側流路の形状も限定されるため、供給側、透過側の流動抵抗低減効果が十分とは言えない。 【0010】 特許文献3および4で記載される、凹凸を有する多孔性支持体と分離活性層とを備えるシート状複合半透膜を用い、ネットなどの供給側流路材やトリコットなどの透過側流路材を用いない方法では、特許文献3の実施例に平膜評価用のセルを用いた場合の膜性能のみの記述があるものの、実際に分離膜エレメントを構成した場合の性能は開示されておらず、実際に圧力をかけて分離膜エレメントを運転した場合、供給側流路、透過側流路の断面積が変化しやすく初期だけでなく長期間にわたり運転を実施した際に性能が変化しやすい傾向にある。 【0011】 そこで、本発明は、分離膜エレメントにおける分離除去性能向上、単位時間あたりの透過流体量の増加などの分離膜エレメント性能向上、安定性能に有効な分離膜エレメント及びそれに適用可能な技術を提供することを目的とする。」 ウ 「【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、分離膜の透過側に粒状物が配置されることによって透過側の流路を確保でき、さらにはその分離膜を加圧することによって供給水側および透過側に高効率かつ安定した流路を確保できる。さらに、膜面での乱流効果も十分得られ、局所的な流動の不均一も生じにくく、その結果、分離成分の除去性能と高い透過性能を有する高性能、高効率分離膜および分離膜エレメントを得ることができる。」 エ 「【発明を実施するための形態】 【0015】 以下、本発明の実施の一形態について、さらに詳細に説明する。 【0016】 本実施形態の分離複合体1は、図1に示すように、分離膜2と、分離膜2上に設けられた粒状物(図1中にa~dのアルファベットで示す)とを備える。 【0017】 ここで、分離膜とは、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得るものであれば限定されないが、分離機能層、多孔性支持層、基材からなるものが好ましく使用される。分離機能層としては、孔径制御、耐久性の点で架橋高分子が好ましく使用され、成分の分離性能の点で、多孔性支持層上に、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなるポリアミド分離機能層、有機無機ハイブリッド機能層などが好適に用いられる。また、セルロース膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ポリエーテルスルホン膜、ポリスルホン膜のような分離機能と支持体機能を有する膜を用いることもできる。 【0018】 なお、「分離機能層」とは、少なくとも分離機能を備える層を意味し、分離機能と支持体機能等の他の機能とを備えていてもよく、分離機能のみを有していてもよい。また、分離膜の2つの表面のうち、流体の供給を受ける側を供給側、透過した流体が流出する側を透過側と称する。後に詳述するが、粒状物は、透過側、つまり基材側表面に設けられる。」 オ 「【0044】 次に、分離機能層を多孔質支持膜上に形成する方法について説明する。 【0045】 分離機能層は、(A)のケイ素化合物および(B)のエチレン性不飽和基を有する化合物を含有する反応液を塗布する工程、溶媒を除去する工程、エチレン性不飽和基を重合させる工程、加水分解性基を縮合させる工程の順に行うことで形成可能である。エチレン不飽和基を重合させる工程において、加水分解性基が同時に縮合してもよい。 ・・・ 【0050】 ケイ素の加水分解性基を縮合させる工程は、多孔性支持層上に反応液を接触させた後に加熱処理することによって行われる。このときの加熱温度は、多孔性支持層が溶融し分離膜としての性能が低下する温度より低いことが要求される。縮合反応を速やかに進行させるために通常0℃以上で加熱を行うことが好ましく、20℃以上がより好ましい。また、前記反応温度は、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。反応温度が0℃以上であれば、加水分解および縮合反応が速やかに進行し、150℃以下であれば、加水分解および縮合反応の制御が容易になる。また、加水分解または縮合を促進する触媒を添加することで、より低温でも反応を進行させることが可能である。さらに、縮合反応が適切に進行することで分離機能層が細孔を有するように、加熱条件および湿度条件を選定することができる。」 カ 「【0061】 多孔性支持層として、分離膜としての性能を保持しつつ支持機能を有する膜を用いることができる。 【0062】 多孔性支持層に使用する材料やその形状は特に限定されないが、例えば基材に多孔性支持体を形成した膜を例示することができる。多孔性支持体の素材としては、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂あるいはそれらを混合、積層したものが使用され、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、孔径が制御しやすいポリスルホンを使用することが好ましい。 【0063】 例えば、上記ポリスルホンのN,N-ジメチルホルムアミド溶液を、後述する基材、例えば密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で凝固させることによって、製造することができる。 【0064】 多孔性支持層は、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って、上述した形態を得るためにポリマー濃度、溶媒の温度、貧溶媒を調整し、製造することができる。例えば、所定量のポリスルホンをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、所定濃度のポリスルホン樹脂溶液を調製する。次いで、このポリスルホン樹脂溶液をポリエステル布あるいは不織布からなる基材上に略一定の厚さに塗布した後、一定時間空気中で表面の溶媒を除去した後、凝固液中でポリスルホンを凝固させることによって得ることが出来る。この時、凝固液と接触する表面部分などは溶媒のN,N-ジメチルホルムアミドが迅速に揮散するとともにポリスルホンの凝固が急速に進行し、N,N-ジメチルホルムアミドの存在した部分を核とする微細な連通孔が生成される。」 キ 「【0070】 基材としては、特に限定されないが、分離膜の分離、透過性能を保持しつつ、適度な機械強度を与え、分離膜表面の高低差を制御する点で、繊維状基材が好ましく用いられる。」 ク 「【0072】 分離膜に高低差を形成するための粒状物としては、樹脂や多孔質無機物を使用できる。粒状物が樹脂や多孔質無機物である場合、粒状物が存在しても膜面積が減少することなく透過性能を維持できる。・・・ ・・・ 【0075】 樹脂や多孔質無機物の混合物を良溶媒に溶解させて分離膜の裏側、すなわち基材側(透過側)に含浸させる場合、溶液を基材側に含浸させた後に、乾燥や非溶媒中に浸漬させる非溶媒誘起相分離などを利用すると、樹脂や多孔質無機物を分離膜に固定することができる。 【0076】 非溶媒誘起相分離とは、高分子溶液中に高分子の非溶媒が流入することにより、高分子溶液が高分子濃厚相と高分子希薄相とに相分離する現象である。最終的に、高分子濃厚相を分離膜の壁とし、高分子希薄相を分離膜の孔として利用することになる。一般に、常温で高分子を溶解できる良溶媒が高分子溶液の調製に使用され、高分子を溶解しない非溶媒を凝固に使用する。このような相分離法で粒状物を多孔質にしておくと、粒状物が分離膜に包括されている部分が分離膜としての機能を失活せず、膜造水量の低下を防ぐことができる。 ・・・ 【0078】 ホットメルト法で粒状物を配置させる場合では処理温度や選択するホットメルト用の樹脂を変更することで、要求される分離特性や透過性能の条件を満足できるように自由に調整することができる 組成としては特に限定されないが、耐薬品性の点で、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどのポリオレフィンや共重合ポリオレフィンなどが好ましく、ウレタン、エポキシなどのポリマーを使用できる。」 ケ 「【0104】 スパイラル型分離膜エレメントは、有孔の中空状集水管と、集水管の周りに巻き付けられた分離膜、又は、分離膜と供給側流路材および/または透過側流路材との積層体と、を備える。分離膜エレメントの製造方法は、特定の方法に限定されない。以下では、ポリアミド分離機能層を多孔性支持層、基材に積層し、分離膜を得た後に成形、透過側流路材を配置してエレメントを製造する代表的な方法について述べる。なお、成形工程などは、前述したように分離膜製膜工程の前、途中、後のいずれにおいても取り入れることが可能である。 【0105】 多孔性支持層と基材を複合した後、多孔性支持層に多官能アミン水溶液を塗布し、余分なアミン水溶液をエアーナイフなどで除去した後、多官能酸ハロゲン化物含有溶液を塗布し、ポリアミド分離機能層を形成させる。・・・」 コ 「【図3】 [図:0001394374000003.jpg] 」 2 周知技術を示す参考文献の記載事項 (1) 参考文献(「膜の劣化とファウリング対策 膜汚損防止・洗浄法からトラブルシューティングまで」、初版、株式会社エヌ・ティー・エス、2008年9月5日、第46~79頁)の記載事項 ア 「1 膜モジュールの基本構成と特徴 膜モジュールは、膜を容器に組み込んで実用的に使えるように、膜を介して分離対象原液(原水)の流路と透過分離液(ろ過水)の流路に分割したものである。・・・ 膜素材の形状によって膜モジュールおよびエレメントの形状が異なり、運転方式を含めて区別される。大きくは、・・・、円筒状のものと、平膜を用いたものに2分類される(表1)。・・・ 次に平膜および中空・円筒型モジュールの構造と特徴を示す。 ・・・ 1.2 スパイラル型膜モジュール ・・・ 1.3 プリーツ型膜モジュール スパイラル型膜エレメントと同様にネット状のスペーサーを介して平膜をプリーツ状に折りたたんで収納した膜エレメントで、図15のように膜分離を行う。このエレメントをハウジングに収納して膜モジュールを構成する(図16)。」(第46頁第1行~第55頁第1行) イ 「 [図:0001394374000004.jpg] 図15 プリーツ型膜エレメントの模式図」(第54頁) 第5 当審の判断 1 引用文献1を主たる証拠とした進歩性欠如の拒絶理由について (1) 引用文献1に記載された発明 ア 前記第4の1(1)ウ~キの記載事項によれば、引用文献1には、次の事項の開示があると認められる。 (ア) PFA膜5及びPFA膜10により封筒状をなし、その内部に、気体流路形成材であるニット材2の両面に多孔質PTFE膜3,4を積層して、その多孔質PTFE膜4上に突出部としてリブ6が形成されたものを挿入した、封筒状物1(【0022】、【0023】、【図1】)。 (イ) 第2の通気膜であるPFA膜5は、第1の通気膜である多孔質PTFE膜4上のリブ6の上を覆うため、リブ6の立体形状を反映した凸部5aを有していること(【0022】、【図1】)。 (ウ) 封筒状物1がプリーツ状に積層されていること(【0032】、【図3】)。 (エ) 積層体の形態では、封筒状体の表面のリブ6及び凸部5aにより、封筒状物1同士の間に流路となる隙間が形成されること(【0032】、【図3】)。 (オ) リブ6は、ホットメルト樹脂からなること(【0036】)。 イ これらの開示事項を整理すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用1発明」という。)が記載されていると認められる。 「PFA膜5及びPFA膜10により封筒状をなし、その内部に、気体流路形成材であるニット材2の両面に多孔質PTFE膜3,4を積層して、前記多孔質PTFE膜4上にホットメルト樹脂からなるリブ6が形成されたものが挿入され、前記PFA膜5は前記リブ6の立体形状を反映した凸部5aを有している、封筒状物1であって、前記封筒状物1がプリーツ状に積層され、前記リブ6及び前記凸部5aにより、前記封筒状物1同士の間に流路となる隙間が形成される、封筒状物1。」 (2) 本願発明と引用1発明との対比 ア 本願発明と引用1発明の対応関係は、次のとおりに解することができる。 (ア) 引用1発明の「気体流路形成材であるニット材2の両面に多孔質PTFE膜3,4を積層」したものは、本願発明の「多孔質膜」に相当する。 (イ) 引用1発明の「前記多孔質PTFE膜4上にホットメルト樹脂からなるリブ6が形成された」ことは、本願発明の「少なくとも1つのポリマー部材が、多孔質膜の表面に結合されて」いることに相当する。 (ウ) 引用1発明の「前記封筒状物1がプリーツ状に積層され、前記リブ6及び前記凸部5aにより、前記封筒状物1同士の間に流路となる隙間が形成される」ことは、その内部の「気体流路形成材であるニット材2の両面に多孔質PTFE膜3,4を積層」した部材もプリーツ状となっていることは明らかであるし、また、プリーツ状となった「気体流路形成材であるニット材2の両面に多孔質PTFE膜3,4を積層」した部材同士が、「リブ6」及び「PFA膜5」の「凸部5a」により分離されることも明らかであるから、本願発明の「多孔質膜が、隣接するひだを有するプリーツ加工多孔質膜であり、少なくとも1つのポリマー部材が、隣接するひだを分離し」ているとの特定を満足する。 イ 以上の点に照らすと、本願発明と引用1発明との一致点及び相違点は、次のように認定することができる。 (ア) 一致点 「多孔質膜であって、 少なくとも1つのポリマー部材が、多孔質膜の表面に結合されており、 多孔質膜が、隣接するひだを有するプリーツ加工多孔質膜であり、 少なくとも1つのポリマー部材が、隣接するひだを分離している、多孔質膜。」 (イ) 相違点 本願発明では、「少なくとも1つのポリマー部材」が「多孔質」であるのに対して、引用1発明では、「ホットメルト樹脂からなるリブ6」が多孔質であるかが明らかでない点(以下、この相違点を「相違点1」という。)。 (3) 相違点1についての検討 ア 引用文献5には、前記第4の1(2)ア、ウ及びクによれば、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用される分離膜複合体及び分離膜エレメント(【0001】)に関して、分離膜の透過側に粒状物を配置することで、流路を確保すること(【0013】)、前記粒状物を多孔質にすることで、膜面積が減少することなく透過性能を維持でき、粒状物が分離膜に包括されている部分が分離膜としての機能を失活せず、膜造水量の低下を防ぐことができること(【0072】、【0076】)、及び、ホットメルト法で粒状物を配置させる場合でも透過性の調整が可能であること(【0078】)が記載されている。 そして、このような膜面積の減少に伴う不具合は、新たにリブを設けた引用1発明においても内在する課題であり、当業者であれば、配慮の対象とすべきものと解される。 また、引用1発明の「封筒状物」は、前記第4の1(1)アに摘記したとおり、液体中に溶存する気体を脱気させる脱気膜として使用するものであるところ、この脱気膜も、流体(液体)に含まれる成分(気体)を分離するものであるから、引用文献5に記載された上記技術的事項は、引用1発明と共通する技術分野に関するものといえる。 加えて、引用1発明及び引用文献5に記載された技術的事項は、いずれも従来のスペーサーに代わる有用な流路形成材を模索したものであり、課題に共通点が認められる(引用文献1の【0006】、【0007】、【0032】(前記第4の(1)イ及びエ参照)、引用文献5の【0004】~【0011】(前記第4の1(2)イ参照)などを参照されたい。)。 これらの事項を併せ考えると、引用文献5に記載された上記技術的事項に基づき、引用1発明において、流路を形成するための「リブ6」が存在する部分おける透過性能に考慮し、当該「リブ6」を多孔質にして、前記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に相当し得ることである。 イ そして、本願発明が奏する効果、すなわち、「本開示によれば、ポリマーフィーチャがない膜と比べた膜表面上のポリマーフィーチャは、間隔を空けたプリーツを可能にし、したがって、フィルター内の液体の流れが維持又は改善される。」(本件明細書【0027】)、及び、「ポリマーフィーチャは、フィーチャ内に細孔を有することができる。したがって、流れをそらすのではなく、液体又は流体がフィーチャを通過するようにして膜の流れ効率を最適化することができる。」(同【0036】)との効果は、引用文献1の【0032】の記載(前記第4の(1)エ参照)、及び、引用文献5の【0072】及【0078】の記載(前記第4の1(2)ク参照)から当業者が予測できる範囲内のものである。 (4) 小括 したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明、及び、引用文献5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 2 引用文献5を主たる証拠とした進歩性欠如の拒絶理由について (1) 引用文献5に記載された発明 ア 前記第4の1(2)エ~コの記載事項によれば、引用文献5には、次の事項の開示があると認められる。 (ア) 分離膜と、分離膜の透過側上に設けられた粒状物とを備える分離複合体(【0016】、【0018】)。 (イ) 前記分離膜が、分離機能層、多孔性支持層及び基材からなること(【0017】)。 (ウ) 前記多孔性支持層は、透過性能を有する前記基材にポリスルホン等の樹脂を塗布凝固したものであって、前記多孔質支持層と前記基材とは複合化されたものであり、連通孔を有するものであること(【0062】~【0064】、【0070】、【0105】)。 (エ) 前記分離機能層は、前記多孔性支持膜及び基材に積層されたものであって、細孔を有すること(【0050】、【0104】)。 (オ) 前記粒状物は樹脂からなり、非溶媒誘起相分離により分離膜に固定されると共に、多孔質となること(【0072】、【0075】、【0076】)。 イ これらの開示事項を整理すると、引用文献5には、次の発明(以下、「引用5発明」という。)が記載されていると認められる。 「分離膜と、前記分離膜の透過側上に固定された多孔質の樹脂からなる粒状物とを備える分離複合体であって、前記分離膜は、連通孔を有する複合化された多孔質支持層及び基材と、前記多孔質支持層及び基材上に積層された細孔を有する分離機能層とからなる、分離複合体。」 (2) 本願発明と引用5発明との対比 ア 本願発明と引用5発明の対応関係は、次のとおりに解することができる。 (ア) 引用5発明の「分離複合体」の「分離膜」は、「連通孔を有する複合化された多孔質支持層及び基材と、前記多孔質支持層及び基材上に積層された細孔を有する分離機能層とからなる」ものであるから、本願発明の「多孔質膜」に相当する。 (イ) 引用5発明の「多孔質の樹脂からなる粒状物」は、本願発明の「多孔質である」、「少なくとも1つのポリマー部材」に相当する。 (ウ) 引用5発明の「分離膜の透過側上に固定された」ことは、本願発明の「多孔質膜の表面に結合されて」いることに相当する。 イ 以上の点に照らすと、本願発明と引用5発明との一致点及び相違点は、次のように認定することができる。 (ア) 一致点 「多孔質膜であって、 少なくとも1つのポリマー部材が、多孔質膜の表面に結合されており、 少なくとも1つのポリマー部材が、多孔質である、多孔質膜。」 (イ) 相違点 本願発明では、「多孔質膜」が「隣接するひだを有するプリーツ加工多孔質膜」であり、「少なくとも1つのポリマー部材」が、「隣接するひだを分離」しているのに対して、引用5発明では、「分離複合体」の「分離膜」の形状が特定されておらず、「粒状物」の作用も定かでない点(以下、この相違点を「相違点2」という。)。 (3) 相違点2についての検討 ア 引用5発明の「分離複合体」は、前記第4の1(2)ア及びイに摘記したとおり、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用されるものであって、用途や目的に合わせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種分離膜エレメントとして使用されるところ(【0001】、【0003】)、参考文献の記載(前記第4の2(1)参照)によれば、当該分離膜エレメント(膜モジュール)として、プリーツ状型のものは、スパイラル型のものと並んで、代表的な形態であることが分かる(引用文献1の【0003】、【0032】(前記第4の1(1)イ及びエ参照)なども参酌した。)。 また、引用文献1の【0022】、【0023】、【0032】及び【図3】(前記第4の1(1)ウ、エ及びキ参照)には、脱気膜を有する封筒状物1に凸部5aを設け、当該封筒状物1をプリーツ状に積層することや、当該凸部5aにより、プリーツ状の封筒状物同士の間に流路となる隙間が形成されることが記載されている。 加えて、前記1(3)アにおいて説示したとおり、引用文献1に記載された上記技術的事項と引用5発明とは、技術分野及び課題において共通するものといえる。 これらの事項を併せ考えると、引用5発明の「粒状物」が固定された「分離膜」をプリーツ状にすると共に、「粒状物」により、隣接するプリーツ(ひだ)同士を分離することは、当業者にとって容易想到の事項であるから、引用5発明において、前記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。 イ そして、本願発明が奏する効果は、前記1(3)イでの検討と同様に、引用文献5の【0013】、【0072】及【0078】の記載(前記第4の1(2)ウ及びク参照)から当業者が予測できる範囲内のものである。 (4) 小括 したがって、本願発明は、引用文献5に記載された発明、並びに、引用文献1に記載された事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 3 請求人の主張について (1) 請求人の主張の概要 請求人は、(i)引用文献1に記載された発明は、脱気膜に関し、本願発明は、液体濾過のための多孔質膜に関するため、両発明の技術分野が相違すること、(ii)引用文献1に記載された発明の「リブ」と本願発明の「ポリマー部材」の製造方法や大きさが異なり、両発明の技術思想が異なること、(iii)本願発明は、引用文献1に記載された「第2の通気膜」(当審注:引用1発明の「PFA膜5」)を要さないこと、(iv)引用文献1に記載された発明の「リブ」は、隣接するひだを分離するものでないこと、(v)引用文献1に記載された発明は、脱気膜に関し、引用文献5に記載された発明は、「海水、かん水、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収など」に使用されるものであり、両発明の技術分野が相違すること、(vi)引用文献1に記載された「リブ」は膜の供給側に形成され、引用文献5に記載された「粒状物」は膜の透過側に形成され、両者の配置された場所が異なること、(vii)引用文献1及び5には、従来技術で使用されるスクリーン及びスペーサーの付加的な厚さが充填できる膜の量を減少させ、スクリーン膜を十分にシールすることを困難にしたり、不純物のレベルを高くするとの問題意識がないこと、及び、(viii)引用文献1及び5には、従来の製造方法では、ラミネーションが損なわれたり、膜のフィーチャに欠陥又は変形が生じたり、ラミネーションは単一の加熱事象に限定されたり、経時的な剥離が起こるとの問題意識がないことを論拠として、本願発明が進歩性を有することを主張している(審判請求書の「3.」「(b)」「●理由1(特許法第29条第2項)について」の項)。 (2) 請求人の主張についての検討 ア 前記(i)~(iii)の主張について 本願発明では、液体濾過に使用すること、ポリマー部材の製造方法及び大きさ、並びに、多孔質膜及びポリマー部材以外の膜を有していないことが特定されていないため、前記(i)~(iii)の主張は、本願発明に基づく主張といえない。 イ 前記(iv)の主張について 本願発明では、隣接するひだの分離をポリマー部材のみで行うことを特定しておらず、ポリマー部材以外の部材を使用して分離する態様を含むものである。そして、引用1発明では、前記1(2)ア(ウ)で検討したとおり、プリーツ状となった「気体流路形成材であるニット材2の両面に多孔質PTFE膜3,4を積層」した部材同士が、「リブ6」及び「PFA膜5」の「凸部5a」により分離されていることは明らかである。よって、引用1発明の「リブ」が隣接するひだを分離するものでないということはできない。 ウ 前記(v)の主張について 引用文献1に記載された「脱気膜」及び引用文献5に記載された「分離膜」の具体的な用途は異なっているものの、前記1(3)アで検討したとおり、両者は、流体に含まれる成分を分離するための膜である点で共通する技術分野に属するものといえる。 エ 前記(vi)の主張について 引用文献1に記載の「リブ」及び引用文献5に記載された「粒状物」は、流路を形成するために配置されるものであり、流路が必要とされる場所、すなわち、膜の供給側あるいは透過側の何れにも配置できるものであるから、両者の配置した場所が異なることは、前記1(3)及び前記2(3)における進歩性欠如の判断に影響しない。 オ 前記(vii)の主張について 本願発明では、ポリマー部材の大きさや材質等を特定しておらず、前記(vii)で主張している問題意識の有無が本願発明の進歩性欠如の判断に影響しないことは明らかである。 カ 前記(viii)の主張について 前記(viii)で主張している問題意識は、製造方法に関するものであって、本願発明に直接関係するものでない。 (3) 小括 したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余について検討するまでもなく、本願は、同法第49条第1項第2号に該当し、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-004407

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