商標拒絶査定不服審判
2021-004350
リクルートメントプロセスオプティマイゼーション、リクルートメントプロセス、リクルートメント、プロセスオプティマイゼーション、プロセス、オプティマイゼーション
- 審判番号
- 2021-004350
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-112108
- 請求日
- 2021年04月05日
- 審決日
- 2022年03月16日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社リクルート
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 【請求人代理人】佐藤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .13 -Z (W354142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項、商標法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-112108拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和元年8月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年9月17日付け :拒絶理由通知書
令和2年11月6日 :意見書の提出
令和2年12月22日付け:拒絶査定
令和3年4月5日 :審判請求書の提出
令和3年10月28日付け:証拠調べ通知書
令和3年12月15日 :意見書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「Recruitment Process Optimization」の文字を横書きしてなり、第35類、第41類及び第42類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として、令和元年8月21日に登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『Recruitment Process Optimization』の文字を横書きしてなるところ、その構成中の『Recruitment』の文字は『採用』を、『Process』の文字は『課程』を、『Optimization』の文字は『最適化』を、それぞれ意味する語であり、本願商標は構成全体として、『採用の課程を最適化する』程度を認識させるものである。また、採用の課程を最適化することを指南することや、採用の課程において役立つソフトウェアの提供等が行われている。そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、取引者及び需要者は、採用の課程を最適化することに係る役務(例えば、「採用の課程を最適化することの教授,採用の課程を最適化するための電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」等)であることを理解するにとどまるというのが相当であり、本願商標は単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和3年10月28日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
第5 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
1 証拠調べ通知における証拠の中には、本願商標の構成文字とは異なり、また英単語として存在しない「~Optimisation」の文字に関するものがあるところ、これは証拠としての適格性を欠くものである。
2 本願商標は、構成上一体不可分の商標として請求人が創出した造語と認識されるのが自然であるから、本願商標に接する通常の注意力を有する取引者、需要者が、これを「Recruitment」、「Process」及び「Optimization」の各文字部分に分離し、各々の意味合いを抽出した上で、「採用の過程を最適化する」との意味合いを理解、把握することは、簡易迅速を尊ぶ商取引の現場においてはあり得ないか、又は極めて限定的である。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格又は提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録の要件を欠くと規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。そうすると、本願商標が商標法3条1項3号に該当するというためには、本件審決の時点において、本願商標がその指定役務との関係で役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定役務の取引者、需要者によって役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成26年(行ケ)第10056号、平成26年8月6日判決参照)。
(2)本願商標について
ア 本願商標は、上記第2のとおり、「Recruitment Process Optimization」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、明朝体に属する書体で表したものと認められるから、本願商標は、「Recruitment Process Optimization」の文字を普通に用いられる方法で表示する標章であるといえる。
イ 別掲2(1)の辞書等の載録例によれば、本願商標の構成中の「Recruitment」の文字は、「募集、採用、求人、人材募集」等の意味を、「Process」の文字は、「手順。方法。課程。経過。道程。」等の意味を、「Optimization」の文字は、「最適化」の意味を有する語として、いずれも我が国においてある程度親しまれた語と認められるものであり、これら各語の語義からすれば、本願商標は、「採用課程最適化」程の意味合いが理解されるものである。
(3)指定役務との関係における、「Recruitment Process Optimization」の文字又は「Recruitment Process Optimisation」の文字の使用状況について
当審における職権調査によれば、本願の指定役務と関係の深い経営コンサルタントや人材紹介サービスに関する業界においては、「Recruitment Process Optimization」の文字及びこれと同義と認められる「Recruitment Process Optimisation」の文字(別掲2(1)ウ(イ))が、別掲2(2)のとおり、例えば、「ツナグソリューションズのRPO(採用代行)*はサービスを通じてRPO(採用最適化)*を目指します。・・・*RPO(採用最適化)とはRecruitment Process Optimizationの略」(別掲2(2)ア)、「人材紹介事業を行う株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント(以下JAC)は・・・採用活動の最適化と運営上の代行業務を同時に提供するサービス『Recruitment Process Optimisation』(以下:RPO)を開発した。具体的には、企業にある採用課題の把握や、それに基づく『採用計画の立案』から『採用候補者の母集団形成』、『人選、書類選考』、『内定オファー』など入社に至るまでの全プロセスを担い、採用代行を行う仕組みだ。」(別掲2(2)イ)、「Recruitment Process Optimization/採用コンサルティング(最適化サービス)/経験豊富なメンバーが、最新の事例を活用し、お客様の課題解決をご支援いたします。・・・ナンバーズのRPO(採用コンサルティング・最適化サービス)は、状況に合わせ密にコミュニケーションをとり、採用成功に向けて、お客様と同じ目線で取り組みます。」等のように使用されていることからすると、本願商標を構成する「Recruitment Process Optimization」の文字は、本願の指定役務と関係の深い経営コンサルタントや人材紹介サービスに関する業界においては、採用に関するプロセスの最適化を目指す、企業の採用に関する業務支援サービス程の意味合いを表す語として、一般に認識されているものと認められる。
(4)上記(2)及び(3)によれば、本願商標は、「Recruitment」、「Process」及び「Optimization」の各文字の語義並びに本願の指定役務と関係の深い経営コンサルタントや人材紹介サービスに関する業界における「Recruitment Process Optimization」の文字の使用状況を勘案すれば、その指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,企業の人事・労務管理及び求人活動に関する指導及び助言,企業の人事管理のための適性検査,求人情報の提供,再就職の希望者に対する指導及び助言」の役務の取引者及び需要者によって、「採用に関するプロセスの最適化を目指す、企業の採用に関する業務支援サービス」程の意味合いを表す語として認識されるものであると認められる。
そうすると、本願商標は、その指定役務中、第35類に属する上記役務に使用されたときは、その役務が「採用に関するプロセスの最適化を目指す、企業の採用に関する業務支援」に関するものであるという役務の質を表示記述するものとして一般に認識されるものであって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適切でないとともに、自他役務の識別力を欠くものであるというべきである。
そして、上記(2)アのとおり、本願商標は、その構成文字を普通に用いられる方法で表示する標章であるといえる。
したがって、本願商標は、その指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,企業の人事・労務管理及び求人活動に関する指導及び助言,企業の人事管理のための適性検査,求人情報の提供,再就職の希望者に対する指導及び助言」との関係においては、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、証拠調べ通知における証拠の中には、本願商標の構成文字とは異なり、また英単語として存在しない「~Optimisation」の文字に関するものがあるところ、これは証拠としての適格性を欠くものである旨主張する。
しかしながら、英和辞典において、「optimize」の語が英国においてしばしば「optimise」と記載される旨掲載されていることからすれば(別掲2(1)ウ(イ))、「~Optimisation」の文字は、本願商標の構成文字と同義の語として、本願の指定役務と関係の深い経営コンサルタントや人材紹介サービスに関する業界において使用されているというのが相当であるから、「~Optimisation」の文字に関する使用例も、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する商標であると認めるに足りる証拠の一つというべきである。
(2)請求人は、本願商標は、構成上一体不可分の商標として請求人が創出した造語と認識されるのが自然であるから、本願商標に接する通常の注意力を有する取引者、需要者が、これを「Recruitment」、「Process」及び「Optimization」の各文字部分に分離し、各々の意味合いを抽出した上で、「採用の過程を最適化する」との意味合いを理解、把握することは、簡易迅速を尊ぶ商取引の現場においてはあり得ないか、又は極めて限定的である旨主張する。
しかしながら、「Recruitment」、「Process」及び「Optimization」の各文字の語義のみならず、本願の指定役務と関係の深い経営コンサルタントや人材紹介サービスに関する業界における「Recruitment Process Optimization」の文字の使用状況(別掲2(2))を勘案すれば、本願商標は、採用に関するプロセスの最適化を目指す、企業の採用に関する業務支援サービス程の意味合いを表す語として、一般に認識されているものというのが相当である。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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