商標拒絶査定不服審判
2021-002878
ニューリアル、リアル
- 審判番号
- 2021-002878
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-066789
- 請求日
- 2021年03月04日
- 審決日
- 2022年02月17日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】富士通株式会社
- 【請求人代理人】向山 直樹
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .261-Z (W093842) / T18 .262-Z (W093842) / T18 .263-Z (W093842)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-66789拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は,「NEW REAL」の文字を標準文字で表してなり,第9類,第38類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,令和元年5月9日に登録出願されたものである。
本願は,令和2年6月10日付けで拒絶理由の通知がされ,同年7月27日付けで意見書が提出されたが,同年11月30日付けで拒絶査定がなされ,これに対して同3年3月4日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続している。
1 登録第3078089号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「リアル」の片仮名を横書きしたもの
指定商品:第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品、但し、電子応用機械器具及びその部品を除く」
登録出願日:平成4年5月26日
設定登録日:平成7年9月29日
2 登録第4845600号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「REAL」(標準文字)
指定商品:第9類「測定機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,救命用具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電子出版物,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,火災報知機,盗難警報器,磁心,抵抗線,電極,自動販売機,金銭登録機,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置、但し、測定機械器具を除く」
登録出願日:平成16年4月22日
設定登録日:平成17年3月11日
3 登録第5284072号商標(以下「引用商標3」という。)
4 登録第5318350号商標(以下「引用商標4」という。)
5 登録第5526198号商標(以下「引用商標5」という。)
6 登録第5573753号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機及びその周辺機器,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」
登録出願日:平成24年4月2日
設定登録日:平成25年4月12日
7 登録第5669805号商標(以下「引用商標7」という。)
8 登録第5731259号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:「REAL」の欧文字を横書きしたもの
指定商品:第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気磁気測定器,液晶ディスプレイ,電気通信機械器具,電子計算機,電子計算機用ディスプレイ装置,電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」
登録出願日:平成26年8月22日
設定登録日:平成27年1月9日
第3 当審における審尋
当審において,令和3年11月17日付け審尋により,請求人に対し,本願商標は,原審で引用した登録商標のうち,引用商標1,引用商標2,引用商標6及び引用商標8との関係において,商標法第4条第1項第11号に該当し,引用商標3ないし引用商標5及び引用商標7との関係においては,非類似の商標と判断した旨の暫定的見解を示し,期間を指定して,これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答
請求人は,上記第3の審尋に対し,何ら回答をしていない。
第5 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は,「NEW REAL」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中に1文字分のスペースが配されていることから,「NEW」の文字と「REAL」の文字とに視覚上分離して看取されるものであり,また,「NEW」の文字は「新しい,新たに生み出された」等の意味を有する英語として,「REAL」の文字は「実在する,現実の」等の意味を有する英語として(共に「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店発行),いずれも広く一般に知られているものであるから,本願商標は「NEW」の文字と「REAL」の文字から構成されるものと容易に把握できるものである。
そして,本願商標構成中の「NEW」の文字は,本願の指定商品をはじめとしたさまざまな商品に関し,既存の製品の新版・改訂版等について,「新しい」ものであることを表示するものとして使用されていることが,以下のインターネット情報から確認することができる。
(1)「Kenko Tokina」のウェブサイトにおいて,「NEWスカイエクスプローラー SE102 鏡筒」の見出しの下,「口径102mmの屈折式望遠鏡。(略)従来の『スカイエクスプローラー』シリーズを改め、『NEWスカイエクスプローラー』シリーズとして発売いたします。日本で最終チューンアップを施し、より扱いやすくなりました。」の記載がある(https://www.kenko-tokina.co.jp/optics/tele_scope/sky_explorer/4961607491898.html)。
(2)「PR TIMES」のウェブサイトにおいて,「Nintendo Switchソフト『New ポケモンスナップ』4月30日(金)発売決定!」の見出しの下,「株式会社ポケモン(略)は、Nintendo Switchソフト『New ポケモンスナップ』を4月30日(金)に発売することを決定いたしました。(略)■『New ポケモンスナップ』は、1999年にNINTENDO64ソフトとして発売した『ポケモンスナップ』のゲーム性をベースにした完全新作ゲーム。」の記載がある(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000247.000026665.html)。
(3)「Nintendo」のウェブサイトにおいて,「New SUPER/MARIO BROS./ニュー・スーパーマリオブラザーズ」の見出しの下,「新しいマリオ」,「誰でもできる、新しいマリオ。/十字ボタン/と/2つのボタン/だけの/簡単プレイ!」の記載がある(https://www.nintendo.co.jp/ds/a2dj/newmario/index.html)。他方で,同ウェブサイトにおいて,「ゲームアーカイブ」の見出しの下,「1985 9.13」,「SUPER MARIO BROS./スーパーマリオブラザース」の記載がある(https://www.nintendo.co.jp/character/mario/archives/)。
(4)「DELLTechnologies」のウェブサイトにおいて,「デル・テクノロジーズ、ビジネス向けノートPC『New Vostro 15 3000』と『New Vostro 14 3000』を販売開始」の見出しの下,「デル・テクノロジーズ株式会社(略)は、ビジネス向けPCであるVostroシリーズのノートPC新製品となる、『New Vostro 15 3000(3501)』と『New Vostro 14 3000(3401)』を本日より販売開始します。」の記載がある(https://corporate.delltechnologies.com/ja-jp/newsroom/announcements/detailpage.press-releases~japan~2020~09~20200911-1.htm#/filter-on/Country:ja-jp)。他方で,「DELL」のウェブサイトには,「Vostroノートパソコン」の見出しの下,「Vostro」ブランドの各商品が紹介されている(https://www.dell.com/ja-jp/work/shop/デルのノートパソコン/sr/laptops/vostro-laptops)。
(5)「Canon」のウェブサイトにおいて,「CANON CAMERA MUSEUM」の見出しの下,「キヤノンF―1の次期後継機はF―2にはならず、飽くまでもF―1であるとして、頭にニューが付いた。初代のF―1で、『向こう10年間は不変です』と宣言した約束を守っての登場だった。(略)操作部の基本は前F―1を踏襲して、旧F―1のユーザーがニューF―1を手にしても違和感がなくすぐに使えるような配慮がなされていた。」の記載があると共に,カメラの画像の左上には,「ニュ―F1」「New F-1」の記載がある(https://global.canon/ja/c-museum/product/film105.html)。
そうすると,本願商標構成中の「NEW」の文字部分は,既存の製品の新版・改訂版等について,「新しい」ものであることを表示し,既存の製品の名称と共に「NEW(New) 〇〇」のように使用されている実情があることから,本願の指定商品との関係において,自他商品の識別力がないか又は極めて弱い部分ということができる。
一方,「REAL」の文字部分については,上記のとおり「実在する,現実の」を意味し,本願の指定商品との関係において,品質等を表示するものとして理解されるものではないから,自他商品を識別する機能を果たし得るものである。
加えて,「NEW」及び「REAL」の各文字が上記のとおりの意味を有するとしても,本願商標全体として直ちに特定の観念を生じないものであるから,本願商標を常に一体のものとしてのみ把握しなければならない特段の事情も見当たらない。
以上よりすれば,本願商標の構成中,「REAL」の文字部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができるから,当該文字部分を要部として抽出し,引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって,本願商標からは,全体から生じる「ニューリアル」の称呼のほかに,「REAL」の文字部分に相応して「リアル」の称呼をも生じると共に,「実在する,現実の」の観念が生じる。
2 引用商標1,引用商標2,引用商標6及び引用商標8について
(1)引用商標1について
引用商標1は「リアル」の文字を横書きしてなるところ,当該文字は英語の「REAL」を片仮名で表したものである(広辞苑第七版)から,引用商標1からは「リアル」の称呼が生じると共に,「実在する,現実の」の観念が生じる。
(2)引用商標2について
引用商標2は,「REAL」の文字を標準文字で表してなるところ,引用商標2からは,構成文字に相応して「リアル」の称呼が生じると共に,「実在する,現実の」の観念が生じる。
(3)引用商標6について
引用商標6は,別掲2のとおり,「REAL」の文字を横書きしてなるところ,その構成文字に相応して「リアル」の称呼が生じると共に,「実在する,現実の」の観念が生じる。
(4)引用商標8について
引用商標8は,「REAL」の文字を横書きしてなるところ,構成文字に相応して「リアル」の称呼が生じると共に,「実在する,現実の」の観念が生じる。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について(本願商標と引用商標1,引用商標2,引用商標6及び引用商標8の類否について)
(1)本願商標と引用商標1との類否について
本願商標と引用商標1の類否について検討をするに,まず,外観については,上記1及び2(1)のとおり異なるものである。しかしながら,本願商標の要部である「REAL」の文字部分と引用商標1との比較においては,両者は慣れ親しまれた「REAL」の語の英語表記か片仮名表記かの差異にすぎず,我が国においては,英語を片仮名で表記することが一般的に行われていることを考慮すると,文字種が異なることによる本願商標と引用商標1の外観の相違は,両商標が別異のものであると認識させるほどの強い印象を与えるものではない。
次に,称呼についてみるに,本願商標と引用商標1からは,いずれも「リアル」の称呼が生じるものであるから,両商標は,その称呼を共通にするものである。
さらに,観念についてみるに,本願商標と引用商標1からは,いずれも「実在する,現実の」の観念が生じるものであるから,両商標は,その観念を共通にするものである。
そうすると,本願商標と引用商標1とは,称呼及び観念を共通にし,外観において別異のものであると認識させるほどの差異はないから,本願商標と引用商標1の外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両商標は,全体として商品の出所について誤認混同を生じるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。
(2)本願商標と引用商標2,引用商標6及び引用商標8との類否について
本願商標と引用商標2,引用商標6及び引用商標8の類否について検討をするに,本願商標と引用商標2,引用商標6及び引用商標8の外観は,上記1及び2(2)ないし(4)のとおり全体の外観は異なるものであるが,本願商標の要部である「REAL」の文字部分と引用商標2,引用商標6及び引用商標8は「REAL」のつづりを共通にするものであるから,両商標は外観において似かよった印象を与えるものというべきである。
次に,称呼についてみるに,本願商標と引用商標2,引用商標6及び引用商標8からは,いずれも「リアル」の称呼が生じるものであるから,両商標は,その称呼を共通にするものである。
さらに,観念についてみるに,本願商標と引用商標2,引用商標6及び引用商標8からは,いずれも「実在する,現実の」の観念が生じるものであるから,両商標は,その観念を共通にするものである。
そうすると,本願商標と引用商標2,引用商標6及び引用商標8とは,外観において似かよった印象を与え,また,称呼及び観念を共通にするものであり,本願商標と引用商標2,引用商標6及び引用商標8の外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両商標は,全体として商品の出所について誤認混同を生じるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。
(3)本願商標の指定商品と引用商標1,引用商標2,引用商標6及び引用商標8の指定商品について
本願商標の指定商品及び指定役務のうち,第9類「金銭登録機,現金自動預金支払機,火災報知器,ガス漏れ警報器,盗難警報器,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,燃料電池を含む電気化学式電力発生機,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,無線応用機械器具,ビーコン機械器具,電子計算機,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,産業用X線機械器具,磁気探知機,超音波応用探傷器,超音波応用探知機,身体に装着可能な携帯情報端末,身体に装着可能なディスプレイ,眼鏡型携帯情報端末,指輪型携帯情報端末,腕時計型携帯情報端末,バーチャルリアリティ用ヘッドセット,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープその他の録画済み記録媒体,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像・映像・映画ファイル,電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。)」は,引用商標1,引用商標6及び引用商標8の全ての指定商品並びに引用商標2の指定商品中,第9類「電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電子出版物,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,火災報知機,盗難警報器,自動販売機,金銭登録機」と同一又は類似の商品である。
(4)小括
上記のとおり,本願商標は,引用商標1,引用商標2,引用商標6及び引用商標8と類似する商標であって,当該引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 その他
本願商標と引用商標3ないし引用商標5及び引用商標7は,請求人主張のように,非類似の商標と判断するのが相当であるから,両者の指定商品又は指定役務が同一又は類似であるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
5 まとめ
上記3のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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