特許拒絶査定不服審判
2021-002671
遊技機
- 審判番号
- 2021-002671
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-235325外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年03月01日
- 審決日
- 2021年09月28日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社竹屋
- 【請求人代理人】名古屋国際特許業務法人
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2016-235325号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 6月14日出願公開、特開2018- 89117号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯の概要
本願は、平成28年12月2日の特許出願であって、令和2年6月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月9日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月5日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年同月24日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和3年1月29日付け(謄本送達日:同年2月9日)で、令和2年11月24日付け手続補正書による手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和3年3月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、同年同月29日付けの前置報告に対し、同年4月16日に上申書が提出されたものである。
第2 令和3年3月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年3月1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、令和2年7月9日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】
様々な演出が行われる遊技機において、
遊技者の操作を受け付ける少なくとも1つの操作指示手段と、
前記演出のうち、いずれかの前記操作指示手段を遊技者が操作することによって演出内容が変化する可変演出を実行する演出制御手段と、
前記可変演出の非実行期間のうち、前記非実行期間に設定された所定期間の経過後に、前記操作指示手段のうち1つの前記操作指示手段である特定操作指示手段が操作された場合、前記演出のうち少なくとも前記可変演出の環境を、前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更する環境変更手段と、
前記特定操作指示手段の操作によって前記環境を変更可能であることを、前記所定期間が経過したときに表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。」を、
審判請求時に提出された手続補正書(令和3年3月1日付け)の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】
様々な演出が行われる遊技機において、
遊技者の操作を受け付ける少なくとも1つの操作指示手段と、
前記演出のうち、いずれかの前記操作指示手段を遊技者が操作することによって演出内容が変化する可変演出を実行する演出制御手段と、
前記可変演出の非実行期間のうち、前記非実行期間に設定された所定期間の経過後に、前記操作指示手段のうち1つの前記操作指示手段である特定操作指示手段が操作された場合、前記演出のうち少なくとも前記可変演出の環境を、前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更するとともに、前記所定期間内に前記特定操作指示手段が操作されても前記環境を変更しない環境変更手段と、
前記特定操作指示手段の操作によって前記環境を変更可能であることを、前記所定期間が経過したときに表示する表示手段と、
を備え、
前記環境は、ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度であることを特徴とする遊技機。」
にする補正を含むものである(下線は、補正箇所を明示するために当審判合議体にて付した。)。
2 補正の適否
2-1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「環境変更手段」に関して、「特定操作指示手段が操作された場合、前記演出のうち少なくとも前記可変演出の環境を、前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更する」としていたものを「前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更するとともに、前記所定期間内に前記特定操作指示手段が操作されても前記環境を変更しない」と限定するとともに、「前記可変演出の環境」について「前記環境は、ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度である」と限定することを含むものである。
そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書」という。)の段落【0039】、【0052】、【0060】、図3の記載に基づくものであり、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
2-2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A~Gは、分説するため当審判合議体にて付した。)。
「【請求項1】
A 様々な演出が行われる遊技機において、
B 遊技者の操作を受け付ける少なくとも1つの操作指示手段と、
C 前記演出のうち、いずれかの前記操作指示手段を遊技者が操作することによって演出内容が変化する可変演出を実行する演出制御手段と、
D 前記可変演出の非実行期間のうち、前記非実行期間に設定された所定期間の経過後に、前記操作指示手段のうち1つの前記操作指示手段である特定操作指示手段が操作された場合、前記演出のうち少なくとも前記可変演出の環境を、前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更するとともに、前記所定期間内に前記特定操作指示手段が操作されても前記環境を変更しない環境変更手段と、
E 前記特定操作指示手段の操作によって前記環境を変更可能であることを、前記所定期間が経過したときに表示する表示手段と、
を備え、
F 前記環境は、ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度である
G ことを特徴とする遊技機。」
(2)引用発明
原査定の拒絶の理由に引用文献として引用された、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-108299号公報(平成26年6月12日公開)(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア 記載事項
(ア)「【図面の簡単な説明】
【0011】
・・・【図3】遊技機のブロック図である。・・・」
(イ)「【0014】
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
【0015】
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。」
(ウ)「【0030】
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
【0031】
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。」
(エ)「【0034】
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
【0035】
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタンと、遊技者の回転操作を受け付ける回転操作部とで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。」
(オ)「【0038】
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0039】
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。」
(カ)「【0051】
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板340または電飾制御基板350に送信する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0052】
画像制御基板340は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板340のROMには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。」
(キ)「【0356】
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、特別図柄の変動表示中に実行される変動演出について説明した後に、変動演出等に出力される出力音声の音量設定について詳細に説明する。」
(ク)「【0376】
(音量の設定)
図46は、初期音量レベルおよび音量レベル調整可能範囲について説明する図である。既に説明したように、初期音量設定スイッチ210sは、音量スイッチSW0~7の8つのスイッチで構成され、いずれの音量スイッチSWがオンしているかに応じて、初期音量レベルが設定される。初期音量レベルは、図示のように、0~7の8段階設けられているが、消音もしくは相対的に小音量となる初期音量レベル0~2は、主に設計開発時に設定されることを想定し、相対的に大音量となる初期音量レベル3~7は、通常の遊技時に設定されることを想定している。
【0377】
そして、遊技機100の電源を投入すると、そのときにオンしている音量スイッチSWに応じた音量レベルに設定(初期設定)され、このとき設定された音量レベルにしたがって、音声出力装置206から音声が出力される。一方で、本実施形態の遊技機100においては、遊技の行われていない待機状態、すなわち、客待ち状態であるときに、演出操作装置208の回転操作部を回転させて音量変更操作をすることで、出力音声の音量を調整、変更することができる。」
(ケ)「【0386】
図47は、設定音量の変更が可能であることを報知する報知演出、および、現在設定されている音量を報知する設定音量演出の一例を説明する図である。変動演出が終了したときに、次なる保留が記憶されていない場合には、図47(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示されたままの状態となる。主制御基板300では、特別図柄の変動表示が終了したとき、次なる保留が記憶されていない場合には、客待ち処理が行われ、客待ちコマンドを副制御基板330に送信する。副制御基板330では、客待ちコマンドを受信すると、当該客待ちコマンドを受信してからの経過時間を計時し、客待ち状態に移行してから所定時間が経過すると、図47(b)に示すように、演出表示部200aの下部に、情報バー211を表示する報知演出を開始する。
【0387】
この報知演出では、情報バー211において、演出操作装置208を押下操作すると、遊技機100に関する種々の情報を見ることが可能であることを伝達するとともに、演出操作装置208を回転操作すると、設定音量の変更が可能であることを報知する。その後、演出操作装置208が操作されることなく、さらに一定時間が経過すると、演出表示部200aにデモ画面が表示され、さらにその後、図47(c)に示すように、省電力化を図るべく、演出表示部200aが消灯する。
【0388】
なお、上記のように、情報バー211が演出表示部200aに表示された後は、常に、演出操作装置208の操作が有効となっており、この操作有効期間中に演出操作装置208を回転させて音量変更操作を行うと、現在設定されている音量を報知する設定音量演出が実行される。この設定音量演出では、図47(d)に示すように、演出表示部200aに、演出操作装置208の回転操作を想起させる画像と、現在設定されている音量レベルに応じた音量メーターが表示される。ここでは、演出操作装置208を時計回り方向に回転させると、調整可能範囲内で設定音量が大きくなり、演出操作装置208を反時計回り方向に回転させると、調整可能範囲内で設定音量が小さくなる。設定音量演出では、演出操作装置208による音量変更操作に伴って音量メーターが可変表示され、現在設定されている音量レベルが報知されることとなる。」
(コ)「【0390】
従来の遊技機においては、客待ち状態にあるときに演出表示部200aに対する画像の表示や、音量変更操作の受け付けを、客待ちコマンドを受信して即座に開始するのではなく、一定時間が経過してから行うことで、遊技者に与える不快感を低減するようにしていた。しかしながら、一方では、遊技中に音量の変更を行うべく、遊技者が意図的に遊技球の発射を停止させて客待ち状態(待機状態)に移行させることもある。ところが、上記の理由から、客待ち状態に移行した後、一定時間が経過するまでの間、音量変更操作を行うことができないとなると、その間、遊技者が倦怠感を覚えてしまい、やはり遊技の継続意欲が低減してしまうおそれがある。
【0391】
そこで、本実施形態の遊技機100は、遊技者に与える不快感、および、遊技の継続意欲の低減を抑制しつつ、最適なタイミングで音量の調整を実行することができるように、報知演出の開始タイミング、および、音量変更操作の有効期間を次のように設定している。」
(サ)「【0392】
図48は、報知演出の開始タイミング、および、音量変更操作の有効期間を説明する図である。この図に示すように、報知演出(情報バー211の表示)は、客待ちコマンドを受信してから20秒が経過すると開始され、60秒が経過すると終了となり、以後、デモ画面が表示される。これに対して、音量変更操作は、客待ちコマンドを受信してから5秒が経過するまでの間は無効、すなわち、音量変更操作を受け付けないこととしており、5秒経過後は、常に、音量変更操作を有効に受け付ける。」
(シ)「【0395】
なお、本実施形態では、客待ちコマンドを受信してから報知演出が開始されるまでの時間(20秒)よりも短い所定時間(5秒)が経過するまでの間、音量変更操作を無効化する操作無効期間に設定され、この間に、音量変更操作がなされても、報知演出が実行されたり、設定音量が変更されたりすることがないようにしている。変動演出中は、演出操作装置208の操作がたびたび要求され、遊技者による演出操作装置208の操作に応じて、種々の演出が実行される。そのため、例えば、変動演出の終了間際に、変動演出の一環として演出操作装置208の操作が要求された場合に、遊技者が変動演出の終了後も継続して演出操作装置208を操作してしまう可能性がある。」
イ 図面の図示内容
【図2】
[図:0001380769000001.jpg]
【図3】
[図:0001380769000002.jpg]
上記図3は、【0011】に「・・・【図3】遊技機のブロック図である。・・・」と記載されていることから、図3に記載されている「主制御基板300」、「副制御基板330」及び「画像制御基板340」は遊技機に備えられていることが図示されているといえ、【0038】に「(制御手段の内部構成)図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。」と、【0039】に「主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。・・・」と、【0051】に「副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、・・・サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板340または電飾制御基板350に送信する。・・・」と、【0052】に「画像制御基板340は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、・・・副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。」と記載されていることから、「遊技の基本動作を制御する主制御基板300」、「主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて主に遊技中や待機中等の各演出を制御する副制御基板330」、「副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて演出表示部200aの画像表示を制御する画像制御基板340」を、それぞれ遊技機が備えているといえる。
【図47】
[図:0001380769000003.jpg]
【図48】
[図:0001380769000004.jpg]
ウ 引用発明
上記アの記載事項及び上記イの図面の図示内容から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める((記号a~g等は、本願発明の記号A~Gに対応させて付した。)。
「a、b、c 遊技の基本動作を制御する主制御基板300(【0039】)、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて主に遊技中や待機中等の各演出を制御する副制御基板330(【0051】)、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて演出表示部200aの画像表示を制御する画像制御基板340(【0052】)を備え、演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行される液晶表示装置からなる演出表示装置200、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている遊技機100(【0030】、【0031】、図3)において、
b、c 演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタンと、遊技者の回転操作を受け付ける回転操作部とで構成され、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行され(【0035】)、、
d、e、f 主制御基板300では、特別図柄の変動表示が終了したとき、次なる保留が記憶されていない場合には、客待ち処理が行われ、客待ちコマンドを副制御基板330に送信し、副制御基板330では、客待ちコマンドを受信すると、当該客待ちコマンドを受信してからの経過時間を計時し、客待ち状態に移行してから所定時間が経過すると、演出表示部200aの下部に、情報バー211を表示する報知演出を開始し(【0386】)、情報バー211において、演出操作装置208を押下操作すると、遊技機100に関する種々の情報を見ることが可能であることを伝達するとともに、演出操作装置208を回転操作すると、変動演出等に出力される出力音声の設定音量の変更が可能であることを報知し(【0356】、【0387】)、報知演出(情報バー211の表示)は、客待ちコマンドを受信してから20秒が経過すると開始され、60秒が経過すると終了となり、以後、デモ画面が表示され、音量変更操作は、客待ちコマンドを受信してから5秒が経過するまでの間は無効、すなわち、音量変更操作を受け付けないこととしており、5秒経過後は、常に、音量変更操作を有効に受け付ける(【0392】、図48)
g 遊技機100(【0030】)。」
エ 引用文献1に記載の事項
上記ア(コ)の記載事項から、引用文献1には、次の事項(以下「引用文献1に記載の技術事項」という。)が記載されているものと認める。
「客待ち状態にあるときに演出表示部200aに対する画像の表示や、音量変更操作の受け付けを、客待ちコマンドを受信して即座に開始するのではなく、一定時間が経過してから行う遊技機。」
(3)周知技術1
(ア)周知例1
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-234877号公報(平成23年11月24日公開)(以下「周知例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「【0020】
(遊技機の構成)
次に、図1~図5を参照して、本発明の第1の実施形態の遊技機1の構成について具体的に説明する。図1は本発明の遊技機1の正面図であり、図2は本発明の遊技機1の斜視図であり、図3は遊技盤2の正面図であり、図4は本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図5は1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。」
b「【0276】
(演出制御基板の発光輝度決定処理)
図27を用いて、演出制御基板120(図6参照)の発光輝度決定処理を説明する。
【0277】
図27において、第2の実施形態の発光輝度決定処理のフローチャートに示すステップS2701、S2704~S2711は、図21に示した第1の実施形態の発光輝度決定処理のフローチャートのステップS1701、S1704~S1711と同様の処理を行う。第2の実施形態の発光輝度決定処理のフローチャートでは、チャンスボタンの操作に係わるステップS1702、S1703の処理の代わりに、タッチセンサ3a(図6参照)の連続非接触状態に係わるステップS2702、S2703が設けられている。
【0278】
ステップS2702において、サブCPU120aは、サブRAM120cに設けられたタッチセンサ連続非接触タイマの計時値が所定時間(本実施形態の場合5秒)以上を示すか否かを判別することで、発射ハンドル3に遊技者が所定時間以上非接触か否かを判別する。所定時間以上であればステップS2703に処理を移し、デモ表示タイマの計時値が所定時間以上でなければ今回の発光輝度決定処理を終了する。尚、サブRAM120cに設けられたタッチセンサ連続非接触タイマは、演出制御タイマ割込処理のタイマ更新処理(図17のステップS1300参照)により計時を行う。
【0279】
ステップS2703において、サブCPU120aは、図28に示す輝度レベル操作画面表示処理を行い、ステップS2704に処理を移す。
図28において、液晶表示装置31の画面には、遊技機1の製品名が記されたタイトル204や星のマーク205が表示されるとともに、画面右脇に十字キーをイメージする画像301、十字キーへの操作による発光輝度のレベルアップ、レベルダウンを示す上下の矢印302、303、発光輝度のレベルを表示するバー表示304、明るさレベルを示す表記305が表示される。」
c「【0282】
以上に示した本発明の第2の実施形態によれば、演出制御基板120による前記発光輝度決定手段は、デモ表示中に発射ハンドル3に遊技者が所定時間以上非接触になった状態で前記上側の十字キー検出スイッチ39aまたは下側の十字キー検出スイッチ39bによって所定の外部操作が検出された場合、発光手段が発光する際の発光輝度を変更するので、発光手段の発光輝度の変更と演出手段に特定の演出を実行させる制御とを遊技者による同じ個所の外部操作で行えるようにするとともに、遊技者の遊技中における誤った外部操作により前記発光手段の発光輝度の変更が行われることを防止でき、第1の実施形態と同様の効果が得られる。」
d 上記a~cの記載事項から周知例1には次の事項が記載されている(以下「周知例1の記載事項」という。)
「サブCPU120aは、サブRAM120cに設けられたタッチセンサ連続非接触タイマの計時値が所定時間以上を示すか否かを判別することで、発射ハンドル3に遊技者が所定時間以上非接触か否かを判別し、所定時間以上であれば、輝度レベル操作画面表示処理を行い、液晶表示装置31の画面には、画面右脇に十字キーをイメージする画像301、十字キーへの操作による発光輝度のレベルアップ、レベルダウンを示す上下の矢印302、303、発光輝度のレベルを表示するバー表示304、明るさレベルを示す表記305が表示され、デモ表示タイマの計時値が所定時間以上でなければ今回の発光輝度決定処理を終了し、デモ表示中に発射ハンドル3に遊技者が所定時間以上非接触になった状態で前記上側の十字キー検出スイッチ39aまたは下側の十字キー検出スイッチ39bによって所定の外部操作が検出された場合、発光手段が発光する際の発光輝度を変更する遊技機1。」
(イ)周知例2
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-288020号公報(平成17年10月20日公開)(以下「周知例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「【0056】
このパチンコ機50においては、遊技状態や図柄の変動状態等に応じて、遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる音量調節可能期間がある。そのための音量調整処理を図5に従って説明する。
【0057】
サブ統合基板90は、音量調整処理を開始すると音量調整可能期間か否かを判断する(S11)。なお、音量調整可能期間中は、図7に例示するように図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」との表示がなされる。」
b「【0066】
一方、一定期間遊技が行われていないときには(T9~T10)、図柄表示装置15の表示がデモ表示になり、初期音量設定処理により音量変更処理が行われて音量が初期音量にされる(T10)。」
c「【0114】
また、実施例では音量調整可能期間が特定変動の特定時以外の時であるが、デモ表示されている期間のみ音量調整が可能になるといった構成でもよい。上述したように変動表示中に音量調整する場合であると、音量表示、図柄、遊技球などを見なければならず遊技に集中できなくなってしまうおそれがあるが、デモ表示中であれば音量調整のみ行なえばよいので、通常中は遊技に集中できる。」
d 上記a~cの記載事項から周知例2には次の事項が記載されている(以下「周知例2の記載事項」という。)
「一定期間遊技が行われていないときに、図柄表示装置15の表示がデモ表示になり、デモ表示されている期間のみ音量調整が可能になって、音量調整可能期間中は、図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」との表示がなされ、遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できるパチンコ機50。」
(ウ)周知技術1
上記(ア)(d)の周知例1では、「遊技者が所定時間以上非接触」であれば「輝度レベル操作画面表示処理を行い、液晶表示装置31の画面に」「発光輝度」の変更操作が可能であることを示す表示をし、「所定の外部操作が検出された場合」「発光輝度を変更する」ことから、遊技者が所定時間以上非接触、すなわち、遊技が行われなくなって所定時間が経過したときに、発光輝度、すなわち、演出の環境を変更可能であることを表示し、所定の外部操作が検出された場合発光輝度を変更する、すなわち、操作の有効期間が開始しており、(イ)(d)の周知例2では、「一定期間遊技が行われていないときに、図柄表示装置15の表示がデモ表示になり、デモ表示されている期間のみ音量調整が可能になって、音量調整可能期間中は、図柄表示装置15にて「音量調整可能期間」との表示がなされ、遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる」ことから、一定期間遊技が行われていないとき、すなわち、遊技が行われなくなって所定時間が経過したときに、音量、すなわち演出の環境を変更可能であることを表示し、遊技者が操作ボタン75を操作することで音量を調整できる、すなわち、操作の有効期間が開始しており、これら周知例1及び2の記載事項を総合すると、
「遊技者の操作手段の操作によって演出の環境を変更可能であることの表示を遊技が行われなくなってから所定時間が経過したときに開始するとともに、演出の環境の変更操作の有効期間を開始する遊技機」は遊技機の技術分野において、本願出願前に周知(以下「周知技術1」という。)であると認められる。
(4)周知技術2
(ア)周知例3
令和3年1月29日付け補正の却下の決定で新たに引用された本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-198846号公報(平成27年11月12日公開)(以下「周知例3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
a「【0044】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。」
b「【0315】
図30(F)に示すように、本実施例における音量調整画面の表示中は、遊技者がスティックコントローラ31Aを傾動する音量調整操作を行うことで、スピーカ8L,8Rから出力される音量を遊技者が希望する音量に変更することができる。」
c「【0431】
また、前記実施例では、本発明の特定画像として音量調整画面やメニュー画面を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定画像は遊技者の操作を受け付けて所定処理を行うための画面であればどのような画面であっても良い。例えば、音量調整画面の代わりに遊技機に設けられた演出用ランプの輝度を調整する光量調整画面を特定画像としても良いし、2次元コードやパスワード等のコード出力画面を特定画像としても良い。
【0432】
更に、例えば、光量調整画面を特定画像とした場合に、遊技者が輝度を調整する光量調整操作を行ったときに、当該操作が受け付けられたことを示す確認音を出力するようにしても良い。つまり、本発明における操作対応処理とは、前記実施例のように音量調整画面の表示処理と音量調整操作時の確認音の出力処理のみならず、光量調整画面の表示処理と当該光量調整操作時の確認音の出力処理であっても良い。また、光量調整画面の表示処理と当該調整後の光量に対応する輝度でランプ等を光らせる確認点灯を行う処理とが本発明の操作対応処理であっても良い。このように本発明の操作対応処理は、音量調整に関する操作のみならず、光量調整に関する操作やその他の操作であっても良く、遊技者の操作に対応して実行される処理であれば操作対応処理に含まれる。特に、本発明の所定の報知を行う処理とは、確認音の出力のみならず、ランプの点灯であっても良いし、その他にも役物等の部材が動作して報知を行うものであっても良く、遊技者の操作に対応して報知を行うものであれば所定の報知を行う処理に含まれる。」
d 上記a~cの記載事項から周知例3には次の事項が記載されている(以下「周知例3の記載事項」という。)
「遊技者がスティックコントローラ31Aを傾動する光量調整操作を行うことで、遊技領域周辺部に設けられている遊技効果ランプ9の輝度を希望する光量に変更することができるパチンコ遊技機1」
(イ)周知例4
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-73432号公報(平成28年5月12日公開)(以下「周知例4」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を説明する。尚、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前面(前方)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例のパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例のフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。」
b「【0043】
また、演出制御基板12には、パチンコ遊技機1における後述する第1音量段階や第1光量段階を設定するための設定切替スイッチ300が搭載されている。第1音量段階や第1光量段階は、スピーカ8L,8Rの音量や、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光光量(輝度)を設定するための段階であり、複数段階からなる。詳しくは後述するが、設定切替スイッチ300は、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、通常、遊技店の関係者のみが操作できるものである。つまり、第1音量段階や第1光量段階は、遊技店側の操作によって変更される段階である。また、スティックコントローラ30への遊技者による操作等に基づいて、第2音量段階や第2光量段階が設定される。第2音量段階や第2光量段階は、スピーカ8L,8Rの音量や、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光光量を設定するための段階であり、複数段階からなる。第2音量段階や第2光量段階は、遊技者側の操作によって変更される段階である。尚、本実施例では、設定切替スイッチ300が演出制御基板12に搭載されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定切替スイッチ300を音声制御基板13に搭載するようにしても良く、その場合には、第1音量段階や第1光量段階の設定を音声制御基板13が行うようにしても良い。」
c「【0046】
また、演出制御基板12には、パチンコ遊技機1におけるリセットモードを選択するためのリセットモード選択スイッチ310が搭載されている。詳しくは後述するが、パチンコ遊技機1では、遊技者の操作により音量や光量を設定できるが、その他にも、遊技者の操作により予告演出の実行頻度を設定できる。リセットモード選択スイッチ310は、この遊技者の操作により設定された音量や光量や予告演出の実行頻度をリセットするときのリセットの態様を選択するために用いられる。また、リセットモード選択スイッチ310は、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、通常、遊技店の関係者のみが操作できるものである。リセットモードは、遊技店側の操作によって選択される設定である。」
d「【0105】
また、本実施例では、後述する演出実行頻度設定画面(図31参照)を表示中に、遊技者がスティックコントローラ30等を操作することにより予告演出の実行頻度(実行割合)を設定できる。遊技者は、予告演出の実行割合が高く、頻繁に予告演出が実行される「高頻度モード」と、通常の頻度で予告演出が実行される「通常頻度モード」と、予告演出の実行割合が低く、あまり予告演出が実行されない「低頻度モード」との3種類の演出実行頻度モードを選択できる。また、予告演出決定処理では、遊技者が選択した演出実行頻度モードに基づいて、高頻度モード用の第1予告演出種別決定用テーブル(図22(A))、通常頻度モード用の第2予告演出種別決定用テーブル(図22(B))、低頻度モード用の第3予告演出種別決定用テーブル(図22(C))のいずれかの予告演出種別決定用テーブルを用いて、予告演出の種別及び予告演出を実行するか否かの決定がなされる。」
e 上記a~dの記載事項から周知例4には次の事項が記載されている(以下「周知例4の記載事項」という。)
「スティックコントローラ30への遊技者による操作等に基づいて、第2光量段階及び予告演出の実行頻度(実行割合)が設定され、第2光量段階は、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光光量を設定するための段階であり、複数段階からなり、予告演出の実行割合が高く、頻繁に予告演出が実行される「高頻度モード」と、通常の頻度で予告演出が実行される「通常頻度モード」と、予告演出の実行割合が低く、あまり予告演出が実行されない「低頻度モード」との3種類の演出実行頻度モードを選択できるパチンコ遊技機1。」
(ウ)周知例5
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2003-205088号公報(平成15年7月22日公開)(以下「周知例5」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「【0014】
また図1に示すパチンコ遊技機1には、遊技者が発光部の発光パターンを選択するための切換スイッチ19が上球皿6の外側に設けられている。なお「発光部」とは、後述する区画領域毎に発光可能に形成された発光表示部A~F(あるいは区画領域A1~F1)のことである。さらに上記切換スイッチ19により選択された発光パターンの番号などを表示するための表示装置20が遊技盤4の下隅の位置に設けられている。また図中21にはスピーカなどの音声発生装置が内蔵されている。」
b「【0053】
また、予め複数種類の発光パターンを設定しておいて、発光制御部83のROMなどに記憶保持させておいて、遊技機前面に設けた切替えスイッチ19の操作によって、発光表示部の発光パターンを切替えるように形成することができる。この場合、遊技者が切替えスイッチを操作して任意に発光パターンを選択することができるため、特別遊技状態の時に単調な状態を繰り返すのではなく、各特別遊技状態ごとに発光表示を変化に富んだものとすることができるため、遊技者が飽きずに遊技を楽しむことができる。さらに、前記の選択した発光パターンを数字や文字などのパターン識別情報として遊技機前面に設けた発光パターン表示装置20に表示するように構成すれば、遊技者が選択した発光パターンの状態を容易に識別可能である。また図示しないが、切替えスイッチや発光パターン表示装置などを制御部の基板に搭載して遊技機裏面に装着し、ホールの管理者が予め発光パターンを設定することができるように構成してもよい。」
c 上記a~bの記載事項から周知例5には次の事項が記載されている(以下「周知例5の記載事項」という。)
「遊技者が発光部の発光パターンを選択するための切換スイッチ19が上球皿6の外側に設けられ、予め複数種類の発光パターンを設定しておいて、発光制御部83のROMなどに記憶保持させておいて、遊技機前面に設けた切替えスイッチ19の操作によって、発光表示部の発光パターンを切替えるように形成することができるパチンコ遊技機1。」
(エ)周知例6
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2006-141472号公報(平成18年6月8日公開)(以下「周知例6」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「【0096】
この操作メニュー画面Mから分かるように、本実施形態では、図7および図8に関して前述したCPU31によるメイン処理で抽選により決定される役(BB/RB、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ等)毎に、また、発光部(ランプA~D)101A~101D毎に、発光態様(発光色および発光パターン等)を設定することができる。
【0097】
また、操作メニュー画面M上の発光態様の設定変更は、例えば操作部17の所定のボタンを押すことにより、あるいは、タッチパネル方式で操作することにより行なうことができる。例えば、タッチパネル方式の場合には、役、発光色、発光パターンの各表示部位をタッチすることによりこれらの表示内容が変化し、また、「もどる」の表示部位をタッチすると、前の画面(異なる発光部の発光態様設定画面)に戻るとともに、「すすむ」の表示部位をタッチすると、次の画面(異なる他の発光部の発光態様設定画面)に進む。また、所定の決定ボタンを押すと、この時点で操作メニュー画面M上に表示されている発光態様に設定され、その旨の信号がコマンドとして音・ランプ制御回路72bに送信される。このコマンドは、前述したように未処理コマンドとしてワークRAM95の作業領域に格納される。」
b「【0103】
本発明は、スロットマシンのみならず、パチンコ機等の様々な遊技機に適用することができる。」
c 上記a~bの記載事項から周知例6には次の事項が記載されている(以下「周知例6の記載事項」という。)
「発光部(ランプA~D)101A~101D毎に、発光態様(発光色および発光パターン等)を設定することができ、発光色、発光パターンの各表示部位をタッチすることによりこれらの表示内容が変化し、所定の決定ボタンを押すと、この時点で操作メニュー画面M上に表示されている発光態様に設定されるパチンコ機。」
(オ)周知例7
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-131851号公報(平成28年7月25日公開)(以下「周知例7」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「【0075】
本実施形態では、主制御基板105から客待ちデモコマンドを受信してから変動パターンコマンド等を受信するまでの期間、即ち特別図柄及び演出図柄101の変動表示が途絶えている期間をメニュー表示可能期間とするが、それ以外の期間をメニュー表示可能期間としてもよい。また本実施形態では、遊技モードの変更に特化したメニュー画面を採用するが、もちろんメニュー画面で選択可能な項目は任意であり、例えば音量調整、各種設定事項の変更、各種情報の表示等を選択可能としてもよい。なお本実施形態では、後述するパトチャレンジ演出を実行可能なパトチャレンジモード(第2遊技モード)と、パトチャレンジ演出を実行しないノーマルモード(第1遊技モード)との2種類の遊技モードの何れかを選択可能である。」
b「【0081】
遊技モード変更手段134は、遊技モードの変更処理を行うもので、メニュー表示制御手段133からの遊技モード変更指令に基づいて、遊技モードをノーマルモードからパトチャレンジモードへ、或いはパトチャレンジモードからノーマルモードへと変更するようになっている。」
c「【0083】
遊技モードが変更された場合には(S1:Yes)、変更後の遊技モードを判定し(S2)、変更後の遊技モードがパトチャレンジモードの場合には、駆動制御手段135aが、回転体35をノーマル態様(第1態様)からパトランプ態様(第2態様)に切り替えるべく回転駆動手段39を制御し(S3)、また発光制御手段135bが、LED46a,46bの発光態様を白色連続発光等のノーマル発光態様(第1遊技報知態様)から赤色連続発光等のパトチャレンジ発光態様(第2遊技報知態様)に切り替え(S4)、遊技モード報知処理を終了する。」
d「【0085】
なお、パトチャレンジ発光態様とノーマル発光態様とは、発光させるLEDの数や配置、発光色、点滅パターン等の少なくとも一つが異なっていればよい。また、パトチャレンジ発光態様、ノーマル発光態様によるLED46a,46bの発光は、次に遊技モードが変更されるまで連続的又は断続的に行うようにしてもよいし、遊技モードの変更から所定期間だけ行うようにしてもよい。」
e「【0108】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、第1操作手段21が操作された場合に、回転体(可動手段)35がノーマル態様(第1態様)からパトランプ態様(第2態様)に変化可能に構成されているため、回転体35の動作に遊技者の意志が直接反映され、遊技者の遊技意欲をより喚起することが可能である。」
f 上記a~eの記載事項から周知例7には次の事項が記載されている(以下「周知例7の記載事項」という。)
「パトチャレンジ演出を実行可能なパトチャレンジモード(第2遊技モード)と、パトチャレンジ演出を実行しないノーマルモード(第1遊技モード)との2種類の遊技モードの何れかを選択可能であり、遊技モード変更手段134は、遊技モードの変更処理を行うもので、遊技モードをノーマルモードからパトチャレンジモードへ、或いはパトチャレンジモードからノーマルモードへと変更するようになっており、遊技モードが変更された場合には、変更後の遊技モードを判定し、変更後の遊技モードがパトチャレンジモードの場合には、発光制御手段135bが、LED46a,46bの発光態様を白色連続発光等のノーマル発光態様(第1遊技報知態様)から赤色連続発光等のパトチャレンジ発光態様(第2遊技報知態様)に切り替えるパチンコ機。」
(カ)周知例8
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-213829号公報(平成27年12月3日公開)(以下「周知例8」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「【0636】
以下、図56~図75を参照して、第4実施形態の遊技機1について説明する。」
b「【0691】
(第4実施形態の効果)
本発明の第4実施形態によれば、演出制御装置700は、予告詳細テーブルと乱数値とを用いて、複数の演出態様から変動表示ゲームの演出態様を選択する予告詳細抽選処理を実行する。そして、遊技者によって複数段階(低出現、通常出現、高出現)の中からいずれのプレミア演出出現頻度が選択されても、一の予告詳細テーブルと乱数値を用いて予告詳細抽選処理におけるプレミア演出の出現頻度を変更することができる。これにより、プログラム容量の増加を抑えつつ、プレミア演出(特定の演出)の出現頻度を変更することができる。
【0692】
具体的には、本発明の第4実施形態によれば、演出制御装置700は、プレミア演出の出現頻度が高く設定されている場合は予告詳細テーブルのプレミア演出に対応する乱数の範囲(割合)を大きくし、プレミア演出の出現頻度が低く設定されている場合は、予告詳細テーブルのプレミア演出に対応する乱数の範囲(割合)を小さくする。そして、遊技者は演出ボタン70への操作入力によってプレミア演出の出現頻度を所望の出現頻度に設定する。これにより、設定された出現頻度が異なっても共通の予告詳細テーブルを用いて、遊技者が所望するプレミア背景の出現頻度に対応することができ、プログラム容量の増加を招くことなく遊技の興趣を高めることができる。」
c「【0753】
(第4実施形態の変形例4の効果)
本発明の第4実施形態の変形例4によれば、プレミア演出出現頻度を高める場合には今回の特図変動が大当りとなる場合に限り、規定回数を上限にプレミア演出が選択されるまで予告抽選を繰り返す。これにより、第4実施形態の変形例2と同様の効果を奏するだけでなく、さらに、プレミア演出の高い期待度を低下させることなくプレミア演出の出現頻度を高めることができる。
【0754】
(第4実施形態の変形例5)
次に、図75を参照して、本発明の第4実施形態の変形例5について説明する。第4実施形態では、遊技者が出現頻度を設定可能な演出としてプレミア演出を例に挙げて説明した。そして、演出ボタン入力処理(図56)において客待ちデモ中にプッシュボタン71の操作入力があると表示装置35にプレミア演出の演出出現頻度選択画面(図57)が表示される。これに対し、第4実施形態の変形例5では、客待ちデモ中にプッシュボタン71の操作入力があると、まず、複数の演出から遊技者の意向を反映する演出を選択する演出選択画面が表示され、遊技者の意向を反映する演出が決まったら演出出現頻度選択画面(演出調整選択画面)が表示される。
【0755】
〔演出選択画面及び演出出現頻度選択画面〕
図75は、本発明の第4実施形態の変形例5の演出選択画面及び演出出現頻度選択画面の画面遷移の一例を示す図である。図中の矢印の実線はプッシュボタン71の操作入力による画面遷移を示し、破線はセレクトボタン72の操作入力による画面遷移を示す。
【0756】
図75(A)は、演出選択画面の画面遷移の一例である。ここでは、前述のプレミア演出の出現率の他に、スピーカ10(音出力装置)の音量調整、照明ユニット8や可動式照明9等(発光装置)の明るさ調整及び枠演出装置22の可動役物等のキャラクタ(可動役物装置)の選択率についても遊技者の意向を反映することができる。演出選択画面における演出の選択方法、画面遷移タイミングは、演出出現頻度選択画面(図57)の仕様と同様である。」
d「【0760】
図75(B)は、強発光演出の演出出現頻度選択画面の一例である。演出出現頻度選択画面に表示される4段階の出現頻度は、演出選択画面と同様に遊技者がセレクトボタン72を操作することで選択可能である。そして、遊技者が希望する出現頻度が選択状態になっているときに、遊技者がプッシュボタン71を操作することで出現頻度の選択が確定する。そして、表示装置35は、演出出現頻度選択画面から演出選択画面に切り替わる。なお、強発光演出の出現頻度の変更に係る処理は、第4実施形態から第4実施形態の変形例4で述べたプレミア演出の出現頻度の変更に係る処理が適用可能である。」
e「図56
[図:0001380769000005.jpg]
」
f「図75
[図:0001380769000006.jpg]
」
g 上記a~fの記載事項及び図示内容から周知例8には次の事項が記載されている(以下「周知例8の記載事項」という。)
「遊技者によって複数段階(低出現、通常出現、高出現)の中からいずれかの高い期待度のプレミア演出出現頻度及び強発光演出の出現頻度が選択され、遊技者は演出ボタン70への操作入力によってプレミア演出及び強発光演出の出現頻度を所望の出現頻度に設定する遊技機1。」
(キ)周知例9
新たに提示する本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-83506号公報(平成28年5月19日公開)(以下「周知例9」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。
a「【0013】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ機1の機械的構成について説明する。」
b「【0045】
図8を参照して、本実施形態のパチンコ機1が実行する演出モードについて説明する。演出モードとは、報知演出の種別を決定するためのモードである。報知演出の内容(演出時間、演出で報知する大当たり判定の結果等)を示す変動パターンの1つが決定されると、決定された変動パターンが示す報知演出が、その時点で生起されている演出モードに対応させて実行される。例えば、演出モードが変化すると、報知演出中に登場するキャラクタ、背景、予告演出の種類、リーチ演出の種類等が変化する。
【0046】
本実施形態の演出モードは、通常演出モードと特別演出モードの2つの種別に大別される。通常演出モードは、特別演出モードに比べて実行される頻度が高い演出モードである。特別演出モードでは、判定結果が大当たりの場合に特定の演出が実行され易く、はずれの場合には特定の演出が実行され難い(もしくは、全く実行されない)。つまり、特別演出モードが実行されている場合、実行されている特別演出モードに応じて定められている特定の演出が実行されると、遊技者は大当たりに対する強い期待(もしくは確信)を持てる。
【0047】
通常演出モードには、モードA、モードB、およびモードCの3つの演出モードが設けられている。モードAでは、ステップアップ予告が実行される頻度が高い。ステップアップ予告とは、所定の態様の予告演出を段階的に変化させることで大当たりの期待度を遊技者に報知する予告方法である。サブ制御基板58は、大当たり判定の結果が大当たりの場合には、はずれの場合に比べてステップアップ予告の段階的な変化を多くする。モードBでは、キャラクタ予告が実行される頻度が高い。キャラクタ予告とは、大当たりの期待度、リーチ演出の有無等に応じたキャラクタ(背景変化等を含む)を表示させる予告方法である。モードCでは、スベリ演出を伴ってリーチ状態となる頻度が高くなる。スベリ演出とは、デモ図柄の少なくとも1つを一旦停止または減速させた後に、再度加速させることで、リーチ演出に移行させる演出である。
【0048】
特別演出モードには、モードX、モードY、およびモードZの3つの演出モードが設けられている。モードXでは、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合に、ステップアップ予告が実行される頻度が高くなる。判定結果がはずれの場合には、ステップアップ予告は実行され難い。従って、ステップアップ予告が実行されるだけで、遊技者は大当たりに対する強い期待を持てる。同様に、モードYでは、判定結果が大当たりである場合に、キャラクタ予告が実行される頻度が高くなる。よって、キャラクタ予告が実行されるだけで、遊技者は強い期待を持てる。モードZでは、判定結果が大当たりである場合に、スベリ演出を伴ってリーチ状態となる頻度が高くなる。よって、遊技者は、スベリ演出が実行されることを期待して演出に注目する。
【0049】
特別演出モードが実行されている場合、遊技者は、特定の演出(ステップアップ予告、キャラクタ予告、またはスベリ演出)が実行されるだけで、大当たりに対する強い期待を持つことができる。一方で、特定の演出が実行される頻度は、通常演出モードが実行されている場合に比べて低下する。また、特別演出モードが実行されている場合には、特定の演出が実行されなければ、強い期待を持つことは難しい。従って、遊技者の性格、気分等に応じて、遊技者が特別演出モードを好む度合いは異なる。本実施形態に係るパチンコ機1は、特別演出モードを含む多数の演出モードを遊技者に楽しませつつ、遊技者が所望する演出モードが実行される割合を増やすことができる。以下、処理の詳細について説明する。」
c「【0057】
図11に示すように、特別演出モード処理では、選択可能状態であることが遊技者に報知されているか否かが判断される(S101)。選択可能状態とは、実行モードを終了させるか否かを遊技者が選択できる状態である。図12に示すように、本実施形態のパチンコ機1は、「ボタンを押したらモードが変わるよ!」のメッセージを含む選択可能状態報知画像29を表示画面28に表示させることで、選択可能状態であることを遊技者に報知する。しかし、選択可能状態であることを報知する方法は適宜変更できる。例えば、音声を用いて報知してもよい。操作ボタン9(図1および図3参照)の内部に設けられたLED等を発光させることで報知してもよい。表示画面28とは異なる表示手段を別に設けて、選択可能状態であることを示す画像を表示してもよい。」
d「図8
[図:0001380769000007.jpg]
」
e 上記a~dの記載事項及び図示内容から周知例9には次の事項が記載されている(以下「周知例9の記載事項」という。)
「報知演出の種別を決定するためのモードである演出モードを備え、通常演出モードは、特別演出モードに比べて実行される頻度が高い演出モードであり、特別演出モードでは、判定結果が大当たりの場合に特定の演出が実行され易く、はずれの場合には特定の演出が実行され難く、
通常演出モードには、モードA、モードB、およびモードCの3つの演出モードが設けられ、モードAでは、ステップアップ予告が実行される頻度が高く、モードBでは、キャラクタ予告が実行される頻度が高く、モードCでは、スベリ演出を伴ってリーチ状態となる頻度が高くなっており、
特別演出モードには、モードX、モードY、およびモードZの3つの演出モードが設けられ、モードXでは、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合に、ステップアップ予告が実行される頻度が高くなり、モードYでは、判定結果が大当たりである場合に、キャラクタ予告が実行される頻度が高くなり、モードZでは、判定結果が大当たりである場合に、スベリ演出を伴ってリーチ状態となる頻度が高くなっており、
特別演出モード処理で遊技者に選択可能状態であることが遊技者に報知され、実行モードを終了させるか否かを遊技者が選択できる状態であり、「ボタンを押したらモードが変わるよ!」のメッセージを含む選択可能状態報知画像29を表示画面28に表示させることで、選択可能状態であることを遊技者に報知するパチンコ機1。」
(ク)周知技術2
遊技機の技術分野において、遊技者の操作手段の操作によって変更可能な演出の環境として、
上記(ア)d、(イ)eの周知例3及び周知例4の記載事項を総合すると、ランプの光量、
上記(ウ)c、(エ)cの周知例5及び周知例6の記載事項を総合すると、ランプの点灯パターン、
上記(エ)c、(オ)fの周知例6及び周知例7の記載事項を総合すると、ランプの色、
上記(カ)g、(キ)eの周知例8及び周知例9の記載事項を総合すると、演出モードの出現頻度、
上記(イ)e、(カ)gの周知例4及び周知例8の記載事項を総合すると、予告演出の出現頻度、
とすることは、本願出願前に周知(以下「周知技術2」という。)であると認められる。
上記「演出モードの出現頻度」について、周知例8及び9との関係を捕足する。
周知例8の記載事項では、強発光演出の出現頻度が選択することができ、その選択肢は、強発光演出が、「出やすい設定」、「いつも通り」、「激レア設定」、「なし」であり、「モード」とは一般的に「様式。形式。方法。」を意味することから、周知例8の記載事項の「強発光演出の出現頻度」が本件補正発明の「演出モードの出現頻度」に相当する。
また、周知例9の記載事項では、通常演出モードには、モードA、モードB、およびモードCの3つの演出モードが設けられ、モードAでは、ステップアップ予告が実行される頻度が高く、モードBでは、キャラクタ予告が実行される頻度が高く、モードCでは、スベリ演出を伴ってリーチ状態となる頻度が高くなっていることから、例えば、モードAでは、ステップアップ予告が他の予告より実行される頻度が高いのであって、前記したとおり「モード」とは一般的に「様式。形式。方法。」を意味することから、周知例9の記載事項のステップアップ予告、キャラクタ予告、スベリ演出を伴ってリーチ状態となることのいずれかの予告が実行される頻度が、本件補正発明の「演出モードの出現頻度」に相当する。
(5)対比
本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a)構成Aについて
引用発明の構成aの「演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出」、「遊技機100」は、それぞれ本件補正発明の「様々な演出」、「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する構成を有する。
(b)構成Bについて
引用発明の構成b、cの「遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタンと、遊技者の回転操作を受け付ける回転操作部とで構成され」る「演出操作装置208」のうちいずれか一方は、本件補正発明の「遊技者の操作を受け付ける少なくとも1つの操作指示手段」に相当する。
よって、引用発明の構成b、cは、本件補正発明の構成Bに相当する構成を有する。
(c)構成Cについて
引用発明の構成a、b、cでは「遊技機100」が「遊技の基本動作を制御する主制御基板300」、「主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて主に遊技中や待機中等の各演出を制御する副制御基板330」、「副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う画像制御基板340」を備えおり、引用発明の構成b、cでは「演出操作装置208は」「演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行され」ることは、本件補正発明の「いずれかの前記操作指示手段を遊技者が操作することによって演出内容が変化する可変演出を実行」することに相当することから、引用発明の構成a、b、cの「主制御基板300」、「副制御基板330」及び「画像制御基板340」は本件補正発明の「演出制御手段」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の構成Cに相当する構成を有する。
(d)構成Dについて
引用発明の構成d、e、fでは「主制御基板300では、特別図柄の変動表示が終了したとき、次なる保留が記憶されていない場合には、客待ち処理が行われ、客待ちコマンドを副制御基板330に送信し、副制御基板330では、客待ちコマンドを受信すると、当該客待ちコマンドを受信してからの経過時間を計時し、客待ち状態に移行してから所定時間が経過すると、演出表示部200aの下部に、情報バー211を表示する報知演出を開始し」ており、「報知演出(情報バー211の表示)は、客待ちコマンドを受信してから20秒が経過すると開始され、60秒が経過すると終了となり」、「音量変更操作は、客待ちコマンドを受信してから5秒が経過するまでの間は無効、すなわち、音量変更操作を受け付けないこととしており、5秒経過後は、常に、音量変更操作を有効に受け付け」ることから、引用発明の「特別図柄の変動表示が終了したとき」から「次なる保留が記憶されていない」状態が続いている期間、「客待ちコマンドを受信」したときから「5秒が経過するまで」の期間、「5秒経過後」、「演出操作装置208を回転操作する」ことは、それぞれ本件補正発明の「前記可変演出の非実行期間」、「前記非実行期間に設定された所定期間」、「設定された所定期間の経過後」、「前記操作指示手段のうち1つの前記操作指示手段である特定操作指示手段が操作された場合」に相当する。
また、引用発明の構成d、e、fの「変動演出等に出力される出力音声の設定音量」は、本件補正発明の「前記可変演出の環境」に相当し、引用発明は「演出操作装置208を回転操作すると、変動演出等に出力される出力音声の設定音量の変更が可能である」ことから、引用発明の「演出操作装置208を回転操作すると、」「設定音量」が「変更」することは、本件補正発明の「前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更する」ことに相当する。
また、引用発明では「音量変更操作は、客待ちコマンドを受信してから5秒が経過するまでの間は無効、すなわち、音量変更操作を受け付けないこととして」おり、上記のとおり引用発明の「5秒」の間が本件補正発明の「所定期間」に相当することから、引用発明の「音量変更操作は、客待ちコマンドを受信してから5秒が経過するまでの間は」「音量変更操作を受け付けないこと」は、本件補正発明の「前記所定期間内に前記特定操作指示手段が」操作されても前記環境を変更しない」ことに相当し、引用発明の構成d、e、fの「演出制御基板330」は、本件補正発明の「環境変更手段」に相当する。
よって、引用発明の構成d、e、fは、本件補正発明の構成Dに相当する構成を有する。
(e)構成Eについて
引用発明の構成d、e、fの「変動演出等に出力される出力音声の設定音量の変更が可能であることを報知」すること、「演出表示部200a」は、それぞれ本件補正発明の「前記特定操作指示手段の操作によって前記環境を変更可能であることを」「表示する」こと、「表示手段」に相当する。
また、引用発明では「客待ち状態に移行してから所定時間が経過すると、演出表示部200aの下部に、情報バー211を表示する報知演出を開始し」「演出操作装置208を回転操作すると、変動演出等に出力される出力音声の設定音量の変更が可能であることを報知し」「報知演出(情報バー211の表示)は、客待ちコマンドを受信してから20秒が経過すると開始され、60秒が経過すると終了となり」「音量変更操作は、客待ちコマンドを受信してから5秒が経過するまでの間は無効、すなわち、音量変更操作を受け付けないこととしており、5秒経過後は、常に、音量変更操作を有効に受け付け」ており、「変動演出等に出力される出力音声の設定音量の変更が可能であること」の「報知」は、「音量変更操作を有効に受け付け」る「客待ちコマンドを受信してから」「5秒経過後」より後の「20秒が経過」した時であることから、引用発明と本件補正発明とは「前記特定操作指示手段の操作によって前記環境を変更可能であることを、一定の期間が経過したときに表示する表示手段」を備える点で共通する。
(f)構成Gについて
引用発明の構成gの「遊技機100」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の構成gは、本件補正発明の構成Gに相当する構成を有する。
上記(a)~(f)によれば、本件補正発明と引用発明は、
<一致点>
「A 様々な演出が行われる遊技機において、
B 遊技者の操作を受け付ける少なくとも1つの操作指示手段と、
C 前記演出のうち、いずれかの前記操作指示手段を遊技者が操作することによって演出内容が変化する可変演出を実行する演出制御手段と、
D 前記可変演出の非実行期間のうち、前記非実行期間に設定された所定期間の経過後に、前記操作指示手段のうち1つの前記操作指示手段である特定操作指示手段が操作された場合、前記演出のうち少なくとも前記可変演出の環境を、前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更するとともに、前記所定期間内に前記特定操作指示手段が操作されても前記環境を変更しない環境変更手段と、
E’前記特定操作指示手段の操作によって前記環境を変更可能であることを、一定の期間が経過したときに表示する表示手段と、
を備える
G 遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>(構成E)
「表示手段」で「前記特定操作指示手段の操作によって前記環境を変更可能であることを」「表示する」のは、
本件補正発明では、「前記所定期間が経過したとき」であるのに対して、
引用発明では、「音量変更操作を有効に受け付け」る「客待ちコマンドを受信してから」「5秒」(所定期間)「経過後」より後の「20秒が経過」した時である点。
<相違点2>(構成F)
「可変演出の環境」として、
本件補正発明では、「ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度である」のに対して、
引用発明では、「変動演出等に出力される出力音声の設定音量」である点。
(6)判断
ア 相違点1について
上記(2)エのとおり「客待ち状態にあるときに演出表示部200aに対する画像の表示や、音量変更操作の受け付けを、客待ちコマンドを受信して即座に開始するのではなく、一定時間が経過してから行う遊技機。」は、引用文献1に記載の技術事項である。
そして、引用発明及び引用文献1に記載の技術事項は、ともに遊技者に演出の環境を変更可能とするものであり、また、客待ちコマンドを受信して客待ち状態になってから即座に変更操作の受け付けを開始せず一定期間が経過してから開始する点で機能、作用が共通しているから、引用発明に引用文献1に記載の技術事項を適用して、引用発明において、客待ちコマンドを受信してから20秒が経過してから開始している報知演出を、変更操作の受け付けを開始する客待ちコマンドを受信してから5秒が経過したときに開始するようにして、本件補正発明の相違点1に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
また、「遊技者の操作手段の操作によって演出の環境を変更可能であることの表示を遊技が行われなくなってから所定時間が経過したときに開始するとともに、演出の環境の変更操作の有効期間を開始する遊技機」は上記(3)で説示したとおり遊技機の技術分野において周知技術1であって、引用発明及び周知技術1は、ともに遊技者に演出の環境を変更可能とするものである点で機能、作用が共通していることから、引用発明の「音量変更操作」の「有効」な「受け付け」として、上記周知技術1を採用し、引用発明おいて、客待ちコマンドを受信してから20秒が経過してから開始している報知演出を、変更操作の受け付けを開始する客待ちコマンドを受信してから5秒が経過したときに開始するようにして、本件補正発明の相違点1に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
イ 相違点2について
上記(4)で説示したとおり遊技者の操作手段の操作によって変更可能な演出の環境として、「ランプの光量」、「ランプの点灯パターン」、「ランプの色」、「演出モードの出現頻度」、及び、「予告の出現頻度」は、それぞれ、周知技術2において列記したように、遊技機の技術分野において、本願出願前に周知の事項である。
そして、引用発明及び周知技術2は、ともに遊技者が操作手段の操作によって遊技機の演出の環境を変更するという点で機能、作用が共通していることから、引用発明に周知技術2を適用して、遊技者が変更可能な演出の環境として、「変動演出等に出力される出力音声の設定音量」に代えて、又は、加えて、「ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、予告の出現頻度」のいずれかを採用して、本件補正発明の相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果、引用文献1の記載事項及び周知技術2の奏する効果、又は、引用発明の奏する効果、周知技術1及び周知技術2の奏する効果から、予測することができた程度のものである。
(7)請求人の主張について
請求人は、令和3年3月1日付けの審判請求書において、次の点について主張をする。
「本願発明1と引用文献1、2の記載とを対比しますと、本願発明1の構成のうち、少なくとも、以下の相違点1の構成は、引用文献1、2には記載されていないという点で相違します。
(相違点1)
“所定期間の経過後に特定操作指示手段が操作された場合は変更するが、所定期間内に特定操作指示手段が操作されても変更しない環境が、ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度であること”
(4)本願発明1の進歩性について
上記相違点1の構成を想起して引用文献1、2記載の発明に適用することは当業者にとって決して容易ではありません。その理由を以下で説明します。
(a)引用文献1記載の発明は、「最適なタイミングで音量の調整を実行すること」(段落0007)という課題を解決しようとする発明です。仮に、「音量」を「ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度」に変更すると、本来の課題を放棄することになります。よって、上記相違点1の構成を引用文献1記載の発明に適用する動機付けはなく、その適用には明白な阻害要因が存在します。
(b)引用文献2記載の発明においても、何の示唆もない条件下で、「音量」を「ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度」に変更する動機付けは全くありません。
以上、(a)、(b)で述べましたとおり、上記相違点1の構成は決して容易に想起できる構成ではありませんので、本願発明1は決して容易に発明できる発明ではありません。」((3)本願発明1と引用文献1、2の記載との対比)
そこで、請求人の上記主張について検討する。
上記(5)イにおいて検討したように、引用発明及び周知技術2は、ともに遊技者が操作手段の操作によって遊技機の演出の環境を変更するという点で機能、作用が共通していることから動機付けは存在しており、少なくとも、遊技者が変更可能な演出の環境して、「変動演出等に出力される出力音声の設定音量」に加えて、「ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、予告の出現頻度」のいずれかを採用すれば、請求人が主張する「本来の課題を放棄すること」にならないことから、請求人の上記主張を採用することはできない。
(8)上申書について
請求人は、令和3年4月16日に上申書を提出し、補正の意思と補正案を提示するとともに補正の機会の付与について述べている。
しかしながら、補正案として提示された令和3年3月1日提出の手続補正書により補正された本願発明において、「前記環境は、ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度であること」の部分を、「前記環境は、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度であること」に限縮したものは、上記(6)イで説示したとおりであり、当該補正案に基づいた補正をしたとしても進歩性を有しない。
よって、上申書における請求人の補正案は採用できない。
(9)まとめ
以上のように、本件補正発明は、当業者が、引用発明、引用文献1の記載事項及び周知技術2、又は、引用発明、周知技術1及び周知技術2から容易に発明できたものである。
したがって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年7月9日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
様々な演出が行われる遊技機において、
遊技者の操作を受け付ける少なくとも1つの操作指示手段と、
前記演出のうち、いずれかの前記操作指示手段を遊技者が操作することによって演出内容が変化する可変演出を実行する演出制御手段と、
前記可変演出の非実行期間のうち、前記非実行期間に設定された所定期間の経過後に、前記操作指示手段のうち1つの前記操作指示手段である特定操作指示手段が操作された場合、前記演出のうち少なくとも前記可変演出の環境を、前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更する環境変更手段と、
前記特定操作指示手段の操作によって前記環境を変更可能であることを、前記所定期間が経過したときに表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。」
2 拒絶の理由(令和2年11月5日付け)
原査定の拒絶の理由は、この出願の令和2年7月9日提出の手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものを含むものである。
引用文献1.特開2014-108299号公報
3 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1である特開2014-108299号公報の記載事項及び引用発明の認定については、前記「第2 2 2-2(2)引用発明」に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明(上記第2〔理由〕1)は、本件補正発明(上記第2〔理由〕2の2-2(1))から、上記「第2〔理由〕2の2-1」において検討したとおり、本件補正発明において、「環境変更手段」に関して「前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更するとともに、前記所定期間内に前記特定操作指示手段が操作されても前記環境を変更しない」としていたものを「特定操作指示手段が操作された場合、前記演出のうち少なくとも前記可変演出の環境を、前記特定操作指示手段が操作された操作量に応じた形式に変更する」と限定を省くとともに、「前記可変演出の環境」について「前記環境は、ランプの光量、ランプの点灯パターン、ランプの色、演出モードの出現頻度、又は予告の出現頻度である」との限定を省くことを含むものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、上記「第2〔理由〕2の2-2(5)対比」において検討した、上記相違点1のみで相違するから、本願発明も上記第2〔理由〕2の2-2(6)で示した理由と同様の理由により、当業者が、引用発明及び引用文献1の記載事項、引用発明及び周知技術1に基いて、容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-002671