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商標異議申立

2020-900349

スキンアブソリュ、スキンアブソリュー、アブソリュ、アブソリュー

審判番号
2020-900349
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2020-056002
登録番号
商標登録第6307994号(T6307994)
請求日
2020年12月24日
審決日
2021年10月05日
公報発行日
2021年11月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社クルード
  • 【権利者代理人】吉本 力
  • 【異議申立人】ロレアル
  • 【異議申立人代理人】廣中 健
  • 【異議申立人代理人】宮川 美津子
  • 【異議申立人代理人】池田 万美
審判長/審判官
  • 審判長 半田 正人
  • 審判官 大森 友子
  • 審判官 水落 洋
分類
T1651.261-Y (W03) / T1651.262-Y (W03) / T1651.263-Y (W03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6307994号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6307994号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6307994号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり「SKIN ABSOLUE」の文字と「スキンアブソリュ」の文字を上下二段に書してなり、令和2年5月8日に登録出願、第3類「化粧品,歯磨き,せっけん類,香料,薫料」を指定商品として、同年10月13日に登録査定、同月23日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用する登録商標は、以下の4件であり、現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。 (1)登録第4841247号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 ABSOLUE(標準文字) 登録出願日 平成12年8月4日 設定登録日 平成17年2月25日 指定商品  第3類「化粧品」 (2)国際登録第1118210号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 MOUSSE ABSOLUE 国際登録出願日 2012年4月16日 設定登録日 平成25年5月24日 指定商品  第3類「Perfumes, toilet water; bath and shower gels and salts for non-medical use; toilet soap; body deodorants; cosmetics particularly face, body and hand creams, milks, lotions, gels and powders; tanning and after-sun milks, gels and oils (cosmetics); make-up preparations; shampoos; gels, mousses, balms and hair care and styling products in the form of aerosols; hair spray; hair dyes and bleaching products; hair waving and setting products; essential oils.」 (3)登録第5534847号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 ESSENCE ABSOLUE(標準文字) 登録出願日 平成24年6月1日 設定登録日 平成24年11月9日 指定商品  第3類「せっけん類,化粧品,香料,薫料」 (4)登録第5087972号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の態様 別掲2のとおりの構成 登録出願日 平成19年3月9日 設定登録日 平成19年11月2日 指定商品  第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、「SKIN ABSOLUE」の欧文字と「スキンアブソリュ」の片仮名を上下二段にしてなるところ、本件商標の後半部の「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字は、「絶対の、絶対的な」を意味するフランス語(甲6)であると同時に、申立人の傘下のランコムに係る周知な化粧品ブランド(甲7)に係る商標「ABSOLUE」と同一の文字である。 一方、本件商標の前半部の「SKIN」及び「スキン」の文字は、「皮膚、肌」を意味する平易な英単語で、本件商標の指定商品である化粧品やせっけん類、香料、薫料等の品質や用途表示として普通に使用されている取引の実情があるから、商品の品質・用途表示や普通名称として一般に認識されている語である。 本件商標は、商品の品質・用途表示や普通名称にすぎない「SKIN」及び「スキン」と指定商品との関係で識別力を有し、出所識別標識として強く支配的な印象を与える「ABSOLUE」及び「アブソリュ」が結合した商標であるから、後半部の「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字部分を要部として、他の商標との類否判断を行うべきである。 そうすると、本件商標からは、「スキンアブソリュ」との称呼及び「絶対的な皮膚、絶対的な肌」といった観念が生じるほか、その要部である後半部の「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の部分から「アブソリュ」の称呼及び「絶対の、絶対的な」の観念をも生ずるというべきである。 イ 引用商標 (ア)引用商標1は、「ABSOLUE」の欧文字を標準文字で横書きしてなるものであり、その構成態様から「アブソリュ」の称呼及び「絶対の、絶対的な」の観念が生じる。 (イ)引用商標2は、「MOUSSE ABSOLUE」の欧文字を横書きしてなるものであり、その構成中「MOUSSE」の文字部分は指定商品との関係で、化粧品やせっけん類等の形状(ムース状の化粧品やせっけん類)といった品質を表示するにすぎず、識別力の弱い部分であることから、要部である後半部分の「ABSOLUE」の文字部分から「アブソリュ」の称呼及び「絶対の、絶対的な」の観念が生じる。 (ウ)引用商標3は、「ESSENCE ABSOLUE」の欧文字を標準文字で横書きしてなるものであり、その構成中「ESSENCE」の文字部分は、指定商品との関係では「美容液」といった意味を有する識別力の弱い部分であることから、要部である後半部分の「ABSOLUE」の文字部分から「アブソリュ」の称呼及び「絶対の、絶対的な」の観念が生じる。 (エ)引用商標4は、「ABSOLUE」と「β-WHITE」の欧文字を上下二段にした態様からなることから、その構成中「ABSOLUE」の文字部分が分離抽出され、単独で要部と認識されるから、当該部分から「アブソリュ」の称呼及び「絶対の、絶対的な」の観念が生じる。 ウ 指定商品の類否について 本件商標に係る指定商品と引用商標の指定商品とは、生産部門、販売部門、流通経路、用途及び需要者の範囲が一致する。 したがって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。 エ 本件商標と引用商標の類否について 両商標の類否について検討すると、引用商標は、上記イのとおり、「アブソリュ」の称呼及び「絶対の、絶対的な」の観念が生じ、さらに申立人の傘下のランコムが「化粧品」に使用して周知となっている「ABSOLUE(アブソリュ)」の化粧品ブランドとの観念も生じる。 他方、本件商標は、上記アのとおり、前半部の「SKIN」及び「スキン」の文字部分は自他商品識別力を有さない部分であり、後半部の「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字部分が要部となるといえるから、かかる部分より「アブソリュ」の称呼及び「絶対の、絶対的な」の観念を生じる。 また、後半部の「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字は、申立人の傘下のランコムが「化粧品」に使用して周知な引用商標と同一の文字からなることから、需要者・取引者に申立人の化粧品を強く連想させる部分でもある。 したがって、本件商標は、引用商標と称呼・観念において類似し、本件商標に係る指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の周知性について 申立人は、「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字は、申立人傘下のランコムが「化粧品」等に使用して周知な標章である旨主張していることから、以下判断する。 ア 申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (ア)ランコムのウェブサイトにおいて、「LANCOME」(Oは「^」が付加されている。以下同じ。)の文字とともに「ABSOLUE」の文字が付された各種化粧品の画像並びに「ABSOLUE」及び「アプソリュ」の文字が表示されている(甲7)。 (イ)インターネット記事(掲載日不明)において、「ランコム最高峰『アプソリュ』の“美容液”リキッドファンデ、24金入り贅沢シートマスクも」の見出しのもと、「LANCOME」の標章とともに「ABSOLUE」の文字が付された化粧品の画像と、「ランコム(Lancome)最高峰シリーズ『アプソリュ』から、新作リキッドファンデーション『アプソリュ タン サブリム エッセンス リキッド』が登場。2020年9月4日(金)より発売される。」の記載がある(甲8)。 (ウ)インターネット記事(2016年8月19日付け)において、「ランコム『アプソリュ』は素肌のハリを蘇らせる最高級クリーム」の見出しのもと、「LANCOME」の標章とともに「ABSOLUE」の文字が付された化粧品の画像と、「ランコムの『アプソリュ』ラインは、ランコム創設者のアルマン・プティジャンが1965年に自身の最高傑作として創り上げた、ランコムが誇る『絶対』という名の最高級スキンケア。」の記載がある(甲9)。 イ 判断 上記アによれば、申立人の「ABSOLUE」シリーズ商品は、1965年に販売が開始され、現在においても販売されていることはうかがえるものの、販売実績を示す証左は見いだせない。 そして、同シリーズ商品が、各種ウェブ記事において紹介されているとしても、閲覧者数等が不明であり、また、申立人の広告については、申立人の公式ウェブサイトのみが提出されており、具体的な広告の状況は不明である。その他、「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字が、需要者においてどの程度認識されているかを客観的に把握できる証拠は提出されていない。 また、「アブソリュ」の文字は、提出された証拠からは確認できない。 以上からすれば、申立人の提出に係る証拠によっては、「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者において、広く認識されているものとまでは認めることができない。 その他、「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字が、本件商標の登録査定時において、我が国又は外国の取引者、需要者間に広く認識されていると認めるに足る事情は見いだせない。 したがって、「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとすべき実情及び取引の事情は、見当たらない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、「SKIN ABSOLUE」の欧文字と「スキンアブソリュ」の片仮名を上下二段に横書きした構成よりなるところ、上段の「SKIN」と「ABSOLUE」の間に1文字程度の空白があるとしても、同書同大に、外観上まとまりよく一体に表されており、下段の片仮名は上段の欧文字の読みを表したものと認識できるものである。 そして、本件商標から生じる「スキンアブソリュ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 また、構成中の「SKIN」及び「スキン」の文字が「皮、皮膚」を意味し、その指定商品との関係において、商品の品質や用途を理解させるものであるとしても、本件商標の上記構成及び称呼からすれば、取引者、需要者は、本願商標の構成全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握するとみるのが相当である。 さらに、上記(1)のとおり、本件商標の構成中「ABSOLUE」及び「アブソリュ」の文字部分のみが、その指定商品との関係において、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせない。 そして、「ABSOLUE」の文字は、仏語で「絶対の、絶対的な」などの意味を有する既成語ではあるが、我が国で親しまれた語とはいえないものである。 そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応し「スキンアブソリュ」の称呼を生じ、その構成文字全体として特定の意味合いを想起させない一種の造語として認識、理解されるものとみるのが相当であるから、特定の観念は生じないものである。 イ 引用商標 (ア)引用商標1 引用商標1は、「ABSOLUE」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して「アブソリュ」の称呼を生ずるものである。 そして、該文字は、上記アのとおり、我が国で親しまれた語とはいえないものであるから、特定の観念を生じないものというのが相当である。 (イ)引用商標2 引用商標2は、「MOUSSE ABSOLUE」の欧文字を書してなるところ、「MOUSSE」の文字と「ABSOLUE」の文字との間に半文字程度の空白があるとしても、同書同大に、外観上まとまりよく一体に表されており、また、構成文字全体から生ずる「ムースアブソリュ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、構成中の「MOUSSE」の文字が、その指定商品との関係において、「泡、泡状」を意味し、商品の品質を理解させるものであるとしても、上記の構成及び称呼からすれば、取引者、需要者は、その構成全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握するとみるのが相当である。 さらに、その構成中「ABSOLUE」の文字は、上記(1)と同様に、その指定商品との関係において、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせず、上記アのとおり、我が国で親しまれた語とはいえないものである。 そうすると、引用商標2は、その構成文字全体に相応し「ムースアブソリュ」の称呼を生じ、その構成文字全体として特定の意味合いを想起させない一種の造語として認識、理解されるものとみるのが相当であるから、特定の観念は生じないものである。 (ウ)引用商標3 引用商標3は、「ESSENCE ABSOLUE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「ESSENCE」の文字と「ABSOLUE」の文字との間に1文字程度の空白があるとしても、外観上まとまりよく一体に表されており、また、構成文字全体から生ずる「エッセンスアブソリュ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、構成中の「ESSENCE」の文字が、その指定商品との関係において、「美容液」を意味し、商品の品質を理解させるものであるとしても、上記の構成及び称呼からすれば、取引者、需要者は、その構成全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握するとみるのが相当である。 さらに、その構成中「ABSOLUE」の文字は、上記(1)と同様に、その指定商品との関係において、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせず、上記アのとおり、我が国で親しまれた語とはいえないものである。 そうすると、引用商標3は、その構成文字全体に相応し「エッセンスアブソリュ」の称呼を生じ、その構成文字全体として特定の意味合いを想起させない一種の造語として認識、理解されるものとみるのが相当であるから、特定の観念は生じないものである。 (エ)引用商標4 引用商標4は、別掲2のとおり、「ABSOLUE」及び「β-White」の文字を上下二段に書してなるところ、その構成各文字は、いずれも同じ書体で表されており、各段の文字は、文字の大きさ及び幅が異なるものの、中心をそろえてバランスがよく表されており、全体として外観上まとまりよく一体に表されているものである。 そして、その構成全体から生じる「アブソリュベータホワイト」の称呼も、やや冗長であるとしても、無理なく一連に称呼し得るものである。 さらに、その構成中「ABSOLUE」の文字は、上記(1)と同様に、その指定商品との関係において、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせず、上記アのとおり、我が国で親しまれた語とはいえないものである。 そうすると、引用商標4は、その構成文字全体に相応し「アブソリュベータホワイト」の称呼を生じ、その構成文字全体として特定の意味合いを想起させない一種の造語として認識、理解されるものとみるのが相当であるから、特定の観念は生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否 (ア)外観 本件商標と引用商標の外観を比較すると、両者の全体の構成はそれぞれ上記ア及びイのとおりであり、構成態様及び構成文字により、容易に区別し得るものであるから、両商標は、外観上、判然と区別できるものである。 (イ)称呼 本件商標から生じる「スキンアブソリュ」の称呼と、引用商標から生じる「アブソリュ」「ムースアブソリュ」「エッセンスアブソリュ」「アブソリュベータホワイト」の各称呼とは、「アブソリュ」の音が共通であるとしても、それぞれの音数及び音構成が明らかに相違するものであるから、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。 (ウ)観念 本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。 (エ)そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者が取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は同条第1項の規定に違反してなされたものとはいえないものであり、他に同法43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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