特許訂正審判
2020-390101
電源制御用半導体集積回路
- 審判番号
- 2020-390101
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2008-166782
- 登録番号
- 特許第4983735号(P4983735)
- 請求日
- 2020年10月27日
- 審決日
- 2021年01月06日
- 公報発行日
- 2021年04月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ミツミ電機 株式会社
- 【請求人代理人】荒船 博司
- 【請求人代理人】荒船 良男
- 【請求人代理人】大日方 富雄
- 審判長/審判官
- 審判長 田中 秀人
- 審判官 塚田 肇
- 審判官 山澤 宏
- 分類
- P141 .853-Y (H02M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4983735号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4983735号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続きの経緯
特願2008-166782号は,平成20年6月26日に特許出願され,平成24年3月23日に特許査定され,平成24年5月11日に特許権の設定の登録がされ(特許第4983735号,以下「本件特許」という。),令和2年10月27日に訂正審判(以下「本件審判」という。)が請求されたものである。
第2 請求の趣旨,訂正の内容
1.請求の趣旨
本件審判請求の趣旨は,「特許第4983735号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
2.訂正の内容
本件訂正審判に係る訂正の内容は,以下のとおりである。(下線部分は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に,「前記電圧比較回路の出力に応じて、前記誤差増幅回路の複数の出力のうち、前記外部端子の電圧のうち最も低いものを選択して前記誤差増幅回路へ供給する切替え回路と、」と記載されているのを,「前記電圧比較回路の出力に応じて、前記外部端子の電圧のうち最も低いものを選択して前記誤差増幅回路へ供給する切替え回路と、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3~請求項8も同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0025】に,「スイッチングトランジスタSW1の制御パルスを生成する制御回路12と、」と記載されているのを,「スイッチングトランジスタSW1の制御パルスを生成するパルス制御回路12(以下、制御回路12と記す)と、」に訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の段落【0030】に,「図2には、上記第1の実施形態の第1の変形例が示されている。この変形例は、切替えスイッチ15を、誤差アンプ11の後段に設ける代わりに前段に設けて、」と記載されているのを,「図2には、上記第1の実施形態の第1の変形例が示されている。この変形例は、図1において誤差アンプ11a,11bの後段に設けられている切替えスイッチ15を、誤差アンプの後段ではなく、図2のように、誤差アンプ11の前段に設けて、」に訂正する。
第3 当審の判断
以下,本件訂正前の請求項1-9を,「訂正前請求項1」-「訂正前請求項9」という。また,訂正前請求項1-9に係る発明を,「訂正前発明1」-「訂正前発明9」という。
訂正後についても,「訂正前」を「訂正後」に変えて同様に,「訂正後請求項1」-「訂正後請求項9」,「訂正後発明1」-「訂正後発明9」という。
1.特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)訂正事項1
訂正前請求項1には,「前記誤差増幅回路の複数の出力のうち、前記外部端子の電圧のうち最も低いものを選択」すると記載されている。
「誤差増幅回路の複数の出力」と「外部端子の電圧のうち最も低いもの」は,異なる種類のものであるから,「誤差増幅回路の複数の出力のうち」から「外部端子の電圧のうち最も低いものを選択」することはできないので,訂正前請求項1の記載は明瞭でない。
また,「最も低いものを選択」という記載には,「前記外部端子の電圧のうち」という記載がかかっており,「前記誤差増幅回路の複数の出力のうち」がかかる記載がないので,訂正前請求項1の記載は明瞭でない。
一方,訂正後請求項1には,「外部端子の電圧のうち最も低いものを選択」するとだけ記載されている。
「外部端子の電圧」と「外部端子の電圧のうち最も低いもの」は同じ種類のものであるから,「外部端子の電圧のうち」から「外部端子の電圧のうち最も低いものを選択」することができるので,訂正後請求項1の記載は明瞭である。
したがって,訂正事項1は,明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
(2)訂正事項2
訂正前請求項1-2,及び訂正後請求項1-2には,「パルス制御回路」という記載があるところ,訂正前の明細書には,「パルス制御回路」の記載がなく,訂正前請求項1-2,及び訂正後請求項1-2の「パルス制御回路」という記載が,訂正前の明細書のどの記載に対応するのかが不明確であるので,訂正前の明細書の記載は明瞭でない。
一方,訂正後の明細書の段落【0025】には,「パルス制御回路」という記載があり,訂正前請求項1-2,及び訂正後請求項1-2の「パルス制御回路」という記載が,訂正後の明細書の段落【0025】の「パルス制御回路」に対応するのが明確であるので,訂正後の明細書の記載は明瞭である。
したがって,訂正事項2は,明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
(3)訂正事項3
訂正前の明細書の段落【0030】には,「実施の形態の第1の変形例」が示されているところ,どのように「変形」されているのかが明確に記載されていないので,訂正前の明細書の記載は明瞭でない。
一方,訂正後の明細書の段落【0030】は,「図1において誤差アンプ11a,11bの後段に設けられている切替えスイッチ15を、誤差アンプの後段ではなく、図2のように、誤差アンプ11の前段に設け」るように「変形」したことが記載されているので,訂正後の明細書の記載は明瞭である。
したがって,訂正事項3は,明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。
(4)小括
訂正事項1ないし3は,いずれも,特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
2.特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1)訂正事項1
当初明細書等の段落【0030】には,「切替えスイッチ15によって誤差アンプ11の反転入力端子側に、定電流源CS1,CS2が接続されている端子PI1の電圧または端子PI2の電圧のいずれか一方を、それらの電圧の大小を判定するコンパレータ14の出力によって選択して入力するように構成したものである。」と記載されており,当初明細書等には,「コンパレータ14の出力」に応じて,「端子PI1の電圧または端子PI2の電圧のいずれか一方を」「選択して」「誤差アンプ11」へ「入力する」「切替えスイッチ15」が記載されている。
ここで,段落【0029】の「これに対し、本実施形態のように、制御回路12に、PI1とPI2の電圧のうち低い方の電圧がフィードバックされたとすると出力電圧は高めに設定されるため、順方向電圧が大きいユニットにとっては電圧が適切であり、順方向電圧が小さいユニットにとっては電圧に余裕が生じるが電流源が所望の電流を引き込むように作用するため、駆動電流が多く流されるようなことがない。つまり、2つのLEDユニット20A,20Bの明るさの差が小さくなる。」という記載から,「切替えスイッチ15」が「選択」する「いずれか一方」は,「低い方の電圧」であると認められる。
よって,訂正後発明1の「前記電圧比較回路の出力に応じて、前記外部端子の電圧のうち最も低いものを選択して前記誤差増幅回路へ供給する切替え回路」は,当初明細書等に記載されているといえる。
したがって,訂正事項1は,当初明細書等の記載に基づくものであって,当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
(2)訂正事項2
当初明細書等の段落【0025】には,「また、白色LEDドライバIC10には、上記電流引込み端子PI1,PI2の電圧が反転入力端子に印加され、非反転入力端子には参照電圧Vref1,Vref2が印加され、PI1,PI2の電圧と参照電圧Vref1,Vref2との電位差に応じた電圧を出力する誤差アンプ11a,11bと、スイッチングトランジスタSW1の制御パルスを生成する制御回路12と、該制御回路12から出力される制御パルスに基づいてスイッチングトランジスタSW1のゲート端子を駆動する駆動パルスを生成するドライバ13が設けられている。」と記載され,当初明細書等の段落【0046】には,「12 パルス制御回路」と記載されているので,「パルス制御回路」は,当初明細書等に記載されているといえる。
したがって,訂正事項2は,当初明細書等の記載に基づくものであって,当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
(3)訂正事項3
当初明細書等の【図1】には,「誤差アンプ11a,11bの後段に設けられている切替えスイッチ15」が記載され,当初明細書等の【図2】には、「切替えスイッチ15を」「誤差アンプ11の前段に設け」ることが記載されている。
したがって,訂正事項3は,当初明細書等の記載に基づくものであって,当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
(4)小括
訂正事項1ないし3は,特許法第126条第5項の規定に適合する。
3.特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1)訂正事項1
訂正事項1は,明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって,本件特許の特許請求の範囲,明細書又は図面の記載に接した当業者ならば,訂正前発明1を訂正後発明1のとおり理解したことは当然である。
したがって,請求項1についての訂正事項1は,実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく,かつ,実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(2)訂正事項2
訂正事項2は,明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって,本件特許の特許請求の範囲,明細書又は図面の記載に接した当業者ならば,訂正前の明細書の記載を訂正後の明細書の記載のとおり理解したことは当然である。
したがって,明細書の段落【0025】についての訂正事項2は,実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく,かつ,実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(3)訂正事項3
訂正事項3は,明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって,本件特許の特許請求の範囲,明細書又は図面の記載に接した当業者ならば,訂正前の明細書の記載を訂正後の明細書の記載のとおり理解したことは当然である。
したがって,明細書の段落【0030】についての訂正事項1は,実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく,かつ,実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(4)小括
訂正事項1ないし3は,特許法第126条第6項の規定に適合する。
4.特許法第126条第7項について
訂正後発明1ないし9が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから,訂正事項1ないし3は,特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから,訂正事項1ないし3は,特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2020-390101