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特許拒絶査定不服審判

2023-019023

電源制御用半導体装置および出力電圧可変電源装置

審判番号
2023-019023
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-139655
請求日
2023年11月09日
審決日
2024年07月16日
公報発行日
2024年08月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】ミツミ電機株式会社
  • 【請求人代理人】荒船 博司
  • 【請求人代理人】荒船 良男
審判長/審判官
  • 審判長 須田 勝巳
  • 審判官 山崎 慎一
  • 審判官 脇岡 剛
分類
P18 .121-WY (G05F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-139655「電源制御用半導体装置および出力電圧可変電源装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 2月18日出願公開、特開2021- 22281、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和1年7月30日の出願であって、令和5年4月20日付けで拒絶の理由が通知され、同年6月5日に意見書とともに手続補正書が提出され、同年9月14日付けで拒絶査定(謄本送達日同年9月19日。以下、「原査定」という。)がなされ、これに対して同年11月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定の概要は次のとおりである。 1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項1 ・引用文献等1~3 ・請求項2 ・引用文献等1~4 ・請求項3、5、7 ・引用文献等1~5 <引用文献等一覧> 1.特開2009-075882号公報 2.特開2017-134557号公報 3.特開2006-260130号公報 4.特開2018-133910号公報 5.特開2003-005845号公報 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正(以下、「本件補正」という。)は、特許法17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 審判請求時の補正によって請求項1に「前記第1外部入力信号及び第2外部入力信号によってオン、オフされる2以上のトランジスタおよびそれぞれのトランジスタと直列に接続された2以上の電流源を備え」との事項、及び、「前記バイアス回路が前記ロジック回路からの信号によって非動作状態にされると、前記2以上の電流源の電流が遮断されるように構成されていること」との事項(以下、これらの事項をまとめて「補正事項」という。)を追加する補正は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものと認められる。 また、上記補正事項は、当初明細書の段落【0026】~【0031】及び図3及び4に記載されている事項から総合的に把握される内容に鑑みれば、当初明細書等に新規事項を追加するものとはいえない。 また、本件補正により、請求項4、6~7が削除されたところ、これは請求項の削除を目的とするものと認められる。 そして、以下、第4~第6に示すように、補正後の請求項1~5に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。 第4 本願発明 本願請求項1~5に係る発明(以下、「本願発明1」~「本願発明5」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された、次のとおりのものと認める。 「【請求項1】 直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された電圧制御用トランジスタと、 分圧回路によって前記出力端子の出力電圧が分圧された出力のフィードバック電圧に応じて前記電圧制御用トランジスタを制御する制御回路と、前記電圧入力端子に入力された直流電圧に基づいて前記制御回路の動作電圧を生成するバイアス回路と、 前記出力電圧を制御するために外部から供給される出力制御信号が入力される第1外部端子及び第2外部端子と、を備えた電源制御用半導体装置であって、 前記制御回路は、 前記フィードバック電圧と所定の基準電圧との電位差に応じた電圧を出力する誤差アンプと、 ロジック回路と、を備え、 前記ロジック回路は、 前記第1外部端子及び前記第2外部端子よりハイレベルまたはローレベルである第1外部入力信号及び第2外部入力信号が入力され、 前記第1外部入力信号及び第2外部入力信号によってオン、オフされる2以上のトランジスタおよびそれぞれのトランジスタと直列に接続された2以上の電流源を備え、 前記フィードバック電圧を前記第1外部入力信号及び前記第2外部入力信号に応じて変位させるための第1制御信号、第2制御信号及び第3制御信号を生成して出力し、 前記第1外部入力信号及び前記第2外部入力信号の4つの組み合わせのうちいずれか1つの組み合わせに応じて前記バイアス回路を非動作状態にさせる信号を生成して出力し、前記バイアス回路が前記ロジック回路からの信号によって非動作状態にされると、前記2以上の電流源の電流が遮断されるように構成されていることを特徴とする電源制御用半導体装置。 【請求項2】 前記分圧回路は、前記出力端子と接地点との間に直列に接続された第1抵抗素子および抵抗回路からなり、 前記抵抗回路は、直列形態のスイッチング素子および抵抗素子の列を複数個有し、 複数個の前記スイッチング素子が前記第1制御信号、第2制御信号及び第3制御信号によってオンまたはオフ状態にされるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電源制御用半導体装置。 【請求項3】 前記分圧回路は、前記出力端子と接地点との間に直列に接続された第1抵抗素子および抵抗回路からなり、 前記抵抗回路は、 直列形態の複数個の抵抗素子と、 前記複数個の抵抗素子の接続ノードと接地点との間に接続された複数個のスイッチング素子と、を備え、 前記複数個の抵抗素子は、それぞれ所定の抵抗値を有する単位抵抗が直列接続された直列抵抗回路によって構成され、 前記複数個のスイッチング素子が前記第1制御信号、第2制御信号及び第3制御信号によってオンまたはオフ状態にされるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電源制御用半導体装置。 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の電源制御用半導体装置と、 前記第1外部端子及び前記第2外部端子へ入力する前記第1外部入力信号及び前記第2外部入力信号を出力する制御装置と、を備え、 前記制御装置から前記第1外部端子及び前記第2外部端子へ入力される前記第1外部入力信号及び前記第2外部入力信号に応じて出力電圧が変化されるように構成されていることを特徴とする出力電圧可変電源装置。 【請求項5】 直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された電圧制御用トランジスタと、 分圧回路によって前記出力端子の出力電圧が分圧された出力のフィードバック電圧に応じて前記電圧制御用トランジスタを制御する制御回路と、前記電圧入力端子に入力された直流電圧に基づいて前記制御回路の動作電圧を生成するバイアス回路と、 出力電圧を制御するために外部から供給される出力制御信号が入力される複数の外部端子と、を備えた電源制御用半導体装置であって、 前記制御回路は、 前記フィードバック電圧と所定の基準電圧との電位差に応じた電圧を出力する誤差アンプと、 ロジック回路と、を備え、 前記ロジック回路は、前記外部端子の数がn(nは3以上の整数)である場合に、 前記外部端子よりハイレベルまたはローレベルであるn個の外部入力信号が入力され、 前記n個の外部入力信号によってオン、オフされるn個以上のトランジスタおよびそれぞれのトランジスタと直列に接続されたn個以上の電流源を備え、 前記フィードバック電圧を前記n個の外部入力信号に応じて変位させるための(2のn乗-1)個の制御信号を生成して出力し、 前記n個の外部入力信号の2のn乗個の組み合わせのうちいずれか1つの組み合わせに応じて前記バイアス回路を非動作状態にさせる信号を生成して出力し、前記バイアス回路が前記ロジック回路からの信号によって非動作状態にされると、前記n個以上の電流源の電流が遮断されるように構成されていることを特徴とする電源制御用半導体装置。」 第5 引用例 1 引用例1 (1)引用例1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2009-75882号公報(平成21年4月9日公開。以下、これを「引用例1」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。(下線は当審で付加。以下同様。) ア 「【0031】 図1は、本発明の第1実施形態である電圧可変レギュレータ10の内部構成を示す回路図である。 【0032】 電圧可変レギュレータ10は、端子として入力端子VIN、出力端子VOUT、GND(接地)端子、電圧設定端子A、電圧設定端子Bを有し、回路素子として、レギュレータ出力駆動用のPMOSトランジスタ2、基準電圧VREFとフィードバック電圧値Vfの差を増幅する誤差増幅器3、抵抗素子4、可変抵抗5、論理和回路11を備える。 【0033】 PMOSトランジスタ2は、レギュレータ10の出力駆動用であり、誤差増幅器3は、基準電圧VREFとフィードバック電圧値Vfの差を増幅する。可変抵抗5は、電圧設定端子AおよびBによって制御される。 【0034】 電圧可変レギュレータ10の電圧設定端子A、Bのうちいずれかの電圧レベルを変化させることで、電圧設定端子A、Bの論理和回路11の電圧レベルが変化し、基準電圧VREFと、フィードバック電圧値Vfの電圧差を増幅する誤差増幅器3のON状態とOFF状態の制御を行う。 【0035】 具体的には、電圧設定端子A、Bの出力に基づいて、論理和回路11の出力信号AMP_ENが設定され、これにより誤差増幅器3のON状態とOFF状態を制御するのである。 【0036】 これにより、電圧設定と電源起動設定を同時に行うことができ、電源起動端子ENを備えなくともよくなり端子数を減らすことができるという効果が得られる。端子数を削減することで、電圧可変レギュレータを実装するパッケージの小型化をも実現できる。 表2に設定例を示す。 【0037】 【表2】 [図:0001413191000001.jpg] 【0038】 電圧設定端子A、Bが“L”レベル(論理値が0)のとき、論理和を示す出力信号AMP_ENは“L”レベルとなり、このときレギュレータ10の電源はOFF状態となる。電圧設定端子A、Bの少なくともいずれか一方が“H”レベル(論理値が1)になると、論理和を示す出力信号AMP_ENは“H”レベルとなり、レギュレータ10の電源はON状態となる。このとき、表2に示すような電圧設定端子A、Bで設定した電圧値が出力端子VOUTに出力される。 【0039】 たとえば、電圧設定端子(A、B)=(L、H)では6V、電圧設定端子(A、B)=(H、L)では7V、電圧設定端子(A、B)=(H、H)では8Vが出力される。」 イ 「図1 [図:0001413191000002.jpg] 」 (2)引用発明 上記(1)イ(図1)の回路図から、“フィードバック電圧値Vfは、出力端子VOUTとGND(接地)端子との間に接続される抵抗素子4及び可変抵抗5によって分圧されたもの”である態様、“PMOSトランジスタ2”が“入力端子VINと出力端子VOUTとの間に接続され”る態様、及び“誤差増幅器3の出力は、PMOSトランジスタ2のゲートに接続され”る態様を読み取ることができ、上記(1)アの記載(特に下線部)を参照して、引用例1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「端子として入力端子VIN、出力端子VOUT、GND(接地)端子、電圧設定端子A、電圧設定端子Bを有し、回路素子として、レギュレータ出力駆動用のPMOSトランジスタ2、基準電圧VREFとフィードバック電圧値Vfの差を増幅する誤差増幅器3、抵抗素子4、可変抵抗5、論理和回路11を備える電圧可変レギュレータ10であって(【0031】、図1)、 フィードバック電圧値Vfは、出力端子VOUTとGND(接地)端子との間に接続される抵抗素子4及び可変抵抗5によって分圧されたものであり(図1)、 PMOSトランジスタ2は、レギュレータ10の出力駆動用であり、入力端子VINと出力端子VOUTとの間に接続され(図1)、 誤差増幅器3は、基準電圧VREFとフィードバック電圧値Vfの差を増幅し、誤差増幅器3の出力は、PMOSトランジスタ2のゲートに接続され、可変抵抗5は、電圧設定端子AおよびBによって制御され(【0033】、図1)、 電圧設定端子A、Bの出力に基づいて、論理和回路11の出力信号AMP_ENが設定され、これにより誤差増幅器3のON状態とOFF状態を制御し(【0035】)、 電圧設定端子A、Bが“L”レベル(論理値が0)のとき、論理和を示す出力信号AMP_ENは“L”レベルとなり、このときレギュレータ10の電源はOFF状態となり、電圧設定端子A、Bの少なくともいずれか一方が“H”レベル(論理値が1)になると、論理和を示す出力信号AMP_ENは“H”レベルとなり、レギュレータ10の電源はON状態となり、このとき、電圧設定端子A、Bで設定した電圧値が出力端子VOUTに出力され(【0037】(表2)、【0038】)、 電圧設定端子(A、B)=(L、H)では6V、電圧設定端子(A、B)=(H、L)では7V、電圧設定端子(A、B)=(H、H)では8Vが出力される(【0039】) 電圧可変レギュレータ10。」 2 引用例2 (1)引用例2に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2017-134557号公報(平成29年8月3日公開。以下、これを「引用例2」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。 ア 「【0001】 本発明は、直流電源装置における基準電圧回路に関し、特にバイポーラ・トランジスタで構成された基準電圧回路を備えたシリーズレギュレータ制御用の半導体集積回路に利用して有効な技術に関する。」 イ 「【0034】 さらに、出力電圧Voutの電位を切り替える回路としては、例えば図4に示すように、固定型の基準電圧回路12の後段に差動アンプAMPと分圧用抵抗R13,R14を有する可変ゲイン型の増幅回路16を設ける形式も考えられるが、図4の回路は、図1に示す本実施形態のレギュレータ用ICに比べて回路の専有面積が大きくなる。 具体的には、図4の回路を素子レベルで示すと、図5に示すような回路となる。図5において、符号12は基準電圧回路、符号13はバイアス回路、符号16は可変ゲイン型の増幅回路である。図5より、図1の可変型基準電圧回路12は、PNPトランジスタが4個、NPNトランジスタが2個、抵抗が4個、合計10個の素子必要であるのに対し、図4のものは、固定型基準電圧回路12として、PNPトランジスタが4個、NPNトランジスタが6個、抵抗が3個必要である上、増幅回路16を構成する素子として、PNPトランジスタが3個、NPNトランジスタが2個、抵抗が3個、合計で21個の素子が必要である。つまり、図4に示すレギュレータ用ICは、本実施形態のレギュレータ用ICに比べて、11個多くの素子を必要とする。従って、本実施形態(図1)のレギュレータ用ICは、図4のものに比べて、素子数を少なくして回路の専有面積ひいてはチップサイズを小さくすることができるという利点がある。」 ウ 「図4 [図:0001413191000003.jpg] 」 3 引用例3 (1)引用例3に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2006-260130号公報(平成18年9月28日公開。以下、これを「引用例3」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。 ア 「【0015】 温度制御装置11は、上記光源温度検出センサ39の検出情報に基づいてヒータ40を制御して、光源温度検出センサ39の検出出力が目標温度付近で安定するように制御する。 温度制御装置11には、図3に示すヒータ駆動回路41が備えられている。 図3のヒータ駆動回路41は、電圧レギュレータIC51(以下、単に「レギュレータ51」と称する)を使用した出力電圧可変型電源装置として構成されている。 レギュレータ51の出力電圧を複数段階に切換えるために、レギュレータ51の電圧出力端子51aと出力電圧設定用端子51bとの間に外付け抵抗52が接続され、更に、出力電圧設定用端子51bに外付け抵抗53,54,55の一端が接続されている。 外付け抵抗53,54,55の他端側には、インバータ56,57,58(オープンドレイン出力あるいはオープンコレクタ出力)の出力が夫々接続され、インバータ56,57,58の入力には、遅延用カウンタ59,60,61の出力が夫々接続され、遅延用カウンタ59,60,61の入力にはデコーダ62の出力が接続されている。」 イ 「図3 [図:0001413191000004.jpg] 」 4 引用例4 (1)引用例4に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2018-133910号公報(平成30年8月23日公開。以下、これを「引用例4」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。 ア 「【0010】 (第1実施形態) 以下、本発明をスイッチング電源回路に用いた場合の第1実施形態について、図1および図2を参照して説明する。 【0011】 図1において、スイッチング電源回路1は、車載バッテリ2の電源電圧VBを昇圧回路3により昇圧するもので、制御回路4により駆動制御する構成である。車載バッテリ2にはコンデンサ5が並列に接続されている。昇圧回路3は、昇圧コイル6、MOSFET7、MOSFET8、電流検出抵抗9などを備える。スイッチング素子としてのMOSFET7はNチャンネル型であり、MOSFET8はPチャンネル型である。また、MOSFET7および8は、それぞれボディダイオード7a、8aを有する。」 イ 「図1 [図:0001413191000005.jpg] 」 5 引用例5 (1)引用例5に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2003-005845号公報(平成15年1月8日公開。以下、これを「引用例5」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。 ア 「【0021】図1は、本発明の第1の実施の形態の電圧レギュレータの回路図である。 【0022】本発明の第1の実施の形態の電圧レギュレータ101は、入力端子1とGND端子2の間に接続される誤差増幅器4と、誤差増幅器4の非反転入力端子5と、前記入力端子1にソースが接続され誤差増幅器4の出力7にゲートが接続され出力端子3にドレインが接続されているP?MOSのパストランジスタM1と、誤差増幅器4の出力7と出力端子3に接続される位相補償容量C1と、出力端子3とGND端子2間に接続される位相補償容量C2とを備える。」 イ 「【0034】次に、本発明の第2の実施の形態の電圧レギュレータを図2に示す。本発明の第2の実施の形態の電圧レギュレータは、本発明の第1の実施の形態の電圧レギュレータに追加変更した構成である。 【0035】本発明の第2の実施の形態の電圧レギュレータ201は、出力端子3を一端とするスピード検知回路9と、出力端子3とGND端子2間に接続された負荷回路(ロジック回路など)12と、前記スピード検知回路9の他端であるスピード検知信号13を一端とし他端に、本発明の第1の実施の形態の電圧レギュレータのスイッチ切り替え信号D1,D2,D3及びD4と前記負荷回路12から出力されるモード切替え信号11を接続するデコーダ回路10とを備える。」 ウ 「図1 [図:0001413191000006.jpg] 」 エ 「図2 [図:0001413191000007.jpg] 」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 本願発明1の「電源制御用半導体装置」に関して (ア)引用発明の「入力端子VIN」、「出力端子VOUT」及び「レギュレータ出力駆動用のPMOSトランジスタ2」は、それぞれ本願発明1の「直流電圧が入力される電圧入力端子」、「出力端子」及び「電圧制御用トランジスタ」に相当し、当該「PMOSトランジスタ2」は、「入力端子VINと出力端子VOUTとの間に接続され」るものであるから、引用発明は、本願発明1の「直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された電圧制御用トランジスタ」に対応する構成を有する。 (イ)引用発明の「フィードバック電圧値Vf」は、「出力端子VOUTとGND(接地)端子との間に接続される抵抗素子4及び可変抵抗5によって分圧されたものであ」るところ、当該「出力端子VOUTとGND(接地)端子との間に接続される抵抗素子4及び可変抵抗5」によって形成される回路は、“分圧回路”といい得るから、当該「フィードバック電圧値Vf」は、本願発明1の「分圧回路によって前記出力端子の出力電圧が分圧された出力のフィードバック電圧」に相当する。 引用発明の「誤差増幅器3」は、「基準電圧VREFとフィードバック電圧値Vfの差を増幅」するものであって、その「出力は、PMOSトランジスタ2のゲートに接続され」るところ、当該「誤差増幅器3」は、“制御回路”の一部といい得るから、引用発明は、本願発明1の「分圧回路によって前記出力端子の出力電圧が分圧された出力のフィードバック電圧に応じて前記電圧制御用トランジスタを制御する制御回路」に対応する構成を有する。 (ウ)引用発明の「電圧設定端子A、電圧設定端子B」は、本願発明1の「第1外部端子及び第2外部端子」に相当する。 引用発明の「電圧設定端子A、電圧設定端子B」は、この「出力に基づいて、論理和回路11の出力信号AMP_ENが設定され、これにより誤差増幅器3のON状態とOFF状態を制御」するとともに、「誤差増幅器3のON状態とOFF状態」が「制御」されることによって、出力電圧が制御されることになるといえるから、引用発明は本願発明1の「前記出力電圧を制御するために外部から供給される出力制御信号が入力される第1外部端子及び第2外部端子」に対応する構成を有する。 (エ)引用発明の「電圧可変レギュレータ10」は、本願発明1の「電源制御用半導体装置」に相当し、当該「電圧可変レギュレータ10」は上記(ア)~(ウ)の構成を備えたものであるから、引用発明は、本願発明1の「直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された電圧制御用トランジスタと、/分圧回路によって前記出力端子の出力電圧が分圧された出力のフィードバック電圧に応じて前記電圧制御用トランジスタを制御する制御回路と、前記電圧入力端子に入力された直流電圧に基づいて前記制御回路の動作電圧を生成するバイアス回路と、/前記出力電圧を制御するために外部から供給される出力制御信号が入力される第1外部端子及び第2外部端子と、を備えた電源制御用半導体装置であ」るとの構成に対し、下記の点(相違点1)で相違するものの、“直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された電圧制御用トランジスタと、/分圧回路によって前記出力端子の出力電圧が分圧された出力のフィードバック電圧に応じて前記電圧制御用トランジスタを制御する制御回路と、/前記出力電圧を制御するために外部から供給される出力制御信号が入力される第1外部端子及び第2外部端子と、を備えた電源制御用半導体装置であ”る点で一致する。(“/”は、改行位置を示す。以下同様。) イ 本願発明1の「制御回路」について (ア)引用発明の「誤差増幅器3」は、本願発明1の「誤差アンプ」に対応するものであって、上記ア(イ)の対比を踏まえると、当該「誤差増幅器3」は、本願発明1の「前記フィードバック電圧と所定の基準電圧との電位差に応じた電圧を出力する誤差アンプ」に相当するといえる。 (イ)引用発明の「論理和回路11」は、本願発明1の「ロジック回路」に対応するところ、「電圧設定端子A、Bの出力に基づいて、論理和回路11の出力信号AMP_ENが設定され、これにより誤差増幅器3のON状態とOFF状態」が「制御」されることから、当該「誤差増幅器3」及び「論理和回路11」から構成される回路は、本願発明1の「制御回路」に相当する。 したがって、上記(ア)の点も踏まえ、引用発明は、本願発明1の「制御回路は、/前記フィードバック電圧と所定の基準電圧との電位差に応じた電圧を出力する誤差アンプと、/ロジック回路と、を備え」るとの構成を有する。 ウ 本願発明1の「ロジック回路」について 引用発明の「電圧設定端子A、Bの出力」は、本願発明1の「前記第1外部端子及び前記第2外部端子より」入力される、「ハイレベルまたはローレベルである第1外部入力信号及び第2外部入力信号」に相当する。 上記イ(イ)の対比を踏まえると、引用発明は、本願発明1の「前記ロジック回路は、/前記第1外部端子及び前記第2外部端子よりハイレベルまたはローレベルである第1外部入力信号及び第2外部入力信号が入力され、/前記第1外部入力信号及び第2外部入力信号によってオン、オフされる2以上のトランジスタおよびそれぞれのトランジスタと直列に接続された2以上の電流源を備え、/前記フィードバック電圧を前記第1外部入力信号及び前記第2外部入力信号に応じて変位させるための第1制御信号、第2制御信号及び第3制御信号を生成して出力し、/前記第1外部入力信号及び前記第2外部入力信号の4つの組み合わせのうちいずれか1つの組み合わせに応じて前記バイアス回路を非動作状態にさせる信号を生成して出力し、前記バイアス回路が前記ロジック回路からの信号によって非動作状態にされると、前記2以上の電流源の電流が遮断されるように構成されている」との構成に対し、下記の点(相違点2)で相違するものの、「ロジック回路」が「前記第1外部端子及び前記第2外部端子よりハイレベルまたはローレベルである第1外部入力信号及び第2外部入力信号が入力され」る点で一致する。 エ 以上、ア~ウの検討から、引用発明と本願発明1とは、次の一致点及び相違点を有する。 〈一致点〉 直流電圧が入力される電圧入力端子と出力端子との間に接続された電圧制御用トランジスタと、 分圧回路によって前記出力端子の出力電圧が分圧された出力のフィードバック電圧に応じて前記電圧制御用トランジスタを制御する制御回路と、 前記出力電圧を制御するために外部から供給される出力制御信号が入力される第1外部端子及び第2外部端子と、を備えた電源制御用半導体装置であって、 前記制御回路は、 前記フィードバック電圧と所定の基準電圧との電位差に応じた電圧を出力する誤差アンプと、 ロジック回路と、を備え、 前記ロジック回路は、 前記第1外部端子及び前記第2外部端子よりハイレベルまたはローレベルである第1外部入力信号及び第2外部入力信号が入力されることを特徴とする電源制御用半導体装置。 〈相違点1〉 本願発明1の「電源制御用半導体装置」が、「前記電圧入力端子に入力された直流電圧に基づいて前記制御回路の動作電圧を生成するバイアス回路」を備えるのに対し、引用発明は、そのような構成を有しない点。 〈相違点2〉 本願発明1の「ロジック回路」が、「前記第1外部入力信号及び第2外部入力信号によってオン、オフされる2以上のトランジスタおよびそれぞれのトランジスタと直列に接続された2以上の電流源を備え」るとともに、「前記フィードバック電圧を前記第1外部入力信号及び前記第2外部入力信号に応じて変位させるための第1制御信号、第2制御信号及び第3制御信号を生成して出力し、」「前記第1外部入力信号及び前記第2外部入力信号の4つの組み合わせのうちいずれか1つの組み合わせに応じて前記バイアス回路を非動作状態にさせる信号を生成して出力し、前記バイアス回路が前記ロジック回路からの信号によって非動作状態にされると、前記2以上の電流源の電流が遮断されるように構成されてい」るのに対し、引用発明の「論理和回路11」は、「電圧設定端子A、Bの出力に基づいて」、「出力信号AMP_ENが設定され」るものである点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み、先に相違点2について検討する。 上記第5の2~5に示した引用例2~5のいずれにも、上記相違点2に係る構成は記載されていない。 したがって、引用発明及び引用例2~5に記載された技術的事項に基づいて相違点2に係る構成を導き出すことは、当業者といえども容易とまではいえず、また、相違点2に係る構成は、本願の出願前に周知な構成ともいえない。 したがって、上記その余の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用例2~5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 2 本願発明2~4について 本願発明2~4は、本願発明1を直接または間接的に引用するものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用例2~5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 3 本願発明5について 本願発明5は、本願発明1と引用発明との間の上記相違点2に対応する点で引用発明と相違するから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用例2~5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第7 原査定について 1 理由1(特許法29条2項)について 本件補正により、本願発明1~5は上記相違点2に係る事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1~5(上記第5の引用例1~5)に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって、原査定の理由1を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-019023

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