商標取消審判
2020-300662
ロゴス
- 審判番号
- 2020-300662
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2005-097865
- 登録番号
- 5005400
- 請求日
- 2020年09月24日
- 審決日
- 2021年11月30日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】ロゴス オーストラリア グループ ピーティーワイ リミテッド
- 【請求人代理人】田中 克郎
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】佐藤 俊司
- 【請求人代理人】飯田 遥
- 【被請求人】株式会社 ロゴスコーポレーション
- 【被請求人代理人】大西 正夫
- 審判長/審判官
- 審判長 平澤 芳行
- 審判官 佐藤 松江
- 審判官 大森 友子
- 分類
- T132 .1 -Z (Y37) / T132 .11 -Z (Y37)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第3号、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5005400号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5005400号商標の指定商品及び指定役務中,第37類「全指定役務」についての商標登録を取り消す。
審判費用は,被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5005400号商標(以下「本件商標」という。)は,「LOGOS」の欧文字を横書きしてなり,平成17年10月19日に登録出願,第19類「建築物組立セット(金属製のものを除く。),木材」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助言」を指定商品及び指定役務として同18年11月24日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,令和2年10月8日である。
なお,本件審判において,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは,平成29年(2017年)10月8日ないし令和2年(2020年)10月7日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由,答弁に対する弁駁において要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第37類「建設工事,建築工事に関する助言」(以下「請求に係る指定役務」ということがある。)について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1) 本件商標権者の本社のビルの壁面やビル内部の案内板等に掲示される商標(乙7の1~6,乙8の1,2)について
ア 請求に係る指定役務についての使用とはいえないこと
本件商標権者の本社のビルの壁面やビル内部の案内板等に掲示される,別掲1のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標1」という。),別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標2」という。),別掲3のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標3」という。)及び別掲4のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標4」という。)は,単にそのビルに本件商標権者の本社が所在していることを示しているにすぎず,なんら具体的な役務との関係において使用されているものではない。
イ 商標法第2条第3項第8号に規定する「使用」とは認められないこと
本件商標権者の本社のビルの壁面やビル内部の案内板等は,請求に係る指定役務に関する広告,定価表や取引書類でない。
ウ 本件商標と使用商標2ないし使用商標4との社会通念上の同一について
使用商標2ないし使用商標4は,図形と文字とがまとまりよく一体的に構成されているのであるから,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。
したがって,使用商標2ないし使用商標4は,本件商標と社会通念上同一の商標とはいえない。
(2)メールの署名部分最下部の「ロゴス」の文字(乙4の1)について
「ロゴス」の片仮名からなる商標(以下「使用商標5」という。)は,その使用態様からすれば,その右横に貼られたウェブサイトのリンクが本件商標権者のホームページであることを示すために記載された文字列にすぎず,請求に係る指定役務について使用された標章とは認められない。
しかも,使用商標5の右横に貼られたリンクを閲覧しても,請求に係る指定役務に関する記載は一切ない。
仮にメールがサッポロファクトリーキッズパーク(以下「キッズパーク」ということがある。)の内装工事に関するものであったとしても,使用商標5は,請求に係る指定役務との関係で使用されたものとは認められない。
(3)本件商標と社会通念上同一の商標が表示されるとする動画(乙4の2の3)について
ア 当該動画は,キッズパークが完成した際にキッズパーク内で,キッズパークを訪れた需要者向けに放映されるコンテンツである(乙4の2の1)。
当該動画の内容も,請求に係る指定役務とは何らの関連性もない内容であって,請求に係る指定役務に関する定価表や取引書類でないことは明らかである。
加えて,当該動画の添付されたメールを受信したサッポロ不動産開発株式会社(以下「サッポロ不動産」という。)の従業員がこの動画の内容を確認したことまでは明らかではない(乙4の5の1)。したがって,仮に当該動画に本件商標と社会通念上同一の商標が表示されているとしても,かかる行為は,請求に係る指定役務についての本件商標の使用には該当しない。
イ 本件商標と使用商標3及び使用商標7との社会通念上の同一について
使用商標3及び別掲5のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標7」という。)は,いずれも,図形と文字とがまとまりよく一体的に構成されているのであるから,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。
したがって,使用商標3及び使用商標7は,本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえない。
(4)本件商標と社会通念上同一の商標が表れたとする添付ファイル「LOGOS_KIDS_0528.jpg」(乙4の2の2)について
ア 添付ファイル「LOGOS_KIDS_0528.jpg」(以下「LOGOS_KIDS_0528」という。)に表示されている別掲6のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標8」という。)及び別掲7のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標9」という。)は,キッズパーク内に掲示する予定のサインボードのデザインを提案する目的で表示されているにすぎない。
したがって,これらの表示は,請求に係る指定役務についての本件商標の使用行為とは認められない。
イ 本件商標と使用商標8及び使用商標9との社会通念上の同一について
使用商標8及び使用商標9は,いずれも,円弧状の枠で囲われ,図形と文字とがまとまりよく一体的に構成されているのであり,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではないから,本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえない。
(5)メールの署名部分最下部の,「LOGOS WEBSITE」「LOGOS LAND」の文字(乙4の3の1,4の1,5の1,6)について
ア 「LOGOS WEBSITE」の欧文字からなる商標(以下「使用商標10」という。)や「LOGOS LAND」の欧文字からなる商標(以下「使用商標11」という。)は,単にその右横に貼られたウェブサイトのリンクが,各々本件商標権者のホームページであることや,「LOGOS LAND」という名称のテーマパークに関するウェブページであることを示すために記載された文字列にすぎず,請求に係る指定役務について使用された標章とは認められない。
しかも,これらのウェブサイトを閲覧しても,請求に係る指定役務に関する記載は一切ない。
仮にメールの内容がキッズパークの内装工事に関する内容であったとしても,このような態様で使用された「LOGOS」の文字の使用は,請求に係る指定役務との関係で使用されたものとは認められない。
イ 本件商標と使用商標10及び使用商標11との社会通念上の同一について
使用商標10及び使用商標11は,全体の称呼が極めて短い商標であって,文字も軽重の差なくまとまりよく一体的に構成されているのであり,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではないから,本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえない。
(6)添付ファイル「sapporo kids station 20190911 ラフ案.jpg」(乙4の3の2)について
ア サッポロ不動産の従業員宛のメール(乙4の2の1)に添付された書類が,添付ファイル「sapporo kids station 20190911 ラフ案」(以下「sapporo kids station ラフ案」という。)であるか否かが明らかではない。
また,sapporo kids station ラフ案に表れる別掲8のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標12」という。)及び別掲9のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標13」という。)は,キッズパークの外観図の中に,キッズパークのデザインとして表示されているにすぎない。
したがって,これらの表示は,請求に係る指定役務についての本件商標の使用行為とは認められない。
イ 本件商標と使用商標12及び使用商標13との社会通念上の同一について
使用商標12及び使用商標13は,同色で表現され,外観上もまとまりよく一体的に構成されているのであるから,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。
したがって,使用商標12及び使用商標13は,本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえない。
(7)添付ファイル「LOGOSKS2校.jpg」(乙4の5の2)について
添付ファイル「LOGOSKS2校.jpg」(以下「LOGOSKS2校」という。)は,キッズパークそのものを一般需要者に宣伝し広告する目的で制作された記事であるから,請求に係る指定役務とは何らの関連性もない内容であり,この記事に表示される商標が,請求に係る指定役務に関する広告とは認められない。加えて,LOGOSKS2校は,そもそもサッポロ不動産の従業員が本件商標権者の従業員に宛てたメールに添付されていたものであるから(乙4の5の1),本件商標権者によって行われた行為でもない。
したがって,LOGOSKS2校に係る行為は,請求に係る指定役務についての本件商標の広告的使用(商標法第2条第3項第8号)ではない。
(8)転送サービスによるデータ「train1007」(乙4の5の3)及び「サッポロPLAN1007」(乙4の5の4)について
ア 転送サービスによるデータ「train1007」(以下「train1007」という。)に表示される「LOGOS CAMPING TRAIN」の欧文字からなる商標(以下「使用商標16」という。)は,当該図面中のキッズパーク内に設置される汽車風展示用家具を指し示す仮称として使用されており(乙4の2の1),本件商標権者が制作し,提供したものを指し示す商標として表示されているものでない。
イ 転送サービスによるデータ「サッポロPLAN1007」(以下「サッポロPLAN1007」という。)に表示される「ロゴス 札幌ビアファクトリー KIDS STATION」の文字からなる商標(以下「使用商標17」という。)は,当該図面の「KIDS STATION」に関することを示すために使用されている。
ウ したがって,これらの書面に表れる「LOGOS」及び「ロゴス」の文字はいずれも,請求に係る指定役務について使用されているとは認められない。
エ 本件商標と使用商標16及び使用商標17との社会通念上の同一について
使用商標16や使用商標17は,格別冗長ともいえず,文字も軽重の差なく外観上まとまりよく一体的に構成されているのであるから,「LOGOS」や「ロゴス」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。
したがって,これらの商標は,本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえない。
(9)サッポロファクトリーキッズパークの内装工事に関する見積書(乙11)及び注文請書(乙12)入りの封筒について
ア 当該見積書は2019年10月21日時点で既にサッポロ不動産の従業員に確認され,送付されていること
サッポロ不動産と本件商標権者のメールでの一連のやりとり(乙4の6)からすれば,既に2019年10月21日付けでキッズパークに関する最終見積書は,本件商標権者よりサッポロ不動産にメール及び郵送済みである。しかも,サッポロ不動産の従業員は,見積書の原本は不要である旨も本件商標権者に伝えている。それにも関わらず,メールの後日の2019年10月31日に,既に送付済みの見積書をあえて封筒に入れて手渡す合理的理由はない。
したがって,被請求人の主張は,極めて不自然である。
イ 未使用の封筒(乙10の2)は,本件指定役務についての本件商標の使用とはいえないこと
当該見積書や注文請書そのものには,本件商標が表示されていないから,本件商標の使用証拠として提出されたものは,当該未使用の封筒のみである。しかし,未使用の封筒は,請求に係る指定役務との具体的な関連性が確認できないから,請求に係る指定役務についての使用を立証するものではない。
したがって,仮に本件商標と社会通念上同一の商標が封筒の表面に表れているとしても,当該未使用の封筒をもって,請求に係る指定役務について本件商標を使用したことにはならない。
(10)請求書(乙13)及び工事完了ご報告書(乙14)入りの封筒について
当該請求書及び工事完了ご報告書そのものには,本件商標と社会通念上同一の商標が表示されておらず,本件商標の使用証拠として提出された封筒は,未使用の封筒(乙15の2)である。
上記の証拠からは,当該書類入りの封筒が,いつ送付され,いつ受領されたのかという点も明らかではないから,要証期間内の行為であることも明らかではない。
したがって,仮に本件商標が封筒の表面に表れているとしても,当該末使用の封筒をもって,請求に係る指定役務について本件商標を使用したことにはならない。
(11)令和元年11月1日付け「NewsRelease」(乙18の1)及び本件商標権者による2019年10月31日付けのウェブサイト記事「ロゴスからのお知らせ」(乙20の1)について
ア 令和元年11月1日付け「NewsRelease」(以下「NewsRelease」という。)及び本件商標権者による2019年10月31日付けのウェブサイト上の記事「ロゴスからのお知らせ」(以下「ロゴスからのお知らせ」という。)は,キッズパークそのものを一般需要者に宣伝し広告する目的で制作された記事であって,記事のどこにも,建設工事や建築工事の助言に関する具体的な言及が見当たらない。
なお,NewsRelease及びロゴスからのお知らせ上の記事にある「プロデュース」の文字は,「建設工事」を意味する語ではないから(甲5),「建設工事」と同義に解釈される余地はない。
したがって,仮にキッズパークに本件商標権者が携わった事実があるとしても,NewsRelease及びロゴスからのお知らせに係る行為は,請求に係る指定役務についての本件商標の広告的使用(商標法第2条第3項第8号)であるとは認められない。
イ 本件商標と使用商標18ないし使用商標22との社会通念上の同一について
(ア)別掲10のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標18」という。)は,図形と文字とがまとまりよく一体的に構成されているのであるから,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。
したがって,当該商標は本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえない。
(イ)別掲11のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標19」という。)及び別掲12のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標20」という。)は,全てオレンジ色で表現され,四角の枠で囲まれるなど,外観上まとまりよく一体的に表現されているのであるから,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。
(ウ)別掲13のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標21」という。)についても,全体が四角の枠で囲まれ,外観上まとまりよく一体的に表現されているのであるから,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。
(エ)別掲14のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標22」という。)についても,図形と文字とがまとまりよく一体的に構成されているのであるから,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。したがって,これらの商標も,本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえない。
(12)サッポロファクトリーキッズパークの壁面に表示されている商標(乙21)について
ア 本件商標権者が株式会社フジアールに当該商標の修正を依頼したメールの添付(乙4の7の2)には,手書きの「LOGOS」の文字が辛うじて確認できるのみであり,本件商標若しくは本件商標と社会通念上同一の商標が全く表れていない。
また,本件商標権者は,株式会社フジアールに対して,ロゴの修正を依頼したにすぎないのであるから,当該行為は請求に係る指定役務とは無関係であり,本件商標の請求に係る指定役務についての使用とは認められない。
イ 上記アに関し,被請求人は,NewsRelease(乙18の1)に掲載されている写真の右端に,標章の「一部」を構成するアルファベットの「S」の文字が写っている旨主張するところ,当該NewsReleaseには,「S」の文字が辛うじて確認できるにすぎず,そもそも本件商標若しくは本件商標と社会通念上同一の商標を確認することができない。
さらに,NewsReleaseの記事は,上記(11)アのとおり,請求に係る指定役務に関する本件商標の使用に当たらない。
ウ 以上のとおり,キッズパークの壁面に表示されている商標に係る行為が本件商標権者が提供するキッズパークの内装工事及び内装工事の助言に関する広告に標章を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)とは認められない。
エ 本件商標と使用商標24との社会通念上の同一について
別掲15のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標24」という。)は,図形と文字とがまとまりよく一体的に構成されているのであるから,「LOGOS」の文字部分が他の構成要素と切り離されて独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものではない。
オ キッズパークに表示されている使用商標19ないし使用商標22(乙18~乙20)の使用は,キッズパークが提供する役務についての使用であって,本件商標権者による請求に係る指定役務についての使用ではない。
第3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,答弁書及び審尋に対する回答において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第34号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標権者について
本件商標権者は,アウトドア用品・アウトドアウエアなどの企画・販売・製造及び付随業務を行う株式会社であって(乙1),本件商標権者の実店舗であるロゴスショップを2020年11月28日時点において日本全国に46店舗展開し,かつ運営している(乙2)。
2 本件商標権者による建設工事及びその助言に関して
本件商標権者は,要証期間にサッポロ不動産から同社が運営する複合商業施設であるサッポロファクトリー(乙3の1)内のキッズパーク(乙3の2)の内装工事(内装の建設工事)及びその助言の依頼を受け,その内装工事を請け負うと共にサッポロ不動産に対して内装工事の助言を行った(乙4~乙6,乙9~乙15,乙17)。
3 本件商標の使用について
(1)商談に関する使用
ア 本件商標権者は,要証期間を含む遅くとも2016年7月14日から現在に至るまで(乙7の1,乙7の2,乙8),本件商標権者の大阪本社(大阪府大阪市)の外壁に使用商標1(乙7の1,乙8の1)及び使用商標2を表示しており(乙7の1,乙7の2,乙8),大阪本社の入口の立て看板に使用商標3を表示しており(乙7の3,乙7の4),かつ,大阪本社の商談スペースに設置されたディスプレイに使用商標4(乙7の5,乙7の6)を表示している。
サッポロ不動産の従業員は,要証期間内の2019年4月3日及び同年5月29日に,キッズパークの内装工事に関する商談を,本件商標権者の副社長及び従業員と行うために,本件商標権者の大阪本社を訪れている(乙4の1,乙4の2の1,乙5,乙6)。
してみると,サッポロ不動産の従業員は,本件商標権者の大阪本社を訪れて,内装工事及びその助言の提供を受けていることになるから,本件商標権者の大阪本社に表示された使用商標1ないし使用商標4が,本件指定役務との関係で直接付されているものではないものの(乙23),サッポロ不動産の従業員は,本件商標権者が提供する内装工事及び内装工事の助言(建設工事及び建築工事に関する助言)を示す商標として認識する(乙5,乙6)。
よって,本件商標権者が,要証期間において,使用商標1ないし使用商標4を,本件商標権者が提供する内装工事及び内装工事の助言を示す商標として表示する行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「商品若しくは役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標1ないし使用商標4との社会通念上の同一について
(ア)使用商標1は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるから,本件商標と社会通念上同一の商標である。
(イ)使用商標2ないし使用商標4の葉様の図形中に「LOGOS」と需要者が十分に認識できる大きさで表示されており,これらの商標に接する需要者は,その構成中,外観上見やすく,かつ,称呼しやすい「LOGOS」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当であるから,これら使用商標中の「LOGOS」は,他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
また,「LOGOS」の文字から「ロゴス」の称呼が生じ,「言語,言葉や理性」の観念を生じるものである(乙24)。
そうすると,使用商標2ないし使用商標4の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるから,本件商標と社会通念上同一の商標である。
(2)メールに関する使用
ア メール(乙4の1)に含まれる本件商標権者の従業員が送信した下層メールの署名部分には,使用商標5が表示されている。
これらの下層メールは全て要証期間内に送信されている。また,これらの下層メールにおいて,本件商標権者の従業員は,サッポロ不動産の従業員と,上記(1)の内装工事に関する商談を行うためのアポイントの日時の調整,キッズパークの内装工事を行うエリアの確認,及び,キッズパークのイメージの共有等を行っていることから,当該下層メールに表示された使用商標5は,要証期間内において,本件商標権者が提供する内装工事及び内装工事の助言(建設工事及び建築工事に関する助言)を示す商標として使用されている。
かかる行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して電磁的方法によって提供する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標5との社会通念上の同一について
使用商標5は,その右横にURLが記載されているものの,「ロゴス」であって,「ロゴスホームページ」や「ロゴスウェブサイト」等と表示されているわけではなく,使用商標5とURLとの間には,大きなスペースが空いている。
上記メールの本文のやり取りの内容が,札幌ファクトリーキッズパークの内装工事及びその助言に関するものである以上,使用商標5は,URLを表す文字列としてだけではなく,URLから離れて,上記メールの本文のやり取りの内容,すなわち,札幌ファクトリーキッズパークの内装工事及びその助言との関係で自他役務識別標識として使用されていると認識される。
そして,使用商標5の「ロゴス」の文字は,「言語,言葉や理性」の観念を生じるものであって,本件商標から平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって本件商標と同一の観念を生ずるものであるから,使用商標5は,本件商標と社会通念上同一の商標である。
(3)動画に関する使用
ア 本件商標権者の従業員のメール(乙4の2の1)の記載より,サッポロ不動産の従業員が,同メール本文の「スタッフによる番組」下のURLをクリックして,キッズパークの内装工事に関連する本件商標権者の動画(乙4の2の3)を視聴した(乙33)。
当該動画は,要証期間内の2019年5月26日から現在に至るまで公開されており(乙4の2の3),当該メール送信日時(2019年5月28日)及びそれ以降においても公開されている。
当該動画の下側には使用商標3と「LOGOS 公式YouTubeチャンネル」の文字からなる商標(以下「使用商標6」という。)が表示されている。また,動画の開始から3秒ないし4秒に使用商標7が表示されかつ動画の開始から15:20ないし15:40に使用商標3が表示される。
サッポロ不動産の従業員は,本件商標権者によって提供されるキッズパークの内装工事に関連して(乙4の2の1)前述の動画を視聴し,使用商標7,使用商標3及び使用商標6を認識することになることから,かかる行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して電磁的方法によって提供する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標6及び使用商標7との社会通念上の同一について
(ア)使用商標6は,「LOGOS」と「公式YouTubeチャンネル」との間にスペースがあり,また,アクセスしたウェブサイトは本件商標権者の公式YouTubeチャンネルであることから,「公式YouTubeチャンネル」自体については識別力がない又は「LOGOS」の文字部分の識別カよりも極めて弱くなることから,使用商標6中の「LOGOS」は,その他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。このような使用商標6の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標6は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(イ)使用商標7は,その構成中,外観上見やすく,かつ,称呼しやすい右上の「LOGOS」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当であるから,使用商標7中の「LOGOS」は,他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると,使用商標7の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標7は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(4)LOGOS_KIDS_0528に関する使用
ア LOGOS_KIDS_0528(乙4の2の2)には,使用商標8及び使用商標9が表示されている。
LOGOS_KIDS_0528は,要証期間内の2019年5月28日に,本件商標権者の副社長からサッポロ不動産の従業員に提供したキッズパークの大ラフ案である。
本件商標権者がサッポロ不動産の従業員に,使用商標8及び使用商標9を付したLOGOS_KIDS_0528を提供する行為は,商標法第2条第3項第3号にいう「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し,又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標8及び使用商標9との社会通念上の同一について
使用商標8は,角丸矩形状の枠内に「LOGOS」と「CAMPING THEATER」とが2段書きでかつ色を変えて表示されていること,及び「CAMPING THEATHER」は,コンテンツを流すシアターそれ自体と認識されることから,識別カがない又は「LOGOS」の文字部分の識別力よりも極めて弱くなることから,使用商標8中の「LOGOS」は,「CAMPING THEATER」と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
また,使用商標9は,円弧状の枠内に,「楓のマーク」,「LOGOS」,「KIDS」,「LIBRARY」がスペースを空けて横並びに表示されていること,及び「KIDS LIBRARY」は,キッズパーク内の子供用の図書館であると認識されることが相当であることから,識別力がない又は「LOGOS」の文字部分の識別力よりも極めて弱くなることから,使用商標9中の「LOGOS」は,他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると,これら使用商標8及び使用商標9の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標8及び使用商標9は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(5)メールに関する使用
ア 本件商標権者の従業員が送信したメール(乙4の3の1)の署名部分には,使用商標10及び使用商標11が表示されている。
当該メールは下層メールを含め,全て要証期間内に送信されている。また,本件商標権者の従業員は,当該メールにおいて,サッポロ不動産の従業員にキッズパークのラフイメージを送付し,下層メールにおいて,サッポロ不動産の従業員に,キッズパークの使用素材の資料の確認を行っていることから,これらのメールに表示された使用商標10及び使用商標11は,要証期間内において,本件商標権者が提供する内装工事及び内装工事の助言(建設工事及び建築工事に関する助言)を示す商標として使用されている。
かかる行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して電磁的方法によって提供する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標10及び使用商標11との社会通念上の同一について
使用商標10及び使用商標11は,「LOGOS」とその他の構成要素との間にスペースがあること,また,使用商標10については,「LOGOS WEBSITE」の右横に本件商標権者のホームページのURLが記載されていることから,「WEBSITE」は,同ホームページを指し示す用語と認識されるにとどまり,識別力がない又は「LOGOS」の文字部分の識別力よりも極めて弱くなることから,使用商標10及び使用商標11中の「LOGOS」は,その他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると,使用商標10及び使用商標11の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標10及び使用商標11は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(6)sapporo kids station ラフ案に関する使用
ア sapporo kids station ラフ案(乙4の3の2)は,要証期間内の2019年9月12日に,本件商標権者の副社長からサッポロ不動産の従業員に提供したキッズパークのラフイメージの図である。
このように本件商標権者が,サッポロ不動産の従業員に,使用商標12及び使用商標13を付した当該添付ファイルを提供する行為は,商標法第2条第3項第3号にいう「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し,又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標12及び使用商標13との社会通念上の同一について
使用商標12は,「ENJOY OUTING!」と「LOGOS」とが縦に2段書きで表示されていることから,使用商標12中の「LOGOS」は,「ENJOY OUTING!」と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
また,使用商標13も,「Enjoy Outing」と「LOGOS」とが横に2段書きで表示されていることから,使用商標13中の「LOGOS」は,「Enjoy Outing」と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると,使用商標12及び使用商標13の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標12及び使用商標13は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(7)LOGOSKS2校に関する使用
ア LOGOSKS2校(乙4の5の2)は,要証期間内の2019年10月11日に,サッポロ不動産の従業員から本件商標権者の従業員に送付されている(乙4の5の1)。
当該添付ファイルには,使用商標3,「KIDS STATION produced by LOGOS」の欧文字からなる商標(以下「使用商標14」という。)及び「『ロゴス』プロデュースのキッズパークが,北海道に初上陸!」の文字からなる商標(以下「使用商標15」という。)が表示されている。
LOGOSKS2校が添付されているメール(乙4の5の1)において,サッポロ不動産の従業員は,LOGOSKS2校の内容の確認を本件商標権者の従業員に求めている。
してみると,LOGOSKS2校は,本件商標権者の許諾を得て,サッポロ不動産によって,本件商標権者による内装工事及びその助言がなされたキッズパークの宣伝広告に使用されるものである。
この種のキッズパークは,サッポロファクトリー等の商業施設内に設けられるものであり,その需要者は,一般需要者ではなく,商業施設の運営会社の担当者となる。
かかる行為は,キッズパークの宣伝広告だけでなく,本件商標権者が商業施設の運営会社向けに,キッズパークの内装工事及びその助言を行うことができる宣伝広告としても機能することから,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当する。
また,サッポロファクトリーのウェブページ(乙25の1)においては,LOGOSKS2校と同様の「ファミリー層に絶大な人気を誇るアウトドアブランド「LOGOS(ロゴス)」がプロデュースするキッズパークが北海道初上陸!」及び使用商標3を含む別掲16のとおりの構成よりなる宣伝文句が使用されたキッズパークに関する宣伝広告ページが,遅くとも要証期間内の令和2年(2020年)9月30日(乙25の2)から現在に至るまで表示されている。この宣伝広告ページも,一般需要者に対するキッズパーク自体の宣伝広告だけでなく,商業施設の運営会社の担当者に対するキッズパークの建築工事又はその助言の宣伝広告もなしている。
イ 本件商標と使用商標14及び使用商標15との社会通念上の同一について
(ア)使用商標14の構成内の「KIDS STATION produced by」は,「LOGOS」によって,KIDS STATIONがプロデュースされたことを説示しているだけであることから,識別力がない又は「LOGOS」の文字部分の識別力よりも極めて弱くなることから,「LOGOS」の文字部分が需要者に対して出所識別標識として強く支配的な印象を与える。よって,「LOGOS」の文字部分は,要部として分離抽出される。
そうすると,使用商標14の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標14は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(イ)使用商標15の構成内の「プロデュースのキッズパークが,北海道に初上陸!」は,ロゴスによって,プロデュースされたキッズパークが北海道に初上陸することを説示しているだけであることから,識別力がない又は「ロゴス」の文字部分の識別力よりも極めて弱くなるから,「ロゴス」の文字部分が需要者に対して出所識別標識として強く支配的な印象を与える。よって,使用商標15の括弧書きで括られた「ロゴス」の文字部分は,要部として分離抽出される。
「ロゴス」の文字部分は,上記(2)イのとおり,本件商標から平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって本件商標と同一の観念を生ずるものであるから,使用商標15は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(8)train1007及びサッポロPLANl007に関する使用
ア 本件商標権者の従業員とサッポロ不動産の従業員とのメールの記載によればサッポロ不動産の従業員は,要証期間内の2019年10月8日から同月11日に,ファイル転送サービスからtrain1007(乙4の5の3)及びサッポロPLAN1007(乙4の5の4)をダウンロードしたものと推認される(乙4の5の1)。
train1007は,キッズパークの汽車の車両部分の図面であり,第1頁ないし第3頁の各々の右下の角部に,使用商標16が表示されている。
また,サッポロPLAN1007は,キッズパークの図面であり,第1頁ないし第3頁の各々の左下の角部に,使用商標17が表示されている。
このように本件商標権者が,サッポロ不動産の従業員に,使用商標16を付したtrain1007及び使用商標17を付したサッポロPLAN1007を提供する行為は,商標法第2条第3項第3号にいう「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し,又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標16及び使用商標17との社会通念上の同一について
(ア)使用商標16は,「LOGOS」,「CAMPING」及び「TRAIN」がスペースを空けて横並びに表示されており,また,構成内の「CAMPING TRAIN」は,「train1007」(乙4の5の3)の図面に表された「汽車風展示用家具」を指し示す用語として認識されることから,識別カがない又は「LOGOS」の文字部分の識別力よりも極めて弱くなることから,「LOGOS」の文字部分が需要者に対して出所識別標識として強く支配的な印象を与える。
よって,「LOGOS」の文字部分は,要部として分離抽出されて,「train1007」(乙4の5の3)の図面の出所を表示する自他役務識別標識として機能する。
そして,使用商標16の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標16は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(イ)使用商標17も,「ロゴス」と「札幌ビアファクトリーKIDS STATION」との間にスペースを空けて横並びに表示されていること,及び構成内の「札幌ビアファクトリー」はサッポロ不動産が運営する商業施設又は運営ブースを示す仮称であり,「KIDS STATION」は,「札幌PLAN1007」(乙4の5の4)に表された「駅」それ自体を指し示す用語として認識されるものである。
そうすると,「札幌ビアファクトリー」及び「KIDS STATION」は,識別力がない又は「ロゴス」の文字部分の識別力よりも極めて弱くなることから,「ロゴス」の文字部分が需要者に対して出所識別標識として強く支配的な印象を与える。よって,「ロゴス」の文字部分は,要部として分離抽出されて,「札幌PLAN1007」(乙4の5の4)の図面の出所を表示する自他役務識別標識として機能する。
そして,使用商標17の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「ロゴス」は,本件商標から平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって本件商標と同一の観念を生ずるものであるから,使用商標17は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(9)商談に関する使用
サッポロファクトリー2条館1F(札幌市中央区)で,要証期間内の2019年10月31日に,本件商標権者の従業員がサッポロ不動産の従業員に,キッズパークの内装工事に関する見積書(乙11)及び注文請書(乙12)入りの封筒(乙10の2)を手渡し(乙4の6,乙10の1),サッポロ不動産によって受領されている(乙26)。
そして,当該封筒には使用商標3が表示されているところ,サッポロ不動産の従業員が見積書及び注文請書入りの封筒(乙10の2)の受け取りを証明していることから(乙10の1),封筒(乙10の2)に付された使用商標3がキッズパークの内装工事及びその助言と具体的な関連性をもって使用された。
以上のとおり,本件商標権者は,キッズパークの内装工事及びその助言を行っているので,これらの役務に使用商標3を使用している。
(10)請求書及び工事完了ご報告書の送付に関する使用
キッズパークの内装工事に関する2019年10月21日付けの請求書(乙13,乙27)及び同月31日付けの工事完了ご報告書(乙14)入りの封筒(乙15の2)が,少なくとも同年10月21日から2020年(令和2年)3月23日の間に本件商標権者の従業員からサッポロ不動産の従業員に郵送され,サッポロ不動産の従業員が受領している(乙15の1,乙27、乙31,乙32)。
また,サッポロ不動産から本件商標権者に対して2020年(令和2年)3月23日に振り込みがある(乙31,乙32) ことから,当該封筒に付された使用商標3がキッズパークの内装工事及びその助言,すなわち,本件指定役務と具体的な関連性をもって使用された。
以上のとおり,本件商標権者は,キッズパークの内装工事及びその助言を行っているので,これらの役務に使用商標3を使用している。
(11)使用商標3が付された封筒(乙10の2,乙15の2)が実在したことについて
株式会社日興商会は,平成30年(2018年)9月18日に,本件商標権者から,長3クラフト封筒を3000枚受注しており,令和元年(2019年)9月26日に,本件商標権者の長3クラフト封筒3000枚を本件商標権者に納品している(乙28の1,乙28の2)から,封筒(乙10の2,乙15の2)が,令和元年(2019年)10月31日に存在していることになる。
(12)NewsReleaseに関して
ア 本件商標権者は,要証期間内の2019年(令和元年)11月1日に,サッポロファクトリー内にキッズパークがオープンする旨のNewsReleaseを発表した(乙18の1)。
NewsReleaseには,使用商標18ないし使用商標22,使用商標15及び使用商標14が表示されている。
また,NewsReleaseには,アウトドアブランドのLOGOS(本件商標権者)がプロデュースしたキッズパークである旨等が記載されている(乙18の1)。
なお,本件商標権者は,NewsReleaseを2019年(令和元年)11月1日から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)インターネット上で公開し続けており(乙18の2),かつ,NewsReleaseを,プレスリリース・ニュースリリース配信サービスを行う会社であるPRTIMESを通じて2019年(令和元年)11月1日にインターネット上で配信すると共に当該配信から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)インターネット上で公開し続けている(乙19)。
このように本件商標権者は,キッズパークをプロデュースし,かつ作成できる(内装工事ができる)ことを,使用商標18ないし使用商標22,使用商標15のうちの「ロゴス」,および使用商標14のうちの「LOGOS」を表示して宣伝広告している。
かかる行為は,キッズパークの宣伝広告だけでなく,本件商標権者がキッズパークの内装工事及びその助言を行うことができる宜伝広告でもあるから,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標18ないし使用商標22との社会通念上の同一について
(ア)使用商標18は,その構成中,外観上見やすく,かつ,称呼しやすい右上の「LOGOS」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当であるから,使用商標18中の「LOGOS」は,他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
使用商標18の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標18は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(イ)使用商標19及び使用商標20は,「ENJOY OUTING!」と「LOGOS」とが2段書きで表示されていることから,当該使用商標19及び使用商標20中の「LOGOS」は,「ENJOY OUTING!」と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。使用商標19及び使用商標20の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標19及び使用商標20は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(ウ)使用商標21は,「LOGOS」,「LAND」,「TENT」,「CONTAINER」がスペースを空けて横並びに表示されていることから,使用商標21中の「LOGOS」は,他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。使用商標21の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(エ)使用商標22も,「楓のマーク」,「LOGOS」,「LAND」がスペースを空けて横並びに表示されていることから,使用商標22中の「LOGOS」は,他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。使用商標22の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標22は本件商標と社会通念上同一の商標である。
(13)ロゴスからのお知らせにおける宣伝広告に関する使用
ア 本件商標権者は,2019年(令和元年)10月31日から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)ロゴスからのお知らせにおいて,上記NewsReleaseと同様の内容の宣伝広告を行っている(乙20の1)。
このウェブサイトには,使用商標7,使用商標19,使用商標21,「ロゴスからのお知らせ」の文字からなる商標(以下「使用商標23」という。)及び使用商標14が表示されている(乙20の1)。
このように本件商標権者は,要証期間において,キッズパークをプロデュースし,かつ作成できる(建築工事ができる)ことを,使用商標7,使用商標19,使用商標21,使用商標23のうちの「ロゴス」,使用商標14のうちの「LOGOS」を表示して宣伝広告している。
かかる行為は,キッズパークの宣伝広告だけでなく,本件商標権者がキッズパークの内装工事及びその助言を行うことができる宣伝広告でもあるから,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標23の社会通念上の同一について
使用商標23の「ロゴス」は,ロゴスからのお知らせとして上記宣伝広告を行っており,キッズパークのプロデュース及び内装工事をした者がロゴスであることを示しており,使用商標23の構成中の「お知らせ」は,ウェブサイト(乙20の1)の記載自体をお知らせ自体であると認識されることから,識別力がなく,「ロゴス」の文字部分が需要者に対して出所識別標識として強く支配的な印象を与える。よって,「ロゴス」の文字部分は,要部として分離抽出されて自他役務識別標識として機能する。
使用商標23の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「ロゴス」は,本件商標から平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって本件商標と同一の観念を生ずるものであるから,使用商標23は本件商標と社会通念上同一の商標である。
ウ なお,本件商標権者は,要証期間内の2019年(令和元年)11月1日に本件商標権者のウェブサイトにおいて,本件商標と社会通念上同一の使用商標7,使用商標20ないし使用商標22を使用してキッズパークの宣伝広告を行っている(乙20の2)。
(14)キッズパークの壁の標章に関する使用
ア 本件商標権者は,キッズパークの壁に使用商標24を表示した(乙21の1,乙21の2)。
使用商標24は,本件商標権者が下請け会社である株式会社フジアールに,商標を修正するように指示を出していること(乙4の7の1,乙4の7の2),および,本件商標権者がNewsRelease(乙18の1)の第1頁の4つの写真のうちの右上の写真の左端に,使用商標24の右端のLOGOSの「S」が写っていることから(乙18の3),遅くともキッズパークのオープン当初(2019年(令和元年)11月1日)から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)看板として表示され続けている。
このようにキッズパークの壁に表示された使用商標24は,サッポロ不動産の従業員によって,本件商標権者が提供した内装工事及び内装工事の助言(建設工事及び建築工事に関する助言)を示す商標として認識される。
そうすると,本件商標権者が,要証期間において,使用商標24を,本件商標権者が提供する内装工事及び内装工事の助言(建設工事及び建築工事に関する助言)を示す商標として表示する行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「商品若しくは役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当する。
イ 本件商標と使用商標24との社会通念上の同一について
使用商標24は,その構成中,外観上見やすく,かつ,称呼しやすい右上の「LOGOS」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当であるから,使用商標24中の「LOGOS」は,他の構成要素と切り離されて独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。使用商標24の構成中,自他商品・役務の識別標識としての機能を有する「LOGOS」は,本件商標から書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるので,使用商標24は本件商標と社会通念上同一の商標である。
ウ なお,キッズパークには,上記したとおり本件商標と社会通念上同一の使用商標19(乙18,乙19,乙20の1),使用商標20(乙18,乙19,乙20の2),使用商標21(乙18の1,乙18の2,乙19,乙20の1,乙20の2)及び使用商標22(乙18の1,乙18の2,乙19,乙20)も遅くともキッズパークのオープン当初(2019年(令和元年)11月1日)から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)看板として表示され続けている。
(15)小括
以上のとおり,本件商標権者は,本件商標と社会通念上同一である使用商標1ないし使用商標24を,キッズパークの内装工事及びその助言(請求に係る指定役務)について,要証期間に,日本国内において使用している。
第4 当審の判断
1 被請求人提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は,アウトドア用品・アウトドアウエアなどの企画・販売・製造等を事業内容とする企業である(乙1)。
(2)本件商標権者の本社建物等について
ア 本件商標権者の従業員とサッポロ不動産の従業員は2019年(平成31年)4月3日及び同年(令和元年)5月29日に本件商標権者の本社(大阪府大阪市)において,キッズパークに関する面談(商談)を行った(乙4の1,乙4の2の1,乙5,乙6)。
イ 本件商標権者の本社建物の壁面には使用商標1及び使用商標2が表示されている(乙7の1,乙7の2,乙8の1,乙8の2)。
ウ 本件商標権者の本社の入り口前の「受付は4階です。1階奧のエレベータをご利用ください。」等と記載された立て看板には使用商標3が表示されている(乙7の3,乙7の4)。
エ 人物が表示されている,ディスプレーのフレームの上部中央には使用商標4が表示されている(乙7の5,乙7の6)。
(3)封筒について
ア 本件商標権者に係る封筒には使用商標3が表示されている(乙10の2,乙10の3,乙15の2,乙15の3,乙29)
イ サッポロ不動産の従業員は2019年10月31日に,サッポロファクトリー2条館1F(札幌市中央区)において,キッズパークの内装工事に関する見積書(乙11)及び注文請書(乙12)入りの使用商標3が表示された封筒及び受取の日付の記載はないがキッズパークの内装工事に関する請求書(乙13)入りの使用商標3が表示された封筒を受け取った旨を陳述している(乙10の1,乙15の1)。
(4)サッポロファクトリーのウェブページについて
サッポロファクトリーのウェブページにおいて「『ロゴス』プロデュースのキッズパークが,北海道に初上陸!」の見出しの下,使用商標3が表示されている(乙25)。
(5)本件商標権者が送付したメールに付されている使用商標5について
本件商標権者の従業員が,2019年(平成31年)3月13日ないし同月26日にサッポロ不動産の従業員に送付したメールの署名欄には「ロゴス(使用商標5)」の文字とURL,「キャンプ場ドットコム」の文字とURL及び「ロゴスファミリーVISAカード」の文字とURLが3段に表示されている(乙4の1)。
(6)キッズパークのプロジェクタで流す動画について
ア 本件商標権者の副社長はサッポロ不動産の従業員へ,2019年(令和元年)5月28日のメール(乙4の2の1)において,キッズパークのプロジェクタで流すコンテンツとして動画(乙4の2の3)が掲載されているウェブサイトのURLを提示した。
イ 当該動画の内容は本件商標権者の従業員が2人でピザを作るというものである。
ウ 当該動画には使用商標3,使用商標6,使用商標7が表示されている。
(7)LOGOS_KIDS_0528について
ア 本件商標権者の副社長はサッポロ不動産の従業員へ,2019年(令和元年)5月28日のメール(乙4の2の1)の添付ファイルとして,キッズパークの大ラフ案とする,LOGOS_KIDS_0528(乙4の2の2)を送付した。
イ LOGOS_KIDS_0528の上部には,使用商標8及び使用商標9が表示されている。
(8)本件商標権者が送付したメールに付されている使用商標10及び使用商標11について
本件商標権者の従業員が2019年(令和元年)9月2日ないし同年10月21日にサッポロ不動産の従業員に送付したメールの署名欄には「LOGOS WEBSITE(使用商標10)」の文字とURL,「LOGOS LAND(使用商標11)」の文字とURL及び「キャンプが街にやってくる!」の文字とURLが3段に表示されている(乙4の3の1,乙4の4の1,乙4の5の1,乙4の6)。
(9)sapporo kids station ラフ案について
ア 本件商標権者の従業員はサッポロ不動産の従業員へ,2019年(令和元年)9月12日のメール(乙4の3の1)の添付ファイルとして,キッズパークのラフイメージとする,sapporo kids station ラフ案(乙4の3の2)を送付した。
イ sapporo kids station ラフ案の1葉目の建物の左側には使用商標12が,右側には使用商標13が表示されている。
(10)LOGOSKS2校について
ア サッポロ不動産の従業員は本件商標権者の従業員へ,2019年(令和元年)10月11日のメール(乙4の5の1)の添付ファイルとして,タブロイドの名称修正,パース図の反映とする,LOGOSKS2校(乙4の5の2)を送付した。
イ LOGOSKS2校の上部には使用商標14が,使用商標14の下段には使用商標15が,右側には使用商標3が表示されている。
(11)train1007及びサッポロPLAN1007について
ア 本件商標権者の従業員はサッポロ不動産の従業員へ,2019年(令和元年)10月8日のメール(乙4の5の1)において,最新の図面データとしてキッズパークのラフイメージであるtrain1007(乙4の5の3)及びサッポロPLAN1007(乙4の5の4)をダウンロードさせるため,ファイル転送サービスのURLを示している。
イ train1007の右下には使用商標16,サッポロPLAN1007の左下には使用商標17が表示されている。
(12)NewsReleaseについて
ア 本件商標権者は,令和元年11月1日付けで「LOGOSプロデュースのキッズパークが,北海道に初登場! サッポロファクトリー内『KIDS STATION produced by LOGOS』オープン」を見出しとするNewsReleaseをウェブサイトに掲載した。
NewsReleaseには「アウトドアブランドのLOGOS(本社:大阪市・・・)がプロデュースしたキッズパーク・・・全天候型ショッピングセンターのサッポロファクトリー(所在地:北海道札幌市中央区・・・)内に,2019年11月1日(金)にオープンいたします。」の記事がある(乙18の1,乙18の2)。
イ NewsReleaseの1葉目の左上に使用商標18,1葉目の左上の写真中に使用商標19,右上の写真中に使用商標20,左下の写真中に使用商標21,右下の写真中に使用商標22,見出しとして,使用商標15及び使用商標14が表示されている(乙18)。
なお,これらの写真はキッズパークの内部を撮影したものと認められる。
(13)ロゴスからのお知らせ等について
ア 本件商標権者は,2019年10月31日付け「ロゴスからのお知らせ」の見出しの下「11月1日に,サッポロファクトリー内にて,LOGOSプロデュースのキッズパーク・・・オープンします。」旨の記事を,また,同年11月1日付けで「キッズステーションOPEN」の見出しの記事をウェブサイトに掲載した(乙20)。
イ ロゴスからのお知らせには,左上に使用商標7が表示され,当該見出しとして使用商標23が表示されている。さらに,記事の文章中に使用商標14が表示されている(乙20の1)。
ウ 「キッズステーションOPEN」の見出しの記事には使用商標7が表示されている。
(14)キッズパークの壁面について
キッズパークの壁面には,使用商標24が表示されているところ,使用商標24は,その構成中に「SHOP B1F」の文字及び「↓(下矢印)」を含むものである(乙21)。
(15)見積書及び請求書について
ア 本件商標権者の従業員はサッポロ不動産の従業員へ,2019年(令和元年)10月7日のメールの添付ファイルとして,キッズパークの見積書を送付した(乙4の4の1)。
イ 作成日を2019年10月7日とするサッポロファクトリー宛ての,件名:札幌ファクトリーキッズバークお見積もり,工期:2019年10月下旬,場所:サッポロファクトリーとする「御見積書(1)」には,名称欄に「道具,床,装飾,サイン,人件費 2泊3日 深夜作業,運搬費,現場雑材,デザイン費,旅費・交通費,諸経費」とあり,本件商標権者の従業員と思しき者の押印がされている。また,作成日:2019年10月7日とする「御見積明細書」には,名称欄に「道具」,「床」,「装飾」,「サイン工事」の詳細が記載されている(乙4の4の2,乙11)。
なお,乙第4号証の4の2と乙第11号証とは同一の内容であるが,乙第11号証には,本件商標権者の社判が押印されている。
ウ 作成日を2019年10月21日とする本件商標権者からサッポロ不動産宛ての,「御請求書」には,件名:KIDS STATION porpduced by LOGOSとあり,名称欄には「道具,床,装飾,サイン,人件費 2泊3日 深夜作業,運搬費,現場雑材,デザイン費,旅費・交通費,諸経費」が表示され本件商標権者の従業員と思しき者の押印がある。また,作成日:2019年10月21日とする「御請求書細書」には「道具」,「床」,「装飾」,「サイン工事」の詳細が記載されている(乙13,乙27)。
なお,乙第13号証と乙第27号証とは同一の内容であるが,乙第27号証には,サッポロ不動産の従業員と思しき者の押印がある。
2 判断
被請求人は,本件商標権者が要証期間内に使用商標1ないし使用商標24を請求に係る指定役務に使用している旨主張するので,これについて検討する。
(1)使用商標1及び使用商標2について
使用商標1及び使用商標2は,本件商標権者の大阪府大阪市に所在する本社建物の壁面に表示されていることは認められるところ,これらは請求に係る指定役務に関する広告とはいえず,請求に係る指定役務中「建設工事(内装工事)」は,札幌市中央区のサッポロファクトリー内において行われたものであるから(乙18の1),当該建設工事が使用商標1及び使用商標2の下で提供されたものとも認められない。
また,本件商標権者の本社において,本件商標権者の従業員とサッポロ不動産の従業員とが商談を行ったとしても,当該商談の内容は明らかではなく,使用商標1及び使用商標2の下で具体的に請求に係る役務中「建築工事に関する助言」が行われたものかは不明である。
なお,本件商標権者が,サッポロ不動産に宛てた明細書及び請求書には,独立した役務としての「建築工事(内装工事)に関する助言」に関する記載はない。
したがって,使用商標1及び使用商標2は,請求に係る役務について具体的に使用されたものとは認められない。
(2)使用商標3について
使用商標3は,その構成中の「LOGOS」の文字が,緑色の葉と思しき図形の内部右下に小さな白抜き文字で埋め込まれるように表されていることから,構成全体が一体不可分のものであるとみるのが相当であり,「LOGOS」の文字のみからなる本件商標とは外観において顕著な差異を有するものと認められる。
したがって,使用商標3は,本件商標と社会通念上同一の商標であると認められない。
(3)使用商標4について
使用商標4は,被請求人が,本件商標権者の商談スペースにあるディスプレーのフレームに付されていると主張するところ,当該ディスプレーが本件商標権者の商談スペースに設置されていたとしても,上記(1)と同様の理由により,請求に係る役務について具体的に使用されたものとは認められない。
また,当該ディスプレーに表示されている人物の画像と請求に係る役務との関連も認められない。
したがって,使用商標4は,請求に係る役務に使用されているものとは認められない。
(4)使用商標5について
使用商標5は,本件商標権者の従業員の電子メールの署名欄に表示されているところ,当該署名欄には,「ロゴス(使用商標5)」の文字とURL,「キャンプ場ドットコム」文字とURL及び「ロゴスファミリーVISAカード」の文字とURLが3段に表示されていることから,上記の各文字に接する者においては,上記の各文字がその右側に表示されるURLの内容を示していると認識するのが自然である。
そうすると,引用商標5についてもその右側に付されているURLの内容を示すものである。
したがって,使用商標5が,請求に係る役務に使用されているものとは認められない。
(5)使用商標6について
使用商標6が表示されている動画の内容は,本件商標権者の従業員が2人でピザを作るというものであって,請求に係る役務との関連が見いだせない。
また当該動画は本件商標権者の副社長が,(完成後の)キッズパークのプロジェクタで流すコンテンツとして提示されたものであるから,当該動画の下で請求に係る役務が行われてはいない。
したがって,サッポロ不動産の従業員が当該動画を請求に係る役務との関連で視聴していたとしても,使用商標6が請求に係る役務に使用されているものとは認められない。
(6)使用商標7について
使用商標7が表示されている動画は,上記(5)のとおり請求に係る役務に使用されているものとは認められない。
また,使用商標7が表示されているロゴスからのお知らせ及び「キッズステーションOPEN」の見出しの記事は,その記事内容より,キッズパークのオープンを告知するための広告であり,当該記事中に請求に係る役務との関連は見いだせず,請求に係る役務を直接広告したものとは認められない。
したがって,使用商標7は請求に係る役務に使用したものとは認められない。
(7)使用商標8及び使用商標9について
使用商標8及び使用商標9は,その構成内に「LOGOS」の文字を有するとしても,商標全体がまとまりよく表されていることに加え,使用商標8の構成中の「CAMPING THEATER」の文字及び使用商標9の構成中の「KIDS LIBRARY」の文字が,請求に係る役務(建設工事,建築工事に関する助言)との関連において,役務の質を表示する文字である等,自他役務識別標識としての機能がないとは認められない。
したがって,使用商標8及び使用商標9は,その構成中の「LOGOS」の文字のみを要部として分離抽出することはできないから,「LOGOS」の文字からなる本件商標と社会通念上同一の商標であると認められない。
(8)使用商標10及び使用商標11について
使用商標10及び使用商標11は,本件商標権者の従業員の電子メールの署名欄に表示されているところ,当該署名欄には,「LOGOS WEBSITE(使用商標10)」の文字とURL,「LOGOS LAND(使用商標11)」の文字とURL及び「キャンプが街にやってくる!」の文字とURLが3段に表示されていることから,上記の各文字に接する者においては,上記の各文字がその右側に表示されるURLの内容を示していると認識するのが自然である。
そうすると,引用商標10及び使用商標11についてもその右側に付されているURLの内容を示すものである。
したがって,使用商標10及び使用商標11が,請求に係る役務に使用されているものとは認められない。
(9)使用商標12及び使用商標13について
使用商標12及び使用商標13はその構成内に「LOGOS」の文字を有するとしても,商標全体の構成がまとまりよく表されていることに加え,使用商標12の構成中の「ENJOY OUTING!」の文字及び使用商標13の構成中の「Enjoy Outing」の文字が請求に係る役務(建設工事,建築工事に関する助言)との関連において,役務の質を表示する文字である等,自他役務識別標識としての機能がないとは認められない。
したがって,使用商標12及び使用商標13は,その構成中の「LOGOS」の文字のみを要部として分離抽出することはできないから,「LOGOS」の文字のみからなる本件商標と社会通念上同一の商標であると認められない。
(10)使用商標14及び使用商標15について
使用商標14は,LOGOSKS2校,NewsRelease及びロゴスからのお知らせに表示され,使用商標15は,LOGOSKS2校及びNewsReleaseに表示されているところ,LOGOSKS2校は,サッポロ不動産より本件商標権者に送付されたものであり,本件商標権者の使用と認められない。また,LOGOSKS2校と同一の画像が実際に請求に係る役務の広告に使用されたという証拠の提出もない。
そして,NewsRelease(乙18の1)は,その記事内容よりキッズパークのオープンを告知するための広告であり,当該記事中に請求に係る役務との関連は見いだせず,請求に係る役務を直接広告したものとは認められない。
また,ロゴスからのお知らせ(乙20)も上記(6)のとおり,請求に係る役務を直接広告したものとは認められない。
したがって,使用商標14及び使用商標15は,請求に係る役務に使用したものとは認められない。
(11)使用商標16及び使用商標17について
使用商標16及び使用商標17は,その構成内に「LOGOS」の文字を有するとしても,商標全体がまとまりよく表されていることに加え,使用商標16の構成中の「CAMPING TRAIN」の文字及び使用商標17の構成中の「札幌ビアファクトリーKIDS STATION」の文字が,請求に係る役務(建設工事,建築工事に関する助言)との関連において,役務の質を表示する文字である等,自他役務識別標識としての機能がないとはいえない。
したがって,使用商標16及び使用商標17の構成中の「LOGOS」の文字のみを要部として分離抽出することはできないから,使用商標16及び使用商標17は,「LOGOS」の文字からなる本件商標と社会通念上同一の商標であると認められない。
(12)使用商標18について
使用商標18は,NewsReleaseに表示されているところ,NewsReleaseは,上記(10)のとおり,請求に係る役務を直接広告したものとは認められない。
したがって,使用商標18は,請求に係る役務に使用したものとは認められない。
(13)使用商標19ないし使用商標22について
使用商標19ないし使用商標22は,NewsRelease,ロゴスからのお知らせ及びキッズパーク内に表示されているところ,NewsRelease及びロゴスからのお知らせは,上記(6)及び(10)のとおり,キッズパークのオープンを告知するための広告であり,当該記事中に請求に係る役務との関連は見いだせず,請求に係る役務を直接広告したものとは認められない。
また,キッズパーク内に表示されている使用商標19ないし使用商標22は,請求に係る指定役務に関する広告とはいえず,またキッズパーク内において,請求に係る指定役務が行われているものではないから,使用商標19ないし使用商標22のもとで請求に係る指定役務が提供されたものとは認められない。
したがって,使用商標19ないし使用商標22は,請求に係る役務に使用したものとは認められない。
(14)使用商標23について
使用商標23は,ロゴスからのお知らせに表示されているところ,ロゴスからのお知らせは,上記(6)のとおり,請求に係る役務を直接広告したものとは認められない。
したがって,使用商標23は,請求に係る役務に使用したものとは認められない。
(15)使用商標24について
使用商標24は,その構成より「LOGOS SHOP」(アウトドア用品店)が地下1階にあることを示す看板としての使用と認められるものであり,請求に係る役務に使用されているものとは認められない。
(16)小括
以上のとおり,使用商標1,使用商標2,使用商標4ないし使用商標7,使用商標10,使用商標11,使用商標14,使用商標15,使用商標18ないし使用商標24は,請求に係る役務に使用されているものとは認められず,使用商標3,使用商標8,使用商標9,使用商標12,使用商標13,使用商標16,使用商標17は,本件商標と社会通念上同一の商標であるとは認められない。
3 被請求人の主張について
(1)使用商標3について
被請求人は,本件商標権者が見積書及び注文請書並びに請求書入りの使用商標3を表示した封筒をサッポロ不動産の従業員に送付した旨主張し,サッポロ不動産の従業員は当該封筒を受け取った旨陳述している(乙10の1,乙15の1)また,被請求人は,見積書及び注文請書並びに請求書の作成日には当該封筒が実在していた旨主張している(乙28)。
しかしながら,上記2(2)のとおり,使用商標3は,構成全体が一体不可分のものであるとみるのが相当であるから,本件商標と社会通念上同一の商標であるとは認められない。
(2)使用商標3,使用商標6,使用商標7について
被請求人は,サッポロ不動産の従業員が使用商標3,使用商標6,使用商標7が表示されている動画を見てこれらの商標を請求に係る役務に関する識別標識として認識した旨陳述している(乙33)。
しかしながら,サッポロ不動産の従業員の陳述は主観的なもので,いかなる具体的事実に基づき証明しているか不明であって,使用商標3,使用商標6,使用商標7が請求に係る役務に使用するものであるという客観的な証拠とはならない。そして,上記2(5)のとおり,当該動画の内容と,請求に係る役務との関連は見いだせず,また,当該動画の下で請求に係る役務が行われているものではないから,当該動画が,請求に係る役務に使用されているものとは認められない。
(3)被請求人は,判決及び審決を示して,使用商標1ないし使用商標4,使用商標6及び使用商標7が請求に係る役務について,何らかの態様で使用されていれば足りる旨を主張する。
しかしながら,上記2(1),2(3)及び2(5)のとおり,使用商標1,使用商標2,使用商標4,使用商標6,使用商標7が表示されている建物及び画像と請求に係る役務との関連は見いだせない。また,上記2(2)のとおり,使用商標3は本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
(4)被請求人は,判決を示して,使用商標3は本件商標と社会通念上同一の商標である旨主張する。
しかしながら,当該判決で判断された商標と使用商標3とは,構成態様が異なるから,当該判決の存在によって上記2(2)の認定判断が左右されるものではない。
(5)したがって,被請求人の主張は,いずれも採用できない。
4 まとめ
以上のとおり,被請求人が提出した証拠からは,本件商標権者が要証期間内に,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を請求に係る役務に使用したものと認めることはできず,他に被請求人が要証期間に請求に係る役務について,本件商標を使用していることを証明するものはない。
また,被請求人は,請求に係る役務について,本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできず,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,「結論掲記の指定役務」について,商標法第50条の規定により登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-300662