商標取消審判
2020-300665
ロゴスアウティングエクイップメント、ロゴスアウティングイクイップメント、ロゴス、アウティングエクイップメント、アウティングイクイップメント、アウティング、エクイップメント、イクイップメント
- 審判番号
- 2020-300665
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-051122
- 登録番号
- 5851663
- 請求日
- 2020年09月24日
- 審決日
- 2021年10月07日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】ロゴス オーストラリア グループ ピーティーワイ リミテッド
- 【請求人代理人】田中 克郎
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】佐藤 俊司
- 【請求人代理人】飯田 遥
- 【被請求人】株式会社 ロゴスコーポレーション
- 【被請求人代理人】大西 正夫
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 森山 啓
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T132 .1 -Z (W37)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条、商標法第2条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5851663号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5851663号商標の第37類「建設工事,建設工事に関する助言」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5851663号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成27年5月29日に登録出願、第37類「建設工事,建設工事に関する助言」を含む第4類ないし第12類、第14類、第15類、第17類ないし第22類、第24類、第25類、第27類、第28類、第31類、第35類及び第43類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年4月14日に登録査定、同年5月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、令和2年10月19日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成29年10月19日から令和2年10月18日までを以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第37類「建設工事,建設工事に関する助言」(以下「請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないことから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人のNews Release及びウェブページにおける宣伝広告について
被請求人は、要証期間内である2019年11月1日に、サッポロファクトリー内にキッズパークがオープンする旨のニュースリリース(乙18の1及び2、乙19)に本件商標が表示されていること、及び、当該ニュースリリースと同内容の記事を被請求人のウェブサイトに掲載したこと(乙20の1及び2)が、本件商標を請求に係る指定役務について使用(商標法第2条第3項第8号)する行為に該当すると主張する。
しかしながら、そもそも、商標の使用があるというためには、「当該商標が、その商品(役務)との具体的関係において使用されていることを必要」とするものである(最高裁昭和42年(行ツ)第32号、甲1)。平成26年(ワ)第8187号判決においても、裁判所は、「石けん百貨」等の標章を表示した本件広告に楽天市場リスト表示画面をハイパーリンク先として設定する行為について、「本件広告自体には、何らの商品も陳列表示されておらず、加盟店が提供するどの商品が『石けん百貨』等と関連するのかについて何ら表示されていないから本件広告は、それを単体として捉える限り、本件各登録商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品に関する広告であるとは認められない」として、商品や役務との具体的関係において使用されていない商標は、当該商品及び役務についての使用とは認められないとの判断を明確に示している(甲2)。さらに、商標を役務の広告に使用する行為とは、役務に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示したり、頒布する行為である(商標法第2条第3項8号)。
この点、被請求人が証拠として提出する上記ニュースリリース及び被請求人のウェブサイト上の同記事は、被請求人自身も認めるとおり、キッズパークそのものを一般需要者に宣伝し広告する目的で制作された記事であって、記事のどこにも、建設工事や建設工事の助言に関する具体的な言及が見当たらない。なお、被請求人は、この記事上に「プロデュース」という言葉が記載されていることをもって、「被請求人が、キッズパークの建設工事ができることを宣伝広告している」と主張するが、「プロデュース」という語は、主として映画・演劇・テレビ番組などを制作することを意味する語であるし(甲3)、そもそも「建設工事」を意味する語ではないから、「建設工事」と同義に解釈される余地はない。したがって、仮にキッズパークに被請求人が携わった事実があるとしても、当該記事において、本件商標が請求に係る指定役務との具体的な関係において使用されていない以上、この記事に表れる本件商標が、請求に係る指定役務に関する本件商標の使用と認められる余地はない。
したがって、当該行為は、請求に係る指定役務についての本件商標の広告的使用(商標法第2条第3項第8号)であるとは到底認められない。
(2)札幌ファクトリーキッズパークの壁の標章について
被請求人は、札幌ファクトリーキッズパークの壁面に表示されている本件商標と社会通念上同一の商標(乙21の1及び乙21の2)に関して、
ア 被請求人が下請け会社である株式会社フジアールに当該ロゴの修正を依頼したメールの添付物(乙4の7の2)に本件商標が表れていること、
イ 令和1年11月1日付のニュースリリース(乙18の1)に掲載されている写真の左端に当該商標を構成する文字の一部である「S」の文字が写っていること(乙18の3)
が、被請求人が提供するキッズパークの内装工事及び内装工事の助言に関する広告に標章を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)に該当すると主張する。
しかし、上記アの行為に関して被請求人が使用証拠として提出する証拠(乙4の7の2)には、手書きの「LOGOS」の文字が辛うじて確認できるのみであり、そもそも本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標が全く表れていない。また、被請求人は、株式会社フジアールに対して、単にロゴの修正を依頼したにすぎないのであるから、当該行為は本件指定役とは全く無関係であり、本件商標の請求に係る指定役務についての使用とは到底認められない。
また、上記イの行為に関しても、ニュースリリースに表れる写真の右端に、本件商標と社会通念上同一と思われる標章の「一部」を構成するアルファベットの「S」の文字が辛うじて確認できるにすぎず、そもそも本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を確認することができない。さらに、当該ニュースリリース(乙18の1)は、キッズパークそのものを一般需要者に宣伝し広告する目的で制作された記事であって、記事のどこにも、建設工事や建設工事の助言に関する具体的な言及は見当たらないのであるから、当該記事が請求に係る指定役務に関する本件商標の使用に当たらないことは上記(1)のとおりである。
以上のとおり、
ア 被請求人が下請け会社である株式会社フジアールに添付ファイル(乙4の7の2)を提示してロゴの修正依頼を指示したこと、
イ 令和1年11月1日付のニュースリリース(乙18の1)に掲載されている写真の左端に当該標章を構成する「S」の文字が写っていること(乙18の3)
のいずれについても、被請求人が提供するキッズパークの内装工事及び内装工事の助言に関する広告に標章を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)とは到底認められない。
(3)2019年5月28日13:35のメール(乙4の2の1)について
被請求人は、本件商標が表示される動画を被請求人の従業員がサッポロ不動産開発株式会社(以下「サッポロ不動産開発」という。)の従業員に電子メールで送付した行為が、「請求に係る指定役務に関する広告に標章を付して電磁的方法によって提供する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当すると主張する。
しかし、そもそも、当該動画は、キッズパークが完成した際にキッズパーク内で、キッズパークを訪れた需要者向けに放映されるコンテンツである(乙4の2の1)。
動画内容も、「BBQで5種類のピザづくりに挑戦!一番おいしいのは・・・」という芸人が登場するようなものであって(乙4の2の3)、請求に係る指定役務とは何らの関連性もない内容で、請求に係る指定役務に関する定価表や取引書類でないことも明らかである。
加えて、被請求人が提出した証拠(乙4の5の1)からは、当該動画の添付されたメールを受信したサッポロ不動産開発の従業員であるK氏がこの動画の内容を確認したことまでは明らかではない。
したがって、当該動画も本件商標が表示されているとしても、かかる行為は、請求に係る指定役務についての本件商標の使用(商標法第2条第3項第8号)には該当しない。
(4)結言
以上述べたとおり、被請求人が提出する書類等に表示された商標は、いずれも、請求に係る指定役務についての商標の使用ということはできない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第21号証(枝番を含む。)を提出した。
1 本件商標権者(被請求人)について
被請求人は、アウトドア用品・アウトドアウェアなどの企画・販売・製造及び付随業務を行う株式会社であって(乙1)、被請求人の実店舗であるロゴスショップを2020年11月28日時点において日本全国に46店舗展開し、かつ、運営している(乙2)。
2 被請求人による建設工事及びその助言に関して
被請求人は、サッポロ不動産開発から同社が運営する複合商業施設であるサッポロファクトリー(乙3の1)内の札幌ファクトリーキッズパーク(乙3の2)の内装工事(内装の建設工事)及びその助言の依頼を受け、その内装工事を請け負うと共にサッポロ不動産開発に対して内装工事の助言を行った。
以下、前記内装工事及びその助言に関して、サッポロ不動産開発と被請求人との間で行ったやり取りについて説明する。
ただし、札幌ファクトリーキッズパークの内装工事(内装の建設工事)にかかる金額や契約内容に関しては、営業秘密にかかるものであるので、マスキングして開示しない。
(1)被請求人とサッポロ不動産開発との間のやり取りに関して
ア 2019年4月3日の商談
被請求人の副社長のS1氏、被請求人の従業者のH氏及びN2氏と、サッポロ不動産開発の従業者のO氏、A氏及びK氏とが、被請求人の大阪本社(大阪府大阪市住之江区平林南2丁目11番1号)で、サッポロファクトリー(札幌市中央区北2条東4丁目)内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関する商談を行った(乙5)。
イ 2019年5月28日13:35のメール(乙4の2の1)
被請求人の副社長のS1氏から、サッポロ不動産開発の従業者のK氏へ、大ラフ案を提案し、ロゴス駅という架空の設定で汽車の底流と駅を作ったこと、汽車があるスペースは子供達のBBQままごとやテントでくつろげるスペースとすること、その奥はプロジェクターでコンテンツを流すイメージであること、プロジェクターで流すコンテンツとして弊社で流している芸人のコンテンツやスタッフによる番組があること、及び、これらのコンテンツの著作権はクリアにしているため常時流すことが可能であることを連絡した(添付ファイル:LOGOS_KIDS_0528(乙4の2の2))。
メール本文に記載された被請求人のスタッフによる番組(https://youtu.be/Az8xUIbwY7M)は、【絶品!】BBQで5種類のピザ作りに挑戦!一番美味しいのは・・・【おそロゴス#9】(乙4の2の3)である。
ウ 2019年5月29日の商談
被請求人の副社長のS1氏、被請求人の従業者のH氏及びN2氏と、サッポロ不動産開発の従業者のO氏、A氏及びK氏とが、被請求人の大阪本社(大阪府大阪市住之江区平林南2丁目11番1号)で、サッポロファクトリー(札幌市中央区北2条東4丁目)内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関する商談を行った(乙6)。
エ 2019年9月12日10:55のメール(乙4の3の1)
被請求人の従業者のH氏から、サッポロ不動産開発の従業者のK氏へ、キッズスペースのラフイメージを提供し、サッポロ不動産開発側の要望に沿って修正していきたいことを連絡した(添付ファイル:sapporo kids station 20190911 ラフ案(乙4の3の2))。
オ 2019年10月7日15:30のメール(乙4の4の1)
被請求人の従業者のH氏から、サッポロ不動産開発の従業者のK氏、O氏、A氏、T氏へ、キッズステーション(キッズパーク)の最終の見積書を送付し、かつ、備考欄に記載のとおり、ステージ上の柱・梁の本数については現在調整中であることを連絡した(添付ファイル:サッポロファクトリー様/KIDS STATIONお見積書 2019年10月7日(乙4の4の2))。
カ 2019年10月11日16:27のメール(乙4の5の1)
サッポロ不動産開発の従業者のK氏から、被請求人の従業者のH氏へ、タブロイドの名称修正・パース図を反映したデータを送付し、かつ、その確認を依頼した(添付ファイル:LOGOSKS2校(乙4の5の2))。
キ 2019年10月25日注文書
被請求人が、サッポロ不動産開発からサッポロファクトリー2条館1階H-113キッズパーク造作工事に関する注文書(乙9)を受領した。
ク 2019年10月21日15:46のメール(乙4の6)
下記(ウ)の下層メールを受けて、被請求人の従業者のH氏から、サッポロ不動産開発の従業者のN1氏へ、原本請求書と完了報告書の件を承知したことを連絡した。
(ア)2019年10月21日11:02AMの下層メール
サッポロ不動産開発の従業者のN1氏から、被請求人の従業者のH氏へ、最終見積書に社印がないこと及び社印入りでの提出依頼を連絡した。
(イ)2019年10月21日11:47AMの下層メール
被請求人の従業者のH氏から、サッポロ不動産開発の従業者のN1氏へ、社印押印した最終見積書を添付して送付し、その確認の依頼をし、かつ、最終見積書の原本を本日発送することを連絡した。
(ウ)2019年10月21日12:03PMの下層メール
サッポロ不動産開発の従業者のN1氏から、被請求人の従業者のH氏へ、見積書はPDFで良く、原本は不要であること、請求書の際は原本請求書と完了報告書(納品書の様なもの)を送付して欲しいこと等を連絡した。
ケ 2019年10月21日16:47のメール(乙4の7の1)
被請求人の副社長のS1氏から、株式会社フジアール(乙17)の従業者のS2氏へ、添付のY3部分について、下の階(B1)にあるロゴスショップヘ送客するために、案内のステンシルデザインの相談を依頼した(添付ファイル:IMG_9552[1](乙4の7の2))。
(ア)2019年10月21日13:29の下層メール
株式会社フジアールの従業者のS2氏から、被請求人の副社長のS1氏へ、上部行灯とトンネル壁面の確認を依頼した。なお、株式会社フジアールは、被請求人が請け負った札幌ファクトリーキッズパークの内装工事を下請けとして依頼した会社である(乙17) 。
コ 2019年10月31日の商談
サッポロファクトリー2条館1F(札幌市中央区北2条東4丁目)で、被請求人の副社長のS1氏、被請求人の従業者のH氏及びN2氏と、サッポロ不動産開発の従業者のN1氏とが、サッポロファクトリー(札幌市中央区北2条東4丁目)内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関して商談を行い、かつ、被請求人のH氏からサッポロ不動産開発の従業者のN1氏に、サッポロファクトリー(札幌市中央区北2条東4T目)内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関する見積書(乙11)及び注文請書(乙12)入りの緑色の楓の葉の図形内の右下に「LOGOS」の欧文字を白抜きで表してなる標章が付された封筒(乙10の2)を手渡した(乙10の1)。
サ 2019年10月21日付の請求書(乙13)及び2019年10月31日付の工事完了ご報告書(乙14)
被請求人のH氏からサッポロ不動産開発の従業者のN1氏に、サッポロファクトリー2条館1階H-113キッズパーク造作工事に関する請求書(乙13)及び工事完了ご報告書(乙14)を前記標章が付された封筒(乙15の2)に入れて郵送し、同人が請求書及び工事完了ご報告書入りの緑色の楓の葉の図形内の右下に「LOGOS」の欧文字を白抜きで表してなる標章が付された封筒(乙15の2)を受領した(乙15の1)。
(2)小括
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、複合商業施設であるサッポロファクトリー(乙3の1)内の札幌ファクトリーキッズパーク(乙3の2)の内装工事(すなわち、内装の建設工事)及びその助言(すなわち、建設工事の助言)の依頼を受け、その内装工事を請け負うと共に、サッポロ不動産開発に対して内装工事の助言を行っている。
したがって、被請求人が、日本国内において、要証期間に、取消請求役務中の「建設工事」及び「建設工事の助言」という役務を提供していることは明らかである。
3 本件商標の使用について
(1)被請求人によるNews Releaseに関して
被請求人は、要証期間内の2019年(令和元年)11月1日に、札幌ファクトリー内にキッズパークがオープンする旨のNews Releaseを発表した(乙18の1)。
このNews Releaseの左上には、別掲2のとおりの構成よりなる標章(以下「使用商標1」という。)が表示されている(乙18の1)。また、このNews Releaseには、アウトドアブランドのLOGOS(本社:大阪市住之江区、代表取締役社長:柴田茂樹)がプロデュースしたキッズパークである旨、本キッズパークは、「キッズ&ファミリーゾーン」としてリニューアルする「サッポロファクトリー 2条館1階」に誕生する新コーナーである旨、及び、LOGOSのEnjoy Outing!な世界観で、アウトドアを感じられるようなキッズパークとして、施設内に駅をつくったものである旨が記載されている(乙18の1)。なお、被請求人は、このNews Releaseを2019年(令和元年)11月1日から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)インターネット上で公開し続けており(乙18の2)、かつ、当該News Releaseを、プレスリリース・ニュースリリース配信サービスを行う会社であるPRTIMESを通じて2019年(令和元年)11月1日にインターネット上で配信すると共に当該配信から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)インターネット上で公開し続けている(乙19)。
このように被請求人は、キッズパークをプロデュースし、かつ、作成できる(内装工事ができる)ことを、使用商標1を付して宣伝広告している。かかる行為は、キッズパークの宣伝広告だけでなく、被請求人がキッズパークの内装工事及びその助言を行うことができる宣伝広告でもあることは明らかであることから、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当する。
前述のとおり、使用商標1は、本件商標と色違いであり、かつ、右側のLOGOSの右下の「R」(審決注:「R」は、○の中にRの文字。以下同じ。)の有無で相違する以外、略同一の外観を有している。このように使用商標1は、本件商標と外観において同視される図形からなり、かつ、「楓のマーク内のLOGOS」、「楓のマークの右横のLOGOS」及び「OUTING EQUIPMENT」の文字部分もそれぞれ一致することから、社会通念上同一である。
(2)被請求人のウェブページにおける宣伝広告に関して
被請求人は、2019年(令和元年)10月31日から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)被請求人自身のウェブサイトにおいて、上記News Releaseと同様の内容の宣伝広告を行っている(乙20の1)。
このウェブサイトの左上には別掲3のとおりの構成よりなる標章(以下「使用商標2」という。)が表示されている(乙20の1)。
このように被請求人は、キッズパークをプロデュースし、かつ、作成できる(建築工事ができる)ことを、使用商標2を付して宣伝広告している。かかる行為は、キッズパークの宣伝広告だけでなく、被請求人がキッズパークの内装工事及びその助言を行うことができる宣伝広告でもあることは明らかであることから、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当する。
前述のとおり、使用商標2は、本件商標と色違いであり、かつ、右側のLOGOSの右下のRの有無で相違する以外、同一の外観を有している。このように使用商標2は、本件商標と外観において同視される図形からなり、かつ、「楓のマーク内のLOGOS」、「楓のマークの右横のLOGOS」及び「OUTING EQUIPMENT」の文字部分もそれぞれ一致することから、社会通念上同一の商標である。
なお、被請求人は、要証期間内の2019年(令和元年)11月1日に自身のウェブサイトにおいて、使用商標2を使用してキッズパークの宣伝広告を行っている(乙20の2) 。
(3)札幌ファクトリーキッズパークの壁の標章に関して
被請求人は、札幌ファクトリーキッズパークの壁に別掲4のとおりの構成よりなる標章(以下「使用商標3」という。)を表示した(乙21の1及び乙21の2)。
この使用商標3は、上記2(1)ケのメール(乙4の7の1)の添付ファイルIMG_9552[1](乙4の7の2)において、被請求人が下請会社である株式会社フジアールに、別掲6を別掲7に修正するように指示を出していること、及び、被請求人が2019年(令和元年)11月1日付のNews Release(乙18の1)の第1頁の4つの写真のうちの右上の写真の左端に、使用商標3の右端のLOGOSの「S」が写っていることから(乙18の3)、遅くともキッズパークのオープン当初(2019年(令和元年)11月1日)から現在に至るまでの期間(要証期間を含む)看板として表示され続けている。
このように札幌ファクトリーキッズパークの壁に表示された使用商標3は、サッポロ不動産開発の従業者によって、被請求人が提供した内装工事及び内装工事の助言(建設工事及び建設工事に関する助言)を示す商標として認識される。
そうすると、被請求人が、要証期間において、使用商標3を、被請求人が提供する内装工事及び内装工事の助言(建設工事及び建設工事に関する助言)を示す商標として表示する行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品若しくは役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当する。
前述のとおり、使用商標3は、本件商標と色違いであり、かつ、右側のLOGOSの右下のRの有無で相違する以外、同一の外観を有している。このように使用商標3は、本件商標と外観において同一視される図形からなり、かつ、「楓のマーク内のLOGOS」、「楓のマークの右横のLOGOS」及び「OUTING EQUIPMENT」の文字部分もそれぞれ一致することから、社会通念上同一の商標である。
(4)2019年5月28日13:35のメール(乙4の2の1)に関して
被請求人の従業者の2019年5月28日13:35のメール本文には、「汽車があるスペースは子供達のBBQままごとやテントでくつろげるスペースで、奥はプロジェクターでコンテンツを流すイメージです。弊社で流している芸人さんのコンテンツや、スタッフによる番組などは著作権はクリアにしているので常時流すことは可能です。」と記載されている。
そうすると、サッポロ不動産開発の従業者が、同メール本文に記載された被請求人のスタッフによる番組のURLをクリックして、札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関連する被請求人の「【絶品!】BBQで5種類のピザ作りに挑戦!一番美味しいのは・・・【おそロゴス#9】の動画(乙4の2の3)」を視聴し、その内容を確認することは必然であるといえる。
この動画は、要証期間内の2019年5月26日から現在に至るまで公開されており(乙4の2の3)、当該メール送信日時(2019年5月28日)及びそれ以降においても当然公開されている。
動画の開始から03秒から04秒に別掲5のとおりの構成よりなる標章(以下「使用商標4」という。)が表示される。
サッポロ不動産開発の従業者は、被請求人によって提供される札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関連して前述の動画を視聴し、使用商標4を認識することになることから、かかる行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して電磁的方法によって提供する行為」に該当する。
前述のとおり、使用商標4は、本件商標と色違いであり、かつ、右側のLOGOSの右下のRの有無で相違する以外、同一の外観を有している。このように使用商標4は、本件商標と外観において同視される図形からなり、かつ、「楓のマーク内のLOGOS」、「楓のマークの右横のLOGOS」及び「OUTING EQUIPMENT」の文字部分もそれぞれ一致することから、社会通念上同一の商標である。
(5)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件商標と社会通念上同一である使用商標1ないし使用商標4(以下「使用商標」という。)を、キッズパークの内装工事及びその助言(すなわち、請求に係る指定役務「建設工事及び建設工事に関する助言」)について、要証期間に、日本国内において使用している。
第4 審尋
当審より被請求人に対し、令和3年4月22日付け審尋において、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間内に、商標権者(被請求人)が、「内装工事,内装工事に関する助言」の役務について、本件商標を使用していたことを証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した令和3年2月18日付けの審判事件弁駁書に対する回答を求めた。
第5 審尋に対する回答
被請求人は、令和3年5月27日付けの回答書及び同年6月7日付けの上申書において、審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第22号証ないし乙第25号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)「News Release(乙18の1)及びウェブページにおける宣伝広告(乙20の1)は、キッズパークを一般需要者に宣伝し広告する目的で制作された記事であり、建設工事や建設工事の助言に関する具体的な言及は見当たらない」との主張について
商標法50条所定の「使用」は、当該商標がその指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用(商標法2条3項各号)されていれば足り、出所表示機能を果たす態様に限定されるものではないというべきである。(平成26年(行ケ)第10234号(乙22の1)及び平成28年(行ケ)第10115号(乙22の2))。
しかるところ、被請求人が、要証期間内の2019年(令和元年)11月1日に発表したNews Release(乙18の1)には、その左上に使用商標1が表示されていると共に、アウトドアブランドのLOGOS(本社:大阪市住之江区、代表取締役社長:柴田茂樹)がプロデュースしたキッズパークである旨、本キッズパークは、「キッズ&ファミリーゾーン」としてリニューアルする「サッポロファクトリー2条館1階」に誕生する新コーナーである旨、及び、LOGOSのEnjoy Outing!な世界観で、アウトドアを感じられるようなキッズパークとして、施設内に駅をつくったものである旨が掲載されている(乙18の1)。また、被請求人自身のウエブサイト(乙20の1)においても、その左上に使用商標2が表示されていると共に、11月1日に、サッポロファクトリー内にて、LOGOSプロデュースのキッズパーク「KIDS STATION produce by LOGOS」がオープンすることが2019年(令和元年)10月31日から現在に至るまでの期間において掲載され続けている。
上記News Release(乙18の1)及びウェブサイト(乙20の1)に記載された「プロデュース」及び「produce」という語は、当該語単独で使用されているのではなく、上記したように「LOGOSがプロデュースしたキッズパーク」やLOGOSプロデュースのキッズパーク「KIDS STATION produce by LOGOS」等のセンテンスで使用されている。この「プロデュース」及び「produce」という語は、英語のproduceのことであり、英語のproduceは、「を生み出す,引き起こす,生じさせる;・・・を生産[製造]する」等の意味であって(乙23)、近年では様々なものを生み出す、引き起こす、生じさせる語として広範に使用されていることは周知のとおりである。
ところで、この種のキッズパークは、サッポロファクトリー等の商業施設内に設けられるものであり、その需要者は、一般需要者ではなく、サッポロ不動産開発のK氏等のような商業施設の運営会社の担当者となる。このような商業施設の運営会社の担当者が、上記News Release(乙18の1)及びウェブサイト(乙20の1)に接すれば、被請求人がキッズパークをプロデュース(生み出す)できる、すなわち、キッズパークを生み出すための建築工事及び/又はその助言をすることができると明確に認識することになり、当該担当者がキッズパークを所望すれば、被請求人はキッズパークの建築工事及び/又はその助言を受注することに繋がる。
このように上記News Release(乙18の1)及びウエブサイト(乙20の1)のような宣伝広告は、一般需要者に対するキッズパーク自体の宜伝広告としてだけでなく、商業施設の運営会社の担当者に対するキッズパークの建築工事又はその助言の宣伝広告としても使用されていることは明らかであるので、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。
(2)「動画(乙4の2の3)は、キッズパークを訪れた需要者向けに放映されるコンテンツであり、内容も請求に係る指定役務とは何ら関連性がない」との主張について
「商標法2条3項1号所定の使用とは異なり、同項8号所定の使用においては、指定商品に直接商標が付されていることは必要ではないところ、リンクを通じて原告のウェブページの商品カタログに飛び、加工食料品たる原告商品の広告を閲覧できること、そして、そのような広告はインターネットを利用した広告として一般的な形態の一つであると解されることからすると、原告のメールマガジン及びWeb版における「クラブハウス」の表示が、原告商品に関する広告に当たらないということはできない。」と判示されている(平成21年(行ケ)第10354号(乙24))。
しかるところ、サッポロ不動産開発のK氏が、2019年5月28日13:35の電子メール(乙4の2の1)に記載されたURLをクリックすると、LOGOS公式YouTubeチャンネルのウェブサイトにアクセスし(乙4の2の3、乙16の1~乙16の3)、そのウェブサイトで放映される動画(乙4の2の3)の開始から03秒から04秒に使用商標4が表示される(乙4の2の3)。
電子メール(乙4の2の1)においては、被請求人のS1氏からサッポロ不動産開発のK氏に対して札幌ファクトリーキッズパークの大ラフ案が提供されていることから、その内容は、札幌ファクトリーキッズパークの内装工事及びその助言に関するものである。そうすると、K氏が、クリックにより表示される前述のウェブサイト動画(乙4の2の3)の使用商標4を、札幌ファクトリーキッズパークの内装工事及びその助言と何らかの関係で使用されていると認識することは明らかである。
このようにクリックにより表示されるウェブサイトにおいて、標章を表示することは、インターネットを利用した広告として一般的な形態の一つであると解されることから、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。
そして、証明書(乙25)のとおり、サッポロ不動産開発のK氏は、2019年5月28日13:35の電子メール(乙4の2の1)に記載されたURLをクリックし、LOGOS公式YouTubeチャンネルのウェブサイトにアクセスし(乙4の2の3、乙16の1~乙16の3)、そのウェブサイトで放映される動画(乙4の2の3)の開始から03秒から04秒に表示される使用商標4を札幌ファクトリーキッズパークの内装工事及びその助言に関する識別標識として認識したことを証明している。よって、K氏が、前記ウェブサイト及び同ウェブサイトで放映される動画を視聴していることは明らかであり、かつ、クリックにより表示される動画において、使用商標4を表示することは、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。
第6 当審の判断
1 事実認定
被請求人の提出した証拠及び当事者の主張によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)被請求人は、アウトドア用品・アウトドアウェアなどの企画・販売・製造等を行う株式会社であって(乙1)、被請求人の実店舗であるロゴスショップを2020年(令和2年)11月28日時点において日本全国に46店舗展開し、かつ、運営している(乙2)。また、同月30日時点において北海道のサッポロファクトリー2条館に、被請求人がプロデュースするキッズパークが設けられている(乙3の2)。
(2)2019年(平成31年)4月3日に、被請求人の副社長のS1氏、被請求人の従業者のH氏及びN2氏と、サッポロ不動産開発の従業者のO氏、A氏及びK氏とが、被請求人の大阪本社(大阪府大阪市住之江区平林南2丁目11番1号)で、サッポロファクトリー(札幌市中央区北2条東4丁目)内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関する商談を行った(乙4の1、乙5)。
(3)2019年(令和元年)5月28日13:35のメールで、被請求人の副社長のS1氏から、サッポロ不動産開発の従業者のK氏へ、大ラフ案を提案し、ロゴス駅という架空の設定で汽車の底流と駅を作ったこと、汽車があるスペースは子供達のBBQままごとやテントでくつろげるスペースとすること、その奥はプロジェクターでコンテンツを流すイメージであること、プロジェクターで流すコンテンツとして被請求人の会社で流している芸人のコンテンツやスタッフによる番組があること、及び、これらのコンテンツの著作権はクリアにしているため常時流すことが可能であることを連絡した(添付ファイル:大ラフ案(乙4の2の2))(乙4の2の1)。
そして、当該メール本文に記載されたURLは、LOGOS公式YouTubeチャンネルのウェブサイトにおける被請求人のスタッフによる番組「【絶品!】BBQで5種類のピザ作りに挑戦!一番美味しいのは・・・【おそロゴス#9】の動画(乙4の2の3)」にアクセスするものであり、当該動画の開始から数秒後に使用商標4が表示される。当該動画(乙4の2の3)は、被請求人の女性社員2人が、ロゴス商品を使って、アウトドアを楽しむ動画であって、工事完成後のキッズパーク内で流すことを予定していた動画と認められる。
(4)2019年(令和元年)5月29日に、被請求人の副社長のS1氏、被請求人の従業者のH氏及びN2氏と、サッポロ不動産開発の従業者のO氏、A氏及びK氏とが、被請求人の大阪本社(大阪府大阪市住之江区平林南2丁目11番1号)で、サッポロファクトリー(札幌市中央区北2条東4丁目)内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関する商談を行った(乙4の2の1、乙6)。
(5)2019年(令和元年)9月12日10:55のメールで、被請求人の従業者のH氏から、サッポロ不動産開発の従業者のK氏へ、キッズスペースのラフイメージを提供し、サッポロ不動産開発側の要望に沿って修正していく旨を連絡した(添付ファイル:ラフ案(乙4の3の2))(乙4の3の1)。
(6)2019年(令和元年)10月7日15:30のメールで、被請求人の従業者のH氏から、サッポロ不動産開発の従業者のK氏、O氏、A氏、T氏へ、キッズステーション(キッズパーク)の最終見積書を送付し、同見積書の備考欄に記載のとおり、ステージ上の柱・梁の本数については現在調整中であることを連絡した(添付ファイル:2019年10月7日付の見積書(乙4の4の2))(乙4の4の1)。
(7)2019年(令和元年)10月11日16:27のメールで、サッポロ不動産開発の従業者のK氏から、被請求人の従業者のH氏へ、タブロイドの名称修正・パース図を反映したデータを送付し、その確認を依頼した(添付ファイル:LOGOSKS2校(乙4の5の2))(乙4の5の1)。
(8)2019年(令和元年)10月21日11:02のメールで、サッポロ不動産開発の従業者のN1氏から、被請求人の従業者のH氏へ、最終見積書に社印がないため、社印入りでの最終見積書の提出を依頼した(乙4の6)。
(9)2019年(令和元年)10月21日11:47のメールで、被請求人の従業者のH氏から、サッポロ不動産開発の従業者のN1氏へ、社印押印した最終見積書(乙11)を送付し、最終見積書の確認の依頼をし、かつ、最終見積書の原本を発送する旨を連絡した(乙4の6)。
(10)2019年(令和元年)10月21日12:03のメールで、サッポロ不動産開発の従業者のN1氏から、被請求人の従業者のH氏へ、見積書はPDFで良く、原本は不要であること、請求書の際は原本請求書と完了報告書(納品書の様なもの)を送付して欲しい旨を連絡した(乙4の6)。
(11)2019年(令和元年)10月21日15:46のメールで、被請求人の従業者のH氏から、サッポロ不動産開発の従業者のN1氏へ、原本請求書と完了報告書の件を承知した旨を連絡した(乙4の6)。
(12)2019年10月21日16:47のメールで、(乙4の7の1)
被請求人の副社長のS1氏から、株式会社フジアール(乙17)の従業者のS2氏へ、添付のY3部分について、下の階(B1)にあるロゴスショップヘ送客するために、案内のステンシルデザインの相談を依頼した(添付ファイル:IMG_9552[1](乙4の7の2))。
(ア)2019年10月21日13:29の下層メール
株式会社フジアールの従業者のS2氏から、被請求人の副社長のS1氏へ、上部行灯とトンネル壁面の確認を依頼した。株式会社フジアールは、被請求人が請け負った札幌ファクトリーキッズパークの内装工事を下請けとして依頼した会社である(乙17) 。
(13)2019年(令和元年)10月31日に、サッポロファクトリー2条館1F(北海道札幌市中央区北2条東4丁目)で、被請求人の副社長のS1氏、被請求人の従業者のH氏及びN2氏と、サッポロ不動産開発の従業者のN1氏とが、サッポロファクトリー(札幌市中央区北2条東4丁目)内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関して商談を行い、被請求人のH氏からサッポロ不動産開発の従業者のN1氏に、サッポロファクトリー内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事に関する見積書(乙11)及び注文請書(乙12)の入った封筒(乙10の2)を手渡したとされた(乙10の1)。
(14)被請求人のH氏からサッポロ不動産開発の従業者のN1氏に、札幌ファクトリーキッズパーク造作工事(内装工事)に関する2019年10月21日付の請求書(乙13)及び2019年10月31日付の工事完了ご報告書(乙14)を、封筒(乙15の2)に入れて郵送し、N1氏が請求書及び工事完了ご報告書入りの封筒(乙15の2)を受領したとされた(乙15の1)。
(15)被請求人は、2019年(令和元年)11月1日に、サッポロファクトリー内にキッズパークがオープンする旨のNews Releaseを発表した(乙18の1)。
当該News Releaseの左上には、使用商標1が表示されており、記事の内容として、アウトドアブランドのLOGOS(本社:大阪市住之江区、代表取締役社長:柴田茂樹)がプロデュースしたキッズパークである旨、本キッズパークは、「キッズ&ファミリーゾーン」としてリニューアルする「サッポロファクトリー 2条館1階」に誕生する新コーナーである旨、及び、LOGOSのEnjoy Outing!な世界観で、アウトドアを感じられるようなキッズパークとして、施設内に駅をつくった旨が記載されている(乙18の1)。また、当該News Releaseはインターネット上でも公開されていた(乙18の2、乙19)。
(16)被請求人は、2019年(令和元年)10月31日に、被請求人自身のウェブサイトにおいて、上記(15)のNews Releaseと同様の内容のお知らせを行った(乙20の1)。
このウェブサイトの左上には使用商標2が表示されている(乙20の1)。
なお、被請求人は、2019年(令和元年)11月1日に、自身のウェブサイトにおいて、使用商標2を使用してキッズパークがオープンした旨の記事も掲載した(乙20の2) 。
(17)札幌ファクトリーキッズパークの壁には、使用商標3が表示されている(乙21の1及び乙21の2)。
2 判断
上記1で認定した事実によれば、被請求人は、要証期間内の2019年(令和元年)に、サッポロ不動産開発から、サッポロファクトリー(札幌市中央区北2条東4丁目)内の札幌ファクトリーキッズパークの内装工事の発注を受け、同年中に当該工事を完了したことが認められる。
しかしながら、使用商標1が表示されたNews Release(乙18の1、乙18の2)及び使用商標2が表示された被請求人のウェブサイト上の記事(乙20の1、乙20の2)は、いずれもキッズパークのオープンについて一般需要者に宣伝するためのものであって、請求に係る指定役務についての使用ということはできない。
また、使用商標3は、単にキッズパークの壁に表示されているもの(乙21の1及び乙21の2)であって、請求に係る指定役務についての使用ということはできない。
さらに、使用商標4は、LOGOS公式YouTubeチャンネルのウェブサイトにおける被請求人のスタッフによる番組「【絶品!】BBQで5種類のピザ作りに挑戦!一番美味しいのは・・・【おそロゴス#9】の動画(乙4の2の3)」に表示されているものであって、請求に係る指定役務についての使用ということはできない。
したがって、被請求人が、要証期間内に、日本国内において、請求に係る指定役務について、本件商標を使用したことを認めることはできない。
3 被請求人の主張について
(1)被請求人は、上記News Release(乙18の1)及びウェブサイト上の記事(乙20の1)のような宣伝広告は、一般需要者に対するキッズパーク自体の宜伝広告としてだけでなく、商業施設の運営会社の担当者に対するキッズパークの建築工事又はその助言の宣伝広告としても使用されていることは明らかであるから、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する旨主張している。
しかしながら、上記News Release(乙18の1)及びウェブサイト上の記事(乙20の1)は、いずれもキッズパークのオープンについて一般需要者に宣伝するためのものであることは明らかであって、商業施設の運営会社の担当者に対するキッズパークの建築工事又はその助言の宣伝広告のためと解する余地はないから、被請求人の主張は採用することができない。
(2)また、被請求人は、電子メール(乙4の2の1)では、被請求人のS1氏からサッポロ不動産開発のK氏に対して札幌ファクトリーキッズパークの大ラフ案が提供されており、当該メールの内容は、札幌ファクトリーキッズパークの内装工事及びその助言に関するものであるから、K氏が、当該メール本文のURLのアクセス先であるウェブサイト動画(乙4の2の3)に表示される使用商標4を、札幌ファクトリーキッズパークの内装工事及びその助言の識別標識として認識することは明らかであり、K氏本人もそのように証明(乙25)しているから、使用商標4が表示された動画(乙4の2の3)は、インターネットを利用した広告として、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する旨主張している。
しかしながら、当該動画(乙4の2の3)の内容は、被請求人の女性社員2人が、ロゴス商品を使って、ただただアウトドアを楽しむ動画にすぎないから、当該動画に表示される使用商標4は、到底、請求に係る指定役務についての使用ということはできない。
したがって、被請求人の主張は採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務について、本件商標を使用していた事実を証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務に使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第37類「建設工事,建設工事に関する助言」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-300665