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特許拒絶査定不服審判

2020-017705

計量キャップ付き注出栓

審判番号
2020-017705
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-036323外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年12月24日
審決日
2022年07月14日
公報発行日
2022年09月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (B65D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2016-36323「計量キャップ付き注出栓」拒絶査定不服審判事件〔平成29年8月31日出願公開、特開2017-149478〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成28年2月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年7月24日付け :拒絶理由通知書
令和元年9月24日 :意見書、手続補正書の提出
令和2年2月25日付け :拒絶理由通知書(最後の拒絶理由通知)
令和2年4月24日 :意見書、手続補正書の提出
令和2年9月18日付け :令和2年4月24日の手続補正についての補正却下の決定、拒絶査定
令和2年12月24日 :審判請求書、手続補正書(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。)の提出

第2 本件補正について

1 本件補正の内容

(1)令和元年9月24日提出の手続補正書により補正された(以下、「本件補正前」という。)特許請求の範囲の請求項1~4は、以下のとおりである。

「【請求項1】
容器体の口筒部(17)に密にかつ不動に組付き、該口筒部(17)内に位置する嵌入筒(2)の底壁(3)から注出内容液をガイドする注出筒(5)を立設した本体キャップ(1)と、該本体キャップ(1)に密に螺着し、前記注出筒(5)を覆って前記嵌入筒(2)内に挿入される有頂筒状の計量筒(12)を有する計量キャップ(11)とから構成され、
前記注出筒(5)は背面頂部に段部(6)が設けられており、
前記計量筒(12)は横断面形状が多角形状で形成されると共に先端部(13)がラッパ状に拡径して形成されていることを特徴とする計量キャップ付き注出栓。
【請求項2】
前記注出筒(5)の背面頂部の段部(6)が、平面を備える平面段部(6a)である請求項1に記載の計量キャップ付き注出栓。
【請求項3】
前記注出筒(5)の背面頂部の段部(6)が、頂部を角形状とする角形段部(6b)である請求項1に記載の計量キャップ付き注出栓。
【請求項4】
前記計量筒(12)の横断面形状が、六角形状である請求項1~3のいずれかに記載の計量キャップ付き注出栓。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~3(以下、「本件補正発明1~3」という。)は、以下のとおりである。

「【請求項1】
容器体の口筒部(17)に密にかつ不動に組付き、該口筒部(17)内に位置する嵌入筒(2)の底壁(3)から注出内容液をガイドする注出筒(5)を立設した本体キャップ(1)と、該本体キャップ(1)に密に螺着し、前記注出筒(5)を覆って前記嵌入筒(2)内に挿入される有頂筒状の計量筒(12)を有する計量キャップ(11)とから構成され、
前記注出筒(5)の背面頂部の段部(6)が、平面を備える平面段部(6a)で形成され、
前記計量筒(12)は横断面形状が多角形状で形成されると共に先端部(13)がラッパ状に拡径して形成されていることを特徴とする計量キャップ付き注出栓。
【請求項2】
容器体の口筒部(17)に密にかつ不動に組付き、該口筒部(17)内に位置する嵌入筒(2)の底壁(3)から注出内容液をガイドする注出筒(5)を立設した本体キャップ(1)と、該本体キャップ(1)に密に螺着し、前記注出筒(5)を覆って前記嵌入筒(2)内に挿入される有頂筒状の計量筒(12)を有する計量キャップ(11)とから構成され、
前記注出筒(5)の背面頂部の段部(6)が、頂部を角形状とする角形段部(6b)で形成され、
前記計量筒(12)は横断面形状が多角形状で形成されると共に先端部(13)がラッパ状に拡径して形成されていることを特徴とする計量キャップ付き注出栓。
【請求項3】
前記計量筒(12)の横断面形状が、六角形状である請求項1又は2のいずれかに記載の計量キャップ付き注出栓。」

2 補正の適否について

本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲について補正しようとするものであるところ、本件補正前の請求項2~4は、いずれも請求項1の記載を引用して記載されたものであって、本件補正前の請求項2に係る発明と本件補正発明1、本件補正前の請求項3と本件補正発明2、及び、本件補正前の請求項4と本件補正発明3は、それぞれ、発明として実質的に相違するところがないから、本件補正発明1及び2は、本件補正前の請求項2及び3をそれぞれ独立形式に書き改めて記載したものであり、本件補正発明3は、本件補正前の請求項4の引用する他の請求項の引用番号を変更するものである。

そうしてみると、本件補正は、本件補正前の請求項1を削除して、本件補正前の請求項2~4を本件補正後の請求項1~3にしたものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる、同法第36条第5項に規定する請求項の削除を目的とする補正である。

したがって、本件補正は適法になされたものである。

第3 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された事項及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2010-126219号公報
引用文献2:実願平4-63117号(実開平6-18216号)のCD-ROM
引用文献3:米国特許出願公開第2014/131398号明細書(周知技術を示す文献)
引用文献4:特開2015-209259号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献の記載事項

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1 引用文献1の記載事項、引用発明

引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、理解の便宜の為に当審が付した。以下同様。)。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、計量キャップ付容器に関するものである。」
「【0011】
本実施形態における計量キャップ付容器1は、図1に示すように、容器2と、容器2に装着された注出キャップ3及び注出キャップ3に着脱可能に螺着された計量カップ4を有する計量キャップとを備えている。
なお、本実施形態では、計量キャップ付容器1において計量カップ4側(図1における上側)を上方、その反対側(図1における下側)を下方とする。また、後述する接地面11Aに沿う方向を径方向とする。」
「【図1】
[図:0001387798000001.jpg]
」
「【0016】
注出キャップ3は、図1及び図2に示すように、口部14に装着されており、キャップ軸O2に沿うほぼ円筒状をなしている。そして、注出キャップ3は、図2に示すように、外筒部21及び内筒部22と、ネジ筒部23と、ノズル筒部24とを備えている。
外筒部21は、口部14の径方向外方に配置されたほぼ円筒状をなしている。そして、外筒部21は、キャップ軸O2に沿う上端がネジ筒部23の下端に接続されている。また、外筒部21の内周面には、口部14の案内溝部14Aに収容される案内リブ21Aがキャップ軸O2に沿って延在するように形成されている。
【0017】
続きを表示(全26行)
この案内リブ21Aは、外筒部21の内周面において案内溝部14Aに対応して周方向で間隔をあけて複数形成されている。さらに、外筒部21の内周面の下端部には、口部14の環状凸部14Bと係合する環状溝部21Bが全周にわたって形成されている。そのため、注出キャップ3は、案内リブ21Aが口部14の案内溝部14Aに収容されるように口部14に対して位置合わせした状態でキャップ軸O2方向に沿ってスライドさせ、環状溝部21Bに環状凸部14Bを嵌め込むことで口部14に装着される。このとき、案内リブ21Aが案内溝部14Aに収容されるため、注出キャップ3は、口部14に対してキャップ軸O2回りで回転不能となる。なお、注出キャップ3は、口部14に着脱可能に螺着される構成であってもよい。
【0018】
内筒部22は、口部14の径方向内方に配置されて底板25を有する有底円筒状をなしている。底板25は、キャップ軸O2に対して傾斜して交差している。また、内筒部22は、キャップ軸O2に沿う上端がネジ筒部23の下端に接続されている。
ネジ筒部23は、外筒部21および内筒部22それぞれの上端からキャップ軸O2に沿って延在するほぼ円筒状をなしている。そして、ネジ筒部23の上部外周面には、計量カップ4の後述する雌ネジ部33Aと螺合する雄ネジ部23Aが形成されている。また、ネジ筒部23の下端面には、口部14の上端部の内側に嵌合される嵌合筒部23Bが垂下して形成されている。
【0019】
ノズル筒部24は、キャップ軸O2に沿って上方に向かうにしたがって漸次縮径する筒状をなしており、内筒部22の底板25に形成された開口部25Aの縁部からキャップ軸O2に沿って上方に向けて立設されている。そして、ノズル筒部24の上端には、容器2の内部と計量キャップ付容器1の外部とを連通する注出口24Aが形成されている。なお、ノズル筒部24の上端は、ネジ筒部23の上端よりもキャップ軸O2に沿って上方に突出している。
また、ノズル筒部24は、その中心軸がキャップ軸O2から径方向の他方側(キャップ軸O2を挟んだ把持部15の反対側)に若干ずれた位置に設けられている。さらに、ノズル筒部24の径方向の一方側には、キャップ軸O2に沿って延在するスリット26が形成されている。さらに、ノズル筒部24のキャップ軸O2から径方向の他方側の側面には、径方向外方に突出する姿勢保持片27が設けられている。
【0020】
姿勢保持片27は、底板25からキャップ軸O2に沿って上方に向けて延在するリブ状をなしている。ここで、姿勢保持片27のキャップ軸O2に沿う上端は、ノズル筒部24の上端よりも下方に後退している。また、姿勢保持片27の上端部は、ノズル筒部24の中心軸から離間する側の端縁が近接する側の端縁よりも上方に突出しており、ノズル筒部24の中心軸に向かうにしたがって若干下方に後退するように傾斜している。
【0021】
計量カップ4は、図1及び図2に示すように、キャップ軸O2に沿う有頂円筒状をなしており、本体筒部31、フランジ部32及び装着筒部33を備えている。
本体筒部31は、キャップ軸O2に沿う有頂円筒状をなし、内筒部22の内側からノズル筒部24の上方まで延在している。また、本体筒部31の開口端31A側の外周面は、内筒部22の内周面に密接する。したがって、本体筒部31は、注出口24Aが形成されたノズル筒部24の周囲を覆う。また、本体筒部31の内周面には、本体筒部31内に内容物を貯留したときに貯留された内容物の容積を示すメモリ(図示略)が印されている。
フランジ部32は、本体筒部31の外周面全周にわたって形成された円環板状をなしている。
装着筒部33は、内径がネジ筒部23の外形よりも大径の円筒状をなしており、内周面にネジ筒部23の雄ネジ部23Aに螺合される雌ネジ部33Aが形成されている。
【0022】
次に、以上のような構成の計量キャップ付容器1による内容物の注出方法について説明する。
まず、計量カップ4をキャップ軸O2回りで回転させて注出キャップ3及び計量カップ4の間の螺合状態を解除し、計量カップ4を取り外す。
そして、消費者は、図3(a)に示すように、把持部15を把持した状態で例えば載置台Sなどに置かれている容器2を底部11及び胴部12を接続する容器2の他方側の角部に沿って傾けて倒し、胴部12の膨出部12Aを載置台S上に載置する。このとき、胴部12の他方側に膨出部12Aが形成されており、底部11と胴部12とを接続する角部が丸角部となっているため、容器2内に内容物が大量に収容されて容器2の重量が大きい場合であっても、容器2を持ち上げることなく角部に沿って容易かつ安定して容器2を傾けることができる。
【0023】
また、消費者は、図3(a)、図3(b)及び図4に示すように、取り外した計量カップ4を上下反転させた後に、例えば把持部15を把持していない手で計量カップ4を保持し、ノズル筒部24の上端部外面を計量カップ4の開口端31Aの縁部に当接させる。このとき、ノズル筒部24の他方側に形成された姿勢保持片27の上端は、計量カップ4の本体筒部31の下端部(開口端31A)における外周縁に突き当てられる。これにより、注出キャップ3は、計量カップ4と少なくとも2点で接触する。したがって、注出キャップ3が装着された容器2と計量カップ4との間の相対的な位置付けが安定し、計量カップ4に対する注出口24Aの位置が精度よく定まる。
【0024】
そして、消費者は、図5(a)、図5(b)及び図6に示すように、ノズル筒部24に計量カップ4を当接させた状態で容器2を傾けて注出姿勢とする。このとき、胴部12に外方に向けて膨出して形成された膨出部12Aにより、膨出部12Aを載置台S上に載置した状態で膨出部12Aの外面に沿って容器2を傾けることで、容器2を持ち上げることなく容器2を傾けることが可能となる。これにより、容器2内に大量の内容物が収容されることによって容器2の重量が大きくなっても、容器2の傾斜角が容易にかつ精度よく変更される。」
「【図2】
[図:0001387798000002.jpg]
」
「【図3】
[図:0001387798000003.jpg]
」
「【図4】
[図:0001387798000004.jpg]
」
「【図5】
[図:0001387798000005.jpg]
」
「【図6】
[図:0001387798000006.jpg]
」
「【0026】
さらに、姿勢保持片27の上端部がノズル筒部24の径方向外方に向かうにしたがってキャップ軸O2に沿う上方に向けて突出するように傾斜しているため、容器2を傾けていくとノズル筒部24の上端部と姿勢保持片27の上端縁とは、図5(a)、図5(b)及び図6に示すように、計量カップ4の開口端31Aの縁部を挟み込む。このため、姿勢保持片27と計量カップ4との接触面積が増大する。これにより、計量カップ4に対する注出キャップ3の位置付けがより安定する。」
「【0030】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、姿勢保持片は、ノズル筒部の外周面にキャップ軸に沿って設けられているが、内容物の注出時において計量カップの外周縁に突き当たって注出姿勢が保持されれば、ノズル筒部の外周面の一部である上端部のみから径方向外方に向けて突出する形状や、底板から上方に向けて突出するピン状など、他の形状であってもよい。
また、姿勢保持片は、1つのみ設けられているが、複数設けられてもよい。
【0031】
そして、計量カップの外周面には、容器を傾けて注出姿勢としたときに姿勢保持片の上端を受ける溝部が形成されてもよい。これにより、計量カップに対するノズル筒部の位置がさらに安定する。
同様に、計量カップの開口端には、容器を傾けて注出姿勢としたときにノズル筒部の上端と係合する切欠部が形成されてもよい。これにより、計量カップに対するノズル筒部の位置がさらに安定する。」

上記記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「容器2と、容器2に装着された注出キャップ3及び注出キャップ3に着脱可能に螺着された計量カップ4を有する計量キャップとを備えた計量キャップ付容器1であって、
注出キャップ3は、外筒部21及び内筒部22と、ネジ筒部23及び嵌合筒部23Bと、ノズル筒部24とを備え、
外筒部21の内周面には、口部14の案内溝部14Aに収容される案内リブ21Aがキャップ軸O2に沿って延在するように形成されており、
注出キャップ3は、案内リブ21Aが口部14の案内溝部14Aに収容されるように口部14に対して位置合わせした状態でキャップ軸O2方向に沿ってスライドさせ、環状溝部21Bに環状凸部14Bを嵌め込むことで口部14に装着され、嵌合筒部23Bが口部14の内側に嵌合され
続きを表示(全12行)
抽出キャップ3の内筒部22は、口部14の径方向内方に配置されて底板25を有する有底円筒状をなし、
抽出キャップ3のノズル筒部24は、内筒部22の底板25に形成された開口部25Aの縁部からキャップ軸O2に沿って上方に向けて立設され、その上端には、容器2の内部と計量キャップ付容器1の外部とを連通する注出口24Aが形成され、
計量カップ4は、本体筒部31、フランジ部32及び装着筒部33を備え、
本体筒部31は、キャップ軸O2に沿う有頂円筒状をなし、内筒部22の内側からノズル筒部24の上方まで延在し、本体筒部31の開口端31A側の外周面は、内筒部22の内周面に密接し、
装着筒部33は、内径がネジ筒部23の外形よりも大径の円筒状をなしており、内周面にネジ筒部23の雄ネジ部23Aに螺合される雌ネジ部33Aが形成され、
ノズル筒部24のキャップ軸O2から径方向の他方側(キャップ軸O2を挟んだ容器2の把持部15の反対側)の側面には、径方向外方に突出する姿勢保持片27が設けられ、
姿勢保持片27は、底板25からキャップ軸O2に沿って上方に向けて延在するリブ状をなしている
計量キャップ付き容器1」

2 引用文献2の記載事項

引用文献2には、次の記載がある。

「 【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、薬用酒、薬剤等を包装するびんと、計量等の目的でびんに添付されるカップとの組合せに関するものである。」
「 【0006】
【実施例】
図面は、本考案の実施例に関し、図1はびんの口部の正面図、図2はカップの斜視図、図3は内溶液を注ぐ状態のびんとカップの断面図である。
【0007】
びん1は薬用酒の包装に用いられるもので、計量のためのカップ4を添付して販売される。図1に示すように、びん1の口部の先端直下には周溝2が設けられ、その下方には螺条3が形成されている。図2に示すように、カップ4の上縁には弧状の切欠5が設けられている。切欠5は、びんの周溝2がちょうど係合できる曲率となっている。カップ4の切欠5が形成されている部分は平面部6となっている。該部分を平面とすることにより、びんとカップを係合させる角度の影響が小さくなり、周溝2の幅を小さくしてもいかなる角度でも係合できる。カップは本実施例の略円筒状にかぎらず、多角筒状とすることもできる。」
「【図2】
[図:0001387798000007.jpg]
」
「【図3】
[図:0001387798000008.jpg]
」

上記記載から、引用文献2には、次の技術が記載されていると認められる(以下「引用技術」という。)。

「計量等の目的でびん1に添付されるカップ4との組合せにおいて、カップ4におけるびん1と係合する部分を平面部6とし、カップを多角筒状とする技術。」

3 周知技術

引用文献3には、次の記載がある。以下、当審が作成した日本語訳を示す。

「[0001] 本発明は、一般に、容器のための取付具に関し、特に、液体製品を分配することができる注ぎ取付具に関する。」

「[0009] 開口は、注ぎ口を含んでもよい。口をリップで終端させることによって、滴下防止機能を提供することができ、滑らかな注ぎを補助することができる。」

「[0038] 注ぎ口25は、概ね円筒形であるが、図3に示されるように、概ね湾曲した正方形の輪郭を有する開口領域30で終端するトランペット形状となるように、外向きに広がっている。」

「図1
[図:0001387798000009.jpg]
」
「図3
[図:0001387798000010.jpg]
」

上記記載から、本願出願前に、次の技術が周知であると認められる。

「容器の注ぎ口に当たる先端部をラッパ状に拡径して形成すること」

第5 対比、判断

1 本件補正発明1

(1)対比

引用発明の「容器2」及び「口部14」は、本件補正発明1の「容器体」及び「口筒部(17)」に相当する。引用発明の「口部14の径方向内方に配置されて底板25を有する有底円筒状をな」す「内筒部22」及び「嵌合筒部23B」を備える「抽出キャップ3」は、本件補正発明1の「該口筒部(17)内に位置する嵌入筒(2)」を備える「本体キャップ1」に相当し、引用発明の「抽出キャップ3」における「内筒部22の底板25に形成された開口部25Aの縁部からキャップ軸O2に沿って上方に向けて立設され、その上端には、容器2の内部と計量キャップ付容器1の外部とを連通する注出口24Aが形成され」る「ノズル筒部24」は、本件補正発明1の「本体キャップ1」における「嵌入筒(2)の底壁(3)から注出内容液をガイドする注出筒(5)」に相当する。

引用発明の「注出キャップ3」が「案内リブ21Aが口部14の案内溝部14Aに収容されるように口部14に対して位置合わせした状態でキャップ軸O2方向に沿ってスライドさせ、環状溝部21Bに環状凸部14Bを嵌め込むことで口部14に装着され、嵌合筒部23Bが口部14の内側に嵌合され」ることは、本件補正発明1の「本体キャップ(1)」が「容器体の口筒部(17)に密にかつ不動に組付」いていることに相当する。

引用発明の(計量カップ4は)「キャップ軸O2に沿う有頂円筒状をなし、」(抽出キャップ3の)「内筒部22の内側からノズル筒部24の上方まで延在し」、(計量カップ4の)「開口端31A側の外周面」が、(抽出キャップ3の)「内筒部22の内周面に密接」している(計量カップ4の)「本体筒部31」は、本件補正発明1の「前記注出筒(5)を覆って前記嵌入筒(2)内に挿入される有頂筒状の計量筒(12)」に相当する。

引用発明の「内周面に」(抽出キャップ3の)「ネジ筒部23の雄ネジ部23Aに螺合される雌ネジ部33Aが形成され」る「装着筒部33」を備える「計量カップ4」は、本件補正発明1の「該本体キャップ(1)に密に螺着し」、「計量筒(12)を有する計量キャップ(11)」に相当する。

引用発明の「計量キャップ付容器1」は、該注出キャップ3と該計量カップ4を備えることから、本件補正発明1の「計量キャップ付き注出栓」を有する「容器体」に相当する。

引用発明の「ノズル筒部24のキャップ軸O2から径方向の他方側(キャップ軸O2を挟んだ容器2の把持部15の反対側)の側面に」設けられた「径方向外方に突出する姿勢保持片27」は、引用文献1の図3(a)の記載からみて、内容液をノズル筒部24から計量カップ4に抽出する際に、計量カップ4の側面に当たるものであるから、引用発明の「径方向外方に突出」し、「底板25からキャップ軸O2に沿って上方に向けて延在するリブ状をなしている」、「姿勢保持片27」は、本件補正発明1の「前記注出筒(5)の背面頂部」に形成された「段部(6)」に相当する。

したがって、本件補正発明1と引用発明は、以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「容器体の口筒部(17)に密にかつ不動に組付き、該口筒部(17)内に位置する嵌入筒(2)の底壁(3)から注出内容液をガイドする注出筒(5)を立設した本体キャップ(1)と、該本体キャップ(1)に密に螺着し、前記注出筒(5)を覆って前記嵌入筒(2)内に挿入される有頂筒状の計量筒(12)を有する計量キャップ(11)とから構成され、
前記注出筒(5)の背面頂部の段部(6)が形成されている計量キャップ付き注出栓。」

<相違点1>

注出筒の背面頂部の段部について、本件補正発明1の「段部(6)」は、「平面を備える平面段部(6a)」であるのに対し、引用発明の「姿勢保持片27」は、「径方向外方に突出」し、「底板25からキャップ軸O2に沿って上方に向けて延在するリブ状をなしている」点。

<相違点2>

計量筒の細部構成について、本件補正発明1の「計量筒(12)」は、「横断面形状が多角形状で形成されると共に先端部(13)がラッパ状に拡径して形成されている」のに対し、引用発明の「本体筒部31」は、その点が不明である点。

(2)判断

以下、相違点について検討する。

ア 相違点1について

引用発明の「径方向外方に突出」し、「延在するリブ状をなしている」点について検討すると、リブの延在方向と直交する方向に係るリブの横断面形状として、四角形ないし三角形は一般的な形状であり、当該形状のうち特に横断面四角形からなるリブの延在態様は、径方向外方に突出して3つの平面を備えるものであるから、当該態様は、平面を備える平面段部といえるものである。

そうすると、相違点1に係る本件補正発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点2について

引用発明及び引用技術は共に、容器本体と計量カップとを備えることで技術が共通するものであり、引用発明の計量筒の形状として、引用技術の多角筒状を採用することは、当業者が適宜なし得た設計事項である。

また、「容器の注ぎ口に当たる先端部をラッパ状に拡径して形成すること」は、本願発明の出願前に周知であって、引用発明において、計量カップ4の注ぎ口に当たる先端部をラップ状に拡径して形成する程度のことは、当業者が適宜なし得た設計事項である。

したがって、相違点2に係る本件補正発明1の構成は、引用発明、引用技術及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。

(3)効果に係る請求人の主張について

請求人は、「引用文献1に記載の発明は、… 消費者(使用者)は、… ノズル筒部24の上端部と姿勢保持片27の上端縁とが略V字状に対向する部分という限定された部分で、計量カップ4の開口端31Aの縁部を挟み込むように接触させる必要があることから、比較的精度の高い注出作業が必要になります。

これに対し、本願発明において注出筒12の平面12aと接する位置は、本願発明1では平面を備える平面段部6a上であれば特に限定されるものではなく、また本願発明2でも頂部を角形状とする角形段部6b上であれば特に限定されるものではないため、使用者は安定した注出作業を比較的簡単に行うことができるという自明の効果を奏します。」(審判請求書「4.本願発明と引用発明の対比」「(3)相違点について検討」の項)と主張している。

しかしながら、本件補正発明1は、当該段部が計量キャップの構成との関係でどのように使用されるかを特定するものではない。そうすると、請求人の上記主張は、本件補正発明1の発明特定事項に基づく主張とはいえない。

なお、本件補正発明1は物の発明であって、上記述べたとおり、引用発明、引用技術及び周知技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであり、容器本体から計量キャップへと内容物を注ぎ入れる際に、注ぎ口背面のリブの部分(段部)と計量キャップの開口端部とを接触させずに使用することも想定されるところ、接触させる際には、単に計量キャップの開口端部にリブ状部分(段部)を乗せることも十分に想定されるものである。そうすると、請求人が主張する効果は、ユーザーが通常採用する使用態様に基づくものであり、引用発明、引用技術及び周知技術から当業者が予測し得る範囲内のものである。

(4)小括

したがって、本件補正発明1は、引用発明、引用技術及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。

2 本件補正発明2

(1)対比

本件補正発明2は、本件補正発明1の「前記注出筒(5)の背面頂部の段部(6)が、平面を備える平面段部(6a)で形成」という発明特定事項について、「前記注出筒(5)の背面頂部の段部(6)が、頂部を角形状とする角形段部(6b)で形成」と特定する点で異なるものである。

そうすると、本件補正発明2と引用発明は、以下の一致点及び相違点を有する。

<一致点>

「容器体の口筒部(17)に密にかつ不動に組付き、該口筒部(17)内に位置する嵌入筒(2)の底壁(3)から注出内容液をガイドする注出筒(5)を立設した本体キャップ(1)と、該本体キャップ(1)に密に螺着し、前記注出筒(5)を覆って前記嵌入筒(2)内に挿入される有頂筒状の計量筒(12)を有する計量キャップ(11)とから構成され、
前記注出筒(5)の背面頂部の段部(6)が形成されている計量キャップ付き注出栓。」

<相違点3>

注出筒の背面頂部の段部について、本件補正発明2の「段部(6)」は、「頂部を角形状とする角形段部(6b)で形成」であるのに対し、引用発明の「姿勢保持片27」は、「径方向外方に突出」し、「底板25からキャップ軸O2に沿って上方に向けて延在するリブ状をなしている」点。

<相違点4>

計量筒の細部構成について、本件補正発明2の計量筒(12)は、「横断面形状が多角形状で形成されると共に先端部(13)がラッパ状に拡径して形成されている」のに対し、引用発明の本体筒部31は、その点が不明である点。

(2)判断

ア 相違点3について

引用発明の「径方向外方に突出」し、「延在するリブ状をなしている」点について検討すると、リブの延在方向と直交する方向に係るリブの横断面形状として、四角形ないし三角形は一般的な形状であり、当該形状のうち特に横断面三角形からなるリブの延在態様は、径方向外方に突出した2つの平面により角形となるものであるから、当該態様は、頂部を角形状とする角形段部といえるものである。

そうすると、相違点3に係る本件補正発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点4について

相違点2で検討したことと同様に、相違点4に係る本件補正発明2の構成は、引用発明、引用技術及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。

(3)効果に係る請求人の主張について

上記1(3)で述べたことと同様に、請求人が主張する効果は、当業者が予測し得る範囲内のものである。

(4)小括

したがって、本件補正発明2は、引用発明、引用技術及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。

第6 むすび

以上のとおり、本件補正発明1及び2は、引用発明、引用技術及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-017705

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