商標拒絶査定不服審判
2020-015979
ムスビ、ケツ、ユイ
- 審判番号
- 2020-015979
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-022125
- 請求日
- 2020年11月19日
- 審決日
- 2021年12月02日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社アイ・エム・シー
- 【請求人代理人】田嶋 諭
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-22125拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成31年2月7日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年1月28日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月12日に意見書及び手続補正書が提出され、指定役務については、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたが、同年8月20日付けで拒絶査定がされた。
これに対して同年11月19日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5275059号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MUSUBI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年1月29日登録出願、第16類及び第35類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年10月23日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審においてした審尋
当審において、令和3年8月5日付け審尋をもって、本願商標は、原査定において引用した前記2の引用商標に加え、本願に係る同2年1月28日付け拒絶理由通知に引用した引用商標のうち、下記の引用商標とは、依然として同一又は類似の商標であって、引用商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するという先の拒絶の理由は解消していない旨を、別掲3のとおりの内容とともに通知し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。
(1)引用商標2
登録第577126号商標は、「結」の文字を書してなり、昭和35年1月20日登録出願、第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同36年7月10日に設定登録されたものである。その後、同56年10月30日、平成3年12月24日、同13年7月17日及び同23年6月7日に存続期間の更新登録がされ、また、同16年2月12日に指定商品を第29類「かつお節,削り節,粉末鰹,乾魚,乾貝,燻製魚,するめ,乾鮑,灰鮑,干しのり,焼きのり」及び第31類「のり」とする指定商品の書換登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
(2)引用商標3
登録第4513947号商標は、別掲4のとおり、「結」の文字を書してなり、平成12年11月10日登録出願、第30類「茶」を指定商品として、同13年10月19日に設定登録され、その後、同23年10月11日に存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
(3)引用商標4
登録第4825266号商標は、「結」の文字を標準文字で表してなり、平成16年3月8日登録出願、第30類「菓子及びパン,穀物の加工品」を指定商品として、同年12月10日に設定登録されたものである。その後、商標登録の取消し審判により、指定商品中「菓子及びパン」について取り消すべき旨の審決がされ、同24年12月28日にその確定審決の登録がされ、また、同26年7月8日に存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
(4)引用商標5
登録第5411927号商標は、「結」の文字を標準文字で表してなり、平成22年8月9日登録出願、第33類「ロゼワイン,ワイン,果実酒,洋酒」を指定商品として、同23年5月13日に設定登録され、令和3年3月23日に存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
(5)引用商標6
登録第5599140号商標は、「結」の文字を標準文字で表してなり、平成25年1月25日登録出願、第5類「乳酸菌を主原料とする顆粒状・タブレット状・液状・粒状・粉末状・錠剤状又はカプセル状の加工食品」を指定商品として、同年7月12日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1ないし6をまとめていうときは、「引用商標」という。
4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)本願商標と引用商標2ないし6の対比
ア 外観上の対比
本願商標は、特徴的な筆書体で表した漢字「結」が大きく中心に配されており、その下部に筆書体で記載された欧文字が配され、「結」の文字のさらに右斜め下にひらがなの「むすび」の文字を配置している。
一方、引用商標2ないし6は、明瞭な書体で書されてなる「結」の一文字からなる商標であるため、本願商標と各引用商標が外観上非類似である。
商標が漢字一文字のみからなる場合、外観上の差異が類否判断に大きな影響を及ぼすことは、他の登録例からも明らかである。
イ 称呼上の対比
本願商標は、非常に特徴的な筆書体で書されてなる漢字「結」が大きく配されており、判読が難しく、当該筆書体のみから特段称呼は生じない。このことは、同書体からなる商標登録第5473469号が、引用商標1「MUSUBI」と併存登録していることからも明らかである。また、下部に、特徴的筆記体が書されてなり、その書体から「musubi」であると一見して判読するのは困難であり、この書体から「ムスビ」の称呼が生じると認定するのは不自然である。本願商標には、ひらがなの「むすび」の文字が配されており、これが手掛かりとなり本願商標から「ムスビ」の称呼が生じる可能性がある。
一方、引用商標2ないし6は、「結」の一文字であり、漢字辞典に示すように、「結」の漢字一文字から生じる音読みは「ケツ」、「ケチ」、「ケイ」、送り仮名なしの訓読みで「ムス」、「ユ」、「ス」の称呼が生じるのであり、送り仮名を振ってはじめて「むすぶ」、「ゆう」、「ゆわえる」、「すく」などの読み方ができる。かかる点から、引用商標2ないし6から生じる自然な称呼は「ムスビ」ではない。審尋において示された事例は、店舗名や商品名の表示として、「結~むすび」や「結(むすび)」、「結 MUSUBI」など、片仮名やローマ字表記を伴うものである。また、漢字一文字「結」の登録と「むす美」等、「ムスビ」の称呼が生じる登録が併存している。
ウ 観念上の対比
本願商標は請求人の独創的な手法によって創造された結合商標である。ひらがなの「むすび」から「糸やひもをむすぶこと」、「結び目」、「人と人を関係づけること」、「しめくくること」、「おわり」、「にぎりめし」、「おにぎり」、「二個または二個以上の集合について、そのうちの少なくともどれか一つ」などの意味合いが生じるとしても、多岐にわたりすぎて特定の観念は生じない。
一方、引用商標2ないし6は漢字一文字「結」であるため、引用商標からは「むすぶ」「ゆう」程度の観念が生じる。
以上より、本願商標と引用商標2ないし6は観念上非類似であることは明らかである。
エ したがって、本願商標と引用商標2ないし6は外観、称呼、観念のいずれにおいても相紛れることがない非類似の商標である。
(2)本願商標と引用商標1の対比
ア 外観上の対比
本願商標は一体不可分的に結合された商標であることに加え、仮に本願商標中の欧文字部分を抽出して観察した場合であっても、上述の通り「musubi」と一見して認識するのは困難なほど特徴的な筆記体であり、引用商標1とは外観上著しく相違し、判然と区別し得るものである。
イ 観念上の対比
原審は、「MUSUBI」から「むすぶこと」程度の意味合いが生じると認定し、日本語の「結び」に変換しているが、「掬び」という日本語もローマ字で表記すると「MUSUBI」になる。かかる点から、「MUSUBI」という欧文字から「むすぶこと」という意味合いが生じるとの判断は妥当ではない。
ウ したがって、本願商標と引用商標1は、称呼として共通するとしても、観念において比較することができず、外観においては顕著に相違するものであるから、両商標は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれはない。
(3)まとめ
以上より、本願商標と引用商標は、互いに相紛れることなく非類似と判断されるべきである。
5 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、筆書きで「結」の漢字を顕著に表し、当該漢字の右下に「むすび」の平仮名を縦書きで、左下に「musubi」の欧文字を筆記体の横書きで、それぞれ配してなるものである。
そして、本願商標は、これを構成する「結」、「むすび」及び「musubi」の各文字部分が「むすぶ。むすぶこと。」を意味する語(文字)の漢字表記、平仮名表記及び欧文字表記であると理解させることからすれば、「むすぶこと」の観念を生じるものであって、顕著に表された「結」の漢字に近接して配された平仮名及び欧文字が当該漢字の読みを特定したものとして看取されるとみるのが自然であるから、「ムスビ」の称呼を生じるものであるといえる。
そうすると、本願商標は、顕著に表された「結」の漢字部分が出所識別に当たっての要部といえるものであり、「ムスビ」の称呼を生じ、「むすぶこと」の観念を生じるものというのが相当である。
(2)引用商標について
ア 引用商標2ないし6は、前記3のとおり、「結」の漢字を表してなるところ、当該文字に相応して「ユイ」、「ケツ」の称呼を生じるほか、当該漢字の有する意味や、当審における令和3年8月5日付け審尋で示した事例(別掲3)を勘案すると、「ムスビ」の称呼をも生じると認めるのが相当である。
そうすると、引用商標2ないし6からは、「ユイ」、「ケツ」及び「ムスビ」の称呼が生じ、「むすぶこと」の観念が生じるものである。
イ 引用商標1は、前記2のとおり、「MUSUBI」の欧文字を表してなるところ、当該文字に相応して「ムスビ」の称呼を生じ、当該欧文字は、一般的に親しまれた語である「結(び)」の欧文字表記と認識するのが自然であるから、「むすぶこと」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標2ないし6との類否について
本願商標は、「ムスビ」の称呼及び「むすぶこと」の観念を生じるものであるのに対し、引用商標2ないし6は、「ユイ」、「ケツ」及び「ムスビ」の称呼及び「むすぶこと」の観念を生じるものであるから、両商標は、「ムスビ」の称呼及び「むすぶこと」の観念を共通にするものである。
また、本願商標と引用商標2ないし6とは、その構成全体をもって比較するときは、外観上、平仮名の「むすび」及び欧文字の「musubi」の文字部分の有無において相違するものの、本願商標の構成中、出所識別標識としての要部である「結」の漢字部分と引用商標2ないし6の構成文字である「結」の漢字とを比較するときは、本願商標の漢字部分が筆書きされているとの書体の差異はあるものの、両者ともに同一の漢字一文字からなるものであるから、互いに類似するものといえる。
そうすると、本願商標と引用商標2ないし6は、その外観において類似し、「ムスビ」の称呼及び「むすぶこと」の観念を共通にする類似の商標と認められる。
イ 本願商標と引用商標1との類否について
本願商標は、「ムスビ」の称呼及び「むすぶこと」の観念を生じるものであるのに対し、引用商標1は、その構成文字に相応して「ムスビ」の称呼を生じ、「むすぶこと」の観念を生じるものであるから、両商標は、その称呼及び観念を共通にするものである。
また、本願商標と引用商標1とは、その構成全体をもって比較するときは、外観上の構成は相違するものの、本願商標は、その構成中に、引用商標1を構成する欧文字と綴りを同じくする「musubi」の欧文字を有するものであり、これに両商標の称呼及び観念の共通性を考慮すれば、これらが同一又は類似の役務に使用された場合に、その外観、称呼、観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1は、類似の商標と認めるのが相当である。
ウ 本願商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定役務は、引用商標1の指定役務中の「飲食料品(「清涼飲料・果実飲料・菓子及びパン・卵・海藻類・肉製品・加工水産物・穀物の加工品・油揚げ・凍り豆腐・こんにゃく・豆乳・豆腐・納豆・ぎょうざ・サンドイッチ・しゅうまい・すし・たこ焼き・肉まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・べんとう・ホットドッグ・ミートパイ・ラビオリ・工業用粉類・豆・米・脱穀済みのえん麦・脱穀済みの大麦・食用粉類・あわ・きび・ごま・そば・とうもろこし・ひえ・麦・籾米・もろこし」並びに「乳酸菌を主原料とする粉末状・顆粒状・カプセル状又はタブレット状の加工食品及びこれらに類似する商品」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と同一又は類似である。
また、本願商標の指定役務中の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品「かつお節,削り節,粉末鰹,乾魚,乾貝,燻製魚,するめ,乾鮑,灰鮑,干しのり,焼きのり,のり」と類似である。
また、本願商標の指定役務中の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標4の指定商品「穀物の加工品」及び引用商標6の指定商品「乳酸菌を主原料とする顆粒状・タブレット状・液状・粒状・粉末状・錠剤状又はカプセル状の加工食品」と類似である。
また、本願商標の指定役務中の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標3の指定商品「茶」と類似である。
さらに、本願商標の指定役務中の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標5の指定商品「ロゼワイン,ワイン,果実酒,洋酒」と類似である。
エ そして、本願商標の指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務において、同一又は類似の関係にある商品及び役務は、いずれも飲食料品に係るものであるところ、これらは日用の食品であって、通常はそれほど注意深く商品等を観察した上で購入されたり取引されたりするものではない。
オ 以上によれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきであり、また、本願の指定役務は、引用商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、特徴的な筆書体で表した漢字「結」が大きく中心に配されており、その下部に筆書体で記載された欧文字が配され、「結」の文字のさらに右斜め下にひらがなの「むすび」の文字を配置しているものであり、商標が漢字一文字のみからなる場合、外観上の差異が類否判断に大きな影響を及ぼすことは他の登録例からも明らかであるから、明瞭な書体で「結」と書されてなる引用商標2ないし6とは外観上非類似と判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、顕著に表された「結」の漢字部分の読みを表したと看取される「むすび」の平仮名、「musubi」の欧文字を構成中に有するものであり、たとえ「結」の漢字が筆書体で表わされていたとしても、当該平仮名及び欧文字を構成中に有することも相俟って、容易に「結」の漢字を表したものであると理解、認識するものというのが相当である。また、「結」の筆書体は、さほど特徴的であるともいい難い上、商標の使用において書体を変更して使用することは、ごく普通に行われていることであるから、両者の書体の相違は、出所識別標識の相違としてそれほど強い印象を与えるものとは認められない。そして、本願商標は、その構成中「結」の漢字部分が出所識別に当たっての要部といえることは前記(1)のとおりであって、当該漢字部分と引用商標2ないし6とを比較するときは、本願商標の漢字部分が筆書きされているとの差異はあるものの、同一の漢字一文字からなるものであり、互いに類似するものといえることは前記(3)アのとおりである。
イ 請求人は、引用商標2ないし6は、送り仮名を振ってはじめて「むすぶ」、「ゆう」、「ゆわえる」、「すく」などの読み方ができるものであるから、引用商標2ないし6から生じる自然な称呼は「ムスビ」ではない。審尋において示された事例は、片仮名やローマ字表記を伴うものである旨主張している。
しかしながら、送り仮名を振らずに「結」の漢字を「ムスビ」と読ませる事例が多数あることは、令和3年8月5日付け審尋をもって通知したところであり、これらの中には、読み方として片仮名やローマ字表記を伴わず、漢字(「結」)のみを表示した使用も認められるものである(別掲3 (1)イ、ウ、(2)イ、(5)イ)。そうすると、前記(2)アのとおり、当該漢字の有する意味や、前記事例を勘案すると、引用商標2ないし6からは、「ユイ」、「ケツ」の称呼のほか、「ムスビ」の称呼も生じると判断するのが相当である。
ウ 本願商標は請求人の独創的な手法によって創造された結合商標であり、「むすび」の平仮名から「糸やひもをむすぶこと」、「結び目」、「人と人を関係づけること」、「しめくくること」、「おわり」、「にぎりめし」、「おにぎり」、「二個または二個以上の集合について、そのうちの少なくともどれか一つ」等、多岐にわたる意味が生じるため、特定の観念は生じない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成中「結」の漢字部分が出所識別に当たっての要部といえるものであり、当該漢字及びその読みを表したと看取される「むすび」の平仮名、「musubi」の欧文字に相応して、「むすぶこと」の観念を生じるものであることは、前記(1)のとおりである。
エ 請求人は、本願商標と引用商標1との類否について、本願商標は一体不可分的に結合された商標であり、仮に本願商標構成中の欧文字部分を抽出して観察した場合であっても、「musubi」と一見して認識するのは困難なほど特徴的な筆記体であり、引用商標1とは外観上著しく相違し、判然と区別し得るものである旨、また、引用商標1について、「掬び」という日本語も欧文字で表記すると「MUSUBI」になるから、「MUSUBI」という欧文字から「むすぶこと」という意味合いが生じるとの判断は妥当ではない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成中「結」の漢字部分が出所識別に当たっての要部といえるものであるところ、その読みを表したと看取される「musubi」の欧文字は、判読困難なほど特徴的筆記体とはいい難いものである。また、引用商標1を構成する「MUSUBI」の文字について、欧文字表記をすると「MUSUBI」となる漢字が他に存在するとしても、引用商標1に接する取引者、需要者は、当該欧文字を、もっとも親しまれ、日常的に使用する「結(び)」の欧文字表記であると認識するとみるのが自然であるから、当該欧文字からは、「むすぶこと」の観念が生じるというべきである。
オ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであって、登録することはできない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-015979