審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2020-015654

衛星放送システムを介したオンラインメディアコンテンツの提供

審判番号
2020-015654
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-500840外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年11月12日
審決日
2023年05月22日
公報発行日
2023年11月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-500840「衛星放送システムを介したオンラインメディアコンテンツの提供」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月 8日国際公開、WO2018/026834、令和 元年 7月25日国内公表、特表2019-521606〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 30項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2017年(平成29年)8月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年8月1日 米国、2016年11月29日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成31年 1月21日 :手続補正書
令和 元年11月22日付け:拒絶理由通知書
令和 2年 2月13日 :意見書、手続補正書の提出

同年 7月15日付け:拒絶査定

同年11月12日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 1月14日 :前置報告

同年 3月 9日 :上申書

令和 4年 3月 7日付け:拒絶理由通知書(当審)

同年 5月12日 :意見書、手続補正書の提出

同年11月15日付け:拒絶理由通知書(当審)
令和 5年 1月13日 :意見書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1ないし20に係る発明は、令和4年5月12日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。

なお、記号A~Gは分説するために当審で付与したものであり、以下、構成A~Gという。

「A メディアサーバの処理デバイスによって、コンテンツサーバと衛星セットトップボックスを含む衛星放送システムを介してユーザの消費のために提供されるべきメディアアイテムを選択するステップと、
B 前記メディアサーバによって、暗号化鍵を使用して暗号化された前記メディアアイテムを前記衛星放送システムの前記コンテンツサーバに第1の通信プロトコルによって送信するステップと、
C 前記メディアサーバによって、前記衛星放送システムの前記コンテンツサーバに、前記メディアアイテムを利用可能にするスケジュールされたタイムスロットを含むスケジュールデータを提供するステップと、
D 前記メディアサーバによって、前記スケジュールデータに基づいて、前記メディアアイテムを、前記衛星放送システムを介して前記スケジュールされたタイムスロットにおいてユーザデバイスにとってダウンロードに利用可能にするステップと、
続きを表示(全11行)
E 前記メディアサーバによって、暗号化されたメディアアイテムを復号するための認可の要求を前記ユーザデバイスから受信するステップであって、
E1 前記要求が、前記第1の通信プロトコルと異なる低帯域幅の通信の第2の通信プロトコルによって前記メディアサーバによって受信され、
E2 前記暗号化されたメディアアイテムが、衛星通信リンクを介して前記コンテンツサーバから前記衛星セットトップボックスに送信され、前記ユーザデバイスによって、前記衛星放送システムの前記衛星セットトップボックスとの直接接続を介して取得されたものである、
E ステップと、
F 前記メディアサーバによって、前記ユーザデバイスが前記暗号化されたメディアアイテムを復号することを認可されるかどうかを判定するステップと、
G 前記メディアサーバによって、前記直接接続を介して前記衛星放送システムの前記衛星セットトップボックスから前記ユーザデバイスによってダウンロードされた前記暗号化されたメディアアイテムを前記ユーザデバイスが復号することを認可されることに応じて、前記暗号化されたメディアアイテムを復号するための鍵を前記第2の通信プロトコルによって送信するステップと、
A を含む方法。」

第3 当審拒絶理由の概要

当審において令和4年11月15日付けで通知した拒絶理由の概要は、次のとおりである。

本願の請求項1ないし20に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項1~20

・引用文献等 1~7

引 用 文 献 等 一 覧

1.特開2002-261746号公報

2.特開2001-292436号公報

3.特開2006-211615号公報

4.特開2006-109099号公報

5.特開2006-12075号公報

6.国際公開第2001/33546号

7.特開2011-55310号公報

第4 引用文献

1 引用文献1

引用文献1には、配信段階におけるディジタルデータの配信方法に関して、図面と共に以下の記載がある。下線は当審で付与した。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタルデータの配信方法及び配信システムに関する。また、本発明は、ディジタルデータの配信方法及び配信システムの実現に必要な要素技術に関する。」
「【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、ディジタルデータは完全な複製物を容易に作成できるため、不正行為(例えば、不正復号再生、不正複製、横流し)が行われると、非常に大きな損害が生じてしまう。このため、不正行為からコンテンツ提供者(例えば、コンテンツ制作者、配給権者、配信事業者)を保護する仕組み作りが急がれている。特に、制作に膨大な費用と人手を要し、資産価値の高いコンテンツ(例えば、映画)に関しては、不正行為によって莫大な損害が生じるため、不正行為が困難な仕組み作りが求められる。
【0005】本願明細書は以上の課題を考慮し、配信段階における不正行為が困難な配信方法及び当該方法を適用したシステム並びにそれらを実現する要素技術について提案する。」

「【0034】また例えば、一組の合わせ鍵の一部を第1の伝送網(ネットワーク)を通じて配信し、その他を第2の伝送網(ネットワーク)を通じて配信する方法を採り得る。このように全ての鍵情報を伝送網を通じて配信すると、鍵情報の配信に要する時間的制約を少なくできる。また鍵情報の配信を経済的に実施できる。なお以上の伝送網(ネットワーク)を用いた鍵情報の配信に際しては、例えば電子証明書を使用して本人確認(配信先の確認)を行い、認証された配信先が公開する公開鍵で暗号化した鍵情報を配信するなどの手法が望ましい。」

「【0072】
【発明の実施の形態】(1)ビジネスモデル
(1-1)一般例
図1に本願明細書が想定するビジネスモデルの基本的な構成例を示す。このビジネスモデルは、ディジタルデータの送り手である配信者と、ディジタルデータの受け手である特定者とで構成される。なお図1は、配信者が、ディジタルデータの配給権を有する配給権者1とディジタルデータの配信事業を行う配信事業者2の二者で構成される場合を表わしている。これは配給権者と配信事業者が同一人である場合も少なくないと考えられるが、それ以上に複数人によって配信者が構成される場合も少なくないと考えられるためである。
【0073】また、配給権者1はコンテンツ制作者からコンテンツ、すなわちディジタルデータの配給権を譲り受けた者である場合の他、コンテンツ制作者自身である場合、配給権者とコンテンツ制作者の共同事業体の場合もある。他方、特定者には個人や事業者(例えば劇場事業者)が該当する。
【0074】上述したように、ここでは上流側システム(データの流れから見て上流側のシステムの意味)が配給権者のシステムと配信事業者のシステムで構成され、下流側システム(データの流れから見て下流側のシステムの意味)が特定者のシステムで構成される場合について説明する。
【0075】配信対象に想定するディジタルデータは、文字データ(例えば、テキスト、記号、図形)、オーディオデータ(例えば、音声、楽曲)、ビデオデータ(例えば、静止画、動画)、オーディオデータとビデオデータの複合データ(例えば、映画、放送番組)、プログラムデータ、データベースデータ、その他のディジタルデータがある。勿論、これらの付属情報(例えばメタデータと呼ばれるID(媒体上の識別情報)、撮影日時、場所、人物、状態等に関する情報がある。)も含まれ得る。
【0076】一般に、ディジタルデータの配信には、伝送帯域が広く大容量のデータを配信するのに適した高速配信用ネットワーク3を想定する(図1)。この図1においては、コンテンツ制作会社1から電子配信事業者2にコンテンツとしてのディジタルデータを送り、高速配信用ネットワーク3を介して、特定者A,B等にディジタルデータを配信するシステムを示している。ただし、CD-ROMやDVDその他の記録媒体による形態での配信を排除するものではない。高速配信用ネットワーク3には、放送衛星や光ファイバその他の広帯域伝送網を使用する。これらは少なくとも下り方向について大容量の伝送が可能なものを使用する。もっとも、上り方向への伝送も可能な双方向伝送網を用いても良い。
・・・(中略)・・・
【0084】なお図1のビジネスモデルの場合、特定者Aと表した個人宅が受信可能なデータは、映像コーデックVCD1で符号化された映像データと音声コーデックACD1で符号化された音声データであるため、それらが配信を受けたデータ8の中からFATの情報を基に選択的に抽出される又は再生される。一方、特定者Bと表した事業者が必要とするデータは、映像コーデックVCD2で符号化された映像データと音声コーデックACD2で符号化された音声データであるため、それらが配信を受けたデータ8の中からFATの情報を基に選択的に抽出される又は再生される。もっとも常にマルチフォーマットで配信しなければならないわけではないし、配信先毎に必要とされるフォーマットの組み合わせの情報を配信しても良い。」
「【0097】(2)配信システム例
上述のビジネスモデルを実現する配信システムの機能ブロック構成例を示す。なお各システム例は、課題を解決するための手段で説明した第1~第4の手段のいずれかに対応する。勿論、実施形態例であるから部分的には特定の機能に限定した記載もあるが、前述の通りこれらに限られるものではない。」
「【0098】(2-1)第1の配信システム例
図4に、上述のビジネスモデルを実現するための第1の配信システム例を示す。なお第1の配信システム例は前述の第1の手段に対応する。当該システムは上流側システムと下流側システムとで構成される。ここでの上流側システムは、コンテンツの配給権を有する事業者1のシステムと電子配信事業者2のシステムの複合システムとする。勿論前述のように単一事業者のシステムを排除するものではないし、3者以上の事業者による複合システムを排除するものではない。一方、下流側システムはディジタルデータの配信を受ける特定者毎に固有のシステムとする。
【0099】(2-1-1)概念構成
まず当該第1の配信システム例の概念構成を説明する。この第1の配信システムには、ディジタルデータの配信に着目した第1のモデルと、ディジタルデータの受け手側に着目した第2のモデルとが含まれる。
続きを表示(全27行)
・・・(中略)・・・
【0107】また、出力装置としては表示装置(例えば、モニタ装置、テレビジョン受像機、プロジェクタ装置、携帯型の電子機器)、印刷装置、スピーカ、記録媒体への記録装置等が考えられる。
・・・(中略)・・・
【0110】(2-1-2)システム構成
図4の場合、上流側システムは、コンテンツサーバ11と、コンテンツ符号化部12と、暗号化部13と、送出サーバ14と、コンテンツ管理サーバ15と、鍵発生部16と、配信先管理サーバ17と、合わせ鍵生成部18と、書込部19とから構成される。
・・・(中略)・・・
【0112】一方、下流側システムは、受信サーバ31と、読取部32と、復号サーバ33と、出力装置34(デスクランブル部34A)とから構成される。このうち、復号サーバ33は、更に復号機能部35(復号化部35A、鍵復元部35B、コンテンツ復号化部35C、スクランブル部35D)と、スクランブル制御部36と、出力ログ管理部37とで構成される。
・・・(中略)・・・
【0115】(2-1-3)各機能部の構成
まず、上流側システムを構成する各機能部を説明する。コンテンツサーバ11は、記録媒体(図4では磁気テープ)や伝送路を通じて提供を受けたディジタルデータの蓄積を主な機能とする装置である。このため大容量のストレージ装置を備える。なお当該サーバはコンピュータ構成を採る。
・・・(中略)・・・
【0118】暗号化部13は、鍵発生部16からコンテンツに固有の暗号鍵の提供を受け、当該暗号鍵を用いてコンテンツ符号化処理の終了したディジタルデータに暗号処理を施す装置である。ここで使用する暗号方式は運用時に広く採用されているものを用いれば良い。
・・・(中略)・・・
【0121】送出サーバ14は、特定者のみが視聴又は記録できるように暗号化処理の施された(条件付きアクセス処理が施された)ディジタルデータをストレージ装置に蓄積する機能と、配信スケジュールに従って高速配信用ネットワーク3に出力する機能とを実現する装置である。ここでの出力機能は、広帯域伝送機能やレートコントロール機能を備える送信装置で実現される。
・・・(中略)・・・
【0124】コンテンツ管理サーバ15は、コンテンツサーバ11と通信し、新たに受付けたコンテンツの登録処理やコンテンツの検索処理、ファイル分割処理その他を実行する装置である。当該サーバもコンピュータ構成を採る。当該サーバではコンテンツ毎に発生された暗号鍵情報が管理される。例えば、コンテンツと対応する暗号鍵との関係がデータベースとして管理される。
・・・(中略)・・・
【0134】次に、下流側システムを構成する各機能部を説明する。受信サーバ31は、特定者のみが視聴又は記録できるように暗号化処理の施された(条件付きアクセス処理が施された)ディジタルデータの受信機能と、配信を受けたディジタルデータをストレージ装置に蓄積する機能と、再生スケジュールに従って復号サーバ33に出力する機能とを実現する装置である。ここでの受信機能は、受信データに含まれる誤り訂正等を行う機能も備える。
・・・(中略)・・・
【0137】復号サーバ33は、ディジタルデータに施されている暗号処理を解除する処理と、暗号が解除されたディジタルデータに施されている符号化処理を復号化する処理とを実行する一方で、復元された生のディジタルデータがそのまま装置外部に出力されないように局所的なスクランブル処理を施す装置である。
【0138】復号サーバ33は、専用のハードウェアを用いて構成しても良いし、コンピュータに同等の機能を実現させるソフトウェアの処理機能として実現しても良い。因みに当該復号サーバ33は、悪意の特定者による不正行為からディジタルデータを保護するため、正規の手続き以外ではその筐体を開封できない仕組みや不正に開封すると動作しなくなる仕組みを採用する。これらの仕組みについては既存の技術を使用する。
・・・(中略)・・・
【0158】その後、生成された合わせ鍵A1とA2がディジタルデータの送信に先立って事前に配信される。このシステムの場合、合わせ鍵A1はネットワークを通じて、合わせ鍵A2は記録媒体に記録された形態で配信される。もっとも、常にディジタルデータの配信に先立って行われなければならない訳ではない。暗号処理の解除に必要な鍵がディジタルデータの配信後に行われる場合もあり得る。」
「【0191】(2-4)第4の配信システム例
図7に、上述のビジネスモデルを実現するための第4の配信システム例を示す。ここで図7は、図4との対応部分に同一符号を付して表したものである。なお第4の配信システム例は前述の第1の手段に対応する。
【0192】(2-4-1)概念構成
まず当該第4の配信システム例の概念構成を説明する。この第4の配信システムの場合も、ディジタルデータの配信に着目した第1のモデルと、ディジタルデータの受け手側に着目した第2のモデルとが含まれる。
続きを表示(全15行)
【0193】(1)第1のモデル
第1のモデルとして見た上流側システムは、各ディジタルデータに固有の暗号鍵を発生する処理と、ディジタルデータを対応する暗号鍵で暗号化する処理と、暗号鍵を基に配信先である各特定者に固有の一組の合わせ鍵を生成する処理と、生成された合わせ鍵又はその発生情報の一部を第1の伝送網を通じて各特定者に配信する処理と、生成された合わせ鍵又はその発生情報のうち残りの部分を第2の伝送網を通じて各特定者に配信する処理と、配信スケジュールに従って暗号処理の施されたディジタルデータを配信する処理とを実行する。
【0194】一方、下流側システムは、第1の伝送網を通じて配信を受けた合わせ鍵又はその発生情報の一部と、第2の伝送網を通じて配信を受けたそれらと対をなす残りの部分とを基に対応するディジタルデータに固有の暗号鍵を復元する処理と、復元された暗号鍵を用い対応するディジタルデータに施されている暗号処理を解除する処理とを実行する。
【0195】(2)第2のモデル
第2のモデルとして見た下流側システムの復号サーバは、第1の伝送網を通じて配信を受けた合わせ鍵又はその発生情報の一部と、第2の伝送網を通じて配信を受けたそれらと対をなす残りの部分とを基に対応するディジタルデータに固有の暗号鍵を復元する処理と、復元された暗号鍵を用い対応するディジタルデータに施されている暗号処理を解除する処理と、ディジタルデータに付属する再生条件が満たされることを条件にスクランブル鍵とその解除鍵とを局所的に生成する処理と、暗号処理が解除されたディジタルデータの唯一の出力先において、当該ディジタルデータに施されている符号化処理を復号化し、ディジタルデータを復元する処理と、復元されたディジタルデータの唯一の出力先において、上記処理において生成されたスクランブル鍵を用い、ディジタルデータをスクランブル処理して出力する処理とを実行する。
【0196】このとき下流側システムの出力装置は、復号サーバから入力されるディジタルデータに施されているスクランブル処理を、復号サーバから与えられたスクランブル解除鍵によって解除する処理と、上記処理でスクランブル処理が解除されたディジタルデータの唯一の出力先において、当該ディジタルデータを所定の出力形態で出力する処理とを実行する。
【0197】(2-4-2)システム構成
本システム例における上流側システムと第1の配信システム例との違いは、合わせ鍵生成部18で発生された合わせ鍵A1及びA2がいずれもネットワークを介して配信される点である。
【0198】以上が第4の配信システムと第1の配信システム例との相違点である。なお基本的なシステム構成については何ら変更がないため、鍵情報の配信動作以外は第1の配信システム例と同様である。
【0199】(2-4-3)第4の配信システム例によって得られる効果
以上のように第4の配信システム例によれば、鍵情報の配信を2つともネットワークを介して実現するため、すなわち全ての鍵情報を即時性に優れたネットワークを通じて配信できるため、記録媒体を使用して鍵情報の配信を行う場合と比べ、鍵の配信からディジタルデータの配信が開始されるまでの時間を大幅に短縮できる。」
「
[図:0001403012000001.jpg]
」
「【図4】
[図:0001403012000002.jpg]
」
「【図7】
[図:0001403012000003.jpg]
」

上記記載より、引用文献1の「第4の配信システム例」(【0191】~【0199】)は「ビジネスモデル」(【0072】)を実現する「配信システム例」(【0097】)の一例であり、【0097】、【0197】~【0198】に記載のとおり、同じく一例である「第1の配信システム例」(【0098】~【0158】)とは鍵情報の配信動作(合わせ鍵A1及びA2がいずれもネットワークを介して配信される)以外は同様のものであることから、以下のことがいえる。

・上記【0001】、【0076】によれば、引用文献1には、放送衛星を使用した高速配信用ネットワークを介して、コンテンツとしてのディジタルデータを配信するディジタルデータの配信方法に関する発明が記載されている。

・上記【0074】、【0084】、【図1】によれば、引用文献1のディジタルデータの配信方法は、上流側システムが配給権者のシステムと配信事業者のシステムで構成され、下流側システムが特定者の個人宅のシステムで構成されたものである。

・上記【0110】によれば、上流側システムは、コンテンツサーバ11と、暗号化部13と、送出サーバ14と、コンテンツ管理サーバ15を構成に含むものである。

・上記【0115】によれば、コンテンツサーバ11は、記録媒体や伝送路を通じて提供を受けたディジタルデータの蓄積を主な機能とする装置である。

・上記【0118】、【0121】によれば、送出サーバ14は、暗号化部13で暗号化処理の施されたディジタルデータをストレージ装置に蓄積する機能と、配信スケジュールに従って、高速配信用ネットワーク3に出力する機能とを実現する装置である。

・上記【0124】によれば、コンテンツ管理サーバ15では、コンテンツ毎に発生された暗号鍵情報が管理される。

・上記【0107】、【0112】、【図4】、【図7】によれば、下流側システムは、受信サーバ31と、復号サーバ33と、表示装置(例えば、モニタ装置、テレビジョン受像機、プロジェクタ装置、携帯型の電子機器)である出力装置34を構成に含むものである。

・上記【0134】によれば、受信サーバ31は、暗号化処理の施されたディジタルデータの受信機能と、配信を受けたディジタルデータをストレージ装置に蓄積する機能と、再生スケジュールに従って復号サーバ33に出力する機能とを実現する装置である。

・上記【0137】、【0138】、【図4】、【図7】によれば、復号サーバ33は、ディジタルデータに施されている暗号処理を解除する処理を実行する装置であり、表示装置(出力装置34)と接続されたコンピュータを用いて構成されている。

・上記【0075】によれば、配信対象に想定するディジタルデータは、文字データ(例えば、テキスト、記号、図形)、オーディオデータ(例えば、音声、楽曲)、ビデオデータ(例えば、静止画、動画)、オーディオデータとビデオデータの複合データ(例えば、映画、放送番組)を含むものである。

・上記【0193】によれば、上流側システムは、各ディジタルデータに固有の暗号鍵を発生する処理と、ディジタルデータを対応する暗号鍵で暗号化する処理と、暗号鍵を基に配信先である各特定者に固有の一組の合わせ鍵を生成する処理と、生成された合わせ鍵又はその発生情報の一部を第1の伝送網を通じて各特定者に配信する処理と、生成された合わせ鍵又はその発生情報のうち残りの部分を第2の伝送網を通じて各特定者に配信する処理と、配信スケジュールに従って暗号処理の施されたディジタルデータを配信する処理とを実行している。

・上記【0034】、【0197】、【図7】によれば、第1の伝送網及び第2の伝送網はネットワークであるといえる。

・上記【0158】によれば、暗号処理の解除に必要な鍵の配信は、ディジタルデータの配信後に行われてよいものである。

・上記【0194】、【0195】によれば、下流側システムの復号サーバは、第1の伝送網を通じて配信を受けた合わせ鍵又はその発生情報の一部と、第2の伝送網を通じて配信を受けたそれらと対をなす残りの部分とを基に対応するディジタルデータに固有の暗号鍵を復元する処理と、復元された暗号鍵を用い対応するディジタルデータに施されている暗号処理を解除する処理とを実行している。

したがって、上記摘記事項および図面を総合勘案すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

なお、各構成の符号a~gは、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成a~構成gという。

「a 放送衛星を使用した高速配信用ネットワークを介して、コンテンツとしてのディジタルデータを配信するディジタルデータの配信方法であって、
b 上流側システムが配給権者のシステムと配信事業者のシステムで構成され、下流側システムが特定者の個人宅のシステムで構成されており、
c 上流側システムは、コンテンツサーバ11と、暗号化部13と、送出サーバ14と、コンテンツ管理サーバ15を構成に含むものであり、
c1 コンテンツサーバ11は、記録媒体や伝送路を通じて提供を受けたディジタルデータの蓄積を主な機能とする装置であり、
続きを表示(全15行)
c2 送出サーバ14は、暗号化部13で暗号化処理の施されたディジタルデータをストレージ装置に蓄積する機能と、配信スケジュールに従って、高速配信用ネットワーク3に出力する機能とを実現する装置であり、
c3 コンテンツ管理サーバ15では、コンテンツ毎に発生された暗号鍵情報が管理されており、
d 下流側システムは、受信サーバ31と、復号サーバ33と、表示装置(例えば、モニタ装置、テレビジョン受像機、プロジェクタ装置、携帯型の電子機器)である出力装置34を構成に含むものであり、
d1 受信サーバ31は、暗号化処理の施されたディジタルデータの受信機能と、配信を受けたディジタルデータをストレージ装置に蓄積する機能と、再生スケジュールに従って復号サーバ33に出力する機能とを実現する装置であり、
d2 復号サーバ33は、ディジタルデータに施されている暗号処理を解除する処理を実行する装置であり、表示装置(出力装置34)と接続されたコンピュータを用いて構成されており、
e 配信対象に想定するディジタルデータは、文字データ(例えば、テキスト、記号、図形)、オーディオデータ(例えば、音声、楽曲)、ビデオデータ(例えば、静止画、動画)、オーディオデータとビデオデータの複合データ(例えば、映画、放送番組)を含むものであり、
f 上流側システムは、各ディジタルデータに固有の暗号鍵を発生する処理と、ディジタルデータを対応する暗号鍵で暗号化する処理と、暗号鍵を基に配信先である各特定者に固有の一組の合わせ鍵を生成する処理と、生成された合わせ鍵又はその発生情報の一部を第1の伝送網を通じて各特定者に配信する処理と、生成された合わせ鍵又はその発生情報のうち残りの部分を第2の伝送網を通じて各特定者に配信する処理と、配信スケジュールに従って暗号処理の施されたディジタルデータを配信する処理とを実行しており、
f1 第1の伝送網及び第2の伝送網はネットワークであり、
f2 暗号処理の解除に必要な鍵の配信は、ディジタルデータの配信後に行われるものであり、
g 下流側システムの復号サーバは、第1の伝送網を通じて配信を受けた合わせ鍵又はその発生情報の一部と、第2の伝送網を通じて配信を受けたそれらと対をなす残りの部分とを基に対応するディジタルデータに固有の暗号鍵を復元する処理と、復元された暗号鍵を用い対応するディジタルデータに施されている暗号処理を解除する処理とを実行する、
a ディジタルデータの配信方法。」

2 引用文献2

引用文献2には、図面と共に以下の記載がある。下線は当審で付与した(以下、同様)。

「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、配信される映像、音声、文字、その他のデータからなるコンテンツを配信するためのデータを管理する管理装置および方法に関する。」
「【0013】図2は、配信システムのより詳細な構成を示す。コンテンツ提供装置1011は、データベース201とコンテンツサーバ202と番組情報クライアント203と配信資源予約クライアント204とで構成されている。コンテンツ提供装置1011以外のコンテンツ提供装置も同様の構成を有している。コンテンツ提供装置1011は、例えば番組制作会社である。
・・・(中略)・・・
【0015】番組情報クライアント203は、送信装置102の番組情報サーバ302とインターネット205を介して通信を行う。番組情報は、提供するコンテンツに関連する情報例えば番組のジャンル、番組名、出演者名等の情報である。配信資源予約クライアント204は、送信装置102の配信資源予約サーバ304とインターネット205を介して通信を行う。それによって、コンテンツ提供装置1011自身が配信資源の一部を予約することが可能とされている。
・・・(中略)・・・
【0018】送信装置102は、コンテンツサーバ301と、番組情報サーバ302と、番組情報のデータベース303と、配信資源予約サーバ304と、配信資源のデータベース305と、複合データ送出サーバ306と、MPEG多重化装置307と、IP多重化装置308とを備えている。コンテンツサーバ301には、コンテンツ提供装置1011 からインターネット205を介して提供されるコンテンツが蓄積される。また、コンテンツサーバ301からのマルチメディアデータがMPEG多重化装置307に出力される。コンテンツサーバ301には、インターネット用のアーカイバが含まれており、アーカイバからのデータがIP多重化装置308へ出力される。
【0019】番組情報サーバ302は、コンテンツ提供装置1011 の番組情報クライアント203と通信を行い、番組情報を管理する。すなわち、登録されているテレビ番組のメタ情報およびマルチメディアコンテンツのメタ情報のデータベース303を統合的に管理する。データベース303が全メタ情報のマスターデータベースとなり、分散環境におけるスレーブデータベース(202)で番組登録、帯域予約されたデータは、番組情報サーバ302で統合管理されると共に、各スレーブデータベースに対して複製メタ情報を供給する。
【0020】配信資源予約サーバ304は、コンテンツ提供装置1011の配信資源予約クライアント204と通信を行い、配信資源の予約を管理する。すなわち、送信装置102に割り当てられた全放送帯域の帯域割り当てスケジュールを管理する。個々の送出データを一つの番組として管理するマスターデータベース305と、配信資源予約状況を閲覧および操作するユーザインターフェイス部から構成されている。個々の送出データは、テレビ番組と同様に、タイトル、内容説明等のメタ情報が付加されるので、それによって通常のテレビ番組の番組表(電子番組表EPG)の中に一つの番組として組み込むことが可能とされている。データベース303および305を統合しても良い。」
「【0050】図8は、コンテンツ配信資源予約処理を説明するためのフローチャートである。ステップS1では、資源予約情報が読み込まれ、資源予約情報に基づいて配信資源予約画面(図6または図7)が表示される。ステップS2では、番組情報、コンテンツリストが読み込まれ、これらの情報に基づいて詳細および割当情報表示706または806が表示される。
【0051】そして、上述したようなドラッグ&ドロップ操作によってコンテンツが選択される(ステップS3)。ステップS4では、選択したコンテンツの配信品質が選択される。配信品質は、標準画質、高画質等である。次のステップS5では、配信方式が選択される。この例では、放送とアーカイブの一方が選択される。
【0052】ステップS5において、放送を選択した時には、ステップS6において、伝送路が選択される。伝送路としては、例えば衛星、地上波、インターネットの何れかが選択される。さらに、ステップS7では、帯域を占有するか、余剰帯域を使うかが選択される。そして、ステップS8において、該当する資源予約上(図6または図7の帯状の表示701等)にドラッグ&ドロップする。
【0053】ステップS5において、配信方式としてアーカイブが選択されると、ステップS9において、記憶装置の選択がなされる。例えばウェブサイト1,ウェブサイト2,・・・等の何れかが選択される。そして、該当する資源予約上にドラッグ&ドロップする(ステップS8)。
【0054】ステップS8に続くステップS10では、配信する日時、期間の調整が例えばドラッグによってなされる。ステップS9では、配信資源予約情報が設定されたものを反映するように更新される。このようにして、コンテンツ配信資源予約処理がなされる。コンテンツ提供装置および送信装置の何れにおいても、上述した処理に相違がない。」
「【図6】
[図:0001403012000004.jpg]
」

上記記載から、引用文献2には次の技術事項が記載されていると認められる。

(1)「コンテンツ配信システムにおいて、送信装置の配信資源予約サーバに対して、配信資源予約クライアントの配信資源予約画面上でコンテンツを選択し、配信する日時、期間の調整を行うことで配信資源の予約を行うこと」

(2)「コンテンツ配信システムにおいて、送信装置への配信スケジュールの割り当てが、衛星、地上波、インターネットの伝送路及び帯域ごとに、配信する日時、期間を表す帯状の表示により管理されること」

3 引用文献3

引用文献3には、図面と共に以下の記載がある。

「【0001】
本発明は、映像等の多品質のコンテンツの配信/取得を行う情報処理装置、配信管理サーバ、配信要求方法、配信管理方法、コンテンツ配信システム、配信要求方法、配信管理方法、配信要求プログラム、配信管理プログラムおよび記録媒体に関するものである。」
「【0054】
図2(a)は、コンテンツの配信予約の申請時を示している。図示されるように、利用者端末1から配信管理サーバ2に対してコンテンツの配信予約の申請情報が送信され、該配信予約が受け付けられる。」
「【0089】
配信予約コンテンツ決定部193は、配信予約を行うコンテンツおよびその品質を決定するものである。すなわち、配信予約コンテンツ決定部193は、配信希望のコンテンツを決定するコンテンツ決定手段(図示せず)と、配信希望の品質を決定する品質決定手段(図示せず)とを備える。
・・・(中略)・・・
【0092】
つまり、上記コンテンツ決定手段(図示せず)は、コンテンツ検索部191がコンテンツ関連情報から抽出した全てのコンテンツ名を表示させ、入力部12の入力に応じて、配信希望のコンテンツを決定する。また、上記品質決定手段(図示せず)は、機種―品質対応情報14-3および配信場所-品質対応情報14-4から読み出した品質のうちより低い方の品質以下のものから、入力部12の入力に応じて、配信希望の品質を決定する。
【0093】
申請処理部194は、配信予約コンテンツ決定部193から出力された配信希望コンテンツ・品質情報、配信方法情報取得部192が取得した配信希望場所情報、配信予約時間情報、配信先機種情報を含む申請情報を生成し、該申請情報を配信管理サーバ2に送信するものである。」

上記記載から、引用文献3には次の技術事項が記載されていると認められる。

「コンテンツ配信システムにおいて、配信管理サーバに対して、利用者端末から配信希望コンテンツ、配信予約時間を含む申請情報を申請して配信予約を行うこと」

4 引用文献4

引用文献4には、図面と共に以下の記載がある。

「【0001】
本発明はコンテンツデータを,ネットワークを介して配信することが可能なコンテンツ配信システム,コンテンツ配信装置,利用者端末,およびコンピュータプログラムに関する。」
「【0042】
図1に示すように,本実施の形態にかかるコンテンツ配信システム100は,例えば,複数の利用者端末101a,101b,…,101n(以下,「利用者端末101」と総称する場合もある。)と,ユーザ認証サーバ300と,コンテンツ管理サーバ400と,課金サーバ700と,これら装置を相互に接続するネットワーク103とから少なくとも構成される。なお,上記ユーザ認証サーバ300と,コンテンツ管理サーバ400と,課金サーバ700とを,コンテンツ配信装置(コンテンツ配信サーバ)と総称する場合もある。」
「【0073】
なお,本実施の形態にかかるユーザ認証サーバ300,コンテンツ管理サーバ400,および課金サーバ700は別体として構成され,ネットワーク103に各々接続される場合を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されない。例えば,ユーザ認証サーバ300,コンテンツ管理サーバ400,および課金サーバ700が一体化される場合であっても実施可能である。」

上記記載から、引用文献4には次の技術事項が記載されていると認められる。

「コンテンツ配信システムにおいて、ユーザ認証サーバと,コンテンツ管理サーバと,課金サーバを別体として構成しても、一体化して構成してもよいこと」

5 引用文献5

引用文献5には、図面と共に以下の記載がある。

「【0001】
本発明は、通信型情報配信システム、通信型ナビゲーションシステムおよび情報配信サーバならびにプログラムに関するものであり、特に、携帯電話などの携帯端末に所望の音声データなどのコンテンツをダウンロードして利用する際に、該コンテンツの著作権保護を容易に実現しつつ、ユーザが希望するコンテンツを簡便な方法で携帯端末にダウンロードできるように構成した通信型情報配信システムおよび情報配信サーバならびにプログラムに関するものである。」
「【0041】
そのため、図1の通信型情報配信システムにおいては、音声データ等のコンテンツデータを提供するコンテンツサーバ50や30と、コンテンツのダウンロード利用に対する決済処理を行う課金サーバ60が設置されている。携帯端末20、情報配信サーバ40、コンテンツサーバ50、課金サーバ60は、WAP(Wireless Application Protocol)ネットワーク12を介して接続され、WAPゲートウェイを経由して、携帯端末20とそれぞれのサーバ群(情報配信サーバ40~課金サーバ60)とがデータ通信することが可能である。また、携帯端末である携帯電話の課金サーバともWAPネットワーク12を介して接続されている。課金サーバ60は、クレジットカード会社の決済サーバであっても、携帯電話の課金サーバであってもよい。またWAPゲートウェイからはインターネット14にも接続されており、インターネット上の他のコンテンツサーバ30等とも接続が可能である。」
「【0057】
しかしながら、情報配信サーバ40のサービス提供者がコンテンツの提供を行ってもよく、更に、情報配信サーバ40のサービス提供者が独自に課金を行ってもよく、その場合、情報配信サーバ40がコンテンツサーバ50、課金サーバ60の機能を一体に備えた構成をとるようにすればよい。」

上記記載から、引用文献5には次の技術事項が記載されていると認められる。

「コンテンツデータを提供する通信型情報配信システムにおいて、サービス提供者の事業形態に合わせて、サーバ群を構成する情報配信サーバ、コンテンツサーバ、課金サーバを、それぞれネットワークを介して接続された構成としても、情報配信サーバがそれらの機能を一体に備えた構成をとるようにしてもよいこと」

6 引用文献6

引用文献6には、図面と共に以下の記載がある。

「技術分野
この発明は、例えば音楽配信に適用されるディジ夕ルデータ伝送方法および装置、ディジタルデータ再生方法および装置、ディジタルデータコピー方法および装置、データ記録媒体、並びにディジタルデータの記憶再生方法に関するものである。」(1頁5~9行)

「したがって、この発明の目的は、このような点に鑑み、コンテンツの流通が容易且つ迅速に行われ、また、著作権者が正当な対価を得ることを可能とするディジタルデータ伝送方法および装置、ディジ夕ルデ一夕再生方法および装置、ディジ夕ルデータコピー方法および装置、デ一夕記録媒体、並びにディジタルデータの記憶再生方法を提供することにある。」(2頁21~26行)

「ユーザ機器104が受け取ったコンテンツを再生しようとすると、ユーザ機器104は、認証/課金サーバ111に対してユーザ機器104の認証を要求する(A1の経路で示す)。認証/課金サーバ111でユーザ機器104が正規のものであり、認証が成立すると、認証/課金サーバ111は、ユーザ機器104に対して課金の要求を行う(経路A2)。また、ユーザ機器104は、課金/決済センター110との間で、代金決済を行う(経路A3)。
課金/決済センター110は、認証/課金サーバ111に対して、経路A4で示すように、課金がされたことを伝達すると共に、コンテンツサーバ102に対してコンテンツを含むデ一夕に施されている暗号を解くための鍵デ一夕を送信するように命令するする(経路A5)。コンテンツサーバ102が認証/課金サーバ111に暗号化を復号するための鍵データを渡す(経路A6)。認証/課金サーバ111がユーザ機器104に対して、コンテンツサーバ102から受け取った鍵データを送信する(経路A7)。ユーザ機器104は、送信されてきた鍵データによって、コンテンツを含むデ一夕の暗号を復号化し、コンテンツを含むデータを再生することができる。」(10頁13行~11頁3行)

上記記載から、引用文献6には次の技術事項が記載されていると認められる。

「著作権者が正当な対価を得ることを可能とするディジタルデータ伝送方法として、コンテンツを再生しようとするユーザ機器から認証の要求を受信し、課金がされていることに応じて、コンテンツを含むデータに施されている暗号を復号するための鍵データをユーザ機器に送信すること」

7 引用文献7

引用文献7には、図面と共に以下の記載がある。

「【0001】
本発明は、コンテンツの著作権保護に関し、特に、受信装置に配信されたコンテンツの再生を管理する技術に関する。」
「【0032】
(第1実施形態)
[コンテンツ配信システムの概略]
図1を参照して、本発明に係るコンテンツ配信システムの概略について、説明する。コンテンツ配信システム1は、権利処理の状況を問わずに、コンテンツを受信装置5に配信し、そのコンテンツの再生が要求されたとき、コンテンツを再生するか否かといった管理を行う。ここで、図1に示すように、コンテンツ配信システム1は、コンテンツ配信装置2と、コンテンツ再生管理装置3と、受信装置5とを備える。
続きを表示(全25行)
・・・(中略)・・・
【0034】
コンテンツは、コンテンツIDと権利処理フラグと権利保護期間とが予め付加されている。
コンテンツIDは、そのコンテンツを一意に識別する識別子である。
権利処理フラグは、そのコンテンツについて、権利処理が未完了、完了又は不要の何れであるかを示す情報である。
権利保護期間は、そのコンテンツについて、権利保護期間の末日を示す情報である。
暗号化コンテンツは、後記するコンテンツ鍵Kcで復号できるように暗号化されたコンテンツである。
【0035】
コンテンツ再生管理装置3は、受信装置5に配信されたコンテンツの再生を管理する。具体的には、コンテンツ再生管理装置3は、後記する鍵情報テーブル(図6参照)、コンテンツ管理テーブル(図7参照)、及び、秘密鍵テーブル(図8参照)を記憶する。また、コンテンツ再生管理装置3は、これらテーブルを参照し、受信装置5からの再生要求信号に応じて、鍵情報(公開鍵Kp及び秘密鍵Ks)を受信装置5に送信する。なお、コンテンツ再生管理装置3の詳細は、後記する。
【0036】
再生要求信号は、コンテンツの再生を要求する信号であり、例えば、ユーザIDと、コンテンツIDとを含む。
ユーザIDは、ユーザを一意に識別する識別子である。なお、コンテンツ配信システム1では、ユーザIDの代わりに、プレイヤーID又はデバイスIDを用いても良い。
【0037】
再生回数は、同一ユーザが同一コンテンツの再生を要求した回数を示す。例えば、2回目の再生要求であれば再生回数=2となり、n(nは2以上の整数)回目の再生要求であれば再生回数=nとなる。以下、再生回数がn回目のときを再生回数nとし、再生回数が1回目のときを初回再生とする。
【0038】
コンテンツ鍵Kcは、暗号化コンテンツを復号する鍵であり、例えば、共通鍵暗号方式で生成される鍵である。
ユーザ秘密鍵Kmは、受信装置5において鍵情報の暗号化及び復号に用いられると共に、ユーザ毎に異なる鍵である。また、ユーザ秘密鍵Kmは、例えば、共通鍵暗号方式で生成される鍵であるが、公開鍵暗号方式で生成される鍵としても良い。
【0039】
公開鍵Kpは、受信装置5において、コンテンツ鍵Kcを暗号化する鍵であり、公開鍵暗号方式で生成される鍵である。以下、再生回数nに対応する公開鍵Kpを公開鍵Kpnとする。なお、公開鍵Kpが、請求項に記載の第1の制御情報に相当する。
【0040】
秘密鍵Ksは、受信装置5において、コンテンツ鍵Kcを復号する鍵であり、公開鍵暗号方式で生成される鍵である。以下、再生回数nに対応する秘密鍵Ksを秘密鍵Ksn-1とする。なお、秘密鍵Ksが、請求項に記載の第2の制御情報に相当する。」
「【0091】
鍵情報送信手段39は、通信手段33を介して、鍵情報暗号化手段38が暗号化した鍵情報を受信装置5に送信する。また、鍵情報送信手段39は、鍵情報暗号化手段38からのユーザID及びコンテンツIDを再生回数更新手段40に出力する。なお、鍵情報暗号化手段38は、初回再生の場合、暗号化された鍵情報(コンテンツ鍵Kc及び公開鍵Kp1)を受信装置5に送信する。」
「【0095】
[コンテンツ再生管理装置の動作]
<全体動作>
以下、図9を参照し、コンテンツ再生管理装置3の全体動作について、説明する(適宜図5参照)。まず、コンテンツ再生管理装置3は、再生要求受信手段34によって、再生要求信号を受信装置5から受信する(ステップS31)。
続きを表示(全17行)
【0096】
ステップS31の処理に続いて、コンテンツ再生管理装置3は、再生要求受信手段34によって、ステップS31で受信した再生要求信号に含まれるユーザID及びコンテンツIDを抽出する(ステップS32)。
【0097】
ステップS32の処理に続いて、コンテンツ再生管理装置3は、判定手段35によって、前記した(1)再生管理、(2)再生禁止、(3)再生許可、又は、(4)再生条件出力の判定条件を満たすか否かを判定する(ステップS33)。そして、コンテンツ再生管理装置3は、ステップS33の判定結果に応じた処理を行う(ステップS40~ステップS70)。
【0098】
<再生管理処理>
以下、図10を参照し、図9の再生管理処理(ステップS40)の詳細について、説明する(適宜図5,図9参照)。まず、コンテンツ再生管理装置3は、ユーザ秘密鍵取得手段37によって、ユーザIDを検索条件として、ユーザ秘密鍵テーブルからユーザ秘密鍵Kmを検索する(ステップS41)。
【0099】
ステップS41の処理に続いて、コンテンツ再生管理装置3は、鍵情報取得手段36によって、ユーザID及びコンテンツIDを検索条件として、コンテンツ管理テーブルから再生回数を検索する。そして、コンテンツ再生管理装置3は、鍵情報取得手段36によって、ユーザID、コンテンツID及び再生回数を検索条件として、鍵情報テーブルから鍵情報(秘密鍵Ks及び公開鍵Kp)を検索する(ステップS42)。
【0100】
ステップS42の処理に続いて、コンテンツ再生管理装置3は、鍵情報暗号化手段38によって、ユーザ秘密鍵Kmを用いて、ステップS42で取得した鍵情報を暗号化する(ステップS43)。
【0101】
ステップS43の処理に続いて、コンテンツ再生管理装置3は、鍵情報送信手段39によって、ステップS43で暗号化した鍵情報を受信装置5に送信する(ステップS44)。」

上記記載から、引用文献7には次の技術事項が記載されていると認められる。

「コンテンツの著作権保護に関し、受信装置に配信されたコンテンツの再生を管理する技術として、受信装置からの再生要求信号を受信すると、ユーザ毎に決められた再生回数等の判定結果に応じて、コンテンツを復号するために必要な鍵情報(コンテンツ鍵Kcを復号する秘密鍵Ks)を受信装置に送信すること」

第5 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

1 構成Aについて

(1)引用発明は上流側システムと下流側システムの間で「放送衛星を使用した高速配信用ネットワーク」を介してディジタルデータを配信しており(構成a、b)、衛星放送システムといえるものである。

(2)本願発明の「メディアアイテム」について、明細書の【0021】には「メディアアイテム(たとえば、ビデオ、オーディオ)」と記載されており、ビデオ、オーディオを含むものである。

そして、引用発明において配信対象に想定する「ディジタルデータ」には、オーディオデータ、ビデオデータが含まれるから(構成e)、当該「ディジタルデータ」は本願発明の「衛星放送システムを介してユーザの消費のために提供されるべきメディアアイテム」に相当する。

(3)引用発明の上流側システムにおいて、ディジタルデータを高速配信用ネットワーク3に出力する「送出サーバ14」(構成c、c2)は、本願発明の「コンテンツサーバ」に相当する。

また、引用発明の上流側システムにおいて、「コンテンツサーバ11」、「暗号化部13」及び「コンテンツ管理サーバ15」からなる構成は、「送出サーバ14」を含む衛星放送システムを介して、下流側システムにディジタルデータを配信するものといえ、これらのサーバからなる構成は本願発明の「メディアサーバ」に対応する。

(4)一方、引用発明の下流側システムでは、「受信サーバ31」がディジタルデータを受信している(構成d、d1)。

ここで、本願発明の「衛星セットトップボックス」について、明細書の【0055】を参照すると「衛星セットトップボックス110は、スケジューリングされたタイムスロットにおいて、選択された暗号化されたメディアアイテム127に関するファイルを衛星セットトップボックス110のデータストアに記憶することができる。ユーザデバイス140が衛星セットトップボックス110との直接接続180を確立するとき、衛星セットトップボックス110は、選択された暗号化されたメディアアイテム127を衛星セットトップボックス110のデータストアからユーザデバイス140に直接接続180を介して転送することができる。」と記載されており、本願発明の「衛星セットトップボックス」は、メディアアイテムのファイルを受信し、記憶し、転送する機能を有するものといえる。

そうすると、引用発明の「受信サーバ31」は、ディジタルデータを受信し、ストレージ装置に蓄積し、復号サーバ33に出力するから(構成d、d1)、本願発明の「衛星セットトップボックス」に対応する。

(5)引用発明の上流側システムの「送出サーバ14」で使用する「配信スケジュール」(構成c2)は、上流側システムが配給権者のシステムと配信事業者のシステムで構成されていることや(構成b)、通常の事業者による衛星放送のサービス状況を考慮すると、事業者が予め「配信スケジュール」を提供し、配信するコンテンツを選択しているものといえる。

(6)上記(1)ないし(5)より、引用発明と本願発明は「コンテンツサーバと衛星セットトップボックスを含む衛星放送システムを介してユーザの消費のために提供されるべきメディアアイテムを選択するステップ」を含む点で共通する。

ただし、当該ステップに関して、本願発明は「メディアサーバ」の「処理デバイス」によって行うのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

2 構成Bについて

引用発明の上流側システムにおいて、構成c2の「暗号化部13」は、「暗号化処理の施されたディジタルデータ」を「送出サーバ14」に送信するものといえる。

また、当該「送出サーバ14」への送信が何らかの通信プロトコルによってなされることは自明であるから、当該通信プロトコルは本願発明の「第1の通信プロトコル」に相当する。

したがって、引用発明と本願発明は「暗号化鍵を使用して暗号化された前記メディアアイテムを前記衛星放送システムの前記コンテンツサーバに第1の通信プロトコルによって送信するステップ」を含む点で共通する。

ただし、本願発明は、「メディアサーバ」によって、当該ステップの処理を行うのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

3 構成Cについて

上記1(5)で述べたとおり、引用発明は、事業者が予め「送出サーバ14」で使用する「配信スケジュール」を提供しているものといえる。

したがって、引用発明と本願発明は「前記衛星放送システムの前記コンテンツサーバに、スケジュールデータを提供するステップ」を含む点で共通する。

ただし、本願発明は「メディアサーバ」によって、当該ステップの処理を行うのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

また、「スケジュールデータ」に関して、本願発明は「前記メディアアイテムを利用可能にするスケジュールされたタイムスロットを含む」のに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

4 構成Dについて

引用発明において、下流側システムの「復号サーバ33」は、個人宅にあるコンピュータであり(構成b、d2)、「ユーザデバイス」といえるものである。

また、引用発明は、配信スケジュールに従って高速配信用ネットワークに出力された「暗号化処理の施されたディジタルデータ」(構成c2)が「受信サーバ31」に蓄積される(構成d1)と、「受信サーバ31」から下流側の「復号サーバ33」に「ディジタルデータ」を送ることが可能になり、「ディジタルデータ」を「復号サーバ33」にとってダウンロードに利用可能にしている。

したがって、引用発明と本願発明は「前記スケジュールデータに基づいて、前記メディアアイテムを、前記衛星放送システムを介してユーザデバイスにとってダウンロードに利用可能にするステップ」を含む点で共通する。

ただし、本願発明は「メディアサーバ」によって、当該ステップの処理を行うのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

また、「スケジュールデータ」に関して、本願発明はメディアアイテムを「前記スケジュールされたタイムスロットにおいて」ユーザデバイスにとってダウンロードに利用可能にするのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

5 構成E~E2について

(1)構成E及びE1について

引用発明の上流側システムは、下流側システムに対して、ネットワーク(第1の伝送網及び第2の伝送網)を通じて暗号処理の解除に必要な鍵の配信を行っているから(構成f~g)、当該鍵の配信の際には、上流側システムは下流側システムの「復号サーバ」との間で通信のやり取りを行い、暗号化されたディジタルデータの復号に係る電文を何らかの通信プロトコルによって受信するものといえる。

したがって、引用発明と本願発明は「暗号化されたメディアアイテムの復号に係る電文を前記ユーザデバイスから受信するステップであって、前記電文が、第2の通信プロトコルによって受信され」るステップを含む点で共通する。

ただし、本願発明は「メディアサーバ」によって、当該ステップの処理を行うのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

また、暗号化されたメディアアイテムの復号に係る電文の内容が、本願発明は「暗号化されたメディアアイテムを復号するための認可の要求」であるのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

さらに、第2の通信プロトコルに関して、本願発明は「第1の通信プロトコルと異なる低帯域幅の通信」のプロトコルであるのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

(2)構成E2について

引用発明の下流側システムにおいて、「受信サーバ31」はディジタルデータを「復号サーバ33」に出力しており(構成d1)、「受信サーバ31」と「復号サーバ33」は直接接続されたものといえる。

したがって、引用発明の「送出サーバ14」が「暗号化処理の施されたディジタルデータ」を衛星放送を使用した高速配信用ネットワークに出力し(構成a、c2)、これを下流側システムの「受信サーバ31」で受信して「復号サーバ33」に出力する(構成d1)ことは、本願発明の「暗号化されたメディアアイテムが、衛星通信リンクを介して前記コンテンツサーバから前記衛星セットトップボックスに送信され、前記ユーザデバイスによって、前記衛星放送システムの前記衛星セットトップボックスとの直接接続を介して取得され」ることに相当する。

6 構成Fについて

本願発明は「前記メディアサーバによって、前記ユーザデバイスが前記暗号化されたメディアアイテムを復号することを認可されるかどうかを判定するステップ」を含むのに対して、引用発明はそのような処理を行わない点で相違する。

7 構成Gについて

上記5(2)で述べたとおり、引用発明の「復号サーバ33」に出力された「暗号化処理の施されたディジタルデータ」は、「受信サーバ31」から直接接続を介して「復号サーバ33」に出力されたものといえ、本願発明の構成Gの「前記直接接続を介して前記衛星放送システムの前記衛星セットトップボックスから前記ユーザデバイスによってダウンロードされた前記暗号化されたメディアアイテム」に相当する。

また、上記5(1)で述べたとおり、引用発明は鍵の配信の際に通信プロトコルによる通信を行うものといえ、上流側システムは、通信プロトコルによって暗号処理の解除に必要な鍵を「復号サーバ」に送信するものといえる。

したがって、引用発明と本願発明は「前記直接接続を介して前記衛星放送システムの前記衛星セットトップボックスから前記ユーザデバイスによってダウンロードされた前記暗号化されたメディアアイテムを復号するための鍵を前記第2の通信プロトコルによって送信するステップ」を含む点で共通する。

ただし、本願発明は「メディアサーバ」によって、当該ステップの処理を行うのに対して、引用発明はその旨の特定がない点で相違する。

また、上記構成Fであげた相違点と関係して、本願発明は「前記暗号化されたメディアアイテムを前記ユーザデバイスが復号することを認可されることに応じて」、鍵を送信するのに対して、引用発明はそのような処理を行わない点で相違する。

さらに、第2の通信プロトコルに関して、上記5(1)であげたのと同じ相違点を有する。

8 上記1ないし7より、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>

A’コンテンツサーバと衛星セットトップボックスを含む衛星放送システムを介してユーザの消費のために提供されるべきメディアアイテムを選択するステップと、

B’暗号化鍵を使用して暗号化された前記メディアアイテムを前記衛星放送システムの前記コンテンツサーバに第1の通信プロトコルによって送信するステップと、

C’前記衛星放送システムの前記コンテンツサーバに、スケジュールデータを提供するステップと、

D’前記スケジュールデータに基づいて、前記メディアアイテムを、前記衛星放送システムを介してユーザデバイスにとってダウンロードに利用可能にするステップと、

E’暗号化されたメディアアイテムの復号に係る電文を前記ユーザデバイスから受信するステップであって、

E1’前記電文が、第2の通信プロトコルによって受信され、

E2 前記暗号化されたメディアアイテムが、衛星通信リンクを介して前記コンテンツサーバから前記衛星セットトップボックスに送信され、前記ユーザデバイスによって、前記衛星放送システムの前記衛星セットトップボックスとの直接接続を介して取得されたものである、

E’ステップと、

G’前記直接接続を介して前記衛星放送システムの前記衛星セットトップボックスから前記ユーザデバイスによってダウンロードされた前記暗号化されたメディアアイテムを復号するための鍵を前記第2の通信プロトコルによって送信するステップと、

A を含む方法。

<相違点1>

構成A’に関して、本願発明は「メディアサーバ」の「処理デバイス」によって行うのに対して、引用発明はその旨の特定がない点。

<相違点2>

構成B’ないしG’に関して、本願発明は「メディアサーバ」という同じサーバによって当該構成B’ないしG’の処理を行うのに対して、引用発明は上流側システムが複数のサーバを有しており、同じサーバによって処理を行うことの特定がない点。

<相違点3>

構成C’及びD’の「スケジュールデータ」に関して、本願発明は「前記メディアアイテムを利用可能にするスケジュールされたタイムスロットを含」み、メディアアイテムを「前記スケジュールされたタイムスロットにおいて」ユーザデバイスにとってダウンロードに利用可能にするのに対して、引用発明はその旨の特定がない点。

<相違点4>

構成E’及びE1’の「暗号化されたメディアアイテムの復号に係る電文」の内容が、本願発明は「メディアアイテムを復号するための認可の要求」であるのに対して、引用発明はその旨の特定がない点。

<相違点5>

構成E1’及びG’の「第2の通信プロトコル」に関して、本願発明は「第1の通信プロトコルと異なる低帯域幅の通信の第2のプロトコル」であるのに対して、引用発明はその旨の特定がない点。

<相違点6>

本願発明は「前記メディアサーバによって、前記ユーザデバイスが前記暗号化されたメディアアイテムを復号することを認可されるかどうかを判定するステップ」を含み、「前記暗号化されたメディアアイテムを前記ユーザデバイスが復号することを認可されることに応じて」、鍵を送信するのに対して、引用発明はそのような処理を行わない点。

第6 判断

1 相違点についての検討

(1)相違点1について

引用文献2、3に記載された技術事項(上記第4の2(1)、3参照)から、コンテンツ配信システムにおいて、配信側のサーバに対して、端末装置の画面上で配信するコンテンツを選択し、配信予約を行うことは周知技術と認められる。

引用発明の上流側システムにおいても、配給権者や配信事業者がコンテンツの配信予約をシステムを用いて効率的に行うことは自明な課題といえ、上記周知技術を適用して上記相違点1に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

(2)相違点2について

引用文献4、5に記載された技術事項(上記第4の4、5参照)から、コンテンツ配信システムにおいて、配信側のサーバ群を任意の単位で一体に構成することは周知技術と認められる。

引用発明において、構成B’ないしG’の各ステップに相当する処理を、サーバにどのように割り当てるかは適宜設計し得る事項であるところ、上記周知技術を参酌して、一体に構成したサーバによってそれらの処理を行うようにして上記相違点2に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

(3)相違点3について

引用文献2に記載された技術事項(上記第4の2(2))である、コンテンツ配信システムにおいて、送信装置への配信スケジュールの割り当てが、衛星、地上波、インターネットの伝送路及び帯域ごとに、配信する日時、期間を表す帯状の表示により管理されること、及び一般的に配信側の事業者及び受信側のユーザの双方において帯状のタイムスロットで表され、番組の配信スケジュールを示す電子番組表が広く用いられていることを考慮すると、コンテンツ配信システムの送信側及び受信側の双方において、放送による配信スケジュールを、タイムスロットを含むスケジュールデータで管理することは周知技術と認められる。

引用発明の放送衛星を使用したコンテンツのダウンロードによる配信において、事業者が予め用意するスケジュールに上記周知技術のようなタイムスロットを含むスケジュールデータを使用し、当該スケジュールデータに従ってユーザがコンテンツをダウンロードできるようにして上記相違点3に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

(4)相違点4、6について

引用文献6、7に記載された技術事項(上記第4の6、7参照)から、著作権保護の観点から配信されたコンテンツを管理する技術として、暗号化されたコンテンツの再生に係る要求をユーザ機器から受信すること、及び当該要求に対して課金や再生回数等の判定結果に応じて、コンテンツを復号するのに必要な鍵情報をユーザ機器に送信することは周知技術と認められる。

また、上記周知技術において、暗号化されたコンテンツの再生に係る要求は、実質的にコンテンツを復号するのに必要な鍵情報を要求する電文といえる。

引用発明は、コンテンツ毎に暗号鍵情報が管理されており、著作権保護がなされたものといえる。

してみると、著作権保護がなされる引用発明においても、特定者に配信されたコンテンツの暗号解除を、課金や再生回数に応じて管理することは自明な課題といえ、上記周知技術を適用して、復号サーバ33からディジタルデータの再生に係る要求を受信すると、課金や再生回数等の判定結果に応じて、暗号処理の解除に必要な鍵を送信するようにして上記相違点4、6に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

(5)相違点5について

事業者間や事業者内の通信において、個人宅に引き込まれるネットワーク回線よりも広帯域幅のネットワークを用いることは一般的といえる。

引用発明の上流側システムは配給権者のシステムと配信事業者のシステムで構成されるものであり、上流側システムにおけるコンテンツサーバ11と送出サーバ14との通信、すなわち事業者間または事業所内での通信に広帯域幅のネットワークを採用することで、相対的に、下流側システム(個人宅)において鍵の配信に使用するネットワーク回線が低帯域幅の通信プロトコルとなるようにして上記相違点5に係る構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

以上のことから、本願発明は引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(6)まとめ

上記のとおり、本願発明は引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

そして、本願発明が奏する効果は、引用発明及び周知技術から当業者が十分に予測できたものであって格別なものとはいえない。

2 審判請求人の主張について

請求人は、令和5年1月13日提出の意見書において、引用文献1が開示・示唆する内容について次のように述べた上で、引用発明に基づいて本願発明を容易に発明することはできない旨主張している。

「引例1の段落[0140]には、「ここで、復号化部35Aは、鍵復元部35Bから与えられる暗号鍵を用い、受信サーバ31から読み出されたディジタルデータに施されている暗号処理(条件付きアクセス処理)を解除する機能部である。当該機能は専用のハードウェアで実現することもできるし、ソフトウェア上の機能として実現することもできる。」と記載されています。
また、同引例の段落[0141]には、「鍵復元部35Bは、ネットワークを介して配信を受けた合わせ鍵A1と記録媒体の形態で配信を受けた合わせ鍵A2に基づいて、ディジタルデータに施されている暗号処理を解除できる暗号鍵を復元する機能を実現する機能部である。復元された暗号鍵は鍵復元部35Bの管理下において所定の期間保持される。当該確認には不揮発性メモリ、ハードディスクその他の記録媒体が用いられる。」と記載されています。
上記記載から、引例1には、ネットワークを介して配信を受けた合わせ鍵A1と記録媒体の形態で配信を受けた合わせ鍵A2に基づいて復元した暗号鍵を用いて、受信サーバ31から読み出されたディジタルデータに施されている暗号処理(条件付きアクセス処理)を解除することが記載されていますが、本願請求項1に記載の少なくとも・・・(中略)・・・に対応する構成は開示・示唆されていません。」

「引例1の段落[0140]には、「復号化部35Aは、鍵復元部35Bから与えられる暗号鍵を用い、受信サーバ31から読み出されたディジタルデータに施されている暗号処理(条件付きアクセス処理)を解除する機能部である」と記載され、同引例の段落[0141]には、「号化部35Aは、鍵復元部35Bから与えられる暗号鍵を用い、受信サーバ31から読み出されたディジタルデータに施されている暗号処理(条件付きアクセス処理)を解除する機能部である」と記載されています。しかしながら、引例1の復号サーバが要求を送信するための機能または構成要素を有することは開示・示唆されていません。」(下線は請求人が付与。以下同様。)

「引例1の段落[0142]の「また鍵復元部35Bは、受信サーバ31から読み出されたディジタルデータの暗号を復号するのに先だって、当該ディジタルデータに付属されている業務データ8Cを読み出し、当該業務データ8Cで定められている再生条件(使用条件)が各時点において満たされているか否かの判定も行う。」との記載から、引例1ではディジタルデータに付属されている業務データに基づいて再生条件を判定しますが、ディジタルデータに付属されている業務データの再生条件以外の再生条件は開示・示唆されていません。」

「引例1の段落[0092]には、「そこで、本願明細書で想定する多くのビジネスモデルでは、ネットワークを介しての配信と、記録媒体による物理的な配信との組み合わせを想定する。」と記載されています。引例1で想定されている鍵配信の一つである、記録媒体での物理的な配信に対して、要求に対して課金や再生回数等の判定結果に応じて、コンテンツを復号するのに必要な鍵情報を送信する技術を適用することは当業者が容易になし得ることではないと思量します。」

「引例1の段落[0024]には、「また各手段において鍵情報を配信する場合には、鍵情報の伝送網にディジタルデータの伝送網と物理的に同じものを用いることも可能である。ただし、その場合にはディジタルデータと鍵情報とを同時刻に配信することはせず、それぞれの配信時間帯をずらし、実際上、別経路で配信するのと同様の状態で配信を行うことが望ましい。」と記載されていますが、鍵情報の伝送網にディジタルデータの伝送網と物理的に同じものを用いない場合、鍵情報とディジタルデータが同時刻に配信されるのか、どのような順序で配信されるのかについて開示・示唆されていません。」

「上述しましたように、引例1には、要求を送信するための「復号サーバ33」の機能または構成要素、ディジタルデータに付属されている業務データの再生条件以外の再生条件、記録媒体での物理的な配信と要求の技術的な関連、および鍵情報とディジタルデータの配信順序について開示・示唆されていませんので、周知技術とされる事項を適用して、復号サーバ33からディジタルデータの再生に係る要求を受信して、課金や再生回数等の判定結果に応じて、暗号処理の解除に必要な鍵を送信するようにして本願請求項1に係る構成とすることは当業者がなし得るはずがありません。」

しかしながら、請求人が引用した上記【0140】~【0142】は、引用発明の認定に用いた第4の配信システム例とは、鍵情報の配信動作について、特にディジタルデータに固有の暗号鍵を復元するための合わせ鍵の配信ついて共通しない部分であり、引用発明の構成とは相容れないものである。同様に請求人が【0092】をあげて主張する「記録媒体による物理的な配信」も、引用発明の構成f、f1のようにネットワークを介して鍵を配信する構成とは異なる実施例のものである。

また、【0024】には、鍵情報とディジタルデータの配信順序について記載がない旨も主張しているが、引用発明は、構成f、f1、f2のとおり暗号処理の解除に必要な鍵の配信がディジタルデータの配信後に行われるものである。

したがって、請求人の主張は、引用発明とは構成が異なるものについて本願発明と対比及び判断を行うものであり、採用することができない。

そして、本願発明と引用発明との対比及び判断は、それぞれ、上記第5及び第6の1で述べたとおりであり、本願発明は引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第7 むすび

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は、他の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり、審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2020-015654

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決181件(グーグル エルエルシー)
  • 2025-018289拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)分散型基地局におけるポイントツーポイント通信およびポイントツーマルチポイント通信…
    同じ当事者: グーグル エルエルシー
  • 2025-008124拒絶査定不服審判 / 2026-06-11 / 原査定取消(特許/登録すべき)機械学習モデルを用いたイベントの自動生成
    同じ当事者: グーグル エルエルシー
  • 2025-003135拒絶査定不服審判 / 2026-05-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)滑りの影響を受けない視線追跡ユーザインターフェイス
    同じ当事者: グーグル エルエルシー
  • 2025-010230拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)セルラーネットワークにおけるニューラルネットワークベースの送信フィードバック
    同じ当事者: グーグル エルエルシー
  • 2025-001390拒絶査定不服審判 / 2026-04-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)デバイス上の音声アシスタントの実装
    同じ当事者: グーグル エルエルシー
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2024-017953拒絶査定不服審判 / 2026-02-02 / 請求不成立符号化・復号化の方法、装置、および記憶媒体
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-018880拒絶査定不服審判 / 2026-01-27 / 請求不成立適応的映像符号化装置及び方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-001855拒絶査定不服審判 / 2026-01-20 / 請求不成立パレット・エスケープ・シンボルのためのエントロピーコーディング
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-002224拒絶査定不服審判 / 2026-01-06 / 請求不成立画像復号方法、画像符号化方法及び伝送方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-015736拒絶査定不服審判 / 2025-12-23 / 請求不成立三角分割を用いたビデオ符号化の方法および装置
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,193件(121・H04N)
  • 2026-010043拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)コンテンツの蓄積方法
    共通の審決分類: 121・H04N
  • 2025-017134拒絶査定不服審判 / 2026-08-21 / 原査定取消(特許/登録すべき)投写システム、投写方法、及び投写プログラム
    共通の審決分類: 121・H04N
  • 2025-012341拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)エンコーダ、デコーダ、および、対応する方法
    共通の審決分類: 121・H04N
  • 2025-017900拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)デジタル・コンテンツの的を絞った再処理
    共通の審決分類: 121・H04N
  • 2026-009916拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)コンテンツ保護処理方法
    共通の審決分類: 121・H04N

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存