特許拒絶査定不服審判
2020-014927
プログラム、データ構造、情報処理装置および方法
- 審判番号
- 2020-014927
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-163245外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年10月27日
- 審決日
- 2021年11月15日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P18 .1 -Z (H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第4項、特許法第2条第4項、特許法第2条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-163245「プログラム、データ構造、情報処理装置および方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 3月18日出願公開、特開2021- 44620〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和1年9月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 2月17日付け:拒絶理由通知
同年 6月25日 :意見書の提出、手続補正
同年 7月15日付け:拒絶査定
同年10月27日 :拒絶査定不服審判請求、手続補正
同年11月19日 :前置報告
令和3年 1月13日 :上申書
第2 令和2年10月27日の手続補正について
1 本件補正の内容
令和2年10月27日の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、令和2年6月25日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9を、本件補正による特許請求の範囲の請求項1ないし9に補正するものであり、本件補正は、補正前の請求項7を補正後の請求項7とする補正事項を含むものである(下線は補正箇所を示す。)。
(補正前の請求項7)
コンピュータによって再生されるデータを時間軸上に並べたムービーデータのデータ構造であって、
前記ムービーデータにおける前記時間軸上の所定範囲に、前記時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータを含み、
前記ムービーデータは、前記コンピュータが、前記所定範囲が視認できないように再生する再生処理と、前記再生処理に伴って前記所定範囲から静止画像データを生成する生成処理とにおいて用いられ、
前記ムービーデータは、変数を含み、
前記再生処理において再生される再生画像、および前記生成処理において生成される前記静止画像データは、前記変数を用いて生成される、ムービーデータのデータ構造。
(補正後の請求項7)
コンピュータによって再生されるデータを時間軸上に並べたムービーデータのデータ構造であって、
前記ムービーデータにおける前記時間軸上の所定範囲が静止画像生成用領域として規定され、前記静止画像生成用領域に、前記時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータを含み、
前記ムービーデータは、前記コンピュータが、前記静止画像生成用領域が視認できないように再生する再生処理と、前記再生処理に伴って前記静止画像生成用領域から静止画像データを生成する生成処理とにおいて用いられ、
前記ムービーデータは、変数を含み、
前記再生処理において再生される再生画像、および前記生成処理において生成される前記静止画像データは、前記変数を用いて生成される、ムービーデータのデータ構造。
2 補正の適合性
(1)補正の目的について
請求項7に係る補正は、
ア 「時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータ」を含む位置について、「時間軸上の所定範囲に」とあったのを、「時間軸上の所定範囲が静止画像生成用領域として規定され、前記静止画像生成用領域に」と特定することで、データ構造の構成を明確化する補正、
イ 上記アの補正事項に合わせて、補正前の「前記ムービーデータは、前記コンピュータが、前記所定範囲が視認できないように再生する再生処理と、前記再生処理に伴って前記所定範囲から静止画像データを生成する生成処理とにおいて用いられ」を、補正後の「前記ムービーデータは、前記コンピュータが、前記静止画像生成用領域が視認できないように再生する再生処理と、前記再生処理に伴って前記静止画像生成用領域から静止画像データを生成する生成処理とにおいて用いられ」とすることで、「時間軸上の所定範囲」が「静止画像生成用領域」として規定されることとの整合を図り、請求項の記載を明確化する補正、
である。
ウ これらを総合すると、請求項7のムービーデータのデータ構造を明確にすることによって発明該当性を担保しようとしたものであり、特許法第17条の2第5項第4号に該当する。
(2)補正の範囲及び単一性について
本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲、及び図面(以下、明細書等という)には、以下の記載がある。(下線は、強調のため当審で付したものである。)
「【0029】
<ムービーデータMV121のデータ構造>
図3は、ムービーデータMV121のデータ構造の一例を説明する図である。図3において、ムービーデータMV121のデータ構造は、当該ムービーデータMV121における時間軸上の所定範囲F0~F1に、時間軸上の他の位置F2に基づく内容を含む。ムービーデータMV121は、所定範囲F0~F1が視認できないようにコンピュータによって再生される。また、所定範囲F0~F1から、コンピュータによって静止画像データが生成される。ここでは、所定範囲F0~F1に時間軸上の他の位置F2に基づく内容を含むことについて説明する。」
「【0060】
ステップS102において、制御部110は、所定範囲F0~F1が視認できないようムービーデータMV121の再生を開始するとともに、再生中の所定範囲F0~F1から静止画像データを生成する。具体的には、再生部112は、ムービーデータMV121に含まれる各シーンデータをレンダリング処理してフレームを生成しながら、先頭の位置F0からフレームを再生する。このとき、再生部112は、所定範囲F0~F1に含まれる各フレームに、視認できない効果を付加して先頭から再生する。また、生成部113は、視認できない効果が付加される前の所定範囲F0~F1に含まれる、時間軸上の他の位置F2に基づく内容のフレーム(例えば位置F0のフレーム)を取得し、静止画像データとして記憶部120に記憶する。ステップS102は、上述した再生ステップおよび生成ステップの一例である。」
・・・(中略)・・・
【0067】
なお、ここでは、ステップS102において、位置F0のフレームから静止画像データを生成する処理について説明した。ただし、生成部113は、所定範囲F0~F1に含まれる1又は複数の他の位置からそれぞれ静止画像データを生成してもよい。複数の静止画像データを生成した場合、複数の静止画像データは、それぞれに予め定められた用途で使用される。複数の静止画像データのうち、ある静止画像データが使用される用途は、他の静止画像データが使用される用途と異なっていてもよい。
・・・(中略)・・・
【0070】
ステップS106において、生成部113は、所定範囲F0~F1から静止画像データを生成して記憶部120に記憶する。具体的には、例えば、生成部113は、所定範囲F0~F1に含まれる、時間軸上の他の位置F2に基づく内容のフレーム(例えば、位置F0)をレンダリング処理することにより、生成されるフレームを静止画像データとして記憶部120に記憶する。ステップS106は、上述した生成ステップの一例である。」
「【0085】
この場合、生成部113は、所定範囲F0~F1から、複数の他の位置にそれぞれ相当する3つの静止画像データを生成する。例えば、生成部113は、所定範囲F0~F1に含まれる位置F0のフレームと、位置F01のフレームと、位置F02のフレームとをレンダリング処理することにより生成し、それぞれを静止画像データとして記憶部120に記憶する。」
上記の明細書等の記載によれば、ムービーデータMV121における時間軸上の所定範囲F0~F1は、静止画像データを生成するための領域といえ、請求項7に係る上記補正事項は、上記明細書の摘記した記載に基づくものであるから、請求項7に係る補正は、本願出願時の明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものである。
また、請求項7に係る補正は、上記のとおり、不明りょうな記載の釈明を目的とする補正であるから、本件補正前の請求項7に記載された発明と、本件補正後の請求項7記載された発明は、発明の単一性の要件を満たすものといえ、請求項7に係る補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合するものである。
第3 原査定の理由
令和2年7月15日付け拒絶査定の理由の概要は以下の通りである。
(発明該当性)この出願の請求項7に記載されたものは、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
記
請求項7に係るムービーデータのデータ構造は、「ムービーデータにおける前記時間軸上の所定範囲に、前記時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータを含み」という、「ムービーデータ」が含むデータ要素の内容を定義したものである。請求項7においては更に、当該データ構造が、「再生処理」及び「生成処理」に用いられることが記載されており、さらに、「再生処理」及び「生成処理」において「変数を用い」ることが記載されている。
しかしながら、請求項7の記載においては、コンピュータによる上記の処理において上記のデータ構造が用いられているものの、データ構造自体が上記の処理自体を規定しているとはいえない。
よって、当該データ構造は、コンピュータによる情報処理を規定しているとはいえないから、プログラムに準ずるデータ構造ではない。
したがって、請求項7に係るムービーデータのデータ構造は、プログラムに準ずるデータ構造ではなく、全体としてみて、人為的な取決めに止まるから、自然法則を利用した技術的思想の創作ではなく、「発明」に該当しない。
よって、請求項7に係るムービーデータのデータ構造は、自然法則を利用した技術的思想の創作ではなく、「発明」に該当しないから、依然として、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしておらず、特許を受けることができない。
第4 本願発明
本願の請求項7に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年10月27日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項7に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりのものである。
なお、各構成の符号(A)~(C3)は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成A~構成C3と称する。
(本願発明)
A コンピュータによって再生されるデータを時間軸上に並べたムービーデータのデータ構造であって、
B 前記ムービーデータにおける前記時間軸上の所定範囲が静止画像生成用領域として規定され、前記静止画像生成用領域に、前記時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータを含み、
C1 前記ムービーデータは、前記コンピュータが、前記静止画像生成用領域が視認できないように再生する再生処理と、前記再生処理に伴って前記静止画像生成用領域から静止画像データを生成する生成処理とにおいて用いられ、
C2 前記ムービーデータは、変数を含み、
C3 前記再生処理において再生される再生画像、および前記生成処理において生成される前記静止画像データは、前記変数を用いて生成される、
A ムービーデータのデータ構造。
第5 判断
1 本願発明の「データ構造」の発明特定事項について
(1)「データ構造」の構成
ア 構成A及びBについて
構成Aは、ムービーデータの「データ構造」が、「コンピュータによって再生されるデータ」を「時間軸上に並べた」ものであることを特定している。
構成Bは、構成Aの「時間軸上に並べた」データのうち、所定範囲を「静止画像生成用領域」として規定し、当該「静止画像生成用領域」に「時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータ」を含むことを特定している。
イ 構成C2について
構成C2のムービーデータに含まれる「変数」は、情報処理に用いられる変数であって、ムービーデータの所定の位置に格納されるものである。
ウ 上記ア、イを総合すると、本願発明のムービーデータの「データ構造」は、「コンピュータによって再生されるデータ」を時間軸上に並べられたものであり、そのうちの所定範囲を「静止画像生成用領域」として規定し、当該「静止画像生成用領域」に「時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータ」を含み、さらに後述の情報処理に用いられる「変数」を含むものである。
(2)「データ構造」に関連する情報処理
本願発明のムービーデータの「データ構造」は、「コンピュータ」が「静止画像生成用領域が視認できないように再生する再生処理」と「再生処理に伴って静止画像生成用領域から静止画像データを生成する生成処理」とにおいて用いられるものである(構成C1)。
その際に「再生処理」において再生される「再生画像」、および「生成処理」において生成される「静止画像データ」は、前記「変数」を用いて生成されている(構成C3)。
そうすると、本願発明の「データ構造」において、構成C1及びC3に関連してコンピュータが実行する情報処理は、下記のとおりである。
ア 再生処理
「静止画像生成用領域」に含まれるデータから「変数」を用いて「再生画像」を生成し、「視認できないように再生する」こと、
イ 生成処理
「静止画像生成用領域」に含まれるデータから「変数」を用いて「静止画像データ」を生成すること、
である。
2 発明該当性についての判断
(1)データ構造のデータ要素について
本願発明のムービーデータの「データ構造」は、上記1(1)ウのとおり、「コンピュータによって再生されるデータ」を時間軸上に並べられたものであり、そのうちの所定範囲を「静止画像生成用領域」として規定し、当該「静止画像生成用領域」に「時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータ」を含み、さらに情報処理に用いられる「変数」を含むものである。
そうすると、本願発明のムービーデータの「データ構造」に含まれるデータ要素であって、情報処理に関連するデータ要素は次のとおりである。
・「時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータ」を含む「静止画像生成用領域」として規定されるデータ
・「変数」
(2)コンピュータによる情報処理について
本願発明のデータ構造は「コンピュータによって再生されるデータを時間軸上に並べたムービーデータのデータ構造」であるから、コンピュータの処理手順は、時間軸上に並べられた順にデータを再生していくことが明白である。
そして、データの再生が「静止画像生成用領域」に差し掛かると、上記1(2)のとおり、
ア 再生処理
「静止画像生成用領域」に含まれるデータから「変数」を用いて「再生画像」を生成し、「視認できないように再生する」こと、
イ 生成処理
「静止画像生成用領域」に含まれるデータから「変数」を用いて「静止画像データ」を生成すること、
を実行するものである。
そうすると、本願発明の「再生処理」及び「生成処理」は、データの再生が「静止画像生成用領域」に差し掛かると実行される処理であるから、コンピュータが予め「所定領域」を「静止画像生成用領域」として規定し、処理手順を定めておくことにより可能となる処理である。
ここで、本願発明の「変数」は、「静止画像生成用領域」として規定されるデータに対して「再生処理」及び「生成処理」といった予め特定された処理を実行するときにその値が参照されるという程度のものである。
よって、「前記時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータ」を含む「静止画像用領域」として規定されるデータと「変数」との関係は、当該データ要素間の関係が、コンピュータに対する指令が一の結果を得ることができるように組み合わされたプログラムに類似する性質を有しているとはいえず、当該データ要素間の関係自体が情報処理の処理手順を規定するものではない。
(3)以上のことから、本願発明の「ムービーデータのデータ構造」のうち、情報処理に関連するデータである、
・「時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータ」を含む「静止画像生成用領域」として規定されるデータ
・「変数」
は、コンピュータに対する指令が一の結果を得るように組み合わされたプログラムに類似する性質を有していない、すなわち、何ら電子計算機による処理を規定するものではない。
したがって、本願発明の「ムービーデータのデータ構造」は、特許法第2条第4項に規定された「プログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう)その他電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの」ということはできない。
3 審判請求書の主張について
請求人は、令和2年10月27日の審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」の「3.2 発明該当性について」において、
「補正後の請求項7に係るデータ構造(以下、『本願データ構造』とも記載いたします。)では、下記(a)~(d)のようにデータ要素間の関係が規定されております。
(a)コンピュータによって再生されるデータを時間軸上に並べたムービーデータのデータ構造である。
(b)前記ムービーデータにおける前記時間軸上の所定範囲が静止画像生成用領域として規定されている。
(c)前記静止画像生成用領域に、前記時間軸上の一または複数の他の位置の各データに基づくデータを含んでいる。
(d)前記ムービーデータは、変数を含んでいる。
さらに、本願データ構造では、下記(e)~(f)のようにコンピュータによる情報処理が規定されております。
(e)前記ムービーデータは、前記コンピュータが、前記静止画像生成用領域が視認できないように再生する再生処理と、前記再生処理に伴って前記静止画像生成用領域から静止画像データを生成する生成処理とにおいて用いられる。
(f)前記再生処理において再生される再生画像、および前記生成処理において生成される前記静止画像データは、前記変数を用いて生成される。
ここで、上記(a)~(c)に示すように、本願データ構造では、『コンピュータによって再生されるデータを時間軸上に並べたムービーデータ』の一部が、時間軸上の他の位置のデータに基づく『静止画像生成用領域』となっております。すなわち、この『静止画像生成用領域』は、『コンピュータによって再生されるデータ』でありながら、ムービーとして再生されるのではなく、静止画像を生成するために再生される領域となっております。そして、上記(e)に示す情報処理こそ、まさに『静止画像生成用領域』をムービーとして再生するのではなく静止画像を生成するために再生する情報処理であり、当該情報処理は、上記(a)~(c)によって規定されるデータ要素間の関係によって定まる情報処理であるといえます。
また、上記(a)および(d)に示すように、本願データ構造では、『コンピュータによって再生されるデータを時間軸上に並べたムービーデータ』が、変数を含んでおります。したがって、当該ムービーデータに含まれるデータが、当該変数を用いて再生されることは明らかです。そして、上記(f)に示す情報処理は、上記(e)に示す情報処理において、ムービーデータに含まれるデータを、変数を用いて再生する情報処理であり、当該情報処理は、上記(a)~(d)によって規定されるデータ要素間の関係によって定まる情報処理であるといえます。
以上のように、本願データ構造は、上記(a)~(d)によって規定されるデータ要素間の関係によって定まる、上記(e)~(f)によって規定されるコンピュータによる情報処理を可能とするデータ構造であるといえます。よって、本願データ構造は、コンピュータによる情報処理を規定すると言う点でプログラムに類似する性質を有するから、プログラムに準ずるデータ構造であるといえます。」
と主張している。
上記主張について検討する。
請求人の主張するとおり、本願発明の「静止画像生成用領域」は「コンピュータによって再生されるデータ」でありながら、ムービーとして再生されるのではなく、静止画像を生成するために再生される領域となっている。
しかしながら、上記2において判断したとおり、「静止画像生成用領域」に対してコンピュータが実行する「再生処理」及び「生成処理」は、データ構造のデータ要素間の関係により定められる処理ではなく、コンピュータが予め「所定領域」を「静止画像生成用領域」として規定し、処理手順を定めておくことにより可能となる処理である。
また、本願発明の「変数」は「再生処理」及び「生成処理」において特定の処理を実行するときに与えられるものであり、「変数」自体が情報処理の処理手順を規定するものではない。
したがって、請求人の審判請求書による上記主張は、採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願発明の「ムービーデータのデータ構造」は「情報の単なる提示」を行うものであるから、特許法第2条第1項における「自然法則を利用した技術的思想の創作」ではなく、特許法第29条第1項柱書でいう「発明」に該当しない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
したがって、本願はその他の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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