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商標拒絶査定不服審判

2020-013906

審判番号
2020-013906
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2019-081004外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年10月05日
審決日
2021年10月18日
公報発行日
2022年01月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
T18 .13 -Z (W06)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
識別力なし立体
論点(本文から自動抽出・参考)
識別力品質表示立体商標濃い色は判断部分で検討された論点、薄い色は本文中で触れているもの
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項、商標法第4条第1項第18号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2019-81004拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 10項目
理 由

第1 本願商標及び手続の経緯

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第6類「ベル」を指定商品とし、令和元年6月7日に立体商標として登録出願されたものである。

本願は、令和2年1月29日付けで拒絶理由の通知がされ、同年7月2日付けで拒絶査定がされたものである。

これに対して令和2年10月5日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、『ベル』の機能又は美感に資する目的のために採用された『ベル』の形状の一形態であると認識するにとどまるものといえるから、本願商標は、単に商品の形状を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和3年6月3日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)

本願商標に係る形状は、本願の指定商品である第6類「ベル」との関係において、その機能又は美観に資する目的の範囲を明らかに超えているため、識別力を有している。

第5 当審の判断

1 立体商標における商品の形状に係る判示について

(1)商品等の形状は、多くの場合、商品等に期待される機能をより効果的に発揮させたり、商品等の美感をより優れたものとするなどの目的で選択されるものであって、商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として用いられるものは少ないといえる。このように、商品等の製造者、供給者の観点からすれば、商品等の形状は、多くの場合、それ自体において出所表示機能ないし自他商品識別機能を有するもの、すなわち、商標としての機能を有するものとして採用するものではないといえる。また、商品等の形状を見る需要者の観点からしても、商品等の形状は、文字、図形、記号等により平面的に表示される標章とは異なり、商品の機能や美感を際立たせるために選択されたものと認識し、出所表示識別のために選択されたものとは認識しない場合が多いといえる。

そうすると、商品等の形状は、多くの場合に、商品等の機能又は美感に資することを目的として採用されるものであり、客観的に見て、そのような目的のために採用されると認められる形状は、特段の事情のない限り、商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当すると解するのが相当である。

(2)また、商品等の具体的形状は、商品等の機能又は美感に資することを目的として採用されるが、一方で、当該商品の用途、性質等に基づく制約の下で、通常は、ある程度の選択の幅があるといえる。しかし、同種の商品等について、機能又は美感上の理由による形状の選択と予測し得る範囲のものであれば、当該形状が特徴を有していたとしても、商品等の機能又は美感に資することを目的とする形状として、商標法第3条第1項第3号に該当するものというべきである。けだし、商品等の機能又は美感に資することを目的とする形状は、同種の商品等に関与する者が当該形状を使用することを欲するものであるから、先に商標出願したことのみを理由として当該形状を特定の者に独占させることは、公益上の観点から適切でないからである。

(3)さらに、需要者において予測し得ないような斬新な形状の商品等であったとしても、当該形状が専ら商品等の機能向上の観点から選択されたものであるときには、商標法第4条第1項第18号の趣旨を勘案すれば、同法第3条第1項第3号に該当するというべきである。けだし、商品等が同種の商品等に見られない独特の形状を有する場合に、商品等の機能の観点からは発明ないし考案として、商品等の美感の観点からは意匠として、それぞれ特許法・実用新案法ないし意匠法の定める要件を備えれば、その限りにおいて独占権が付与されることがあり得るが、これらの法の保護の対象になり得る形状について、商標権によって保護を与えることは、商標権は存続期間の更新を繰り返すことにより半永久的に保有することができる点を踏まえると、商品等の形状について、特許法、意匠法等による権利の存続期間を超えて半永久的に特定の者に独占権を認める結果を生じさせることになり、自由競争の不当な制限に当たり公益に反するからである(知的財産高等裁判所 平成18年(行ケ)第10555号判決、平成19年(行ケ)第10215号判決、平成22年(行ケ)第10253号判決参照)。

2 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなるところ、本願商標に係る形状は、先端に球状部分のある棒状突起部分を上部に有し、下方に向かうにつれて円周が大きくなる空洞の円錐台を上下3段に重ねたような部分(以下「本願円錐台部分」という。)と、最下部の厚みのある円盤状の台座部分の中央に立設した支柱を本願円錐台部分の内側に有してなるものである。

そして、本願の指定商品である第6類「ベル」については、辞書において、「ベル」が「鐘。呼び鈴。打楽器。」を意味し、「呼鈴」が「人を呼んだり合図したりするための鈴やベル。」(以上、株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を意味するものと掲載されていることや、別掲2における「ベル」と称する商品の使用例からすると、一般的に「呼鈴」と同義のものと認められる。

そうすると、本願商標に係る上記形状のうち、本願円錐台部分は、指定商品「ベル」との関係において、音が出る鳴物部分とみるのが相当である。

そして、別掲2のとおり、「呼鈴」としての商品「ベル」を取り扱う業界においては、様々な形状の商品が存在するところ、多くの商品が、本願商標に係る形状と同様に、先端が略球状又は円盤状の突起部分を上部に有しており、また、多くの商品が、本願商標に係る形状と同様に、円盤形状の台座部分を有しており、中には、音が出る鳴物部分の形状が、本願円錐台部分と同様に、下方に向かいサイズが大きくなる円錐台を上下に重ねたような形状の商品(別掲2(5)、(8))も存在する。

してみれば、本願商標に係る形状は、同種の商品等について、機能又は美感上の理由による形状の選択と予測し得る範囲のものというべきであり、これを初めて見た需要者において、当該形状をもって商品の出所を表示する標識と認識し得るものとはいえない。

したがって、本願商標は,商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当するものというべきである。

3 請求人の主張について

請求人は、本願商標に係る形状は、本願の指定商品である第6類「ベル」との関係において、その機能又は美観に資する目的の範囲を明らかに超えているため、識別力を有している旨主張する。

しかしながら、上記2のとおり、「呼鈴」としての商品「ベル」を取り扱う業界における商品の形状の採択例からすれば、本願商標に係る形状は、同種の商品等について、機能又は美感上の理由による形状の選択と予測し得る範囲のものというべきである。

したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。

4 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

別掲(理由中で参照)

画像(5点)画像本体は公報データに含まれません
別掲1 本願商標(縮尺については、原本を参照。)J-PlatPatで画像を確認(書誌) ↗
画像(11点)画像本体は公報データに含まれません
別掲2 「呼鈴」としての商品「ベル」を取り扱う業界における商品の形状の採択例J-PlatPat(審決公報)で画像を確認 ↗
内容を表示(22行)

(1)「MiseDas」のウェブサイトにおいて、「呼出しベル TK-25」の見出しの下、商品の写真が掲載されている。

(https://www.misedas.net/asp/item_detail.asp?ItemLID=8345)

(2)「OrangeMaterial」のウェブサイトにおいて、「knock knock 呼び出しベル 【標準小売価格:1,600円】[ZZ-200125-05]」の見出しの下、商品の写真が掲載されている。

(https://orange-m.ocnk.net/product/2195)

(3)「Yahoo!ショッピング」のウェブサイトにおいて、「ギギliving」の見出しの下、「卓上ベル コールベル カウンターベル 呼び鈴 真鍮 木製 呼び出し 玄関 エントランス ブラスフロントベル」の項に、商品の写真が掲載されている。

(https://store.shopping.yahoo.co.jp/gigiliving/ebn1255.html)

(4)「Amazon」のウェブサイトにおいて、「[Hama-kana]コールベル 卓上ベル 呼び鈴 カウンターベル 受付 店舗 hk-b004(レッド)」の見出しの下、商品の写真が掲載されている。

(https://www.amazon.co.jp/dp/B01N4NT53X)

(5)「ANTIQUE GLOW」のウェブサイトにおいて、「アンティーク カウンターベル 呼び鈴」の見出しの下、商品の写真が掲載されている。

(https://www.glow-furniture.com/antique/products/detail.php?product_id=8085)

(6)「Timbre」のウェブサイトにおいて、「Timbre Bell Family Table Bell」の見出しの下、商品の写真が掲載されている。

(http://timbre.jp/product/table-bell/)

(7)「Happy goods collection -ハッピーグッズコレクション-」のウェブサイトにおいて、「★Brass Collecthion★真鍮製 卓上ベル」の見出しの下、商品の写真が掲載されている。

(http://www.happy-goods.com/item/1shin010/)

(8)「EL JEWEL INTERIOR」のウェブサイトにおいて、「【Q&Q-スペイン】アンティーク調カウンターベル・ゴールド」の見出しの下、商品の写真が掲載されている。

(https://eljewell-interior.com/?pid=143732319&view=pc)

(9)「Aucfree」のウェブサイトにおいて、「アンティーク調 ビクトリアン ホテル カウンター テーブル ベル 卓上 呼び鈴 鐘 真鍮 ブラス ハンドメイドの商品情報」の見出しの下、「商品画像」の項に、商品の写真が掲載されている。

(https://aucfree.com/m/items/u301561859)

(10)「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「Kitchen Garden キッチンガーデン」の見出しの下、「卓上呼鈴(クロームメッキ)」の項に、商品の写真が掲載されている。

(https://item.rakuten.co.jp/kg-pro/ebm-1707900/)

(11)「ARCADIA Co」のウェブサイトにおいて、「Hotel Counter Bell A|カウンターベル A」の見出しの下、商品の写真が掲載されている。

(http://www.arcadia-company.jp/shopdetail/000000012560/)

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2020-013906

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