商標拒絶査定不服審判
2022-001365
- 審判番号
- 2022-001365
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-159300
- 請求日
- 2022年01月29日
- 審決日
- 2023年07月12日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社小泉製作所
- 【請求人代理人】大谷 嘉一
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W0635) / T18 .16 -Z (W0635)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号、商標法第10条第1項、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-159300拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第6類「ベル」及び第35類「ベルの小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務とし、令和元年5月30日に登録出願された商願2019-75758に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同2年12月24日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月22日付けで拒絶理由の通知がされ、同年7月9日に意見書が提出されたが、同年10月25日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同4年1月29日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
1 商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、本願の指定商品及び指定役務中、第6類「ベル」との関係において、当該商品の形状を立体的に表したといえるものであって、同種の商品が形状として採用し得る立体的形状の範囲を超えているとはいえないから、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その商品の形状を表示したものと認識するにとどまる。したがって、本願商標は、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第1項第6号について
本願商標は、本願の指定商品及び指定役務中、第35類「ベルの小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係において、当該役務に係る取扱商品の形状を立体的に表したといえるものであって、同種の取扱商品が形状として採用し得る立体的形状の範囲を超えているとはいえないから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その取扱商品の形状を表示したものと認識するにとどまる。したがって、本願商標は、単に指定役務の取扱商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するか否かについて、職権により証拠調べを実施した結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し令和5年2月1日付け証拠調べ通知書によりその結果を通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
第4 証拠調べ通知書に対する請求人の意見
請求人は、前記第3の証拠調べ通知書に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、金色地の上部の半球状の立体形状と、黄土色地の下部の半球状の立体形状が、中央の支柱で連結され、全体として球形状をなす立体的形状からなるものである。
そして、本願の指定商品「ベル」は、「鐘や鈴。呼び鈴。」であって、「呼び鈴」は、「人を呼んだり、合図したりするために鳴らすベル。」(いずれも「大辞泉第二版」株式会社小学館発行)であることから、当該商品は、「音を鳴らす」ことが本質的な機能であるということができる。
また、商品「りん」(「おりん」とも称されている。)は、「すず。れい。ベル。電鈴。小さい鉢形をした仏具。読経の際に小さい棒でたたいて鳴らす。」(前掲書)ものであって、「荘厳な雰囲気を作る、邪気を払いのける、諸天善神の来臨を乞う、読経の音程やリズムを合わせる」などの目的で使用するものである(「お仏壇のはせがわ」のウェブサイト「おりんの意味に関する基礎知識」https://www.hasegawa.jp/blogs/butsudan/orin-meaning)ことからすれば、仏具としての使用目的があるものの、「ベル」と同義とされるものであり、かつ、「ベル」と同様に音を鳴らす商品といえるものである。
そうすると、商品「ベル」及び商品「りん」は、いずれも「音を鳴らす」という機能を共通にする商品であって、両者は商品として機能的に近い関係にあるということができる。
このことは、別掲2の1のとおり、実際に、商品「ベル」及び商品「りん」を取り扱う業界において、いずれも、似通った形状の「ベル」及び「りん」が取引されている実情が見受けられることや、別掲2の2のとおり、「ベル」として使用できる「りん」が取引されている実情が見受けられることからも裏付けられるものである。
そして、商品「ベル」と機能を共通にする商品である「りん」を取り扱う業界においては、別掲2の3のとおり、本願商標と同様に、全体として球形状をなす商品や、半球形状の商品が取引されている実情がある。
そうすると、本願商標を構成する立体的形状は、その指定商品「ベル」の取引者、需要者に、機能的に近い関係にある商品「ベル」及び商品「りん」の形状の一類型を立体的に表したものと認識させるものというのが相当であり、指定商品「ベル」において採用し得る機能又は美感の範囲を超えて、商品の出所識別機能を発揮し得る特殊性を有するものということはできない。
してみれば、本願商標をその指定商品「ベル」に使用したときには、取引者、需要者は、本願商標が、その商品の形状の一類型を立体的に表したものと認識するにとどまり、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認識するというのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定商品「ベル」との関係において、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、金色地の上部の半球状の立体形状と、黄土色地の下部の半球状の立体形状が、中央の支柱で連結され、全体として球形状をなす立体的形状からなるものである。
そして、本願の指定役務「ベルの小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」においては、商品「ベル」はその取扱商品であるところ、本願商標は、上記1のとおり、商品「ベル」の形状の一類型を立体的に表したものと認識させるにとどまり、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認識させるものであるから、これを当該役務に使用しても、取引者、需要者は、単に取扱商品「ベル」の形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認識し、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定役務「ベルの小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係において、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものというべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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