特許拒絶査定不服審判
2020-013866
情報認識方法および装置
- 審判番号
- 2020-013866
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-174155外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年10月02日
- 審決日
- 2022年04月25日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー(ペキン) カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】森下 賢樹
- 【請求人】シャンハイ シャオドゥ テクノロジー カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】森下 賢樹
- 分類
- P18 .113-WZ (G10L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-174155「情報認識方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔令和元年6月13日出願公開、特開2019-91012〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年9月18日(パリ条約による優先権主張2017年11月15日、中国)の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
平成30年 9月27日 :手続補正書の提出
令和 元年11月 5日付け:拒絶理由通知書
令和 2年 2月12日 :意見書、手続補正書の提出
同年 5月26日付け:拒絶査定
同年10月 2日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 9月10日付け:拒絶理由通知書(当審)
同年12月10日 :意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~11に係る発明は、令和3年12月10日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項5に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
〔本願発明〕【請求項5】
情報認識装置であって、
処理待ち音声をリアルタイムで収集する音声収集ユニットと、
前記処理待ち音声に対して音声認識を行い、予め設定されたウェイクアップワードの音声情報と比較する音声認識ユニットであって、前記ウェイクアップワードは、前記処理待ち音声に対してデータ処理を行うようにすることを指示するためのものである、音声認識ユニットと、
前記処理待ち音声から前記ウェイクアップワードの音声が認識された場合、前記ウェイクアップワードと前記ウェイクアップワードの前後の音声を含む前記処理待ち音声に対してデータ処理を行うデータ処理ユニットと、
を含むことを特徴とする情報認識装置。
第3 当審による拒絶の理由
当審が令和3年9月10日付けで通知した拒絶の理由のうち、本願発明に係るもの(令和2年10月2日付け手続補正における特許請求の範囲の請求項6に対する拒絶の理由)は次のとおりである。
(理由1:新規性)本件出願の請求項6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
(理由2:進歩性)本件出願の請求項6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献:特表2015-501106号公報
第4 引用文献
1 記載事項
上記引用文献には、図面とともに次の記載がある。
なお、下線は、当審が本願発明に関連する箇所に対して付したものである。
「【0009】
ここで図面を参照すると、図1は、音声ストリーム102を受信するための低電力集積回路104と、音声ストリームをデジタル化してメモリ112にデジタル化された音声ストリーム114を提供するためのデジタル化モジュール106と、を含む例示的なコンピューティングデバイス100のブロック図である。さらに、低電力集積回路104は、デジタル化された音声ストリーム114をキーワードと比較し、キーワードの認識に基づいて、電力122を増大させるようプロセッサ118に信号116を送信するための、キーワード比較モジュール108を含む。さらにまた、プロセッサは、デジタル化された音声ストリーム114を分析するための分析モジュール120を含む。コンピューティングデバイス100の実施形態は、コンポーネント104、112、および118を含むのに適した、クライアントデバイス、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、モバイルデバイス、または他のコンピューティングデバイスを含む。
【0010】
音声ストリーム102が、コンピューティングデバイス100、特に、低電力集積回路104によって受信される。音声ストリーム102は、デジタル化された音声ストリーム114を提供するためにデジタル化106される入力アナログ信号である。音声ストリーム102の実施形態は、ユーザからの話声または別のコンピューティングデバイスからの音声を含む。たとえば、音声ストリーム102を受信するいくつかのコンピューティングデバイス300が存在し得、それらは混乱をきたし得る。したがって、コンピューティングデバイスは、音声ストリーム102を受信するための中央ポイントとして1つのデバイスを指定し得る。この実施形態において、低電力集積回路104は、1つ以上のコンピューティングデバイスの中央ユニットであり得るアドホックネットワークの一部として動作する。
【0011】
たとえば、ユーザが、ニューヨークからカリフォルニア州のロサンゼルスまでの最短ルートを別の人と話し合い得る。この例において、音声ストリームは、ニューヨークからロサンゼルスまでの最短ルートの話し合いであろう。さらなる実施形態では、音声ストリーム102は、所定の時間期間にわたる音声を含み得る。たとえば、音声ストリーム102は、低電力集積回路104によって受信された場合に数秒または数分を含み得る。この例において、低電力集積回路104は、音声ストリーム102を他の音声ストリーム102から区別し得る。
【0012】
低電力集積回路104は、音声ストリーム102をデジタル化するためのモジュール106と、デジタル化された音声ストリーム114をキーワードと比較するためのモジュール108と、を含む。低電力集積回路104は、他の電子コンポーネント間の相互接続を形成する材料の表面上にパターン化されたトレース素子を有する電子回路である。たとえば、低電力集積回路104は、プロセッサ118とメモリ112との間の接続を形成する。低電力集積回路104の実施形態は、音声ストリーム102を受信し、信号116を送信することができる、マイクロチップ、チップセット、電子回路、チップ、マイクロプロセッサ、半導体、マイクロコントローラ、または他の電子回路を含む。低電力集積回路104は、音声ストリーム102を絶えず監視し、デジタル化モジュール106を利用して音声ストリームをデジタル化し、デジタル化された音声ストリームをメモリ112に記憶することができる。したがって、低電力集積回路104のさらなる実施形態は、送信機、受信機、マイクロフォン、または、音声ストリーム102を受信するための他の適切なコンポーネントを含む。
【0013】
音声ストリームがモジュール106でデジタル化されて、デジタル化された音声ストリーム114が提供される。デジタル化モジュール106は、音声ストリームを離散時間信号表現に変換する。デジタル化モジュール106の実施形態は、低電力集積回路104と共に動作する、アナログデジタルコンバータ(ADC)、デジタル変換デバイス、命令、ファームウェア、および/またはソフトウェアを含む。たとえば、デジタル化モジュール106は、入力アナログ電圧をアナログ信号の大きさに比例したデジタル数に変換するための電子デバイスを含み得る。
【0014】
音声ストリーム102がモジュール106でデジタル化されると、それは、モジュール108でキーワードと比較される。音声ストリーム102およびモジュール108で、それは、電力122を増大させ、デジタル化された音声ストリーム114を取得してモジュール120で分析するよう、プロセッサ118にシグナリング116するためのインジケーションとして動作する、キーワードに対して比較される。108の実施形態は、命令、処理、動作、論理、アルゴリズム、技法、論理関数、ファームウェア、および/またはソフトウェアを含む。キーワードが認識されると、低電力集積回路104は、プロセッサ118に電力122を増大させるよう信号116を送信する。
【0015】
キーワードの実施形態は、モジュール108で比較するための、デジタル信号、アナログ信号、パターン、データベース、コマンド、指示、命令、または他の表現を含む。たとえば、コンピューティングデバイスのユーザが、小エビとクルマエビの違いを友人と話し合い、その後、ウェブ検索を実行して答えを特定することを所望し得る。したがって、ユーザは、キーワード比較モジュール108によるキーワードの認識と分析モジュール120による先の話し合いのその後の分析とをトリガするための、所定のキーワードを表明し得る。
【0016】
キーワードは、たとえば、フレーズ、単一のキーワード、またはコンピューティングデバイスのユーザにとって私的な単一のキーワードを含み得る。先の例を踏まえると、キーワードは、「コンピュータ、何だと思いますか?」というフレーズであり得る。この例において、このフレーズは、このフレーズの前または後に音声を含み得るデジタル化された音声ストリーム114を取得するようプロセッサ118に信号116を送ることを、低電力集積回路104にさせる。したがって、プロセッサ118がデジタル化された音声ストリーム114を分析して適切な応答のために音声ストリーム102のコンテキストを決定するので、ユーザは、命令を繰り返す必要がない。また、さらなる例において、単一のキーワードは、「ジャジャーン(Shazam)」を含み得る。したがって、特定の例として、ユーザが「ジャジャーン」という単語を話すと、回路104は、キーワードを検出し、デジタル化された音声ストリーム114を取得してこのストリームをテキストストリームに変換するようプロセッサ118に命令するための信号116を送信し得る。テキストストリームがユーザの母親へのテキストメッセージを作成するようにとの命令であると仮定すると、適切な応答は、テキストメッセージを作成することであろう。したがって、上述したように、所定のキーワード(単数または複数)を使用して、低電力集積回路104は、コンピューティングデバイスのユーザが道程またはウェブ検索の実行といったさらなる応答を完了する必要がある場合を認識する。」
「【0022】
プロセッサ118がメモリ112からデジタル化された音声ストリーム114を取得すると、プロセッサは、モジュール120でデジタル化された音声ストリーム114を分析する。分析モジュール120の実施形態は、プロセッサ118が、フェッチ、復号、および/または実行し得る、命令、処理、動作、論理、アルゴリズム、技法、論理関数、ファームウェア、および/またはソフトウェアを含む。モジュール120の追加の実施形態は、デジタル化された音声ストリーム114をテキストストリームに変換して、音声ストリーム102のコンテキストに基づいて適切な応答を決定することを含む。モジュール120のさらなる実施形態は、後の図面において見られるように、コンピューティングデバイス100のユーザに差し出すための応答を決定することを含む。」
「【図1】
[図:0001388634000001.jpg]
」
2 引用発明
上記1から、引用文献には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号(a)~(h)は、説明のために当審で付したものであり、以下、「構成a」~「構成h」という。
また、各構成の末尾の括弧内に、対応する明細書及び図面の記載箇所を示した。
〔引用発明〕
(a)低電力集積回路104、メモリ112及びプロセッサ118を含むコンピューティングデバイス100であって、(段落0009、図1)
(b)音声ストリーム102は、ユーザからの話声を含み、(段落0010)
(c)低電力集積回路104は、音声ストリーム102をデジタル化するためのモジュール106と、デジタル化された音声ストリーム114をキーワードと比較するためのモジュール108と、を含み、(段落0012)
(d)低電力集積回路104は、音声ストリーム102を絶えず監視し、デジタル化モジュール106を利用して音声ストリームをデジタル化し、デジタル化された音声ストリームをメモリ112に記憶し、(段落0012)
(e)音声ストリーム102がモジュール106でデジタル化されると、それは、モジュール108でキーワードと比較され、(段落0014)
(f)キーワードは、「コンピュータ、何だと思いますか?」というフレーズであり、このフレーズは、このフレーズの前または後に音声を含み得るデジタル化された音声ストリーム114を取得するようプロセッサ118に信号116を送ることを、低電力集積回路104にさせ、したがって、プロセッサ118がデジタル化された音声ストリーム114を分析して適切な応答のために音声ストリーム102のコンテキストを決定し、(段落0016)
(g)プロセッサ118がメモリ112からデジタル化された音声ストリーム114を取得すると、プロセッサは、分析モジュール120でデジタル化された音声ストリーム114を分析し、(段落0022)
(h)分析モジュール120は、デジタル化された音声ストリーム114をテキストストリームに変換して、音声ストリーム102のコンテキストに基づいて適切な応答を決定する(段落0022)
(a)コンピューティングデバイス100。
第5 対比
本願発明と引用発明を対比する。
1 引用発明の「音声ストリーム102」は、デジタル化され(構成d)て、テキストストリームへの変換やコンテキストの決定という分析が行われる(構成f~h)ことになる音声であるから、処理待ち音声といえるものである。
そして、引用発明は、低電力集積回路104において、音声ストリーム102を絶えず監視し、デジタル化モジュール106を利用して音声ストリームをデジタル化し、デジタル化された音声ストリームをメモリ112に記憶する(構成d)ものであり、前記「デジタル化モジュール106」は、音声ストリーム102(処理待ち音声)をデジタル形式でリアルタイムで収集するものといえるから、本願発明の「処理待ち音声をリアルタイムで収集する音声収集ユニット」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明は、「処理待ち音声をリアルタイムで収集する音声収集ユニット」を含む点で一致する。
2 引用発明の上記分析は、「コンピュータ、何だと思いますか?」というフレーズであるキーワードの前または後に音声を含み得るデジタル化された音声ストリーム114(構成f)に対して行われるデータ処理であり、デジタル化された音声ストリーム(デジタル形式の処理待ち音声)のうち、当該キーワードと比較され(構成e)てキーワードの存在が音声ストリーム中に特定された音声ストリームが前記データ処理の対象とされる(構成f)から、当該音声ストリームに含まれるキーワードは、デジタル化された音声ストリーム(デジタル形式の処理待ち音声)に対するデータ処理を指示するためのものといえる。したがって、引用発明の「キーワード」は、本願発明の「前記処理待ち音声に対してデータ処理を行うようにすることを指示するためのものである」「ウェイクアップワード」に相当する。
そして、引用発明の「キーワードと比較するためのモジュール108」(構成c)は、デジタル化された音声ストリーム(デジタル形式の処理待ち音声)をキーワード(ウェイクアップワード)と比較する(構成e)ものであり、当該比較されるキーワード(ウェイクアップワード)が比較対象と同様の(デジタル形式の)音声の情報であることは当業者における技術常識であるから、引用発明の「キーワードと比較するためのモジュール108」は、本願発明の「前記処理待ち音声に対して音声認識を行い、予め設定されたウェイクアップワードの音声情報と比較する音声認識ユニット」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明は、「前記処理待ち音声に対して音声認識を行い、予め設定されたウェイクアップワードの音声情報と比較する音声認識ユニットであって、前記ウェイクアップワードは、前記処理待ち音声に対してデータ処理を行うようにすることを指示するためのものである、音声認識ユニット」を含む点で一致する。
3 引用発明の「このフレーズの前または後に音声を含み得るデジタル化された音声ストリーム114」は、フレーズ(キーワード)の前後それぞれに音声を含みうるものであるから、本願発明の「前記ウェイクアップワードと前記ウェイクアップワードの前後の音声を含む前記処理待ち音声」に相当する。
そして、引用発明は、デジタル化された音声ストリーム(デジタル形式の処理待ち音声)が、「コンピュータ、何だと思いますか?」というフレーズであるキーワード(ウェイクアップワード)と比較され(構成e)、プロセッサ118が、このフレーズの前または後に音声を含み得るデジタル化された音声ストリーム114を取得して、分析モジュール120でデジタル化された音声ストリーム114をテキストストリームに変換する(構成f~h)ものであるから、引用発明の「プロセッサ118」は、本願発明の「前記処理待ち音声から前記ウェイクアップワードの音声が認識された場合、前記ウェイクアップワードと前記ウェイクアップワードの前後の音声を含む前記処理待ち音声に対してデータ処理を行うデータ処理ユニット」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明は、「前記処理待ち音声から前記ウェイクアップワードの音声が認識された場合、前記ウェイクアップワードと前記ウェイクアップワードの前後の音声を含む前記処理待ち音声に対してデータ処理を行うデータ処理ユニット」を含む点で一致する。
4 引用発明の「低電力集積回路104、メモリ112及びプロセッサ118を含むコンピューティングデバイス100」(構成a)は、デジタル化された音声ストリーム114をテキストストリームに変換し、音声ストリーム102のコンテキストを決定する(構成f~h)ものであり、音声や意味を認識するものといえるから、本願発明と引用発明は「情報認識装置」である点で一致する。
5 以上1~4のとおり、引用発明は、本願発明と全ての発明特定事項で一致するものであるから、本願発明は、引用文献に記載された発明である。
第6 意見書の主張について
なお、審判請求人は、令和3年12月10日付け意見書の「3.本願発明が特許されるべき理由」において、次の主張を行っている。(なお、当該主張における「引用文献1」は、上記第3の「引用文献」に対応するものである。)
「 審査官殿は「引用発明は、フレーズの前または後に音声を含み得るデジタル化された音声ストリームをテキストストリームに変換するものである」と認定しておられます。引用文献1の段落[0026]には「低電力集積回路204は、音声ストリーム202をデジタル化し、デジタル化された音声ストリーム214をキーワードと比較するための回路素子210を含む」と記載されており、段落[0041]には「デジタル化された音声ストリーム314をテキストストリーム324に変換する」と記載されております。
このように、引用文献1に記載の発明は、音声ストリームをデジタル化し、デジタル化された音声ストリームをさらにテキストストリームに変換してキーワードと比較することによってキーワードを認識します。
それに対して、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載の発明のように音声を比較する前にデジタル化するのではなく、リアルタイムで収集した処理待ち音声(アナログ音声信号)を予め設定されたウェイクアップワードの音声情報と比較することによって、処理待ち音声からウェイクアップワードの音声を認識します。その後、データ処理ユニットがウェイクアップワードとウェイクアップワードの前後の音声を含む処理待ち音声に対してデータ処理を行います。
これにより、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載の発明のように音声信号をデジタル化し、デジタル化された音声ストリームをさらにテキストストリームに変換して比較する方法と比較して、低コストで、ストレージスペースを削減できるという作用効果を奏します。
したがって、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載の発明ではなく、また、引用文献1に記載の発明に基づいて容易に想到し得るものでもありません。」
しかしながら、本願発明(「方法」である請求項1に係る発明を「装置」とした発明)において、「処理待ち音声」が、「音声を比較する前にデジタル化するのではなく、リアルタイムで収集した処理待ち音声(アナログ音声信号)」であることは、特定されていない。
そして、上記第5の1において示したとおり、引用発明における、音声ストリーム102を絶えず監視し、デジタル化モジュール106を利用して音声ストリームをデジタル化する(構成d)処理は、音声ストリーム102(処理待ち音声)をデジタル形式でリアルタイムで収集するものといえるから、当該デジタル化された音声ストリームは、本願発明の「リアルタイムで収集」される「処理待ち音声」といえるものである。
よって、上記「本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載の発明のように音声を比較する前にデジタル化するのではなく、リアルタイムで収集した処理待ち音声(アナログ音声信号)を予め設定されたウェイクアップワードの音声情報と比較することによって、処理待ち音声からウェイクアップワードの音声を認識します。その後、データ処理ユニットがウェイクアップワードとウェイクアップワードの前後の音声を含む処理待ち音声に対してデータ処理を行います。」との主張に係る相違点が存在するとはいえない。
したがって、上記審判請求人の主張は採用することができない。
第7 むすび
以上のとおり、本願の特許請求の範囲の請求項5に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2020-013866