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特許拒絶査定不服審判

2020-013804

システム情報領域またはネットワーク領域のアクセス方法および装置

審判番号
2020-013804
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-501987外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年10月01日
審決日
2022年02月17日
公報発行日
2022年03月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04W) / P18 .113-WY (H04W) / P18 .537-WY (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-501987「システム情報領域またはネットワーク領域のアクセス方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 1月18日国際公開、WO2018/010629、令和元年 8月15日国内公表、特表2019-522943、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 23項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2017年(平成29年)7月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年7月15日 中華人民共和国(CN))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成31年 1月28日 :手続補正書の提出
令和 元年11月14日付け:拒絶理由通知書
令和 2年 1月22日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 5月28日付け:拒絶査定
令和 2年10月 1日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
令和 3年 3月11日 :上申書
令和 3年 8月17日付け:拒絶理由通知書(当審)
令和 3年11月18日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和2年5月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記

・請求項1ないし10に対して、引用文献1

引用文献等一覧

1.国際公開第2015/080646号(以下、「引用文献1」という。)

第3 当審拒絶理由の概要

当審における令和3年8月17日付け拒絶理由通知書で通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。

1.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

2.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

3.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記

理由1(明確性)について

(1)請求項1には「システム情報領域またはネットワーク領域」と記載されている。しかしながら、当該記載では、システム情報領域、ネットワーク領域がそれぞれどのような領域を表すものを特定しているのか明確でなく、また、システム情報領域とネットワーク領域の差異も明確でない。請求項1には、「ネットワーク領域及び前記システム情報領域は、いずれも、基地局または基地局にカバーされる領域を意味する」とあるが、領域が基地局を意味するとは技術的に意味不明である。

請求項5、7、9についても同様である。

よって、請求項1ないし10に係る発明は明確でない。

(2)請求項1には、「・・・システム情報領域またはネットワーク領域から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを受信する」、「異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」との記載がある。しかしながら、1つの初期アクセスIASのみ受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられるとはどのような状態を特定しようとしているのか不明である。

請求項7についても同様である。

よって、請求項1ないし4、7、8に係る発明は明確でない。

(3)請求項4には、「1つのサイトまたはサイト群」との記載があるが、サイト、サイト群とは何を表すものを特定しているのか不明である。また、請求項4では「ネットワーク領域及び前記システム情報領域は、1つまたは複数のサイトからなり」と記載される一方,請求項4が引用する請求項1では「ネットワーク領域及び前記システム情報領域は、いずれも、基地局または基地局にカバーされる領域を意味する」と記載されているが,同じ「ネットワーク領域及び前記システム情報領域」を構成するものとして記載されている請求項4記載の「サイト」と請求項1記載の「基地局」との関係、違いが明確でない。

よって、請求項4に係る発明は明確でない。

(4)請求項5には、「システム情報領域またはネットワーク領域から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを特定する」、「前記システム情報領域またはネットワーク領域から1つまたは複数のIASを送信する」、「異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」との記載がある。しかしながら、1つの初期アクセスIASのみ特定する場合及び1つのIASを送信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられるとはどのような状態を特定しようとしているのか不明である。

請求項9についても同様である。

よって、請求項5,6、9、10に係る発明は明確でない。

理由2(新規性)、理由3(進歩性)について

・請求項1、2、4ないし10に対して、引用文献1

引用文献等一覧

1.国際公開第2015/080646号

2.Erik Dahlman 他2名著、服部 武他2名訳、4G LTE/LTE-Advancedのすべて[下巻]、丸善出版株式会社、平成27年10月20日発行、ISBN978-4-621-08953-8、p.381-p.388(以下、「引用文献2」という。:技術常識を示す文献)

第4 本願発明

本願請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明10」という。)は、令和3年11月18日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
端末が、システム情報領域に対応する基地局から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを受信することと、
前記端末が、受信したIAS信号に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界、システムの帯域幅、開始周波数および停止周波数のうちの1つまたは複数を取得することとを含み、前記システム情報領域は、前記基地局にカバーされる領域を意味する、システム情報領域のアクセス方法において、
前記1つのIAS信号は、前記システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、前記複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける前記1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、
続きを表示(全42行)
ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRB(Physical Resouse Block)であり、システム情報領域に対応する基地局から送信される複数のIAS信号を受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられることを特徴とするシステム情報領域のアクセス方法。
【請求項2】
前記端末が、受信したIAS信号に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界、システムの帯域幅、開始周波数および停止周波数のうちの1つまたは複数を取得することは、
前記端末が、サブフレームにおけるIAS信号の所定の送信位置に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界を取得すること、または、
前記端末が、IAS信号とシステムの帯域幅との所定のマッピング関係に基づいて、システム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数を取得すること、または、
前記端末が、IAS信号と、システム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数が含まれる他の信号との所定の時間周波数関係に基づいて、IAS信号に対応する他の信号を復調してシステム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数を取得することを含む請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項3】
時分割多重化、周波数分割多重化および符号分割多重化のうちの1つまたは複数の組み合わせによって、前記複数のIAS信号を区分する請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項4】
前記システム情報領域は、1つまたは複数の基地局にカバーされる領域からなり、各IAS信号は、1つの基地局または基地局群から送信される請求項1に記載のアクセス方法。
【請求項5】
システム情報領域に対応する基地局で1つまたは複数の初期アクセス信号IASを特定することと、
IAS信号を受信した端末が、受信したIAS信号に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界、システムの帯域幅、開始周波数および停止周波数のうちの1つまたは複数を取得するよう、前記システム情報領域から1つまたは複数のIASを送信することとを含み、前記システム情報領域は、前記基地局にカバーされる領域を意味する、システム情報領域のアクセス方法において、
前記1つのIAS信号は、前記システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、前記複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける前記1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、
ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRBであり、システム情報領域に対応する基地局で複数のIASを特定する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられることを特徴とするシステム情報領域のアクセス方法。
【請求項6】
前記IAS信号を受信した端末が、受信したIAS信号に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界、システムの帯域幅、開始周波数および停止周波数のうちの1つまたは複数を取得するよう、前記システム情報領域から1つまたは複数のIASを送信することは、
前記IAS信号を受信した端末が、サブフレームにおけるIAS信号の所定の送信位置に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界を取得し、または、IAS信号とシステムの帯域幅との所定のマッピング関係に基づいて、システム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数を取得し、または、IAS信号と、システム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数が含まれる他の信号との所定の時間周波数関係に基づいて、IAS信号に対応する他の信号を復調してシステム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数を取得するよう、
前記システム情報領域に対応する基地局から1つまたは複数のIASを送信することを含む請求項5に記載のアクセス方法。
【請求項7】
システム情報領域に対応する基地局から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを受信することに用いられる受信モジュールと、
受信したIAS信号に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界、システムの帯域幅、開始周波数および停止周波数のうちの1つまたは複数を取得することに用いられる取得モジュールとを含み、前記システム情報領域は、前記基地局にカバーされる領域を意味する、システム情報領域のアクセス装置において、
前記1つのIAS信号は、前記システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、前記複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける前記1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、
ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRBであり、システム情報領域に対応する基地局から送信される複数のIAS信号を受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられることを特徴とするシステム情報領域のアクセス装置。
【請求項8】
前記取得モジュールは、さらに、
サブフレームにおけるIAS信号の所定の送信位置に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界を取得すること、または、
IAS信号とシステムの帯域幅との所定のマッピング関係に基づいて、システム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数を取得すること、または、
IAS信号と、システム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止波数が含まれる他の信号との所定の時間周波数関係に基づいて、IAS信号に対応する他の信号を復調してシステム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数を取得することに用いられる請求項7に記載のアクセス装置。
【請求項9】
1つまたは複数の初期アクセス信号IASを特定することに用いられる特定モジュールと、
IAS信号を受信した端末が、受信したIAS信号に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界、システムの帯域幅、開始周波数および停止周波数のうちの1つまたは複数を取得するよう、1つまたは複数のIASを送信することに用いられる送信モジュールとを含み、前記システム情報領域は、前記システム情報領域に対応する基地局にカバーされる領域を意味する、システム情報領域のアクセス装置において、
前記1つのIAS信号は、前記システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、前記複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける前記1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、
ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRBであり、前記特定モジュールは、複数の初期アクセス信号IASを特定する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられることを特徴とするシステム情報領域のアクセス装置。
【請求項10】
前記送信モジュールは、さらに、
前記IAS信号を受信した端末が、サブフレームにおけるIAS信号の所定の送信位置に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界を取得し、または、IAS信号とシステムの帯域幅との所定のマッピング関係に基づいて、システム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数を取得し、または、IAS信号と、システム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数が含まれる他の信号との所定の時間周波数関係に基づいて、IAS信号に対応する他の信号を復調してシステム情報領域のシステムの帯域幅、開始周波数および/または停止周波数を取得するよう、
1つまたは複数のIASを送信することに用いられる請求項9に記載のアクセス装置。」

第5 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1について

原査定の拒絶の理由及び当審拒絶理由で引用された、引用文献1(国際公開第2015/080646号)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「In LTE access procedures, a UE may first search for a cell using a cell search procedure, to detect an LTE cell and decode information required to register to the cell. There may also be a need to identify new cells, when a UE is already connected to a cell to find neighbouring cells. In this case, the UE may report the detected neighbouring cell identity and some measurements, to its serving cell, as to prepare for a handover. In order to support cell search, a unique Primary Synchronization Signal (PSS) and Secondary Synchronization Signal (SSS) may be transmitted from each eNB. The synchronizations signals are used for frequency synchronization and time synchronization. That is, to align a receiver of wireless device, e.g., the UE, to the signals transmitted by a network node, e.g., the eNB. The PSS comprises information that allows the wireless device in LTE to detect the 5 ms timing of the cell, and the cell identity within the cell-identity group. The SSS allows the wireless device in LTE to obtain frame timing and the cell-identity group. The PSS may be constructed from a Zadoff-Chu sequence of length 63, mapped to the center 64 subcarriers where the middle, so called DC subcarrier is unused. There may be three PSS in LTE, corresponding to three physical layer identities. The SSS may be constructed from two interleaved M-sequences of length 31 respectively, and by applying different cyclic shifts of each of the two M-sequences, different SSS may be obtained. In total, there may be 168 valid combinations of the two M-sequences, representing the cell identity groups. Combining the PSS and SSS, there may be thus in total 504 physical cell identities in LTE.
When a cell has been found, the UE may proceed with further steps to be associated with this cell, which may then be known as the serving cell for this UE. After the cell is found, the UE may read System Information (SI) in e.g., the Physical Broadcast CHannel (PBCH), known as the Master Information Block (MIB), which is found in a time frequency position relative to the PSS and SSS locations. The SI comprises all the information needed by a wireless device to access the network using a random access procedure. After the MIB is detected, the System Frame Number (SFN) and the system bandwidth are known. The UE may let the network know about its presence by
transmitting a message in the Physical Random Access CHannel (PRACH).
」(3ページ19行目~4ページ12行目)

(当審訳:

LTEアクセス手順では、まずUEがセルサーチ手順を用いてセルをサーチし、LTEセルを検出すると、このセルに登録するのに必要な情報を復号する。UEが既にセルに接続しているときは、近隣セルを見つけるために新しいセルを識別する必要も生じる。この場合、UEは、ハンドオーバの準備をするために、検出した近隣セルのIDおよびいくつかの測定値をそのサービングセルに報告してもよい。セルサーチをサポートするために、一意の一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)が各eNBから伝送されてもよい。これらの同期信号は周波数同期および時間同期に用いられる。つまり、ワイヤレスデバイス、例えばUEの受信機を、ネットワークノード、例えばeNBによって伝送される信号に同調させることである。PSSは、LTEにおけるワイヤレスデバイスがセルの5msのタイミングを検出できるようにする情報と、セルIDグループ内のセルIDとを含んでいる。SSSは、LTEにおけるワイヤレスデバイスがフレームタイミングおよびセルIDグループを取得できるようにする。PSSは、中心の64個のサブキャリアにマッピングされた、系列長63のZadoff-Chu系列で構成することができる。ただし、その中央、いわゆるDCサブキャリアは使われない。LTEには、3つの物理層IDに対応する3つのPSSが存在し得る。SSSは、インターリーブされた系列長がそれぞれ31の2つのM系列で構成され、2つのM系列各々の相異なる巡回シフトを適用することにより、異なるSSSを得ることができる。2つのM系列には、セルIDグループを表す、合計168通りの有効な組合せがあり得る。PSSとSSSとを組み合わせると、LTEでは合計504通りの物理セルIDがあり得る。

セルが見つかると、UEは、このセルと関連付けを行うための後続のステップに進むことができる。このセルは次いで、このUEのサービングセルとして知られていることもある。セルが見つかった後、UEは、例えば、PSSおよびSSSの場所に対して相対的な時間周波数位置にある、マスタ情報ブロック(MIB)として知られている物理ブロードキャストチャネル(PBCH)内のシステム情報(SI)を読み取ってもよい。SIは、ワイヤレスデバイスがランダムアクセス手順を用いてネットワークにアクセスするために必要な情報をすべて含んでいる。MIBが検出されると、システムフレーム番号(SFN)およびシステム帯域幅が判明する。UEは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)でメッセージを伝送することにより、自らの存在をネットワークに知らせてもよい。)

上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記記載には、「LTEアクセス手順では、まずUEがセルサーチ手順を用いてセルをサーチし、LTEセルを検出すると、このセルに登録するのに必要な情報を復号する。」と記載されているから、引用文献1には、「UEがLTEにアクセスする手順では、UEがセルサーチを行い、LTEセルを検出し、検出したLTEセルに登録するのに必要な情報を復号する」ことが記載されているといえる。

イ 上記記載には、「セルサーチをサポートするために、一意の一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)が各eNBから伝送されてもよい。」と記載されているから、引用文献1には、「セルサーチをサポートするために、一意の一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)がeNBから伝送される」ことが記載されているといえる。

ウ 上記記載には、「LTEアクセス手順では、まずUEがセルサーチ手順を用いてセルをサーチし、LTEセルを検出する」及び「セルが見つかった後、UEは、例えば、PSSおよびSSSの場所に対して相対的な時間周波数位置にある、マスタ情報ブロック(MIB)として知られている物理ブロードキャストチャネル(PBCH)内のシステム情報(SI)を読み取ってもよい。」と記載されているから、引用文献1には、「セルサーチを行い、LTEセルを検出すると、PSSおよびSSSの場所に相対的な時間周波数位置にある、マスタ情報ブロック(MIB)を読み取る」ことが記載されているといえる。

エ 上記記載には、「MIBが検出されると、システムフレーム番号(SFN)およびシステム帯域幅が判明する。」と記載されているから、引用文献1には、「MIBが検出されると、システムフレーム番号(SFN)およびシステム帯域幅が判明する」ことが記載されているといえる。

オ そして、上記アないしエの動作は、UEがLTEアクセスを行うための方法であるといえるから、引用文献1には、「LTEアクセス方法」が記載されているといえる。

以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「UEがLTEにアクセスする手順では、UEがセルサーチを行い、LTEセルを検出し、検出した前記LTEセルに登録するのに必要な情報を復号するものであって、
セルサーチをサポートするために、一意の一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)がeNBから伝送され、
前記セルサーチを行い、前記LTEセルを検出すると、前記PSSおよび前記SSSの場所に相対的な時間周波数位置にある、マスタ情報ブロック(MIB)を読み取り、
前記MIBが検出されると、システムフレーム番号(SFN)およびシステム帯域幅が判明する、
LTEアクセス方法。」

2 引用文献2について

当審拒絶理由で引用された、引用文献2(Erik Dahlman 他2名著、服部 武他2名訳、4G LTE/LTE-Advancedのすべて[下巻]、丸善出版株式会社、平成27年10月20日発行、ISBN978-4-621-08953-8、p.381-p.388)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

(1)「14.1.1 LTEセルサーチの概要
(中略)
・FDDの場合(図14.1の上図),PSSはサブフレーム0と5の最初のスロットにおける最後のシンボルの中で送信されるが,SSSは同じスロットの最後から2番目のシンボルの中で送信される(すなわちPSSの直前).
(中略)
[図:0001382044000001.jpg]
(中略)
いったんセルのPSSを検出して識別する端末は次のことがわかる.
・セルの5msのタイミングと,PSSから一定のオフセットに存在するSSSの位置*1.
(中略)
*1 これは、端末がFDDまたはTDDのキャリアの捕捉を知っていることを前提としている.」(381ページ下から5行目~383ページ上から7行目、及び383ページ注釈1行目)
(2)「14.1.2 PSS構造
より詳しくいうと,図14.2に示すように,3種類のPSSは両端が5つの0で拡張された3種類の長さ63のZC(Zadoff-Chu)系列(11.2節参照)であり,中心の73サブキャリア(中心の6リソースブロック)にマッピングされる.
(中略)
14.1.3 SSS構造
PSSと同様に,SSSもサブフレーム0と5(FDD,TDDともに)のうちの中心の72のリソースエレメント(DCキャリアを除く)を占める.」(384ページ8行目~384ページ下から2行目)

上記(1)に示される図14.1の上図からは、1フレームが10サブフレームから構成されていることが見て取れる。そして、上記(2)に「PSSは・・・中心の73サブキャリア(中心の6リソースブロック)にマッピングされる。・・・PSSと同様に,SSSもサブフレーム0と5(FDD,TDDともに)のうちの中心の72のリソースエレメント(DCキャリアを除く)を占める.」と記載されており、中心の72のリソースエレメント(DCキャリアを除く)とは、中心の73サブキャリア(中心の6リソースブロック)を表すことは技術常識である。

また、上記(1)には、「PSSはサブフレーム0と5の最初のスロットにおける最後のシンボルの中で送信されるが、SSSは同じスロットの最後から2番目のシンボルの中で送信される」こと、「セルのPSSを検出して識別する端末は、次のことがわかる.セルの5msのタイミングと,PSSから一定のオフセットに存在するSSSの位置*1.これは、端末がFDDまたはTDDのキャリアの捕捉を知っていることを前提としている.」ことが記載されているから、端末は、PSS、SSSを検出するために、1フレームが10サブフレームから構成されるものであり、PSS、SSSは中心の6リソースブロックにマッピングされるものであること、PSSを検出すると、他に何ら情報を得ること無く、SSSの位置をどのように識別すればよいのかを予め知っているものである、すなわち、1フレームが10サブフレームから構成されるものであり、PSS、SSSは中心の6リソースブロックにマッピングされること、PSSがサブフレーム0と5の最初のスロットにおける最後のシンボルの中で送信されること、SSSが同じスロットの最後から2番目のシンボルの中で送信されることは、基地局と端末との間でそれぞれ前提として取り決められている事項である。

そうすると、引用文献2には、「1フレームが10サブフレームから構成されるものであり、PSS、SSSは中心の6リソースブロックにマッピングされること、PSSがサブフレーム0と5の最初のスレットにおける最後のシンボルの中で送信されること、SSSが同じスロットの最後から2番目のシンボルの中で送信されることは、基地局と端末との間でそれぞれ前提として取り決められている」という技術事項が記載されていると認められる。

第6 対比・判断

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。

ア 引用発明の「UE」、「eNB」は、本願発明1の「端末」、「基地局」に含まれる。そして、引用発明では、LTEにアクセスする、すなわちLTEセルにアクセスする際、UEはeNBから伝送される一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)の場所に相対的な時間周波数位置にあるマスタ情報ブロック(MIB)を読み取るものであり、eNBから伝送される一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)及びマスタ情報ブロック(MIB)は、LTEセルにアクセスする際に最初に必要となる信号、すなわち初期アクセス信号(IAS)といえるから、引用発明の「一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)及びマスタ情報ブロック(MIB)」は、本願発明1の「初期アクセス信号IAS」に含まれる。

また、eNBから伝送される一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)及びマスタ情報ブロック(MIB)は、当該eNBにカバーされる領域に送信され、その領域内で端末が受信することは自明であるから、端末が、基地局にカバーされる領域であるシステム情報領域において、当該基地局から送信される一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)及びマスタ情報ブロック(MIB)を受信するものといえる。よって、引用発明の「UEがセルサーチを行い、LTEセルを検出し、検出したセルに登録するのに必要な情報を復号するものであって、セルサーチをサポートするために、一意の一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)がeNBから伝送され、前記セルサーチを行い、前記LTEセルを検出すると、前記PSSおよび前記SSSの場所に相対的な時間周波数位置にある、マスタ情報ブロック(MIB)を読み取」ることは,本願発明1の「端末が、システム情報領域に対応する基地局から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを受信すること」に含まれ、本願発明1と引用発明は「システム情報領域は、基地局にカバーされる領域を意味する」点で共通する。

イ 引用発明のUEは、セルサーチを行い、LTEセルを検出すると、PSS及びSSSの場所に相対的な時間周波数位置にある、マスタ情報ブロックを読み取り、マスタ情報ブロック(MIB)が検出されると、システム帯域幅が判明するもの、すなわち、引用発明のUEは、受信したIAS信号に基づいて、システムの帯域幅を取得することを含むものといえる。

そうすると、引用発明の「UEが・・・前記セルサーチを行い、前記LTEセルを検出すると、前記PSSおよび前記SSSの場所に相対的な時間周波数位置にある、マスタ情報ブロック(MIB)を読み取り、前記MIBが検出されると、システムフレーム番号(SFN)およびシステム帯域幅が判明する」ことは、本願発明1の「前記端末が、受信したIAS信号に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界、システムの帯域幅、開始周波数および停止周波数のうちの1つまたは複数を取得する」に含まれる。

ウ 引用発明のUEは、eNBから一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)及びマスタ情報ブロック(MIB)が伝送されるものであり、該伝送は、eNBのセルによってカバーされる領域において、セルで使用されるシステムの帯域幅内で行われることことが技術常識であり、「一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)及びマスタ情報ブロック(MIB)」が本願発明1の「IAS信号に相当するものであるから、eNBから送信されるIAS信号は、基地局(eNB)にカバーされる領域(システム情報領域)の占める(システム)帯域内において送信されるものであるといえることは自明である。

そうすると、本願発明1と引用発明は「1つのIAS信号は、システム情報領域の占める帯域内において送信される」点で共通する。

エ 引用発明はLTEアクセス方法であって、該LTEアクセス方法は、上記アないしウに述べたとおり、UEがeNBにカバーされる領域に対してアクセスする、すなわち、システム情報領域に対してアクセスする方法であるといえるから、本願発明1と引用発明は、「システム情報領域のアクセス方法」であるという点で共通する。

以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)

「 端末が、システム情報領域に対応する基地局から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを受信することと、
前記端末が、受信したIAS信号に基づいて、システム情報領域のサブフレームの境界、システムの帯域幅、開始周波数および停止周波数のうちのの1つまたは複数を取得することを含み、前記システム情報領域は、前記基地局にカバーされる領域を意味する、システム情報領域のアクセス方法において、
前記1つのIAS信号は、前記システム情報領域の占める帯域内において送信される、
システム情報領域のアクセス方法。」

(相違点)

端末が受信するIAS信号が、本願発明1では「1つのIAS信号は、システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRB(Physical Resouse Block)であり、システム情報領域に対応する基地局から送信される複数のIAS信号を受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」という発明特定事項を有するのに対し、引用発明では、当該発明特定事項を有していない点。

したがって,本願発明1と引用発明は,上記相違点で相違するから,本願発明1は引用発明であるとはいえない。

(2)相違点についての判断

相違点に係る端末が受信するIAS信号が、「1つのIAS信号は、システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRB(Physical Resouse Block)であり、システム情報領域に対応する基地局から送信される複数のIAS信号を受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」という発明特定事項は、引用文献1及び引用文献2には記載も示唆もされていない。さらに、当該無線通信の技術分野において周知技術であるともいえない。

したがって、当業者といえども、引用発明1において、上記相違点に係る端末が受信するIAS信号が、「1つのIAS信号は、システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRB(Physical Resouse Block)であり、システム情報領域に対応する基地局から送信される複数のIAS信号を受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」ものとすることは、容易に想到し得たとはいえない。

よって、本願発明1は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし4について

本願発明2ないし4は、少なくとも本願発明1に記載の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、本願発明2ないし4は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明5について

本願発明5は、本願発明1の端末に初期アクセス信号IASを送信する基地局側のシステム情報領域のアクセス方法を記載したものであって、少なくとも上記相違点に係る本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を含むから、本願発明1と同様の理由により、本願発明5は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び並び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明6について

本願発明6は、少なくとも本願発明5に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て含むから、本願発明5と同じ理由により、本願発明6は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本願発明7について

本願発明7は、本願発明1の端末によるシステム情報領域アクセス方法を、端末として動作するアクセス装置としたものであって、少なくとも本願発明1に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、本願発明7は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

6 本願発明8について

本願発明8は、少なくとも本願発明7に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て含むから、本願発明7と同じ理由により、本願発明8は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

7 本願発明9について

本願発明9は、本願発明5の基地局によるシステム情報領域アクセス方法を、基地局として動作するアクセス装置としたものであって、少なくとも本願発明5に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て含むから、本願発明5と同じ理由により、本願発明9は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

8 本願発明10について

本願発明10は、少なくとも本願発明9に記載の発明特定事項に対応する発明特定事項を全て含むから、本願発明9と同じ理由により、本願発明10は、引用発明であるとはいえないし、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 原査定について

令和3年11月18日にされた手続補正により、本願発明1ないし10に係る発明は、IAS信号が、「1つのIAS信号は、システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRB(Physical Resouse Block)であり、システム情報領域に対応する基地局から送信される複数のIAS信号を受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」という発明特定事項、又はそれに対応する発明特定事項を備えているから、上記「第6」のとおり、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由についての判断

1 理由1(明確性)について

(1)令和3年11月18日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)によって、補正前の請求項1の「システム情報領域またはネットワーク領域」という記載を、「システム情報領域に対応する基地局」と補正し、また、補正前の請求項1の「ネットワーク領域及び前記システム情報領域は、いずれも、基地局または基地局にカバーされる領域を意味する」という記載を、「前記システム情報領域は、前記基地局にカバーされる領域を意味する」と補正することによって、また、請求項5、7、9においても同様に補正されたことによって、理由1の(1)の拒絶理由は解消された。

(2)本件補正によって、補正前の請求項1における「・・・システム情報領域またはネットワーク領域から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを受信する」、「異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」との記載は、「・・・システム情報領域に対応する基地局から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを受信する」、「システム情報領域に対応する基地局から送信される複数のIAS信号を受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」と補正され、また、請求項7においても同様に補正されたことによって、理由1の(2)の拒絶理由は解消された。

(3)本件補正によって、補正前の請求項4における「1つのサイトまたはサイト群」との記載は、「1つの基地局または基地局群」と補正されたことによって、理由1の(3)の拒絶理由は解消された。

(4)本件補正によって、補正前の請求項5における「システム情報領域またはネットワーク領域から送信される1つまたは複数の初期アクセス信号IASを特定する」、「前記システム情報領域またはネットワーク領域から1つまたは複数のIASを送信する」、「異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」との記載は、「システム情報領域に対応する基地局で1つまたは複数の初期アクセス信号IASを特定する」、「前記システム情報領域から1つまたは複数のIASを送信する」、「システム情報領域に対応する基地局で複数のIASを特定する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」と補正され、また、請求項9においても同様に正されたことによって、理由1の(4)の拒絶理由は解消された。

以上のとおり、当審拒絶理由の理由1(明確性)で指摘した記載不備は全て解消されたため、本願は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。

2 理由2(新規性)、理由3(進歩性)について

本件補正により、本願発明1、2、4、5、6、7、8、9、10に係る発明は、IAS信号が、「1つのIAS信号は、システム情報領域の占める帯域内における、中心帯域以外の周波数で送信され、複数のIAS信号は、システム情報領域が占める帯域内の複数の予め定義される周波数位置から送信され、かつ、サブフレームにおける1つ又は複数のIAS信号の送信位置は、システム情報領域に対応する基地局とユーザ機器によって予め取り決められ、ここで、前記複数の予め定義される周波数位置は、前記帯域における中心帯域以外の周波数を少なくとも含み、前記中心帯域は6つのPRB(Physical Resouse Block)であり、システム情報領域に対応する基地局から送信される複数のIAS信号を受信する場合、異なるIAS信号に同一のベースシーケンスが用いられる」という発明特定事項、又はそれに対応する発明特定事項を備えているから、本願発明1、2、4、5、6、7、8、9、10は、引用発明であるとはいえないし、上記「第6」のとおり、当業者であっても、当審拒絶理由において引用された引用文献1に記載された発明、又は引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって、当審拒絶理由の理由2及び理由3を維持することはできない。

第9 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-013804

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