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特許拒絶査定不服審判

2020-013284

タービンとインペラを有するホイールを設計および構築する方法

審判番号
2020-013284
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-536004外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年09月24日
審決日
2021年11月24日
公報発行日
2022年05月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .536-WZ (F01D) / P18 .537-WZ (F01D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条4項1号特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-536004「タービンとインペラを有するホイールを設計および構築する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年7月14日国際公開、WO2016/110364、平成30年6月7日国内公表、特表2018-514677〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2015年(平成27年)12月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年1月9日(FR)フランス共和国)を国際出願日とする出願であって、令和元年7月19日付け(発送日:同年8月2日)で拒絶理由が通知され、令和元年10月21日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和2年3月11日付け(発送日:同年3月19日)で拒絶査定がされ、これに対して令和2年9月24日に拒絶査定不服審判が請求され、当審において令和3年3月9日付け(発送日:同年3月17日)で拒絶理由が通知され、令和3年9月13日に意見書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし10に係る発明は、令和元年10月21日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。 「【請求項1】 タービンと、給油式エンジン(THRA)として動作する周縁円形チャンバに通じその全長に沿って中空のブレードを備えたインペラを有するホイールを設計および構築する方法であって、 タービン、インペラ、およびエンジン(THRA)について、インペラブレードの内側チャネルの発展的な部分が、ストリップとともに構築され、インペラブレードはその全長に沿って中空であり、大部分が円の部分であるストリップの中立軸のプロファイル上にあり、 前記発展的な部分が前記タービンへの入口および前記インペラの中空ブレードへの入口およびチャンバへの到達のために構築され、最初に、基本的な幾何学的要素に値を与えることによって個別に構成され、異なる直径の円板上の特定の幾何学的配置に従ってトレースされ、これらはその後、前記ホイールの異なるレベルの位置に配置され、互いに独立して同じ軸上で一定の角度を成して配置されることを特徴とし、 各円板の前記基本的な幾何学的要素の幾何学的配置は、円(C1)に内接することによって得られ、前記円の中心(0)から、優先交点(A)において前記円(C1)に一致する所与の数値を有するスポーク(R)が延伸し、 前記円(C1)は、前記ホイールの回転中に前記ブレードの前縁が通過する回転面であり、 論じている前記ストリップの前記中立軸の前記円の部分である弧の弦に、別の数値が与えられ、この弦の一方の端部は前記優先交点(A)から始まり、他方の端部(E)は前記優先交点(A)から始まり、前記スポーク(R)と45°の角度を形成する軸上の円の内側に位置し、 スポークの右側または左側でこの軸のために選択された位置は、ホイールの所望の回転方向(1または2)を決定し、別の点(B)は、前記スポーク上で前記中心に向かって配置され、前記ホイール(C1)を囲む前記円の前記スポークの数値から、2つの2分の1弦の平方和の平方根(ピタゴラス)である数値を引いた数値のところに位置し、 前記弦の数値と同じ数値の直線が、点(B)から延伸し、それによって、その中点が、該直線が直交し、その他端(D)において点を生成する弦の中点(M)と位置整合し、 前記スポーク上に位置する前記点(B)は、その弧である弦の両端の間に延伸し、前記ストリップの所望の円形プロファイルである前記円の部分の直線(AB)の一部と等しい円の中心までの長さを有する中心としての役割を果たし、 前記弦の中点で前記弦と交差する前記直線の一部の他端に位置する点(D)は、その弧でもあり、前記ストリップの他の所望の対称円形プロファイルである前記弦の両端(M)間に延伸する円の部分をトレースするための中心としての役割を果たし、 垂直な直線(BD)上に位置し、前記点Bおよび前記点Dより大きい直径値を有する円の他の中心が、これが前記直線(AE)の一部の端部を結合し、より平坦なプロファイル(PL1,PL2)を有する円の部分を生成することを可能にする、または、垂直な直線(BD)上に位置し、前記点Bおよび前記点Dより小さい直径値を有する円の他の中心が、これが前記直線(AE)の端部を結合せず、より湾曲したプロファイル(PL2)を有する円の部分を生成することを可能にするが、同じくこの方法から受益することができ、 前記円の部分(PL2)は、前記点Aおよび前記点Eに結合されておらず、 この方法で構築され、前記スポークの各側で同じ数値を有するプロファイルが対称であり、 この方法で得られたストリッププロファイルを混合することにより、パラメータを変えることによって、特定の特性を有する発展的なブレードを構築することが可能になり、 この方法によって構築された前記中立軸のプロファイルの数値が、数学的に定量化可能であり、 同一のホイールが、該同じホイール上で同じ方法を使用し、ただし、異なるプロファイルを有するように定義された、異なるタービンストリッププロファイルおよび中空インペラブレードストリップの異なるプロファイルを使用することができる、方法。」 第3 当審拒絶理由の内容 令和3年3月9日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の内容は、以下のとおりである。 理由1.(明確性)本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 理由2.(実施可能要件)本願は、発明の詳細な説明の記載について下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 理由3.(委任省令要件)本願は、発明の詳細な説明の記載について下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 ●理由1(明確性)について 請求項1ないし10に係る発明は「ホイールを設計および構築する方法」の発明であると認められるところ、請求項1ないし10の記載は、全体的に日本語が不適切で意味が不明確であって、前提となるホイールの形態や、ホイールの何を設計、構築するのかが不明確であるため、具体的な設計および構築する方法が把握できない。 例えば、 ・請求項1に「タービンと、給油式エンジン(THRA)として動作する周縁円形チャンバに通じその全長に沿って中空のブレードを備えたインペラを有するホイールを設計および構築する方法であって、」との記載があるが、該記載では、「タービン」、「給油式エンジン(THRA)」、「周縁円形チャンバ」、「ブレード」、「インペラ」及び「ホイール」の関係が不明確であり、前提となるホイールの携帯やホイールの何(どの部分)を設計および構築する方法なのか不明確。 ・請求項1に「インペラブレードの内側チャネルの発展的な部分が、ストリップとともに構築され、インペラブレードはその全長に沿って中空であり、大部分が円の部分であるストリップの中立軸のプロファイル上にあり、」との記載があるが、前提となるインペラブレードの形態が不明確であり、「内側チャネルの発展的な部分」、「ストリップ」、「ストリップの中立軸」が何を意味するのか不明である。また、「インペラブレードはその全長に沿って中空であり」とは、どのようなインペラブレードの形態を意味するのか不明確である。文字どおり「中が空の」(中実でない)という意味なのか。因みに、本願の米国ファミリーである米国特許第10697299号明細書においては「hollow」の用語が用いられており、「hollow」には「中空の」の他に「くぼんだ」という意味もあり、また、本願明細書において先行技術文献の特許文献1として開示された仏国特許出願公開第2987655号明細書の1ページ4行には「pales creuses des helices」(当審訳:プロペラのくぼんだブレード)との記載があることから、上記の「中空」について訳を確認されたい。 ・請求項1に「前記発展的な部分が前記タービンへの入口および前記インペラの中空ブレードへの入口およびチャンバへの到達のために構築され、最初に、基本的な幾何学的要素に値を与えることによって個別に構成され、異なる直径の円板上の特定の幾何学的配置に従ってトレースされ、これらはその後、前記ホイールの異なるレベルの位置に配置され、互いに独立して同じ軸上で一定の角度を成して配置されることを特徴とし、」との記載があるが、上記で指摘したように、「タービン」、「(周縁円形)チャンバ」、「ブレード」及び「インペラ」の関係や「発展的な部分」が何を意味するかが不明確であるから、「前記発展的な部分が前記タービンへの入口および前記インペラの中空ブレードへの入口およびチャンバへの到達のために構築され」の意味が理解できない。また、「基本的な幾何学的要素に値を与えることによって個別に構成され、異なる直径の円板上の特定の幾何学的配置に従ってトレースされ、これらはその後、前記ホイールの異なるレベルの位置に配置され、互いに独立して同じ軸上で一定の角度を成して配置される」との記載があるが、該記載は日本語として不適切であるし、「基本的な幾何学的要素」、「値」、「個別に構成され」、「特定の幾何学的配置」、「ホイールの異なるレベルの位置」とは何を意味するのか不明確である。 ・請求項1に「この方法で構築され、前記スポークの各側で同じ数値を有するプロファイルが対称であり、この方法で得られたストリッププロファイルを混合することにより、パラメータを変えることによって、特定の特性を有する発展的なブレードを構築することが可能になり、この方法によって構築された前記中立軸のプロファイルの数値が、数学的に定量化可能であり、同一のホイールが、該同じホイール上で同じ方法を使用し、ただし、異なるプロファイルを有するように定義された、異なるタービンストリッププロファイルおよび中空インペラブレードストリップの異なるプロファイルを使用することができる、方法。」との記載があるが、該記載は日本語として不適切であるし、「同じ数値を有するプロファイル」の「数値」とは何の数値なのか、「パラメータ」とは何の「パラメータ」なのか等が不明確であり、また、「同一の」及び「同じ」並びに「異なる」が、どういった意味で「同一」、「同じ」、「異なる」のかが不明確であって、意味が理解できない。 よって、請求項1ないし10に係る発明は明確でない。 ●理由2(実施可能要件)について 請求項1ないし10に係る発明は「ホイールを設計および構築する方法」の発明であると認められるところ、本願明細書において先行技術文献として開示された特許文献1及び2の記載内容及び発明の詳細な説明の記載全体並びに技術常識を参酌しても、前提となるホイールの形態やホイールの何(どの部分)を設計・構築の対象としているのか、設計・構築の具体的な内容が不明確であるため、「ホイールを設計および構築する方法」の内容が把握できず、当業者が当該方法を使用することができない。 特に、請求項1に「各円板の前記基本的な幾何学的要素の幾何学的配置は、円(C1)に内接することによって得られ、前記円の中心(0)から、優先交点(A)において前記円(C1)に一致する所与の数値を有するスポーク(R)が延伸し、・・・前記円の部分(PL2)は、前記点Aおよび前記点Eに結合されておらず、」との記載がある。該記載は不明確な部分はあるものの、発明の詳細な説明の段落【0007】ないし【0011】の記載及び図1の図示内容を参酌すれば、概略、スポーク(R)と円(C1)との優先交点(A)において45°の角度で交差する弦(AE)の中点Mの垂線(BD)上の種々の位置を中心とする円を描くことで種々の(ストリップ)プロファイルを得るということはかろうじて理解できる。 しかしながら、前提となるホイールの形態が不明確であり、ホイールのどの部分のプロファイルを得ようとしているのかが不明確である。 そして、請求項1に「この方法で構築され、前記スポークの各側で同じ数値を有するプロファイルが対称であり、この方法で得られたストリッププロファイルを混合することにより、パラメータを変えることによって、特定の特性を有する発展的なブレードを構築することが可能になり、この方法によって構築された前記中立軸のプロファイルの数値が、数学的に定量化可能であり、同一のホイールが、該同じホイール上で同じ方法を使用し、ただし、異なるプロファイルを有するように定義された、異なるタービンストリッププロファイルおよび中空インペラブレードストリップの異なるプロファイルを使用することができる、」との記載があるが、該記載事項は、発明の詳細な説明の記載を参酌しても、その内容が理解できないから、プロファイルを具体的にどのように使用して、ブレードを構築するのかが理解できない。 よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項1ないし10に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。 ●理由3(委任省令要件)について 本願明細書の発明の詳細な説明には、背景技術として 「【0001】 インペラの軸推力の改善が長い間研究されており、最近のフランスで行われた特許出願、特に、2012年10月7日付で公開された仏国特許出願公開第2987655号明細書および2012年10月15日付で公開された仏国特許出願公開第2987656号明細書は、流体がホイールを通ることを可能にすることおよび中空であるインペラブレードを横切るようにすることにより遠心力を利用すること、並びに流体をホイールから下方に放出する円形開口部を備えた周縁円形チャンバ内で終端すること、それにより流体の隣接する境界層に対する抵抗から反作用力を生成することに在る、新しい原理を示している。3つの原理の追加は、シャフトを介してエンジンに導入される、ロケットにおける圧縮空気または水素のようなエネルギーの高い流体によって大量に増加させることができる程度に、軸推力を著しく増加させる。 【0002】 構築された小規模サンプルはこれらの製品の工業化を可能にしておらず、これらの製品をこのような複雑な形状で、より論理的かつ技術的に画面上で構築することを可能にする方法を発見し、それらをより容易に開発し続けるためには、数年の研究が必要である。今日、ファイルを受信するコンピュータは、いずれの国で設計された同一の製品であっても、世界のどこででも大規模製造することを可能にする。」 との記載があり、発明が解決しようとする課題として 「【0004】 世界の先行技術のいずれにも、本明細書に記載されたものと同等の製品は見出されていない。」 との記載があるものの、これらの記載からは、先行技術文献の記載内容を参酌しても、前提となるホイールやインペラブレード等の形態が不明であり、日本語としても不明確であるから(例えば、「中空であるインペラブレードを横切るようにすることにより遠心力を利用すること」、「流体をホイールから下方に放出する円形開口部を備えた周縁円形チャンバ内で終端すること」、「流体の隣接する境界層に対する抵抗から反作用力を生成すること」とは、どのような意味なのか不明確であり、「新しい原理」とはどのようなものか不明確。)、これらの記載からは、発明が解決しようとする課題が把握できない。 また、課題を解決するための手段として、 「【0005】 インペラブレードがその長さに沿って中空で、円形の開口部を備えた周縁チャンバに通じる、ホイール、タービン、インペラ、および燃料式エンジンを設計および構築する方法は、中空のインペラブレードのストリップの中立軸のそれぞれが、ホイールの構築のために設計者によって最初に提供される基本値を有するデジタル化された幾何学要素を使用して、異なる直径で配置されたホイールの部分において、スクリーン上で個別に構築されるようにする。」 との記載があるものの、上記のとおり、前提となるホイールやインペラブレード等の形態が不明であり、日本語としても不明確であるから(例えば、「インペラブレードがその長さに沿って中空で、円形の開口部を備えた周縁チャンバに通じる」、「異なる直径で配置されたホイールの部分において、スクリーン上で個別に構築される」とはどのような意味か不明確。)、当該記載からは、課題を解決するための手段が把握できない。 また、明細書全体を見ても、発明が解決しようとする課題とその解決手段は把握できず、また、発明の技術上の意義が理解できないから、当業者が発明の技術上の意義を理解するために必要な事項が記載されているということもできない。 よって、この出願の発明の詳細な説明は、請求項1ないし10に係る発明について、経済産業省令で定めるところにより記載されたものでない。 第4 請求人の主張 請求人は、手続補正書を提出することなく、意見書において次のように主張している。 <理由1について> 本拒絶理由通知書においては、本願請求項に記載されているホイールの設計および構築する方法に関して、特に「タービン」、「給油式エンジン(THRA)」、「周縁円形チャンバ」、「ブレード」、「インペラ」および「ホイール」の関係について、前提となるホイールの形態やホイールの具体的な設計および構築方法が不明確とされています。これに対して、明細書の記述をもとに、本願請求項の構成が明確であることを以下に説明いたします。 国際段階において、本願構成の理解を容易にするために、国際調査報告に応じて本願請求項1が補正され、各「THRA」、「タービン」、「インペラ」について、本願請求項に記載の方法が、全長にわたって中空であるインペラブレードの内側チャネルの発展的な部分を構築することに関係するということが明確に記載されました。ここで、本願請求項1に係る発明が、タービン(フランス語で「Turbine」)およびインペラ(フランス語で「Helice」)を備えたホイールを設計および構築する方法に関連し、全長に沿って中空であり、燃料エンジン(フランス語で「ReacteurAlimentable」)として動作する周縁円形チャンバにつながるブレードを備えています。これにより、本願請求項1の構成の1つであるTHRAは、上述のとおり定義されていることがわかります。さらに、各構成要素は、CADM(Computer Aided Design and Manufacturing)によって明確に定義されているものです。 -ホイール:中心または軸を中心に回転する円形要素。コンピュータで無限の異なるものを作ることができるようになったので、ホイールの特定の形状はありません。 -タービン:遠心力によってホイールの周囲にある導管によって投射される、ホイールの中心にある流体によって供給される円形要素。 -インペラ:クラウンに配置されたブレードまたは翼で構成される、推進、牽引、または揚力のための装置。 -ブレード:ねじれた翼の形状に影響を与えるインペラの要素。 -全長に沿って中空:ブレードの内側は、入口から中央、および最大直径の出口まで空です。 -周縁円形チャンバ:ホイールの周りの丸みを帯びたスペース。 -エンジン:近くの流体境界層に影響を与える流体ジェットを生成するデバイス。 -給油式:液体を供給することができる。 さらに、本願明細書に引用されている特許文献(仏国特許出願公開第2987655号、仏国特許出願公開第2987656号および国際公開2008/012425号)において、上述の各構成が詳細に記載されています。また、2012年10月15日に出願人によって出願された仏国特許出願公開第2987657号では、特にTHRAホイールの形状が記載されています。 インペラブレード構成の明確さに関して、「内側チャネルの発展的部分」、「ストリップ」、「ストリップの中立軸」、「インペラブレードはその全長に沿って中空である」と述べている特徴、および「中身が空」の意味について、以下の通り説明いたします。 本願請求項1における、タービン、インペラ、エンジンからなる各構成について、主に円形の一部であり、タービンおよびインペラの中空ブレードの入口から入りそれらのチャンバに到達するように構成され、基本的な幾何学的要素に最初に値を与えるように個別に構成され、次に配置される異なる直径の円形プレート上に特定の幾何学的配置で描かれ、ホイールがいくつかのレベルで、互いに独立して同じ軸上に角度を付けて配置されおり、このような点において本願請求項1に係る発明が優れていると言えます。 すべての場合において、請求項1の方法で構築され、半径の両側に同じ数値で構築されたプロファイルは対称であり、この方法で得られたブレードのプロファイルの混合は、パラメータを再生することによってブレードを構築することを可能にします。この方法で構築された中立軸の数値は数学的に定量化可能であり、同じホイールは、異なるタービンブレードプロファイルと、同じ方法で定義されているが同じホイール上で異なるプロファイルを持つ異なる中空インペラのブレードプロファイルを使用することができます。 「タービン」、「周縁円形チャンバ」、「ブレード」、「インペラ」、ならびに「最初に同じ軸上で独立して値を与えることによって個別に構成される」こととの間の関係性についての明確性の要件に関して、タービン/インペラ/エンジンの組み合わせを作成するために互いに重ね合わされた複数のホイールを含むことを記載する本願明細書における実施形態によって明確に定義されています。いくつかの連続した切断を行い、次にそれらを結合して均質な部品(例えば航空機の翼用)を得ることによってそのような構成を得るプロセスは、設計事務所によって長い間使用されており、当業者によく知られているものであることから、互いに複数のホイールを重ね合わせるという方法は、当業者がそれを実行するのに十分明確に本願明細書に説明されています。 また、本願請求項1における、「数値」および「パラメータ」に関する明確性の要件に対して、WO2008/012425は、当業者によく知られているいわゆる5パラメータ算術原理を詳細に記載しており、したがって、当業者にとって係る原理は明確に理解できるものであります。係る原理は、1)リーディングエッジ、2)トレーリングエッジ、3)ボディ、 4)長さ、5)アーチに関する5つのパラメータを用いることで本願発明で規定されるようなTHRAホイールを製造することを可能にします。 係る原理を用いている例として、WO2014/067823は固定された中空ホイールの周りのすべてのチャネルによって流体を接線方向に向けるタービンが記載されています。上記原理を用いるプロセスにより、風力タービンなどの移動流体のエネルギーを、最小の捕捉面積と最大の収率で回収できるタービンアセンブリを構築できます。 このように5つのパラメーターはオンデマンドで、無限に、非常に複雑な形状のヘリカルブレードを簡単に生成できる、当業者にとって明確に理解できるツールであります。 上述の通り、本拒絶理由通知書において不明確とされた点について、本願明細書の記載から明確であり、よって当該拒絶理由は解消したものと思料いたします。 <理由2および3について> 本拒絶理由通知書においては、実施可能要件および委任省令要件について指摘を受けました。これに対して、以下の通り説明いたします。 まず第1に、当技術分野の当業者であれば、遠心インペラにおいて流体が中心を通って入り、通常のチャネルを通って輸送され、次いでインペラの周りに外部に投射されることは容易に理解できます。しかしながら、本発明の場合、流体は、インペラブレードの内側を通って、円形チャンバ内でそれらの最大直径まで輸送され、これらは従来技術にはない構成です。プレートのレベルはその機能に従い、ホイールの設計者が使用するCADMソフトウェアの画面で指定されます。 また、ホイールは非常に複雑な形状ですが、CADM(Computer Aid Design and Manufacturing)で設計し、3Dアディティブマシンで具体的に構築できます。本発明によれば、この方法で構築され、半径の両側に同じ数値を有するプロファイルは対称であり、この方法で得られたブレードのプロファイルの混合は、パラメータを適宜変えることによって、発展的ブレードを構築することを可能にするという特定の機能があります。この方法で作成されたニュートラルファイバープロファイルの数値は数学的に定量化可能であり、同じホイールは、異なるタービンブレードプロファイルと、同じ方法で定義されているが同じホイール上で異なるプロファイルを持つ異なる中空インペラのブレードプロファイルを使用することができます。 本特許出願は、その全長に沿ってブレードの内輪および外輪を形成する発展的なストリップの助けを借りて、ホイールのインペラのブレードの内側チャネルの構築することに関するものです。目的とするプロファイルを取得するために、それらの大部分を構成する円の部分に数学的な値が与えられます。ホイールの形状はオンデマンドで構成され、平坦、カーブ、凸状、中空など、デザイナーの要望に応じてそれぞれ異なります。 本発明に係るソフトウェアパッケージは、恒久的な更新の対象となる概略ホイールTHRAを画面上に示し、そのすべての構成要素は独立して示されますが、すべて数学的に関連しているものです。各コンポーネントには、デフォルトで値が割り当てられ、自由に修正できるため、数回クリックするだけで無限大の新しいホイールを作成できます。 修正されるべきいくつかの数学的値は、ターボ流体によって使用されるインペラの各ブレードの内側のチャネルセクションに関連しています。本発明によるソフトウェアパッケージは新しく、その全長に沿って異なる高さに配置されたプレート上に書かれた円の部分におけるインペラブレードの内側チャネルの設定も必然的です。 さらに、本願請求項1に係る発明の目的は、非常に複雑な形状の製品をより論理的かつ技術的な方法で画面上に構築するために、THRAであるホイールの設計および構築の方法を提供することにあります。発行されたファイルを受け取る追加的なマシンにより、これらの製品の工業化と同一製品の大量生産が可能になります。 この方法は、請求項1の特性に基づいて、タービン、インペラ、エンジンからなる各セットについて、主に円の一部であるブレードの中立軸のプロファイルが、タービンおよびインペラの中空ブレードの入口およびそれらのチャンバへの到着のために、基本的な幾何学的要素に最初に値を与えるように個別に構成され、異なる直径の円形プレート上に特定の幾何学的配置で描かれ、次にホイールのいくつかのレベルは、互いに独立して同じ軸上に角度を付けて配置されます。 本願発明によれば、すべての場合においてこの方法で構築され、半径の両側に同じ数値を有するプロファイルは対称であり、この方法で得られたブレードのプロファイルの混合は、構築するパラメータを適宜変えることによって可能になります。この方法で構築された中立軸の数値は数学的に定量化可能であり、同じホイールは、異なるタービンブレードプロファイルと、同じ方法で定義されているが同じホイール上で異なるプロファイルを持つ異なる中空インペラのブレードプロファイルを使用することができます。 請求人は、さらに、説明の補足として、本願に係る発明をよりわかりやすく示した図とその説明を添付している(以下、「補足説明」という。内容は省略)。 第5 当審の判断 1 理由1(明確性)について (1)意見書において、「各構成要素は、CADM(Computer Aided Design and Manufacturing)によって明確に定義されている」と述べ、「ホイール」、「タービン」、「インペラ」、「ブレード」、「全長に沿って中空」、「周縁円形チャンバ」、「エンジン」及び「給油式」の定義を述べている。また、「本願明細書に引用されている特許文献(仏国特許出願公開第2987655号、仏国特許出願公開第2987656号および国際公開2008/012425号)において、上述の各構成が詳細に記載されています。また、2012年10月15日に出願人によって出願された仏国特許出願公開第2987657号では、特にTHRAホイールの形状が記載されています。」と述べているが、上記の定義や文献を参照しても、本願発明における「タービン」、「給油式エンジン(THRA)」、「周縁円形チャンバ」、「ブレード」、「インペラ」及び「ホイール」の関係が理解できず、ホイールの形態が理解できない。特に、「ブレード」と「インペラ」について、「インペラ:クラウンに配置されたブレードまたは翼で構成される、推進、牽引、または揚力のための装置。」、「ブレード:ねじれた翼の形状に影響を与えるインペラの要素。」とあるが、この定義では、「クラウンに配置された」及び「ねじれた翼の形状に影響を与える」の具体的な意味が不明確であり、「ブレード」と「インペラ」の関係が理解できない。 (2)請求項1の「インペラブレードの内側チャネルの発展的な部分が、ストリップとともに構築され、インペラブレードはその全長に沿って中空であり、大部分が円の部分であるストリップの中立軸のプロファイル上にあり、」との記載における、「内側チャネルの発展的な部分」、「ストリップ」、「ストリップの中立軸」の意味、「前記発展的な部分が前記タービンへの入口および前記インペラの中空ブレードへの入口およびチャンバへの到達のために構築され」の意味、「基本的な幾何学的要素に値を与えることによって個別に構成され、異なる直径の円板上の特定の幾何学的配置に従ってトレースされ、これらはその後、前記ホイールの異なるレベルの位置に配置され、互いに独立して同じ軸上で一定の角度を成して配置される」との記載における、「基本的な幾何学的要素」、「値」、「個別に構成され」、「特定の幾何学的配置」、「ホイールの異なるレベルの位置」の意味について具体的に説明されておらず、これらの意味が依然として不明確である。 (3)意見書において、「本願請求項1における、「数値」および「パラメータ」に関する明確性の要件に対して、WO2008/012425は、当業者によく知られているいわゆる5パラメータ算術原理を詳細に記載しており、したがって、当業者にとって係る原理は明確に理解できるものであります。係る原理は、1)リーディングエッジ、2)トレーリングエッジ、3)ボディ、 4)長さ、5)アーチに関する5つのパラメータを用いることで本願発明で規定されるようなTHRAホイールを製造することを可能にします。・・・(中略)・・・このように5つのパラメーターはオンデマンドで、無限に、非常に複雑な形状のヘリカルブレードを簡単に生成できる、当業者にとって明確に理解できるツールであります。」と述べているが、リーディングエッジ、トレーリングエッジ、ボディ、長さ、アーチに関する5つのパラメータが、本願発明において前提とするホイールにおける、具体的にどの部分(何)に対応するのかの説明がないから、請求項1の「この方法で構築され、前記スポークの各側で同じ数値を有するプロファイルが対称であり、この方法で得られたストリッププロファイルを混合することにより、パラメータを変えることによって、特定の特性を有する発展的なブレードを構築することが可能になり、この方法によって構築された前記中立軸のプロファイルの数値が、数学的に定量化可能であり、同一のホイールが、該同じホイール上で同じ方法を使用し、ただし、異なるプロファイルを有するように定義された、異なるタービンストリッププロファイルおよび中空インペラブレードストリップの異なるプロファイルを使用することができる、方法。」との記載の意味が依然として不明確である。 よって、意見書の記載事項を参酌しても、本願発明が前提としているホイールの形態や、ホイールの何(どの部分の形状等)を設計、構築するのかが依然として不明確であり、また、本願発明は不明確な記載事項を含むから、本願発明は、依然として明確でない。 2 理由2(実施可能要件)について (1)上記「理由1(明確性)について」で述べたように、意見書の記載事項を参酌しても、本願発明が前提としているホイールの形態や、ホイールの何(どの部分の形状等)を設計、構築するのかが依然として不明確であり、また、本願発明は不明確な記載事項を含み、その内容が明らかでなく、発明の詳細な説明にも、当業者がその実施をすることができる程度に記載されていない。 (2)請求人は、「当技術分野の当業者であれば、遠心インペラにおいて流体が中心を通って入り、通常のチャネルを通って輸送され、次いでインペラの周りに外部に投射されることは容易に理解できます。しかしながら、本発明の場合、流体は、インペラブレードの内側を通って、円形チャンバ内でそれらの最大直径まで輸送され、これらは従来技術にはない構成です。プレートのレベルはその機能に従い、ホイールの設計者が使用するCADMソフトウェアの画面で指定されます。」(下線は当審が付与した。)と述べているが、本願発明が、「従来技術にはない構成」を前提とするのであれば、単に先行技術を開示した文献を挙げるだけでなく、「従来技術にはない構成」について説明する必要があるところ、その説明がなされておらず、どのような形態のホイールを設計・構築するのか理解できない。 よって、発明の詳細な説明に記載された各用語や事項と、本願発明において設計・構築しようとするホイールとの具体的な関係が理解できないのであるから、本願の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。 3 理由3(委任省令要件)について 意見書の記載事項を参酌しても、発明が解決しようとする課題が把握できない。 また、上記「理由1(明確性)について」及び「理由2(実施可能要件)について」で述べたように、本願発明が前提としているホイールの形態や、ホイールの何(どの部分の形状等)を設計、構築するのかが不明確であるから、課題の解決手段が把握できず、発明の技術上の意義も理解できない。 よって、本願の発明の詳細な説明は、本願発明について、経済産業省令で定めるところにより記載されたものでない。 4 補足説明について (1)意見書4ないし6ページの図においては、空気の流れを示すものと思われる矢印として、回転軸方向の矢印しか示されていない。 一方、意見書3ページ6ないし7行の「本発明の場合、流体は、インペラブレードの内側を通って、円形チャンバ内でそれらの最大直径まで輸送され」、6ページ2ないし3行の「ホイールは、ホイールの前部中央、プロペラブレードの入り口の中央で空気を吸い込み、端から端まで中空のブレードを通って、ホイールを囲む周辺チャンバーに導きます。」との記載によれば、流体(空気)は、半径方向の流れ成分も有するとも解され、空気の流れに関する事項が図と説明とで整合しておらず、空気がどのように流れるのか理解できない。 そうすると、本願発明における「入口」、発明の詳細な説明における「入口」及び「出口」がどこを指すのか理解できず、本願発明が前提としているホイールの形態が理解できない。 (2)意見書6ページ8行に「ホイールは主にプロペラであり」と記載され、意見書6ページ12行に「ホイールは、推力を提供するタービンでもあります。」と記載され、本願発明(請求項1冒頭)には「タービン」と記載されているから、本願発明が対象としているホイールがタービンなのかプロペラなのか理解できない。 仮に、両方の機能を有するホイールであるとするならば、タービンとして機能する場合に、空気がどのように流れるのか、プロペラとして機能する場合に、空気がどのように流れるのかといった点が理解できず、本願発明が前提としているホイールの形態が理解できない。 (3)意見書4ないし6ページの図におけるどの部分が、本願発明や発明の詳細な説明におけるどの事項(「周縁円形チャンバ」、「ブレード」、「インペラ」、「内側チャネルの発展的な部分」、「ストリップ」及び「ストリップの中立軸」、「入口」、「出口」等)に相当するのか説明されていない。 よって、補足説明を参酌しても、理由1ないし3は解消しない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は明確でないから、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 また、本願の発明の詳細な説明は、経済産業省令で定めるところにより、当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されていないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-013284

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