特許拒絶査定不服審判
2020-012552
半導体装置用基板およびその製造方法、半導体装置の製造方法
- 審判番号
- 2020-012552
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-154364
- 請求日
- 2020年09月08日
- 審決日
- 2021年04月16日
- 公報発行日
- 2021年06月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】マクセルホールディングス株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 正文
- 審判官 須原 宏光
- 審判官 赤穂 嘉紀
- 分類
- P18 .121-WY (H01L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-154364「半導体装置用基板およびその製造方法、半導体装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月 8日出願公開、特開2018- 22821、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成28年8月5日の出願であって、その手続きの経緯は以下のとおりである。
令和 2年 3月19日付け:拒絶理由通知
令和 2年 5月12日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 6月 4日付け:拒絶査定
令和 2年 9月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和2年6月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1ないし6に係る発明は、下記の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.韓国公開特許第10-2010-0033247号公報
2.国際公開第2013/161906号
第3 本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、令和2年9月8日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
装置底面に露出するリード(3)またはダイパッド(4)となる金属部が母型(20)上に形成された半導体装置用基板であって、
前記母型(20)は最表層となる第1基材(20a)を含む複数の基材が積層形成されたものであり、
前記第1基材(20a)は、接着性を有する樹脂を介して第2基材(20b)上に接合され、
前記第1基材(20a)と前記第2基材(20b)は、突弧面あるいは凹弧面どうしが対向する状態で接合され、前記第1基材(20a)から前記第2基材(20b)を剥離除去可能な状態であることを特徴とする半導体装置用基板。
【請求項2】
前記第1基材(20a)は、前記第2基材(20b)より薄く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置用基板。
【請求項3】
前記第1基材(20a)の厚さは10~30μm、前記第2基材(20b)の厚さは100~500μmに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置用基板。
【請求項4】
装置底面に露出するリード(3)またはダイパッド(4)となる金属部が母型(20)上に形成された半導体装置用基板の製造方法であって、
最表層となる第1基材(20a)を含み、第2基材(20b)上に接着性を有する樹脂を介して前記第1基材(20a)を接合して前記母型(20)を形成する工程と、
前記母型(20)の前記第1基材(20a)表面に、前記金属部を形成するためのレジストパターン層(25)を形成する工程と、
前記レジストパターン層(25)から露出する前記第1基材(20a)表面に、前記金属部を形成する工程と、
前記レジストパターン層(25)を除去する工程とを有し、
前記母型(20)を形成する工程において、前記第1基材(20a)と前記第2基材(20b)は、突弧面あるいは凹弧面どうしが対向する状態で接合され、前記第1基材(20a)から前記第2基材(20b)を剥離除去可能な状態であることを特徴とする半導体装置用基板の製造方法。
【請求項5】
半導体素子(2)と、該半導体素子(2)と接続されるリード(3)または該半導体素子(2)が載置されるダイパッド(4)となる金属部とが樹脂により封止され、底面に前記金属部が露出する半導体装置の製造方法であって、
最表層となる第1基材(20a)を含み、第2基材(20b)上に接着性を有する樹脂を介して前記第1基材(20a)を接合して母型(20)を形成する工程と、
前記母型(20)の前記第1基材(20a)表面に、前記金属部を形成するためのレジストパターン層(25)を形成する工程と、
前記レジストパターン層(25)から露出する前記第1基材(20a)表面に、前記金属部を形成する工程と、
前記レジストパターン層(25)を除去する工程と、
前記金属部上に、前記半導体素子(2)を搭載するとともに、前記半導体素子(2)と前記金属部とを電気的に接続する工程と、
前記半導体素子(2)及び前記金属部を樹脂で封止して樹脂封止体(7)を形成する工程と、
前記樹脂封止体(7)から前記母型(20)を除去する工程とを有し、
前記母型(20)を形成する工程において、前記第1基材(20a)と前記第2基材(20b)は、突弧面あるいは凹弧面どうしが対向する状態で接合され、前記第1基材(20a)から前記第2基材(20b)を剥離除去可能な状態であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記母型(20)を除去する工程において、前記第1基材(20a)から前記第2基材(20b)を剥離除去したのち、前記樹脂封止体(7)から前記第1基材(20a)を剥離除去することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付与した。以下同様。)
「
」
「
」
「
」
図3
当審訳を、以下に記載する。
「[0023] さらに、本発明による半導体パッケージの製造方法における前記第4段階は、複層構造のキャリア層において接着層、金属支持層を分離し、バックエッチングによってキャリア金属層を除去する段階からなることを特徴とする、多列リードレスフレームを利用した半導体パッケージの製造方法を提供することができる。
(中略)
[0025] 本発明は、上述した多列リードレスフレームの製造方法による製造工程により製造された多列リードレスフレームであって、リードフレーム用のキャリア層と、前記キャリア層の上部に多数のI/Oパッドまたはダイパッドを形成するためのパターン金属層が形成された、多列リードレスフレームを提供することができる。
(中略)
[0028] 本発明は、上述した多列リードレスフレームを利用した半導体パッケージの製造方法によって製造された半導体パッケージを提供することが可能であり、このような半導体パッケージは、キャリア金属層、接着層、金属支持層の複層構造で形成されるキャリア層と、前記キャリア層の上部に形成されるパターン金属層、前記パターン金属層上に半導体チップが実装され、モールディングがなされていることを特徴とする。」
「[0034] 具体的にパターンを形成する上記第1段階は、キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)から構成された複層構造で形成された3層構造の原素材(以下、キャリア層)を設け(S1)、前記キャリア層を構成するキャリア金属層(30)の上部面に液状またはフィルム状の感光性フォトレジスト(40)を塗布し(S2)、以降、マスク(50)を利用して露光と現像工程によってダイパッドまたはI/Oパッドを形成するパターンを形成する。もちろん、工程によっては、半導体チップが実装されるパッド部位は、生成してもよいし(S4a参照)、省略してもよい(S4b参照)。」
「[0037] 特にその後アッセンブリ工程により半導体チップ(70)を実装及びワイア/フリップチップボンディング(80)によってチップを実装した後(S4)、パッケージをエポキシなどでモールディング(90)する段階(S5)によって、外部の熱、湿気及び衝撃からチップを保護することを可能にする工程を遂行して、半導体パッケージの製造が可能になるようにする。
[0038] 特にS5段階の遂行の後に、物理的、化学的、機械的な方法によって、上述した離型処理された接着層(20)から各層を分離する段階(S6)が遂行される。代表的な方法では、加熱、冷却、紫外線を利用した方法があり、これと類似の方法の組み合わせを用いることもできる。
[0039] 最後に、下部のアルカリエッチングによって、残存するキャリア金属層(30)の材料部分を除去して半導体パッケージを完成することが可能になる(S7)。」
(2)上記記載より、引用文献1には「3層構造のキャリア層」に関して、次の技術的事項が記載されている。
・キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された3層構造のキャリア層([0034]、図3)。
・キャリア金属層(30)の上部面にダイパッドまたはI/Oパッドを形成するパターンを形成すること([0034])。上記パターンは、パターン金属層であること([0023])。
・半導体チップ(70)をパターン金属層上に実装した後、モールディング(90)すること([0028]、[0037])。
・モールディング(90)した後に、接着層(20)から各層を分離するが([0038])、当該分離は、キャリア金属層(30)より、接着層(20)、金属支持層(10)を分離すること([0023]、図3)。
・残存するキャリア金属層(30)を除去して半導体パッケージを完成することが可能になる([0039])。
(3)したがって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された3層構造のキャリア層であって、
キャリア金属層(30)の上部面にダイパッドまたはI/Oパッドを形成するパターン金属層を形成し、
半導体チップ(70)をパターン金属層上に実装した後にモールディング(90)し、
キャリア金属層(30)より、接着層(20)、金属支持層(10)を分離し、
残存するキャリア金属層(30)を除去して半導体パッケージを完成することが可能になる、
3層構造のキャリア層。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0004]
特許文献1に例示されたような複合基板を用いて半導体素子などを製造する場合、複合基板を構成する少なくとも一方の基板(第一基板)の接合面は鏡面研磨されていることが望ましい場合が多い。一方、コスト面からは、第一基板の片面のみが鏡面研磨されていることが好ましい。この場合、図13(A)に示す接合前の状態において、鏡面研磨されていない面が粗面研磨された面110RPからなる第一基板110A(110)は、鏡面研磨された面110MPが凹面を成すように反ってしまう。したがって、第一基板110Aの鏡面研磨された面110MPを接合面として、第一基板110Aと他の基板(第二基板120)とを接合すると、複合基板100A(100)の接合界面102に空洞Vが生じやすくなる(図13(B))。従って、接合界面102にこのような空洞Vが生じた場合、複合基板100Aを用いて製造される半導体素子などの最終製品の品質低下や歩留まり低下を招く原因となる。」
「[0006]
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、接合界面における空洞(基板の表面形状に起因する空洞)の発生を抑制することができる複合基板の製造方法、これを用いた半導体素子の製造方法、当該複合基板の製造方法を用いて製造された複合基板および半導体素子を提供することを課題とする。」
「[0029]
(複合基板の製造方法および複合基板)
本実施形態の複合基板の製造方法では、少なくとも一方の面が鏡面である第一素板を、鏡面が凸面を成すように反った状態へと、変形させることで第一基板を作製する第一素板変形工程と、該第一素板変形工程を経た後に、第一基板の凸面と、第二基板の一方の面とを接合する接合工程と、を少なくとも経て、第一基板と、該第一基板に対して接合された第二基板とを含む複合基板を製造する。ここで、第二基板としては、その両面が略平坦面からなる基板、および、第一基板と接合される側の面が凸面を成すように反った基板、から選択されるいずれか1種の基板が用いられる。」
上記段落[0029]より、引用文献2には、次の技術的事項が記載されている。
「第一基板の凸面と、第一基板と接合される側の面が凸面を成すように反った第二基板を接合する複合基板の製造方法。」
第5 対比、判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「ダイパッドまたはI/Oパッドを形成するパターン金属層」は、本願発明1の「リード(3)またはダイパッド(4)となる金属部」に相当する。
そして、引用発明の「パターン金属層」が形成される「キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された3層構造のキャリア層」は、本願発明1の「金属部」が形成される「母型(20)」に相当する。
また、引用発明は「半導体チップ(70)をパターン金属層上に実装した後にモールディング(90)し、キャリア金属層(30)より、接着層(20)、金属支持層(10)を分離し、残存するキャリア金属層(30)を除去して半導体パッケージを完成する」ので、「キャリア金属層(30)の上部面に」「形成し」た「ダイパッドまたはI/Oパッド」は「半導体パッケージ」の底面に露出する。
そうすると、引用発明の「キャリア金属層(30)の上部面にダイパッドまたはI/Oパッドを形成するパターン金属層」が「形成」された「キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された3層構造のキャリア層」は、本願発明1の「装置底面に露出するリード(3)またはダイパッド(4)となる金属部が母型(20)上に形成された半導体装置用基板」に相当する。
イ 引用発明の「3層構造のキャリア層」は、「キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された」ものであるから、「金属支持層(10)」に積層された「キャリア金属層(30)」は「3層構造のキャリア層」の最表層であるといえる。
したがって、引用発明の「キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された3層構造のキャリア層」は、本願発明1の「最表層となる第1基材(20a)を含む複数の基材が積層形成された」「前記母型(20)」に相当する。
ウ 引用発明の「3層構造のキャリア層」は、「キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された」ものであるから、引用発明の「キャリア金属層(30)」、「接着層(20)」、「金属支持層(10)」は、それぞれ、本願発明1の「最表層となる第1基材(20a)」、「接着性を有する樹脂」、「第2基材(20b)」に対応し、引用発明の「3層構造のキャリア層」と本願発明1とは、「前記第1基材(20a)は、接着性を有する層を介して第2基材(20b)上に接合され」た「前記母型(20)」である点で共通する。
但し、接着性を有する層が、本願発明1は「接着性を有する樹脂」であるのに対して、引用発明はそのような特定がない点で相違する。
エ 引用発明は「キャリア金属層(30)より、接着層(20)、金属支持層(10)を分離し、残存するキャリア金属層(30)を除去して半導体パッケージを完成する」のであるから、「キャリア金属層(30)」と「金属支持層(10)」は分離可能である。
そうすると、引用発明の「キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された3層構造のキャリア層」と本願発明1の「母型(20)」とは、「前記第1基材(20a)と前記第2基材(20b)は接合され、前記第1基材(20a)から前記第2基材(20b)を剥離除去可能な状態である」点で共通する。
但し、第1基材(20a)と第2基材(20b)が、本願発明1は「突弧面あるいは凹弧面どうしが対向する状態で接合され」るのに対して、引用発明はそのような特定がない点で相違する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点及び相違点があるといえる。
(一致点)
「装置底面に露出するリードまたはダイパッドとなる金属部が母型上に形成された半導体装置用基板であって、
前記母型は最表層となる第1基材を含む複数の基材が積層形成されたものであり、
前記第1基材は、接着性を有する層を介して第2基材上に接合され、
前記第1基材と前記第2基材は接合され、前記第1基材から前記第2基材を剥離除去可能な状態である半導体装置用基板。」
(相違点1)
接着性を有する層が、本願発明1は「接着性を有する樹脂」であるのに対して、引用発明はそのような特定がない点。
(相違点2)
第1基材と第2基材が、本願発明1は「突弧面あるいは凹弧面どうしが対向する状態で接合され」るのに対して、引用発明はそのような特定がない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、まず、相違点2について検討する。
引用文献2には、第一基板の凸面と、第一基板と接合される側の面が凸面を成すように反った第二基板を接合する複合基板の製造方法が記載されている(上記「第4 2」)。
しかしながら、引用文献2に「したがって、第一基板110Aの鏡面研磨された面110MPを接合面として、第一基板110Aと他の基板(第二基板120)とを接合すると、複合基板100A(100)の接合界面102に空洞Vが生じやすくなる(図13(B))。従って、接合界面102にこのような空洞Vが生じた場合、複合基板100Aを用いて製造される半導体素子などの最終製品の品質低下や歩留まり低下を招く原因となる。」(段落[0004])及び「本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、接合界面における空洞(基板の表面形状に起因する空洞)の発生を抑制することができる複合基板の製造方法、これを用いた半導体素子の製造方法、当該複合基板の製造方法を用いて製造された複合基板および半導体素子をを提供することを課題とする。」(段落[0006])と記載されているように、引用文献2記載の上記複合基板の製造方法は、最終製品の品質低下や歩留まり低下を招く原因となる接合界面における空洞の発生を防止するためのものであり、接合した状態で使用する複合基板において接合界面の品質を上げるためのものであるといえる。
したがって、引用文献2記載の上記複合基板の製造方法は、接合後に第一基板と第二基板を分離することは想定しておらず、また、分離のための技術を開示するものでもない。
そうすると、引用発明の「半導体チップ(70)を実装した後、接着層(20)、金属支持層(10)を分離」する「キャリア金属層(30)、接着層(20)、金属支持層(10)の順に積層された3層構造のキャリア層」に、引用文献2記載の上記製造方法を適用することの動機はない。
したがって、上記相違点2に係る構成は、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2及び3について
本願発明2及び3は、本願発明1の発明特定事項を全て含む発明であるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明4について
(1)対比
本願発明4は本願発明1に対応する製造方法の発明であり、本願発明1の基板を製造するために当然備えるべき工程により構成された発明であるから、本願発明1と引用発明との対比(上記「1 (1)」)を踏まえると、本願発明4と引用発明との間には、少なくとも次の相違点があるといえる。
(相違点3)
本願発明4は、「第2基材(20b)上に接着性を有する樹脂を介して前記第1基材(20a)を接合して」いるのに対して、引用発明は、そのような特定がない点。
(相違点4)
本願発明4は、「第1基材(20a)と第2基材(20b)」が、「突弧面あるいは凹弧面どうしが対向する状態で接合され」るのに対して、引用発明はそのような特定がない点。
(2)相違点についての判断
相違点4は上記相違点2と同様の相違点であり、上記相違点2について検討したように(上記「1 (2)」)、上記相違点4に係る構成は、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明4は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本願発明5について
(1)対比
本願発明5は、本願発明4の製造方法を用いて半導体装置を製造する半導体装置の製造方法の発明であり、本願発明1の基板を製造するために当然備えるべき工程を含む発明であるから、本願発明1と引用発明との対比(上記「1 (1)」)を踏まえると、本願発明5と引用発明との間には、少なくとも次の相違点があるといえる。
(相違点5)
本願発明5は、「第2基材(20b)上に接着性を有する樹脂を介して前記第1基材(20a)を接合して」いるのに対して、引用発明は、そのような特定がない点。
(相違点6)
本願発明5は、「第1基材(20a)と第2基材(20b)」が、「突弧面あるいは凹弧面どうしが対向する状態で接合され」るのに対して、引用発明はそのような特定がない点。
(2)相違点についての判断
相違点6は上記相違点2と同様の相違点であり、上記相違点2について検討したように(上記「1 (2)」)、上記相違点6に係る構成は、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明5は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
5 本願発明6について
本願発明6は、本願発明5の発明特定事項を全て含む発明であるから、本願発明5と同じ理由により、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定について
本願発明1ないし6は「前記第1基材(20a)と前記第2基材(20b)は、突弧面あるいは凹弧面どうしが対向する状態で接合され」という事項(前記「第5 1(2)」で検討した相違点2に係る構成)を有するものであり、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1及び2に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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