特許拒絶査定不服審判
2020-008042
配列用マスク
- 審判番号
- 2020-008042
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-143116
- 請求日
- 2020年06月10日
- 審決日
- 2021年10月05日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】マクセルホールディングス株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 酒井 朋広
- 審判官 山本 章裕
- 審判官 永井 啓司
- 分類
- P18 .121-WZ (H05K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2018-143116「配列用マスク」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月 1日出願公開、特開2018-170529〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1.手続の経緯
本願は、平成26年7月7日に出願された特願2014-139793号の一部を平成30年7月31日に新たな特許出願としたものであって、同年8月27日に手続補正がなされ、令和1年7月30日付けで拒絶理由が通知され、同年10月1日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月30日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年12月2日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年3月10日付けで拒絶査定されたところ、同年6月10日に拒絶査定不服審判の請求及び手続補正がされたものである。その後当審において令和3年3月10日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年5月10日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
2.本願発明
本願の請求項1、2に係る発明は、令和3年5月10日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載されたとおりのものと認められるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「 所定の配列パターンに対応した通孔(12)内に半田ボール(2)を振り込むことで、ワーク(3)上の所定位置に前記半田ボール(2)を搭載する配列用マスクであって、
前記通孔(12)からなるパターン領域が多数形成されたマスク本体(10)と、前記マスク本体(10)の前記ワーク(3)との対向面側に設けられた突起部(15)とを備え、
前記突起部(15)は、前記パターン領域内の前記通孔(12)が形成されていない位置および前記パターン領域間に形成されており、
前記パターン領域から該パターン領域間に形成された前記突起部(15)の根元までの寸法は、前記パターン領域内の前記通孔(12)間における前記通孔(12)縁から前記パターン領域内の前記通孔(12)が形成されていない位置に形成された前記突起部(15)の根元までの寸法より大きく、0.01mm以上に設定されており、
前記半田ボール(2)の大きさが50μm以下の半径寸法を有し、前記通孔(12)の大きさが前記半田ボール(2)の直径寸法よりも大きな内径寸法を有し、前記マスク本体(10)の厚みが10μm以上に設定され、前記突起部(15)の高さと前記マスク本体(10)の厚みとの比が2対1以上に設定され、前記突起部(15)の先端寸法と前記突起部(15)の根元寸法と前記通孔(12)間の幅寸法との比が1.0対1.2対1.4以上に設定されていることを特徴とする配列用マスク。」
3.当審拒絶理由の概要
本願の請求項1に対して、令和3年3月10日付けで当審が通知した拒絶理由の概要は次のとおりである。
(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献: 特開2014-107282号公報
4.引用文献の記載および引用発明
(1)引用文献の記載事項
上記引用文献(特開2014-107282号公報)には、「配列用マスク」について、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付した。)。
ア.「【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定の配列パターンに対応した開口を備え、開口内に半田ボールを振り込むことで、ワーク上の所定位置に半田ボールを搭載する配列用マスクであって、開口が多角形状であることを特徴とする。この開口は、四角形状であることが好ましい。
【0007】
また、開口寸法は、半田ボールの直径寸法の1.01以上1.2倍未満であることを特徴とする。」
イ.「【0012】
図1に示すように、マスク1は、ニッケルやニッケルコバルト等のニッケル合金、銅、その他の金属を素材として形成されたマスク本体10から成り、このマスク本体10にはこれを囲むように枠体11を装着できる。マスク本体10と枠体11とは、メッシュを介して接合しても良い。マスク本体10の盤面中央部には、各半導体チップ5に対応して、半田ボール2を投入するための多数独立の開口12からなるパターン領域が多数形成されている。開口12は、図2に示すように、ワーク3上における各半導体チップ5の電極6の配列位置に対応した配列パターンとなっている。半田ボール2は、100μm以下の直径寸法を有するものであり、各開口12は、当該ボール2が挿通できるように形成されている。
【0013】
マスク本体10には、補強用の枠体11を装着することができる。この枠体11は、アルミ、42アロイ、インバー材、SUS430等の材質からなる平板体であり、その盤面中央に、マスク本体10に対応する一つの四角形状の開口を備えており、一枚のマスク本体10を一枚の枠体11で保持している。枠体11は、マスク本体10よりも肉厚の成形品であり、マスク本体10の外周縁と不離一体的に接合される。この枠体11の厚み寸法は、例えば、0.05~1.0mm程度とし、ここでは、0.5mmに設定した。また、マスク本体10の厚みは、10μm以上が好ましく、ここでは、200μmに設定した。」
ウ.「【0014】
マスク本体10(マスク1)の下面側、すなわち、ワーク3との対向面側には、下方向に突出状の突起部15を設けることができる。詳しくは、図2及び図4(a)に示すように、パターン領域の外周(パターン領域間)にこのパターン領域を囲むように桟状の突起部15aを設けることができ、また、パターン領域内の開口12が形成されていない位置に突起部15bを設けることができる。この突起部15については、図3に示すように、突起部15aのみを設ける形態であっても良いし、図4(c)に示すように、突起部15bのみを設ける形態であっても良い。このように、係る突起部15を設けていれば、配列作業時において、ワーク3の上面に当接してマスク本体10とワーク3との対向間隙を確保できる。各々の突起部15、特に突起部15bにおいては、図2および図3に示すように、開口12間であって、マスク本体10の下面から先窄まるように形成されていることが好ましく、円錐台状を呈している。もちろん、四角錐台状であっても良い。また、突起部15の高さとマスク本体10の厚みとの比が2対1以上とするのが好ましく、上記マスク本体10の厚さが10~300μmの範囲内において、これを満足することがより好ましい。また、突起部15の先端寸法L1と付け根寸法L2との比が1対3以上であることが好ましい。さらに言えば、突起部15の先端寸法L1と付け根寸法L2と開口12間の幅との比が1対3対3以上であることが好ましい。また、この突起部15は、アスペクト比(突起部15の高さと先端寸法との比)が大きいものが好ましく、アスペクト比3としている。なお、図2、図3、図4(a)に示すように、隣り合うパターン領域間にはパターン領域を囲むようにして突起部15aを設けて、マスク1をワーク3に載置した時に当接するようにしているが、図4(b)に示すように、隣り合うパターン領域間全体が突起部15aとした形態であっても良いし、図4(c)に示すように、突起部15aを設けない形態であっても良い。また、突起部15を設けずにマスク本体10のみの形態であっても良い。また、図4において、符号15で図示しているのは、突起部15の下端面であり、突起部15の付け根は図示していない。」
エ.図1、図2、図4(a)として以下の図面が記載されている。
「【図1】
[図:0001380344000001.jpg]
【図2】
[図:0001380344000002.jpg]
【図4(a)】
[図:0001380344000003.jpg]
」
上記「ア.」ないし「エ.」から以下のことがいえる。
・段落【0006】によれば、所定の配列パターンに対応した開口を備え、開口内に半田ボールを振り込むことで、ワーク上の所定位置に半田ボールを搭載する配列用マスクが記載されている。
・段落【0012】によれば、マスク本体10には、半田ボール2を投入するための多数独立の開口12からなるパターン領域が多数形成されており、また、段落【0014】によればマスク本体10のワーク3との対向面側には、下方向に突出状の突起部15が設けられている。
・突起部に関して段落【0014】によれば、パターン領域間に突起部15aを設け、パターン領域内の開口12が形成されていない位置に突起部15bを設けている。
・段落【0012】によれば、半田ボール2は、100μm以下の直径寸法を有しており、また、段落【0007】【0012】によれば、開口寸法は、半田ボールの直径寸法の1.01以上1.2倍未満であり、各開口12は半田ボール2が挿通できるものといえる。
・段落【0013】によれば、マスク本体10の厚みは、10μm以上といえ、段落【0014】によれば、突起部15の高さとマスク本体10の厚みとの比が2対1以上であり、さらに、突起部15の先端寸法L1と付け根寸法L2と開口12間の幅との比が1対3対3以上である。
(2)引用発明
以上のことから、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「所定の配列パターンに対応した開口を備え、開口内に半田ボールを振り込むことで、ワーク上の所定位置に半田ボールを搭載する配列用マスクであって、
マスク本体10には、半田ボール2を投入するための多数独立の開口12からなるパターン領域が多数形成され、また、マスク本体10のワーク3との対向面側には、下方向に突出状の突起部15が設けられ、
パターン領域間に突起部15aを設け、パターン領域内の開口12が形成されていない位置に突起部15bを設け、
半田ボール2は、100μm以下の直径寸法を有しており、また、開口寸法は、半田ボールの直径寸法の1.01以上1.2倍未満であり、各開口12は半田ボール2が挿通でき、マスク本体10の厚みは、10μm以上であり、突起部15の高さとマスク本体10の厚みとの比が2対1以上であり、さらに、突起部15の先端寸法L1と付け根寸法L2と開口12間の幅との比が1対3対3以上である、
配列用マスク。」
5.対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア.引用発明の「開口」は、所定の配列パターンに対応し、半田ボールを振り込まれる孔といえるから、本願発明の「通孔(12)」に相当し、引用発明の「所定の配列パターンに対応した開口を備え、開口内に半田ボールを振り込むことで、ワーク上の所定位置に半田ボールを搭載する配列用マスク」が本願発明の「所定の配列パターンに対応した通孔(12)内に半田ボール(2)を振り込むことで、ワーク(3)上の所定位置に前記半田ボール(2)を搭載する配列用マスク」に相当する。
イ.引用発明の配列用マスクでは「マスク本体10のワーク3との対向面側には、下方向に突出状の突起部15が設けられ」ているから、配列用マスクはマスク本体10と突起部15から構成されているといえる。そして、引用発明のマスク本体10には、半田ボール2を投入するための多数独立の開口12からなるパターン領域が多数形成されている。したがって、引用発明の「マスク本体10には、半田ボール2を投入するための多数独立の開口12からなるパターン領域が多数形成され、また、マスク本体10のワーク3との対向面側には、下方向に突出状の突起部15が設けられ」る構成は、本願発明の配列用マスクが「前記通孔(12)からなるパターン領域が多数形成されたマスク本体(10)と、前記マスク本体(10)の前記ワーク(3)との対向面側に設けられた突起部(15)とを備え」ている構成に相当する。
ウ.引用発明の「パターン領域間に突起部15aを設け、パターン領域内の開口12が形成されていない位置に突起部15bを設け」る構成は、本願発明の「前記突起部(15)は、前記パターン領域内の前記通孔(12)が形成されていない位置および前記パターン領域間に形成されて」いる構成に相当する。
エ.本願発明では「前記パターン領域から該パターン領域間に形成された前記突起部(15)の根元までの寸法は、前記パターン領域内の前記通孔(12)間における前記通孔(12)縁から前記パターン領域内の前記通孔(12)が形成されていない位置に形成された前記突起部(15)の根元までの寸法より大きく、0.01mm以上に設定されて」いるが、引用発明では当該事項について特定されていない。
オ.引用発明の「半田ボール2は、100μm以下の直径寸法を有して」いることは、直径を半径に換算すると50μm以下となるから、本願発明の「前記半田ボール(2)の大きさが50μm以下の半径寸法を有」することに相当する。
カ.引用発明では、「開口寸法は、半田ボールの直径寸法の1.01以上1.2倍未満であり、各開口12は半田ボール2が挿通でき」るから、開口寸法は半田ボールの直径寸法より大きいといえる。したがって、引用発明と本願発明とは「前記通孔(12)の大きさが前記半田ボール(2)の直径寸法よりも大きな内径寸法を有」するといえる点で共通する。
キ.引用発明の「マスク本体10の厚みは、10μm以上であり、突起部15の高さとマスク本体10の厚みとの比が2対1以上であ」る構成は本願発明の「前記マスク本体(10)の厚みが10μm以上に設定され、前記突起部(15)の高さと前記マスク本体(10)の厚みとの比が2対1以上に設定され」ることに相当する。
ク.引用発明では「突起部15の先端寸法L1と付け根寸法L2と開口12間の幅との比が1対3対3以上である」のに対して、本願発明では「前記突起部(15)の先端寸法と前記突起部(15)の根元寸法と前記通孔(12)間の幅寸法との比が1.0対1.2対1.4以上に設定されている」点で相違している。
よって上記「ア.」ないし「ク.」によれば、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致ないし相違すると認める。
(一致点)
「 所定の配列パターンに対応した通孔内に半田ボールを振り込むことで、ワーク上の所定位置に前記半田ボールを搭載する配列用マスクであって、
前記通孔からなるパターン領域が多数形成されたマスク本体と、前記マスク本体の前記ワークとの対向面側に設けられた突起部とを備え、
前記突起部は、前記パターン領域内の前記通孔が形成されていない位置および前記パターン領域間に形成されており、
前記半田ボールの大きさが50μm以下の半径寸法を有し、前記通孔の大きさが前記半田ボールの直径寸法よりも大きな内径寸法を有し、前記マスク本体の厚みが10μm以上に設定され、前記突起部の高さと前記マスク本体の厚みとの比が2対1以上に設定されていることを特徴とする配列用マスク。」
(相違点1)
本願発明では「前記パターン領域から該パターン領域間に形成された前記突起部の根元までの寸法は、前記パターン領域内の前記通孔間における前記通孔縁から前記パターン領域内の前記通孔が形成されていない位置に形成された前記突起部の根元までの寸法より大きく、0.01mm以上に設定されて」いるが、引用発明では当該事項について特定されていない点。
(相違点2)
本願発明では「前記突起部の先端寸法と前記突起部の根元寸法と前記通孔間の幅寸法との比が1.0対1.2対1.4以上に設定されている」のに対して、引用発明では「突起部15の先端寸法L1と付け根寸法L2と開口12間の幅との比が1対3対3以上である」点。
(2)判断
相違点1について検討する。
通孔と突起部の根元までの寸法は、フラックスが突起部に付着しないように一定の距離を開けることが望ましいことが明らかであるところ、パターン領域内では多数の開口が存在するため、一定の距離を確保するためには困難性を伴う。これに対し、隣り合うパターン領域の間には、引用文献の段落【0011】に「なお、ワーク3は、バンプの形成後に個片に切断され、個々のLSIチップとされる。 」と記載されているように、バンプ形成後の切断のため一定の間隔が設けられ、パターン領域からパターン領域間に形成された突起部の根元までの距離が容易に確保できることは明らかである。そうしてみると「前記パターン領域から該パターン領域間に形成された前記突起部の根元までの寸法は、前記パターン領域内の前記通孔間における前記通孔縁から前記パターン領域内の前記通孔が形成されていない位置に形成された前記突起部の根元までの寸法より大きく」構成することは当業者が容易に想到できた事項にすぎない。そして、このような構成は、引用文献の図2、図4(a)の記載にも矛盾しない。
また、「前記パターン領域から該パターン領域間に形成された前記突起部の根元までの寸法」はフラックスのマスクへの付着防止の観点から、隣り合うパターン領域の間の距離、突起部の高さ、マスク本体の厚みなどに応じて適宜設定されるものであるところ、パターン領域から該パターン領域間に形成された突起部の根元までの寸法を0.01mm(10μm)以上とすることは、引用発明において特定されている半田ボール2の直径が100μm以下、マスク本体10の厚みが10μm以上であることを考慮しても特異な値とはいえないことに鑑みれば、当業者が適宜設定し得た程度の事項にすぎない。
次に、相違点2について検討する。
引用発明の「突起部15の先端寸法L1」「付け根寸法L2」「開口12間の幅」は、それぞれ本願発明の「突起部(15)の先端寸法」「突起部(15)の根元寸法」「通孔(12)間の幅寸法」に相当する。そうしてみると、本願発明の「前記突起部(15)の先端寸法と前記突起部(15)の根元寸法と前記通孔(12)間の幅寸法との比が1.0対1.2対1.4以上」である範囲と、引用発明の「突起部15の先端寸法L1と付け根寸法L2と開口12間の幅との比が1対3対3以上」である範囲とには共通する数値範囲が含まれるから、相違点2は実質的な相違点とはいえない。
仮に、本願明細書の段落【0014】の「突起部15の根元寸法L2は、突起部15の先端寸法L1の1.0~1.5倍とするのが好ましく、本実施形態では1.2倍に設定している。さらに、突起部15の先端寸法L1と根元寸法L2と通孔12間の幅寸法L3との比が1対1.2対1.4以上であることが好ましい。」との記載から、本願発明の「前記突起部(15)の先端寸法と前記突起部(15)の根元寸法と前記通孔(12)間の幅寸法との比が1.0対1.2対1.4以上」との記載の意味が、突起部15の先端寸法L1と突起部15の根元寸法L2との比は1対1.2であり、かつ、突起部15の先端寸法L1と通孔12間の幅寸法L3との比が1対1.4以上となることを意味していたとしても、「突起部(15)の先端寸法」「前記突起部(15)の根元寸法」及び「前記通孔(12)間の幅寸法」は、フラックスが突起部に付着しないようにフラックスの性質や突起部の強度等を総合勘案して設定される値であり、上記【0014】を参酌してみても「1.2」や「1.4」の数値に格別な技術的異議を認めることはできないから、これらを本願発明のような比率に設計することも、当業者の通常の創意工夫により成し得た程度の事項であり格別のものとはいえない。
そして、上記各相違点を総合勘案しても、本願発明が奏する効果は、引用発明から当業者が予測できたものであって、格別顕著な効果があるとはいえない。
6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-008042