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意匠拒絶査定不服審判

2020-011240

包装用容器

審判番号
2020-011240
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2019-019370外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年08月13日
審決日
2020年12月16日
公報発行日
2021年02月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
D18 .113-WY (F4-7)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
意匠法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

意願2019-19370「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 9項目
【理 由】

第1 手続の経緯

本願は,令和1年(2019年)8月30日の意匠登録出願であって,令和2年3月26日付けの拒絶理由の通知に対し,同年5月9日に意見書が提出されたが,同年7月30日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年8月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠

電気通信回線の種類    インターネット

掲載確認日(公知日)   2009年 3月16日

受入日          特許庁意匠課受入2009年 3月23日

掲載者          PepsiCo,Inc.

表題           Tropicana

掲載ページのアドレス   http://www.tropicanapure.com/juice_finder/detail/single_serve/index.html#

に掲載された「包装用容器」の形状(キャップを除く)の意匠(Tropicana pure premium)

(特許庁意匠課公知資料番号第HJ20071241号)

第4 当審の判断

1 本願意匠

(1)意匠に係る物品

本願意匠の意匠に係る物品は「包装用容器」である。

(2)本願意匠の形状

ア 本願意匠は,概略,有底の略円筒状であって,頂上に細口が突出して設けてある。

イ 円筒状の口部,略半球面状の肩・胸部,くの字状のくびれ部,略円筒状の下半部から成り,その全体形状は,ドレスフォームのようである。

ウ 全高を100としたときの各部の寸法比は,口部の直径が約18,最大径(肩・胸部の最大径,及び下半部の径)が約35,くびれ部の最小径が約29,口部の高さは約11,肩・胸部の高さは約16,くびれ部の高さは約32(くびれ部上側(くびれ部の最小径より上の部分)の高さは約15,くびれ部下側の高さは約17),下半部の高さは約41である。

エ 肩・胸部の上側約5分の2は横広がりの曲線で,下側約5分の3は縦長の曲線で,2つの曲率の曲線で構成している。

オ くびれ部上側は,略直線状にくびれている。

カ くびれ部下側は,なだらかな曲線である。

キ 下半部の下端は,小さなRで底面につながっている。

2 引用意匠

(1)意匠に係る物品

引用意匠の意匠に係る物品は「包装用容器」である。

(2)引用意匠の形状

ア 引用意匠は,概略,有底の略円筒状であって,頂上に細口が突出して設けてある。

イ 円筒状の口部,略半球面状の肩・胸部,くの字状のくびれ部,略円筒状の下半部から成り,その全体形状は,ドレスフォームのようである。

ウ 全高を100としたときの各部の寸法比は,口部の直径が約20,最大径(肩・胸部の最大径,及び下半部の径)が約34,くびれ部の最小径が約28,口部の高さは約17,肩・胸部の高さは約15,くびれ部の高さは約30(くびれ部上側(くびれ部の最小径より上の部分)の高さは約12,くびれ部下側の高さは約18),下半部の高さは約38である。

エ 肩・胸部は,1つの曲率の曲線で構成している。

オ くびれ部上側は,S字状にくびれている。

カ くびれ部下側は,やや張りのある曲線である。

キ 下半部の下端は,大きくなだらかな曲線で底面につながっている。

3 両意匠の対比

(1)意匠に係る物品の対比

本願意匠に係る物品も,引用意匠に係る物品も,共に「包装用容器」である。

(2)両意匠の形状の対比

両意匠の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。

ア 共通点について

(ア)全体が,概略では,有底の略円柱状であって,頂上に細口が突出して設けた点。

(イ)円筒状の口部,略半球面状の肩・胸部,くの字状のくびれ部,略円筒状の下半部から成り,その全体形状は,ドレスフォームのようである点。

イ 相違点について

(ア)全高を100としたときの各部の寸法比につき,

口部の直径:最大径(肩・胸部の最大径,及び下半部の径):くびれ部の最小径が,本願意匠は,約18:35:29であるのに対して,引用意匠は,約20:34:28であり,
口部の高さ:肩・胸部の高さ:くびれ部の高さ(くびれ部上側(くびれ部の最小径より上の部分):くびれ部下側の高さ):下半部の高さが,本願意匠は,約11:16:32(15:17):41であるのに対して,引用意匠は,約17:15:30(12:18):38である点。

(イ)肩・胸部の曲線につき,本願意匠は,上側約5分の2は横広がりの曲線で,下側約5分の3は縦長の曲線で,2つの曲率の曲線で構成しているのに対して,引用意匠は,1つの曲率の曲線で構成している点。

(ウ)くびれ部上側の形状につき,本願意匠は,略直線状であるのに対して,引用意匠は,S字状である点。

(エ)くびれ部下側の形状につき,本願意匠は,なだらかな曲線であるのに対して,引用意匠は,やや張りのある曲線である点。

(オ)下半部の下端の形状につき,本願意匠は,小さなRで底面につながっているのに対して,引用意匠は,大きくなだらかな曲線で底面につながっている点。

4 判断

(1)意匠に係る物品の類否判断

両意匠の,意匠に係る物品は,いずれも「包装用容器」であるから,一致している。

(2)両意匠における形状の評価

ア 共通点について

共通点(ア)については,この種物品分野においては,ごくありふれた形状と認められ,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。

共通点(イ)については,頂上に細口を設けた略円柱状のこの種物品においても,略半球面状の肩・胸部,くの字状のくびれ部,略円筒状の下半部から成る,全体がドレスフォームのような形状であるものは,特徴的であって,両意匠の全体に関わる根幹的な形状ではあるが,本願の出願前より公知の意匠として,同様の形状のものが多数見受けられ,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。

イ 相違点について

相違点(ア)のうちでも,とりわけ本願意匠の口部について,高さが全高の約9分の1で,太さが本体(口部以外の部分)の最大径の約5割であることから,本願意匠は,口部が小さく,本体の背が高く大きく見えるのに対して,引用意匠の口部は,高さが全高の約6分の1で,太さが本体の最大径の約6割であることから,引用意匠は,口部が大きく目立ち,本体の背が低く太く見え,口部の相違に起因して,両意匠の全体にかかわる形状について別異の印象を与えるものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。

相違点(イ),同(ウ)及び同(エ)は,相違点(ア)と相まって,本願意匠は,肩・胸部の下側約5分の3の曲線が縦長で,くびれ部上側が略直線状で,くびれ部下側がなだらかな曲線で構成したものであるから,全体に縦長で滑らかな印象を醸し出しているのに対して,引用意匠は,肩・胸部の曲線が一定で,くびれ部上側がS字状で,くびれ部下側がやや張りのある曲線であるから,全体に横方向が強調されためりはりのある印象を醸し出しているため,両意匠の全体にかかわる形状について別異の印象を与えるものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。

相違点(オ)については,通常の観察において目に付きにくい部分の相違であるから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。

(3)両意匠における形状の類否判断

以上のとおり,共通点は,両意匠の類否判断に与える影響は,小さいものであり,これらの共通点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点(ア)ないし(エ)によっては,需要者に別異の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。

そうすると,本願意匠の形状と引用意匠の形状は,類似するとは認められない。

(4)両意匠における類否判断

よって,両意匠は,意匠に係る物品が一致するが,上記のとおり本願意匠と引用意匠の形状は類似するものではないから,本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。

5 結び

したがって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2020-011240

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