審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2020-010676

LTEシステムにおける低減能力WTRUのためのランダムアクセスおよびページングの手順のサポート

審判番号
2020-010676
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-508682外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年07月31日
審決日
2021年06月16日
公報発行日
2021年08月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-508682「LTEシステムにおける低減能力WTRUのためのランダムアクセスおよびページングの手順のサポート」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月18日国際公開、WO2016/025899、平成29年10月12日国内公表、特表2017-530605、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2015年(平成27年)8月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年8月15日 米国、2014年11月5日 米国、2015年4月17日 米国、2015年5月13日 米国、2015年8月12日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 8月14日  :手続補正書の提出 平成30年 8月17日  :手続補正書の提出 平成31年 4月12日付け:拒絶理由通知書 令和 元年10月23日  :意見書、手続補正書の提出 令和 2年 3月26日付け:拒絶査定 令和 2年 7月31日  :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出 令和 2年 9月16日  :手続補正書(方式)の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和2年3月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 (進歩性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。               記 ・請求項1及び2、8ないし10、13及び14に対して、引用文献1及び2 ・請求項3及び4、11及び12、15に対して、引用文献1ないし3 ・請求項5ないし7、16ないし18に対して、引用文献1並びに2及び4 引用文献等一覧 1.Samsung,PRACH Coverage Enhancements for MTC UEs[online], 3GPP TSGRAN WG1♯76 R1-140355,2014年 2月14日(以下、「引用文献1」という。) 2.Sharp,On PRACH coverage enhancement for MTC UE[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140640,2014年 2月14日(以下、「引用文献2」という。) 3.LG Electronics,RACH procedure for MTC coverage enhancement[online],3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140305,2014年 2月14日(以下、「引用文献3」という。) 4.Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Coverage enhancement for RACH messages[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140153,2014年 2月14日(以下、「引用文献4」という。) 第3 本願発明 本願請求項1ないし18に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明18」という。)は、令和2年7月31日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし18に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)によって実施される方法であって、 物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指令を受信するステップであって、前記PDCCH指令は前記WTRUがランダムアクセス手順を開始することになることを示しており、前記PDCCH指令は前記ランダムアクセス手順のために使用されることになるカバレッジ拡張(CE)レベルを含んでいる、ステップと、 前記受信されたPDCCH指令に基づいて、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースを使用してプリアンブルを送信するステップと、 前記プリアンブルを反復するステップであって、前記プリアンブルの反復の数は、前記PDCCH指令に含まれた前記CEレベルに基づいている、ステップと を含むことを特徴とする方法。 【請求項2】 前記CEレベルに基づいてPRACHリソースを選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 応答ウィンドウ内でランダムアクセス応答(RAR)を受信するステップをさらに含み、前記応答ウィンドウの少なくとも1つのパラメータは前記CEレベルの関数として決定される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項4】 前記少なくとも1つのパラメータは、前記応答ウィンドウの長さを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。 【請求項5】 前記CEレベルに基づいて、ランダムアクセス応答(RAR)についてPDCCHを監視することを開始するための位置を決定するステップをさらに含み、前記位置はサブフレームまたは周波数リソースのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項6】 前記決定された位置は、前記プリアンブルの最後の反復のサブフレームの3サブフレーム後であることを特徴とする請求項5に記載の方法。 【請求項7】 前記決定された位置で、前記RARについて前記PDCCHを監視することを開始するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。 【請求項8】 前記PDCCH指令のためのダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットは、前記CEレベルを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項9】 前記CEレベルは、開始CEレベルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項10】 前記CEレベルに基づいてPRACHリソースを選択するステップと、前記選択されたPRACHリソースを使用して前記プリアンブルを送信するステップと、前記CEレベルに基づいて前記プリアンブル送信を反復するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項11】 前記CEレベルと、ランダムアクセス応答(RAR)が受信される応答ウィンドウのパラメータとの間の関係を提供する構成を受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項12】 前記構成はシステム情報の中で受信されることを特徴とする請求項11に記載の方法。 【請求項13】 ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)であって、 送受信機と、 前記WTRUに、 物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指令を受信し、前記PDCCH指令は前記WTRUがランダムアクセス手順を開始することになることを示しており、前記PDCCH指令はさらに前記ランダムアクセス手順のために使用されることになるカバレッジ拡張(CE)レベルを含んでおり、 前記受信されたPDCCH指令に基づいて、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースを使用してプリアンブルを送信し、 前記プリアンブルを反復し、前記プリアンブルの反復の数は、前記PDCCH指令に含まれた前記CEレベルに基づいているようにさせる命令を実行するためのプロセッサと を備えたことを特徴とするWTRU。 【請求項14】 前記プロセッサは、前記CEレベルに基づいてPRACHリソースを選択するように構成されたことを特徴とする請求項13に記載のWTRU。 【請求項15】 前記プロセッサは、応答ウィンドウ内でランダムアクセス応答(RAR)を受信するように構成され、前記応答ウィンドウの少なくとも1つのパラメータは前記CEレベルの関数として決定され、前記少なくとも1つのパラメータは前記応答ウィンドウの長さを含むことを特徴とする請求項13に記載のWTRU。 【請求項16】 前記プロセッサは、前記CEレベルに基づいて、ランダムアクセス応答(RAR)についてPDCCHを監視することを開始するための位置を決定するように構成され、前記位置はサブフレームまたは周波数リソースのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項13に記載のWTRU。 【請求項17】 前記決定された位置は、前記プリアンブルの最後の反復のサブフレームの3サブフレーム後であることを特徴とする請求項16に記載のWTRU。 【請求項18】 前記プロセッサは、前記決定された位置で、前記RARについて前記PDCCHを監視することを開始するように構成されたことを特徴とする請求項16に記載のWTRU。」 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された、Samsung,PRACH Coverage Enhancements for MTC UEs(当審訳:MTC UEのためのPRACHカバレッジの強化)[online], 3GPP TSGRAN WG1♯76 R1-140355,2014年 2月14日,には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「2.3 Maximum Number of CE Levels The current working assumption is for a maximum of 3 CE levels (the network can implicitly/explicitly configure the actual number), not including a zero CE level. This numbers provides a good balance between adjusting the granularity of RA preamble repetitions and limiting a resource fragmentation and an associated signaling. The RA preamble repetitions for each CE level can be adjusted by selecting the range for each of the 3 CE levels. This can be later decided based on the final number of RA preamble repetitions, particularly in conjunction with increasing the RA preamble miss probability to 10%, and possibly after further adjustments by RAN4. The number of RA preamble repetitions per CE level should be configurable by the network in order to allow the implementation to select and account for the various operating characteristics (channel, receiver, UE distributions, etc.) (後略)」(2ページ27行目ないし2ページ35行目) (当審訳: 2.3 CEレベルの最大数 現在の想定では、ゼロのCEレベルを除いて、最大3つのCEレベル(ネットワークは実際の数を暗黙的または明示的に設定できる)を想定している。この数字は、RAプリアンブルの繰り返しの粒度を調整することと、リソースの断片化とそれに伴うシグナリングを制限することのバランスが取れている。各CEレベルのRAプリアンブルの繰り返しは、3つのCEレベルそれぞれの範囲を選択することで調整できる。これは、特にRAプリアンブルのミス確率を10%にすることと併せて、最終的なRAプリアンブルの繰り返し数に基づいて後から決定することができ、場合によってはRAN4による更なる調整後に決定することができる。CEレベルごとのRAプリアンブルの繰り返し数は、様々な動作特性(チャネル、受信機、UEの分布など)を考慮して実装を選択できるように、ネットワークによって設定可能であるべきである。(後略)) 上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 ア 上記「2.3 CEレベルの最大数」には、「各CEレベルのRAプリアンブルの繰り返しは、3つのCEレベルそれぞれの範囲を選択することで調整できる。」、「CEレベルごとのRAプリアンブルの繰り返し数は、様々な動作特性(チャネル、受信機、UEの分布など)を考慮して実装を選択できるように、ネットワークによって設定可能であるべきである。」と記載されている。 そうすると、引用文献1には、「各CEレベルのRAプリアンブルの繰り返しは、3つのCEレベルで調整でき、CEレベルごとのRAプリアンブルの繰り返し数は、ネットワークによって設定可能である」ことが記載されている。 イ 引用文献1は、タイトルにあるとおり、「MTC UEのためのPRACHカバレッジの強化」について記載されたものであるから、引用文献1は、「MTC UEのためのPRACHカバレッジの強化の方法」について記載されているといえる。 以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 MTC UEのためのPRACHカバレッジの強化の方法であって、 各CEレベルのRAプリアンブルの繰り返しは、3つのCEレベルで調整でき、CEレベルごとのRAプリアンブルの繰り返し数は、ネットワークによって設定可能である、 方法。」 2 引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された、Sharp,On PRACH coverage enhancement for MTC UE(当審訳:MTC UEのPRACHカバレッジ強化について)[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140640,2014年 2月14日には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「2.3 On the repetition level after RRC connection RAN1 #74bis has agreed that after the initial random access procedure, for a physical channel using repetition, the repetition level is up to the network. It means that the starting PRACH CE level should be up to the network in RRC_CONNECTED mode. Once a UE’s starting PRACH CE level is configured by the network, the UE shall start its RA attempt accordingly. Specifically, there are two options for configuring the starting PRACH CE level in RRC_CONNECTED mode as follows. ・Option 1: configured by explicit signalling. ・Option 2: configured by implicit signalling, i.e., eNB chooses one channel (e.g., PDCCH) as the reference channel, and based on the configuration of the reference channel the UE infers the PRACH CE level. (後略)」(4ページ6行目~4ページ15行目) (当審仮訳: 2.3 RRC接続後のリピートレベルについて RAN1 #74bisでは、最初のランダムアクセス手順の後、繰り返しを使用する物理チャネルでは、繰り返しレベルはネットワーク次第であることが合意されている。これは、RRC_CONNECTEDモードでは、開始PRACH CEレベルはネットワーク次第であることを意味する。UEの開始PRACH CEレベルがネットワークによって設定されると、UEはそれに応じてRAの試みを開始する必要がある。具体的には、RRC_CONNECTEDモードでの開始PRACH CEレベルの設定には、以下の2つのオプションがある。 選択肢 1:明示的なシグナリングにより設定する。 選択肢 2:暗黙的なシグナリングにより設定される。すなわち、eNBが1つのチャネル(例えばPDCCH)を参照チャネルとして選択し、参照チャネルの設定に基づいてUEがPRACH CEレベルを推定する。 (後略)) 上記「2.3 RRC接続後のリピートレベルについて」には、「UEの開始PRACH CEレベルがネットワークによって設定されると、UEはそれに応じてRAの試みを開始する必要がある。」、「eNBが1つのチャネル(例えばPDCCH)を参照チャネルとして選択し、参照チャネルの設定に基づいてUEがPRACH CEレベルを推定する。」と記載されている。 そうすると、引用文献2には、「UEの開始PRACH CEレベルがネットワークによって暗黙的なシグナリングにより設定されるものであり、それはeNBがPDCCHを参照チャネルとして選択し、当該参照チャネルの設定に基づいて、UEが開始PRACH CEレベルを推定する。」という技術事項が記載されていると認められる。 3 引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された、LG Electronics,RACH procedure for MTC coverage enhancement(当審訳:MTCカバレッジ強化のためのRACH手順)[online],3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140305,2014年 2月14日には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「2. RACH procedure for converage enhancement of the MTC UEs (中略) ■ Subsequent messages After transmitting the PRACH (with repetition over multiple subframes), the MTC UE may be expected to receive the corresponding RAR conveying some relevant information (e.g. TA command, etc.). Due to the coverage limitation of the MTC UE, RAR might also have to be transmitted/received by applying time domain repetition. To support this operation, information related to RAR repetition (e.g. repetition number for both RAR and corresponding PDCCH) is to be preconfigured via SIB,and this information is to be linked to each PRACH repetition level. Moreover, determination of RAR window size for reception of RAR repetition is to be considered for the MTC UEs by taking both RAR latency of the MTC UE and potential impact on legacy UE into account. In addition to this, determination of RA-RNTI value used for decoding of the PDCCH to schedule RAR is to be reconsidered for the MTC UEs as well, by taking duration/repetition and transmit timing of the PRACH into account. (後略)」(2ページ1行目~2ページ28行目) (当審仮訳: 2. MTC UEのコンバージェンス向上のためのRACH手順 (中略) ■後続のメッセージ PRACHを送信した後(複数のサブフレームで反復)、MTC UEはいくつかの関連情報(例:TAコマンドなど)を伝える対応するRARを受信することが期待される。MTC UEのカバレッジ制限により、時間領域反復を適用してRARを送信/受信しなければならない場合もある。この動作をサポートするために、RAR反復に関連する情報(RARと対応するPDCCHの反復数など)がSIBを介して事前に設定され、この情報は各PRACHの反復レベルにリンクされる。さらに、RAR反復の受信のためのRARウィンドウ・サイズの決定は、MTC UEのRAR遅延とレガシーUEへの潜在的な影響の両方を考慮して、MTC UEに対して検討されるべきである。これに加えて、RARをスケジューリングするためのPDCCHの復号に使用されるRA-RNTI値の決定は、PRACHの持続時間/反復時間および送信タイミングを考慮して、MTC UEについても再検討されるべきである。 (後略)) 上記「2 MTC UEのコンバージェンス向上のためのRACH手順」には、「RAR反復に関連する情報(RARと対応するPDCCHの反復数など)がSIBを介して事前に設定され、この情報は各PRACHの反復レベルにリンクされる。」、「RAR反復の受信のためのRARウィンドウ・サイズの決定は、MTC UEのRAR遅延とレガシーUEへの潜在的な影響の両方を考慮して、MTC UEに対して検討されるべきである」と記載されている。ここで、上記「RAR反復に関連する情報」は「SIBを介して事前に設定され」るものであり、「SIB」とは基地局からUEに対して送信されるシステム情報であることが技術常識であるから、当該情報が設定されるのは「UE」といえる。また、上記記載は「2 MTC UEのコンバージェンス向上のためのRACH手順」に関するものであるから、該RACH手順はMTC UEのためのものであることは自明であり、上記「UE」が「MTC UE」であることは明らかである。 そうすると、引用文献3には、「MTC UEは、SIBを介してPRACHの反復レベルにリンクしたRAR反復に関連する情報が設定され、RAR反復の受信のためのRARウィンドウ・サイズはMTC UEのRAR遅延等を考慮して決定する。」という技術事項が記載されていると認められる。 4 引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された、Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Coverage enhancement for RACH messages(当審訳:RACHメッセージのカバレッジ・エンハンスメント)[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯76 R1-140153,2014年 2月14日には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。) 「2.1 RAR (中略) In the legacy system, there is a delay of 3 subframes between PRACH and the start of the RAR transmission window. Following similar principles for CE operation, the start of PDCCH repetition for RAR can be defined to occur at the first valid starting point for the relevant repetition level, after a fixed delay TRAR (e.g. 1 radio frame) after the end of the PRACH preamble repetition. Figure 1 shows an example of the proposed preamble and PDCCH timing relationship. The delay TRAR allows the eNB to decode the preamble and allocate the corresponding RAR. (後略)」(1ページ15行目~2ページ3行目) (当審仮訳: 2.1 RAR (中略) レガシーシステムでは、PRACHとRAR送信ウィンドウの開始の間に3サブフレームの遅延がある。CEの動作原理と同様に、RARのPDCCH反復の開始は、PRACHプリアンブル反復の終了後、一定の遅延TRAR(例えば1無線フレーム)の後、関連する反復レベルの最初の有効な開始点で発生すると定義することができる。図1に、提案されているプリアンブルとPDCCHのタイミング関係の一例を示す。遅延TRARにより、eNBはプリアンブルをデコードし、対応するRARを割り当てることができる。 (後略)) 上記「2.1 RAR」には、「PRACHとRAR送信ウィンドウの開始の間に3サブフレームの遅延がある。」と記載されている。ここでRARとは、ランダムアクセスレスポンスの略であり、ランダムアクセスレスポンスはPDCCHが用いられ、端末がPDCCHをブラインドデコーディングすること、すなわち、端末がPDCCHを監視することによって、RARが存在することを認識するものであることは技術常識である。 そうすると、引用文献4には、「端末はPRACHから3サブフレーム後のPDCCHを監視することによって、RARの存在を認識する。」という技術事項が記載されていると認められる。 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。 ア 引用発明の「MTC UE」は、本願発明1の「ワイヤレス送受信ユニット」に含まれる。また、引用発明は、「CEレベルごとのRAプリアンブルの繰り返し数は、ネットワークによって設定」されるものであり、「MTC UE」が設定された繰り返し数だけ、RAプリアンブルを送信することは明らかであるから、「MTC UEのためのPRACHカバレッジの強化の方法」は「MTC UE」によって実施される方法といえる。 そうすると、引用発明の「MTC UEのためのPRACHカバレッジの強化の方法」は、ワイヤレス送受信ユニットによって実施される方法であるといえるから、本願発明1と引用発明は「ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)によって実施される方法」について記載されているという点で一致する。 イ 引用発明は「各CEレベルのRAプリアンブルの繰り返しは、3つのCEレベルで調整でき、CEレベルごとのRAプリアンブルの繰り返し数は、ネットワークによって設定可能である」ものであり、該記載から、引用発明は、RAプリアンブル、すなわちランダムアクセスプリアンブルを繰り返し数だけ送信するものであるといえる。また、ランダムアクセスプリアンブルを送信する際に、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースを使用すること、及び、ランダムアクセスプリアンブルを送信する前に物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指示を受信すること、は技術常識である。 そうすると、本願発明1と引用発明は、「物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指令を受信するステップ」、「物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースを使用してプリアンブルを送信するステップ」を有する点で共通する。 ウ 引用発明は、CEレベルごとのRAプリアンブルの繰り返し数が、ネットワークによって設定可能であるものであるから、RAプリアンブルの繰り返し数、すなわちプリアンブルの反復の数はCEレベルに基づいているといえる。 そうすると、本願発明1と引用発明は、「プリアンブルを反復するステップであって、プリアンブルの反復の数は、CEレベルに基づいてる、ステップ」を有する点で共通する。 以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「 ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)によって実施される方法であって、 物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指令を受信するステップと、 物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースを使用してプリアンブルを送信するステップと、 プリアンブルを反復するステップであって、プリアンブルの反復の数は、CEレベルに基づいている、ステップ、 を含む方法。」 (相違点) 本願発明1では,物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指令を受信するステップについて、「前記PDCCH指令は前記WTRUがランダムアクセス手順を開始することになることを示しており、前記PDCCH指令は前記ランダムアクセス手順のために使用されることになるカバレッジ拡張(CE)レベルを含んでいる」ものであり、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースを使用してプリアンブルを送信するステップについて、「前記受信されたPDCCH指令に基づ」くものであるものであり、また、プリアンブルを反復するステップであって、プリアンブルの反復の数は、CEレベルに基づいている、ステップについて、「前記PDCCH指令に含まれたCEレベルに基づいている」のに対し、引用発明では、いずれのステップにおいても、各発明特定事項が特定されていない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点のうち、少なくとも、本願発明1の「PDCCH指令は・・・カバレッジ拡張(CE)レベルを含んでいる」こと、そして「前記PDCCH指令に基づいて」プリアンブルを送信すること、及びプリアンブルの反復の数が「前記PDCCH指令に含まれた前記CEレベルに基づいている」ことという発明特定事項は、引用文献1ないし引用文献4には記載も示唆もされていない。また、当該技術分野において周知技術であるともいえない。 よって、当業者といえども、引用発明において、「物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)指令を受信するステップ」について「PDCCH指令は・・・カバレッジ拡張(CE)レベルを含んでいる」ものとすること、「物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースを使用してプリアンブルを送信するステップ」について「前記PDCCH指令に基づいて」プリアンブルを送信するものとすること、「プリアンブルを反復するステップであって、プリアンブルの反復の数は、CEレベルに基づいている、ステップ」について、「PDCCH指令に含まれたCEレベルに基づいている」ものとすることは、容易に想到し得たとはいえない。 したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2ないし4に記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願発明2ないし12について 本願発明2ないし12は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2ないし4に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3.本願発明13ないし18について 本願発明13ないし18は、ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)に関する発明であって、上記1.で説示した相違点に係る本願発明1の発明特定事項と同様な発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1と同様な理由により、引用発明並びに引用文献2ないし4に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1ないし18は、当業者が引用発明並びに引用文献2ないし4に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2020-010676

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決71件(インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド)
  • 2025-012849拒絶査定不服審判 / 2026-07-02 / 原査定取消(特許/登録すべき)拡張LTEシステムにおけるレイテンシを低減するためのダウンリンク物理チャネルのた…
    同じ当事者: インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
  • 2025-012147拒絶査定不服審判 / 2026-06-17 / 原査定取消(特許/登録すべき)ワイヤレスシステム中でのフローベースの処理
    同じ当事者: インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
  • 2025-015398拒絶査定不服審判 / 2026-06-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)ワイヤレスシステムにおけるメディアアクセスプロトコルデータユニットアセンブリ
    同じ当事者: インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
  • 2025-012844拒絶査定不服審判 / 2026-03-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)5G NASにおけるプロトコル強化のための方法
    同じ当事者: インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
  • 2024-021072拒絶査定不服審判 / 2026-03-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)次世代ネットワークにおけるランダムアクセスプロシージャ
    同じ当事者: インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,723件(121・H04W)
  • 2025-014125拒絶査定不服審判 / 2026-08-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)SL DRXのためのL1およびL2方法
    共通の審決分類: 121・H04W
  • 2025-007104拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)ユーザ機器(UE)の発見のための方法および装置
    共通の審決分類: 121・H04W
  • 2025-007787拒絶査定不服審判 / 2026-08-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)ハイブリッド自動再送要求確認のフィードバック方法及びその装置
    共通の審決分類: 121・H04W
  • 2025-018289拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)分散型基地局におけるポイントツーポイント通信およびポイントツーマルチポイント通信…
    共通の審決分類: 121・H04W
  • 2025-007754拒絶査定不服審判 / 2026-08-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)基準信号に基づく通信方法および関連装置
    共通の審決分類: 121・H04W

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存