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特許拒絶査定不服審判

2020-007563

ゲームプログラム、ゲーム処理方法および情報処理装置

審判番号
2020-007563
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-031023外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年06月03日
審決日
2021年08月03日
公報発行日
2022年08月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017- 31023「ゲームプログラム、ゲーム処理方法および情報処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 5月25日出願公開、特開2017- 87015〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成25年9月27日(以下「分割原出願日」という。)に出願した特願2013-201791号の一部を平成26年4月18日に新たに出願した特願2014-86284号の一部を平成27年1月22日に新たに出願した特願2015-10739号の一部を平成27年9月30日に新たに出願した特願2015-192696号の一部を平成29年2月22日に新たに出願したものであって、平成30年2月22日付けで拒絶理由が通知され、同年4月26日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月27日付けで拒絶理由が通知され、同年12月7日に意見書及び手続補正書が提出され、令和1年5月30日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年10月9日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年2月26日付けで令和1年10月9日に提出された手続補正書による補正が却下されるとともに、拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対し、令和2年6月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 令和2年6月3日に提出された手続補正書による補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 令和2年6月3日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、平成30年12月7日に提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項1を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1へと補正することを含むものである。(下線は審決で付した。以下同じ。) (1)本件補正前の特許請求の範囲 「【請求項1】 ネットワークを介してプレイするゲームのゲームプログラムであって、 コンピュータに、 前記ゲームをプレイしていない期間が所定期間以上との条件を少なくとも含む、ユーザのゲーム状況に関する抽出条件に基づいて、メッセージを送信する少なくとも一のユーザを抽出する抽出機能と、 前記抽出機能により抽出された少なくとも一のユーザを、メッセージの送信先として設定する設定機能と、 前記設定機能により設定された少なくとも一のユーザに、メッセージを送信するメッセージ送信機能と、 前記メッセージ送信機能により送信されたメッセージを受信した前記一のユーザが前記ゲームに参加した場合に、前記一のユーザに報酬を付与する報酬付与機能と、 を実現させるゲームプログラム。」 (2)本件補正後の特許請求の範囲 「【請求項1】 ネットワークを介してプレイするゲームのゲームプログラムであって、 コンピュータに、 前記ゲームをプレイしていない期間が所定期間以上との条件を少なくとも含む、ユーザのゲーム状況に関する抽出条件に基づいて、メッセージを送信する少なくとも一のユーザを抽出する抽出機能と、 前記抽出機能により抽出された少なくとも一のユーザを、メッセージの送信先として設定する設定機能と、 前記設定機能により設定された少なくとも一のユーザに、メッセージを送信するメッセージ送信機能と、 前記メッセージ送信機能により送信されたメッセージを受信した前記一のユーザが前記ゲームに参加した場合に、前記一のユーザに報酬を付与する報酬付与機能と、 を実現させ、 前記条件は、さらに、 所定の頻度以上前記ゲームをプレイしていること、 前記ゲームのプレイ期間中におけるアイテムの取得数が所定数より多いこと、 前記ゲームの総プレイ時間が所定時間より長いこと、 の少なくとも1つを含む、ゲームプログラム。」 2 本件補正の適否について 本件補正により、本件補正前の発明特定事項である「条件」について、「さらに、所定の頻度以上前記ゲームをプレイしていること、前記ゲームのプレイ期間中におけるアイテムの取得数が所定数より多いこと、前記ゲームの総プレイ時間が所定時間より長いこと、の少なくとも1つを含む」との限定を付加するものである。 そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 また、本件補正は、本願の願書の最初に添付した明細書の 「【0037】 上記他のユーザは、ゲームをプレイしたことがあり、かつ、所定の期間以上ゲームをプレイしていない休眠ユーザとすることができる。休眠ユーザがメッセージを受信することにより、休眠ユーザに、ゲームのプレイを再開するきっかけを与えることができる。 【0038】 上記所定の期間は、ゲームやユーザの状況によりその長短を変更させることができる。例えば、所定の期間は、ゲーム中のイベント期間終了日や他のユーザの保有するアイテム等の使用期限日前には短縮されることができる。 【0039】 上記他のユーザは、所定の期間、ゲームのプレイ頻度が高かった休眠ユーザとすることができる。このような休眠ユーザは、メッセージを受信した場合に、ゲームのプレイを再開する可能性が高いためである。 【0040】 上記他のユーザは、プレイ期間中において活動が活発であったユーザとすることができる。活動が活発であったユーザとは、例えば、アイテムの取得数が多い、ゲームの総プレイ時間が長いまたは、ゲーム内でのバトル戦績が良い等のユーザ等である。 【0041】 上記一のユーザは、ゲームを所定の頻度以上でプレイするアクティブユーザとすることができる。」 の記載に基づいており、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 3 独立特許要件について 本件補正の目的が、特許請求の範囲の減縮を目的としているので、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明は、上記「1 (2)本件補正後の特許請求の範囲」の【請求項1】に記載したとおりのものと認める。 (2)引用例 原査定の拒絶の理由において引用された「6月7日 アップデート予告,MMOバトルシューティング「コズミックブレイク」,[online],2012年6月6日,[2019年 5月 8日検索],インターネット<URL:http://www.cosmicbreak.jp/atgames/info/topic/16089>」(以下「引用例」という。)は、インターネット<URL:http://www.cosmicbreak.jp/atgames/info/topic/16089>上に表示された情報であることから、引用例に示されている下記事項は、電気通信回線を利用して公衆に利用可能となった情報であると認められる。 そして、引用例には、次の事項が示されている。 ア 「6月7日(木)の定期メンテナンスにて アップデートされる内容の一部を以下にお知らせいたします。」 イ 「■「カムバックキャンペーン」&「サンクスキャンペーン」を同時開催! 新たな姿へと生まれ変わったクリムローゼ達を手に入れるチャンス! 2012年6月7日(木)13:00より「カムバックキャンペーン」、 及び「サンクスキャンペーン」を開催いたします! さらにパワーアップしたコズミックブレイクの世界を、ぜひ体感してみてくださいね! ◆キャンペーン内容 キャンペーン期間中、対象となるキャンペーンアイテムを もれなくプレゼントいたします。 ◆キャンペーン対象 ・「カムバックキャンペーン」 既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前の方。 ※対象となる方には、登録時に使用されたメールアドレスへと ご案内メールをお送りしております。 ・「サンクスキャンペーン」 既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:01以降の方。 各々のキューブの開封条件を満たす事で、素敵なアイテムを入手することができます。 ※キャンペーンアイテムの詳しい内容は、当日のアップデート情報をご確認ください。 ※キャンペーンアイテムは、ゲーム内にログインされた際にお送り致します。 ※キャンペーンアイテムは、1ユーザーアカウントにつき1度まで受け取る事ができます。 ◆キャンペーン実施期間 2012年6月7日(木)13:00(アップデート終了後)から 2012年7月5日(木)10:00(アップデート開始前)まで。」 ウ 引用例のタイトルの「MMO」とは、マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン(大規模多人数同時参加型オンライン)の略語であることは、ゲームプログラム分野の技術常識から明らかである。 してみると、「MMOバトルシューティング『コズミックブレイク』」とは、サーバにネットワークを介して接続された複数の端末でプレイするバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のゲームプログラムであると理解できる。 エ 上記イにおける「アップデートされる内容」及び「アップデート情報」とは、ゲームプログラムの「アップデートされた内容」を意味することは、ゲームプログラム分野の技術常識から明らかである。 そして、上記イより、「アップデートされた内容」とは、「2012年6月7日(木)13:00より開催される『カムバックキャンペーン』」をお知らせするものであって、そのお知らせする『カムバックキャンペーン』の内容は、「キャンペーン期間中(2012年6月7日(木)13:00から2012年7月5日(木)10:00まで)、対象となるキャンペーンアイテムをゲーム内にログインされた際にもれなくプレゼントするもの」であって、「『キャンペーン対象』は、『既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前の方』」であり、「キャンペーンの対象となる方に、登録時に使用されたメールアドレスへとご案内メール」を送るというものである。 オ してみると、引用例に示された、MMOバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のゲームプログラムの上記「アップデートされた内容」より、上記「アップデートされた内容」のゲームプログラムが把握できることから、MMOバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のアップデートされたゲームプログラムの発明が電気通信回線を利用して公衆に利用可能となったといえる。 カ そして、引用例に示された「方」とは、「ユーザアカウント」を所持しているのであるから、「ユーザ」といえる。 そうすると、上記ア乃至カの事項より、引用例からは、次の発明(以下「引用発明」という。)が把握できる。 「サーバにネットワークを介して接続された複数の端末でプレイするMMOバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のアップデートされたゲームプログラムであって、 2012年6月7日(木)13:00より「カムバックキャンペーン」が開催され、 キャンペーン内容は、キャンペーン期間中(2012年6月7日(木)13:00から2012年7月5日(木)10:00まで)、対象となるキャンペーンアイテムをゲーム内にログインされた際にもれなくプレゼントするものであって、 キャンペーン対象は、既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザであり、 キャンペーンの対象となるユーザに、登録時に使用されたメールアドレスへとご案内メールを送る、 機能を実現させる、サーバにネットワークを介して接続された複数の端末でプレイするMMOバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のアップデートされたゲームプログラム。」 (3)対比 そこで、本願補正発明と引用発明とを対比すると、 ア 後者の「ネットワークを介してプレイするバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」」、「ゲームプログラム」、「サーバ」は、ぞれぞれ、前者の「ネットワークを介してプレイするゲーム」、「ゲームプログラム」、「コンピュータ」に相当する。 イ 後者の「最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」とは、2012年4月5日10:00以降に、ログインしていないユーザである。そして、前記「最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」には、「ご案内メール」が「送られる」のであるから、「最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」とは、2012年4月5日10:00以降に、ログインしていないユーザである。そして、前記「最終ログインが2012年4月5日10:00以前」であることは、「ご案内メール」が「送られる」条件といえる。 ウ してみると、後者の「最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」は、前者の「ゲームをプレイしていない期間が所定期間以上との条件」との「ユーザのゲーム状況に関する抽出条件に基づいて」、抽出される「ユーザ」に相当する。 そうすると、引用発明の「サーバにネットワークを介して接続された複数の端末でプレイするMMOバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のアップデートされたゲームプログラム」は、「最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」という抽出条件に基づいて「ご案内メール」を「送る」ユーザを抽出しているといえるのであるから、引用発明の「サーバにネットワークを介して接続された複数の端末でプレイするMMOバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のアップデートされたゲームプログラム」は、サーバに「メッセージを送信する少なくとも一のユーザを抽出する抽出機能」を実現するものといえる。 エ 上記イのとおり、引用発明の「サーバにネットワークを介して接続された複数の端末でプレイするMMOバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のアップデートされたゲームプログラム」は、「最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」という抽出条件に基づいて「ご案内メール」を「送る」ユーザを抽出し、特定するのであるから、「ご案内メール」の送信先として設定する機能を備えていることは明らかである。 してみると、前者の「ゲームプログラム」と後者の「サーバにネットワークを介して接続された複数の端末でプレイするMMOバトルシューティング・ゲーム「コズミックブレイク」のアップデートされたゲームプログラム」とは、「コンピュータ」に、「抽出機能により抽出された少なくとも一のユーザを、メッセージの送信先として設定する設定機能と、前記設定機能により設定された少なくとも一のユーザに、メッセージを送信するメッセージ送信機能」とを実現させるものとの概念で共通する。 エ 後者の「キャンペーン内容」は、「対象となるキャンペーンアイテムをゲーム内にログインされた際にもれなくプレゼントするもの」であって、ゲームにログインし、キャンペーンアイテムをプレゼントされるのは「キャンペーンの対象となるユーザ」、すなわち、「ご案内メールが送られ」たユーザであることは明らかであるから、本願補正発明と引用発明とは、「コンピュータ」に、「メッセージ送信機能により送信されたメッセージ」を送信された「一のユーザがゲームに参加した場合に、前記一のユーザに報酬を付与する報酬付与機能」を実現させるものとの概念で共通する。そして、本願補正発明と引用発明とは、前記「一のユーザ」が、少なくともメッセージが送信されたユーザである限りにおいて共通する。 したがって、両者は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。 [一致点] 「ネットワークを介してプレイするゲームのゲームプログラムであって、 コンピュータに、 前記ゲームをプレイしていない期間が所定期間以上との条件を少なくとも含む、ユーザのゲーム状況に関する抽出条件に基づいて、メッセージを送信する少なくとも一のユーザを抽出する抽出機能と、 前記抽出機能により抽出された少なくとも一のユーザを、メッセージの送信先として設定する設定機能と、 前記設定機能により設定された少なくとも一のユーザに、メッセージを送信するメッセージ送信機能と、 前記メッセージ送信機能により送信されたメッセージが送信された前記一のユーザが前記ゲームに参加した場合に、前記一のユーザに報酬を付与する報酬付与機能と、 を実現させるゲームプログラム。」 [相違点1] コンピュータに実現させる機能が、本願補正発明は、メッセージ送信機能により送信されたメッセージを「受信した一のユーザ」に報酬を付与する報酬付与機能であるのに対し、引用発明は、ご案内メールを「送」ったキャンペーンの対象となるユーザに、キャンペーンアイテムをプレゼントする機能である点。 [相違点2] 「ユーザのゲーム状況に関する抽出条件」が、ゲームをプレイしていない期間が所定期間以上との条件を少なくとも含み、さらに、本願補正発明は、「所定の頻度以上前記ゲームをプレイしていること、前記ゲームのプレイ期間中におけるアイテムの取得数が所定数より多いこと、前記ゲームの総プレイ時間が所定時間より長いこと、の少なくとも1つを含む」ものであるのに対し、引用発明は、さらなる条件は特定されない点。 (4)判断 上記各相違点について、以下、検討する。 ア [相違点1]について (ア)引用発明は、「キャンペーンの対象となるユーザ」である「既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」が、「キャンペーン期間中(2012年6月7日(木)13:00から2012年7月5日(木)10:00まで)、ゲーム内にログインされた際」に「対象となるキャンペーンアイテム」がもれなくプレゼントされるものであるところ、前記「既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」には、「ご案内メール」が送られているのであるから、「キャンペーン期間中(2012年6月7日(木)13:00から2012年7月5日(木)10:00まで)、ゲーム内にログインされた際」に「対象となるキャンペーンアイテム」がプレゼントされた「ユーザ」は、「ご案内メール」が送られた「ユーザ」である。 (イ)ここで、引用発明は、「キャンペーン期間中(2012年6月7日(木)13:00から2012年7月5日(木)10:00まで)、ゲーム内にログイン」した「ユーザ」であっても、「キャンペーンの対象となるユーザ」である「既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」でなければ、「対象となるキャンペーンアイテム」がプレゼントされないのであるから、「サーバ」は、「キャンペーン期間中(2012年6月7日(木)13:00から2012年7月5日(木)10:00まで)、ゲーム内にログインされた際」「対象となるキャンペーンアイテム」をプレゼントした「ユーザ」に対しては、「キャンペーンの対象となるユーザ」である「既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」であることを確認した上で、キャンペーンアイテムをプレゼントしているものと推認できる。 (ウ)また、「サーバ」は、「キャンペーンの対象となるユーザ」である「既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」に、ご案内メールを送っているのであるから、「キャンペーン期間中(2012年6月7日(木)13:00から2012年7月5日(木)10:00まで)、ゲーム内にログイン」した「ユーザ」に対して、「キャンペーンの対象となるユーザ」である「既にユーザーアカウントを所持しており、最終ログインが2012年4月5日10:00以前のユーザ」であることを確認するとは、「ご案内メール」が送られた「ユーザ」であるのか否かを確認していることと理解できる。 (エ)ここで、本願補正発明の「メッセージを受信した一のユーザ」とは、メッセージの送信機能に不具合等がなければ、メッセージが送信されたユーザと同一視できるところ、本願補正発明の「前記メッセージ送信機能により送信されたメッセージを受信した前記一のユーザが前記ゲームに参加した場合に、前記一のユーザに報酬を付与する報酬付与機能」について、本願の明細書、図面及び特許請求の範囲(以下「明細書等」という。)には、「上記報酬は、メッセージを受信した他のユーザがゲームに再び参加した場合、付与されてもよい。」(【0043】参照。)と記載されているだけであって、メッセージを受信したユーザを特定する機能については何ら記載されていないことからすれば、「報酬付与機能」における「メッセージを受信した位置のユーザがゲームに参加した場合」とは、実質的に、メッセージを送信したユーザがゲームに参加したことを特定していると解するのが相当である。 (オ)そうすると、引用発明の「対象となるキャンペーンアイテム」がプレゼントされた「ユーザ」は、「ご案内メール」が送られた「ユーザ」が「キャンペーン期間中(2012年6月7日(木)13:00から2012年7月5日(木)10:00まで)、ゲーム内にログイン」した「ユーザ」であるのだから、上記相違点1は、実質的な相違点とはいえない。 (カ)仮に、本願補正発明の「メッセージを受信した一のユーザ」を、メッセージ送信機能等に不具合が生じた場合に、メッセージは送信されているものの、メッセージを受信していないユーザと峻別し、そのような「メッセージを受信していないユーザ」には、「対象となるキャンペーンアイテム」をプレゼントしないことを特定するためであったとしても、メッセージを送受信する技術において、メッセージの送信先のユーザがメッセージを開封したかを確認する技術は、例を示すまでもなく、周知の技術手段(以下「周知技術」という。)であるから、引用発明において、ご案内メールが送られたユーザがご案内メールを受信したことを確認するようにし、以て、上記相違点1の構成とすることは、前記周知技術に照らせば、当業者が適宜なし得る程度のことである。 イ [相違点2]について 例えば、「10%が復活も!休眠顧客の”掘り起こし”DM・手紙の成功事例,株式会社ファインドスター[online],2011年12月16日,[2020年 8月19日検索],インターネット<URL:https://www.tsuhan-marketing.com/blog/offlinecrm/inactivecustomer_dmletter_case>」に記載されているように、休眠顧客の中でも、過去に購入頻度や金額などが高かった「ロイヤル休眠」のお客様にお手紙を送ったところ、前記「ロイヤル休眠」のお客様は復活しやすいことが、本願の分割原出願日以前に周知の事項であることからすると、メッセージを送信するユーザの条件として、休眠期間の他に、サービスの利用頻度が高い顧客とすること、すなわち、所定の頻度以上ゲームをプレイしているユーザとする条件を加え、上記相違点2に係る本願補正発明のように構成することは、当業者が適宜なしうるものである。 請求人は、上記相違点1に対し、「「キャンペーンアイテムを受け取るユーザー」が「案内メールを見た(受信した)ユーザー」であることがあり得るとしても、案内メールを見ていない(受信していない)ユーザーも、ゲームにログインさえすればキャンペーンアイテムを受け取ることができるのであれば、引用文献1は、「案内メールを見た(受信した)」か否かの判定を行っていません(すなわち、案内メールを受信することは、キャンペーンアイテムを受け取る条件となっていません)。」と主張する。 しかし、上記アのとおり、本願補正発明の「前記メッセージ送信機能により送信されたメッセージを受信した前記一のユーザが前記ゲームに参加した場合に、前記一のユーザに報酬を付与する報酬付与機能」について、本願の明細書、図面及び特許請求の範囲(以下「明細書等」という。)には、「上記報酬は、メッセージを受信した他のユーザがゲームに再び参加した場合、付与されてもよい。」(【0043】参照。)と記載されているだけであって、報酬付与機能の具体的な機能も、報酬付与機能を実現する具体的構成も、何ら記載されていないことからすれば、上記アのとおり、引用発明において、ご案内メールを見たか否かを確認するようにすることは、上記周知後術に照らせば、当業者が適宜なし得る程度のことである。 したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、当業者が容易に発明できた発明であって、特許出願の際、独立して特許を受けることが出来ないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項の規定に違反してされたものである。 (5)むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成30年12月7日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 ネットワークを介してプレイするゲームのゲームプログラムであって、 コンピュータに、 前記ゲームをプレイしていない期間が所定期間以上との条件を少なくとも含む、ユーザのゲーム状況に関する抽出条件に基づいて、メッセージを送信する少なくとも一のユーザを抽出する抽出機能と、 前記抽出機能により抽出された少なくとも一のユーザを、メッセージの送信先として設定する設定機能と、 前記設定機能により設定された少なくとも一のユーザに、メッセージを送信するメッセージ送信機能と、 前記メッセージ送信機能により送信されたメッセージを受信した前記一のユーザが前記ゲームに参加した場合に、前記一のユーザに報酬を付与する報酬付与機能と、 を実現させるゲームプログラム。」(以下「本願発明」という。) 2 引用例 令和1年5月30日付けの拒絶理由通知に引用された引用例、及び、その記載内容は上記「第2 3 (2)引用例」に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、実質的に、本願補正発明の「さらに、所定の頻度以上前記ゲームをプレイしていること、前記ゲームのプレイ期間中におけるアイテムの取得数が所定数より多いこと、前記ゲームの総プレイ時間が所定時間より長いこと、の少なくとも1つを含む」との限定を省くものである。 そうすると、本願発明と引用発明とを対比すると、上記「第2 3 (3)対比」での検討を勘案すると、両者は、下記の点で相違する。 [相違点1] コンピュータに実現させる機能が、本願発明は、メッセージ送信機能により送信されたメッセージを「受信した一のユーザ」に報酬を付与する報酬付与機能であるのに対し、引用発明は、ご案内メールを「送」ったキャンペーンの対象となる方に、キャンペーンアイテムをプレゼントする機能である点。 そうすると、上記「第2 3 (4)判断」における検討内容を踏まえれば、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-007563

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    共通の審決分類: 121・A63F

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