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特許拒絶査定不服審判

2020-007275

生体指標をモニターするための組成物および方法

審判番号
2020-007275
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-036525外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年05月28日
審決日
2021年01月06日
公報発行日
2021年07月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2018- 36525「生体指標をモニターするための組成物および方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月 5日出願公開、特開2018-102959〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 14項目
【理 由】

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本件出願(以下「本願」と記す。)は、2013年(平成25年)2月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年2月17日  米国)を国際出願日とする出願であって、2014年(平成26年)8月14日に国内書面が提出されて日本国内段階に移行した特願2014-557798号の一部を平成30年3月1日に新たな特許出願としたものであって、平成31年2月8日付けで拒絶理由が通知され、令和元年8月19日付けで意見書及び手続補正書が提出され、令和2年1月17日付けで拒絶査定されたところ、同年5月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和2年1月17日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

請求項   1-9

引用文献等 1-2

<引用文献等一覧>

1.特表2010-538785号公報

2.国際公開第2012/007769号

第3 令和2年5月28日提出の手続補正書による補正について

令和2年5月28日提出の手続補正書による補正は、特許請求の範囲を補正するものであり、その補正の内容は補正前の請求項1を残し、補正前の請求項2ないし12を削除したものであるから、特許法17条の2第5項第1号の請求項の削除を目的とするものに該当する。

第4 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、令和2年5月28日提出の手続補正書により手続補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりである。

「【請求項1】 哺乳類対象の口腔内の血管系における蛍光分子の蛍光強度を非侵襲的にモニタリングするための経口プローブであって、
(a)近位端および遠位端を有する縦長光導管、ここで、該光導管の遠位端は、光導管および血管系の間に非侵襲的な光インターフェイスを形成するように構成されている;および
(b)口腔内の光導管の移動を制限するように構成されている経口安定化ガイド;を含み、
ここで、光インターフェイスおよび光導管は、血管系における蛍光分子の蛍光強度を血管系から光導管の近位端まで非侵襲的に伝送するように適合されている、経口プローブ。」

第5 引用文献、引用発明等

1.引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、本願の原出願の優先日前である2010年(平成22年)12月16日に頒布された刊行物である特表2010-538785号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の技術事項が記載されている。(下線は当審が付与した。以下同じ。)

(1)「【0001】
本発明は、器官または組織の血管構造および血管の血流を撮像する装置および方法に関し、特に、血管組織およびリアルタイムの生体内の毛細血管の血流を撮像する選択波長の落射照明型内視鏡撮像装置に関する。この装置および方法の1つの可能な適用例は、軟組織病変の診断における血管特性の指摘である。」
(2)「【0013】
本発明は、器官または組織の脈管構造を撮像するための撮像装置であって、
前記器官または組織を照明するための光源と、
ハウジング内に取り付けられて、前記照明された器官または組織から光を収集する1つまたは複数のレンズ装置と
続きを表示(全30行)
前記光の緑色の波長を撮像するための画像捕捉デバイスとを備える装置を提供する。
【0014】
本発明は、器官または組織の脈管構造を撮像するための方法であって、
前記器官または組織を照明すること、
前記器官または組織から光を収集すること、および
前記収集した光の緑色の波長を撮像することを含む方法も提供する。
【0015】
本発明は撮像に緑色の波長の光だけを使用する。それによって、血管組織についてはるかに優れたコントラストを得ることができ、脈管構造を画像上で良好に画定することができるようになる。緑色光を使用すると、脈管構造内の個々の赤血球(RBC)を可視化することもできる。これを使用して、時間をかけた特定のRBCの動きの測定によって、リアルタイムの生体内の血流を測定することができる。
【0016】
本発明者らは、どの特定の理論にも結果に対する責任を望むものではないが、緑色光を使用して得られるコントラストの向上がヘモグロビン(Hb)の光吸収特性によるものであると仮定する。ヘモグロビンは、哺乳類のRBCに含まれた赤色の酸素運搬鉄含有メタロプロテインである。本発明者らは、RBCが、簡易の色素含有の6~8μmの両凹面円板として、光学フィルタとして働き、より深部の組織および界面に入る光とそれから反射されて戻る光の両方の長い波長以外の全ての光の通過を阻止すると仮定する。これは、緑色光を使用すると血管組織の良好なコントラストが得られる理由を明らかにするものである。なぜなら、RBCが緑色光を強く吸収するために、暗い輪郭が現れるが、周囲の組織はこの波長の光を通過させることができるからである。
【0017】
器官または組織は、体外からアクセスすることができる任意の器官または組織でもよい。たとえば、これは、皮膚、口、胃腸管、呼吸器管、尿生殖路、および女性生殖器系の器官でもよい。これには、たとえば、腹部および骨盤の腔など小さい切開部を通した体腔内部、胸の関節および器官の内部の撮像も含まれる。たとえば、脳、眼、脊椎、膀胱、腎臓、肝臓、膵臓、および他のこうした器官の撮像も可能である。これには、妊娠中の羊膜、胎児、および臍帯の撮像も含まれる。
【0018】
脈管構造は組織または器官の血液を含む循環系である。これには、動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、および静脈が含まれる。撮像装置は毛細血管の撮像に使用されることが好ましい。
【0019】
光源は器官または組織を照明するための任意の適した光源でもよい。好ましくは、光源は、レンズおよび器官または組織から距離を置いて配置され、光が光ガイドにより器官または組織に伝送されることによって、器官または組織が照明される。光ガイドは、たとえば光ファイバまたは光ファイバケーブルなど、光を光源から器官または組織まで案内するための任意の適したデバイスでもよい。
【0020】
光源は、広いスペクトルの波長にわたる、可視スペクトルに限定されない電磁放射線を放射することができる。たとえば、標準の内視鏡の光源は赤外線および紫外線の範囲の波長を放射することができる。主に白色光(ならびに幾つかの他の波長)を放射する適した光源は、当業者に周知である。光源は、緑色の波長の光を放射しなければならないが、他の波長を放射することもできる。緑色の波長の光は、490nmから590nmであると定義される。光源は、連続スペクトルの緑色の波長の光を放射することができ、または別法として、1つの個別の波長、幾つかの個別の波長、1つの範囲の波長、または幾つかの範囲の波長の緑色光を放射することもできる。したがって、以下の範囲は、範囲中の波長の連続放射を含むことを指すものではないが、これも包含するものである。光源は、好ましくは約490nmから約590nm、より好ましくは約500nmから約570nm、さらに好ましくは約520nmから約560nm、最も好ましくは約540nmの光を放射する。
【0021】
ハウジング内に取り付けられるレンズは、照明された器官または組織から光を収集するための任意の適したレンズでもよい。これは、接触または生体内で作動するように設計されたレンズでもよい。こうしたアセンブリは当業者に周知である。好ましくは、ハウジング内に取り付けられるレンズは内視鏡である。内視鏡は身体内部を見るための医療機器であり、当業者に周知である。
【0022】
光源は内視鏡を介して器官または組織を照明することができる。光源が、レンズおよび器官または組織から距離を置いて配置される場合、光は光ガイドを使用して器官または組織に伝送され、光ガイドは内視鏡内に配置されることが好ましい。
【0023】
光は、ハウジング内に取り付けられたレンズによって収集された後、画像捕捉デバイスに伝送されて、緑色の波長の光が撮像される。これは任意の適した画像捕捉デバイスでもよい。こうした画像捕捉デバイスは、たとえばCCD(電荷結合デバイス)カメラおよび(CMOSセンサとしても知られている)アクティブ画素センサイメージャなど、当業者に周知である。画像捕捉デバイスはCCDカメラであることが好ましい。CCDカメラは冷却されることが好ましい。
【0024】
画像捕捉デバイスを使用して、緑色の波長の光を撮像する。すなわち、緑色の波長の光を捕捉し、それから画像を生成する。装置の一実施形態では、光源から放射される光は白色光であり、または単なる緑色光以外の他の波長の光を含む。この実施形態では、画像捕捉デバイスは緑色光だけを検出することが必要である。たとえば、緑色光だけを通過させるが、他の波長の光を吸収または反射することができる光ファイバを使用することによって、緑色光だけを画像捕捉デバイス内に通過させることができる。別法として、光ファイバを画像捕捉デバイス自体に含めることもできる。光ファイバは当業者に周知である。たとえば、吸収性フィルタ、ダイクロイックフィルタ、単色光フィルタ、(緑色および全ての比較的長い波長の光を通過可能にする)緑色透過フィルタまたは長波長透過フィルタを使用することができる。緑色透過または単色光フィルタを使用することが好ましい。フィルタは、好ましくは約490nmから約590nm、より好ましくは約500nmから約570nm、さらに好ましくは約520nmから約560nm、最も好ましくは約540nmの波長を有する光を通過させることができる。」
(3)「【0047】
【図1】使用される可撓性撮像アームを示す概略図である。光学台構成要素は、ホプキンスパターンのコルポヒステロスコープ(E)(Karl Storz UK)を支持する3本の接合された(Jt)フレームに構成された。接合部の45度に角度付けられた表面の反射鏡(Mi)が内視鏡の斜面を関節接合および軸方向回転によってヒト組織(S)と良好に接触できるようにした。適応光学系(O)が、長波長透過ダイクロイック(Di)を介して導入された、フィルタリングされた540nmの光源からの緑色の落照明反射光(血管撮像モード)と488nmの蛍光照明源からの蛍光照明の軸を平行にするために必要とされた。Yokogawa共焦点ヘッドは、落射照明モードのNDフィルタとして働き、光断面の蛍光撮像に不可欠であった。全ての画像は単色CCD(CCD)によって検出された。
・・・
【図9】ほぼ同時の蛍光の(A)非角化口腔粘膜の写真(0.25%局所フルオレセイン(水))、および(B)540nmの落射照明による下の脈管構造が、正常な重なる口腔粘膜であると予想されて撮像された。800nmフィールド幅。
【図10】本発明による装置を示す概略図である。この概略図では以下のキーが使用される:L-複数波長照明源;IL-照明ビーム;M1-落射照明ビームを試料と位置合わせするためのデバイス;S-検体組織;Ref-反射/透過の組合せ信号;D1-ダイクロイック1-緑色/黄色を選択;G Det-緑色選択検出器;D2-ダイクロイック2-可視赤色を選択;R Det-可視赤色選択検出器;およびIR Det-赤外線選択検出器。」
(4)「【0052】
生体内:
この研究の生体内部分は、二重共焦点および落射照明の接触マイクロ内視鏡機器による口腔粘膜下血管構造の撮像に関する(図1を参照)。本質的に、剛体の光学台構成要素は、45度に角度付けられた表面の反射鏡を使用して単一平面接合部を通る光軸の位置合わせを維持する、ホプキンスパターンのコルポヒステロスコープ(Karl Storz UK)を支持する3部関節式フレームに構成された。最終アームの軸方向回転機能により、内視鏡の斜面がヒトの口腔組織と快適に接触することができるようになった。長波長透過ダイクロイックミラーが、488nmの青色照明を、Yokogawa共焦点ヘッドを通過する単色CCDによって検出された励起蛍光および(540+/-5nmの帯域透過フィルタ(Knight Optical、Harrietsham、UK)反射画像から分離した。Yokogawa共焦点ヘッドは、落射照明モードでNDフィルタとして働き、共局在化光断面の蛍光撮像に不可欠であった。」
(5)「【0074】
しかし、機器の設計は共焦点機器の完全性を損なわず、局所フルオレセインの助けで、唇の重なる上皮の488nmの表面蛍光共焦点撮像も1人のボランティアで行われ、機器が、ほぼ同時の撮像によって、下にある血管構造と上に重なる口唇上皮(本質的癌が由来)の両方の撮像を行うことができることを示した。2つのシステムが同時に行われた場合は互いに無効になることが前に示されたが(8)、外科的インターベンションが不要の、ほぼ同時の表面および表面下の血管組織の検査のための機構が提供される(11)(図9)。」
(6)「【図1】
」
(7)「【図9】
」
(8)「【図10】
」

(9)上記「(3)」「(4)」の記載からして上記「(8)」の【図10】より、「光源からの照明光と試料からの光は光ガイドを通る」ことが見てとれる。

上記引用文献1の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「器官または組織の脈管構造を撮像するための撮像装置であって、
前記器官または組織を照明するための光源と、
ハウジング内に取り付けられて、前記照明された器官または組織から光を収集する1つまたは複数のレンズ装置と
前記光の緑色の波長を撮像するための画像捕捉デバイスとを備える装置であって、
続きを表示(全14行)
器官または組織は、口であり、
撮像装置は毛細血管の撮像に使用され、
光源は、レンズおよび器官または組織から距離を置いて配置され、光が光ガイドにより器官または組織に伝送されることによって、器官または組織が照明され、
光ガイドは、光ファイバまたは光ファイバケーブルなど、光を光源から器官または組織まで案内するための任意の適したデバイスであり、光源からの照明光と試料からの光は光ガイドを通り、
ハウジング内に取り付けられるレンズは、照明された器官または組織から光を収集するための任意の適したレンズであって内視鏡であり、内視鏡の斜面がヒトの口腔組織と快適に接触することができるようになっており、
光は、ハウジング内に取り付けられたレンズによって収集された後、画像捕捉デバイスに伝送されて、緑色の波長の光が撮像され、
画像捕捉デバイスはCCDカメラであり、
撮像装置を用いて、局所フルオレセインの助けで、唇の重なる上皮の488nmの表面蛍光共焦点撮像を行い、下にある血管構造と上に重なる口唇上皮(本質的癌が由来)の両方の撮像を行うことができ、
外科的インターベンションが不要の、ほぼ同時の表面および表面下の血管組織の検査のための機構が提供される、
撮像装置。」

2.引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された、本願の原出願の優先日前である2012年(平成24年)1月19日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2012/007769号(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに以下の技術事項が記載されている。(引用箇所の当審仮訳は、引用文献2のファミリー出願の公表公報である特表2013-531546号公報を用いた。)

(1)「One embodiment of the detection device according to the invention is shown in Figures 1 and 2 and comprises a prism, mirror or reflector 2, a lens or filter 3, a detector 6, a wire or wireless emitter 8, a skirt 10, an injector or spray gun 12 and a movable skirt 14. The device is elongated and rectangular or cylindrical in shape with a proximal end or handle 16 and a distal or light-transmitting portion 18. The proximal end 16 and light-transmitting portion 18 are preferably aligned along one plane so that the device is suitable for fitting into a patient's mouth, and may comprise either two separate members joined together, or a single member as illustrated in Figure 1. In situations wherein the device is used for intra-oral imaging, the light-transmitting portion 18 is inserted into a patient's mouth, while the proximal end 16 is generally located outside the patient's mouth and held by an operator, as shown in Figure 3. The luminescent signal is reflected or refracted from a prism, mirror or reflector 2, or a dichroic filter located in the light-transmitting portion 18 so that it can be reflected towards the detector 6, wherein the detector 6 is located at the proximal end 16. The light-transmitting portion 18 may be disposable, to prevent the transmission of infections between patients. In accordance with one embodiment of the present invention, when using a device comprising only the lens 3, total light can be detected from the surface of interest. Through addition of lens 4 as illustrated in Figure 1 , it would be possible to create an image of the regions on the surface emitting light on the detector 6, The lens 3, 4 may be a biconvex, planoconvex or positive meniscus lens.」(明細書第11頁第10行-第28行)

(当審仮訳:図1および図2に、本発明による検出装置の一実施形態を示し、この装置は、プリズム、ミラーまたはリフレクタ2、レンズまたはフィルタ3、検出器6、有線または無線式エミッタ8、スカート10、インジェクタまたはスプレーガン12、および可動式スカート14を含む。装置は細長く、かつ形状が矩形またはシリンダー状であり、近位端部またはハンドル16と遠位または光透過部分18とを備える。近位端部16および光透過部分18は、好ましくは一平面に沿って整列されているので、装置は、患者の口に適合させるのに好適であり、かつ接合された2つの別個の部材、または図1に示すような単一の部材のいずれかを含み得る。装置を口腔内撮影に使用する状況では、図3に示すように、光透過部分18を患者の口に挿入する一方で、近位端部16は一般的に患者の口の外側に位置して操作者によって保持される。ルミネセンス信号はプリズム、ミラーまたはリフレクタ2、または光透過部分18に配置されたダイクロイックフィルタから反射するまたは屈折されるため、検出器6の方へ反射できる。検出器6は近位端部16に配置されている。光透過部分18は、患者間での感染の伝播を防止するために使い捨てとしてもよい。本発明の一実施形態に従って、レンズ3のみを含む装置を使用するとき、対象表面から全ての光を検出できる。図1に示すようにレンズ4を追加することによって、検出器6上に光を発する表面上に複数の領域の画像を作成することが可能となる。レンズ3、4は両凸レンズ、平凸レンズまたは正メニスカスレンズとし得る。)

(2)「In some embodiments of the invention, a skirt 10 is provided and positioned around the device. Advantageously, the skirt 10 may secure the device in position to avoid image blurring and increase the comfort of the user. The skirt 10 may also help protect the device from saliva or other fluids which may interfere with a signal generated from a marker. The skirt 10 may be rigid, or flexible to enable the skirt 10 to mould to the surface and prevent ambient light from entering the device. Preferably, the skirt 10 comprises a black rubber material. The skirt 10 may be used to assist in the stabilising of the light- transmitting portion 18 of the device within the mouth of a patient, in one embodiment, the skirt comprises individual pieces which may be removed, such that it is possible to use the device to view the buccal, lingual, palatial and labial surfaces of the teeth and mucosal surfaces if desired. Therefore, all intraoral surfaces, with the exception of approximal surfaces, may be imaged using the device of the present invention.」(明細書第13頁第29行-第14頁第7行)

(当審仮訳:本発明の一部の実施形態では、スカート10が、装置の周りに位置決めされて設けられている。スカート10は、装置を適所に固定して画像ぶれを回避し、かつ使用者の快適さを向上させ得ることが好都合である。スカート10はまた、マーカから生成される信号に干渉し得る唾液や他の流体から装置を保護するのに役立ち得る。スカート10は、剛性としても、またはスカート10が表面にぴったりつきかつ周辺光が装置に入らないようにすることができるように可撓性としてもよい。好ましくは、スカート10は黒いゴム材料を含む。スカート10は、患者の口内に装置の光透過部分18を安定化させるのに役立てるために使用し得る。一実施形態では、スカートは、取り外し得る個々の片を含み、それにより、装置を使用して、必要に応じて、頬面、舌側面、歯の口蓋面および唇面、および粘膜面を見ることを可能にする。それゆえ、歯の隣接面を除いた口腔内の全表面が、本発明の装置を使用して撮影され得る。)

(3)「FIG 1
」

上記引用文献2の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献2には、次の技術(以下「引用文献2開示技術」という。)が記載されていると認められる。

「装置は、
患者の口に適合させるのに好適であり、
装置を口腔内撮影に使用する状況では光透過部分18を患者の口に挿入する一方で、近位端部16は一般的に患者の口の外側に位置して操作者によって保持され、
スカート10が、装置の周りに位置決めされて設けられており、
スカート10は、装置を適所に固定して画像ぶれを回避し、かつ使用者の快適さを向上させ、患者の口内に装置の光透過部分18を安定化させるのに役立てるために使用され、
スカート10は、取り外し得る個々の片を含み、それにより、装置を使用して、必要に応じて、頬面、舌側面、歯の口蓋面および唇面、および粘膜面を見ることを可能にし、それゆえ、歯の隣接面を除いた口腔内の全表面が、本発明の装置を使用して撮影され得る、
装置。」

第6 対比・判断

1.対比

本願発明1を、引用発明1と比較する。

(1)引用発明1の「口」の「毛細血管の撮像に使用され」る「撮像装置」は、「ヒトの口腔組織と快適に接触することができるようになって」いる「内視鏡」を備えていることから、本願発明1における「哺乳類対象の口腔内の血管系における」「光強度を非侵襲的にモニタリングするための経口プローブ」に相当する。

(2)引用発明1の「光を光源から器官または組織まで案内するための任意の適したデバイスであ」り、「光源からの照明光と試料からの光」が「通る」「光ファイバまたは光ファイバケーブルなど」の「光ガイド」は、本願発明1における「近位端および遠位端を有する縦長光導管」に相当する。

(3)引用発明1の「撮像装置」において、「光ガイド」は、「光源からの照明光と試料からの光は光ガイドを通」り、「ハウジング内に取り付けられるレンズは、照明された器官または組織から光を収集するための任意の適したレンズであって内視鏡であり、内視鏡の斜面がヒトの口腔組織と快適に接触することができるようになって」いることから、引用発明1の「内視鏡」は、本願発明1における「光導管および血管系の間に非侵襲的な光インターフェイスを形成するように構成されている」「光導管の遠位端」に相当する。

(4)引用発明1の「口」の「毛細血管の撮像に使用され」る「撮像装置」は、「光ガイド」が「光源からの照明光と試料からの光は光ガイドを通」し、「ヒトの口腔組織」からの「光は、ハウジング内に取り付けられたレンズによって収集された後、画像捕捉デバイスに伝送されて」「光が撮像され」るものであるから、本願発明1と「光インターフェイスおよび光導管は、血管系における」「光強度を血管系から光導管の近位端まで非侵襲的に伝送するように適合されている」点で共通する。

すると、本願発明1と、引用発明1とは、次の点で一致する。

<一致点>

「哺乳類対象の口腔内の血管系における光強度を非侵襲的にモニタリングするための経口プローブであって、
(a)近位端および遠位端を有する縦長光導管、ここで、該光導管の遠位端は、光導管および血管系の間に非侵襲的な光インターフェイスを形成するように構成されている;を含み、
ここで、光インターフェイスおよび光導管は、血管系における光強度を血管系から光導管の近位端まで非侵襲的に伝送するように適合されている、経口プローブ。」

一方で、両者は、次の各点で相違する。

<相違点1>

非侵襲的に伝送、モニタリングする光強度が、本願発明1では「蛍光分子の蛍光強度」であるのに対し、引用発明1では「蛍光分子の蛍光強度」とはいえない点。

<相違点2>

蛍光プローブにおいて、本願発明1では「口腔内の光導管の移動を制限するように構成されている経口安定化ガイド」を備えるのに対し、引用発明1は光ガイドの遠位端の内視鏡において「内視鏡の斜面がヒトの口腔組織と快適に接触することができるようになって」いるが、口腔内の光ガイドの移動を制限するように構成されているか不明な点。

2.判断

前記「1.」で記載した各相違点について判断する。

(1)相違点1について

引用発明1の撮像装置は、「撮像装置を用いて、局所フルオレセインの助けで、唇の重なる上皮の488nmの表面蛍光共焦点撮像を行い、下にある血管構造と上に重なる口唇上皮(本質的癌が由来)の両方の撮像を行うことができ」ることから、ヒトの口腔内の蛍光強度をモニタリングすることができるものである。よって、引用発明1の撮像装置を用いて「蛍光分子の蛍光強度」をモニタリングできることは、当業者にとって自明のことであり、引用発明1の撮像装置を哺乳類対象の口腔内の血管系における「蛍光分子の蛍光強度」をモニタリングするのに用いて、前記相違点1に係る発明特定事項とすることは、当業者ならば容易になしえたことである。

(2)相違点2について

引用発明1は、口腔内の撮影を先端の内視鏡を用いて行う撮像装置であり、撮像装置を挿入する口及び口腔内は比較的大きな空間であることから、撮像装置の位置固定に工夫をしないと同一部位の撮影をすることは難しいという課題を内在している。

ここで、前記引用文献2開示技術には、「患者の口内に装置の光透過部分18を安定化させるのに役立てるために使用され」る「スカ-ト10」が開示されている。これは、本願発明1における「口腔内の光導管の移動を制限するように構成されている経口安定化ガイド」に相当するものである。

前記引用発明1の内在している課題を解決するために、引用発明1と口腔内の撮像を行う装置という共通の技術分野に属する前記引用文献2開示技術を引用発明1の「内視鏡の斜面がヒトの口腔組織と快適に接触することができるようになって」いる部分に採用して、前記相違点2に係る発明特定事項とすることは、当業者ならば容易になしえたことである。

(3)本願発明1の効果について

本願発明1の効果は、引用発明1及び引用文献2開示技術から、当業者が予測しうる程度のものである。

3.小括

したがって、本願発明1は、引用発明1及び引用文献2開示技術に基いて当業者が容易に発明できたものである。

第7 むすび

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-007275

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