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意匠拒絶査定不服審判

2020-006642

美容器

審判番号
2020-006642
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2019-002651外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1677122
請求日
2020年05月15日
審決日
2020年11月16日
公報発行日
2024年01月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .3 -WY (J7-1)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
意匠法10条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第10条、意匠法第10条第1項、意匠法第14条第1項
データ出所
審決公報(XML)

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意願2019- 2651「美容器」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 平成31年 2月 8日 意匠登録出願 令和 1年10月30日付け 拒絶理由通知書 令和 1年12月16日 意見書提出 令和 2年 2月13日付け 拒絶査定 令和 2年 5月15日 審判請求書提出 第2 本願意匠 本願は、願書に記載した本意匠(以下「本意匠」という。)を意願2019-2648(意匠登録第1648892号)とする平成31年(2019年)2月8日付けの出願の関連意匠の意匠登録出願であって、その意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「美容器」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)は、願書及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものである(別紙第1参照)。 第3 原査定における拒絶の理由及び本意匠 原審における拒絶の理由は、本願意匠が、本意匠に類似する意匠と認められず、意匠法第10条第1項の規定に該当しないとしたものである。 本意匠は、意匠法第14条第1項の規定により3年間秘密にすることを請求して、平成31年(2019年)2月8日に(本願の出願日と同日)に意匠登録出願され、令和1年12月6日に意匠権の設定の登録をされたものであり、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「美容器」とし、その形態は、願書及び願書に添付した図面に記載したものである。(別紙第2参照) 第4 当審の判断 1 本願意匠と本意匠の対比 (1)意匠に係る物品 本願意匠の意匠に係る物品は、「美容器」であり、本意匠の意匠に係る物品は、「美容器」であって、本願意匠と本意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、一致する。 (2)形態 本願意匠と本意匠の形態を対比すると、主として、以下の共通点と差異点が認められる。 (2-1)共通点 基本的構成態様として、 (A)正面視で上側のポンプ部と下側の施術部とから成り、平面視略横長楕円形状で正面視略山形であって、内部が中空の略扁平筒状体であり、左右対称に形成され、施術部の底面側に吸引口部を設けた点が共通し、 具体的構成態様として、 (B)正面を前面として、下側の施術部及び把持部を除く、正面視中央で半ばより上側の略倒三日月状の範囲の前面から後面に亘って略等幅の略丸畝部を縦線状に多数設け、左右端側の畝部は側面視縦長爪状の凸条部とし、 (C)把持部は、全長(高さ方向長さ)の略半ばに頂点が位置する正背面視で下側の山状平滑部として、 (D)施術部は、把持部の下方に、緩やかな細い山状帯部を経て、吸引口部を含む正背面視中央が緩やかに盛り上がったような外周縁部になだらかに連ねて形成した点について共通する。 (2-2)相違点 具体的構成態様として、 (a)本願意匠は、平面視でやや左右両端がとがった略横長楕円形状で、正面視で末広がりの略山形の略扁平筒状体であるのに対し、本意匠は平面視角部が丸みを帯びた略楕円形状で、正面視で裾つぼまりの略山形の略扁平筒状体であって、 (b)本願意匠の縦横奥行きの長さ比は、約11.5:11.5:5であるのに対し、本意匠は、約12:9.5:5であり、 (c)本願意匠は、ポンプ部の略丸畝部について、正面視で両端を含め19本で、それぞれの横幅の長さは、縦幅の約20、5分の1の長さであるのに対し、本意匠は、両端を含め15本で、それぞれの横幅の長さが縦幅の約18.5分の1の長さであって、 (d)本願意匠は、施術部について、ポンプ部横幅より施術部横幅が大きく、吸引口部外周にわずかに丸みを帯びた面取りが施され、側面視で左右がめくれたような略ラッパ状に形成されているのに対し、本意匠は、ポンプ部横幅より施術部横幅が小さく、吸引口部の外周は内向きに丸みを帯びて形成され、側面視で左右は略直線状で、略上辺と下辺が下方に湾曲した略長方形状に形成されている点が相違する。 2 類否判断 以上の一致点、共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。 (1)意匠に係る物品 前記、第4の1(1)のとおり、両意匠の意匠に係る物品は、一致するから同一であって、形態については以下のとおりである。 (2)形態の評価 (2-1)形態の共通点の評価 「美容器」の物品分野においては、美容器は、ポンプ部を押すことで施術部の吸引口の吸引力を肌に伝え、皮膚上を滑らせることによって、マッサージを行うものであるから、手を持って動作させるポンプ部の把持部及び肌に当てる吸引口部は、需要者の最も注意を向けるところといえ、使用時には主に斜め上からの支点で周側面について観察されるものであって、基本的構成態様としてあげた共通点(A)は、その周側面から観察可能な両意匠の共通点であって、略横長楕円形状の正面視略山形であって、内部が中空の略扁平筒状体である点は、両意匠の形態の基調を形成して、両意匠の独自の共通する特徴に係るものといえるから、この点が両意匠の類否判断に与える影響は大きい。また、共通点(B)は、縦方向に設けた略丸畝部は、全体の大きな部分に施された立体的装飾部分であって、把持して手動でマッサージを行う「美容器」の物品分野において、他に見受けられない両意匠共通の装飾部分であるから、両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きい。そして、共通点(C)の把持部の形態についての共通点は、使用する際に、把持し、押下するなど力を伝えて動かす箇所であるから需要者も注目するところであって、「美容器」の物品分野においてこのような把持部は見受けられず、この共通点は、需要者の注意を惹き、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。共通点(D)については、把持部の下方の緩やかな細い山状帯部と外周縁部の中央の盛り上がったような形態とがあいまって、共通点(C)の把持部の山状の形態の印象を強めており、この点が両意匠の類否判断に与える影響は一定程度あるものである。 したがって、共通点(D)の両意匠の類否判断に与える影響は一定程度であるものであって、共通点(A)ないし共通点(C)の両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きく、共通点(A)ないし共通点(D)の両意匠の類否判断に及ぼす影響は、総じて大きいものであって、共通点全体であいまって生じる効果は、両意匠の類否判断を決定付けるものである。 (2-2)形態の相違点の評価 これに対して、両意匠の具体的構成態様に係る相違点は、相違点(a)は、両意匠の全体形状に係る相違点であって、一見して看取できる相違であるが、共通点(A)ないし(C)の共通点がある中での略山形の略扁平筒状体が末広がりなものか、裾つぼまりなものかの態様の相違にとどまり、この点が両意匠の類否判断に与える影響は一定程度にとどまる。また、相違点(b)は具体的な縦横奥行き長さ比に関わるところ、縦幅及び奥行き比については、11.5:5と12:5とで、ほぼ大差ない長さ比であるところの横方向長さの多少の相違であるから、両意匠の類否判断に与える影響は小さく、相違点(c)は、上記横方向長さの相違による縦方向の略丸畝部の本数の相違であって、両意匠共に略丸畝部を縦線状に多数設けた印象に埋没し、略丸畝部の横幅についても本意匠に比して、本願意匠の略丸畝部がわずかに細い程度の相違にとどまり、両意匠の類否判断に与える影響は小さく、相違点(d)については、施術部及び吸引口部周縁の具体的形態の相違に関わり、吸引口部は、需要者の最も注意を向けるところといえるものの、上記共通点(A)ないし共通点(D)がある中では横方向の長さ比の相違と吸引口の部分的形態の相違にとどまり、両意匠の類否判断に与える影響は一定程度にとどまるものである。 (2-3)形態の総合評価 そうすると、形態における共通点(A)ないし(D)の両意匠の類否判断に及ぼす影響は、総じて大きいものであって、両意匠の類否判断を決定付けるものであるのに対して、形態の相違点(d)の両意匠の類否判断に与える影響は、一定程度あるとしても、相違点(a)ないし相違点(c)は、両意匠の類否判断与える影響小さいものであって、それら相違点(a)ないし相違点(d)があいまっても、相違点は、総じて両意匠の類否判断に与える影響は小さく、共通点が相違点を凌駕し、両意匠は類似するものである。 (3)小括 したがって、両意匠は、意匠に係る物品は同一であって、形態においては、共通点の両意匠の類否判断に及ぼす影響は相違点のそれを凌駕しており、両意匠の類否判断を決定付けるものであるから、本願意匠は、願書に記載した本意匠に類似するものである。 3 本願意匠が意匠法第10条1項の規定に該当するか否かについて 本意匠の意匠登録出願人は、本願の意匠登録出願人と同一であるから、意匠法第10条1項に規定されている本意匠の要件を満たしている。 また、本願意匠の意匠登録の出願の日は本意匠の意匠登録出願の日以後(同日)であって、本意匠の意匠登録公報の発行の日の前であるから意匠法第10条1項に規定されている関連意匠の意匠登録出願の日の要件を満たしている。 さらに、前記3のとおり、本願意匠は本意匠に類似するものと認められるので意匠法第10条1項に規定されている本意匠に類似する意匠(関連意匠)の要件を満たしている。 したがって本願意匠が意匠法第10条1項の規定に該当するものである。 第5 むすび 以上のとおりであって、本願意匠は、願書に記載した本意匠に類似し、意匠法第10条第1項の規定に該当するものと認められるから原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-006642

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