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特許拒絶査定不服審判

2020-002168

情報提供システム

審判番号
2020-002168
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-153600
請求日
2020年02月18日
審決日
2021年09月02日
公報発行日
2021年10月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】株式会社REVO
  • 【請求人代理人】山内 博明
  • 【請求人】関野 英文
  • 【請求人代理人】山内 博明
  • 【請求人】株式会社アイピーシー
  • 【請求人代理人】山内 博明
審判長/審判官
  • 審判長 高瀬 勤
  • 審判官 中野 浩昌
  • 審判官 上田 智志
分類
P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-153600「情報提供システム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 9日出願公開、特開2017- 33353、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成27年8月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成31年 4月10日付け:拒絶理由通知 令和 元年 6月17日  :意見書、手続補正書の提出 令和 元年11月14日付け:拒絶査定(原査定) 令和 2年 2月18日  :審判請求書、手続補正書の提出 令和 2年 6月 4日付け:前置報告 令和 3年 3月31日付け:当審の拒絶理由通知 令和 3年 6月 3日  :意見書、手続補正書の提出 令和 3年 7月15日付け:当審の拒絶理由通知(最後) 令和 3年 7月20日  :意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の拒絶理由の概要 原査定(令和元年11月14日付け拒絶査定)の拒絶理由の概要は次のとおりである。 本願請求項1-7に係る発明は、以下の引用文献A-Fに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 A.特開2008-108287号公報 B.国際公開第2014/021031号(周知技術を示す文献) C.特開2014-021872号公報(周知技術を示す文献) D.特開2014-174831号公報(周知技術を示す文献) E.特開2013-196041号公報(周知技術を示す文献) F.特開2010-086036号公報(周知技術を示す文献) 第3 当審拒絶理由の概要 1 当審拒絶理由1の概要 当審が令和3年3月31日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由1」という。)の概要は以下のとおりである。 (1)特許法第36条第6項第1号及び第2号について 請求項1-7に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでなく、かつ明確でもないから、本願は、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件をみたしていない。 (2)特許法第29条第2項について 本願請求項1-7に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2005-78590号公報(当審で新たに引用) 2.国際公開第2014/021031号(引用文献B) 3.特開2014-21872号公報(引用文献C) 4.特開2013-74349号公報(当審で新たに引用) 2 当審拒絶理由2の概要 当審が令和3年7月15日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由2」という。)の概要は以下のとおりである。 請求項7に係る発明は明確でないから、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件をみたしていない。 第4 本願発明 本願の請求項1-7に係る発明(それぞれ、以下「本願発明1」-「本願発明7」という。)は、令和3年7月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定される発明であって、そのうち本願発明1及び本願発明7はそれぞれ以下のとおりのものである。 【請求項1】 ユーザの画像又は音声のデータを占い用データとして取り込む取込手段と、前記取込手段によって取り込まれた占い用データを送信する送信手段と、後記返信手段によって返信された占い結果及び提案情報を報知する報知手段とを有するクライアント端末と、 複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体と、 前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出す読出手段と、前記読出手段によって読み出された占い結果及び提案情報を返信する返信手段と、を有するサーバ装置と、 を備える、情報提供システム。 【請求項7】 クライアント端末から送信されるユーザの画像又は音声のデータを占い用データとして受信するステップと、 前記受信した占い用データに基づいて複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出すステップと、 前記読み出した占い結果及び提案情報を前記クライアント端末に返信して報知させるステップと、 をサーバ装置に実行させるプログラム。 なお、本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明である。 第5 引用文献、引用発明等 1 引用文献1と引用発明 (1)引用文献1の記載事項 引用文献1には、以下の事項が記載されている。(下線は強調のため当審で付与した。以降の文献も同様。) 「【0031】 図1を参照すると、本発明の実施の形態における顔照合システムの構成が示されている。顔照合システム1は、携帯電話機2と、センターサーバ4と、通信ネットワーク6と、サーバ8とを備えている。 【0032】 図2を参照すると、携帯電話機2の構成が示されている。携帯電話機2は、カメラ10と、操作部12と、CPU14と、メモリ16と、表示部22と、無線送受信部24とを備えている。メモリ16は、顔認証プログラム18と、結果表示プログラム20とを記憶している。 【0033】 図3を参照すると、センターサーバ4の構成が示されている。センターサーバ4は、送受信部30と、CPU32と、メモリ34と、キャラクタ画像データベース42と、類似度データベース44と、占いデータベース46とを備えている。メモリ34は、照合プログラム36と、ランキングプログラム38と、占いプログラム39と、顔部位テーブル40と、出力テーブル41とを記憶している。顔部位テーブル40は、人間の顔の中から眉、目、鼻、口、耳の位置または形状、肌の色、及び顔の輪郭の類型(卵型、四角など)を抽出するための情報である顔部位情報(図示されない)を格納している。 【0034】 図4を参照すると、出力テーブル41の構成が示されている。出力テーブル41は、ユーザ名80と、類似キャラクタ名82と、類似キャラクタ画像84と、類似部位88と、類似度90と、ランキング順位92と、性格94と、今日の運勢96とを対応づけて格納する。 【0035】 図5を参照すると、キャラクタ画像データベース42の構成が示されている。キャラクタ画像データベース42は、キャラクタ名50と、キャラクタ画像52とを対応づけて格納している。キャラクタ名50とは有名人、動物、架空のキャラクタに例示される、著名なキャラクタを示す名前である。キャラクタ画像52とは、キャラクタ名50によって指定されるキャラクタの顔を含む画像データである。 【0036】 図6を参照すると、類似度データベース44の構成が示されている。類似度データベース44は、キャラクタ名50を格納している。類似度データベース44は更に、過去に照合プログラム36が当該キャラクタ名により指定されるキャラクタに似ていると判定したユーザのユーザ名を顔類似ユーザ名54として、その類似度55と類似度55の順位53と共に格納している。 【0037】 図7を参照すると、占いデータベース46の構成が示されている。占いデータベース46は、キャラクタ名50と性格情報56とを対応づけて格納している。占いデータベース46は更に、キャラクタ名50と日付とに対応して、運勢情報60を格納している。 【0038】 こうした構成を備える顔照合システム1の動作が以下に示されている。但し、CPUがプログラムを読み出し、そのプログラムに記述された手順により実行する動作は、そのプログラムが行う動作として記載される。 【0039】 携帯電話機2のユーザは、カメラ10を用いて自分または他人の顔を撮影する。撮影された顔の画像である顔画像は、メモリ16に格納される。あるいは携帯電話機2のユーザは、携帯電話機2に所定の操作を行うことにより通信ネットワークを介して顔画像を受信する。受信した顔画像は、メモリ16に格納される。 【0040】 ユーザが操作部12から所定の操作を行うと、顔認証プログラム18は、メモリ16に記憶された顔画像から特徴量(例示:髪型、目、鼻、口、耳、眉の位置または形状、それらの相互の位置関係、顔の輪郭、肌の色)を抽出する。無線送受信部24は顔画像とその顔画像から抽出された特徴量とユーザ名とを通信ネットワーク6を介してセンターサーバ4に送信する。 【0041】 あるいは携帯電話機2は顔認証プログラム18を備えておらず、ユーザが操作部12から行う所定の操作に応答して、センターサーバ4から顔認証プログラム18をダウンロードして利用する。 【0042】 センターサーバ4は、送受信部30により顔画像と特徴量とユーザ名とを受信する。受信したユーザ名は、出力テーブル41にユーザ名80として格納される。照合プログラム36は、キャラクタ画像データベース42を検索し、受信した特徴量を用いて、その顔画像とキャラクタ画像データベース42に格納されている複数のキャラクタ画像52との照合を行い、各々のキャラクタ画像52に対する顔画像の類似度(好ましくは数値で表される)を計算する。 【0043】 照合プログラム36は、顔画像との類似度が最も大きいキャラクタ画像52を選び出す。あるいは、顔画像との類似度が所定の数値よりも大きいキャラクタ画像52を選び出す。選び出されたキャラクタ画像52は、類似キャラクタ画像84として出力テーブル41に格納される。選び出されたキャラクタ画像に対応するキャラクタ名50は、類似キャラクタ名82として出力テーブル41に格納される。受信した顔画像と選び出されたキャラクタ画像52との類似度は、類似度90として出力テーブル41に格納される。 【0044】-【0045】(略) 【0046】 占いプログラム39は占いデータベース46を参照し、照合プログラム36により選び出されたキャラクタ名50に対応する性格56と、照合プログラム36により選び出されたキャラクタ名50及び顔画像を受信した日付に対応する占いの内容とを、各々性格94及び今日の運勢96として、出力テーブル41に格納する。 【0047】(略) 【0048】 送受信部30は、以上の手順により出力テーブル41に格納されたユーザ名80と、類似キャラクタ名82と、類似キャラクタ画像84と、類似部位88と、類似度90と、ランキング順位92と、性格94と、今日の運勢96とを含む情報を携帯電話機2に送信する。 【0049】 携帯電話機2が備える無線送受信部24は、センターサーバ4から送信された情報を受信する。表示部22は、CPU14による制御に基づいて受信した情報を表示画面に表示する。」 「 」(図1) 「 」(図5) 「 」(図7) (2)引用発明 上記(1)の記載事項からみて、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「カメラ10と、CPU14と、顔認証プログラム18を記憶するメモリ16と、表示部22と、無線送受信部24を有し(【0032】)、ユーザは、カメラ10を用いて自分の顔を撮影すると、撮影された顔画像はメモリ16に格納され、前記顔認証プログラム18は、メモリ16に記憶された顔画像から特徴量(例示:髪型、目、鼻、口、耳、眉の位置または形状、それらの相互の位置関係、顔の輪郭、肌の色)を抽出し、無線送受信部24は、顔画像とその顔画像から抽出された特徴量とユーザ名とをセンターサーバ4に送信する携帯電話機2(【0039】、【0040】)と、 キャラクタ名50とキャラクタ画像52とを対応づけて格納しているキャラクタ画像データベース42と、キャラクタ名50と性格情報56とを対応づけて格納し、更に、キャラクタ名50と日付とに対応して、運勢情報60を格納している占いデータベース46(【0037】)と、照合プログラム36と占いプログラム39を実行するCPU(【0038】、図3)と、出力テーブル41に格納されたユーザ名80と、類似キャラクタ名82と、類似キャラクタ画像84と、性格94と、今日の運勢96とを含む情報を携帯電話機2に送信する送受信部30(【0048】)を有するセンターサーバ4とを備え、 前記照合プログラム36は、キャラクタ画像データベース42を検索し、受信した特徴量を用いて、前記顔画像との類似度が最も大きいキャラクタ画像52を選び出し、選び出されたキャラクタ画像52は、類似キャラクタ画像84として出力テーブル41に格納され、選び出されたキャラクタ画像に対応するキャラクタ名50は、類似キャラクタ名82として出力テーブル41に格納され(【0042】、【0043】)、 前記占いプログラム39は、占いデータベース46を参照し、照合プログラム36により選び出されたキャラクタ名50に対応する性格56と、照合プログラム36により選び出されたキャラクタ名50及び顔画像を受信した日付に対応する占いの内容とを、各々性格94及び今日の運勢96として、出力テーブル41に格納する(【0046】)ものであり、 携帯電話機2が備える無線送受信部24は、センターサーバ4から送信された情報を受信し、表示部22は、CPU14による制御に基づいて受信した情報を表示画面に表示する(【0049】)、 顔照合システム。(【0031】、図1)」 2 引用文献2(引用文献B)の記載事項 当審で引用した引用文献2には、以下の事項が記載されている。 「[0030] なお、画像送信部122は、必ずしも画像取得部121が取得した画像をすべてサーバ200に送信するとは限らない。例えば、画像送信部122は、コンテンツ提供端末100のユーザの許可が取得された場合に限って、画像を送信してもよい。」 3 引用文献3(引用文献C)の記載事項 当審で引用した引用文献3には、以下の事項が記載されている。 「【0033】 名刺2の撮影画像を情報処理端末1の補助記憶デバイス1cに保存する際には、一定の保存先ディレクトリまたはフォルダ(OSまたはアプリケーションプログラムが提供するファイルシステムによる)に保存してもよい(いわば、「名刺フォルダ」に複数枚の名刺2を取り込んだ画像を蓄積する態様)し、当該撮影画像に付されるメタ情報または当該撮影画像に係るマーク欄34の値に応じて、保存先のディレクトリまたはフォルダを決定するようにしてもよい。(略)」 4 引用文献4の記載事項 当審で引用した引用文献4には、以下の事項が記載されている。 「【0152】 また、その他の実施例では、撮影後に撮影画像をプレビュー表示し、その撮影画像を保存するか否かを使用者に入力させる場合、そのプレビュー表示を行っているときに、上述の実施例と同様、画像ファイルを保存するフォルダを変更できるようにしてもよい。」 5 引用文献Aと引用発明A (1)引用文献Aの記載事項 原査定の拒絶理由で引用した引用文献Aには、以下の事項が記載されている。 「【発明の効果】 【0015】 本発明のファッションアドバイジングシステムは、データベース装置で、入力された身体の一部の色、とくに顔の色、体型、顔の形といった身体的特徴に基づいて、その特徴に似合うファッションデータとしての基準色や、洋服のライン、身につける物などのファッション内容を第2記憶手段に記憶する。このファッションデータをそのまま顧客に提示する場合は、それ自体が高度な専門的なアドバイスになる。」 「【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 図1は本発明のアドバイジングシステムの一実施形態を関連する通信回線などと共に示している。このシステム10は、身体的特徴が入力されたとき、その特徴に似合うファッション内容のデータを出力する第1データベース装置11と、その第1データベース装置11から出力されたファッション内容のデータに基づき、そのファッション内容を提供する店舗のデータを出力する第2データベース装置12とから構成されている。第1データベース装置11は入出力部13を介してインターネットなどの通信回線14に接続されている。通信回線14には、一般の顧客の通信端末15あるいはデパート、化粧品や衣服の販売店、美容院などに設けられる通信端末16が接続され、その通信端末にはカメラなどの身体特徴入力装置17およびキーボード、マウスなどの入力装置が接続されている。」 「【0028】 顧客が個人の場合は、デジタルスチルカメラ26で自分の顔およびサンプルシート29を撮影し、その画像データをパーソナルコンピュータなどの通信端末15から、図1の通信回線14を介してアドバイジングシステム10の第1データベース装置11に送る。通常はあらかじめ顧客に会員登録をさせておき、その会員コードによりアドバイザイジングシステム10にアクセスさせ、所定の申し込みデータと共に画像データを送らせる。なお、上半身あるいは立ち上がった状態で撮影し、上半身あるいは全身のデータを作成して、それらの画像データを送るようにしてもよい。また、アドバイジングシステム10側で対応している場合は、デジタルビデオカメラで疑似3次元データを作成し、そのデータを送るようにしてもよい。」 「【0030】 つぎに図3aを参照して第1データベース装置11の概略を説明する。第1データベース装置11はたとえばサーバーの一部で構成されている。入出力部13から入ってくる身体特徴を表示するデータは、データ分析部40で画像データ、テキストデータ、あるいは概念データなどに分けられ、それぞれ数値化され、あるいはカテゴリー別に分類符号を付されて保管される。身体的特徴のほか、顧客のパースナリティ、雰囲気、生活スタイルなどの個人情報を文言で、あるいは数値的に表して入力し、保管することもできる。これらの個人情報は、たとえばコードナンバーと共に保管しておき、顧客からアクセスしてきたときに直ちに呼び出せるようにしておく。そして顧客から新たなアドバイス依頼があるたびに繰り返して用いるようにする。ただし毎回、あるいは定期的に個人情報を更新するようにしてもよい。 【0031】 そしてそれらの文言または数値化された個人データは、分類され、つぎの関連付け部41で衣類の形状、大きさ、似合いのカラーデータなどの処理済みデータに変換され、データ保管部42に保管される。なお、元の画像データや数値データ、概念データについても、必要なものはそのままデータ保管部42に保管する。個人データに基づいて衣類などを選択する場合、あらかじめ顧客からフォーマルかカジュアルか、使用する季節、室内が中心か、外出着か、アウトドア用かなどの使用環境を選択させ、それに応じて適切なアドバイス情報を顧客の端末側に送信し、提示する。 【0032】 さらに顧客の肌や髪、あるいは目の色にマッチングするカラー、その色と似合う主要な衣類の色彩と形状などの組み合わせ、その主要な衣類と組み合わせる関連衣類やアクセサリー類の組み合わせなどについて、マッチング評価およびコーディネート評価を行い、場合によりアドバイス情報に変換する。そしてその決定した色彩や形状、評価、アドバイス情報をデータ保管部42に保管する。このようなデータの変換は、後述するように、衣類、色彩、髪型、スタイルなどの専門家が行う判断やアドバイス、あるいは専門のカラーコーディネータが行う判断と実質的に同じものである。すなわち専門家が各種の表や数式により、特定のデータの組み合わせに基づいて、有意義なアドバイス情報を作成する過程と実質的に同じことをコンピュータを用いて演算させ、提示させるのである。」 「【0037】 上記のようにして作成され、決定されたアドバイスデータは、そのまま顧客に送ることでアドバイジングサービスを完了することもできる。(略)」 (2)引用発明A 上記(1)の記載事項からみて、引用文献Aには、身体的特徴が入力されたとき、その特徴に似合うファッション内容のデータを出力する第1データベース11を含むアドバイジングシステム10と、顧客が個人の場合に、該第1データベース11に通信回線14を介して画像データを送信する通信端末15とをあわせた以下のシステムの発明(以下「引用発明A」という。)が記載されているといえる。 「第1データベース11を含むアドバイジングシステム10と、(【0025】) デジタルスチルカメラ26で自分の顔およびサンプルシート29を撮影し、その画像データを通信回線14を介してアドバイジングシステム10の第1データベース装置11に送る通信端末15と、(【0028】) を備え、 前記第1データベース11は、 入出力部13から入ってくる身体特徴を表示するデータは、データ分析部40で画像データ、テキストデータ、あるいは概念データなどに分けられ、それぞれ数値化され、あるいはカテゴリー別に分類符号を付されて保管され、身体的特徴のほか、顧客のパースナリティ、雰囲気、生活スタイルなどの個人情報を文言で、あるいは数値的に表して入力し、保管することもでき、(【0030】) そしてそれらの文言または数値化された個人データは、分類され、つぎの関連付け部41で衣類の形状、大きさ、似合いのカラーデータなどの処理済みデータに変換され、データ保管部42に保管され、(【0031】) さらに顧客の肌や髪、あるいは目の色にマッチングするカラー、その色と似合う主要な衣類の色彩と形状などの組み合わせ、その主要な衣類と組み合わせる関連衣類やアクセサリー類の組み合わせなどについて、マッチング評価およびコーディネート評価を行い、場合によりアドバイス情報に変換し、その決定した色彩や形状、評価、アドバイス情報をデータ保管部42に保管し、(【0032】) 上記のようにして作成され、決定されたアドバイスデータを通信端末15に送信し、提示する(【0031】、【0037】) システム。」 6 引用文献Dの記載事項 原査定の拒絶理由で引用した引用文献Dには、以下の事項が記載されている。 「【0004】 特許文献2は、静止画や動画の画像情報を記憶媒体に記憶する電子カメラに関する。記憶媒体に複数の仮想フォルダを作成し、所望のフォルダを選択して画像データを選択フォルダに格納させる手段を備えている。(略)」 「【0007】 本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザーインターフェイスの視覚的操作性を活用して画像等を格納するフォルダを自由設定し、ユーザーの意図したフォルダを取得可能とした電子機器を提供することにある。」 「【0031】 (略)そして、フォルダ制御部7は、保存先の変更があるか否かを判定する(ステップS8)。フォルダ制御部7は、ユーザーが画像等を記録するフォルダFの変更処理を指定した場合(ステップS8がYes)、保存先の変更処理を行い、処理を終了する。フォルダ名称を入力しない場合(ステップS3がNo)、または、保存済み画像がない場合(ステップS6がNo)、ステップS8にジャンプする。また、保存先変更がない場合(ステップS9がNo)、処理を終了する。」 7 引用文献Eの記載事項 原査定の拒絶理由で引用した引用文献Eには、以下の事項が記載されている。 「【0061】 (略)管理者等は最新の医学知識等に基づく情報を入手した場合にその都度当該情報を管理サーバ装置にアップロードして保持させておくものと考えられる。従って、更新の際には、予め管理サーバ装置に保持された情報の中から更新に必要な情報を所定ルール・アドバイス情報取得部がネットワークを介して取得し、これにより更新部が所定のルールを更新することが考えられる。即ち、この場合には、管理サーバ装置による所定のルール又は/及びアドバイス情報の取得は更新のタイミングに先立って行われる。 【0062】 (所定ルール・アドバイス情報取得部、更新部) 所定ルール・アドバイス情報取得部は、管理サーバ装置に保持されている所定のルール又は/及びアドバイス情報を取得するように構成される。所定のルール又は/及びアドバイス情報の取得の目的は、これを所定ルールの更新に用いるためである。」 8 引用文献Fの記載事項 原査定の拒絶理由で引用した引用文献Fには、以下の事項が記載されている。 「【0052】 (略)化粧法データベース46は、化粧品データベース42と同様に、ネットワークを介して化粧品メーカのサイト等から情報を更新することも可能である。」 「【0054】 インターネット網60は、所定のプロトコルに従ってデータ等が伝送される通信ネットワークであり、ネットワーク通信部50は、インターネット網60を介して各化粧品メーカのウェブサーバに接続し、化粧品メーカのウェブサイト70を参照可能に構成されている。ネットワーク通信部50は、入力部18の入力に基づいて、化粧品データベース42に登録された化粧品の成分等のデータを取得し、また化粧法データベース46を定期的に更新する。」 9 その他の文献 (1)前置報告において新たに引用された特開2010-128777号公報には、以下の事項が記載されている。 「【0016】 図1において、検索サーバ1はクライアント端末2に対して飲食店専用の検索サービスを提供する。そして、クライアント端末2において、ユーザにより検索条件(例えば、エリアや料理ジャンルなど)が指定され検索要求がなされると、検索サーバ1は指定された検索条件に適合する検索結果(飲食店情報)をクライアント端末2に提示する。 本実施形態では、検索サーバ1がクライアント端末2に対して検索結果を提示する際、検索要求を行ったユーザの属性(ユーザ属性)に基づく占い結果に応じて検索結果を並び替えるようになっている。このユーザ属性に基づく占い結果は、外部の占いサーバ3によって提供される。なお、ユーザ属性とは、ユーザの生年月日や星座など、一般的に占いに用いられる情報である。」 「【0022】 検索サーバ1は上述した構成を備えている。検索サーバ1のCPU111は、サーバ用ソフトウェアを実行することにより、クライアント端末2で起動されたウェブブラウザからの検索要求に応答して飲食店の検索を実行する。 また、検索要求を行ったユーザの属性により、このユーザの現在のステータスを占うことを占いサーバ3に対して要求する。そして、クライアント端末2に対して検索結果を提示する際に、占いサーバ3による占い結果に基づいて検索結果を並び替える。 つまり、本実施形態では、占いによって得られる結果、例えば、おすすめの色(ラッキーカラー)、おすすめの方角(ラッキー方角)、おすすめの料理ジャンル(ラッキーグルメ)がユーザの現在のステータスとなる。」 (2)前置報告において新たに引用された特開平8-309033号公報には、以下の事項が記載されている。 「【0011】画像入力部1は、手の画像を入力する。手相検知部2は、入力された手の画像から手相を構成する手のしわを検知し、2値化処理及び雑音除去処理により手のしわの部分とそれ以外の部分とを分離する。特徴量抽出部3では、手相を調べる場合の特徴量である手のしわの長さ、太さ、本数、各しわの間の相対的な位置関係などを数値化し、特徴量ベクトルを作成する。手相解析部4は、手相を調べる上での論理的な演算を行うためのルールを備えており、特徴量ベクトルから利用者の問い合せに従って、手相を解析し、利用者の運勢などを判断する。問い合せ入力部5及び表示部6は、入出力インターフェース7を介してシステムと接続されている。問い合せ入力部5は、利用者の知りたい項目(利用者の体調、金銭、学業、仕事、相性、外出運等)に関する問い合せを入力するためのものである。表示部6は、質問に対する結果やシステムから利用者へのメッセージを表示するものである。また、出力結果は利用者の要求に応じて出力装置8からハードコピーをとることができる。手相データベース9には、利用者の手相と比較したりするためのサンプルとなる手相が蓄積されている。」 「【0014】利用者が本実施例の占い装置を動作させ、利用者の手相を画像入力部1から入力すると、画像表示部6aに手相検知部2で処理された画像が表示される。 【0015】ポインティングデバイスで構成されている問い合せ入力部5で、利用者の知りたい項目に関する問い合せコマンドを指定することにより、特徴量抽出部3で作成した特徴量ベクトルから手相占いに関する所定のルールに従って、手相解析部4で演算され、その項目に関する回答が導かれる。 【0016】ここで、導かれた回答は、メッセージ表示部6bに表示される。」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると次のことがいえる。 ア 「クライアント端末」について 引用発明の、ユーザの顔を撮影した「顔画像」は、本願発明1の「ユーザの画像又は音声のデータ」と選択的に記載された「ユーザの画像のデータ」及び「ユーザの音声のデータ」のうちの「ユーザの画像のデータ」に相当し、前記「顔画像」は、下記ウのとおり、占いに用いる「占い用データ」であるといえるから、引用発明の前記顔画像を撮影する「カメラ10」は、本願発明1の「取込手段」に相当する。 また、引用発明の前記「顔画像」を送信する「無線送受信部24」は、本願発明1の「送信手段」に相当する。 また、引用発明の「今日の運勢96」は、本願発明1の「占い結果」に相当し、引用発明の「今日の運勢96」を含む情報を携帯電話機2に送信する「送受信部30」は、本願発明の「返信手段」といえる。そして、引用発明の、センターサーバ4から送信された情報である「今日の運勢96」を表示画面に表示する「表示部22」と、本願発明1の「後記返信手段によって返信された占い結果及び提案情報を報知する報知手段」とは、「後記返信手段によって返信された占い結果」「を報知する報知手段」である点で共通する。 以上より、引用発明の「携帯電話機2」と本願発明1の「クライアント端末」とは、「ユーザの画像を占い用データとして取り込む取込手段と、前記取込手段によって取り込まれた占い用データを送信する送信手段と、後記返信手段によって返信された占い結果」「を報知する報知手段とを有する」点で共通する。 イ 「格納媒体」について 引用発明の「キャラクタ画像データベース42」は「キャラクタ名50とキャラクタ画像52とを対応づけて格納して」おり、また、「占いデータベース46」は「キャラクタ名50と性格情報56とを対応づけて格納し、更に、キャラクタ名50と日付とに対応して、運勢情報60を格納している」。そうすると、「キャラクタ画像52」は「キャラクタ名50」と対応づけられ、さらに該「キャラクタ名50」と「性格情報56」及び「運勢情報60」が対応づけられているといえるから、引用発明は、「キャラクタ画像データベース42」と「占いデータベース46」とを併せたデータベースに、「キャラクタ画像52」と「運勢情報60」とが紐付けされて格納されているといえる。 したがって、引用発明の「キャラクタ画像データベース42」が格納している「キャラクタ画像52」は、本願発明1の「格納媒体」に格納されている「複数の画像又は音声のデータ」と選択的に記載された「ユーザの画像のデータ」及び「ユーザの音声のデータ」のうちの「ユーザの画像のデータ」に相当し、引用発明の「占いデータベース46」が格納している「運勢情報60」は、本願発明1の「格納媒体」に格納されている「占い結果」に相当する。 以上より、引用発明の「キャラクタ画像データベース42」と「占いデータベース46」とを併せたデータベースと本願発明1の「格納媒体」とは、「複数の画像とこれらに対応する」「占い結果」「とが紐付けられて格納されている」点で共通する。 ウ 「サーバ装置」について (ア)「読出手段」について 引用発明は、CPU14において、センターサーバ4で照合プログラム36と占いプログラム39を実行することで、「前記顔画像との類似度が最も大きいキャラクタ画像」が選び出されて「類似キャラクタ画像84」として「出力テーブル41」に格納されるとともに、「類似キャラクタ画像84」に対応する「類似キャラクタ名82」、「性格94」及び「今日の運勢96」とが「出力テーブル41」に格納される。そうすると、「前記顔画像」、すなわち、「携帯電話機2」の「無線送受信部24」によって送信された「顔画像」は、占いに用いる「占い用データ」といえ、引用発明は、「キャラクタ画像データベース42」と「占いデータベース46」とを併せたデータベースを参照し前記顔画像(占い用データ)に対応する「今日の運勢96」を出力しているといえる。 そうすると、引用発明の上述のように機能する「CPU14」と、本願発明1の「前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出す読出手段」とは、「前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果」「を読み出す読出手段」である点で共通する。 (イ)「返信手段」について 引用発明の「出力テーブル41」に格納した「今日の運勢96」を含む情報を携帯電話機2に送信する「送受信部30」と、本願発明1の「前記読出手段によって読み出された占い結果及び提案情報を返信する返信手段」とは、「前記読出手段によって読み出された占い結果」「を返信する返信手段」である点で共通する。 (ウ)上記(ア)(イ)より、引用発明の「センターサーバ4」は、本願発明1と同様の「サーバ装置」であるといえる。 エ 「情報提供システム」について 上記アないしウより、引用発明の「顔照合システム」は、ユーザに「今日の運勢96を含む情報」を提供するから、引用発明と同様の「情報提供システム」であるといえる。 以上より、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また相違する。 (一致点) 「ユーザの画像を占い用データとして取り込む取込手段と、前記取込手段によって取り込まれた占い用データを送信する送信手段と、後記返信手段によって返信された占い結果を報知する報知手段とを有するクライアント端末と、 複数の画像とこれらに対応する占い結果とが紐付けられて格納されている格納媒体と、 前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果を読み出す読出手段と、前記読出手段によって読み出された占い結果を返信する返信手段と、を有するサーバ装置と、 を備える、情報提供システム。」 <相違点1> 本願発明1では、「クライアント端末」の「報知手段」が「占い結果及び提案情報」を報知するのに対し、引用発明では、「携帯電話機2」の「表示部22」は、「今日の運勢96」を表示するものの、「提案情報」を表示するものではない点。 この点に対応して、本願発明1は、「格納媒体」に「複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されて」おり、「サーバ装置」の「読出手段」が「前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出」し、「返信手段」が「前記読出手段によって読み出された占い結果及び提案情報を返信」するのに対し、引用発明では、「キャラクタ画像データベース42」と「占いデータベース46」に「占い結果に付帯する適宜更新した提案情報」が格納されておらず、そのため、センターサーバ4が前記「提案情報」を読み出して携帯電話機2に送信するものではない点。 <相違点2> 相違点1に関連して「格納媒体」に格納されている「占い結果」について、本願発明1では「適宜更新した」ものであるのに対し、引用発明では、この点が特定されていない点。 (2)判断 相違点1について検討する。 本願発明1は、相違点1に係る構成により、クライアント端末の報知手段が、クライアント端末から送信したユーザの画像又は音声データに基づく占い結果と該占い結果に付帯する提案情報とを報知するものであり、そのために、本願発明1は、「複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体」、「前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出す読出手段」及び「前記読出手段によって読み出された占い結果及び提案情報を返信する返信手段」という構成を備えている。 一方、引用文献2-4及び上記第5で摘記した他の文献には、「クライアント端末の報知手段が、クライアント端末から送信したユーザの画像又は音声データに基づく占い結果と該占い結果に付帯する提案情報とを報知する」こと、及び、そのためのサーバ装置の構成について記載されておらず、また、これらの事項は当業者にとって自明なものでもない。 そして、本願発明1は、相違点1に係る構成を備えることで、本願明細書に記載された「多くの人が興味を持っている本日の占い結果をユーザに提供したり、更に占い結果に付帯するオススメ情報などを提供したりすれば、本システムの利用頻度は高まる」(【0018】)という効果を奏するものである。 したがって、本願発明の相違点1に係る構成は、引用発明と引用文献2-4に記載された事項により、当業者であっても容易に想到し得たものではない。 (3)本願発明1についてのまとめ したがって、相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明と引用文献2-4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本願発明2-6について 本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明であるから、本願発明1と引用発明との相違点1(上記1(1)を参照。)に係る構成を有するものである。 したがって、本願発明2-6は、本願発明1についてと同様の理由により、引用発明と引用文献2-4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本願発明7について 本願発明7は、本願発明1と同様に、クライアント端末の報知手段が、クライアント端末から送信したユーザの画像又は音声データに基づく占い結果と該占い結果に付帯する提案情報とを報知するための発明であって、本願発明1の「情報提供システム」が備える「サーバ装置」の構成を方法のカテゴリ表現に変更した上で「サーバ装置が実行するプログラム」として表現したものである。そして、本願発明7は、本願発明1と引用発明との相違点1に関する「複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体」、「前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出す読出手段」及び「前記読出手段によって読み出された占い結果及び提案情報を返信する返信手段」という構成に対応する構成を備えており、上記1(2)と同様に、当該構成は、引用文献2-4及び上記第5に摘記した他の文献に記載されておらず、当業者にとって自明なものではない。 したがって、本願発明7は、当業者であっても引用発明と引用文献2-4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 第7 当審拒絶理由についての判断 1 当審拒絶理由1について (1)特許法第36条第6項第1号及び第2号について ア 請求項1-6について 当審より、請求項1の「複数の占い用データとこれらに対応する占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが一対で格納されている格納媒体」が発明の詳細な説明に記載されておらず、かつ明確でもないとの拒絶理由を通知しているが、令和3年6月3日にされた手続補正(この項では、以下「手続補正」という。)により「複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体」と補正されたことにより、この拒絶理由は解消した。 イ 請求項2について 当審より、請求項2の「所定時刻にユーザがクライアント端末を操作している際」が発明の詳細な説明に記載されておらず、かつ明確でもないとの拒絶理由を通知しているが、手続補正により「所定時刻にユーザがクライアント端末のアクションを停止する操作をした際」と補正されたことにより、この拒絶理由は解消した。 ウ 請求項5について 当審より、請求項5がいずれの請求項を引用するか不明であるから、請求項5に係る発明は明確でないとの拒絶理由を通知しているが、手続補正により「請求項1記載の情報提供システム。」の点が追加されたことにより、この拒絶理由は解消した。 エ 請求項7について 当審より、請求項7について、(ア)上記アで請求項1について指摘した理由と同様の理由、及び、(イ)クライアント端末に実行させる点の特定事項は、「サーバ装置に実行させるプログラム」をどのように特定するものであるか不明である旨の拒絶理由を通知している。 (ア)については、手続補正により「前記受信した占い用データに基づいて複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体」と補正することで、一応この拒絶理由は解消したが、当該手続補正により追加された「適宜更新した適宜更新した」占い結果という記載が新たに不明確となった。 (イ)については、手続補正によりクライアント端末に実行させるべき構成の記載が削除されたため、この拒絶理由は解消した。 (2)特許法第29条第2項について 上記第6のとおり、本願発明1-7は、引用発明と引用文献2-4に記載した事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、当審からの特許法第29条第2項についての拒絶理由により、本願を拒絶することはできない。 2 当審拒絶理由2について 手続補正の結果、上記1(1)エ(ア)で示す「適宜更新した適宜更新した」占い結果の記載が新たに不明確となったが、令和3年7月20日にされた手続補正により「適宜更新した」占い結果と補正されたことにより、この拒絶理由は解消した。 第8 原査定の拒絶理由についての判断 1 本願発明1について 原査定の拒絶理由に引用された引用文献Aに記載された引用発明Aと本願発明1とを対比すると、引用発明Aは、「通信端末15」が「画像データ」を送信し、「第1データベース装置11」は、受信した「画像データ」に基づいて「アドバイスデータ」(提案情報)を送信するものであるが、本願発明1とは、クライアント端末の報知手段が、クライアント端末から送信したユーザの画像又は音声データに基づく占い結果と該占い結果に付帯する提案情報とを報知するものではない点で相違する。そして、引用発明Aは、そのための本願発明1の構成である、「複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体」、「前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出す読出手段」及び「前記読出手段によって読み出された占い結果及び提案情報を返信する返信手段」という構成を備えていない。 また、原査定で引用した文献BないしF及び上記第5で摘記した他の文献には、「クライアント端末の報知手段が、クライアント端末から送信したユーザの画像又は音声データに基づく占い結果と該占い結果に付帯する提案情報とを報知する」こと、及び、そのための本願発明1の構成について記載されておらず、また、これらの事項は当業者にとって自明なものでもない。 そして、本願発明1は、上記構成を備えることで、本願明細書に記載された「多くの人が興味を持っている本日の占い結果をユーザに提供したり、更に占い結果に付帯するオススメ情報などを提供したりすれば、本システムの利用頻度は高まる」(【0018】)という効果を奏するものである。 したがって、本願発明1は、引用発明Aと引用文献B-Fに記載された事項により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本願発明2-6について 本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明であって、本願発明1の「複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体」、「前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出す読出手段」及び「前記読出手段によって読み出された占い結果及び提案情報を返信する返信手段」という構成を備えるから、本願発明1についてと同様の理由により、引用発明Aと引用文献B-Fに記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本願発明7について 本願発明7は、本願発明1と同様に、クライアント端末の報知手段が、クライアント端末から送信したユーザの画像又は音声データに基づく占い結果と該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とを報知するための発明であって、本願発明1の「情報提供システム」が備える「サーバ装置」の構成を方法のカテゴリ表現に変更した上で「サーバ装置が実行するプログラム」として表現したものである。そして、本願発明7は、本願発明1の「複数の画像又は音声のデータとこれらに対応する適宜更新した占い結果と当該占い結果に付帯する適宜更新した提案情報とが紐付けられて格納されている格納媒体」、「前記送信手段によって送信された占い用データに基づいて前記格納媒体を参照して当該占い用データに対応する占い結果及び提案情報を読み出す読出手段」及び「前記読出手段によって読み出された占い結果及び提案情報を返信する返信手段」という構成に対応する構成を備えており、上記1と同様に、当該構成が引用文献B-F及び上記第5に摘記した他の文献に記載されておらず、当該構成は自明なものではない。 したがって、本願発明7は、当業者であっても引用発明Aと引用文献B-Fに記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 第9 むすび 以上のとおりであるから、原査定の拒絶理由及び当審の拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-002168

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