特許拒絶査定不服審判
2020-000652
複数の荷電粒子ビームを用いてサンプルを検査するための装置および方法
- 審判番号
- 2020-000652
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-566736
- 請求日
- 2020年01月17日
- 審決日
- 2020年09月09日
- 公報発行日
- 2021年03月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】テクニシエ ユニヴェルシテイト デルフト
- 【請求人代理人】廣瀬 隆行
- 審判長/審判官
- 審判長 瀬川 勝久
- 審判官 松川 直樹
- 審判官 近藤 幸浩
- 分類
- P18 .575-Z (H01J) / P18 .121-Z (H01J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-566736号「複数の荷電粒子ビームを用いてサンプルを検査するための装置および方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月12日国際公開、WO2015/170969号、平成29年6月8日国内公表、特表2017-515283号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)4月23日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2014年(平成26年)5月8日 オランダ)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年12月21日 :翻訳文(特許請求の範囲、明細書及び図面
)提出
平成31年 2月21日付け:拒絶理由通知書
令和元年 9月 5日 :意見書の提出
令和元年 9月10日付け:拒絶査定(謄本発送 同年同月17日
以下「原査定」という。)
令和2年 1月17日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和2年1月17日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年1月17日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、補正前の平成28年12月21日に提出された翻訳文の特許請求の範囲(以下「本件補正前の特許請求の範囲」という。)の請求項1を引用する請求項2の記載は、次のとおり、補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載のとおりに補正された(下線部は、補正前の請求項1を引用する請求項2に対しての補正箇所である。)。
「【請求項1】
サンプルを検査するための装置において、
当該装置は、
前記サンプルを保持するためのサンプルホルダーと、
1次荷電粒子ビームのアレイを発生するためのマルチビーム荷電粒子発生器と、
前記1次荷電粒子ビームのアレイを、前記サンプルホルダーにおいて分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイになるように方向づけるための電磁レンズ系と、
前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルに衝突するときか、もしくは前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルを通過した透過後に、前記集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを検出するように構成されているマルチピクセルフォトン検出器と、
前記分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイの内の少なくとも2個の隣接した集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを搬送し、前記マルチピクセルフォトン検出器のピクセルを識別および/もしくは分離するか、あるいはそのピクセルのグループを識別および/もしくは分離するための光学アセンブリとを含む装置であって、
前記装置は、カソードルミネッセンス物質の層を含み、
前記サンプルホルダーは、前記サンプルを通過した前記荷電粒子が、続いて前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突するように、前記電磁レンズ系と前記カソードルミネッセンス物質の層との間に前記サンプルを位置決めするように構成される、
装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の特許請求の範囲の請求項1及びこれを引用する請求項2の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
サンプルを検査するための装置において、
当該装置は、
前記サンプルを保持するためのサンプルホルダーと、
1次荷電粒子ビームのアレイを発生するためのマルチビーム荷電粒子発生器と、
前記1次荷電粒子ビームのアレイを、前記サンプルホルダーにおいて分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイになるように方向づけるための電磁レンズ系と、
前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルに衝突するときか、もしくは前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルを通過した透過後に、前記集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを検出するように構成されているマルチピクセルフォトン検出器と、
前記分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイの内の少なくとも2個の隣接した集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを搬送し、前記マルチピクセルフォトン検出器のピクセルを識別および/もしくは分離するか、あるいはそのピクセルのグループを識別および/もしくは分離するための光学アセンブリとを含む
装置。
【請求項2】
前記装置は、カソードルミネッセンス物質の層を含み、
前記サンプルホルダーは、前記荷電粒子が前記サンプルを通過した透過後に、前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突するように、前記電磁レンズ系と前記カソードルミネッセンス物質の層との間に前記サンプルを位置決めするように構成されている
請求項1に記載の装置。」
2.補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1を引用する請求項2に記載された発明を特定するために必要な事項である「荷電粒子が」「カソードルミネッセンス物質の層に衝突する」ことに関して、「前記荷電粒子が前記サンプルを通過した透過後に」前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突するとあったものを、「前記サンプルを通過した前記荷電粒子が、続いて」前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突すると補正し、「荷電粒子が」「カソードルミネッセンス物質の層に衝突する」までの過程を「続いて」と限定するものであって、本件補正前の請求項1を引用する請求項2に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記「1.」「(1)」に記載したとおりの次のものである(なお、A~Hは、本件補正発明を分説するために当審で付したものである。)。
「A サンプルを検査するための装置において、
当該装置は、
B 前記サンプルを保持するためのサンプルホルダーと、
C 1次荷電粒子ビームのアレイを発生するためのマルチビーム荷電粒子発生器と、
D 前記1次荷電粒子ビームのアレイを、前記サンプルホルダーにおいて分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイになるように方向づけるための電磁レンズ系と、
E 前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルに衝突するときか、もしくは前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルを通過した透過後に、前記集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを検出するように構成されているマルチピクセルフォトン検出器と、
F 前記分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイの内の少なくとも2個の隣接した集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを搬送し、前記マルチピクセルフォトン検出器のピクセルを識別および/もしくは分離するか、あるいはそのピクセルのグループを識別および/もしくは分離するための光学アセンブリとを含む装置であって、
G 前記装置は、カソードルミネッセンス物質の層を含み、
H 前記サンプルホルダーは、前記サンプルを通過した前記荷電粒子が、続いて前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突するように、前記電磁レンズ系と前記カソードルミネッセンス物質の層との間に前記サンプルを位置決めするように構成される、
A 装置。」
(2)引用文献の記載事項及び引用発明
ア 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった刊行物である特開2004-95281号公報(以下「引用文献」という。)には、次の記載がある(下線は当審が付した。以下同じ。)。
(ア)「【請求項1】
電子線を放出して当該電子線を試料に照射するための電子銃と、試料を透過した電子線を拡大する電子レンズと、前記拡大された電子線を検出して、試料の画像を形成する検出器とを備えたことを特徴とする電子線装置。
【請求項12】
請求項1に記載した電子線装置において、
前記検出器は、
前記拡大された電子線をさらに増倍するMCPと、
前記MCPで倍増された電子線を光の像に変えるシンチレータと、
前記シンチレータが作る光の像の大きさを調整する光学レンズ又はその光の像を1対1に写す光学系と、
前記光学レンズで大きさが調整された光の像が結像させられるCCD検出器又はTDI検出器の一方とを備えたことを特徴とする電子線装置。」
(イ)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高スループット且つ高信頼性で、電子線透過マスクに対して欠陥検査等の評価を行う電子線装置に関し、更に、そのような電子線装置に用いるデバイスの製造方法に関する。」
(ウ)「【0040】・・・
電子線装置
主ハウジング30又は30bに設けられた電子線装置70(図1及び図6参照)のより詳細な実施の形態を図7に示す。図7は、下側に試料としてのマスクM、例えばステンシルマスク800を照射する電子銃711などを備えた照射光学系710を配し、この照射光学系710の上には、試料台50に支持されるステンシルマスク800と、更にその上側に、このステンシルマスクを透過した電子線を検出する検出器770を配置する。以下説明する実施形態は、下部に位置する電子銃711から上向きに電子線が照射される形態である。もちろん、上部に電子銃711を配置して下向きに電子線を照射する形態を採用してもよい。・・・
【0048】
上記第3の成形開口723はステンシルマスク800を照明する電子線の平行度を良くするためのものでここに電子銃711が作るクロスオーバ像が結像される。走査手段としての第2の偏向器725は、主視野内を分割し、ステップアンドリピート的に照明領域を移動させ、その移動に応じてステンシルマスク800を透過した後の光学系の像面湾曲収差と非点収差を補正する場合に必要な偏向器である。この点について、より詳細に説明すると、第2の偏向器725は、電子線のマスク上位置をステップアンドリピート的に移動させる。例えば、第2の偏向器725により、一次電子ビームは、+X方向と-X方向に走査させられる。この場合、マスク800を保持する試料台50を+Y方向と-Y方向に移動させる。・・・
【0049】
第2の偏向器725は、上記補正を行わない場合でも、ステンシルマスク800の面上を走査し、そのSEM像を得たりして、レジストレーションを行うのに使用することもできる。そのようなレジストレーションを行う場合、ステンシルマスク800の電子銃711側に検出器727を設け、電子線(換言すれば、一次電子線)のステンシルマスク800への入射により放出される二次電子や反射される反射電子を検出器727で検出するようにすることが好ましい。」
(エ)「【0096】
更に本発明のデバイス製造方法によれば、上記のような欠陥検査装置を用いてマスクの欠陥検査を行うようにしたので、製品の歩留まりの向上及び欠陥製品の出荷防止が図れる、という優れた効果が得られる。
電子線装置の他の実施の形態
図15Aは単ビームによるステンシルマスク検査装置の実施の形態である。電子銃711から放出された電子線はコンデンサレンズ751と対物レンズ753で縮小され、ステンシルマスク800に合焦され、偏向器755,757でステンシルマスク800上を二次元走査する。ステンシルマスク800の穴部を透過した電子はMCP771で検出され、アンプ761で増幅、かつ、AD変換され、画像形成回路763で画像データが形成される。この画像データはCADで作られた設計データと比較され、異る座標が出力される。
【0097】
この実施形態においては、例えば、偏向器755,757で、X方向に単ビームを走査し、試料台50をY方向に移動させるようにする。勿論、偏向器755,757で、Y方向に単ビームを走査し、試料台50をX方向に移動させるようにしてもよい。
【0098】
図15Bは前記図15Aと比較して電子線の数を複数にした場合の実施の形態である。複数のエミッション領域を有するLaB6カソードを持つ電子銃711’から放出された複数の電子線はコンデンサレンズ752で互の距離を拡大され、第2のコンデンサレンズ754の上に設けたマルチ開口756を照射する。マルチ開口756で成形された電子線は縮小レンズ758と対物レンズ760とでステンシルマスク800に合焦される。ステンシルマスク800を通過した電子は拡大レンズ762、764によって拡大され、複数の検出器(各検出器は符号a~fとして示し、全体を770’と示す。)で検出され、各検出器に付属のA/D変換器768でデジタル信号にされ、欠陥検査処理が行われる。マルチビームを作る光軸を複数にすると、収差が低減され、各ビームを細く絞ることができる。
【0099】
本実施形態においては、第2のコンデンサレンズ754と縮小レンズ758との間に、偏向器755’と757’が設けられている。当該偏向器755,757により、ステンシルマスク800に合焦された複数の電子線は、ステンシルマスク800上を二次元に走査される。本実施形態においても、例えば、偏向器755’、757’で、複数の電子線をX方向にを(当審注:誤記と思われる)走査し、試料台50をY方向に移動させるようにする。勿論、偏向器755’,757’で、Y方向に複数の電子線をを(当審注:誤記と思われる)走査し、試料台50をX方向に移動させるようにしてもよい。・・・
【0101】
上記実施形態によれば、下記の効果を奏することができる。・・・
9.拡大レンズ系の倍率を可変にしたので、等倍マスク、1/4縮のマスク、1/10縮小等のキャラクターマスクの検査すべてを能率良く検査できる。」
(オ)図7及び図15Bは次のとおりである。
(カ)上記(ア)ないし(エ)の記載を踏まえて、上記(オ)の図15Bを見ると、電子銃711’から放出された、所定の幅を有する複数の電子線は、コンデンサレンズ752で互の距離を拡大され、第2のコンデンサレンズ754の上に設けたマルチ開口756を照射し、マルチ開口756で成形された電子線は縮小レンズ758と対物レンズ760とでステンシルマスク800に合焦されるところ、当該対物レンズ760で1点に絞られた後、当該ステンシルマスク800上では、所定の幅を有する電子線の状態とされるものであることが見て取れる(後記参考図参照)。
【参考図】
イ 引用文献に記載された発明
(ア)上記「ア」「(ア)」によれば、引用文献には、請求項1を引用する請求項12として次の発明(以下「引用発明A」)が記載されている。
「電子線を放出して当該電子線を試料に照射するための電子銃と、試料を透過した電子線を拡大する電子レンズと、前記拡大された電子線を検出して、試料の画像を形成する検出器とを備え、
前記検出器は、
前記拡大された電子線をさらに増倍するMCPと、
前記MCPで倍増された電子線を光の像に変えるシンチレータと、
前記シンチレータが作る光の像の大きさを調整する光学レンズ又はその光の像を1対1に写す光学系と、
前記光学レンズで大きさが調整された光の像が結像させられるCCD検出器又はTDI検出器の一方とを備える電子線装置。」
(イ)引用発明Aの「電子線を放出して当該電子線を試料に照射するための電子銃と、試料を透過した電子線を拡大する電子レンズと、前記拡大された電子線を検出して、試料の画像を形成する検出器とを備え・・・る電子線装置」の具体的構成として、上記アの各記載を踏まえると、引用文献には、「電子線装置の他の実施の形態」(上記「ア」「(エ)」)として、下記の各点が記載されている。
a 引用発明Aの「電子線装置」が、具体的には「電子線透過マスクに対して欠陥検査等の評価を行う電子線装置」(【0001】)であって、当該電子線装置は、「欠陥検査装置を用いて(ステンシル)マスクの欠陥検査を行う」「ステンシルマスク検査装置」(【0096】)である点。
b 引用発明Aの「試料」が、具体的には「試料としての」「ステンシルマスク800」(【0040】)である点。
c 引用発明Aの「電子線を放出して当該電子線を試料に照射するための電子銃」の具体的構成が「複数のエミッション領域を有するLaB6カソードを持つ電子銃711’」(【0098】)であり、また、当該電子線が「ステンシルマスク800へ」「入射する」「一次電子線」(【0049】)である点。
d 引用発明Aの「試料を透過した電子線を拡大する電子レンズ」の具体的構成が「ステンシルマスク800を通過した電子」を「拡大」する「拡大レンズ762、764」(【0098】)である点。
e 引用発明Aの「電子」は「電子線」を構成している点。
(ウ)引用文献の「電子線装置の他の実施の形態」(上記「ア」「(エ)」)は、上記アを踏まえると、上記(イ)の各構成に加えて、下記の各構成を備えることが記載されている。
a 複数のエミッション領域を有するLaB6カソードを持つ電子銃711’から放出された複数の電子線を、「コンデンサレンズ752で互の距離を拡大され、第2のコンデンサレンズ754の上に設けたマルチ開口756を照射」し「マルチ開口756で成形された電子線は縮小レンズ758と対物レンズ760とでステンシルマスク800に合焦」するコンデンサレンズ752、第2のコンデンサレンズ754、縮小レンズ758及び対物レンズ760(【0098】)。
b ステンシルマスク800を保持する(【0048】)試料台50(【0099】)。
(エ)上記(ア)ないし(ウ)を踏まえると、引用文献には下記の発明(以下「引用発明B」という。)が記載されていると認められる。
「a 一次電子線を放出して当該一次電子線を試料としてのステンシルマスク800に照射するための複数のエミッション領域を有するLaB6カソードを持つ電子銃711’と(引用発明A、上記「(イ)」「b」及び「(イ)」「c」)、
b 前記電子銃711’から放出された複数の一次電子線を、コンデンサレンズ752で互の距離を拡大され、第2のコンデンサレンズ754の上に設けたマルチ開口756を照射しマルチ開口756で成形された一次電子線は縮小レンズ758と対物レンズ760とでステンシルマスク800に合焦するコンデンサレンズ752、第2のコンデンサレンズ754、縮小レンズ758及び対物レンズ760と(上記「(ウ)」「a」)、
c 前記ステンシルマスク800を保持する試料台50と(上記「(ウ)」「b」)、
d 前記ステンシルマスク800を通過した一次電子線を拡大する拡大レンズ762、764と(引用発明A及び上記「(イ)」「d」)、
e 前記拡大された一次電子線を検出して、試料としてのステンシルマスク800の画像を形成する検出器とを備え、
前記検出器は、
前記拡大された一次電子線をさらに増倍するMCPと、
前記MCPで倍増された一次電子線を光の像に変えるシンチレータと、
前記シンチレータが作る光の像の大きさを調整する光学レンズ又はその光の像を1対1に写す光学系と、
前記光学レンズで大きさが調整された光の像が結像させられるCCD検出器又はTDI検出器の一方とを備え(引用発明A)、
f 前記電子銃711’から放出された、所定の幅を有する複数の一次電子線は、コンデンサレンズ752で互の距離を拡大され、第2のコンデンサレンズ754の上に設けたマルチ開口756を照射し、マルチ開口756で成形された一次電子線は縮小レンズ758と対物レンズ760とでステンシルマスク800に合焦され、当該対物レンズ760で1点に絞られた後、当該ステンシルマスク800上では、所定の幅を有する一次電子線の状態とされる(上記「ア」「(カ)」)、
g 欠陥検査装置を用いてステンシルマスクの欠陥検査を行うステンシルマスク検査装置(上記「(イ)」「a」)。」
(3)対比・判断
ア 本件補正発明と引用発明Bとを対比する。
(ア)引用発明Bの「試料としてのステンシルマスク800」は、本件補正発明の「サンプル」に相当するから、引用発明Bの「欠陥検査装置を用いてステンシルマスクの欠陥検査を行うステンシルマスク検査装置」(構成g)は、本件補正発明の「サンプルを検査するための装置」(構成A)に相当する。
(イ)引用発明Bの「前記ステンシルマスク800を保持する試料台50」(構成c)は、本件補正発明の「前記サンプルを保持するためのサンプルホルダー」(構成B)に相当する。
(ウ)引用発明Bの「電子」及び「一次電子線」は、本件補正発明の「荷電粒子」及び「1次荷電粒子ビーム」にそれぞれ相当する。
また、引用発明Bの「一次電子線」は「複数のエミッション領域を有するLaB6カソードを持つ電子銃711’」から照射されるから、複数の「一次電子線」からなるアレイを発生しているといえる。
したがって、引用発明Bの「一次電子線を放出して当該一次電子線を試料としてのステンシルマスク800に照射するための複数のエミッション領域を有するLaB6カソードを持つ電子銃711’」(構成a)は、本件補正発明の「1次荷電粒子ビームのアレイを発生するためのマルチビーム荷電粒子発生器」(構成C)に相当する。
(エ)引用発明Bの「コンデンサレンズ752、第2のコンデンサレンズ754、縮小レンズ758及び対物レンズ760」(構成b)は、本件補正発明の「電磁レンズ系」に相当する。
また、引用発明Bの「前記電子銃711’から放出された、所定の幅を有する複数の一次電子線は、コンデンサレンズ752で互の距離を拡大され、第2のコンデンサレンズ754の上に設けたマルチ開口756を照射し、マルチ開口756で成形された一次電子線は縮小レンズ758と対物レンズ760とでステンシルマスク800に合焦され、当該対物レンズ760で1点に絞られた後、当該ステンシルマスク800上では、所定の幅を有する一次電子線の状態とされる」(構成f)ことは、上記(イ)を踏まえると、本件補正発明の「サンプルホルダーにおいて分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイになるように方向づける」ことに相当する。
したがって、引用発明Bの「前記電子銃711’から放出された複数の一次電子線を、コンデンサレンズ752で互の距離を拡大され、第2のコンデンサレンズ754の上に設けたマルチ開口756を照射しマルチ開口756で成形された一次電子線は縮小レンズ758と対物レンズ760とでステンシルマスク800に合焦するコンデンサレンズ752、第2のコンデンサレンズ754、縮小レンズ758及び対物レンズ760」(上記構成b)は、本件補正発明の「前記1次荷電粒子ビームのアレイを、前記サンプルホルダーにおいて分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイになるように方向づけるための電磁レンズ系」(構成D)に相当する。
(オ)引用発明Bの「CCD検出器又はTDI検出器」は、本願補正発明の「マルチピクセルフォトン検出器」に相当するといえるから、引用発明Bの「検出器」は、「前記ステンシルマスク800を通過した一次電子線」(構成d)「を検出して、試料としてのステンシルマスク800の画像を形成する検出器」(構成e)であって、「前記検出器は、」「一次電子線を光の像に変えるシンチレータと、前記シンチレータが作る光の像」「が結像させられる」「CCD検出器又はTDI検出器の一方とを備え」(構成e)るから、本願補正発明の「前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルに衝突するときか、もしくは前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルを通過した透過後に、前記集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを検出するように構成されているマルチピクセルフォトン検出器」(構成E)と、「前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルを通過した透過後に、前記集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを検出するように構成されているマルチピクセルフォトン検出器」(以下「構成E´」という。)の点で一致する。
(カ)引用発明Bの「前記シンチレータが作る光の像の大きさを調整する光学レンズ又はその光の像を1対1に写す光学系」は、「前記光学レンズで大きさが調整された光の像が結像させられる」(構成e)ものであるから、本願補正発明の「前記分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイの内の少なくとも2個の隣接した集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを搬送し、前記マルチピクセルフォトン検出器のピクセルを識別および/もしくは分離するか、あるいはそのピクセルのグループを識別および/もしくは分離するための光学アセンブリとを含む装置」(構成F)と、「前記分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイの内の少なくとも2個の隣接した集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを搬送し、前記マルチピクセルフォトン検出器のピクセルを分離するための光学アセンブリ」(以下「構成F´」という。)の点で一致する。
(キ)シンチレータが電子を光子に変換するために所定の厚みを必要とすることは、本願優先日当時の技術常識であり、また、所定の厚みを有するシンチレータが層をなすことは明らかであるから、引用発明Bの「前記拡大された一次電子線を検出して、試料としてのステンシルマスク800の画像を形成する検出器」が「一次電子線を光の像に変えるシンチレータ」(構成e)は、本願補正発明の「前記装置は、カソードルミネッセンス物質の層を含」(構成G)むことに相当する。
(ク)引用発明Bが、「前記ステンシルマスク800を保持する試料台50」(構成c)、「前記ステンシルマスク800を通過した一次電子線を拡大する拡大レンズ762、764」(構成d)及び「前記拡大された一次電子線を検出して、試料としてのステンシルマスク800の画像を形成する検出器とを備え、前記検出器は、前記拡大された一次電子線をさらに増倍するMCPと、前記MCPで倍増された一次電子線を光の像に変えるシンチレータ」(構成e)を備えることは、本願補正発明の「前記サンプルホルダーは、前記サンプルを通過した前記荷電粒子が、続いて前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突するように、前記電磁レンズ系と前記カソードルミネッセンス物質の層との間に前記サンプルを位置決めするように構成される」(構成H)ことと、「前記サンプルホルダーは、前記サンプルを通過した前記荷電粒子が、前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突するように、前記電磁レンズ系と前記カソードルミネッセンス物質の層との間に前記サンプルを位置決めするように構成される」(構成H´)点で一致する。
(ケ)以上によれば、本件補正発明と引用発明Bは、
「A サンプルを検査するための装置において、
当該装置は、
B 前記サンプルを保持するためのサンプルホルダーと、
C 1次荷電粒子ビームのアレイを発生するためのマルチビーム荷電粒子発生器と、
D 前記1次荷電粒子ビームのアレイを、前記サンプルホルダーにおいて分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイになるように方向づけるための電磁レンズ系と、
E´ 前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルを通過した透過後に、前記集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを検出するように構成されているマルチピクセルフォトン検出器と、
F´ 前記分離した集束1次荷電粒子ビームのアレイの内の少なくとも2個の隣接した集束1次荷電粒子ビームによって生成されるフォトンを搬送し、前記マルチピクセルフォトン検出器のピクセルを分離するための光学アセンブリとを含む装置であって、
G 前記装置は、カソードルミネッセンス物質の層を含み、
H´ 前記サンプルホルダーは、前記サンプルを通過した前記荷電粒子が、前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突するように、前記電磁レンズ系と前記カソードルミネッセンス物質の層との間に前記サンプルを位置決めするように構成される、
A 装置。」
の点で一致する。
ここで、構成E´は、構成Eにおける「前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルに衝突するときか、もしくは前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルを通過した透過後に」の選択事項のうちの「前記1次荷電粒子ビームが前記サンプルを通過した透過後に」を選択するものであり、また、構成F´は、構成Fにおける「前記マルチピクセルフォトン検出器のピクセルを識別および/もしくは分離するか、あるいはそのピクセルのグループを識別および/もしくは分離するため」の選択事項のうちの「前記マルチピクセルフォトン検出器のピクセルを分離する」ことを選択するものであるから、それぞれから選択した構成において、引用発明Bの構成は本願補正発明の構成に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明Bは、「荷電粒子が」「カソードルミネッセンス物質の層に衝突する」ことに関して、本件補正発明は、「荷電粒子が」「カソードルミネッセンス物質の層に衝突する」までの過程を「続いて」と限定するのに対して、引用発明Bは、「ステンシルマスク800を通過した一次電子線」と「一次電子線を光の像に変えるシンチレータ」の間に、「前記ステンシルマスク800を通過した一次電子線を拡大する拡大レンズ762、764」と「前記拡大された一次電子線をさらに増倍するMCP」を備える点(以下「相違点」という。)で相違する。
イ 判断
上記相違点について検討する。
引用発明Bは、「ステンシルマスク800を通過した一次電子線を拡大する」必要と「前記拡大された一次電子線をさらに増倍する」必要があるため、「ステンシルマスク800を通過した一次電子線」と「一次電子線を光の像に変えるシンチレータ」に、「ステンシルマスク800を通過した一次電子線を拡大する拡大レンズ762、764」と「前記拡大された一次電子線をさらに増倍するMCP」を備える。
しかるところ、引用文献に「拡大レンズ系の倍率を可変にしたので、等倍マスク、1/4縮のマスク、1/10縮小等のキャラクターマスクの検査すべてを能率良く検査できる」(上記「(2)」「ア」「(エ)」【0101】)と記載されているとおり、ステンシルマスクにも様々な種類があり、「ステンシルマスク800を通過した一次電子線を拡大する」必要がなく、「前記拡大された一次電子線をさらに増倍する」必要もない場合があると解される。
そして、当該場合には、「ステンシルマスク800を通過した一次電子線」と「一次電子線を光の像に変えるシンチレータ」に「拡大レンズ762、764」と「MCP」がなく、「ステンシルマスク800を通過した一次電子線」が続いて「一次電子線を光の像に変えるシンチレータ」タに衝突する構成となることは明らかである。
また、このような、放射線(電子線、X線等)検査装置において、試料に続いてシンチレータを配置した構成は後記周知文献1~3に記載されているとおり従来周知の構成にすぎない。
したがって、本件補正発明は、引用発明B及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 周知文献
(ア)周知文献1(特開2004-93523号公報)
(a)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、固体撮影素子を使用するX線画像撮影等に用いられる、放射線撮影装置、放射線撮影システムおよび放射線撮影方法並びにそれを実施するためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、及び当該プログラムに関するものである。」
(b)「【0022】
図1に示すように、X線画像撮影システムの第1の実施の形態Aは、X線(放射線)を発生するX線管1、X線管1にX線の発生を指令するX線発生器2、X線管1を駆動する高圧駆動電源3、操作者によりX線照射のON/OFFの切替えを行うX線照射スイッチ4、X線管1からのX線被照射となる検査対象物(被写体)5、検査対象物5の透過X線を可視光に変換するシンチレータ6、シンチレータ6からの可視光を撮影するCCDカメラ7、X線照射スイッチ4から入力される切替え信号または該切替え信号を受けて作動するタイマスイッチからの信号に基いてCCDカメラ7から得られる撮像画像(透過画像)のキャプチャの開始/終了が行われて撮像画像データを一時記憶したり、或いはスルーするフレームグラバユニット9、該フレームグラバユニット9に一時記憶された或いはスルーされたキャプチャ画像を表示するモニタ8、及びX線照射スイッチ4から入力される切替え信号に基いてX線照射時間を設定するタイマスイッチ10を備えて構成される。」
(c)図1は次のとおりである。
(イ)周知文献2(特開昭61-241176号公報)
(a)「[発明の技術分野]
本発明は被検体に放射線を照射し、その透過した放射線量をデジタル信号に変換して表示するデジタルラジオグラフィ装置に関する。」(1頁右欄15~18行)
(b)「[発明の実施例]
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。第1図は同実施例の構成図である。同図において高電圧発生部12は制御部13からの制御信号によりX線管1を駆動する電力を発生する。高電圧発生部12からX線管1に供給する電力には大きく分けて、弱いX線を照射して透視を行うための電力と、強いX線を照射して撮影を行うための電力の2種類がある。そして透視の電力は撮影の電力に比べて100分の1以下である。X線管1から照射されたX線は被検体2を透過し例えば増感紙のようなX線エネルギーを光エネルギーに変換するイメージングプレート3に入射する。」(2頁右下欄15行~3頁左上欄7行)
(c)第1図は次のとおりである。
(ウ)周知文献3(実願昭58-45070号(実開昭59-150159号)のマイクロフィルム)
(a)「本考案は、透過走査像観察の機能を有する走査電子顕微鏡の改良に関する。」(1頁12~13行)
(b)「第1図は、このような従来装置の試料室近傍の概略を示したものである。・・・該試料室1には試料ステージ2が設けられており、・・・5は試料ステージ2に設けられた試料ホルダーであり、該試料ホルダー5には試料6が載置されている。・・・8は図示しない電子銃から放射された電子線であり該電子線8は試料6上に照射されて、その一部は透過電子線9として試料ホルダー5や試料ステージ2に穿たれた中心孔を透過し、シンチレータ10によりその強度に応じて光に変換される。」(1頁17行~2頁19行)
(c)第1図は次のとおりである。
エ 請求人の主張
(ア)請求人は、令和2年1月17日提出の審判請求書の【請求の理由】、「4.本願発明が特許されるべき理由」、「(5)文献1に関する拒絶査定の認定及び判断について」、「イ 文献1図15発明に,文献1図7発明における検出器などを適用した場合について」において、概略下記のとおり主張する。
(a)「しかし,文献1図7発明における検出器を有する装置は,本件発明1の『前記サンプルホルダーは、前記サンプルを通過した前記荷電粒子が、続いて前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突するように、前記電磁レンズ系と前記カソードルミネッセンス物質の層との間に前記サンプルを位置決めするように構成される』を満たしません。」
(b)「つまり,文献1図7発明においては,本件発明1のサンプルに相当するステンシルマスク800に電子線を照射し,その透過した電子線を,検出器770が検出します。その際に,MCP771により2次電子放出により電子線強度が増幅され,その2次電子放出された電子線が,FOP775のシンチレータにて光の像に変換されます。
文献1図7発明においては,シンチレータを通過した荷電粒子が,MCP771により2次放出され,その2次放出された荷電粒子が,シンチレータにて光の像に変換されます。
つまり,文献1図7発明は,『サンプルを通過した前記荷電粒子が、続いて前記カソードルミネッセンス物質の層に衝突する』というものではありません。すると,仮に,文献1図15発明に,文献1図7発明における検出器を適用したとしても,本件発明1には想到し得ません。
よって,本件発明1は,文献1図15発明に,文献1図7発明における検出器を適用して,当業者が容易に発明できたものではありません。」
(イ)しかしながら、上記イで検討したとおりであるから、上記主張は採用できない。
オ 本件補正発明の奏する作用効果について
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明B及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
カ 小括
したがって、本件補正発明は、引用発明B及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3.本件補正についてのむすび
以上によれば、本件補正は同法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
また、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
令和2年1月17日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1を引用する請求項2に係る発明は、平成28年12月21日に提出された翻訳文の特許請求の範囲に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1を引用する請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2」[理由]「1.」「(2)」に記載のとおりのものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1を引用する請求項2に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明及び引用文献に記載された事項に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献:特開2004-95281号公報
3.引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献の記載事項及び引用発明等は、上記「第2」[理由]「2.」「(2)」に記載したとおりである。
4.対比・判断
本願発明は、上記「第2」[理由]「2.」で検討した本件補正発明から、「荷電粒子が」「カソードルミネッセンス物質の層に衝突する」ことに関して、「荷電粒子が」「カソードルミネッセンス物質の層に衝突する」までの過程を「続いて」と限定する限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記「第2」[理由]「2.」に記載したとおり、引用発明B及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明は、引用発明Bに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明Bに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-000652