2019-900340
コインメックス
- 審判番号
- 2019-900340
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2018-120303外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6175584
- 請求日
- 2019年11月22日
- 審決日
- 2021年01月28日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】コインメックス テクノロジー カンパニー リミテッド
- 【異議申立人】ニューヨーク マーカンティール イクスチェンジ インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】中村 仁
- 【異議申立人代理人】土生 真之
- 【異議申立人代理人】大塚 啓生
- 【異議申立人】コモデイテイ エクスチエンジ インコーポレイテツド
- 【異議申立人代理人】中村 仁
- 【異議申立人代理人】土生 真之
- 【異議申立人代理人】大塚 啓生
- 分類
- T1651.261-Y (W093536) / T1651.262-Y (W093536) / T1651.263-Y (W093536) / T1651.271-Y (W093536)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
- 類否(4条1項11号)(本文から自動抽出・参考)
- 非類似(11号に当たらない)理由: 商標どうしが似ていない結論とむすびの書きぶりから機械的に判定しています。誤りがあり得るため本文で確認してください。
- 外観・称呼・観念ごとの判断(本文から自動抽出・参考)
- 外観: 異なる(区別できる)称呼: 異なる(区別できる)観念: 異なる(区別できる)当審の判断(11号の検討部分)の文から機械的に読み取っています。引用商標ごとに判断が分かれると複数付きます。誤りがあり得るため本文で確認してください。
- 称呼の音の差(本文から自動抽出・参考)
- 2音違い音の有無(「ザ」の有無など)音数・音構成の違い相違音「イン」当審の判断(11号の検討部分)で称呼の差異を述べた文から機械的に読み取っています。誤りがあり得るため本文で確認してください。
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 図形・ロゴ等(別掲)
- 引用商標(本文から自動抽出・参考)
- 引用商標登録第5613852号「COMEX」称呼 コメクス・コメックス第36類
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
1 本件商標
本件登録第6175584号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成30年9月21日に登録出願、第9類、第35類及び第36類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和元年8月15日に登録査定、同月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する登録第5613852号商標(以下「引用商標」という。)は、「COMEX」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年8月8日に登録出願、第36類「金融に関する情報の提供,金融に関する調査及び分析,金融又は財務に関する助言,金属に関する先物・その他の商品先物・オプション・スワップ・その他の金融派生商品の取引市場の提供,金属に関する先物・その他の商品先物・オプション・スワップ・その他の金融派生商品の電子的取引市場の提供,両替,資金の貸付け及び手形の割引,金融先物取引の受託,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託」を指定役務として、同25年9月6日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由の要旨
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申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の対比
本件商標は、若干図案化した欧文字小文字で「coinmex」と横書きされ、「コインメックス」及び「コインメクス」の称呼を生じる。一方、引用商標は、欧文字大文字で「COMEX」と横書きされ、「コメックス」及び「コメクス」の称呼を生じる。
両者とも、語頭が「co」と「CO」であり、語尾が「mex」と「MEX」である。構成要素中最も目立つ語頭が同じであるのみならず、語尾も全く同じであることから、両者は外観において紛らわしく類似する。
称呼において、「コインメックス」及び「コインメクス」と、「コメックス」及び「コメクス」とは構成音数こそ異なるものの、引用商標を構成する音の全てが本件商標の称呼に含まれ、語頭の「コ」と語尾の「メックス」及び「メクス」が同一構成であることから、相互に紛らわしいといえる。
金融関連のサービス名称においては、カタカナ用語や外来語が多用されている。本件商標には英語の名詞として「(円盤状の)コイン、硬貨」などの意味として一般にもよく知られた「coin」が含まれている。全体が若干図案化した欧文字小文字で書かれていることから「coin」のみを抽出することは不自然であるが、指定役務との関連で「coinmex」が金融関連であることを暗示する可能性は高い。引用商標がニューヨーク商品取引所の通称として知られていることや、金融関連情報がニュース報道や一般向け広告などで絶えず流れており一般の目に触れることが多いことなどに照らすと、観念的イメージにおいても紛らわしく、出所の混同を生じるおそれが懸念される。
イ 取引の実情について
申立人が従事する国際金融の取引の場では、様々な主体が随時参入し、移り変わりが激しい。ボタン一つクリックすることで大金が動き、何よりも迅速性が重視される取引の場と、商品をゆっくり手に取ってラベルを確認する取引の場とでは、事情が異なる。このような特徴のある業界にあって、語頭・語尾が同一であり金融を連想させる外来語が採択されている商標は、需要者・取引者にとって一見して紛らわしく、混同を生ずるおそれがあることは否定できない。
ウ 指定役務の類否について
本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、同一又は類似である。
エ 小括
したがって、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の著名性について
申立人の一方の正式名称は、「Commodity Exchange,Inc.」であるが、一般にはニューヨーク商品取引所、通称「COMEX」(コメックス)として知られている(甲3)。ニューヨーク商品取引所「COMEX」は、金など貴金属の主要な取引市場であり、その取引情勢が世界経済に与える影響は大きく、インターネット、新聞雑誌その他のメディアに登場しない日はない(甲4)。
関連業界に直接従事するものが「COMEX」(コメックス)といえばニューヨーク商品取引所と認識するのは当然であるが、不特定多数向けの報道や広告画面等で取り上げられる頻度が増えていることを考えると、たまたま関連情報に接した一般人にとっても、「COMEX」(コメックス)が金融関連で使われる語であることが認識できるほどに著名になっているといえる(甲5)。
引用商標は、申立人(Commodity Exchange,Inc.)の通称であって、金融業界で長年一貫して「COMEX」(コメックス)と使用されており、出願時に需要者取引者間で広く認識されるに至っている。
イ 本件商標について
本件商標は、中国三大仮想通貨取引所の一つであるOKEXの運営メンバーが2018年6月に創設した仮想通貨取引所である。拠点は当初金融の中心地・香港にあった。ウェブサイトの使用言語は当初英語、簡体語、繁体語であり、ごく最近から日本語も加わったが、日本の需要者向けというには情報が限られている。
本件商標は、その構成からも、引用商標と同じく金融関連であるとの印象を容易に想起させるので、需要者をして申立人の役務が提供される出所と誤認混同させるおそれがあるほか、申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有するものの業務に係る役務であるかのように誤認され、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
ウ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、次のとおりである。
(ア)申立人の主張によれば、米国の先物取引は、1840年代に中西部の主要都市シカゴで発祥し、1851年にシカゴ商品取引所(Chicago Board of Trade,略称CBOT)が開設された。その後、CBOTはシカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange,略称CME)と合併、穀物にバターやチーズ、卵などの産物が加わり1919年に組織変更された。一方、東部の大都市ニューヨークにも、1880年代にシカゴと同様の取引所が開設され、その後、この取引所は、ニューヨーク・マーカンティール・イクスチェンジ・インコーポレイテッド(New York Mercantile Exchange,略称NYMEX)に改名され、NYMEXは、原油や天然ガス、ガソリンなどエネルギーに関するコモディティ取引所であるが、1994年に金など貴金属の取引所であるコモディティ・エクスチェンジ・インコーポレイテッド(Commodity Exchange,Inc,略称COMEX)と合併した。現在、米国の先物取引は、CME、CBOT、NYMEX及びCOMEXの四大主要取引所から構成されている。
(イ)「コトバンク、デジタル大辞泉」の解説には、「コメックス【COMEX】[Commodity Exchange]」として、「NYMEX(ナイメックス)の一部門。1995年にNYMEXに吸収合併され、その一部門として金と銀の先物が上場している。」と記載されている(甲3の1)。また、「マーケット用語ワンポイント解説」によると、「COMEX」の項に、「COMEXとは、字義的にはCommodity Ecchange(商品取引所)の省略形ですが、大文字で表記する場合は『ニューヨーク商品取引所』を指します。」と記載されている(甲3の2)。
(ウ)2019年10月25日付け日本経済新聞電子版には、「NY商品、原油が続伸 米在庫減を受けた買い続く 金も続伸」の見出しの下、「ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比9.0ドル高の1トロイオンス1504.7ドルで取引を終えた。」と記載されている(甲4の1)。また、2020年1月9日出力の日本経済新聞電子版には、「金の価格について教えてください」のタイトルの下、「ニューヨーク市場は国際指標と言われるニューヨーク商品取引所(COMEX)の先物価格を掲載しています。」と記載されている(甲4の2)。
(エ)2020年1月9日出力の「楽天証券」のウェブサイトには、「金先物-Gold先物(COMEX)」として、「Gold先物(COMEX)」の時価情報のグラフが記載されている(甲5の1)。また、2020年1月20日出力の「海外市場タイムテーブル/商品先物取引オンライントレード-相場ライフ」のウェブサイトには、「COMEX」の銘柄や現地立会時間が記載されている(甲5の2)。
(オ)しかしながら、引用商標が使用された申立人の業務に係る役務(以下「申立人役務」という。)の、我が国における取引の規模や実績を裏付ける証左は見いだせない。
イ 上記アのとおり、申立人役務は、米国において1994年頃より提供され、我が国においても提供されていることは推測できるとしても、引用商標の我が国における使用開始時期、広告宣伝の方法・期間等は確認できず、何より引用商標が使用された申立人役務の我が国における取引実績を裏付ける証左は見いだせないことから、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、図案化された「COINMEX」(中央の「N」は小文字の「n」にも見える。)の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「コインメックス」の称呼を生じるものである。また、当該文字は辞書等に載録のない語であり、特定の意味を有するものとして親しまれているというべき事情も見いだせないことから、特定の観念を生じない造語というべきである。
したがって、本件商標は、「コインメックス」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、上記2のとおり、「COMEX」の欧文字よりなるところ、その構成文字に相応して「コメックス」の称呼を生じるものである。また、当該文字は「ニューヨーク商品取引所」を意味する(weblio英和辞典・和英辞典)ことから、引用商標は、「ニューヨーク商品取引所」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とを対比するに、「IN」の文字の有無、全体の図案化の程度から、外観において、判然と区別し得る差異を有するものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「コインメックス」の称呼と引用商標から生じる「コメックス」の称呼とは、「イン」の音の有無及び全体の音数に明らかな差異があるから、本件商標と引用商標は、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「ニューヨーク商品取引所」の観念を生じるものであるから、観念において紛れるおそれはない。
以上によれば、本件商標と引用商標は、観念において紛れるおそれはなく、外観及び称呼において明確に異なるものであるから、これらを総合して判断すれば、非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、商品及び役務の類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、前記(1)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、本件商標は、前記(2)のとおり、引用商標と非類似の商標であって別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品及び役務が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものとはいえず、その登録は同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲(理由中で参照)
内容を表示(3行)
第9類「コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータ周辺機器,電子計算機,ナビゲーション装置,コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),カメラ(写真用のもの),眼鏡,電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),双方向タッチスクリーン端末機」
第35類「広告,マーケティング,輸出入に関する事務の代理又は代行,販売促進のための企画及び実行の代理,他人の商品及びサービスのライセンスに関する事業の管理,ウェブサイト経由による事業に関する情報の提供,コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,コンピュータデータベースへの情報構築,経理事務の代行,スポンサー探し」
第36類「投資,債務の保証,割賦購入のあっせん,有価証券の売買の媒介・取次ぎ又は代理,保険契約の締結の代理又は媒介,土地・建物の売買又は貸借の代理又は媒介,信託の引受け,担保付資金の貸付け,保険・金融・土地又は建物に関する財務の評価,慈善のための募金,美術品の評価,インターネット経由での財務管理」
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