2019-390072
薬剤包装装置、薬剤包装装置の制御方法、分包紙及び分包紙用紙管
- 審判番号
- 2019-390072
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2012-142821外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年06月26日
- 審決日
- 2019年10月08日
- 公報発行日
- 2020年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 タカゾノ
- 【請求人代理人】特許業務法人藤本パートナーズ
- 分類
- P141 .851-Y (B65B) / P141 .853-Y (B65B) / P141 .856-Y (B65B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条3項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第4項、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
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本件訂正審判に係る特許第5467126号(以下「本件特許」という。)は、平成11年8月26日(優先権主張 平成11年2月3日、平成11年6月11日)を出願日とする特願平11-240126号の一部を平成22年2月16日に新たな特許出願(特願2010-31285号)とし、その一部を平成24年2月2日に新たな特許出願(特願2012-21236号)とし、その一部を平成24年6月26日に新たな特許出願(特願2012-142821号)としたものである。その後、平成26年1月31日にその特許権の設定登録(特許掲載公報発行日:平成26年4月9日)がされ、令和元年6月26日に本件訂正審判が請求されたものであり、令和元年6月26日付けで上申書が提出され、令和元年7月25日付けの当審よりの審尋に対して、令和元年7月31日に請求人から回答書(以下、「回答書」という。)が提出されたものである。さらに、令和元年9月6日に電話応対を行い、その記録を作成したものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書(以下、「請求書」という。)に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2について訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(なお、下線は訂正箇所を示す。)
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2に「紙管と、」と記載されているのを、「磁気検出手段を備える薬剤包装装置に装着可能な分包紙ロールであって、紙管と、」に訂正する。
2.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記紙管は、軸方向一端側と他端側とに磁石が複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで磁石の取付角度が異なる」と記載されているのを、「前記紙管は、軸方向一端側と他端側とに前記磁気検出手段で検出されるための磁石が複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで前記磁石の取付角度が異なる」に訂正する。
3.訂正事項3
願書に添付した明細書の段落[0008]に「また、本発明に係る分包紙ロールは、紙管と、紙管に巻き回される分包紙とを有し、前記紙管は、軸方向一端側と他端側とに磁石が複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで磁石の取付角度が異なることを特徴とする。」と記載されているのを、「また、本発明に係る分包紙ロールは、磁気検出手段を備える薬剤包装装置に装着可能な分包紙ロールであって、紙管と、紙管に巻き回される分包紙とを有し、前記紙管は、軸方向一端側と他端側とに前記磁気検出手段で検出されるための磁石が複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで前記磁石の取付角度が異なることを特徴とする。」と訂正する。
第3 当審の判断
1.訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、本件訂正前の請求項2の「分包紙ロール」を、「磁気検出手段を備える薬剤包装装置に装着可能な分包紙ロール」に限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書」という。)の段落[0040]には、「また、さらに、識別子を設ける形態として、図7の(b)に示したように、永久磁石21を紙管9の端面に設けるとともに、読取手段としてのホールセンサ等の磁気検出手段22を、前記永久磁石21による磁界を検出し得るべく紙管9に対向するように配設して本薬剤包装装置を構成することもできる。」及び「そして、紙管9を紙管ドラム7に装着したとき、本薬剤包装装置に適合した紙管を識別でき、適正な分包紙を識別できるとともに、適正な装着状態を確認できるという利点がある。」と記載されており、薬剤包装装置が磁気検出手段を備えること、及び、紙管(分包紙ロールの構成部材)が紙管ドラム(薬剤包装装置の構成部材)に装着可能であることが記載されているから、薬剤包装装置が磁気検出手段を備え、薬剤包装装置に分包紙ロールが装着可能である構成が本件特許明細書に記載されているといえる。よって、訂正事項1は、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
さらに、訂正事項1によって、「分包紙ロール」の技術的事項は減縮されるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるので、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、本件訂正前の請求項2の「紙管」に「軸方向一端側と他端側とに」「複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで」「取付角度が異なる」「磁石」を、薬剤包装装置に備えられた「磁気検出手段で検出されるための」ものに限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、本件特許明細書の段落[0040]には、「また、さらに、識別子を設ける形態として、図7の(b)に示したように、永久磁石21を紙管9の端面に設けるとともに、読取手段としてのホールセンサ等の磁気検出手段22を、前記永久磁石21による磁界を検出し得るべく紙管9 に対向するように配設して本薬剤包装装置を構成することもできる。」及び「例えば、図7の(b)に示したように紙管9の両端面に永久磁石21を複数個ずつ設けるものとし、しかも、一端側21aと他端側21bとでその個数、磁力の大小及び取付角度ψを異ならせるように設定することもできる。」と記載されているから、紙管に軸方向一端側と他端側とに複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで取付角度が異なる磁石が磁気検出手段で検出されるために設けられ、薬剤包装装置に備えられた磁気検出手段によって磁石が検出される構成が本件特許明細書に記載されているといえる。よって、訂正事項2は、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
さらに、訂正事項2によって、「磁石」の技術的事項は減縮されるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるので、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正事項1及び2において特許請求の範囲の請求項2を訂正することに伴い、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るために、明細書の段落[0008]について、訂正事項1及び2と同様の訂正をするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
また、訂正事項1及び2と同様の理由により、訂正事項3は、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
さらに、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
2.明細書の訂正と関係する請求項について
訂正事項3による明細書の訂正と関係する請求項は、訂正事項3に係る明細書の段落[0008]が、請求項2の記載をそのまま転記したものであること、及び、令和元年9月6日の電話応対による確認によれば、請求人が意図する関係する請求項は請求項2のみであり、本件訂正に係る請求は特許法第126条第4項に規定する、明細書の訂正に係る請求項の全てについて行われたものである。
3.独立特許要件について
本件訂正の訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討する。
(1)本件訂正発明について
訂正後の請求項2に係る発明(以下、「本件訂正発明」という。)は、次のとおりである。
[請求項2]
磁気検出手段を備える薬剤包装装置に装着可能な分包紙ロールであって、
紙管と、
紙管に巻き回される分包紙とを有し、
前記紙管は、軸方向一端側と他端側とに前記磁気検出手段で検出されるための磁石が複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで前記磁石の取付角度が異なることを特徴とする分包紙ロール。
(2)「独立特許要件」についての請求人の主張の概要
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ア.請求書での主張
本件訂正の訂正事項1及び2について、訂正事項1は、分包紙ロールが、磁気検出手段を備える薬剤包装装置に装着可能である構成に限定するものであり、訂正事項2は、磁石が磁気検出手段で検出されるために設けられる構成に限定するものである。よって、本件訂正の訂正事項1及び2により、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、本件訂正により特許法第36条第4項第1号又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもないから、独立特許要件を満たす。
イ.回答書での主張
本件特許に関し、大阪地方裁判所において特許権侵害行為差止等請求事件(平成30年(ワ)第3461号)が係属中であるところ、令和元年7月25日付けで、当審より、請求人に対して、当該事件において、特許無効の抗弁に係る被告の主張内容や当該主張を裏付けるための証拠について審尋したところ、令和元年7月31日付けの回答書に添付して、甲第1~8号証が提出された。
当該無効の抗弁に係る理由の概要は次のとおりである。
そこで当審は、上記理由1-3について、本件訂正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かを検討する。
(3)甲号証の記載事項及び甲号証に記載された発明について
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請求人は、上記回答書に添付して、次の甲第1~8号証を提出している。
なお、甲第6号証の特許第2882221号公報は本件訂正発明の優先日(平成11年2月3日)より後に発行されたものであるが、特許第2882221号公報に対応する公開特許公報である特開平6-179278号公報は本件訂正発明の優先日以前に発行されている。そこで、甲第6号証については、以降、特開平6-179278号公報に記載の事項で検討することとする。
以下、「甲第○号証」を「甲○」といい、甲○に記載された発明を甲○発明という。
ア.甲2の記載事項及び甲2発明について
甲2には、以下の記載がある。
「[0018][実施の形態]以下、この考案の実施形態について図面を参照して説明する。図1は薬剤分包機の主として給紙部と分包部とを取り出した概略構成図である。給紙部は水平に支持された支持軸1に芯管Pに薬剤分包用のシートをロール状に巻いたロールペーパRが回転自在に装着され、上記ロールペーパRから引き出された包装シートSが送りローラ2、3を通り、次の分包部へ供給されるように形成されている。[0019]分包部は、三角板4で2つ折りにされた際にホッパ5から所定量の薬剤が投入された後ミシン目カッタを有する加熱ローラ6により所定間隔で幅方向と両側縁部とを帯状にヒートシールするように設けられている。なお、分包部はこれ以外の構成部材も多数あるが、複雑になるのを避けるため必要な部材のみを示している。[0020]図2は給紙部にロールペーパRと芯管Pを装着した状態の主縦断面図である。図示のように、支持軸1はその一端がナットにより支持板11に取付固定された中心軸1aと、これに一体に嵌合された外軸1bと、上記外軸1bの左右両端寄り位置に設けた軸受12、12を介して回転自在に取り付けられる中空軸1cとから成る。[0021]13は中心軸1aの片端の軸ヘッド、14は外軸1bの片端のフランジ部である。中空軸1cの反対側端にもフランジ部15が設けられている。上記支持軸1に芯管Pとこれに巻回されたロールペーパRが装着されると中空軸1cにより回転自在に支持されると共に、フランジ部15の内径面に適宜間隔に配置された複数個の磁石16とこれに対向して予め芯管Pの端面円周に沿って配設された強磁性体(鉄部)17に対する吸着力により、装着された芯管PとロールペーパRが中空軸1cに着脱自在に固定される。」
「[0044]図7に示すように、この第2実施形態の芯管Pの内周沿いと支持軸1の片端にそれぞれ設けられる磁石24とホール素子センサ25は、4つの磁石24が1つの基点から67.5°ずつ位置が異なる各4点に配置され、4つのホール素子センサ25は上記基点を通る中心線とこれに直交する中心線上の4つの位置に配置されている。」
「[0048]図6は図2の矢視V1-V1から見た側面図であり、主として上記包装シートのずれ検出センサの配置を示すためのものである。この例では支持板11に1つの近接スイッチ26が設けられ、支持軸1の回転する中空軸1c端のフランジ部15に16ケの突起27が形成されている。」
「[0069]しかし、上述した各直流電圧によるモータブレーキの回転抵抗が適当でなく、例えばある張力レベルN=2において張力がやや強過ぎたとするとロールペーパRと芯管Pが一体となって強く回転し、例えば磁石16による強磁性体17への吸着固定位置がずれたりすると、ホール素子センサ25による信号は各22.5°の角度ずつのパルス信号を発するが、近接スイッチ26によるパルス信号は上記ずれによって同じ位置で2つが重なり、次の角度位置ではパルス信号が出ないということがある。」
図2から、芯管Pの軸方向一端側に磁石24が設けられ、軸方向他端側に強磁性体(鉄部)17が設けられていることが看取できる。
図6から、芯管Pの端面円周に沿って、4つの磁石16が90°ずつ位置が異なる4点に配置されていることが看取でき、段落[0021]の、磁石16と対向して強磁性体(鉄部)17が芯管Pの端面円周に沿って配設されているとの記載とあわせて、芯管Pの端面円周に沿って、4つの強磁性体(鉄部)17が90°ずつ位置が異なる4点に配置されていることが看取できる。
上記の各記載事項を整理すると、甲2には、次の甲2発明が記載されている。
「ホール素子センサを備える薬剤分包機に装着可能な芯管に薬剤分包用のシートをロール状に巻いたロールペーパであって、芯管と、芯管に巻き回される薬剤分包用のシートとを有し、前記芯管は、軸方向一端側に前記ホール素子センサで検出されるための磁石が複数個設けられ、軸方向他端側に強磁性体(鉄部)が複数個設けられ、しかも軸方向一端側の前記磁石の取付角度が67.5°であり、軸方向他端側の前記強磁性体(鉄部)の取付角度が90°である、芯管と当該芯管に薬剤分包用のシートをロール状に巻いたロールペーパ。」
イ.甲3の記載事項について
甲3には、以下の記載がある。
「きょうじせい 強磁性 [ferromagnetism] 外からの磁場によって大きな磁化を示す物質の磁性。強磁性を示す物質を強磁性体という.磁気ヒステリシスを示し,外部磁場を再び0にしても磁化が残る(残留磁化).局在した電子スピンまたは金属中の自由電子のスピンが,交換相互作用によって平行に並び,磁区構造をもっている.金属では鉄,非金属ではCrO2などが強磁性体の典型的な例である.」(342頁右欄第26~32行)
「きょうじせいたい 強磁性体 [ferromagnetic materials]⇒強磁性」(342頁右欄第54~55行)
「じせいざいりょう 磁性材料 [magnetic material] 金属が示す磁性,すなわち物質を磁場中におくと磁気を帯びたり,磁場中におかなくても自発的に磁気を帯びていることを利用して,色々な機能を行わせる材料の総称.磁気誘導を利用する高透磁率合金,ケイ素鋼板,ソフトフェライト,自発磁気を利用する永久磁石材料,磁化に伴う変形を利用する磁歪材料,そのほか磁気記録材料,磁性流体,磁気バブルメモリー材料などがある.」(609頁右欄第46~53行)
ウ.甲4の記載事項について
甲4には、以下の記載がある。
「筒体支持軸と、この支持軸の外側に回転可能に嵌合した筒体と、この筒体に回転方向の負荷を付与する制動機構と、上記筒体の外側に対して着脱可能な巻芯とから成り、前記筒体と、この筒体の外側に嵌合した上記巻芯とを磁力結合したことを特徴とする巻芯の支持装置。」(第1欄第2~7行)
「そこで、この考案は上記の欠点を解決し、巻芯の着脱操作が簡単に行なえ、しかも巻芯の支持用筒体に作用する回転方向の負荷が設定値を超えた場合にも巻戻したペーパが紙切れするようなことのない巻芯の支持装置を提供することを目的としている。」(第2欄第8~13行)
「上記筒体2の端面には、この筒体2の外側に嵌合されるロールペーパ4の差し込み量を規制する円板5がねじ止め等の手段で固定され、この円板5とロールペーパ4の巻芯6とが磁力結合されるようになつている。磁力結合する手段は、図示のように、円板5の片面に複数の永久磁石7を環状に設け、一方巻芯6の端面には鉄板などの強磁性板8を取付けるようにしてもよく、あるいは永久磁石7と強磁性板8との取付位置を逆としてもよい。また、極性の異なる永久磁石を対応面間に取付けるようにしてもよい。さらに永久磁石はリング状であつてもよい。」(第3欄第5~17行)
エ.甲5の記載事項及び甲5発明について
甲5には、以下の記載がある。
「[0001][産業状の利用分野]本発明は、例えば、ロール状に巻かれた長尺の記録媒体を使用して、当該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置等における、記録媒体の残量を検出するための残量検出装置に関する。」
「[0016]カラー静電プロッタでは、記録紙として普通紙(静電記録紙)の他に、近年ではトレーシングペーパや、フィルム、あるいは化学合成紙等、材質の異なる種々のロール巻き記録媒体が利用される。そして、媒体材質を目的に応じて使い分けるために、ロール巻き記録媒体は、幾らか使用したものを取り外して、別の記録媒体と取り替えたり、また、取り替えたものが全くの未使用品ではなく、前に使用したことのあるロールであったりすることから、残量が全く判らないケースが多い。」
「[0018]ロール状に巻かれた記録媒体は、巻き芯の径が判れば、外径で残り量がある程度は見当付けが可能である。しかし、プリントに使用される記録媒体は様々な材質があり、記録媒体の材質が異なればその厚みも異なる。従って、簡単には残量が判らない。しかも、記録媒体はプロッタ内に装填されてしまうので、外からは見えず、また、機械的に記録媒体のロール径を計測してもその数値は残量の情報を示す尺度としては全く用をなさない。」
「[0095]記録紙巻き芯1aにはその片方の端部の側面に永久磁石によるチップ1b,1cが埋め込まれている。埋め込まれる位置と数は当該記録紙巻き芯1aに巻かれた記録紙の種別により、決められている。[0096]受け部41aには記録紙巻き芯1aと係合する側の面にスイッチSWA、SWBが設けられている。このスイッチSWA、SWBは記録紙ロール1の巻き芯1aに取り付けられている磁石のチップ1b,1cの有無を検出するものであり、リードスイッチになっている。[0097]従って、記録紙ロール1の巻き芯1aに、記録紙の種類に応じて磁石のチップをつける/つけないを決めておき、スイッチSWA、SWBの検出出力を元に種別を、マシンの制御部35で判別させるようにする。スイッチSWA、SWBの検出出力にて2ビットの信号を構成するから、この2ビットの信号により4種類の記録紙を判別することができる。[0098]磁石によるチップ1b,1cと、スイッチSWA、SWBの取付に状態について詳細に記述しておく。図6(b)は記録紙ロール1の巻き芯1aであり、パイプ状であって一般に紙管と呼んでいる。巻き芯1aにはその一端側に一箇所、溝1dが彫られている。[0099]図6(c)はその巻き芯1aに記録紙2が巻き付けられた状態を示している。それを図6(d)に示す用紙ホルダ41の凸部41cに係合させる。用紙ホルダ41の凸部41cには周面の1か所に突起41eがあり、巻き芯1aに彫られた溝1dがこの突起41eにぴたりと嵌合する。[0100]図6(e)は巻き芯1aの端面に埋め込まれた磁石チップ1b,1cを示している。図6(f)は用紙ホルダ41にリードスイッチによるスイッチSWA,SWBが取り付けられている様子を示している。スイッチSWA,SWBの出力は制御部35に与えられる。[0101]このような構成にすれば、記録紙ロール1を用紙ホルダ41にセットすると、記録紙ロール1の巻き芯1aは用紙ホルダ41と固有の位置関係を必ず保つ状態で係合することになり、スイッチSWA,SWBと磁石チップ1b,1cとが対向する。記録紙種別に応じて磁石チップ1b,1cの有無が決められているので、スイッチSWA,SWBの動作による出力を記録紙種別を示す2ビット信号として利用することができる。」
上記の各記載事項を整理すると、甲5には、次の甲5発明が記載されている。
「磁石のチップの有無を検出するスイッチを備えるカラー静電プロッタに装着可能な記録紙ロールであって、紙管と、紙管に巻き回される記録紙とを有し、前記紙管は、片方の端部に前記磁石のチップの有無を検出するスイッチで検出されるための永久磁石によるチップが2個設けられる記録紙ロール。」
オ.甲6(特開平6-179278号公報)の記載事項について
甲6には、以下の記載がある。
「[0006]図1は本発明の第1の実施例を示す構成図であり、図2はこの実施例で使用されるインクリボンの主要構成を示す図である。図1および図2を参照すると、この実施例の熱転写カラープリンタのリボン識別装置において、インクリボン1は供給側コア3から巻き取り側コア2に巻かれる。供給側コア3の両端にはスプール4および5がそれぞれ嵌め込まれていて、それらをプリンタ本体側の軸受7が回転自在に保持している。スプール4にはつば6が取り付けられている。右センサ8および左センサ9は光結合素子であってスプール4および5のつば6の有無を検出する。この右センサ8および左センサ9で検出された信号はリボン種類判別回路10に送られる。リボン種類判別回路10は装着されているインクリボン1が3色、4色およびモノクロリボンのいずれであるかを判別した信号をプリンタ制御回路11に送出する。[0007]図3は、インクリボン1の種類と、装着されるスプールの種類と、つばの有無を検出する右センサ8および左センサ9の出力信号とを表にまとめたものである。」
「[0017]上述の熱転写カラープリンタのリボン識別装置においては、インクリボン種類を識別するスプールは供給側コアの両端に嵌め込まれているが、片方向に取り付けられていても良い。」
カ.甲7の記載事項について
甲7には、以下の記載がある。
「[0001][産業上の利用分野]本発明は、転写型カラープリンタに装着されるインクリボンのリボンタイプ自動検知方法に関する。」
「[0016]40はインクリボンロールであって、その両端開口の筒体である巻芯41の端部は、リボンタイプに応じて、表1に示すごとく、そのままの開口端であるか、あるいは図3に示す巻芯蓋42で、一端もしくは両端が蓋された閉鎖端となっている。この巻芯蓋42のプレート43は光反射率の高い色、例えば、銀色もしくは白色のプレートにしてある。[0017]この構成において、今、巻芯左端を蓋42で閉鎖し、巻芯右端は開口したままであるインクリボンロール40が供給側インクリボンロール受け部20A、20Bにセットされたものとする。[0018]プリンタ制御回路30が図示しないキーボーからリボンタイプ検知要求を受けると、CPU34が光学センサ24A、24Bに作動指令を与えて投光させる。これにより、光学センサ24Aはプレート43による反射光を受光するが、光学センサ24への反射光は無いので、光学センサ24AはONし、光学センサ24BはOFFとなる。[0019]CPU34は光学センサ24A、24Bの出力を読み込むとともに、テーブルメモリ35にアクセスして、光学センサ24A、24Bの出力「1」、「0」の組を上記リボンタイプ判別テーブルと照合し、この出力「1」、「0」の組と一致する値を持つタイプデータを読み込み、今のインクリボンタイプが4色リボンであることを検知する。」
(4)理由1(甲2を主引用例とする進歩性について)
ア.理由1の概要
本件訂正発明は、甲2発明の単なる設計変更か、または、甲2発明に甲4の記載事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ.判断
(ア)対比
甲2発明の「ホール素子センサ」は本件訂正発明の「磁気検出手段」に相当し、同様に、「薬剤分包機」は「薬剤包装装置」に相当し、「芯管と当該芯管に薬剤分包用のシートをロール状に巻いたロールペーパ」は「分包紙ロール」に相当し、「薬剤分包用のシート」は「分包紙」に相当する。
また、甲2発明の「芯管」と本件訂正発明の「紙管」とは、巻き芯という限りにおいて一致する。
また、甲2発明の「強磁性体(鉄部)」と本件訂正発明の「磁石」とは、磁性材料という限りにおいて一致する。
また、甲2発明の「軸方向一端側の前記磁石の取付角度が67.5°であり、軸方向他端側の前記強磁性体(鉄部)の取付角度が90°である」と本件訂正発明の「軸方向一端側と他端側とで前記磁石の取付角度が異なる」とは、軸方向一端側の前記磁石と軸方向他端側の前記磁性材料とで取付角度が異なるという限りにおいて一致する。
したがって、本件訂正発明と甲2発明との一致点、相違点は以下のとおりである。
[一致点]
磁気検出手段を備える薬剤包装装置に装着可能な分包紙ロールであって、巻き芯と、巻き芯に巻き回される分包紙とを有し、前記巻き芯は、軸方向一端側に前記磁気検出手段で検出されるための磁石が複数個設けられ、軸方向他端側に磁性材料が複数個設けられ、しかも軸方向一端側の前記磁石と軸方向他端側の前記磁性材料とで取付角度が異なる分包紙ロール。
[相違点1]
巻き芯が、本件訂正発明では紙管であるのに対して、甲2発明では芯管である点。
[相違点2]
軸方向他端側に設けられる磁性材料が、本件訂正発明では磁石であり、薬剤包装装置に備えられる磁気検出手段により検出されるためのものであるのに対して、甲2発明では強磁性体(鉄部)であって、薬剤包装装置に備えられる磁気検出手段により検出されるためのものではない点。
(イ)相違点2について
事案に鑑みて、相違点2について検討する。
甲2の段落[0021]の記載事項(上記3.(3)ア参照)からみて、甲2発明は、分包紙ロールを薬剤包装装置に着脱自在に固定するために、薬剤包装装置側に配置された磁石との間で吸着力を生じさせるべく強磁性体(鉄部)を配設しているものである。また、甲2の段落[0069]の「しかし、上述した各直流電圧によるモータブレーキの回転抵抗が適当でなく、例えばある張力レベルN=2において張力がやや強過ぎたとするとロールペーパRと芯管Pが一体となって強く回転し、例えば磁石16による強磁性体17への吸着固定位置がずれたりすると、」という記載からみて、甲2発明の磁石と強磁性体(鉄部)とはそれらの間で吸着力を生じさせるためのものであり、平常時に両者の位置がずれることは想定していない。すなわち、甲2発明の強磁性体(鉄部)は、分包紙ロールを薬剤包装装置に着脱自在に固定するために、薬剤包装装置側に配置された磁石との間で吸着力を生じさせるためのものであって、薬剤包装装置に備えられる磁気検出手段により検出するためのものではないから、甲2発明には、上記相違点2において本件訂正発明に係る構成を備えることの動機付けはなく、甲2発明から本件訂正発明の上記相違点2に係る構成には至らない。
また、上記甲4をはじめ、甲1~8のいずれにも、薬剤包装装置に備えられる磁気検出手段により検出されるための磁石を、軸方向一端側の磁石に加えて、軸方向他端側にも設けることの記載や示唆する記載は見当たらない。
これに対し、本件訂正発明は、「薬剤包装装置において分包紙を識別することを課題と」し(段落[0006])、「軸方向一端側と他端側とに前記磁気検出手段で検出されるための磁石が複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで前記磁石の取付角度が異なる」ことで、「読取パターンの情報量を多くし、分包紙情報を表すに足る情報量を紙管ドラム7に設定し得るので、部品コストの上昇を最低限にして分包紙情報を設定できる」(段落[0040])という格別な作用効果を奏する。
よって、甲2発明において上記相違点2に係る本件訂正発明の構成を得ることは、当業者が容易に想到し得ることではない。
(ウ)小括
したがって、相違点1について検討するまでもなく、本件訂正発明は、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)理由2(甲5を主引用例とする進歩性について)
ア.理由2の概要
本件訂正発明は、甲5発明に甲6及び甲7の記載事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ.判断
(ア)対比
甲5発明の「磁石のチップの有無を検出するスイッチ」は本件訂正発明の「磁気検出手段」に相当し、同様に、「紙管」は「紙管」に相当し、「片方の端部」は「軸方向一端側」に相当し、「永久磁石」は「磁石」に相当し、「2個」は「複数個」に相当する。
また、甲5発明の「カラー静電プロッタ」と本件訂正発明の「薬剤包装装置」とは、ロールからシートを繰り出す装置という限りにおいて一致する。
また、甲5発明の「記録紙ロール」と本件訂正発明の「分包紙ロール」とは、ロールという限りにおいて一致する。
また、甲5発明の「記録紙」と本件訂正発明の「分包紙」とは、シートという限りにおいて一致する。
したがって、本件訂正発明と甲5発明との一致点、相違点は以下のとおりである。
[一致点]
磁気検出手段を備えるロールからシートを繰り出す装置に装着可能なロールであって、紙管と、紙管に巻き回されるシートとを有し、前記紙管は、軸方向一端側に前記磁気検出手段で検出されるための磁石が複数個設けられるロール。
[相違点3]
本件訂正発明では、ロールが分包紙を巻き回した分包紙ロールであり、シートが分包紙であって、当該ロールが薬剤包装装置に装着可能なものであるのに対して、甲5発明では、ロールが記録紙を巻き回した記録紙ロールであり、シートが記録紙であって、当該ロールがカラー静電プロッタに装着可能なものである点。
[相違点4]
磁石が、本件訂正発明では軸方向他端側にも複数個設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで取付角度が異なるのに対して、甲5発明では軸方向他端側には設けられていない点。
(イ)相違点4について
事案に鑑みて、相違点4について検討する。
甲6には、甲6の段落[0006]の記載事項(上記3.(3)オ参照)からみて、インクリボンの供給側コアの両端に嵌め込まれたスプールのそれぞれのつばの有無をセンサで検出して、その検出有無によってインクリボンの種類を特定する技術事項が記載されており、甲7には、甲7の段落[0016]-[0019]の記載事項(上記3.(3)カ参照)からみて、インクリボンロールの巻心の両端の蓋の有無をセンサで検出して、その検出有無によってインクリボンタイプを特定する技術的事項が記載されている。しかし、甲6及び甲7のものは、芯材の各端部にセンサで検出されるための複数の識別子が設けられるものではなく、それらの識別子の取付角度を各端部で異なるようにするものでもないから、甲5発明に甲6および甲7の技術的事項を組み合わせたとしても、本件訂正発明の上記相違点4に係る構成を想到することはできない。甲5の段落[0096]-[0101]の記載事項(上記3.(3)エ参照)からみて、甲5発明は、ある角度をなして配置される複数の磁気検出手段に対向して紙管端部に複数の磁石を配置し、その検出有無で記録紙の種類を特定するものであるので、仮に甲6および甲7の技術的事項を組み合わせて、紙管の他端側にも複数の磁石を設けることまでは容易に想到し得るとしても、その場合は該他端側についても、ある角度をなして配置される複数の磁気検出手段に対向して複数の磁石を配置し、この有無を検出することになるだけであるから、あえて両端側で磁石のなす角度を相互に異ならせることに技術的な意義がない。よって、あえて両端で磁石の角度を変える動機付けがない。
そして、上記甲5~7をはじめ、甲1~8のいずれにも、両端部に複数個設けた識別子の取付角度を異なる角度にしようとする技術的思想は存在しない。
これに対し、本件訂正発明は、「薬剤包装装置において分包紙を識別することを課題と」し(段落[0006])、「軸方向一端側と他端側とに前記磁気検出手段で検出されるための磁石が複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで前記磁石の取付角度が異なる」ことで、「読取パターンの情報量を多くし、分包紙情報を表すに足る情報量を紙管ドラム7に設定し得るので、部品コストの上昇を最低限にして分包紙情報を設定できる」(段落[0040])という格別な作用効果を奏する。
よって、甲5発明において上記相違点4に係る本件訂正発明の構成を得ることは、当業者が容易に想到し得ることではない。
(ウ)小括
したがって、相違点3について検討するまでもなく、本件訂正発明は、甲5発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(6)理由3(サポート要件について)
ア.理由3の概要
本件訂正発明は、薬剤包装装置において分包紙に対応した設定を自動で行うために、分包紙毎に異なる設定を識別子から読み取ることを課題としていると認められ、両端に異なる取付角度で複数の磁石が設けられた紙管に対して、これらの両端の磁石配置によって特定される分包紙が巻き付けられており、かつ、この両端の磁石配置を薬剤包装装置によって識別して分包紙を特定することによって初めて、本件訂正発明の課題は解決される。しかし、本件訂正発明においては、両端の磁石配置によって特定される分包紙が巻き付けられていることも、この両端の磁石配置を薬剤包装装置によって識別して温度制御等の制御がおこなわれていることも、いずれも特定されていない。
イ.判断
特許請求の範囲の記載が、明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである(平成17年(行ケ)第10042号知財高裁特別部判決(平成17年11月11日)参照)。
この点について以下に検討する。
本件訂正発明は、「分包紙の材質や厚さの判別は、人手によって行われており、分包紙を交換する際、その材質や厚さが交換前の分包紙と同一か否か等は、人が確認しなければならない」(段落[0003])という問題点、及び、「分包紙の材質や厚さによって熱溶着する温度が異なるが、分包紙の材質や厚さに適合していないヒートローラの温度に設定されると、分包紙が正しく溶着されない」(段落[0004])という問題点を解決するために、「薬剤包装装置において分包紙を識別すること」(段落[0006])を課題としている。
そして、本件訂正発明において、「軸方向一端側と他端側とに前記磁気検出手段で検出されるための磁石が複数個ずつ設けられ、しかも軸方向一端側と他端側とで前記磁石の取付角度が異なる」構成が特定されている。
一方、本件特許明細書には、「紙管9の両端面に永久磁石21を複数個ずつ設けるものとし」(段落[0040])、「一端側21aでは、例えば、0度と60度、他端側21bでは0度と90度というように取付角度ψを変えて設定する」(段落[0040])ことで、「読取パターンの情報量を多くし、分包紙情報を表すに足る情報量を紙管ドラム7に設定し得るので、部品コストの上昇を最低限にして分包紙情報を設定できる」(段落[0040])ことが記載されており、「薬剤包装装置において分包紙を識別する」という上記課題は、本件訂正発明において上記構成を採用することで解決されることは、当業者にとって明らかである。
そうすると、本件訂正発明は、当業者が本件特許明細書の記載により本件訂正発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。
したがって、本件訂正発明は、本件特許の明細書の発明の詳細な説明に記載されたものであるといえるから、本件訂正後の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件に適合する。
よって、理由3には理由がない。
(7)また、他に本件訂正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-390072