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特許訂正審判

2019-390028

往復動式作業工具

審判番号
2019-390028
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2008-187846外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年02月15日
審決日
2019年05月08日
公報発行日
2019年07月26日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .856-Y (B23D) / P141 .851-Y (B23D) / P141 .853-Y (B23D) / P141 .857-Y (B23D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5214357号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第5214357号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第5214357号(以下、「本件特許」という。)は、2008年(平成20年)7月18日に出願され、平成25年3月8日に設定登録がされ、平成25年6月19日に特許掲載公報が発行された。平成31年2月15日に本件訂正審判の請求がされ、その後平成31年3月8日付けの手続補正指令書(方式)に対し、平成31年4月3日に手続補正書(方式)が提出され、審判請求書の「6.請求の理由」が補正されたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許5214357号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正(以下、「本件訂正」という。)することを認める、との審決を求めるものである。 第3 訂正の内容 1 訂正事項1 本件特許請求の範囲の請求項1に 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に設けられたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは反対方向に回転駆動される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、当該第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトである、ことを特徴とする往復動式作業工具。」とされているのを、 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に設けられたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは反対方向に回転駆動される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、当該第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトであり、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギア及び前記第2ベベルギアに対して一体に形成され、 第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギアの回転軸線方向において、前記第1ベベルギアの歯及び前記第2ベベルギアの歯と反対側の面に設けられており、 前記作業工具の外郭を構成する本体部における前記先端工具と反対側の端部にハンドグリップが設けられていることを特徴とする往復動式作業工具。」に訂正する(下線部は訂正箇所を表すものであり、当審で付与。以下同。) 2 訂正事項2 本件特許請求の範囲の請求項2に 「請求項1に記載の往復動式作業工具であって、 前記第1ベベルギアの歯と第2ベベルギアの歯は、歯数が同一であることを特徴とする往復動式作業工具。」とされているのを、 「請求項1に記載の往復動式作業工具であって、 前記第1ベベルギアの歯と第2ベベルギアの歯は、歯数が同一であって、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、重量及び形状が同一に形成され、 前記第1カウンタウェイトの重心から前記第1ベベルギアの回転軸線までの離間距離と、前記第2カウンタウェイトの重心から前記第2ベベルギアの回転軸線までの離間距離が同一に設定されていることを特徴とする往復動式作業工具。」に訂正する。 3 訂正事項3 本件特許請求の範囲の請求項3に 「請求項1または2に記載の往復動式作業工具であって、 前記第1ベベルギアと前記第2ベベルギアは、それぞれ異なる成形方法によって形成されていることを特徴とする往復動式作業工具。」とされているのを、 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に設けられたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは反対方向に回転駆動される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、当該第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトであり、 前記第1ベベルギアと前記第2ベベルギアは、それぞれ異なる成形方法によって形成されていることを特徴とする往復動式作業工具。」に訂正する。 4 訂正事項4 本件特許請求の範囲の請求項4に 「請求項1~3のいずれか1つに記載の往復動式作業工具であって、 前記クランクは、前記第1ベベルギアと一体に回転する回転軸と、当該回転軸の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置された偏心ピンと、前記回転軸の長軸方向一端部に設けられ、当該回転軸と偏心ピンとを互いに接合するクランク板を有し、 前記クランク板には、前記第1カウンタウェイトが取付けられ、前記回転軸の前記クランク板側には前記第2ベベルギアが配置されるとともに、当該第2ベベルギアの前記第1カウンタウェイトとの対向面側に前記第2カウンタウェイトが配置されていることを特徴とする往復動式作業工具。」とされているのを、 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に設けられたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは反対方向に回転駆動される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、当該第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトであり、 前記クランクは、前記第1ベベルギアと一体に回転する回転軸と、当該回転軸の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置された偏心ピンと、前記回転軸の長軸方向一端部に設けられ、当該回転軸と偏心ピンとを互いに接合するクランク板を有し、 前記クランク板には、前記第1カウンタウェイトが取付けられ、前記回転軸の前記クランク板側には前記第2ベベルギアが配置されるとともに、当該第2ベベルギアの前記第1カウンタウェイトとの対向面側に前記第2カウンタウェイトが配置されていることを特徴とする往復動式作業工具。」に訂正する。 また、本件特許請求の範囲の請求項5に 「請求項4に記載の往復動式作業工具であって、 前記第1カウンタウェイトは、前記偏心ピンに嵌合されるとともに、当該嵌合部から離れた位置で前記クランク板に止着されていることを特徴とする往復動式作業工具。」とされているのを、請求項4が上記のとおり訂正されるので、請求項5も同様に訂正する。 5 訂正事項5 本件特許請求の範囲の請求項6に 「請求項1~5のいずれか1つに記載の往復動式作業工具であって、 前記クランクは、前記第1ベベルギアと一体に回転する回転軸と、当該回転軸の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置された偏心ピンと、前記回転軸の長軸方向一端部に設けられ、当該回転軸と偏心ピンとを互いに接合するクランク板を有し、 前記第1ベベルギアが前記回転軸に固定され、前記回転軸は、前記第1ベベルギアを挟んで両側が軸受によって回転自在に支持されていることを特徴とする往復動式作業工具。」とされているのを、 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に設けられたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは反対方向に回転駆動される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、当該第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトであり、 前記クランクは、前記第1ベベルギアと一体に回転する回転軸と、当該回転軸の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置された偏心ピンと、前記回転軸の長軸方向一端部に設けられ、当該回転軸と偏心ピンとを互いに接合するクランク板を有し、 前記第1ベベルギアが前記回転軸に固定され、前記回転軸は、前記第1ベベルギアを挟んで両側が軸受によって回転自在に支持されていることを特徴とする往復動式作業工具。」に訂正する。 6 訂正事項6 本件明細書の段落【0006】に 「本発明に係る往復動式作業工具の好ましい形態によれば、特徴的構成として、第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で第1ベベルギアに対向状に配置されてピニオンと噛み合い係合され、第1ベベルギアとは反対方向に回転駆動される第2ベベルギアと、第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、当該第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトとを更に有する。そして、第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトは、第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、先端工具の長軸方向成分がスライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、更には先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトである。」とされているのを、 「本発明に係る往復動式作業工具の好ましい形態によれば、特徴的構成として、第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で第1ベベルギアに対向状に配置されてピニオンと噛み合い係合され、第1ベベルギアとは反対方向に回転駆動される第2ベベルギアと、第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、当該第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトとを更に有する。そして、第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトは、第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、先端工具の長軸方向成分がスライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、更には先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトである。そして、前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギア及び前記第2ベベルギアに対して一体に形成され、第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギアの回転軸線方向において、前記第1ベベルギアの歯及び前記第2ベベルギアの歯と反対側の面に設けられており、前記作業工具の外郭を構成する本体部における前記先端工具と反対側の端部にハンドグリップが設けられている。」に訂正する。 7 訂正事項7 本件明細書の段落【0010】に 「本発明に係る往復動式作業工具の更なる形態によれば、第1ベベルギアの歯と第2ベベルギアの歯は、歯数が同一である。このような構成とすることで、第1ベベルギア及び第2ベベルギアを介して第1及び第2カウンタウェイトにクランクの回転軸線回りの公転運動(円運動)を行なわせる場合において、当該第1及び第2カウンタウェイト相互間の動作タイミングにずれのない簡素な構成のカウンタウェイト機構を合理的に構築することができる。」とされているのを、 「本発明に係る往復動式作業工具の更なる形態によれば、第1ベベルギアの歯と第2ベベルギアの歯は、歯数が同一である。そして、前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、重量及び形状が同一に形成され、前記第1カウンタウェイトの重心から前記第1ベベルギアの回転軸線までの離間距離と、前記第2カウンタウェイトの重心から前記第2ベベルギアの回転軸線までの離間距離が同一に設定されている。このような構成とすることで、第1ベベルギア及び第2ベベルギアを介して第1及び第2カウンタウェイトにクランクの回転軸線回りの公転運動(円運動)を行なわせる場合において、当該第1及び第2カウンタウェイト相互間の動作タイミングにずれのない簡素な構成のカウンタウェイト機構を合理的に構築することができる。」に訂正する。 第4 当審の判断 1 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正後の請求項1では、第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトの構成について、「夫々、前記第1ベベルギア及び前記第2ベベルギアに対して一体に形成され」、さらに「夫々、前記第1ベベルギアの回転軸線方向において、前記第1ベベルギアの歯及び前記第2ベベルギアの歯と反対側の面に設けられており」と、その構成を更に限定するものであり、加えて、往復動式作業工具の構成について、「前記作業工具の外郭を構成する本体部における前記先端工具と反対側の端部にハンドグリップが設けられている」と、その構成を限定するものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(1)から明らかなように、訂正事項1は、発明特定事項を構成する第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトの構成、および往復動式作業工具の構成について、概念的に下位のものにするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1における、第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトの構成を限定するものについては、段落【0007】、【0026】、【0044】、図4に開示されており、往復動式作業工具の構成を限定するものについては、段落【0017】に記載されているから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項1は、上記(1)で示したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、独立特許要件について検討する。 ア 訂正発明1 上記「第3」1のとおり、本件請求項1に係る発明(以下、「訂正発明1」という。)は、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に設けられたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは反対方向に回転駆動される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、当該第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトであり、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギア及び前記第2ベベルギアに対して一体に形成され、 第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギアの回転軸線方向において、前記第1ベベルギアの歯及び前記第2ベベルギアの歯と反対側の面に設けられており、 前記作業工具の外郭を構成する本体部における前記先端工具と反対側の端部にハンドグリップが設けられていることを特徴とする往復動式作業工具。 ことを特徴とする往復動式作業工具。」 イ 引用文献1 本件審判請求書に一般的な技術水準を示す参考資料であって、甲1号証として添付された、本件出願日前に頒布された刊行物である米国特許第2428924号明細書(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、参考訳は、理解の便のため、平成31年4月3日提出の手続補正書(方式)に添付された甲第1号証の訳文を参考に、適宜修正を行った(下線を付した部分)ものである。 (ア)第1欄第40~45行 「This illustration is for example only and it is to be understood that I do not limit the application of my invention to mowers, but may use it in any case where mechanism for translating rotary motion to reciprocating motion is required.」(この図は、単なる例であり、本発明の適用を刈取機に限定せず、回転運動を往復運動に変換するための機構を必要とする任意の事例で使用できることを理解されたい。) (イ)第2欄第38~42行 「Inside the housing the shafts 20 and 23 are provided with opposed beveled gears 24 and 25 secured to the respective shafts and spaced apart to receive therebetween a bevel drive pinion 26.」(ハウジング内で、シャフト20及び23は、対向するベベル歯車24及び25を備え、ベベル歯車24及び25は、それぞれのシャフトに固定され、その間にベベル駆動ピニオン26を収容するように離間される。) (ウ)第2欄第42~45行 「This drive pinion 26 is secured to the end of the shaft 12 which is journaled through the adjacent sides of the housing 17, as shown at 27.」(この駆動ピニオン26は、27で示されたように、ハウジング17の隣辺を介してジャーナル接続されたシャフト12の端に固定される。) (エ)第2欄第45~49行 「Obviously this arrangement of the gears will cause the shaft 12, which is rotated in one direction by the drive mechanism H, to rotate the shafts 20 and 23 in opposite directions.」(歯車のこの構成は、明らかに、駆動機構Hによって一方向に回転されるシャフト12に、シャフト20及び23を逆方向に回転させる。) (オ)第2欄第49~53行 「The rotation of the shafts 20 is effective through crank connection formed by the eccentric pin 22 to reciprocate the pitman G and attached sickle bar E, translating this rotary motion to the required reciprocating motion.」(シャフト20の回転は、ピットマンG及び取り付け小鎌バーEを往復運動させ、この回転運動を必要な往復運動に変換する偏心ピン22によって構成されたクランク接続によって実現される。) (カ)第2欄第54行~第3欄第2行 「Secured to the lower end of the shaft 20 is a sector-shaped couterbalancing weight or member 28 disposed on the opposite side of the axis of the shaft from the eccentric pin 22. A similary shaped counterbalancing weight or member 29 is secured to the lower end of the tubular shaft 23 and is spaced above the weight 28 to clear the same in operation.」(シャフト20の下側端には、偏心ピン2 2からシャフトの軸の反対側に配置された扇形カウンターバランスウェイト又は部材28が固定される。同様に形成されたカウンターバランスウェイト又は部材29が、中空シャフト23の下側端に固定され、動作中ウェイト28を越えるようにウェイト28の上に離間される。) (キ)第3欄第6~15行 「Obviously, due to the opposite rotation of the shafts 20 and 23, the weights 28 and 29 will be rotated about in opposite directions during operation of the mechanism and will, at two diametrically opposed points with respect to the axes of the shafts, come into registry or alignment with each other so that they assume momentarily exactly the same position and on the same sides of the exes of these shafts.」(シャフト20及び23が逆回転するので、ウェイト28及び29は、機構の動作中に逆方向に回転され、シャフトの軸に対して正反対の2つの点で、瞬間的にこれらのシャフトの軸の厳密に同じ位置かつ同じ側になるように、互いに重なるか整合することは明らかである。) (ク)図1及び図2 (ケ)図3ないし図5 ウ 上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が開示されていると認められる。 (ア)上記記載事項イ(ア)及び(オ)には、小鎌バーEを往復運動させる刈取機が開示されており、図1には小鎌バーEの往復運動方向が長軸方向であることが示されている(上記記載事項イ(ク)参照)。また、当該刈取機が被加工材に所定の加工作業を遂行することは自明である。 (イ)上記記載事項イ(エ)には、駆動機構Hによって回転されるシャフト12が開示されており、図1には当該シャフト12が小鎌バーEの長軸方向と平行に配置されていること、駆動機構Hがモータであることが示されている(上記記載事項イ(ク)参照)。 (ウ)上記記載事項イ(ウ)には、シャフト12に固定された駆動ピニオン26が開示されている。 (エ)上記記載事項イ(イ)~(オ)には、ベベル歯車24が開示されており、図2には上記ベベル歯車24が駆動ピニオン26と噛み合い係合され、前記小鎌バーEの長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動されることが示されている(上記記載事項イ(ク)参照)。 (オ)上記記載事項イ(イ)及び(オ)には、ベベル歯車24が固定され、シャフト20及び当該ベベル歯車24の回転運動を往復運動に変換する偏心ピン22によって構成されたクランク接続が開示されており、図2及び図3には、偏心ピン22はシャフト20の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されたこと、当該シャフト20の長軸方向一端部に設けられ、当該シャフト20と偏心ピン22とを互いに接合するクランク板を有すること、ベベル歯車24はシャフト20に固定されていることが示されている(上記記載事項イ(ク)及び(ケ)参照)。 (カ)図1には、小鎌バーEを保持するとともに、前記クランク接続の往復運動を介して当該小鎌バーEの長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダが示されている(上記記載事項イ(ク)参照)。 (キ)上記記載事項イ(イ)及び(エ)には、ベベル歯車24とは逆方向に回転されるベベル歯車25が開示されており、図2には、ベベル歯車25は、前記ベベル歯車24の回転軸線と同軸上で当該ベベル歯車24に対向状に配置されて前記駆動ピニオン26と噛み合い係合されることが示されている(上記記載事項イ(ク)参照)。 (ク)上記記載事項イ(カ)には、ベベル歯車24と一体に回転するカウンターバランスウェイト又は部材28と、ベベル歯車25と一体に回転するカウンターバランスウェイト又は部材29を有し、図3には、前記カウンターバランスウェイト又は部材28は、ベベル歯車24の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において回転すること、カウンターバランスウェイト又は部材29は、ベベル歯車25の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されることが示されている(上記記載事項イ(ケ)参照)。また、図3には、前記カウンターバランスウェイト又は部材28及び前記カウンターバランスウェイト又は部材29は、前記ベベル歯車24の回転軸線回りを公転運動する際、前記小鎌バーEの長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記小鎌バーEの長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記小鎌バーEの長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成されたことが示されている(上記記載事項イ(ケ)参照)。 エ 引用発明 上記ウから、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認められる。 「小鎌バーEを長軸方向に往復運動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する刈取機であって、 前記小鎌バーEの長軸方向と平行に配置されたモータのシャフト12と、 前記シャフト12に固定された駆動ピニオン26と、 前記駆動ピニオン26と噛み合い係合され、前記小鎌バーEの長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動されるベベル歯車24と、 前記ベベル歯車24が固定され、当該ベベル歯車24の回転運動を往復運動に変換する偏心ピン22によって構成されたクランク接続と、 前記小鎌バーEを保持するとともに、前記クランク接続の往復運動を介して当該小鎌バーEの長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記ベベル歯車24の回転軸線と同軸上で当該ベベル歯車24に対向状に配置されて前記駆動ピニオン26と噛み合い係合され、前記ベベル歯車24とは逆方向に回転されるベベル歯車25と、 前記ベベル歯車24の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、ベベル歯車24と一体に回転するカウンターバランスウェイト又は部材28と、 前記ベベル歯車25の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該ベベル歯車25と一体に回転するカウンターバランスウェイト又は部材29と、を更に有し、 前記カウンターバランスウェイト又は部材28及び前記カウンターバランスウェイト又は部材29は、前記ベベル歯車24の回転軸線回りを公転運動する際、前記小鎌バーEの長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記小鎌バーEの長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記小鎌バーEの長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された前記カウンターバランスウェイト又は部材28及び前記カウンターバランスウェイト又は部材29であり、 前記クランク接続は、前記ベベル歯車24と一体に回転するシャフト20と、当該シャフト20の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置された偏心ピン22と、前記シャフト20の長軸方向一端部に設けられ、当該シャフト20と偏心ピン22とを互いに接合するクランク板を有し、 前記ベベル歯車24は前記シャフト20に固定されている、 刈取機。」 オ 対比 訂正発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 引用発明における「小鎌バーE」、「往復運動」、「刈取機」、「シャフト12」、「駆動ピニオン26」、「ベベル歯車24」、「往復運動」、「クランク接続」、「逆方向」、「ベベル歯車25」、「カウンターバランスウェイト又は部材28」、「カウンターバランスウェイト又は部材29」は、それぞれ、訂正発明1における「先端工具」、「往復動」、「往復動式作業工具」、「出力軸」、「ピニオン」、「第1ベベルギア」、「直線運動」、「クランク」、「反対方向」、「第2ベベルギア」、「第1カウンタウェイト」、「第2カウンタウェイト」に相当する。 したがって、訂正発明1と引用発明との間には、次の一致点1、相違点1~3があるといえる。 (一致点1) 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に固定されたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは逆方向に回転される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトである、 往復動式作業工具。」 (相違点) (相違点1) 訂正発明1は、「第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトは、夫々、第1ベベルギア及び第2ベベルギアに対して一体に形成され」るのに対して、引用発明のカウンターバランスウェイト又は部材28、カウンターバランスウェイト又は部材29は、夫々、ベベル歯車24、ベベル歯車25とは、前記第1ベベルギアの回転軸線方向において離間しており、一体に形成されていない点。 (相違点2) 訂正発明1は、「第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギアの回転軸線方向において、前記第1ベベルギアの歯及び前記第2ベベルギアの歯と反対側の面に設けられて」いるのに対して、引用発明のカウンターバランスウェイト又は部材28、カウンターバランスウェイト又は部材29は、夫々、ベベル歯車24の回転軸線方向において、ベベル歯車24の歯及びベベル歯車25の歯と反対側の面に設けられていない点。 (相違点3) 訂正発明1の往復動式作業工具は、「作業工具の外郭を構成する本体部における前記先端工具と反対側の端部にハンドグリップが設けられている」のに対して、引用発明の刈取機は、ハンドグリップが設けられているか不明な点。 カ 相違点についての判断 上記相違点1について検討すると、往復動式作業工具において、カウンタウェイトを歯車と一体化することは周知技術であるといえる(例えば、実願昭61-33749号(実開昭62-144116号)のマイクロフィルムの明細書第2頁第4~6行等参照)。 ここで、カウンタウェイトを歯車と一体化することが周知技術であるとしても、引用発明のカウンターバランスウェイト又は部材28(「第1カウンタウェイト」に相当)、カウンターバランスウェイト又は部材29(「第2カウンタウェイト」に相当)は、夫々、ベベル歯車24(「第1ベベルギア」に相当)、ベベル歯車25(「第2ベベルギア」に相当)とは、前記第1ベベルギアの回転軸線方向において離間していること、両歯車は駆動ピニオン26と係合され、また、ハウジング17内に格納されているから(上記ウ(エ)及び上記イ(ク)参照)、引用発明に上記周知技術を適用することには阻害要因があり、上記相違点1に係る構成は容易想到とはいえない。 また、本件審判請求書に一般的な技術水準を示す参考資料であって、甲2号証として添付された米国特許第2769297号明細書、及び、甲3号証として添付された米国特許第2610524号明細書のいずれにも上記相違点1に係る構成は開示されていない。 上記相違点2に係る構成は、第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトを、第1ベベルギア及び第2ベベルギアに対して一体に形成するという上記相違点1に係る構成を前提として、両カウンタウェイトの面を、前記第1ベベルギアの歯及び前記第2ベベルギアの歯と反対側の面とするものであり、容易想到とはいえない。 また、本件審判請求書に一般的な技術水準を示す参考資料であって、甲2号証として添付された米国特許第2769297号明細書、及び、甲3号証として添付された米国特許第2610524号明細書のいずれにも上記相違点2に係る構成は開示されていない。 したがって、上記相違点3について判断するまでもなく、訂正発明1は、当業者であっても引用発明及び上記周知技術並びに甲2号証及び甲3号証に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 キ まとめ 以上のとおり、訂正発明1は、甲1号証ないし甲3号証から容易に発明をすることができたものではなく、また、訂正発明1が容易に発明をすることができたとする他の理由も発見しない。 したがって、訂正発明1は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 よって、本件訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 (5)上記(1)~(4)より,訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。 2 訂正事項2について (1)訂正の目的について 訂正後の請求項2は、訂正後の請求項1を引用するとともに、第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトの構成について、「重量及び形状が同一に形成され、前記第1カウンタウェイトの重心から前記第1ベベルギアの回転軸線までの離間距離と、前記第2カウンタウェイトの重心から前記第2ベベルギアの回転軸線までの離間距離が同一に設定されている」と、その構成を更に限定するものである。 すなわち、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(1)から明らかなように、訂正事項2は、発明特定事項を構成する第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトの構成について、概念的に下位のものにするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2における、第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトの構成を限定する点については、段落【0026】に記載されているから、当該訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 本件訂正後の請求項2に係る発明(以下、「訂正発明2」という。)も、訂正発明1の「前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギア及び前記第2ベベルギアに対して一体に形成され、 第1カウンタウェイト及び第2カウンタウェイトは、夫々、前記第1ベベルギアの回転軸線方向において、前記第1ベベルギアの歯及び前記第2ベベルギアの歯と反対側の面に設けられており、 前記作業工具の外郭を構成する本体部における前記先端工具と反対側の端部にハンドグリップが設けられている」と同一の構成を備えるものであるから、訂正発明1と同じ理由により、訂正発明2は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであり、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 (5)上記(1)~(4)より,訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。 3 訂正事項3について (1)訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項3が、訂正前の請求項1の記載を引用する選択肢と訂正前の請求項2の記載を引用する選択肢があったものを、請求項間の引用関係を解消し、訂正前の請求項1に記載の発明特定事項を全て包含した独立形式請求項へ改めるためのものである。 また、訂正後の請求項3は、上記訂正前の請求項1の記載を引用する選択肢と内容上同一であるものの、上記訂正前の請求項2の記載を引用する選択肢を除外しており、訂正事項3は、引用する請求項の数を減少させる訂正であることから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。 以上より、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び同第4号に規定する事項を目的とするものである。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(1)で示したように、訂正事項3は、内容上、訂正前の請求項3が含んでいた選択肢を1つに絞るものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記(1)で示したように、訂正事項3は、内容上、訂正前の請求項3が含んでいた選択肢を1つに絞るものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について ア 対比 本件訂正後の請求項3に係る発明(以下、「訂正発明3」という。)と引用発明とは、上記一致点1、及び、次の相違点4があるといえる。 (相違点4) 訂正発明3は、「第1ベベルギアと第2ベベルギアは、それぞれ異なる成形方法によって形成されている」のに対して、引用発明のベベル歯車24とベベル歯車25の形成方法は不明である点。 イ 相違点4についての判断 上記相違点4に関して、本件明細書の段落【0011】には、上記相違点4に係る構成の効果として、「本発明に係る往復動式作業工具の更なる形態によれば、第1ベベルギアと第2ベベルギアは、それぞれ異なる成形方法によって形成されている。スライダの駆動に用いられる第1ベベルギアは、第2カウンタウェイトの駆動に用いられる第2ベベルギアよりも大きい負荷を受けることになる。このため、第1ベベルギアについては、強度の高い材料を用いて製造する、例えば削り出しによって形成し、他方、第1ベベルギアに比べて負荷の小さい第2ベベルギアについては、安価で簡易に製造することが可能な、例えば焼結成形方法等で成形することが好適であり、これにより、両ベベルギアの耐久性を同程度となるように設定することができる。」と記載されている。 一方、引用発明のベベル歯車24(「第1ベベルギア」に相当)とベベル歯車25(「第2ベベルギア」に相当)の形成方法を異ならせることについて、引用文献1には何ら開示・示唆がなされていないことから、引用発明において上記相違点4に係る構成を採用する動機付けが認められない。 また、訂正発明3が容易に発明をすることができたとする他の理由も発見しない。 したがって、訂正発明3は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 (5)上記(1)~(4)より,訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び同第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。 4 訂正事項4について (1)訂正の目的について 訂正事項4は、訂正前の請求項4が、訂正前の請求項1の記載を引用する選択肢、訂正前の請求項2の記載を引用する選択肢、訂正前の請求項3の記載を引用する選択肢があったものを、請求項間の引用関係を解消し、訂正前の請求項1に記載の発明特定事項を全て包含した独立形式請求項へ改めるためのものである。 また、訂正後の請求項4は、上記訂正前の請求項1の記載を引用する選択肢と内容上同一であるものの、上記訂正前の請求項2の記載を引用する選択肢及び上記訂正前の請求項3の記載を引用する選択肢を除外しており、訂正事項4は、引用する請求項の数を減少させる訂正であることから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。 以上より、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び同第4号に規定する事項を目的とするものである。 請求項4の記載を引用する請求項5も同様に訂正され、目的も同様である。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(1)で示したように、訂正事項4は、内容上、訂正前の請求項4が含んでいた選択肢を1つに絞るものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記(1)で示したように、訂正事項4は、内容上、訂正前の請求項4が含んでいた選択肢を1つに絞るものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について ア 対比 本件訂正後の請求項4に係る発明(以下、「訂正発明4」という。)と引用発明とを対比すると、上記1(4)オに示した相当関係に加えて、次のことがいえる。 引用発明における「シャフト20」、「偏心ピン22」は、それぞれ、訂正発明4における「回転軸」、「偏心ピン」に相当する。 そして、訂正発明4と引用発明とは、次の一致点2、及び、相違点5があるといえる(下線は理解の便のため、上記一致点1と比較して、当審にて付与)。 (一致点2) 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に固定されたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは逆方向に回転される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトであり、 前記クランクは、前記第1ベベルギアと一体に回転する回転軸と、当該回転軸の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置された偏心ピンと、前記回転軸の長軸方向一端部に設けられ、当該回転軸と偏心ピンとを互いに接合するクランク板を有する、 往復動式作業工具。」 (相違点5) 訂正発明4は、「クランク板には、前記第1カウンタウェイトが取付けられ、前記回転軸の前記クランク板側には前記第2ベベルギアが配置されるとともに、当該第2ベベルギアの前記第1カウンタウェイトとの対向面側に前記第2カウンタウェイトが配置されている」のに対して、引用発明のクランク板には、カウンターバランスウェイト又は部材28が取り付けられておらず、また、ベベル歯車25にカウンターバランスウェイト又は部材29が配置されていない点。 イ 相違点5についての判断 上記相違点5に関して、本件明細書の段落【0012】には、上記相違点5に係る構成の効果として、「・・・かかる構成によれば、第1カウンタウェイトと第2カウンタウェイトをクランクの回転軸線方向に関して互いに近接した配置が可能とされる。これにより、クランクの長軸線方向と交差する方向に関する偶アンバランスが低減し、不要な振動発生を抑制する上で有効となる。」と記載されている。 一方、引用発明のクランク板は偏心ピンのみを有しており、引用発明のクランク板は、カウンターバランスウェイト又は部材28(「第1カウンタウェイト」に相当)に比べて相当程度小さいこと(上記1(4)イ(ケ)参照)から、クランク板に、カウンターバランスウェイト又は部材28(「第1カウンタウェイト」に相当)を取り付ける動機付けは無く、むしろ、阻害要因が認められる。 加えて、引用発明のベベル歯車25(「第2ベベルギア」に相当)は、カウンターバランスウェイト又は部材29(「第2カウンタウェイト」に相当)とは離間しており、また、駆動ピニオン26と係合され、ハウジング17内に格納されているから(上記1(4)ウ(エ)及び同イ(ク)参照)、第2カウンタウェイトを配置することには阻害要因がある。 以上より、上記相違点5に係る構成は、引用発明に基づいて容易想到とはいえない。また、訂正発明4が容易に発明をすることができたとする他の理由も発見しない。 したがって、訂正発明4は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 本件訂正後の請求項5に係る発明(以下、「訂正発明5」という。)も、訂正発明4に関する上記相違点5に係る構成と同一の構成を備えるものであるから、訂正発明4と同じ理由により、訂正発明5は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 よって、訂正事項4は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 (5)上記(1)~(4)より,訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び同第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。 5 訂正事項5について (1)訂正の目的について 訂正事項5は、訂正前の請求項6が、訂正前の請求項1の記載を引用する選択肢、訂正前の請求項2の記載を引用する選択肢、訂正前の請求項3の記載を引用する選択肢、訂正前の請求項4の記載を引用する選択肢、訂正前の請求項5の記載を引用する選択肢があったものを、請求項間の引用関係を解消し、訂正前の請求項1に記載の発明特定事項を全て包含した独立形式請求項へ改めるためのものである。 また、訂正後の請求項6は、上記訂正前の請求項1の記載を引用する選択肢と内容上同一であるものの、上記訂正前の請求項2の記載を引用する選択肢、上記訂正前の請求項3の記載を引用する選択肢、上記訂正前の請求項4の記載を引用する選択肢及び上記訂正前の請求項5の記載を引用する選択肢を除外しており、訂正事項5は、引用する請求項の数を減少させる訂正であることから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。 以上より、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び同第4号に規定する事項を目的とするものである。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(1)で示したように、訂正事項5は、内容上、訂正前の請求項6が含んでいた選択肢を1つに絞るものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (3)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記(1)で示したように、訂正事項5は、内容上、訂正前の請求項6が含んでいた選択肢を1つに絞るものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について ア 対比 本件訂正後の請求項6に係る発明(以下、「訂正発明6」という。)と引用発明とは、次の一致点3、及び、相違点6があるといえる(下線は理解の便のため、上記一致点2と比較して、当審にて付与)。 (一致点3) 「先端工具を長軸方向に往復動させて被加工材に所定の加工作業を遂行する往復動式作業工具であって、 前記先端工具の長軸方向と平行に配置されたモータの出力軸と、 前記出力軸に固定されたピニオンと、 前記ピニオンと噛み合い係合され、前記先端工具の長軸方向と交差する軸線回りに回転駆動される第1ベベルギアと、 前記第1ベベルギアが固定され、当該第1ベベルギアの回転運動を直線運動に変換するクランクと、 前記先端工具を保持するとともに、前記クランクの直線運動を介して当該先端工具の長軸方向に直線状に往復駆動されるスライダと、を有し、 前記第1ベベルギアの回転軸線と同軸上で当該第1ベベルギアに対向状に配置されて前記ピニオンと噛み合い係合され、前記第1ベベルギアとは逆方向に回転される第2ベベルギアと、 前記第1ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置において、第1ベベルギアと一体に回転する第1カウンタウェイトと、 前記第2ベベルギアの回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置されるとともに、当該第2ベベルギアと一体に回転する第2カウンタウェイトと、を更に有し、 前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトは、前記第1ベベルギアの回転軸線回りを公転運動する際、前記先端工具の長軸方向成分が前記スライダの直線運動に対して対向動作するように設定されるとともに、前記先端工具の長軸方向に関しては互いに同位相となり、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に関しては当該長軸線を挟んで互いに等距離で対向するように構成された前記第1カウンタウェイト及び前記第2カウンタウェイトであり、 前記クランクは、前記第1ベベルギアと一体に回転する回転軸と、当該回転軸の回転軸線から所定距離だけ偏心した位置に配置された偏心ピンと、前記回転軸の長軸方向一端部に設けられ、当該回転軸と偏心ピンとを互いに接合するクランク板を有し、 前記第1ベベルギアが前記回転軸に固定されている、 往復動式作業工具。」 (相違点6) 訂正発明6は、「回転軸は、前記第1ベベルギアを挟んで両側が軸受によって回転自在に支持されている」のに対して、引用発明のシャフト20は、ベベル歯車24を挟んで両側が軸受によって回転自在に支持されていない点。 イ 相違点6についての判断 上記相違点6に関して、本件明細書の段落【0014】には、上記相違点6に係る構成の効果として、「・・・加工作業時に負荷トルクが作用する第1ベベルギアにつき、これを安定的に支持し、円滑な回転運動を得ることができる。」と記載されている。 一方、引用発明のシャフト20(「回転軸」に相当)が、ベベル歯車24(「第1ベベルギア」に相当)を挟んで両側が軸受によって回転自在に支持されるよう構成することについて、引用文献1には何ら開示・示唆がなされていないことから、引用発明において上記相違点6に係る構成を採用する動機付けが認められない。 また、訂正発明6が容易に発明をすることができたとする他の理由も発見しない。 したがって、訂正発明6は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 よって、訂正事項5は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 (5)上記(1)~(4)より,訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び同第4号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。 6 訂正事項6について 訂正事項6は、上記訂正事項1に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合性を図るため、願書に最初に添付した明細書の段落【0006】につき、訂正に係る請求項1において限定付加された構成に対応する記載を付加するように訂正するものである。 したがって、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合する。 7 訂正事項7について 訂正事項7は、上記訂正事項2に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合性を図るため、願書に最初に添付した明細書の段落【0010】につき、訂正に係る請求項2において限定付加された構成に対応する記載を付加するように訂正するものである。 したがって、訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合する。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-390028

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