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商標取消審判

2019-300920

フフフ

審判番号
2019-300920
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2011-044723
登録番号
5458965
請求日
2019年12月18日
審決日
2021年11月01日
公報発行日
2022年02月25日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】富山県
  • 【請求人代理人】橋本 勇
  • 【請求人代理人】小倉 秀夫
  • 【請求人代理人】杉田 聡
  • 【請求人代理人】伴 義人
  • 【請求人代理人】樋口 智久
  • 【請求人代理人】大川内 康郎
  • 【被請求人】韮澤 拓
  • 【被請求人代理人】三田 大智
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 松江
  • 審判官 半田 正人
  • 審判官 平澤 芳行
分類
T132 .1 -Z (X35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第7号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5458965号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第5458965号商標の指定役務中,第35類「菓子、パン、サンドイッチ、中華まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、ミートパイ、穀物の加工品(ただし、もち及びパスタ、スパゲッティのめんを除く。)、食用酒かす、すし、弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5458965号商標(以下「本件商標」という。)は,「ふふふ」の文字を横書きしてなり,平成23年6月14日に登録出願,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同年12月22日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 そして,本件審判の請求の登録は,令和2年1月9日である。 以下,本件審判の請求の登録前3年以内の期間(平成29年1月9日ないし令和2年1月8日)を「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,その指定役務中,第35類「菓子、パン、サンドイッチ、中華まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、ミートパイ、穀物の加工品(ただし、もち及びパスタ、スパゲッティのめんを除く。)、食用酒かす、すし、弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下(以下「請求に係る指定役務」という場合がある。)について,継続して3年以上日本国内において,使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人及び株式会社ふふふは,菓子等の小売又は卸売の業務を行っていない。 乙第2号証ないし乙第5号証を見る限り,株式会社ふふふが小売等を行っている飲食料品の中に,「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品(ただし,もち及びパスタ,スパゲッティのめんを除く。),食用酒かす,すし,弁当」はない。 なお,被請求人は,「かきもち」と題する商品をもって「菓子」に当たるとするが,これは菓子ではない。以下その理由を述べる。 商標法施行規則第6条別表は,第三十類の「十二 菓子」をさらに「(一)和菓子」と「(二)洋菓子」とに分ける。「もち」は第三十類の「十 穀物の加工品」に当たるが,それが「もち菓子」や「あられ」「せんべい」「だんご」等になると第三十類の「十二 菓子」となるのである。 以上を前提に,「株式会社ふふふ」の商品とされる「かきもち」が「もち」なのか「菓子」なのかについて検討をする。 乙第2号証の1頁目を見ると,同商品は,「そのまま食べるのではなく」「ご自宅でトースターなどで焼いて」食べることが想定されている。 「もち菓子」とは,餅・糯粉・しん粉などを材料として製した菓子をいい,大福餅,柏餅など,もち本来の柔らかさを活かした上で,もち自体に甘みを加えたり,餡子などをもちでくるんだり,餡子等を表面にまぶしたりして,「菓子」へと昇華させたものをいう(広辞苑第7版(甲2))。取消2004-31423(甲3)において特許庁は,「株式会社製菓実験社発行「新和菓子大系上巻」…では,「餅と餅菓子の概念」の項において,「餅」と対比して,「餅菓子は,精米または糯米粉,粳米粉(新粉),砂糖,葛粉その他の粉類,果実類などを使用し,おもに餡を包み,品種によって椿,柏,桜,笹葉などを使用して仕上げたものである。」と記述されている。これら辞典・事典類の説明からすると,「もち菓子」は,もち,糯粉,しん粉などを材料として製した菓子の総称ということができ,あくまでも「菓子」の範ちゅうに属するものであり,穀物の加工品たる上記「もち」とは異なり,いわば,「もち」を更に加工したものともいえる。」としている。しかし,上記商品は,もち本来の柔らかさを活かすことを予定していないから,「もち菓子」には当たらない。 「あられ」(あられもち)とは,「餅を四角,丸形,花形などに小さく切って煎り,醤油・砂糖などで味付けした焼き菓子。あられ。おかき」(広辞苑第7版(甲4))をいう。これに対し,「かきもち」は,「餅を薄く切って乾燥したもの。あぶり焼いて食す」(広辞苑第7版(甲5))とされる(前記取消2004-31423においても「食品関係の事典類には,「もち種の穀類を蒸し,臼で十分つきこねたもの。<種類>形から:平たくのばしたのし餅,これを切った<切り餅>,まるめた丸餅,その他鶴の子餅<菱餅>,<なまこ餅>など。材料から:米餅(糯トウモロコシでんぷんを混入したものもある)あわ餅,<きび餅>,<ひえ餅>など。混合材料から:草餅,<豆餅>,<のり餅>,<着色餅>,<ごま餅>,<しそ餅>,<ゆず餅>など。つきたての餅を,少量の水を加えた麹に入れ放置する<麹餅>,食塩・砂糖などで味付したもの,食べ方による各種の名称のものがあり,その種類は多い。餅は水分が多いので放置するとカビが生えやすい。<保存法>水に浸漬する<水餅>,乾燥したかき餅,凍らせる<凍り餅>などが行われる。」と判示されており,「かき餅」は,保存方法として「乾燥」という方法が用いられた餅として位置づけている。)。すなわち,乾燥した餅を焼いて適宜味付けをして菓子として食することができるように加工されていればそれは「菓子」となるが,そのような加工がなされる前の,乾燥した餅としての「かき餅」は,単なる餅の一種であって,その後の加工次第で菓子となり得る原材料にすぎない。 乙第2号証の1頁目を見ると,同商品は,「ご自宅でトースターなどで焼いて」食べることが想定されており,同頁に掲載されている商品の写真を見る限り,商品としては,薄切りにされたもちが焼かれていない状態で袋詰めされている。したがって,「株式会社ふふふ」が販売しているとされる「かきもち」なる商品は,和菓子たる「あられ」ではなく,その後の加工次第で「あられ」の原材料となり得る「もち」にすぎない。 このように被請求人が「菓子」に当たるとした商品は菓子ではなく,その他,「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品(ただし,もち及びパスタ,スパゲッティのめんを除く。),食用酒かす,すし,弁当」に当たる商品について「株式会社ふふふ」が小売又は卸売の業務をしていたとする主張及び立証はなされていない。したがって,上記「株式会社ふふふ」は,「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品(ただし,もち及びパスタ,スパゲッティのめんを除く。),食用酒かす,すし,弁当」の小売又は卸売業務をしていないから,「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品(ただし,もち及びパスタ,スパゲッティのめんを除く。),食用酒かす,すし,弁当」の小売又は卸売の業務において顧客に対する便益の提供を行うということもあり得ない。 したがって,そもそも上記「株式会社ふふふ」が「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品(ただし,もち及びパスタ,スパゲッティのめんを除く。),食用酒かす,すし,弁当」の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供という役務について本件商標を本件請求の日から過去3年間のうちに使用していたことについて,被請求人は立証責任を果たしていない。 よって,被請求人と「株式会社ふふふ」との間に通常使用権設定契約が締結されていたか否かにかかわらず,要証期間内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人は証明していないというべきである。したがって,本件商標は,上記指定役務について,取り消されるべきである(商標法第50条第1項)。 (2)通常使用権設定に関する証拠の欠缺 被請求人は,「株式会社ふふふ」を本件商標についての通常使用権者であるとする。しかし,「株式会社ふふふ」の通常使用権については登録がなされていないから,「株式会社ふふふ」による使用をもって自己の使用と主張するのであれば,「株式会社ふふふ」に通常使用権を設定したことを立証するべきなのに,そのような立証はなされていない。 被請求人は,乙第1号証をもって,被請求人が「株式会社ふふふ」の代表取締役であることを示しているが,そのことは,被請求人が株式会社ふふふに対して本件商標の通常使用権を設定したことを示す間接事実たり得ない。乙第1号証によれば,「株式会社ふふふ」は,その取締役が被請求人一人であるから取締役会非設置会社であり,取締役が自己のために会社と取引を行うにあたっては,株主総会において,当該取引につき重要な事実を開示し,その承認を受けなければならない(会社法第356条1項)ところ,被請求人と「株式会社ふふふ」との通常使用権設定契約の締結は,まさに,被請求人が,「株式会社ふふふ」の代表取締役として,自己のために会社と取引を行うものであるから,株主総会において,当該取引につき重要な事実を開示し,その承認を受けなければならない類のものである。したがって,真実被請求人が「株式会社ふふふ」に対し本件商標について通常使用権を設定していたのであれば,当該設定契約を締結することを承認する旨の記載のある「株式会社ふふふ」の株主総会議事録が存在するはずであり,当該議事録が証拠として提出されているはずである。 しかるに,本件においてそのような証拠が提出されていないのは,被請求人と「株式会社ふふふ」との間に本件商標に関する通常使用権設定契約等が存しないからであると考えるのが相当である。したがって,仮に「株式会社ふふふ」がその「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品(ただし,もち及びパスタ,スパゲッティのめんを除く。),食用酒かす,すし,弁当」の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供について本件商標を使用していたとしても,当該商標が使用されていた期間中被請求人が「株式会社ふふふ」に対し通常使用権を設定していたとは認められない以上,上記使用は,本件商標の通常使用権者による使用に当たらないということとなる。 そして,被請求人が自ら「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品(ただし,もち及びパスタ,スパゲッティのめんを除く。),食用酒かす,すし,弁当」の小売又は卸売の業務を行っているとの主張はなされておらず,したがって,被請求人が自ら「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品(ただし,もち及びパスタ,スパゲッティのめんを除く。),食用酒かす,すし,弁当」の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供について本件商標を使用していたということはあり得ない。また,本件商標について,過去3年間に専用使用権者がいたとの主張もない。 よって,「株式会社ふふふ」による本件商標の使用が上記指定役務についてのものか否かにかかわらず,要証期間内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人は証明していないというべきである。したがって,本件商標は,上記指定役務について,取り消されるべきである(商標法第50条第1項)。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 被請求人による商標使用実態 (1)被請求人は,自身が代表取締役を務める「株式会社ふふふ」(乙1)を通常使用権者として,本件審判の請求登録日(令和2年1月9日)前3年以前から現在に至るまで,日本国内において,継続して下記複数の使用商標を本件指定役務の内,「菓子、パン、サンドイッチ、中華まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、ミートパイ、穀物の加工品(ただし、もち及びパスタ、スパゲッティのめんを除く。)、食用酒かす、すし、弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について並行して使用している(乙2,乙3)。 記 使用商標1:ふふふ 使用商標2:別掲 使用商標3:株式会社ふふふ (2)具体的には,本件通常使用権者は,即席味噌汁をはじめとした飲食料品の小売を行っており(乙1),SNSにおいて,令和元年8月30日に「かきもち」,すなわち「菓子」の小売等役務の提供を開始し,当該小売等役務に使用商標1又は使用商標3を使用している(乙2の1,2)。そして,現在に至るまで,本件通常使用権者は,自身が運営する通販用のサイトにて,使用商標1又は使用商標2を用いて,上記「菓子」の小売等役務を行っている(乙3)。 (3)さらに,本件通常使用権者は,展示会やフェア等において,使用商標1ないし使用商標3を使用して,上記「菓子」の小売等役務を行っている(乙4の1,2)。 2 使用商標について 本件通常使用権者が使用している使用商標は本件商標と同一又は社会通念上同一の商標である。 (1)使用商標1は,本件商標と同一の商標である。 (2)使用商標2は,平仮名「ふふふ」を特殊な書体にてロゴ化しているものの,平仮名「ふふふ」を表したものと十分認識することができるから,本件商標と社会通念上同一の商標である。 (3)使用商標3は,本件通常使用権者の商号であると同時に,本件通常使用権者の役務を表示する自他役務識別標識として取引者,需要者に認識されるものであるから,商標でもある。よって,使用商標3は,自他役務識別標識機能を発揮するものであり,会社形態を表す「株式会社」,「(株)」又は「INC.」は付記的部分にすぎないから,本件商標と社会通念上同一である。 (4)上記のとおり,被請求人が使用する使用商標1は本件商標と同一の商標であるとともに,同使用商標2,3は,いずれも本件商標と社会通念上同一の商標(商標法第50条第1項括弧書き)であり,被請求人の使用商標1ないし使用商標3の使用は商標法第50条第1項規定の通常使用権者による登録商標の使用に当たることは明らかである。 3 「かきもち」が「菓子」であることについて (1)「オーブントースターで作る」,つまり「あぶり焼いて食す」ことを想定した「餅を薄く切って乾燥したもの」からなる被請求人が販売している「かきもち」(乙2,乙3)(以下「被請求人商品」という。)は,正に「かきもち」(甲5)であり,「菓子」(乙5)である。 (2)また,請求人は「乾燥した餅を焼いて適宜味付けをして菓子として食するように加工されていればそれは『菓子』となる」との独自主張を行っているが,この主張は冷凍菓子等,加熱して初めて食すことができる菓子を完全否定するものであるし,「もち」自体も,つき立てでない限り,そのまま食するのではなく焼いたり煮たりして「もち」として食することからすれば,上記請求人主張は単なる牽強付会の主張である。 (3)結局は,需要者が「かきもち」として消費することを認識して購入できる商品であれば「かきもち」であり,「かきもち」の定義(甲5)からも,実際の商取引においても(乙7~11),乙第2号証,乙第3号証に示す被請求人商品を「かきもち」として食べることを需要者が認識していることは明らかである。ちなみに「ポップコーン」も「菓子」であるが,需要者は「加熱前のポップコーン」(乾燥したトウモロコシの実)であっても最終的に「ポップコーン」として消費することを認識するから,「電子レンジで加工するポップコーン」という商品が「菓子」として審査で認められている(乙6)。 4 ウェブサイト等の電子媒体を通じた小売等役務提供行為について (1)乙第3号証のウェブサイトについて ア 乙第3号証のウェブサイトは,本件通常使用権者による通販用サイトであり,1頁には右上に「お買い物カゴを見る」とのリンクボタンがあり,2頁には左側に「お買い物ガイド」「送料・お支払いのご案内」「特定商取引法に基づく表記」等のリンクボタンがあり,最終頁には「送料について」「返品・交換について」「お支払方法について」等の説明があり,これらによって小売を行っている事実があることは明らかであり,同時に当該小売のために顧客に対する便益の提供を図っていることは明白である。 当該ウェブサイトヘの商品写真の掲載や商品説明の掲載は,「商品の品揃え」や「商品の陳列」であって小売等役務を構成するサービス活動であり,商品説明の掲載は「接客サービス」の一環であり,やはり小売等役務を構成するサービス活動である。 イ また,乙第7号証は,乙3第号証のサイト内における「かきもち」(菓子)の詳細ページである。乙第7号証及び乙第8号証の1,2に示すように,本件「かきもち」は有限会社真保餅屋(新潟県新潟市中央区)から仕入れて販売しているものである。なお,乙第3号証及び乙第7号証に示す内容を紙に出力した日時は,要証期間(平成29年1月9日~令和2年1月8日)外であるが,本件「かきもち」は令和元年8月30日から販売を開始しており,その当時より,乙第3号証及び乙第7号証に示す内容は公開されていたものである。 ウ 本来であれば,乙第3号証のサイトから直接注文が入ると,注文確認メール(取引書類)を注文者に送付し,納品書(取引書類)と共に納品することとなる。しかし,被請求人が精査したところ,本件「かきもち」の販売開始日(令和元年8月30日)から要証期間の末日(令和2年1月8日)までの僅か約4か月の短期間には乙第3号証のサイトから直接注文は入っていなかった。 エ 本件通常使用権者が被請求人の個人的なSNSサイト(乙9の1,2:友達に限定公開)を通じて注文を受け,要証期間に含まれる令和元年(2019年)年9月16日に,本件商標(使用商標1)を表示した納品書(乙10)と共に本件「かきもち」を発送した事実を示す。また,本件通常使用権者が口頭で注文を受け,要証期間に含まれる令和元年(2019年)10月30日に,本件商標(使用商標1)を表示した納品書(乙11)と共に本件「かきもち」を発送した事実を示す。 オ 上記のとおり,本件通常使用権者が要証期間に乙第3号証に示すサイトにおいて本件商標(使用商標1,2)を使用する行為は,正に「電磁的方法により行う映像面を介した小売等役務の提供に当たりその映像面に標章を表示する行為」であり,商標法第2条第3項第7号の規定に該当する行為である。 また,取引書類(納品書・・・乙9,10)に本件商標(使用商標1)を使用する行為は,「小売等役務に関する取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」であり,商標法第2条第3項第8号の規定に該当する行為である。 (2)本件通常使用権者が運営する宣伝広告用電子媒体について ア 本件通常使用権者は,上述した通販サイト(乙3:https://www.fufufunoippinkan.com/)へリンクする宣伝広告用の電子媒体を当該通販サイト(乙3)の開設当初より運営している。例えば,SNSサイト「ハートの最中味噌汁・ハートパスタの株式会社ふふふ」(乙2の1,2:https://www.facebook.com/fufufusoup/)を運営している。 イ よって,この電子媒体(乙2の1,2)は,通販サイト(乙3)における「商品選択の便宜」を図るサービス活動であって,通販用の広告ツールであり,この電子媒体1,2(乙2の1,2)による本件商標(使用商標1,3)の使用は,商標法第2条第3項第8号の規定に該当する行為である。 (3)さらに,本件通常使用権者は,展示会やフェア等において,使用商標1ないし使用商標3を使用して,上記「菓子」の小売等役務を行っている(乙4の1,2)。 5 結論 以上の事実からすれば,日本国内において要証期間内に,本件通常使用権者たる「株式会社ふふふ」が本件商標を本件指定役務の内,「菓子、パン、サンドイッチ、中華まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、ミートパイ、穀物の加工品(ただし、もち及びパスタ、スパゲッティのめんを除く。)、食用酒かす、すし、弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用していたものというべきである。 第4 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠によれば,以下のとおりである。 (1)株式会社ふふふに係る履歴事項全部証明書(乙1)には,会社成立の年月日の欄に「平成23年7月6日」,目的の欄に「1.食品の製造,卸売,販売及び輸出入」,役員に関する事項の欄に,住所を新潟県三条市北新保二丁目2番9号とする「取締役 韮澤拓」及び「代表取締役 韮澤拓」との各記載がある。 (2)令和元年(2019年)8月30日投稿の株式会社ふふふのSNSサイト(乙2の1)には,公開範囲を友達に限定するマークがあり,【新商品のご案内】として,「ふふふ オーブントースターで作る【かきもち】」を発売する旨の記事が掲載されている。 (3)令和元年(2019年)9月16日投稿の株式会社ふふふのSNSサイト(乙2の2)には,公開範囲を友達に限定するマークがあり,「ふふふ オーブントースターで作る【かきもち】ギフトセット」を弊社販売用ホームページ「ふふふの逸品館」またはふふふの逸品館楽天市場店で購入できる旨の記事が掲載されているが,SNSサイトを通じ注文を受け付けるとの掲載はない。 (4)株式会社ふふふのウェブサイト(乙3)の3葉目には,「親子でワイワイ!ふふふ オーブントースターで作る【かきもち】」の見出しの下,「ふふふは新潟の名店『真保餅屋』さんとコラボ商品『ふふふ オーブントースターで作る【かきもち】ギフトセット』を発売中です。」の記載とともに,皿に載ったかきもちの写真が掲載されているが,当該ウェブサイトの掲載日は不明である。 (5)令和元年(2019年)11月1日及び同月7日投稿の株式会社ふふふのSNSサイト(乙4)には,公開範囲を友達に限定するマークがあり,「第11回食の国際見本市 フードメッセinにいがた2019」(2019年11月6日~8日)に同社の展示ブースに「味噌汁」「かきもち」を展示した記事が掲載されている。 (6)株式会社ふふふのウェブサイト(乙7)には,「ふふふは,新潟の老舗餅屋と【かきもち】でコラボしました!」の見出しの下,「新潟県といえば『お米』。日本一の米どころ新潟県産のもち米「こがねもち」で作られた昔ながらの米菓です。『かきもち』は,杵つき餅を1枚1枚丁寧に薄く切り,ワラでぶら下げて自然乾燥させます。8種類『豆餅・ごま・のり・海老(えび)・しそ・塩・黒砂糖・白砂糖』のミックスです。おおよそ,8種類のかきもちが各2枚程度(16枚前後)が1袋にミックス封入されています。」の記載があるが,当該SNSサイトの掲載日は不明である。 (7)令和元年(2019年)8月30日投稿の本件商標権者のSNSサイト(乙9)には,公開範囲を友達に限定するマークがあり,【ふふふ 新商品のご案内】として,「ふふふ オーブントースターで作る【かきもち】各種」を発売する旨の記事が掲載されているが,当該SNSサイトを通じ注文を受け付けるとの掲載はない。 (8)株式会社ふふふが令和元年(2019年)9月16日に○○センター(○○はマスキングされている。)に宛てた納品書(乙10)には,品名「ふふふオーブントースターで作るかきもち3袋入」,数量「1」,単価「3,000」の記載があるが,当該取引を裏付ける注文書,請求書,物品受領書等の取引書類の提出はない。 (9)株式会社ふふふが令和元年(2019年)10月30日に○井○司(○はマスキングされている。)に宛てた納品書(乙11)には,品名「ふふふオーブントースターで作るかきもち3袋入」,数量「4」,単価「2,100」及び「ふふふオーブントースターで作るかきもち2袋」,数量「1」,単価「1,650」の記載があるが,当該取引を裏付ける注文書,請求書,物品受領書等の取引書類の提出はない。 2 判断 (1)使用者について 上記1(1)によれば,本件商標権者と株式会社ふふふの代表取締役は同一人であるから,使用許諾を示す契約書等の提出はないとしても,本件商標権者は,株式会社ふふふに対して,本件商標の使用について,黙示の許諾を与えていたものと認められる。 したがって,株式会社ふふふは,本件商標の通常使用権者であると認めることができる。 (2)使用役務について 上記1(6)によれば,本件通常使用権者が取扱う商品「かきもち」は,杵つき餅を1枚1枚薄く切り,豆・ごま・のり・海老・しそ・塩・黒砂糖・白砂糖を混入し,ワラでぶら下げて自然乾燥させたものであり,食べる直前にオーブントースターや電子レンジで焼いて(加熱して)食べるものである。 そうすると,本件通常使用権者が取扱う商品「かきもち」は,加工される前の乾燥した餅の一種と認められ,「菓子」には属さないものというべきであるから,使用役務である「かきもちの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は,「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうには含まれないというべきである。 (3)本件通常使用権者又は本件商標権者による「かきもち」の小売販売について ア 上記1(2)(3)のとおり,本件通常使用権者のSNSサイト(乙2)は,一般公衆に公開されていたとはいえないものである。そして,かきもちは,弊社販売用ホームページ「ふふふの逸品館」またはふふふの逸品館楽天市場店で購入できる旨記載があるが,当該SNSサイトにおいて,かきもちの注文を受け付けるための掲載はなく,当該商品が本件通常使用権者に対し注文され,当該商品が顧客に販売されたという証拠もない。 イ 上記1(7)のとおり,本件商標権者のSNSサイト(乙9)は,一般公衆に公開されていたとはいえないものである。そして,当該SNSサイトにおいて,かきもちの注文を受け付けるための掲載はなく,当該商品が本件商標権者に対し注文され,当該商品が顧客に販売されたという証拠もない。 ウ 上記1(5)のとおり,本件商標権者のSNSサイト(乙4)は,一般公衆に公開されていたとはいえないものである。そして,第11回食の国際見本市 フードメッセinにいがた2019」(2019年11月6日~8日)において,本件通常使用権者が展示ブースにおいて「味噌汁」「かきもち」等を展示したことは認められるが,これらの商品を本件通常使用権者が小売販売していたかは明らかでない。 エ 上記1(8)(9)のとおり,本件通常使用権者が○○センター及び○井○司氏に宛てた納品書において,「かきもち」の取引を裏付ける注文書,請求書,物品受領書等の取引書類の提出はなく,かきもち3袋入の単価も3000円と2100円と相違することから,2つの納品書は信ぴょう性に欠けるといわざるを得ない。 オ したがって,本件商標権者のSNSサイト及び本件通常使用権者のウェブサイトにおいて,要証期間内に「かきもち」を小売販売していたと認めることはできない。 (4)小括 以上のとおり,株式会社ふふふは,本件商標の通常使用権者であると認めることができるが,本件商標権者のSNSサイト及び本件通常使用権者のウェブサイトにおいて,「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」がされたということはできない。 その他,被請求人が提出した証拠によっては,要証期間内に,本件審判の請求に係る指定役務について,本件商標の使用があったことを認めるに足る事実を見いだせない。 3 むすび 以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件審判の請求に係る指定役務のいずれかについて,本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。 また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定役務について,本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2019-300920

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