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特許拒絶査定不服審判

2019-016864

遊技機

審判番号
2019-016864
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-102101外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年12月13日
審決日
2021年02月24日
公報発行日
2021年06月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

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特願2016-102101号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年9月23日出願公開、特開2016-168353号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 8項目
【理 由】

第1 手続の経緯

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本願は、平成26年8月26日に出願した特願2014-172022号(以下、「原出願」という。)の一部を平成28年5月23日に新たな特許出願(特願2016-102101号)としたものであって、平成29年9月19日に手続補正書が提出され、平成30年3月22日付けで拒絶の理由が通知され、同年5月15日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月16日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年12月17日に意見書及び手続補正書が提出され、平成31年4月22日付けで最後の拒絶の理由が通知され、令和1年7月1日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年10月1日付け(送達日:同年同月8日)で、同年7月1日付け手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年12月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、これに対し、当審において、令和2年10月14日付けで拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年12月2日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年12月2日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載の事項により特定されるとおりのものであると認められ、分説し、当審拒絶理由において用いた符号に基づき、AないしH9の符号を付与すると、次のとおりのものである。なお、下線部は本件補正による補正箇所を示す。

「【請求項1】
A 遊技媒体が第1始動領域または第2始動領域を通過した後に、図柄の変動表示の開始条件が成立すると、所定の表示部において前記図柄の変動表示を行い、当該図柄の変動表示を停止して特定の図柄の停止表示を行うと、遊技者にとって有利な特別遊技を実行する遊技機であって、
B 遊技媒体が所定領域を通過したことに基づいて、第1時間、または、該第1時間よりも短い第2時間、遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に制御することが可能な始動領域状態制御手段と、
C 遊技媒体が前記第1始動領域または前記第2始動領域を通過したことに基づいて、判定情報を取得することが可能な判定情報取得手段と、
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D 遊技媒体が前記第1始動領域または前記第2始動領域を通過したが未だ前記図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合、前記判定情報取得手段が取得した判定情報を記憶し、前記図柄の変動表示の実行について保留することが可能な保留記憶手段と、
E 前記図柄の変動表示の開始条件が成立する前に、前記判定情報に基づいて前記所定の表示部において停止表示される図柄が特定の図柄となるか否かを事前判定することが可能な事前判定手段と、
F 前記図柄の変動表示の開始条件が成立すると、前記判定情報に基づいて前記所定の表示部において停止表示させる図柄を特定の図柄にするか否かを判定することが可能な開始時判定手段と、
G’ 前記開始時判定手段による判定の結果に基づいて、演出表示手段で複数の演出図柄を変動表示させる変動演出を実行することが可能な演出制御手段と、を備え、
H 前記演出制御手段は、
H9 前記変動演出の実行中にリーチ演出を実行可能であり、
H1 前記変動演出の実行中に前記演出表示手段に特定画像を表示することで前記特別遊技の実行を期待させる特定演出を実行可能であり、
H2 前記事前判定の結果に基づいて、当該事前判定の対象となった前記判定情報に対応する前記変動演出の開始前に所定の予告演出を実行可能であり、
H3 前記所定の予告演出は、前記保留記憶手段に記憶された前記判定情報に対応して表示される保留表示を通常態様とは異なる複数の特別態様の何れかで表示させる演出であり、
H4 遊技媒体が前記第1始動領域を通過したことに基づく前記保留表示を第1特別態様で表示させることが可能であるが、第2特別態様で表示させることがなく、
H5 遊技媒体が前記第2始動領域を通過したことに基づく前記保留表示を前記第2特別態様で表示させることが可能であり、
H6 前記変動演出の実行中に前記特定演出を実行している場合には、前記所定の予告演出を実行しないようにし、
H7 前記始動領域状態制御手段によって、前記第1時間、遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に制御されているときに、遊技媒体が当該第2始動領域を通過することに基づいて前記判定情報が取得された場合には、前記所定の予告演出を実行可能であり、
H8 遊技媒体が前記第1始動領域を通過することに基づいた前記所定の予告演出が実行され、その後に前記第1時間、遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に制御されて遊技媒体が前記第2始動領域を通過する場合、前記第2始動領域を通過したことに基づいた前記所定の予告演出が開始されるときには、前記第1始動領域を通過することに基づいた前記所定の予告演出の実行が中断されている
A ことを特徴とする遊技機。」

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由は、以下の理由を含むものである。

本件補正前の請求項1に係る発明は、原出願の出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、原出願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記

引用文献1:特開2013-158527号公報
引用文献2:特開2013-208279号公報
引用文献3:特開2014-151088号公報

第4 当審拒絶理由の検討

(1) 各引用文献の記載事項及び引用発明

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ア 引用文献1の記載事項

当審における拒絶理由に引用され、原出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-158527号公報(以下、「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。

引1-ア

「【0001】
本発明は、第1始動領域を遊技媒体が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第1識別情報の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第1可変表示手段と、第2始動領域を遊技媒体が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第2識別情報の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第2可変表示手段とを備え、第2識別情報の可変表示は第1識別情報の可変表示に優先して実行され、第1可変表示手段または第2可変表示手段において導出表示された表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったことにもとづいて特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機等の遊技機に関する。」

引1-イ

「【0011】
(手段1)本発明による遊技機は、第1始動領域(例えば、第1始動入賞口13)を遊技媒体(例えば、遊技球)が通過した後可変表示の開始条件が成立したこと(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの可変表示も実行されておらず、かつ大当り遊技状態でもないこと)にもとづいて第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、第2始動領域(例えば、第2始動入賞口14)を遊技媒体が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示器8b)とを備え、第2識別情報の可変表示は第1識別情報の可変表示に優先して実行され(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS52~S54が実行されることによって、第2特別図柄の変動表示が優先実行される)、第1可変表示手段または第2可変表示手段において導出表示された表示結果があらかじめ定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったことにもとづいて特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、第1始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない第1識別情報の可変表示について、所定の情報(例えば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数)を所定の上限数(例えば、4)を限度に保留記憶として記憶する第1保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファ)と、第2始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない第2識別情報の可変表示について、所定の情報を所定の上限数を限度に保留記憶として記憶する第2保留記憶手段(例えば、第2保留記憶バッファ)と、開始条件が成立する前に、所定の情報にもとづいて第1識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となるか否かを判定する開始前判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS1217Aを実行する部分)と、開始前判定手段の判定結果にもとづいて、特定のタイミング(例えば、始動入賞が発生したタイミング、保留記憶を消化し保留表示をシフトするタイミング)で当該判定の対象となった第1識別情報の可変表示が実行される前に開始される可変表示において所定予告演出(例えば、保留予告演出)を実行する所定予告演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS6011を実行する部分)とを備え、所定予告演出実行手段は、特定のタイミングにおいて第2保留記憶手段に保留記憶が記憶されている場合には、所定予告演出の実行を制限する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS6006でNのときステップS6008以降の処理に移行せず、保留予告演出を開始しない)ことを特徴とする。そのような構成により、第1始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづく保留記憶の中に特定遊技状態の可能性があるものをストックした状態で遊技が実行されることを防止し、射幸性が必要以上に高くなることを防止することができる。
なお、「所定予告演出を制限する」とは、所定予告演出の制限期間内に発生した始動入賞(第1始動領域や第2始動領域への遊技媒体の通過)に対応する保留記憶に対して、全く所定予告演出の設定を行わず所定予告演出を実行しない概念と、所定予告演出の開始タイミングを遅らせる概念との両方を含む。さらに、「所定予告演出を制限する」という概念には、既に現在表示中である保留表示に対応する保留記憶に対して、遡及的に所定予告演出を実行することを禁止したり、所定予告演出の開始タイミングを遅らせたりすることも含まれる。」

引1-ウ

「【0019】
実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0020】
続きを表示(全11行)
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
【0021】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0022】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
【0023】
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。」

引1-エ

「【0032】
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0~9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0~9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0~9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0~9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。」

引1-オ

「【0034】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
【0035】
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
【0036】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0037】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
【0038】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。」

引1-カ

「【0042】
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0043】
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0044】
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。」

引1-キ

「【0051】
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
【0052】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。」

引1-ク

「【0062】
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。」

引1-ケ

「【0065】
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。」

引1-コ

「【0068】
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。」

引1-サ

「【0071】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。」

引1-シ

「【0101】
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。」

引1-ス

「【0133】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。」

引1-セ

「【0169】
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
【0170】
コマンド8C01(H)~8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)~8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)~8C06(H)を表示結果指定コマンドという。」

引1-ソ

「【0186】
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。」

引1-タ

「【0202】
なお、この実施の形態では、高ベース状態であるときに第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合を除いて(ステップS1215A,S1216A参照)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図15に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図16および図17に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出を実行する。」

引1-チ

「【0240】
図22は、ステップS1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留予告演出を実行する。」

引1-ツ

「【0275】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0276】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0277】
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では71回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
【0278】
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
【0279】
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。」

引1-テ

「【0356】
この実施の形態では、保留予告演出が実行される場合に、新たな始動入賞が発生して始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで、新たに表示する保留表示を通常態様とは異なる態様で表示して直ちに保留予告演出を開始する場合と、保留予告演出の判定が延期された後に、保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングで、その判定が延期された保留表示の表示態様を通常態様とは異なる態様に変更して遡及的に保留予告演出を開始する場合とがある。この実施の形態では、新たな始動入賞が発生するタイミングで保留予告演出の決定および開始を行う処理を保留予告演出(1)(ステップS800B参照)といい、保留記憶を消化(保留表示をシフト)するタイミングで保留予告演出の決定および開始を行う処理を保留予告演出(2)(ステップS660C,S662C参照)という。」

引1-ト

「【0395】
図41は、保留予告演出の実行有無および演出態様を決定するための保留予告決定テーブルの具体例を示す説明図である。図41に示すように、保留予告決定テーブルには、保留予告演出なし、保留予告演出(青)、保留予告演出(赤)、および保留予告演出(虹)に対して、それぞれ判定値が割り振られている。保留予告演出(青)は、予告対象の保留表示を青色の丸形表示で表示する態様の保留予告演出である。また、保留予告演出(赤)は、予告対象の保留表示を赤色の丸形表示で表示する態様の保留予告演出である。また、保留予告演出(虹)は、予告対象の保留表示を虹色の丸形表示で表示する保留予告演出である。なお、この実施の形態では、通常の表示態様(保留予告演出を行わない場合の表示態様)で保留表示を表示する場合、その保留表示を緑色の丸形表示で表示するものとする。」

引1-ナ

「【0402】
いずれかの態様で保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6009のY)、演出制御用CPU101は、処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6010)。処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、決定した保留予告演出の態様で、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示を1つ増加させる(ステップS6011)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS6008の決定結果に応じて、第1保留記憶表示部9aにおいて、第1保留表示として青色、赤色または虹色の丸形表示を1つ増加させて、保留予告演出を開始する。なお、ステップS6011が実行されて保留予告演出が開始されると、変動表示が開始され第1保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の第1保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の第1保留表示が消化されて第1保留記憶表示部9aから消去されることにより、保留予告演出が終了することになる(ステップS660B参照)。
【0403】
処理対象の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでない場合(すなわち、第2保留記憶数加算指定コマンドである場合)には、演出制御用CPU101は、決定した保留予告演出の態様で、第2保留記憶表示部9bにおいて第2保留表示を1つ増加させる(ステップS6012)。具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS6008の決定結果に応じて、第2保留記憶表示部9bにおいて、第2保留表示として青色、赤色または虹色の丸形表示を1つ増加させて、保留予告演出を開始する。なお、ステップS6012が実行されて保留予告演出が開始されると、変動表示が開始され第2保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の第2保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の第2保留表示が消化されて第2保留記憶表示部9bから消去されることにより、保留予告演出が終了することになる(ステップS662B参照)。」

引1-ニ

「【0494】
次に、図53を参照して、スーパーリーチ演出の実行中であることを理由として、保留予告演出が制限される場合の演出態様の具体例を説明する。図53に示す例では、第1保留記憶が3つ溜まっている状態から第1保留記憶を1つ消化して第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、図53(1)に示すように、演出図柄の変動表示を開始したものとする。従って、図53(1)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ消去されて第1保留表示を2つ表示した状態となる。また、図53に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターンコマンドにおいて、スーパーリーチを含む変動パターンが指定されていたものとする。
【0495】
次いで、図53(2)に示すように、まず左の演出図柄が停止表示し、次に右の演出図柄として左の演出図柄と同じ図柄(本例では、「7」)が停止表示されて、図53(3)に示すように、ノーマルリーチが発生する。
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【0496】
次いで、スーパーリーチ演出の開始タイミングとなると、図53(4)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が全て消去され、非表示制御が開始される(ステップS8107のY,S8110参照)。そして、スーパーリーチ演出が実行される。なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出において、図53(5)に示すように、可動部材78が可動される制御も行われる(ステップS8105参照)。
【0497】
ここで、スーパーリーチ演出が実行され、非表示制御が行われているときに、新たに第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、新たな始動入賞時のコマンドの送信が行われたものとする。この場合、スーパーリーチ演出が実行され、非表示制御が行われていることにもとづいて、保留予告演出の判定が延期され、保留予告演出が制限される(ステップS6000参照)。
【0498】
次いで、スーパーリーチ演出の終了タイミングとなると(ステップS8111のY参照)、図53(6)に示すように、非表示制御中に新たに発生した始動入賞に対応する第1保留表示を1つ増加させた状態で(本例では、第1保留表示が2つである状態から1つ増加して第1保留表示が3つである状態で)、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が復帰される(ステップS7007参照)。
【0499】
そして、変動時間が終了すると、図53(7)に示すように、演出図柄の停止図柄を導出表示し、演出図柄の変動表示を終了する。
【0500】
次いで、第1保留記憶が3つ溜まっている状態から第1保留記憶を1つ消化して第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、図53(8)に示すように、演出図柄の変動表示を開始する。従って、図53(8)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて第1保留表示が1つ消去されて第1保留表示を2つ表示した状態となる。また、第1保留記憶が1つ消化されて第1保留表示がシフトされたタイミングで、保留予告演出の判定が延期された第1保留記憶について保留予告演出の判定が行われる(ステップS6510参照)。本例では、保留予告演出を実行することに決定され、図53(8)に示すように、保留予告演出の判定が延期された第1保留記憶に対応する第1保留表示の表示態様が、通常の表示態様から、決定した保留予告演出の態様に変更され、遡及的に保留予告演出が開始される(ステップS6513参照)。」

引1-ヌ

「【図1】
」

引1-ネ

「【図53】
」

イ 引用文献1の記載より認定できる事項

引用文献1の記載事項より、以下の事項が認定できる。

(ア) 認定事項ア

図1の記載を参照すると、遊技盤6には、ゲート32が設けられた点が見て取れる。

(イ) 認定事項イ

【0062】の記載より、「プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560」は、「プログラムに従って制御動作を行うCPU56」「を含む」点が認定できる。

また、【0065】には、「始動入賞時が数値データの読出(抽出)時である」と記載されており、「始動入賞」とは、【0036】に記載された「遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した」ことであると認められる。

そして、【0133】には、「CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。」と記載されていることから、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560により、大当り判定用乱数(ランダムR)が抽出され、大当りの判定が行われている点が認定できる。

以上のことから、「遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過した時である始動入賞時に遊技制御用マイクロコンピュータ560により、大当り判定用乱数(ランダムR)が抽出される」点が導き出せる。

(ウ) 認定事項ウ

【0240】には、「特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、」「大当りや小当りとするか否か」「を決定」する点が記載されており、【0275】には、「CPU56は、」「第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。」と記載されており、また、上記(イ)において示したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、CPU56を含むものであり、【0034】には、「第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称する」と記載されていることから、特別図柄には、第1特別図柄と第2特別図柄が含まれると認められる。

以上のことから、「遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始するタイミングで、第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う」点が認定できる。

(エ) 認定事項エ

【0023】には、「演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。」と記載されている。

そして、図53に関して、【0494】には「図53(1)に示すように、演出図柄の変動表示を開始したものとする。」と記載され、【0495】には「図53(2)に示すように、まず左の演出図柄が停止表示し、次に右の演出図柄として左の演出図柄と同じ図柄(本例では、「7」)が停止表示されて、図53(3)に示すように、ノーマルリーチが発生する。」と記載されているように、図53より、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示が行われ、その過程において演出図柄を用いてリーチ演出が行われていることが見て取れる。

また、図53(4)には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示中に「スーパーリーチ!」という文字画像が表示されることが見て取れる。

(オ) 認定事項オ

【0042】における「第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。」の記載、【0043】における「第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。」の記載、【0044】における「演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。」の記載、【0395】の「保留表示を」「丸形表示で表示する」の記載、及び、図1を参照すると、「演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数に対応させて第1保留表示を丸形で表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数に対応させて第2保留表示を丸形で表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられ」た点が導き出せる。

(カ) 認定事項カ

【0496】には、「スーパーリーチ演出の開始タイミングとなると、図53(4)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が全て消去され、非表示制御が開始される」と記載され、図53(4)には、「スーパーリーチ!」という文字画像の表示とともに、第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が全て消去された態様が示され、【0498】には、「スーパーリーチ演出の終了タイミングとなると」 「第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示および第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示が復帰される」と記載されていることから、「スーパーリーチ!」という文字画像の表示中は、保留予告演出が実行されない点が見て取れる。

ウ 引用発明

上記引1-アないし引1-ネに摘記した引用文献1の記載事項、及び、上記認定事項アないしカより、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。なお、aないしh9の符号は、本願発明の構成AないしH9に対応させて当審にて付与した。

「a1 縦長の方形状に形成された外枠と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成され、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有し(【0020】、図1)、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられ、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成され(【0021】、図1)、遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられ(【0022】、図1)、
a2 演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられ(【0037】、図1)、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられ、可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(【0038】、図1)、
a3 遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aが設けられ、遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bが設けられ(【0032】、図1)、
a4 第1特別図柄表示器8aは、第1始動入賞口13を遊技球が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第1特別図柄の可変表示を開始し、表示結果を導出表示し、第2特別図柄表示器8bは、第2始動入賞口14を遊技球が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第2特別図柄の可変表示を開始し、表示結果を導出表示し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて導出表示された表示結果があらかじめ定められた大当り図柄となったことにもとづいて大当り遊技状態に制御するパチンコ遊技機1であって(【0001】、【0011】、図1)、
続きを表示(全17行)
b 遊技盤6には、普通図柄表示器10とゲート32が設けられ(【0051】、図1、認定事項ア)、遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄である場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16を駆動し、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になり(【0052】、【0068】)、
c 遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過した時に遊技制御用マイクロコンピュータ560により、大当り判定用乱数(ランダムR)が抽出され(認定事項イ)、
d 第1始動入賞口13を遊技球が通過したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない第1特別図柄の可変表示について、大当り判定用乱数を所定の上限数を限度に第1保留記憶として記憶する第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14を遊技球が通過したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない第2特別図柄の可変表示について、大当り判定用乱数を所定の上限数を限度に第2保留記憶として記憶する第2保留記憶バッファを有し(【0011】)、
e 遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定し、図柄指定コマンドに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、変動カテゴリコマンドに、判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信し(【0186】)、
f 遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始するタイミングで、第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行い(認定事項ウ)、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定し、大当りとするか否か決定することにより、大当り遊技状態に移行させるか否か決定し、第1又は第2の特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定し(【0034】、【0276】)、
g 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から、演出図柄の表示結果を決定する、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行い(【0071】、【0170】)、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示が行われ、演出図柄は「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄からなり(【0022】)、
h 演出制御用マイクロコンピュータ100は、
h9 演出表示装置9において、演出図柄の可変表示を行い、その過程において演出図柄を用いてリーチ演出を実行し(【0101】、図53、認定事項エ)、
h1 演出表示装置9において、演出図柄の可変表示中に「スーパーリーチ!」という文字画像を表示し(認定事項エ)、
h2 演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出を実行し(【0202】)、
h3 第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数である第1保留記憶の数を表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられ(【0042】、図1)、第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数である第2保留記憶の数を表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられ(【0043】、図1)、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数に対応させて第1保留表示を丸形で表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数に対応させて、第2保留表示を丸形で表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられ(認定事項オ)、第1保留記憶表示部9aにおいて、第1保留表示として青色、赤色または虹色の丸形表示を1つ増加させて、又は、第2保留記憶表示部9bにおいて、第2保留表示として青色、赤色または虹色の丸形表示を1つ増加させて、保留予告演出が開始され、保留予告演出が開始されると、変動表示が開始され第1保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の第1保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の第1保留表示が消化されて第1保留記憶表示部9aから消去されること、又は、第2保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の第2保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の第2保留表示が消化されて第2保留記憶表示部9bから消去されることにより、保留予告演出が終了し(【0402】、【0403】)、
h6 「スーパーリーチ!」という文字画像の表示中は、保留予告演出が実行されないように構成された(認定事項カ)
a4 パチンコ遊技機1。」

エ 引用文献2

当審における拒絶理由に引用され、原出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-208279号公報(以下、「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。

引2-ア

「【0632】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る遊技台について説明する。本実施の形態によるパチンコ機100の構成等については、第1の実施の形態によるパチンコ機100と同様であるため説明を省略する。以下、本実施の形態によるパチンコ機100において実行される演出の具体例について説明する。以下に説明する本実施の形態において、保留アイコンや変動アイコンの表示態様は、既に説明した第1または第2の実施の形態における保留アイコンや変動アイコンの表示態様と適宜組み合せることが可能である。・・・。」

引2-イ

「【0730】
(実施例3-27)
図99は、本実施の形態の実施例3-27における演出表示の例を時系列で示している。図99(a)~(c)は、ある特図1変動遊技が終了してから次の特図1変動遊技が開始された後までの状態を示している。図99(a)に示す時点で特図1変動遊技が終了し、図柄表示領域208a~208cには、当りを報知する図柄組合せ以外の図柄組合せ「装飾7-装飾6-装飾7」が表示される。保留アイコン表示領域900の第1および第2領域には、いずれも特図1の保留アイコン901(表示態様:白)および保留アイコン902(表示態様:白)が表示され、待機アニメーションが実行されている。さらにこの時点で、特図1の保留が1つ増加し、第3領域に保留アイコン903(表示態様:赤)が新たに表示されている。・・・。」

引2-ウ

「【0739】
(実施例3-31)
以上の実施例3-1~3-30では、特図1の保留アイコンを例に挙げて説明したが、特図2の保留アイコンを組み合わせてももちろんよい。図104(a)は、保留アイコン表示領域900に特図1の保留アイコンと特図2の保留アイコンとが表示された例を示している。この例では、保留アイコン表示領域900が大まかに左右2つに分けられている。保留アイコン表示領域900の左側部分は特図1保留アイコン表示領域950であり、右側部分は特図2保留アイコン表示領域960である。特図1保留アイコン表示領域950および特図2保留アイコン表示領域960のそれぞれは、最大4つの保留アイコンを左詰めで表示可能であり、左から右に向かって第1~第4領域の4つの領域に分けられている。第1~第4の各領域は、特図1および特図2のそれぞれにおける1番目~4番目の保留順位に対応している。図104(a)では、特図1保留アイコン表示領域950の第1~第4領域に4つの特図1保留アイコン901~904が表示されており、特図2保留アイコン表示領域960の第1~第4領域に4つの特図2保留アイコン911~914が表示されている。特図1保留アイコン901~904の形状は円形であり、特図2保留アイコン911~914の形状は特図1保留アイコンの形状とは異なる四角形である。・・・」

引2-エ

「【図104】
」

【0730】には、特図1の保留アイコンとして表示態様が白のものと赤のものがある実施例が記載されており、また、【0739】には、「特図2の保留アイコンを組み合わせてももちろんよい。」と記載され、【0739】及び図104の記載を参照すると、保留アイコンとして、円形である特図1保留アイコンと四角形である特図2保留アイコンとを用いた実施例が記載されている。

してみると、引用文献2には、特図1保留アイコンとして、円形の白い保留アイコンと円形の赤い保留アイコンが用いられ、特図2保留アイコンとして、四角形の白い保留アイコンと四角形の赤い保留アイコンが用いられる構成が示唆されているといえ、引用文献2には、「特図1保留アイコンとして、円形の赤い保留アイコンを表示可能であるが、四角形の赤い保留アイコンは表示させることがなく、特図2保留アイコンとして、四角形の赤い保留アイコンが表示可能であるパチンコ機100。」(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。

オ 引用文献3

当審における拒絶理由に引用され、原出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-151088号公報(以下、「引用文献3」という。)には、以下の記載がある。

「【0012】
〔遊技機構成〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態による遊技機1の全体構成を説明する。図1は、前面枠5及びガラス枠6を閉じた状態の遊技機1の斜視図である。図2は、ガラス枠6のみを開けた状態の遊技機1の斜視図である。」
「【0481】
また、通常遊技状態(非電サポ状態)で普図変動表示ゲームの結果が当りとなった場合に、4/5の確率で可動部材38aが短時間開放する普電ショート開放、又は、1/5確率で可動部材38aが長時間(0.5+5秒)開放する普電ロング開放が選択される仕様では、普電ショート開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行わない一方、普電ロング開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行うようにしてもよい。」

【0012】、【0481】の記載より、引用文献3には、「可動部材38aが短時間開放する普電ショート開放と長時間開放する普電ロング開放があり、普電ショート開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行わない一方、普電ロング開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行う遊技機1。」(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。

(4) 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

(a)本願発明の構成Aについて

引用発明の構成a1における「遊技球」は、本願発明の「遊技媒体」に相当し、引用発明の構成a2における「第1始動入賞口13」、「第2始動入賞口14」は、それぞれ、本願発明の「第1始動領域」、「第2始動領域」に相当し、引用発明の構成a3における「第1特別図柄」及び「第2特別図柄」は、本願発明の「図柄」に相当する。

引用発明の構成a3における「第1特別図柄」又は「第2特別図柄」を「可変表示」することは、本願発明の「図柄の変動表示」に相当する。

引用発明の構成a4における「第1始動入賞口13を遊技球が通過した後可変表示の開始条件が成立したこと」及び「第2始動入賞口14を遊技球が通過した後可変表示の開始条件が成立したこと」は、本願発明の「遊技媒体が第1始動領域または第2始動領域を通過した後に、図柄の変動表示の開始条件が成立する」ことに相当する。

引用発明の構成a4における「第1特別図柄表示器8a」及び「第2特別図柄表示器8b」は、本願発明の「所定の表示部」に相当する。

引用発明の構成a4における「第1特別図柄の可変表示を開始」すること及び「第2特別図柄の可変表示を開始」することは、本願発明の「図柄の変動表示を行」うことに相当し、引用発明の構成a4における「表示結果を導出表示」することは、本願発明の「変動表示を停止」することに相当する。

引用発明の構成a4における「大当り図柄」、「大当り遊技状態」は、それぞれ、本願発明の「特定の図柄」、「有利者にとって有利な特別遊技」に相当する。

よって、引用発明の構成a4における「第1特別図柄表示器8aは、第1始動入賞口13を遊技球が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第1特別図柄の可変表示を開始し、表示結果を導出表示し、第2特別図柄表示器8bは、第2始動入賞口14を遊技球が通過した後可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて第2特別図柄の可変表示を開始し、表示結果を導出表示し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて導出表示された表示結果があらかじめ定められた大当り図柄となったことにもとづいて大当り遊技状態に制御するパチンコ遊技機1」は、本願発明の「遊技媒体が第1始動領域または第2始動領域を通過した後に、図柄の変動表示の開始条件が成立すると、所定の表示部において前記図柄の変動表示を行い、当該図柄の変動表示を停止して特定の図柄の停止表示を行うと、遊技者にとって有利な特別遊技を実行する遊技機」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Aに相当する構成を有する。

(b)本願発明の構成Bについて

引用発明の構成bにおける「ゲート32」は、本願発明の「所定領域」に相当する。

また、引用発明の構成a2及び構成bにおける「可変入賞球装置15が開状態になることによって」「遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能にな」る「可変入賞球装置15が」「開状態にな」ることは、本願発明の「遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態」になることに相当する。

したがって、引用発明の構成bにおける「遊技球がゲート32を通過し、ゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄である場合に、」「可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態にな」ることと、本願発明の「遊技媒体が所定領域を通過したことに基づいて、第1時間、または、該第1時間よりも短い第2時間、遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に」なることとは、「遊技媒体が所定領域を通過したことに基づいて、」「遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に」なる点で一致する。

そして、引用発明の構成bにおける「可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16を駆動」する「指令」を出す「遊技制御用マイクロコンピュータ560」は、本願発明の「遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に制御することが可能な始動領域状態制御手段」に相当する。

よって、引用発明の構成bと本願発明の構成Bとは、「遊技媒体が所定領域を通過したことに基づいて、」「遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に制御することが可能な始動領域状態制御手段」を備える点で一致する。

(c)本願発明の構成Cについて

引用発明の構成cにおける「遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過した」ことは、本願発明の「遊技媒体が前記第1始動領域または前記第2始動領域を通過したこと」に相当し、引用発明の構成cにおける「大当り判定用乱数(ランダムR)」は、本願発明の「判定情報」に相当し、引用発明の構成cにおける「通過した時に」「大当り判定用乱数(ランダムR)が抽出され」ることは、本願発明の「通過したことに基づいて、判定情報を取得すること」に相当し、引用発明の構成cにおける「大当り判定用乱数(ランダムR)」を「抽出」する「遊技制御用マイクロコンピュータ560」は、本願発明の「判定情報を取得することが可能な判定情報取得手段」としての機能を有する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Cに相当する構成を有する。

(d)本願発明の構成Dについて

引用発明の構成dにおける「第1始動入賞口13」又は「第2始動入賞口14」「を遊技球が通過したにもかかわらず未だ」「第1特別図柄」又は「第2特別図柄」の「可変表示」の「開始条件が成立していない」ことは、本願発明の「始動領域を通過したが未だ前記図柄の変動表示の開始条件が成立していない」ことに相当する。

引用発明の構成c及び構成dにおける「遊技制御用マイクロコンピュータ560により」「抽出」された「大当り判定用乱数を」「保留記憶として記憶する」ことは、本願発明の「前記判定情報取得手段が取得した判定情報を記憶」することに相当する。

引用発明の構成dにおいて、「保留記憶」は、「未だ開始条件が成立していない」「特別図柄の可変表示について、大当り判定用乱数」を「記憶」するものであるから、ここにおける「保留」は、構成a4における「可変表示を開始」することの「保留」であり、「開始条件が成立」すると、「保留記憶」された「大当り判定用乱数」に対応する「可変表示」が「開始」されると認められる。

してみると、引用発明の構成dにおける「未だ開始条件が成立していない」「特別図柄の可変表示」の「大当り判定用乱数」を「保留記憶として記憶」し、「開始条件が成立」すると、「保留記憶」された「大当り判定用乱数」に対応する「可変表示」が「開始」されることは、本願発明の「前記図柄の変動表示の実行について保留することが可能である」ことに相当する。

したがって、引用発明の構成dにおける「第1始動入賞口13」又は「第2始動入賞口14」「を遊技球が通過したにもかかわらず未だ」「第1特別図柄」又は「第2特別図柄」の「可変表示」の「開始条件が成立していない」「遊技制御用マイクロコンピュータ560により」「抽出」された「大当り判定用乱数を」「保留記憶として記憶」し、「開始条件が成立」すると、「保留記憶」された「大当り判定用乱数」に対応する「可変表示」が「開始」されることは、本願発明の「遊技媒体が前記第1始動領域または前記第2始動領域を通過したが未だ前記図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合、前記判定情報取得手段が取得した判定情報を記憶し、前記図柄の変動表示の実行について保留することが可能な」ことに相当する。

そして、引用発明の構成dにおける「大当り判定用乱数を」「保留記憶として記憶する」「第1保留記憶バッファ」及び「第2保留記憶バッファ」は、本願発明の「前記判定情報取得手段が取得した判定情報を記憶」する「保留記憶手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Dに相当する構成を有する。

(e)本願発明の構成Eについて

引用発明の構成eにおける「始動入賞時」は、開始条件が成立する前であることは当業者にとって明らかであるから、本願発明の「前記図柄の変動表示の開始条件が成立する前」に相当する。

引用発明の構成c及び構成eにおける「大当り判定用乱数」が「大当りとなるか否か」「を判定」することは、本願発明における「前記判定情報に基づいて前記所定の表示部において停止表示される図柄が特定の図柄となるか否かを事前判定すること」に相当する。

したがって、引用発明の構成c及び構成eにおける「始動入賞時に、」「大当り判定用乱数」が「大当りとなるか否か」「を判定」する「遊技制御用マイクロコンピュータ560」は、本願発明の「前記図柄の変動表示の開始条件が成立する前に、前記判定情報に基づいて前記所定の表示部において停止表示される図柄が特定の図柄となるか否かを事前判定することが可能な事前判定手段」としての機能を有する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Eに相当する構成を有する。

(f)本願発明の構成Fについて

引用発明の構成fにおける「第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始するタイミングで、第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行い」、「大当り判定用乱数(ランダムR)の値が大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定し、大当りとするか否か決定することにより、大当り遊技状態に移行させるか否か決定し、第1又は第2の特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定」することは、本願発明の「前記図柄の変動表示の開始条件が成立すると、前記判定情報に基づいて前記所定の表示部において停止表示させる図柄を特定の図柄にするか否かを判定すること」に相当する。

そして、引用発明の構成fにおける「大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行い」、「大当り判定用乱数(ランダムR)の値が大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定し、大当りとするか否か決定することにより、大当り遊技状態に移行させるか否か決定し、第1又は第2の特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定」する「遊技制御用マイクロコンピュータ560」は、本願発明の「前記判定情報に基づいて前記所定の表示部において停止表示させる図柄を特定の図柄にするか否かを判定することが可能な開始時判定手段」としての機能を有する。

よって、引用発明は、本願発明の構成Fに相当する構成を有する。

(g)本願発明の構成Gについて

引用発明の構成gの「演出表示装置9」、「「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄」は、それぞれ、本願発明の「演出表示手段」、「複数の演出図柄」に相当する。

引用発明の構成gの「遊技制御用マイクロコンピュータ560」は、上記(e)において検討したように、本願発明の「事前判定手段」としての機能を有する。

引用発明の構成gの「大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンド」は、本願発明の「開始時判定手段による判定の結果」を含むものである。

引用発明の構成gの「演出表示装置9」を「制御」し、「演出図柄」「の可変表示」を「行」う「演出制御用マイクロコンピュータ100」は、本願発明の「演出表示手段で」「変動演出を実行することが可能な演出制御手段」に相当する。

よって、引用発明の構成gの「遊技制御用マイクロコンピュータ560から、演出図柄の表示結果を決定する、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドを受信し、」「「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の」「演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行」う「演出制御用マイクロコンピュータ100」は、本願発明の「前記開始時判定手段による判定の結果に基づいて、演出表示手段で複数の演出図柄を変動表示させる変動演出を実行することが可能な演出制御手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成G’に相当する構成を有する。

(h、h9)本願発明の構成H及び構成H9について

引用発明の構成h及び構成h9における「演出制御用マイクロコンピュータ100」が、「演出表示装置9において、演出図柄の可変表示を行い、その過程において演出図柄を用いてリーチ演出を実行」することは、本願発明の「前記演出制御手段」が「前記変動演出の実行中にリーチ演出を実行可能であ」ることに相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成H及び構成H9に相当する構成を有する。

(h1)本願発明の構成H1について

引用発明の構成h1における「「スーパーリーチ!」という文字画像」は、本願発明の「特定画像」に相当する。

引用発明の構成h1における「演出表示装置9において、演出図柄の可変表示中に「スーパーリーチ!」という文字画像を表示」することは、本願発明の「前記変動演出の実行中に前記演出表示手段に特定画像を表示すること」に相当する。

そして、「スーパーリーチ!」の表示は、特別遊技の実行を期待させる演出であることは当業者の技術常識であるから、引用発明の構成h1において、「演出図柄の可変表示中に「スーパーリーチ!」という文字画像を表示」する演出は、本願発明の「特別遊技の実行を期待させる特定演出」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成H1’に相当する構成を有する。

(h2)本願発明の構成H2について

引用発明の構成h2における「図柄指定コマンド」は、構成eにおいて「開始条件が成立する前の始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別」が「判定」され、「大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値」が「設定」されたものであるから、「図柄指定コマンド」「にもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出」は、本願発明の「前記事前判定の結果に基づいて、当該事前判定の対象となった前記判定情報に対応する前記変動演出の開始前に」「実行」される「所定の予告演出」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成H2に相当する構成を有する。

(h3)本願発明の構成H3について

引用発明の構成d及び構成h3における、「保留予告演出」が、「第1保留記憶バッファ」に「記憶」された「第1保留記憶数に対応させて」「表示する」「第1保留表示」又は「第2保留記憶バッファ」に「記憶」された「第2保留記憶数に対応させて」「表示する」「第2保留表示」「として青色、赤色または虹色の丸形表示を1つ増加させて、開始される」演出であることは、本願発明の「前記所定の予告演出は、前記保留記憶手段に記憶された前記判定情報に対応して表示される保留表示を通常態様とは異なる複数の特別態様の何れかで表示させる演出」であることに相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成H3に相当する構成を有する。

(h6)本願発明の構成H6について

引用発明の構成h6における「「スーパーリーチ!」という文字画像の表示中は、保留予告演出が実行されないように構成された」ことは、本願発明の「前記変動演出の実行中に前記特定演出を実行している場合には、前記所定の予告演出を実行しないように」することに相当する。

よって、引用発明は、本願発明の構成H6に相当する構成を有する。

以上のことから、本願発明と引用発明は、以下の点で一致する。

<一致点>

A 遊技媒体が第1始動領域または第2始動領域を通過した後に、図柄の変動表示の開始条件が成立すると、所定の表示部において前記図柄の変動表示を行い、当該図柄の変動表示を停止して特定の図柄の停止表示を行うと、遊技者にとって有利な特別遊技を実行する遊技機であって、

B’ 遊技媒体が所定領域を通過したことに基づいて、遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に制御することが可能な始動領域状態制御手段と、

C 遊技媒体が前記第1始動領域または前記第2始動領域を通過したことに基づいて、判定情報を取得することが可能な判定情報取得手段と、

D 遊技媒体が前記第1始動領域または前記第2始動領域を通過したが未だ前記図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合、前記判定情報取得手段が取得した判定情報を記憶し、前記図柄の変動表示の実行について保留することが可能な保留記憶手段と、

E 前記図柄の変動表示の開始条件が成立する前に、前記判定情報に基づいて前記所定の表示部において停止表示される図柄が特定の図柄となるか否かを事前判定することが可能な事前判定手段と、

F 前記図柄の変動表示の開始条件が成立すると、前記判定情報に基づいて前記所定の表示部において停止表示させる図柄を特定の図柄にするか否かを判定することが可能な開始時判定手段と、

G 前記開始時判定手段による判定の結果に基づいて、演出表示手段で複数の演出図柄を変動表示させる変動演出を実行することが可能な演出制御手段と、を備え、

H 前記演出制御手段は、

H9 前記変動演出の実行中にリーチ演出を実行可能であり、

H1 前記変動演出の実行中に前記演出表示手段に特定画像を表示することで前記特別遊技の実行を期待させる特定演出を実行可能であり、

H2 前記事前判定の結果に基づいて、当該事前判定の対象となった前記判定情報に対応する前記変動演出の開始前に所定の予告演出を実行可能であり、

H3 前記所定の予告演出は、前記保留記憶手段に記憶された前記判定情報に対応して表示される保留表示を通常態様とは異なる複数の特別態様の何れかで表示させる演出であり、

H6 前記変動演出の実行中に前記特定演出を実行している場合には、前記所定の予告演出を実行しないようにした

A 遊技機。

そして、両者は、以下の点で相違する。

<相違点1> (構成H4、H5に関して)

所定の予告演出における保留表示の表示に関して、本願発明は、遊技媒体が第1始動領域を通過したことに基づく前記保留表示を第1特別態様で表示させることが可能であるが、第2特別態様で表示させることがなく、遊技媒体が第2始動領域を通過したことに基づく前記保留表示を前記第2特別態様で表示させることが可能であるように構成されているのに対して、引用発明は、第1保留表示と第2保留表示をいずれも丸形で表示する点。

<相違点2> (構成B、H7に関して)

始動領域状態制御手段と、所定の予告演出に関して、本願発明は、始動領域状態制御手段が、第1時間、または、該第1時間よりも短い第2時間、遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に制御することが可能であり、始動領域状態制御手段によって、第1時間、遊技媒体が第2始動領域を通過し易い状態に制御されているときに、遊技媒体が当該第2始動領域を通過することに基づいて判定情報が取得された場合には、所定の予告演出を実行可能とされているのに対して、引用発明は、可変入賞球装置15が開状態となる所定時間として、複数の時間が存在するか否かが不明であり、さらに、その所定時間の長さと保留予告演出の実行の可否についての特定もされていない点。

<相違点3> (構成H8に関して)

本願発明は、遊技媒体が第1始動領域を通過することに基づいた所定の予告演出が実行され、その後に遊技媒体が第2始動領域を通過する場合に、前記第2始動領域を通過したことに基づいた前記所定の予告演出が開始されるときには、前記第1始動領域を通過することに基づいた前記所定の予告演出の実行が中断されているのに対して、引用発明は、第1始動入賞口13を遊技球が通過したことに基づく保留予告演出が、その後、第2始動入賞口14を遊技球が通過したことに基づく保留予告演出が開始されることによりどのようにされるのかが不明である点。

(5) 検討・判断

ア 相違点1についての検討

引用文献2記載事項は、以下のとおりである。

「特図1保留アイコンとして、円形の赤い保留アイコンを表示可能であるが、四角形の赤い保留アイコンは表示させることがなく、特図2保留アイコンとして、四角形の赤い保留アイコンが表示可能であるパチンコ機100。」

引用文献2記載事項における、円形の赤い保留アイコン、四角形の赤い保留アイコンは、それぞれ、本願発明の相違点1に係る構成における、第1特別態様の保留表示、第2特別態様の保留表示に相当する。

そして、引用発明と引用文献2記載事項は、ともに、保留予告演出を行う遊技機という共通する技術分野に属するものであるから、引用発明における演出制御用マイクロコンピュータ100による保留予告演出における第1保留表示及び第2保留表示の表示形態として、引用文献2記載事項を適用し、第1保留表示として、通常の表示態様とは異なる態様として円形の赤い保留アイコンを表示可能であるが、四角形の赤い保留アイコンは表示させることがなく、第2保留表示として、通常の表示態様とは異なる態様として四角形の赤い保留アイコンが表示可能である構成とし、本願発明の相違点1に係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得ることである。

イ 相違点2についての検討

引用文献3記載事項は、以下のとおりである。

、「可動部材38aが短時間開放する普電ショート開放と長時間開放する普電ロング開放があり、普電ショート開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行わない一方、普電ロング開放発生時に入賞した特図2の始動記憶については先読みを行う遊技機1。」

引用文献3記載事項における、「可動部材38aが短時間開放する普電ショート開放と長時間開放する普電ロング開放があ」ること、「普電ロング開放発生時」、「入賞した特図2の始動記憶について」「先読みを行う」ことは、それぞれ、本願発明の相違点2に係る構成における、「始動領域状態制御手段が、第1時間、または、該第1時間よりも短い第2時間、遊技媒体が前記第2始動領域を通過し易い状態に制御することが可能であ」ること、「第1時間、遊技媒体が第2始動領域を通過し易い状態に制御されているとき」、「遊技媒体が当該第2始動領域を通過することに基づいて判定情報が取得された場合には、所定の予告演出を実行」することに相当する。

そして、引用発明と引用文献3記載事項は、ともに、可変入賞球装置を開放可能であるとともに保留予告演出を行う遊技機という共通する技術分野に属するものであるから、引用発明における遊技制御用マイクロコンピュータ560による可変入賞球装置15の開閉制御と演出制御用マイクロコンピュータ100による保留予告演出において、引用文献3記載事項を適用し、可変入賞球装置15が短時間開放する普電ショート開放と長時間開放する普電ロング開放があるようにし、普電ショート開放発生時に入賞した第2保留記憶については保留予告演出を行わない一方、普電ロング開放発生時に入賞した第2保留記憶については保留予告演出を行う構成とし、本願発明の相違点2に係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得ることである。

ウ 相違点3についての検討

原出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-88519号公報(以下、「周知文献1」という。)には、「技術分野」及び「背景技術」として、以下の記載がある。

「【技術分野】
【0001】
本発明は先読み機能を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特別図柄を第1特別図柄と第2特別図柄と2個備え、各特別図柄に対応する第1始動口と第2始動口をそれぞれ設け、第2始動口を普通電動役物により形成したものがある。このような遊技機は第2始動口への入賞に起因した大当りの方が特典価値を大きくし、第2特別図柄の抽選の結果を優先的に表示するようにしているのが一般的であり、通常時より開放延長機能の作動時を遊技者にとって極めて有利な状態とすることで、開放延長機能の作動中における興趣の低下を抑制することが出来るという効果がある。
また先読み機能とよばれる入賞時に当否の判定をして、その結果によって様々な演出を行うものもある。」

そして、「発明が解決しようとする課題」として、以下の記載がある。

「【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような特別図柄を2個備えた遊技機に先読み機能を搭載しようとすると、様々な問題が生じてしまう。先読み演出の演出形態として連続した複数の保留記憶を用いる連続予告とした場合、第1保留記憶による連続予告の実施中に第2始動口に入賞してしまった場合には、第2特別図柄が優先消化のため第1特別図柄による連続予告を中断又は終了させることになるため面白みに欠けてしまう。また先読み演出として保留数表示を用いて行う保留演出の場合は、全ての保留記憶を先読みし保留演出を実行すると開放延長の作動中に第1 特別図柄に当り情報が含まれる場合、第2始動口に入れ続ければ消化させないこともできてしまうため、遊技者は当りをストックしておくことが可能となり、技術力又は知識のある遊技者が非常に有利になってしまい技術力又は知識のない遊技者が敬遠してしまうといった事態が起こりかねない。」

上記の記載に基づくと、第2始動領域を通過したことに基づいた所定の予告演出が開始されるときには、第1始動領域を通過することに基づいた所定の予告演出の実行が中断されることが、「発明が解決しようとする課題」とされていることから、「遊技機において、第1保留記憶による連続予告又は保留演出のような先読み演出の実施中に普通電動役物により形成された第2始動口に入賞してしまった場合には、第2特別図柄が優先消化のため第1特別図柄による連続予告又は保留演出のような先読み演出を中断又は終了させる」ことは、原出願前に既に当業者により実施されていたことは明らかである。

また、原出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-285251号公報(以下、「周知文献2」という。)には、以下の記載がある。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、始動記憶に基づき変動表示ゲームを始動し、当該始動記憶に対応して記憶された乱数値が特定値であると判定された場合に、該変動表示ゲームの表示結果を特別表示結果となるように変動表示ゲームを制御する遊技機に関する。」
「【0032】
そして、第1特図変動表示ゲームもしくは第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、第1始動記憶数及び第2始動記憶数が0の状態で、例えば、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って第1始動記憶が記憶されて、第1始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに第1始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動記憶数が1減算される。また、第1特図変動表示ゲームもしくは第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、第1始動記憶数及び第2始動記憶数が0の状態で、例えば、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って第2始動記憶が記憶されて、第2始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに第2始動記憶に基づいて、第2特図変動表示ゲームが開始され、この際に第2始動記憶数が1減算される。」
「【0209】
本変形例の遊技機は、第1始動記憶に第1判定値と一致する大当たり判定用乱数値を記憶した始動記憶があることに基づく連続予告を実行中に、新たな第2始動記憶が発生した場合に、連続予告を中断するようになっている。そして、第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームの終了後、連続予告を再開するようになっている。」

上記の記載より、上記周知文献2には、「遊技機において、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、第1始動記憶が記憶され、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置7に遊技球が入賞すると、第2始動記憶が記憶され、第1始動記憶に基づく連続予告を実行中に、新たな第2始動記憶が発生した場合に、連続予告を中断する構成」が記載されていると認められる。

してみると、周知文献1に記載された事項、及び、周知文献2に記載された事項より、「遊技機において、第2始動領域を通過したことに基づいた所定の予告演出が開始されるときには、遊技媒体が第1始動領域を通過することに基づいた所定の予告演出の実行が中断される構成」は、原出願前周知の事項(以下、「周知事項」という。)であるといえる。

そして、引用発明と上記周知事項は、ともに、保留予告演出を行う遊技機という共通する技術分野に属するものであるから、引用発明に、上記周知事項を適用し、第2始動領域を通過したことに基づいた所定の予告演出が開始されるときには、第1始動領域を通過することに基づいた所定の予告演出の実行が中断されるように構成し、本願発明の相違点3に係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得ることである。

(6) 令和2年12月2日付け意見書における請求人の主張への反論

請求人は、令和2年12月2日付け意見書の「[5]特許法第29条第2項違反について」において、

「引用文献1には、既に第1保留表示についての保留予告演出が実行されている場合に第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合のことについては開示もありませんし、そのような場合についての示唆もありません。」と主張し、また、

「引用文献2及び3についても、既に第1保留表示についての保留予告演出が実行されている場合に第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合のことについては開示もありませんし、そのような場合についての示唆もありません。
しみれば、引用文献1~3を参照したとしても、上記相違点を想起するのは容易な事項ではなく、上記相違点を想起するための十分な動機付けにもならないと考えられます。
このように、本願発明は、引用文献1~3を参照した当業者であっても容易に想起することができない構成要件及び作用効果を具備するものであるから、特許法第29条第2項の規定には該当しないものと思料致します」

と主張している。

しかしながら、上記(5)のウにおいて指摘したように、第1保留表示についての保留予告演出が実行されている場合に第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合に第1保留表示についての保留予告演出を中断することは、周知事項であり、その点が限定されたことによって、本願発明が格別な進歩性を有するものとは認められず、請求人の主張は採用できない。

第5 結び

以上のことから、本願発明は、引用発明、引用文献2記載事項、引用文献3記載事項、及び、周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

したがって、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2019-016864

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