2019-016621
情報処理装置
- 審判番号
- 2019-016621
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-161457外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年12月09日
- 審決日
- 2021年02月02日
- 公報発行日
- 2021年05月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ユニバーサルエンターテインメント
- 【請求人代理人】特許業務法人タス・マイスター
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
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本件に係る出願(以下「本願」という。)は、平成27年8月18日の特許出願であって、平成30年12月4日付けで拒絶の理由が通知され、平成31年2月8日に意見書及び手続補正書が提出され、同年3月1日付けで最後の拒絶の理由が通知され、令和1年5月9日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月9日付け(謄本送達日:同年同月17日)で、同年5月9日に提出された手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対し、同年12月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和1年12月9日に提出された手続補正書による補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和1年12月9日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、平成31年2月8日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「遊技場に設置された複数の撮像装置の各々の撮像情報を受信可能なインターフェイスと、前記複数の撮像装置の各々の視界範囲を示す視界情報が前記遊技場を示すフロアマップにマッピングされており、前記インターフェイスで受信された撮像情報と前記撮像情報に係る視界範囲とが関係付けられた態様で前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラと、を備え前記インターフェイスは、ユーザ操作に応答して前記各々の視界範囲の何れかが指定された場合、指定された視界範囲に対応する撮像装置に撮像情報を要求する旨の指示を送信し、前記撮像装置から前記撮像情報を受信し、前記コントローラは、前記受信した撮像情報の人数情報に応じて画像を生成することを特徴とする情報処理装置。」とあったものを、
「遊技場に設置された複数の撮像装置の各々の撮像情報を受信可能なインターフェイスと、前記複数の撮像装置の各々の視界範囲を示す視界情報が前記遊技場を示すフロアマップにマッピングされており、前記インターフェイスで受信された撮像情報と前記撮像情報に係る視界範囲とが関係付けられた態様で前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラと、を備え前記インターフェイスは、ユーザ操作に応答して前記各々の視界範囲の何れかが指定された場合、指定された視界範囲に対応する撮像装置に撮像情報を要求する旨の指示を送信し、前記撮像装置から前記撮像情報を受信し、前記コントローラは、前記受信した撮像情報から立ち止まっている人の数を計数し、当該計数した人数情報に応じた画像を生成するとともに、前記受信した撮像情報から人の移動方向を解析し、移動量に応じた画像を生成することを特徴とする情報処理装置。」とする補正を含むものである(なお、下線は当審で付した。以下同様。)。
2 補正の目的及び新規事項について
(1)補正の目的
上記の補正は、本件補正前の請求項1において記載されていた「コントローラ」が「前記受信した撮像情報の人数情報に応じて画像を生成する」ことに関して、「前記受信した撮像情報から立ち止まっている人の数を計数し、当該計数した人数情報に応じた画像を生成するとともに、前記受信した撮像情報から人の移動方向を解析し、移動量に応じた画像を生成する」ことに限定するものである。
また、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、上記の補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項
本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面の【0465】、【0532】~【0533】等の記載に基づくものであり、新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
3 独立特許要件について
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、次のとおり分説することができる(以下、分説に係る各発明特定事項を符号に対応させて「発明特定事項A」などという。)。
「A 遊技場に設置された複数の撮像装置の各々の撮像情報を受信可能なインターフェイスと、B1 前記複数の撮像装置の各々の視界範囲を示す視界情報が前記遊技場を示すフロアマップにマッピングされており、B2 前記インターフェイスで受信された撮像情報と前記撮像情報に係る視界範囲とが関係付けられた態様で前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラと、を備えC 前記インターフェイスは、ユーザ操作に応答して前記各々の視界範囲の何れかが指定された場合、指定された視界範囲に対応する撮像装置に撮像情報を要求する旨の指示を送信し、前記撮像装置から前記撮像情報を受信し、D 前記コントローラは、前記受信した撮像情報から立ち止まっている人の数を計数し、当該計数した人数情報に応じた画像を生成するとともに、前記受信した撮像情報から人の移動方向を解析し、移動量に応じた画像を生成するE ことを特徴とする情報処理装置。」
(2)引用例
ア 引用例1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-176452号公報(平成23年9月8日出願公開、以下「引用例1」という。)には、映像監視システム及び監視映像表示装置(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】【0001】この発明は、監視対象エリア内に配置されている監視カメラの監視映像を表示する映像監視システム及び監視映像表示装置に関するものである。」
(イ)「【0009】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による映像監視システムを示す構成図である。……続きを表示(全33行)図1において、固定カメラ1は監視対象エリア(1)内に設置されている固定の監視カメラである。旋回カメラ2は監視対象エリア(1)内に設置されている旋回可能な監視カメラであり、撮影範囲が旋回に伴って変化する。【0010】……監視映像表示装置6は例えば監視室に設置されており、監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)内に配置されている監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の監視映像を表示する装置である。……【0011】地図情報記憶部11は監視対象エリア(1)(2)の地図情報を記憶しているRAMやハードディスクなどの記録媒体である。……カメラ情報記憶部12は監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)が配置されている監視対象エリア(1)(2)内の位置(X,Y)、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の撮影範囲及び旋回カメラ2,3,5の撮影可能範囲(旋回に伴って撮影が可能になる範囲)を示すカメラ情報を記憶しているRAMやハードディスクなどの記録媒体である。……【0012】地図表示部13は例えばCPUを実装している半導体集積回路、ワンチップマイコン、あるいは、GPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、地図情報記憶部11により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)の地図を操作モニタ19に表示する一方、カメラ情報記憶部12により記憶されているカメラ情報を参照して、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)が配置されている監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)内の位置を確認し、その位置に対応する地図上のポイントに監視カメラのカメラアイコン(シンボル)を表示するとともに、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の撮影範囲を地図上に表示する処理を実施する。また、監視カメラが旋回カメラ2,3,5であれば、その旋回カメラ2,3,5の撮影可能範囲を地図上に表示する処理を実施する。……【0013】操作受付部14は例えばマウスやキーボードやタッチパネルなどのマンマシンインタフェースから構成されており、監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)の指定や、監視対象地点の指定を受け付ける処理を実施する。カメラ選択部15は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、複数の監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の中から、操作受付部14により受け付けられた監視対象の地点(以下、「指定地点」と称する)を撮影範囲又は撮影可能範囲内に含んでいる監視カメラを選択する処理を実施する。……【0014】映像受信処理部16は例えば監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)から送信された監視映像を受信する映像受信回路や、その監視映像が圧縮信号で送信されている場合、その監視映像を復調するデコード回路などから構成されており、複数の監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)のうち、カメラ選択部15により選択された監視カメラの監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する処理を実施する。……【0015】監視映像表示部17は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、映像受信処理部16から出力された監視映像を監視モニタ20に表示する処理を実施する。カメラ制御部18は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回カメラ2,3,5の旋回等を制御する制御回路である。……【0016】操作モニタ19は地図表示部13の指示の下、監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)の地図を表示するとともに、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)のカメラアイコン、撮影範囲及び撮影可能範囲を地図上に表示する表示機器である。監視モニタ20は監視映像表示部17の指示の下、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の監視映像を表示する表示機器である。【0017】図1の例では、監視映像表示装置6の構成要素である地図表示部13、操作受付部14、カメラ選択部15、映像受信処理部16、監視映像表示部17及びカメラ制御部18のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを示しているが、監視映像表示装置6がコンピュータで構成される場合、地図表示部13、操作受付部14、カメラ選択部15、映像受信処理部16、監視映像表示部17及びカメラ制御部18の処理内容を記述しているプログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。……」
(ウ)「【図1】」
(エ)「【0017】……図2はこの発明の実施の形態1による映像監視システムの処理内容を示すフローチャートである。」
(オ)「【図2】」
(カ)「【0020】次に動作について説明する。ユーザが所望の地点の監視映像を見る場合、操作受付部14を操作して、その地点が存在している監視対象エリアを指定する(ステップST1)。図1の例では、映像監視システムが2つの監視対象エリア(1)(2)を有しているので、ユーザが監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)を選択する。続きを表示(全49行)ここでは、説明の便宜上、ユーザが監視対象エリア(1)を選択するものとして、以下の説明を行う。操作受付部14は、ユーザが監視対象エリア(1)を指定すると、監視対象エリア(1)が指定された旨を地図表示部13に通知する。【0021】地図表示部13は、操作受付部14から監視対象エリア(1)が指定された旨の通知を受けると、地図情報記憶部11から監視対象エリア(1)の地図情報を読み取り、その地図情報にしたがって監視対象エリア(1)の地図を操作モニタ19に表示する(ステップST2)。また、地図表示部13は、カメラ情報記憶部12から監視対象エリア(1)に設置されている監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)のカメラ情報を読み取り、そのカメラ情報を参照して、固定カメラ1及び旋回カメラ2が配置されている監視対象エリア(1)内の位置(X,Y)を確認し、その位置(X,Y)に対応する地図上のポイントに固定カメラ1のカメラアイコン31と旋回カメラ2のカメラアイコン41を表示する(ステップST3)。【0022】さらに、地図表示部13は、そのカメラ情報を参照して、固定カメラ1及び旋回カメラ2の撮影範囲32,42を確認して、その撮影範囲32,42を地図上に表示するとともに、旋回カメラ2の撮影可能範囲46を確認して、その撮影可能範囲46を地図上に表示する(ステップST4)。ここで、図5は地図表示部13により表示された監視対象エリア(1)の地図の一例を示す説明図である。図5の例では、地図上に固定カメラ1及び旋回カメラ2の撮影範囲32,42と、旋回カメラ2の撮影可能範囲46が表示されている。【0023】これにより、ユーザは、操作モニタ19を見れば、固定カメラ1及び旋回カメラ2の撮影範囲32,42と、旋回カメラ2の撮影可能範囲46を確認することができる。ユーザは、操作モニタ19を見ながら、操作受付部14を操作して、監視を希望する地点を指定する(ステップST5)。ここでは、説明の便宜上、図5に示している地点P1,P2,P3,P4,P5が、ユーザが監視を希望する地点であるとして、ユーザが順番に地点P1,P2,P3,P4,P5を指定するものとする。ただし、ユーザが地点P1,P2,P3,P4,P5以外の地点を指定してもよいことは言うまでもない。操作受付部14は、ユーザが監視対象の地点を指定すると、その指定地点をカメラ選択部15に通知する。【0024】カメラ選択部15は、操作受付部14から指定地点の通知を受けると、監視対象エリア(1)に設置されている監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の中に、その指定地点を撮影範囲32,42内の中に含んでいる監視カメラが存在しているか否かを確認する(ステップST6)。カメラ選択部15は、その指定地点が固定カメラ1の撮影範囲32内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして固定カメラ1を選択する。また、その指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして旋回カメラ2を選択する(ステップST7)。例えば、指定地点が地点P1,P4であれば、固定カメラ1が選択され、指定地点が地点P2であれば、旋回カメラ2が選択される。【0025】カメラ選択部15は、その指定地点が固定カメラ1の撮影範囲32内に含まれておらず、旋回カメラ2の撮影範囲42内にも含まれていない場合、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれているか否かを確認する(ステップST8)。カメラ選択部15は、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして旋回カメラ2を選択する(ステップST9)。例えば、指定地点が地点P3,P4であれば、旋回カメラ2が選択される。一方、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれていなければ、監視映像を受信する対象の監視カメラの選択を行わない(ステップST10)。例えば、指定地点が地点P5であれば、地点P5の映像を表示することが可能な監視カメラが存在しないので、いずれの監視カメラも選択されない。この場合、指定地点の監視映像が無い旨を示すコメントが監視映像表示部17を通じて監視モニタ20に表示される。【0026】図5の例では、旋回カメラ2の現在の撮影範囲42が地点P2を含む位置にあり、地点P4を含む位置にないため、上記のステップST7において、指定地点が地点P4であるとき、固定カメラ1のみが選択されて、旋回カメラ2が選択されていないが、旋回カメラ2が旋回されて、現在の撮影範囲42が地点P4を含む位置に移動していれば、指定地点が地点P4であるとき、固定カメラ1と旋回カメラ2の双方が選択される。【0027】ここでは、指定地点が固定カメラ1及び旋回カメラ2の撮影範囲32,42内に含まれていない場合、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれているか否かを確認しているものを示しているが、旋回カメラ2については、指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれているか否かを確認せず、直ちに、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれているか否かを確認し、旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして旋回カメラ2を選択するようにしてもよい。したがって、この場合、指定地点が地点P4であれば、固定カメラ1と旋回カメラ2の双方が選択される。【0028】カメラ制御部18は、カメラ選択部15により旋回カメラ2が選択されたとき、指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれている場合(既に、指定地点が撮影範囲42内に含まれている場合を除く)、その指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2の旋回を制御する(ステップST11)。例えば、指定地点が地点P3又はP4である場合、地点P3又はP4が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2の旋回を制御する。図6は地点P3が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2が旋回された状態を示す説明図である。また、図7は地点P4が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2が旋回された状態を示す説明図である。なお、旋回カメラ2の旋回動作は、指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるまで行われるが、その指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれた直後に停止するようにしてもよいし、その指定地点が旋回カメラ2の撮影方向45の直線上に重なったときに停止するようにしてもよい(図4及び図7参照)。【0029】映像受信処理部16は、カメラ選択部15により固定カメラ1が選択された場合、その固定カメラ1から送信される監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する(ステップST12)。また、映像受信処理部16は、カメラ選択部15により旋回カメラ2が選択された場合、その旋回カメラ2から送信される監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する(ステップST12)。ただし、映像受信処理部16は、カメラ制御部18が旋回カメラ2の旋回を制御している場合、その旋回の制御が完了して、指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるようになってから、その旋回カメラ2から送信される監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する。【0030】監視映像表示部17は、映像受信処理部16から監視映像を受けると、その監視映像を監視モニタ20に表示する(ステップST13)。なお、映像受信処理部16から固定カメラ1及び旋回カメラ2の監視映像の双方を受けている場合、監視モニタ20の画面を分割して、双方の監視映像を表示するようにしてもよいし、2つの監視映像を時分割で表示するようにしてもよい。また、監視モニタ20が2台用意されていれば、それぞれの監視映像を別々の監視モニタ20に表示するようにしてもよい。」
(キ)「【図6】」
(ク)引用例1の【図1】から、実施の形態1の監視映像表示装置6は、地図情報記憶部11、カメラ情報記憶部12、地図表示部13、操作受付部14、カメラ選択部15、映像受信処理部16、監視画像表示部17、カメラ制御部18、操作モニタ19及び監視モニタ20を備えるものと認められる。
(ケ)上記(ア)~(ク)からみて、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、本願補正発明の発明特定事項AないしEに概ね対応させて符号aないしeを付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。
「a 監視対象エリア(1)内に設置されている固定の監視カメラである固定カメラ1(【0009】)と、監視対象エリア(1)内に設置されている旋回可能な監視カメラであり、撮影範囲が旋回に伴って変化する旋回カメラ2(【0009】)と、監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)から送信された監視映像を受信する映像受信回路などから構成されており、カメラ選択部15により選択された監視カメラの監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する処理を実施する映像受信処理部16(【0014】)と、b 監視対象エリア(1)の地図情報を記憶している地図情報記憶部11(【0011】)と、続きを表示(全18行)監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)が配置されている監視対象エリア(1)内の位置(X,Y)、監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲及び旋回カメラ2の撮影可能範囲(旋回に伴って撮影が可能になる範囲)を示すカメラ情報を記憶しているカメラ情報記憶部12(【0011】)と、地図情報記憶部11により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリア(1)の地図を操作モニタ19に表示する一方、監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲を地図上に表示する処理を実施する地図表示部13(【0012】)と、監視対象エリア(1)の指定や、監視対象地点の指定を受け付ける処理を実施する操作受付部14(【0013】)と、複数の監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の中から、操作受付部14により受け付けられた監視対象の地点(以下、「指定地点」と称する)を撮影範囲又は撮影可能範囲内に含んでいる監視カメラを選択する処理を実施するカメラ選択部15(【0013】)と、映像受信処理部16から出力された監視映像を監視モニタ20に表示する処理を実施する監視映像表示部17(【0015】)と、旋回カメラ2の旋回等を制御する制御回路であるカメラ制御部18(【0015】)と、地図表示部13の指示の下、監視対象エリア(1)の地図を表示するとともに、監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)のカメラアイコン、撮影範囲及び撮影可能範囲を地図上に表示する操作モニタ19(【0016】)と、監視映像表示部17の指示の下、監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の監視映像を表示する監視モニタ20(【0016】)と、を備え、c ユーザは、操作モニタ19を見ながら、操作受付部14を操作して、監視を希望する地点を指定し、操作受付部14は、ユーザが監視対象の地点を指定すると、その指定地点をカメラ選択部15に通知し(【0023】)、カメラ選択部15は、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして旋回カメラ2を選択し(【0025】)、カメラ制御部18は、カメラ選択部15により旋回カメラ2が選択されたとき、指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれている場合、その指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2の旋回を制御し(【0028】)、映像受信処理部16は、カメラ選択部15により旋回カメラ2が選択された場合、その旋回カメラ2から送信される監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力し(【0029】)、監視映像表示部17は、映像受信処理部16から監視映像を受けると、その監視映像を監視モニタ20に表示する(【0030】)e 監視映像表示装置6(【0010】、【図1】、上記(ク))。」
イ 引用例2
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-69639号公報(平成27年4月13日出願公開、以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0025】図1は、本実施形態に係る滞留時間測定システムの全体構成図である。この滞留時間測定システムは、スーパーマーケットなどの小売店舗などを対象にして構築されるものであり、カメラ1と、レコーダ(映像記録装置)2と、PC(滞留時間測定装置)3と、移動体追跡装置(移動体検出手段)4と、を備えている。……【0030】移動体追跡装置4では、カメラ1の撮影映像から人物(移動体)を検出して、人物ごとの追跡情報(検出位置情報)を出力する。この移動体追跡処理は、公知の画像認識技術(人物検出技術および人物追跡技術など)を利用すればよい。」
(イ)「【0039】次に、図1に示したPC3で行われる滞留時間測定処理について説明する。図5は、PC3の概略構成を示す機能ブロック図である。【0040】PC3は、追跡情報蓄積部21と、動線取得部(動線取得手段)22と、動線情報蓄積部23と、滞留時間取得部(滞留時間取得手段)24と、滞留時間蓄積部(蓄積手段)25と、を備えている。続きを表示(全16行)……【0042】動線取得部22では、測定エリアの映像から検出された人物ごとの動線を取得する処理が行われる。この動線取得処理は、移動体追跡装置4で生成した追跡情報に基づいて行われ、事後的な処理を行う場合には追跡情報蓄積部21から追跡情報を取得し、リアルタイムな処理を行う場合には移動体追跡装置4から追跡情報を取得する。この動線取得部22で取得した人物ごとの動線に関する情報は動線情報蓄積部23に蓄積される。動線情報には、移動ベクトル、ならびにその変化点の位置および時刻などに関する情報が含まれる。なお、本実施形態では、測定エリアの外周と動線との交差状況を判定するために、測定エリアの周辺部についても動線を取得する。【0043】滞留時間取得部24では、動線取得部22で取得した人物ごとの動線情報に基づいて、人物ごとの測定エリア内での滞留時間を取得する処理が行われる。この滞留時間取得部24で取得した人物ごとの滞留時間は滞留時間蓄積部25に蓄積される。……【0049】また、PC3は、統計処理部(統計処理手段)31と、画面生成部(出力情報生成手段)32と、を備えている。【0050】統計処理部31では、滞留時間取得部24で取得した人物ごとの滞留時間に対して時間的な統計処理を行って統計情報を生成する処理が行われる。特に本実施形態では、人物ごとの滞留時間および滞留時刻から、統計情報として単位時間(例えば時間帯)ごとの滞留時間を求める処理が行われる。また、人物ごとの滞留時刻から、統計情報として所定時刻の滞留人数、すなわち測定エリア内に同時に滞留する人数を求める処理が行われる。【0051】画面生成部32では、統計処理部31で生成した統計情報を含む出力情報として、統計情報をモニタ7に表示させるための画面情報を生成する処理が行われる。特に本実施形態では、統計処理部31から取得した統計情報、およびカメラ1またはレコーダ2からの映像情報に基づいて、測定エリアを含む映像上に統計情報を表す画像を重畳して表示した表示画像に関する画面情報を生成する。」
(ウ)「【図5】」
(エ)「【0119】次に、統計情報を画像で表示する例について説明する。図14は、統計情報を画像で表示する例を説明する説明図である。【0120】この図14に示す例では、測定エリアを含むカメラ1の映像41上に測定エリアを表す枠画像42および統計情報(滞留時間および滞留人数)を表す画像43が重畳して表示されている。また、統計情報を表す画像43は複数の測定エリアごとに並べて表示される。続きを表示(全18行)【0121】統計情報を表す画像43では、統計情報の数値の大きさが、画像43の属性、すなわち大きさ、色合い(色相)および色の濃さ(濃度)の少なくともいずれかで表現される。特に、図14に示す例では、円形状の画像43の塗りつぶし色の濃さで滞留時間が表現され、画像43の大きさで滞留人数が表現されており、滞留時間が長いほど画像43の色が濃くなり、滞留人数が多いほど画像43が大きくなる。【0122】特に本実施形態では、映像41を動画で表示することができるようになっており、統計情報を表す画像43は撮像時刻に対応する統計情報を表示し、動画の再生に伴って統計情報が変化するのに応じて統計情報を表す画像43が変化する。すなわち、動画が再生されるのに伴って滞留時間および滞留人数が変化するのに応じて、画像43の色の濃さおよび大きさが変化する。【0123】なお、図14に示す例では、統計情報を表す画像43を透過状態で表示しており、このようにすると、映像41における統計情報を表す画像43で覆われた領域内に映る人物の状況も確認することができる。【0124】このように本実施形態では、滞留時間に対して時間的な統計処理を行って統計情報を生成して、その統計情報を含む出力情報を出力するようにしたため、滞留時間の時間的推移状況をユーザが把握することができる。【0125】また、本実施形態では、測定エリアを含む映像上に統計情報を表す画像を重畳して表示するようにしたため、測定エリアでの人物の滞留状況を、測定エリアの映像に映った実際の人物の状況と比較しながら確認することができる。特に、本実施形態では、複数の測定エリアごとに統計情報を表す画像が並べて表示されるため、各測定エリアでの人物の滞留状況を簡単に比較することができる。【0126】また、本実施形態では、統計情報が統計情報を表す画像の属性、すなわち大きさ、色合いおよび色の濃さなどで表現されるため、統計情報の数値の大きさを一目で把握することができる。特に、複数種類の統計情報の各々を画像の異なる属性で表現するようにすると、1つの画像で複数種類の統計情報を表現することができるため、測定エリアを含む映像上に統計情報を表す画像を重畳して表示する場合に、表示画面を見やすくすることができる。【0127】また、本実施形態では、統計情報として滞留時間および滞留人数が出力されるため、測定エリアでの人物の滞留状況をより詳細に把握することができる。特に、本実施形態では、滞留時間および滞留人数が、画像の2つの属性(大きさおよび色)で表現されるため、滞留時間および滞留人数を一目で把握することができる。」
(オ)「【図14】」
(カ)上記(ア)~(オ)からみて、引用例2には、次の事項(以下「引用例2の記載事項」という。)が記載されている。なお、引用箇所の段落番号等を併記した。
「移動体追跡装置4では、カメラ1の撮影映像から人物(移動体)を検出して、人物ごとの追跡情報(検出位置情報)を出力し(【0030】)、動線取得部22では、移動体追跡装置4で生成した追跡情報に基づいて測定エリアの映像から検出された人物ごとの動線情報(移動ベクトル、ならびにその変化点の位置および時刻などに関する情報)を取得する処理が行われ(【0042】)、滞留時間取得部24では、動線取得部22で取得した人物ごとの動線情報に基づいて、人物ごとの測定エリア内での滞留時間を取得する処理が行われ(【0043】)、統計処理部31では、滞留時間取得部24で取得した人物ごとの滞留時間に対して時間的な統計処理を行って統計情報(滞留時間および滞留人数)を生成する処理が行われ(【0050】)、画面生成部32では、統計処理部31から取得した統計情報(滞留時間および滞留人数)、およびカメラ1またはレコーダ2からの映像情報に基づいて、測定エリアを含む映像上に統計情報(滞留時間および滞留人数)を表す画像を重畳して表示した表示画像に関する画面情報を生成する処理が行われ(【0051】)、測定エリアを含むカメラ1の映像41上に測定エリアを表す枠画像42および統計情報(滞留時間および滞留人数)を表す画像43が重畳して表示されており(【0120】)、統計情報を表す画像43では、統計情報(滞留時間および滞留人数)の数値の大きさが、画像43の属性、すなわち大きさ、色合い(色相)および色の濃さ(濃度)の少なくともいずれかで表現される(【0121】)滞留時間測定処理が行われるPC3(【0039】)。」(以下「引用例2の記載事項」という。)
(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(e)は、本願補正発明のAないしEに概ね対応させている。
(a)引用発明の「固定カメラ1」と「旋回カメラ2」は、いずれも「監視カメラ」であるから、これらをまとめると本願補正発明の「複数の撮像装置」に相当する。また、引用発明の「映像受信処理部16」は、「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)から送信された監視映像を受信する映像受信回路などから構成されており、カメラ選択部15により選択された監視カメラの監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する処理を実施する」から、「複数の撮像装置の各々の撮像情報を受信可能」であるといえる。ここで、引用発明の「映像受信処理部16」は、複数の撮像装置の各々の撮像情報を受信可能である点で、本願補正発明の「インターフェイス」に相当するといえる。さらに、引用発明の「監視対象エリア(1)」と本願補正発明の「遊技場」とは、「所定の場所」である点で共通する。
したがって、引用発明の発明特定事項aは、本願補正発明の発明特定事項Aと、「所定の場所に設置された複数の撮像装置の各々の撮像情報を受信可能なインターフェイス」「を備え」ている点で共通する。
(b1)引用発明の「監視対象エリア(1)の地図」は、本願補正発明の「前記遊技場を示すフロアマップ」と、「所定の場所を示すフロアマップ」である点で共通する。また、引用発明のカメラ情報記憶部12が記憶している「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲」は、本願補正発明の「前記複数の撮像装置の各々の視界範囲」に相当し、引用発明の「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲」等を示す「カメラ情報」は、本願補正発明の「前記複数の撮像装置の各々の視界範囲を示す視界情報」に相当する。さらに、引用発明は、「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲を地図上に表示する処理を実施」するから、本願補正発明と同様に「視界情報」が「フロアマップにマッピングされて」いる。
したがって、引用発明の発明特定事項b1は、本願補正発明の発明特定事項B1と、「前記複数の撮像装置の各々の視界範囲を示す視界情報が前記所定の場所を示すフロアマップにマッピングされて」いる点で共通する。
(b2)引用発明の「地図表示部13」は、「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲を地図上に表示する処理を実施する」から、本願補正発明の「前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラ」に相当するといえる。
したがって、引用発明の発明特定事項b2は、本願補正発明の発明特定事項B2と、「前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラ」である点で共通する。
(c)監視映像表示装置6から監視カメラへ送信することと、監視カメラからの信号を監視映像表示装置6が受信することに関して、引用発明では、「ユーザ」が、「操作モニタ19を見ながら、操作受付部14を操作して、監視を希望する地点を指定」し、「カメラ選択部15により旋回カメラ2が選択されたとき」に、「カメラ制御部18」は、「指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれている場合、その指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2の旋回を制御」し、「映像受信処理部16」は、「カメラ選択部15により旋回カメラ2が選択された場合、その旋回カメラ2から送信される監視映像を受信」するから、引用発明は、「ユーザ操作に応答して前記各々の視界範囲の何れかが指定された場合、指定された視界範囲に対応する撮像装置に撮像情報を要求する旨の指示を送信し、前記撮像装置から前記撮像情報を受信」するといえる。ここで、引用発明の「カメラ制御部18」及び「映像受信処理部16」は、上記の点で本願補正発明の「コントローラ」であるといえる。
したがって、引用発明の発明特定事項cは、本願補正発明の発明特定事項Cに相当する。
(e)引用発明の「監視映像表示装置6」は、本願補正発明の「情報処理装置」に相当する。
したがって、引用発明の発明特定事項eは、本願発明の発明特定事項Eに相当する。
上記(a)~(e)によれば、本願補正発明と引用発明は、
「A’ 所定の場所に設置された複数の撮像装置の各々の撮像情報を受信可能なインターフェイスと、B1’ 前記複数の撮像装置の各々の視界範囲を示す視界情報が前記所定の場所を示すフロアマップにマッピングされており、B2’ 前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラと、を備えC 前記インターフェイスは、ユーザ操作に応答して前記各々の視界範囲の何れかが指定された場合、指定された視界範囲に対応する撮像装置に撮像情報を要求する旨の指示を送信し、前記撮像装置から前記撮像情報を受信するE 情報処理装置。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
・相違点1(発明特定事項A、B1)
「所定の場所」が、本願補正発明では「遊技場」と限定されているのに対し、引用発明では「監視対象エリア(1)」であって本願補正発明のように限定されていない点。
・相違点2(発明特定事項B2)
「前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラ」が、本願補正発明では「前記インターフェイスで受信された撮像情報と前記撮像情報に係る視界範囲とが関係付けられた態様で前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラ」であるのに対し、引用発明では「地図情報記憶部11により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリア(1)の地図を操作モニタ19に表示する一方、監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲を地図上に表示する処理を実施する地図表示部13」である点。
・相違点3(発明特定事項D)
「前記コントローラ」が、本願補正発明では「前記受信した撮像情報から立ち止まっている人の数を計数し、当該計数した人数情報に応じた画像を生成するとともに、前記受信した撮像情報から人の移動方向を解析し、移動量に応じた画像を生成する」のに対し、引用発明では、「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲を地図上に表示する処理を実施」するものの、「前記受信した撮像情報から立ち止まっている人の数を計数し、当該計数した人数情報に応じた画像を生成するとともに、前記受信した撮像情報から人の移動方向を解析し、移動量に応じた画像を生成」していない点。
(4)判断
ア 相違点1について
複数の撮像装置(例えば、カメラ)をカジノ等の遊技場に設置することは、例えば、本願明細書の【0004】に先行技術文献として示された米国特許出願2012/0135799号明細書(日本国におけるパテントファミリ特許第5432995号公報の【0608】、【図66】を参照。)に記載されているように、慣用されている。
したがって、引用発明において、複数の撮像装置を設置する「監視対象エリア」として「遊技場」を採用し、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項のようになすことは、当業者が適宜なし得たことである。
イ 相違点2について
引用例1の【0017】には、「監視映像表示装置6がコンピュータで構成される場合、地図表示部13、操作受付部14、カメラ選択部15、映像受信処理部16、監視映像表示部17及びカメラ制御部18の処理内容を記述しているプログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。」(以下「引用例1の記載事項」という。)と記載されている。要するに、複数の構成要素を一つのハードウェアで構成することが記載されている。
そうすると、引用例1の記載事項に接した当業者は、「地図情報記憶部11により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリア(1)の地図を操作モニタ19に表示する一方、監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲を地図上に表示する処理を実施する地図表示部13」と「映像受信処理部16から出力された監視映像を監視モニタ20に表示する処理を実施する監視映像表示部17」を一つのハードウェアで構成することを理解できる。また、引用例1の記載事項に接した当業者は、「操作モニタ19」と「監視モニタ20」を一つのモニタで構成してもよいことを理解できるし、加えて、コンピュータが一つのモニタを利用することは技術常識でもある。
以上のことから、引用例1の記載事項に接した当業者は、「操作モニタ19」と「監視モニタ20」を一つのモニタで構成したうえで、このモニタに表示するべき画像を生成するために、「操作モニタ19」に表示するべき画像に関する「地図情報記憶部11により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリア(1)の地図を」「表示する一方、監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲を地図上に表示する処理」と、「監視モニタ20」に表示するべき画像に関する「映像受信処理部16から出力された監視映像を」「表示する処理を実施する処理」を一つの「コントローラ」で実施するようになすこと(以下「引用例1から理解できる技術」という。)を理解できる。この際、「操作モニタ19」に表示するべき画像と「監視モニタ20」に表示するべき画像が一つのモニタで表示する一つの画像になることは、自明である。すなわち、引用例1から理解できる技術における「コントローラ」が、「監視対象エリア(1)の地図」及び「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲」と「映像受信処理部16から出力された監視映像」とが「関係付けられた態様で前記フロアマップを生成する」ことは、自明である。
ここで、引用例1から理解できる技術の「監視映像」は本願補正発明の「撮像情報」に、引用例1から理解できる技術の「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の撮影範囲」は本願補正発明の「前記撮像情報に係る視界範囲」に、それぞれ相当する。また、引用発明は、「監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)から送信された監視映像を受信する映像受信処理部16」を備えるから、引用例1から理解できる技術の「映像受信処理部16から出力された監視映像」は、本願補正発明の「前記インターフェイスで受信された撮像情報」に相当する。そうすると、引用例1から理解できる技術は、本願補正発明の発明特定事項B2の「前記インターフェイスで受信された撮像情報と前記撮像情報に係る視界範囲とが関係付けられた態様で前記フロアマップを生成する画像処理を行うコントローラ」との発明特定事項を備えるといえる。
したがって、引用発明、引用例1の記載事項及び技術常識に基づき、引用発明の地図表示部13及び監視映像表示部17を上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項B2のようになすことは、当業者が容易に想到できたことである。
ウ 相違点3について
引用例2の記載事項は、要するに、移動体追跡装置4及び動線取得部22によって、カメラ1の撮影映像から検出された人物ごとの動線情報(移動ベクトル、ならびにその変化点の位置および時刻などに関する情報)を取得し、滞留時間取得部24及び統計処理部31によって、動線情報(移動ベクトル、ならびにその変化点の位置および時刻などに関する情報)に基づいて滞留時間および滞留人数を生成し、画面生成部32によって、測定エリアを含む映像上に滞留時間および滞留人数を表す画像を重畳して表示することである。
ここで、引用例2の記載事項の「カメラ1の撮影映像」は本願補正発明の「受信した撮像情報」に相当し、引用例2の記載事項の「滞留人数」は本願補正発明の「立ち止まっている人の数」に相当するから、引用例2の記載事項は、本願補正発明の「前記受信した撮像情報から立ち止まっている人の数を計数し、当該計数した人数情報に応じた画像を生成する」との発明特定事項を備えるといえる。
また、引用例2の記載事項では、カメラ1の撮影映像から検出された移動ベクトルなどの動線情報に基づいて滞留時間を表す画像が表示されるところ、「移動ベクトル」は「人の移動方向」を含むものであり、「滞留時間」は測定エリアの入り口から出口まで移動するのに要する時間であるから、引用例2の記載事項は本願補正発明の「前記受信した撮像情報から人の移動方向を解析し、移動量に応じた画像を生成する」との発明特定事項を備えるといえる。
そして、引用発明は、「監視映像表示装置」であるところ、監視カメラの監視映像によって人物の移動を監視することは技術常識であるから、引用発明と引用例2の記載事項は、映像を用いて人物の移動を監視する点で共通するとともに、人物の移動量を把握するという課題を内在する点で共通することは明らかである。
したがって、引用発明に引用例2の記載事項を組み合わせて、上記相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項のようになすことは、当業者が容易に想到できたことである。
エ 本願補正発明の奏する効果について
本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用例2の記載事項の奏する効果から、予測することができた程度のものである。
(5)請求人の主張
請求人は、審判請求書の【請求の理由】の「(4-1)請求項1の進歩性について」において、「引用文献2には、……人の移動量に応じた画像を生成することについて開示されていません。」等の理由により、本願補正発明は進歩性を有すると主張する。
しかしながら、主張された構成は、上記(4)ウで述べたように、引用例2(引用文献2)に記載されている。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(6)まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が、引用発明及び引用例2の記載事項に基いて容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 補正却下の決定についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成31年2月8日提出の手続補正書により補正された、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、この出願の平成31年2月8日提出の手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引用文献等一覧>
1.特開2011-176452号公報
2.特開2015-69639号公報
3 引用例
引用例1(引用文献1)及び引用例2(引用文献2)は、上記第2[理由]3(2)ア及びイに記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明(上記第2[理由]1)は、本願補正発明(上記第2[理由]3(1))から、上記相違点3に係る発明特定事項を上位概念化したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、事実上、相違点1及び2並びに相違点3の「人数情報」の点で相違するから、本願発明も、上記第2[理由]3(4)で示した理由と同様の理由により、当業者が、引用発明及び引用例2の記載事項に基づいて、容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2019-016621