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特許拒絶査定不服審判

2019-014995

ライセンススペクトラムおよびアンライセンススペクトラム上の同時ワイヤレス通信

審判番号
2019-014995
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-211831外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年11月08日
審決日
2020年12月15日
公報発行日
2021年02月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04W) / P18 .537-WY (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-211831「ライセンススペクトラムおよびアンライセンススペクトラム上の同時ワイヤレス通信」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月17日出願公開、特開2018- 78562、請求項の数(28)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 12項目
【理 由】

第1 手続の経緯

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本願は、2014年(平成26年)5月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年5月20日 米国、2014年5月19日 米国)を国際出願日とする特願2016-515008号の一部を、平成29年11月1日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成29年11月28日   手続補正書の提出

平成30年 9月26日付け 拒絶理由通知書

平成31年 2月12日   意見書、手続補正書の提出

令和 元年 7月 2日付け 拒絶査定

令和 元年11月8日    拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提

出

令和 2年 7月22日付け 拒絶理由通知書(当審)

令和 2年10月28日   意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明について

本願請求項1ないし28に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明28」という。)は、令和2年10月28日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし28に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
ワイヤレス通信のための方法であって、
アンライセンススペクトラム上のダウンリンク(DL)サブフレームにおいて直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信信号をワイヤレスノードへ送信することと、
ライセンススペクトラム上のアップリンク(UL)サブフレームにおいて第1のSC-FDMA通信信号を前記ワイヤレスノードから受信することと、
前記第1のSC-FDMA通信信号の前記受信と同時に、前記アンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおいて第2のSC-FDMA通信信号を前記ワイヤレスノードから受信することと、
を備え、
前記第2のSC-FDMA通信信号は、インターリーブされた信号に限定され、前記インターリーブされた信号は、前記アンライセンススペクトラムにおける公称帯域幅占有率を上げ、
前記第1のSC-FDMA通信信号は、前記アンライセンススペクトラムにおいて送信される前記OFDMA通信信号に関するシグナリング情報または制御情報を備え、
前記アンライセンススペクトラムにおけるフレーム構造のためのDLサブフレームの数とULサブフレームの数の比率は、前記ライセンススペクトラムにおけるフレーム構造のための前記比率とは異なる、方法。」

また、本願発明2ないし28の概要は以下のとおりである。

本願発明2ないし4は、本願発明1を減縮した発明である。

本願発明5ないし8、9ないし12、13ないし14は、それぞれ本願発明1ないし4に対応する装置やコンピュータプログラムの発明であり、本願発明1ないし4と実質的にカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

また、本願発明15ないし28は、それぞれ本願発明1ないし14に対応する通信相手に関する発明であり、いずれも本願発明1と共通の「前記第2のSC-FDMA通信信号は、インターリーブされた信号に限定され、前記インターリーブされた信号は、前記アンライセンススペクトラムにおける公称帯域幅占有率を上げ」という構成を有する発明である。

第3 引用発明について

1.引用例3について

当審拒絶理由で引用された国際公開第2012/108718号(以下、「引用例3」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。)

(1)

(当審訳:

[0008] 本発明の一態様によれば、キャリア・アグリゲーション・システムにおける基地局(BS)のスケジューリング方法が提供される。この方法は、第1のサービング・セルを経由して第2のサービス提供セルで使用されるTDD(time division duplex)フレームのアップリンク、ダウンリンク(UL-DL)構成情報を伝送し、そして、UL-DL構成情報によって構成された第2のサービス提供セルのサブフレームを介して、ユーザ機器(UE)と通信し、第1のサービング・セル及び第2のサービス提供セルは、UEに割り当てられるサービング・セルである。)

(2)

(当審訳:

[0014] 加えて、一次サービング・セル及び二次セルの全てはTDDフレームを使用することができ、異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用する。)

(3)

(当審訳:

[0043] 第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)標準のロングタームエボリューション(LTE)は、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(EUTRAN)を使用する、進化型ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(E-UMTS)の一部である。LTEは、ダウンリンクで直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)を用い、アップリンクにおいてシングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)を採用している。LTEアドバンス(LTE-A)は、LTEの進化である。明確にするために、3GPP LTE/LTE-Aを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定されるものではない。)

(4)

(当審訳:

[0060]TDDでは、ダウンリンク(DL)サブフレームとアップリンクサブフレームが1つの無線フレームに共存する。以下の表2で、無線フレームのUL-DL構成(DL-UL構成とも称される)の例を示す。

[0061] [表2]

[0062]略)

(5)

(当審訳:

[0165] 図11を参照すると、一次セル及び二次セルは、UEに割り当てることができる。この場合、一次セルは、FDDフレームを使用してもよいし、二次セルは、TDDフレームであってもよい。

[0166] 好ましくは、一次セルは、初期のセルの同期及び初期アクセスのための後方互

換性を維持する。一方、二次セルは、後方互換性を維持する必要はない。したがって、周波数帯域については、一次セルは、従来の無線通信システムの許可された帯域から選択することができ、二次セルは、免許不要帯域を使用することができる。)

(6)

(当審訳:

[0169] また、図11に、一次セルは、グラントを含む制御チャネルを有する場合を示し、二次セルにはデータチャネルを有している。すなわち、制御チャネルとデータチャネルは、異なる周波数帯域又はサービング・セルに存在する場合を例示した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、同一のサービング・セルに存在するフレキシブル・サブフレームであり、関連するULグラント/DLグラントである場合にも適用できる。)

上記記載及び当業者における技術常識からみて、

a.上記(1)に「キャリア・アグリゲーション・システムにおける基地局(BS)のスケジューリング方法」と記載されていることから、「ワイヤレス通信のための方法」が記載されているといえる。

b.上記(5)の[0166]に「一次セルは、従来の無線通信システムの許可された帯域から選択することができ、二次セルは、免許不要帯域を使用することができる。」と記載されていることから、二次セルは免許不要帯域を使用することが記載されている。

また、上記(2)に「一次サービング・セル及び二次セルの全てはTDDフレームを使用することができ、異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用する。」と記載されていることから、二次セルはTDDフレームを使用する。TDDフレームではダウンリンクサブフレームとアップリンクサブフレームとを有することが技術常識である。

そして、ダウンリンクは基地局からUEへの送信であり、アップリンクはUEから基地局への送信であることは技術常識である。

よって、「基地局は、二次セルの免許不要帯域上のダウンリンクサブフレームにおいてダウンリンク信号をUEへ送信」することと「基地局は、二次セルの免許不要帯域上のアップリンクサブフレームにおいてアップリンク信号をUEから受信」することが行われているといえる。

c.上記(5)の[0166]に「一次セルは、従来の無線通信システムの許可された帯域から選択することができ、二次セルは、免許不要帯域を使用することができる。」と記載されていることから、一次セルは許可された帯域を使用することが記載されている。

また、上記(2)に「一次サービング・セル及び二次セルの全てはTDDフレームを使用することができ、異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用する。」と記載されていることから、一次セルはTDDフレームを使用する。加えて上記(4)に「TDDでは、ダウンリンク(DL)サブフレームとアップリンクサブフレームが1つの無線フレームに共存する。」と記載されているように、TDDフレームではアップリンクサブフレームを有することが技術常識である。

そして、上記(3)に「LTEは、・・・アップリンクにおいてシングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)を採用している。」と記載されていることから、一次セルのアップリンクの信号はSC-FDMA通信信号といえる。

よって、「基地局は、一次セルの許可された帯域上のアップリンクサブフレームにおいてSC-FDMA通信信号をUEから受信」することが行われているといえる。

d.上記(6)に「一次セルは、グラントを含む制御チャネルを有する場合を示し、二次セルにはデータチャネルを有している。」と記載されていることから、「一次セルは制御チャネルを有し、二次セルではデータチャネルを有し」ているといえる。

e.上記(2)に「一次サービング・セル及び二次セルの全てはTDDフレームを使用することができ、異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用する。」と記載されており、上記(4)にアップリンク-ダウンリンク構成(UL-DL構成)が記載されている。ここで、例えば上記(4)のアップリンク-ダウンリンク構成0とアップリンク-ダウンリンク構成1では10サブフレームの中でダウンリンクサブフレーム数とアップリンクサブフレーム数が異なることは明らかである。よって、「一次セルと二次セルでは異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用し、10サブフレームの中でダウンリンクサブフレーム数とアップリンクサブフレーム数が異なる」といえる。

以上を総合すると、引用例3には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 ワイヤレス通信のための方法であって、
基地局は、二次セルの免許不要帯域上のダウンリンクサブフレームにおいてダウンリンク信号をUEへ送信し、
基地局は、一次セルの許可された帯域上のアップリンクサブフレームにおいてSC-FDMA通信信号をUEから受信し、
基地局は、二次セルの免許不要帯域上のアップリンクサブフレームにおいてアップリンク信号をUEから受信し、
一次セルは制御チャネルを有し、二次セルではデータチャネルを有し、
一次セルと二次セルでは異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用し、10サブフレームの中でダウンリンクサブフレーム数とアップリンクサブフレーム数が異なる、方法」

2.引用例1について

原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2012/078565号(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。)

(1)「[0007]
(略)
In particular, a primary component carrier operating in a licensed spectrum is used for control and connection establishment and a second component carrier operating in a licensed exempt spectrum is used for bandwidth extension.」

(当審訳:

[0007]

(略)

具体的には、免許を受けたスペクトルで動作中の第1のコンポーネントキャリアが、制御及び接続確立のために使用され、免許不要スペクトルで動作中の第2のコンポーネントキャリアが、帯域幅拡張のために使用される。)

(2)「[0078] FIG. 5 illustrates a second scenario between an eNB 505 and a WTRU 510 . In this scenario, carrier aggregation aggregates LTE licensed band component carrier 515 operating in the DL and UL with license exempt supplementary carriers 520 operating in the DL and UL direction.」

(当審訳:

[0078] 図5に、eNB505とWTRU510との間の第2のシナリオを示す。このシナリオでは、キャリアアグリゲーションは、DL及びULで動作するLTE免許帯域コンポーネントキャリア515をDL及びUL方向で動作する免許不要の補助キャリア520とアグリゲートする。)

したがって、上記引用例1には、「免許帯域コンポーネントキャリアと免許不要の補助キャリアでキャリアアグリゲーションを行い、免許帯域コンポーネントキャリアは制御に使用される」という技術的事項が記載されていると認められる。

3.引用例2について

原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2013/069746号(以下、「引用例2」という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。)

「[0009] ところで、LTE-Aシステムの上りリンクの無線アクセス方式においては、上述したSC-FDMAをクラスタ化するClustered DFTS(Discrete Fourier Transform Spread)-OFDMAをベースとした方式を用いることができる。このClustered DFTS-OFDMA方式は、連続しないサブキャリアに対するDFT出力の割り当てを許容するマルチキャリア伝送方式である。このClustered DFTS-OFDMA方式においては、不連続のサブキャリアへのDFT出力の割り当てを許容することにより、PAPR(Peak-to-Average Power Ratio)は増大するものの、周波数領域スケジューリング効果の増大を図ることができる。このようなClustered DFTS-OFDMA方式を用いることにより、LTE-Aシステムの上りリンクにおいては、マルチキャリアを用いた同時送信が許容される。」

したがって、上記引用例2には、「端末が、LTE-Aシステムの上りリンクにおいて、マルチキャリアを用いて同時送信する」という技術的事項が記載されていると認められる。

第4 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

a.引用発明の「免許不要帯域」、「ダウンリンクサブフレーム」、「許可された帯域」、「アップリンクサブフレーム」は、それぞれ本願発明1の「アンライセンススペクトラム」、「ダウンリンク(DL)サブフレーム」、「ライセンススペクトラム」、「アップリンク(UL)サブフレーム」に相当する。

また、引用発明の「UE」はワイヤレスノードの1つであることは技術常識であるから、本願発明1の「ワイヤレスノード」に含まれる。

b.本願発明1の「直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信信号」はダウンリンク信号であるから、本願発明1の「アンライセンススペクトラム上のダウンリンク(DL)サブフレームにおいて直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信信号をワイヤレスノードへ送信すること」と、引用発明の「二次セルの免許不要帯域上のダウンリンクサブフレームにおいてダウンリンク信号をUEへ送信」することとは、「アンライセンススペクトラム上のダウンリンク(DL)サブフレームにおいてダウンリンク信号をワイヤレスノードへ送信する」点で共通する。

c.引用発明の「SC-FDMA通信信号」は本願発明1の「第1のSC-FDMA通信信号」に相当するから、引用発明の「一次セルの許可された帯域上のアップリンクサブフレームにおいてSC-FDMA通信信号をUEから受信」することは、本願発明1の「ライセンススペクトラム上のアップリンク(UL)サブフレームにおいて第1のSC-FDMA通信信号をワイヤレスノードから受信すること」に相当する。

d.本願発明1の「第2のSC-FDMA通信信号」はアップリンク信号であるから、本願発明1の「前記アンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおいて第2のSC-FDMA通信信号を前記ワイヤレスノードから受信すること」と、引用発明の「二次セルの免許不要帯域上のアップリンクサブフレームにおいてアップリンク信号をUEから受信」することとは、「アンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおいてアップリンク信号をワイヤレスノードから受信する」点で共通する。

また、引用発明では「一次セルと二次セルでは異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用する」ことから、同じタイミングのサブフレームについて一次セルと二次セルで両方ともアップリンクとなる場合も、どちらかがアップリンクでもう一方がダウンリンクの場合もあることは明らかである。よって、引用発明において、同じタイミングのサブフレームについて一次セルと二次セルで両方ともアップリンクとなる場合があり得ることから、引用発明の「許可された帯域上のアップリンクサブフレームにおいてSC-FDMA通信信号をUEから受信」することと「免許不要帯域上のアップリンクサブフレームにおいてアップリンク信号をUEから受信」することが同時の場合もありうることは自明である。

よって、本願発明1の「前記第1のSC-FDMA通信信号の前記受信と同時に、前記アンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおいて第2のSC-FDMA通信信号を前記ワイヤレスノードから受信すること」と、引用発明の「一次セルの許可された帯域上のアップリンクサブフレームにおいてSC-FDMA通信信号をUEから受信し」、「二次セルの免許不要帯域上のアップリンクサブフレームにおいてアップリンク信号をUEから受信し」、「一次セルと二次セルでは異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用する」こととは、「第1のSC-FDMA通信信号の受信と同時に、アンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおいてアップリンク信号をワイヤレスノードから受信する」点で共通する。

e.引用発明では「一次セルは制御チャネルを有し、二次セルではデータチャネルを有し」ていることから、二次セルの制御信号は一次セルの制御チャネルで通信されているといえる。よって、引用発明において、二次セルのダウンリンクデータに関する制御信号をUEから基地局へ送信する際には、一次セルのアップリンク信号で送信することは明らかである。

また、引用発明の制御信号は本願発明1の「シグナリング情報または制御情報」に含まれる。

したがって、本願発明1の「前記第1のSC-FDMA通信信号は、前記アンライセンススペクトラムにおいて送信される前記OFDMA通信信号に関するシグナリング情報または制御情報を備え」ることと、引用発明の「二次セルの免許不要帯域上のダウンリンクサブフレームにおいてダウンリンク信号をUEへ送信し、」、「一次セルの許可された帯域上のアップリンクサブフレームにおいてSC-FDMA通信信号をUEから受信し」、「一次セルは制御チャネルを有し、二次セルではデータチャネルを有」することとは、「第1のSC-FDMA通信信号は、アンライセンススペクトラムにおいて送信されるダウンリンク通信信号に関するシグナリング情報または制御情報を備え」る点で共通する。

f.引用発明では「一次セルと二次セルでは異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用し、10サブフレームの中でダウンリンクサブフレーム数とアップリンクサブフレーム数が異なる」ことから、一次セルのアップリンク-ダウンリンク構成と二次セルのアップリンク-ダウンリンク構成ではダウンリンクサブフレームの数とアップリンクサブフレームの数の比率が異なっているといえる。

よって、引用発明の「一次セルと二次セルでは異なるアップリンク-ダウンリンク構成を使用する」ことは、本願発明1と同様に、「アンライセンススペクトラムにおけるフレーム構造のためのDLサブフレームの数とULサブフレームの数の比率は、ライセンススペクトラムにおけるフレーム構造のための前記比率とは異なる」といえる。

以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)

「 ワイヤレス通信のための方法であって、
アンライセンススペクトラム上のダウンリンク(DL)サブフレームにおいてダウンリンク信号をワイヤレスノードへ送信することと、
ライセンススペクトラム上のアップリンク(UL)サブフレームにおいて第1のSC-FDMA通信信号を前記ワイヤレスノードから受信することと、
前記第1のSC-FDMA通信信号の前記受信と同時に、前記アンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおいてアップリンク信号を前記ワイヤレスノードから受信することと、
を備え、
前記第1のSC-FDMA通信信号は、前記アンライセンススペクトラムにおいて送信されるダウンリンク通信信号に関するシグナリング情報または制御情報を備え、
前記アンライセンススペクトラムにおけるフレーム構造のためのDLサブフレームの数とULサブフレームの数の比率は、前記ライセンススペクトラムにおけるフレーム構造のための前記比率とは異なる、方法。」

(相違点)

1.アンライセンススペクトラム上のダウンリンク(DL)サブフレームにおいて送信されるダウンリンク信号が、本願発明1では直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信信号であるのに対し、引用発明では直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信信号とは特定されていない点。

2.アンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおいて受信されるアップリンク信号が、本願発明1では第2のSC-FDMA通信信号であるのに対し、引用発明ではSC-FDMA通信信号とは特定されていない点。

3.本願発明1では第2のSC-FDMA通信信号は、インターリーブされた信号に限定され、前記インターリーブされた信号は、アンライセンススペクトラムにおける公称帯域幅占有率を上げるのに対し、引用発明では当該発明特定事項が特定されていない点。

(2)相違点についての判断

事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討すると、相違点3に係る本願発明1のアンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおける「第2のSC-FDMA通信信号は、インターリーブされた信号に限定され、前記インターリーブされた信号は、アンライセンススペクトラムにおける公称帯域幅占有率を上げ」るという構成は、上記引用例1ないし2には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。

したがって、上記相違点1、2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用例1、2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2.本願発明2ないし28について

本願発明2ないし28も、本願発明1の「第2のSC-FDMA通信信号は、インターリーブされた信号に限定され、前記インターリーブされた信号は、アンライセンススペクトラムにおける公称帯域幅占有率を上げ」るという同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用例1、2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第5 特許法第29条第2項について(原査定及び当審拒絶理由の理由1及び2について)

原査定は、請求項1ないし28について上記引用例1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

また、当審拒絶理由では、理由1として請求項1ないし28に係る発明は、上記引用例3に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないというものである。また、理由2として、請求項1ないし28に係る発明は、上記引用例3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

しかしながら、令和2年10月28日の手続補正により補正された請求項1ないし28には、それぞれ「第2のSC-FDMA通信信号は、インターリーブされた信号に限定され、前記インターリーブされた信号は、アンライセンススペクトラムにおける公称帯域幅占有率を上げ」るという構成を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1ないし28は、上記引用発明であるとはいえず、上記引用発明、引用例1、2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものともいえない。したがって、原査定を維持することはできない。

第6 特許法第36条第6項第1号又は第2号について(当審拒絶理由の理由3及び4について)

(1)当審拒絶理由では、理由4として「請求項1~28の「アンライセンススペクトラム上のダウンリンク(DL)サブフレームにおいて直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信信号をワイヤレスノードへ送信すること」と、「ライセンススペクトラム上のアップリンク(UL)サブフレームにおいて第1のSC-FDMA通信信号を前記ワイヤレスノードから受信すること」と、「前記アンライセンススペクトラム上のULサブフレームにおいて第2のSC-FDMA通信信号を前記ワイヤレスノードから受信すること」のタイミングの関係が不明確である。」、また理由3として「請求項1~28に記載された発明と発明の詳細な説明との対応関係が不明である。」との拒絶の理由を通知しているが、令和2年10月28日の補正において、「前記OFDMA通信信号の前記送信と同時に」を削除する補正が行われた結果、この拒絶の理由は解消した。

(2)当審拒絶理由では、理由4として、請求項17の「ユーザ機器(UE)において受信される」という記載は「ユーザ機器(UE)において送信される」の誤記であるとの拒絶の理由を通知しているが、令和2年10月28日の補正において「ユーザ機器(UE)において送信される」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明1ないし28は、当業者が引用発明及び引用例1、2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2019-014995

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