2019-012605
複写ジョブを処理するための装置及び方法
- 審判番号
- 2019-012605
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-522495外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年09月24日
- 審決日
- 2020年08月31日
- 公報発行日
- 2021年03月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】キャノン プロダクション プリンティング ネザーランド ビーブイ
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】大貫 進介
- 分類
- P18 .121-WZ (B41J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
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本願は、2014年6月26日(パリ条約による優先権主張2013年7月3日(EP)欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成30年1月15日付けで拒絶理由が通知され、同年6月21日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年10月1日付けで拒絶理由(最後)が通知され、平成31年1月9日付けで意見書が提出されたが、令和1年5月13日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年9月24日付けで拒絶査定不服審判の請求がされ、その後、当審において、令和2年3月13日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、令和2年6月10日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1乃至14に係る発明は、令和2年6月10日付けで提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1乃至14に記載された事項により特定されるとおりのものであって、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】複写ジョブを作成又は受信するためのプリンタ装置であって、該複写ジョブは、第1の処理機による媒体への第1の処理工程の第1の仕様と、第2の処理機による前記媒体への第2の処理工程の第2の仕様とを含み、前記第1の処理機によって出力される前記媒体は、前記第1の処理工程と前記第2の処理工程との間にオペレーターによって媒体取扱作業に供され、該媒体取扱作業は、前記第1の処理機から降ろすことと、前記第2の処理機に積むことと、前記第1の処理機から降ろしてから前記第2の処理機に積むまでの間に前記媒体に対して前記オペレーターが手動で行う中間媒体取扱作業を含み、当該装置は、前記複写ジョブを作成又は受信するように構成されたコントローラを含み、続きを表示(全13行)前記コントローラはさらに、前記第2の処理機に関する構成情報を記憶する記憶装置にアクセスするように構成され、該構成情報は前記第2の処理機に媒体を積むことに関するものであり、前記コントローラは、前記媒体取扱作業を簡略化するために、前記構成情報を取得して前記第2の処理機に媒体をどのように積むべきか分析した後で、前記複写ジョブにおけるドキュメントの印刷順序を判定すること、前記複写ジョブにおけるドキュメントのページの印刷順序を判定すること、前記複写ジョブにおけるドキュメントのページの印刷向きを判定すること、及び前記複写ジョブにおけるドキュメントのページの媒体シートの印刷面を判定すること、のうちの少なくとも1つを行うことにより前記複写ジョブに含まれる前記第1の仕様における前記第1の処理工程を指定するように構成され、前記コントローラは、前記第1の処理機によって出力される媒体が前記第2の処理機に搭載される前に前記中間媒体取扱作業が必要かどうかを判定し、要否に応じて前記第1の仕様における前記第1の処理工程を指定するように構成されている、装置。」
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由において通知した理由は、次に概略を記した理由を含むものである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項 1~5、7~11、13、14
・引用文献等 1、2
・請求項 6、12
・引用文献等 1~3
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開2009-269310号公報
2.特開2009-137744号公報
3.特開2009-288871号公報
第4 引用文献に記載された事項及び引用発明について
1 引用文献1
(1)当審拒絶理由において引用した本願の優先権主張日(以下、「本願優先日」という。)前に出願公開された引用文献1(特開2009-269310号公報)には、次の事項が記載されている。(下線は審決で付した。以下同じ。)
ア 「【技術分野】【0001】本発明は、画像形成装置、フィニッシャ装置及び、フィニッシャ制御装置を制御可能な印刷制御装置、それらを含む印刷システム及び、印刷制御方法に関するものである。」
イ 「【0020】デジタルプリント部5は、工程管理部より受信したジョブの作業指示に従って、白黒MFP(Multi Function Printer)やカラーMFP等によりエンドユーザ環境1、2から受け取った紙原稿をコピーする。また、デジタルプリント部5はエンドユーザ環境1、2から受信した文書/画像ファイルやスキャンデバイスによりスキャンしたスキャン画像ファイルやそれらを編集した文書/画像ファイルを白黒MFPやカラーMFP等のプリントデバイスにより印刷する。【0021】ポストプレス部6は、デジタルプリント部5の白黒MFPやカラーMFPに接続されているフィニッシャの機能や能力が不足する場合に、不足する能力を補う。また、ポストプレス部6は、工程管理部4あるいはデジタルプリント部5より受信したジョブの作業指示に従って、紙折り機、中綴じ製本機、くるみ製本機、断裁機、封入機、帳合機等のフィニッシャを制御する。また、ポストプレス部6は、デジタルプリント部5より排紙された印刷物に対して、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、断裁、封入、帳合等のフィニッシング処理を実行する。【0023】本実施例では、印刷システム内の工程管理部4は、MISサーバ20と受注サーバ21とファイルシステムサーバ22とで構成されている。またデジタルプリント部5はカラーMFP37とクライアントPC31とで構成されている。カラーMFP37の内部構成はジョブの受信からジョブ内に記録されている情報に従って印刷物の排紙までを処理するMFP本体部91と、MFP本体部91から印刷物の搬送路として接続されているインラインフィニッシャ93とから成る。【0024】クライアントPC31は、JDFハンドラ38とUI部39とで構成されている。JDFハンドラ38は印刷システム全体を制御するソフトウェアである。JDFハンドラ38は、MISサーバ20及びポストプレスサーバ40に対してJDFジョブ(以下単にジョブと記述する)の送受信、ジョブステータスの通知を行う。また、JDFハンドラ38は、ニアラインフィニッシャ46の能力情報を含むステータス情報を取得する。さらに、JDFハンドラ38は、MISサーバ20から受信したジョブを解析し、MFP本体部91に印刷を、ポストプレスサーバ40にフィニッシング処理を指示する。UI部39はJDFハンドラ38によってCPU101がジョブを処理する際にユーザによる入力情報を受け付けるユーザインタフェースである。以後ユーザインタフェースをUIとも呼ぶこととする。そしてポストプレス部6はポストプレスサーバ40とくるみ製本機であるニアラインフィニッシャ46とで構成される。」
ウ 「【0028】図3は、図2におけるクライアントPC31の構成を示すブロック図である。101はCPUであり、ROM103に格納されているプログラムを読み出し、実行する。102はRAMでありCPU101の主メモリ、ワークエリアとして機能する。103はROMであり、データ、プログラム等が記憶される記憶媒体である。105はKBC(キーボードコントローラ)であり、キーボード109や不図示のポインティングデバイスからの入力を制御する。106はCRTC(CRTコントローラ)であり、UI部39の表示を制御する。107はDKC(ディスクコントローラ)であり、外部メモリ111とのアクセスを制御する。CPU101がROM103に記憶されているプログラムを読み込み実行することで、JDFハンドラ38が動作し、印刷システムの制御を行う。…【0030】続きを表示(全11行)図4は、カラーMFP37の外観を示す図である。10は排紙部であり、カラーMFP37の印刷部で印刷された印刷物が排紙部10によって排紙される。本明細書では図4の矢印の方向を上方向とし、印刷物が排紙部10により排紙され、複数枚積載されている状態において、最も上方向にある印刷物を、印刷物の最上部、最も下方向にある印刷物を印刷物の最下部と定義する。また、印刷物において上方向を向いている面を上面、下方向を向いている面を下面と定義する。印刷物の表面と上面は意味が異なり、例えばフェースダウンで排紙された印刷物では裏面が上面となる。【0031】図5は、ニアラインフィニッシャ46の外観を示す図である。11は給紙部であり、給紙部11により給紙された印刷物に対して、ニアラインフィニッシャ46の後処理部でフィニッシング処理が行われる。【0032】次に、本発明の印刷システムにおいて取り扱うデータ形式について説明する。【0033】まず、カラーMFP37の排紙方法がフェースアップである場合のデータ形式について説明する。図6は、排紙方法がフェースアップである場合の印刷ジョブデータおよびフィニッシング制御データの例を示す図である。CPU101がJDFハンドラ38によって、受信したジョブに基づいて印刷ジョブデータ150を生成し、カラーMFP37へ送信する。また、CPU101がJDFハンドラ38によって、受信したジョブに基づいてフィニッシング制御データ151を生成し、ポストプレスサーバ40へ送信する。」
エ 「【0047】図10は、CPU101がJDFハンドラ38によってジョブの排紙方法を決定し、ポストプレスサーバ40に通知する処理を説明するフローチャートである。【0048】クライアントPC31がMISサーバ20からジョブを受信すると、ステップS140では、ジョブで指定されたフィニッシング処理をもとにCPU101がポストプレスサーバ40に問い合わせた情報に基づいて、使用するニアラインフィニッシャ46を特定する。続きを表示(全24行)【0049】ステップS141では、ポストプレスサーバ40を介して、ステップS140で特定したニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法を示す能力情報をCPU101が取得する。尚、予めクライアントPC31のROM103にニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法を示すテーブルを記憶しておき、CPU101がテーブルを参照することで能力情報を取得する構成であっても構わない。【0050】ステップS142では、CPU101が取得した能力情報を判別し、ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法がフェースアップのみであると判別された場合は、ステップS143に移行する。ステップS143ではCPU101がカラーMFP37での排紙方法をフェースアップに決定し、決定した排紙方法をROM103で記憶する。【0051】ステップS142において、ニアラインフィニッシャ46がフェースアップおよびフェースダウンどちらの給紙方法でも実行可能であると判別された場合は、ステップS144に移行する。【0052】ステップS144ではUI部39がCPU101が印刷オプションの選択画面1300からの入力情報に基づきカラーMFP37の排紙方法を決定し、決定した排紙方法をROM103で記憶する。ここで、印刷オプションは予め設定されていても構わない。【0053】ステップS142の判別で、ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法がフェースダウンのみであると判別された場合は、ステップS145に移行する。そして、CPU101がカラーMFP37の排紙方法をフェースダウンに決定し、決定した排紙方法をROM103で記憶する。【0054】ステップS146では、CPU101がジョブのID情報を生成する。本実施例では直前に印刷されたジョブのID情報に1を加えたシーケンシャルな数値をジョブのID情報とする。【0055】ステップS147では、図12のフローチャートを用いて後述するジョブチケットページ付加処理を行う。【0056】ステップS148では、決定したカラーMFP37の排紙方法をCPU101が印刷ジョブデータに付加し、CPU101がカラーMFP37の印刷部に印刷を行うよう制御し、排紙部10に対して決定した排紙方法で排紙を行うよう制御する。【0057】ステップS149では、CPU101が生成したジョブのID情報と決定したカラーMFP37の排紙方法とを関連付けてポストプレスサーバ40に通知する。【0058】このように、カラーMFP37での排紙方法をポストプレスサーバ40へ通知することにより、ニアラインフィニッシャでの給紙方法を通知された排紙方法に基づいて決定できるという効果が得られる。」
オ 上記イにおいて、デジタルプリント部5は、カラーMFP37に相当し、ポストプレス部6は、ニアラインフィニッシャ46に相当するものであるから、【0021】より、ニアラインフィニッシャ46は、カラーMFP37より排紙された印刷物に対して、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、断裁、封入、帳合等のフィニッシング処理を実行するものと認められる。
カ 上記ウより、印刷ジョブデータ150は、CPU101が受信したジョブに基づいて生成され、カラーMFP37へ送信されるものと認める。
キ 図5より、ニアラインフィニッシャ46の印刷物を給紙するところの給紙部11は、筐体外に解放されていることが看取できる。
(2)引用文献1に記載された発明
上記(1)ア乃至キから、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「MISサーバ20と受注サーバ21とファイルシステムサーバ22とで構成される工程管理部4、印刷物を排紙する排紙部10を有するカラーMFP37とCPU101を含むクライアントPC31とで構成されているデジタルプリント部5、JDFハンドラ38とUI部39とで構成されているクライアントPC31、ポストプレスサーバ40と筐体外に解放された給紙部11を有するニアラインフィニッシャ46とで構成されるポストプレス部6、からなり、ポストプレス部6は、デジタルプリント部5より排紙された印刷物に対して、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、断裁、封入、帳合等のフィニッシング処理を実行する印刷システムであって、クライアントPC31がMISサーバ20からジョブを受信すると、ジョブで指定されたフィニッシング処理をもとにCPU101がポストプレスサーバ40に問い合わせた情報に基づいて、使用するニアラインフィニッシャ46を特定し、予めクライアントPC31のROM103にニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法を示すテーブルを記憶しておき、CPU101がテーブルを参照することで能力情報を取得し、CPU101が取得した能力情報を判別し、ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法がフェースアップのみであると判別された場合は、CPU101がカラーMFP37での排紙方法をフェースアップに決定し、決定した排紙方法をROM103で記憶し、ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法がフェースダウンのみであると判別された場合は、CPU101がカラーMFP37の排紙方法をフェースダウンに決定し、決定した排紙方法をROM103で記憶し、決定したカラーMFP37の排紙方法をCPU101が受信したジョブに基づいて生成された印刷ジョブデータに付加し、CPU101がカラーMFP37の印刷部に印刷を行うよう制御し、排紙部10に対して決定した排紙方法で排紙を行うよう制御する、印刷システム。」
2 引用文献2
(1)当審拒絶理由において引用した本願優先日前に出願公開された引用文献2(特開2009-137744号公報)には、次の事項が記載されている。
ア 「【技術分野】【0001】本発明は、外部フィニッシング装置と連携する印刷装置に関するものであり、特に、印刷指示および印刷データからなる1つの印刷ジョブ内の処理で、複数の外部フィニッシング装置との連携を要する場合の制御方法に関するものである。」
イ 「【0028】〔システムの概要説明〕図1は、本発明の第1実施形態を示す複数の機能を具備する複合機能デバイス(MFP)の構成の一例を示すブロック図である。【0029】続きを表示(全50行)MFPは、例えば、CPU,ROM,RAM,HD等を有するコンピュータ装置(情報処理ユニット)を含み、CPUがROM,HD又はその他の記憶媒体に格納されるプログラムを実行して各機能を実現するものである。【0030】図に示すように、本実施形態のMFPを構成する各機能は内部バス117で接続されている。【0031】また、このMFPには、スキャナ機能(106)も具備している。【0032】本形態のMFPは、印刷機能(DigitialPrinting機能)111やスキャナ機能等の複数種類の機能を有している。【0033】これら複数の機能は、互いに、内部バス117等の所定の通信媒体を介して、データ(画像データや印刷条件データや制御データ、ステータスリクエストデータ、ステータスデータ等)の授受が可能なように構成されている。【0034】図1において、101は、ジョブ送受信部であり、コンピュータやデバイス、印刷システムと本MFPの間でやり取りされる全てのジョブの送受信を行う。【0035】例えば、印刷処理等の処理が実行中である実行中ジョブ、印刷要求がなされて処理開始を待機する待機中ジョブ、出力処理が完了した終了ジョブ、エラーが発生したエラージョブ等の、様々なステータスの本システムにて処理対象の各ジョブを含む。【0036】102は、ジョブチケットParserであり、XMLで記述されたジョブチケットをXML的にパースしてエレメントや属性等の抽出や木構造化における包含関係の解析など、構造解析を行う。【0037】103は、ジョブチケット解釈部であり、ジョブチケットの構造的な解析を行った後に、各エレメントや属性、さらには構造的な包含等から処理指示の意味解釈を行う。【0038】104は、MFP管理部であり、本MFPで具備している機能の把握、各機能とジョブチケット指示を関連付けた統合的な管理を行う。【0039】105は、ジョブ管理部であり、ジョブチケットのファイル保存や保存ジョブの取り出し、ジョブの終了判断などの管理を行う。【0040】106は、Scanning部であり原稿のスキャンを行う。【0041】107は、PDLインタープリターであり、ページ記述データの解釈を行う。【0042】108は、RIPであり、PDLインタープリターによって解釈された結果を用いてラスタライズされたページデータを生成する。【0043】109は、ファイル保管管理部であり、MFP内部のストレージにジョブチケットやPDLデータ等を保管する。【0044】110は、バリアブルデータ処理部であり、バリアブルデータのデータベースからのバリアブルコンテンツ抽出や、バリアブルコンテンツのコンテンツタイプ情報の抽出などの処理を行う。【0045】111は、印刷処理をおこなうDigitalPrinting機能(明細書及び図面の記載からみて「DigitalPrinting部」の誤記と認める。)である。【0046】112は、排紙管理部であり、排紙機能および排紙トレイ/スタッカの管理を行う。【0047】113は、仕分け処理部であり、印刷出力結果を排紙トレイ/スタッカ等へ仕分け出力する。【0048】115は、仕分けマップ管理部であり、仕分け先の排紙トレイ/スタッカ等とバリアブルコンテンツや外部フィニッシング処理やテンプレートジョブチケット等の関連付けを管理する。【0049】116(明細書及び図面の記載からみて「115」の誤記と認める。)は、排紙取り出し検出部であり、排紙トレイ/スタッカから排紙が取り出されたか否かを検出する。【0050】117(明細書及び図面の記載からみて「116」の誤記と認める。)は、外部フィニッシング処理ジョブチケット管理部であり、排紙トレイ/スタッカ毎に外部接続の後処理装置用のテンプレートジョブチケットの生成を行う。【0051】また、排紙取り出し検出部での取り出しの検出後のテンプレートジョブチケットの選択や補正、ジョブチケット送信タイミングの管理等も行う。」
ウ 「【0058】図3は、上記の構成からなるMFPが、バリアブル印刷ジョブを受付けてから外部接続の後処理装置にジョブチケットを送信するところまでの処理全体を示すフローチャートである。【0059】ステップS301にて、MFPは、ジョブ送受信部(101)およびジョブ管理部(105)は、ジョブ(204)を受信し、ジョブチケットをファイル保管管理部(109)に保存する。続きを表示(全68行)【0060】ステップS302にて、MFPのジョブチケットParser(102)は、XMLで記述されたジョブチケットをXML的にパースしてエレメントや属性等の抽出や木構造化における包含関係の解析など、構造解析を行う。【0061】また、それとともに、MFPのジョブチケット解釈部(103)は、各エレメントや属性、さらには構造的な包含等から処理指示の意味解釈を行い、MFPへの指示情報として抽出する。【0062】ステップS303にて、MFPの排紙管理部(112)は、排紙仕分けマップおよびテンプレートジョブチケットの生成を行う。【0063】ステップS304にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データ数のカウンタ(c)を1に初期化する。【0064】ステップS305にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データをバリアブルデータDB(202)から読み込む。【0065】ステップS306にて、MFPのバリアブルデータ処理部(110)は、顧客データに関連するバリアブルコンテンツをバリアブルデータDB(202)から読み込み、バリアブルコンテンツのコンテンツタイプの情報を抽出する。【0066】ステップS307にて、MFPの排紙管理部(112)は、バリアブルデータ処理部(110)が抽出したコンテンツタイプを排紙仕分けマップと照らし合わせ、当該シートの外部フィニッシング処理を選択する。【0067】ステップS308にて、MFPの排紙管理部(112)は、バリアブルデータ処理部(110)が抽出したコンテンツタイプを排紙仕分けマップと照らし合わせ、当該シートの排紙先トレイ/スタッカを選択する。【0068】ステップS309にて、MFPのPDLインタープリター(107)ならびにRIP部(108)が、ジョブチケットの面付けレイアウト指示に従い、バリアブルコンテンツを用いて、1シート分のRIP処理を行い1シート分の印刷画像データを生成する。【0069】ステップS310にて、MFPのDigitalPrinting部(111)が印刷する。【0070】ステップS311にて、MFPの仕分け処理部(113)は、印刷されたシートを、ステップS308にて選択した排紙トレイ/スタッカに仕分けながら排紙し、排紙管理部(112)にて排紙枚数を記憶する。【0071】ステップS312にて、MFPの排紙管理部(112)が、当該排紙トレイ/スタッカに排紙したシートの排紙枚数が、当該排紙トレイ/スタッカの排紙枚数制限に達したと検出した場合は、ステップS318の処理に進む。【0072】ステップS318にて、MFPの排紙管理部(112)は、UI(100)に、オペレータに排紙を取り出すことを促す排紙取り出し勧告表示を行う。【0073】ステップS319にて、MFPの排紙取り出し検出部(115)は、排紙取り出しを検知を行う。【0074】ステップS320にて、排紙が取り出させれた(「取り出された」の誤記と認める。)と検知された場合は、S321のジョブチケット出力処理へ進む。【0075】ステップS320にて、排紙が取り出されていない場合は、S318に戻る。【0076】図4は、S321の排紙トレイ/スタッカ毎のジョブチケット出力処理の例を示すフローチャートである。【0077】ステップS701にて、MFPの排紙管理部(112)は、検知された当該排紙トレイ/スタッカの外部フィニシング用テンプレートジョブチケットを、排紙仕分けマップから選択する。【0078】ステップS702にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、選択したテンプレートジョブチケットの属性値などを、実際に印刷実行された値を鑑みて補正する(図5の802)。【0079】ステップS703にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、補正後のテンプレートジョブチケット(図5の802)をジョブ送受信部(101)を介して外部フィニッシング装置に送信する。【0080】ステップS704にて、MFPの外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、外部フィニシング用ジョブチケットの送信成功後、当該排紙トレイ/スタッカのジョブチケットをテンプレート(図5の801)に戻す。【0081】次に、図3に戻り、ステップS322にて、顧客データの残りがまだ有る場合は、ステップS316にて、顧客データ数のカウンタ(c)をインクリメント処理して、S305にて、再び顧客データ読み込み処理を行う。【0082】ステップS322にて、顧客データの残りがもう無い場合は、本印刷ジョブは終了となる。【0083】ステップS312にて、MFPの排紙管理部(112)が、当該排紙トレイ/スタッカに排紙したシートの排紙枚数が、当該排紙トレイ/スタッカの排紙枚数制限に達したと検出していない場合は、ステップS313の処理に進む。【0084】ステップS313にて、MFPの排紙取り出し検出部(115)は、排紙取り出しを検知を行う。【0085】ステップS314にて、排紙が取り出させれたと検知された場合は、S321へジョブチケット出力処理へ進む。【0086】ステップS314にて、排紙が取り出されていない場合は、S315に進む。【0087】ステップS315にて、顧客データの残りがまだ有る場合は、ステップS316にて、顧客データ数のカウンタ(c)をインクリメント処理して、S305にて、再び顧客データ読み込み処理を行う。【0088】ステップS315にて、顧客データの残りがもう無い場合は、ステップS317にて、MFPの排紙管理部(112)は、UI(100)に、オペレータに排紙を取り出すことを促す排紙取り出し勧告表示を行う。【0089】ステップS313に進み、排紙取り出し検知を繰り返す。【0090】以上のようにして、一回の印刷ジョブ内で異なる仕上げ加工処理が発生する場合でも、排紙の取り出しに連動して外部フィニッシング装置毎にジョブチケットを送信することで、オペレータの負荷を軽減し、処理効率を向上させることが可能になる。」
エ 「【 図 1 】」
(2)上記(1)のア乃至エによれば、引用文献2には、つぎの発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。
「ジョブ送受信部(101)、ジョブ管理部(105)、バリアブルデータ処理部(110)、DigitalPrinting部(111)、排紙管理部(112)、排紙取り出し検出部(115)、外部フィニッシング処理ジョブチケット管理部(116)、から構成されるMFPであって、ジョブ送受信部(101)およびジョブ管理部(105)は、ジョブ(204)を受信し、排紙管理部(112)は、バリアブルデータ処理部(110)が抽出したコンテンツタイプを排紙仕分けマップと照らし合わせ、当該シートの外部フィニッシング処理を選択し、DigitalPrinting部(111)が印刷し、排紙取り出し検出部(115)は、排紙取り出しを検知を行い、排紙が取り出されたと検知された場合は、ジョブチケット出力処理へ進み、排紙管理部(112)は、検知された当該排紙トレイ/スタッカの外部フィニシング用テンプレートジョブチケットを、排紙仕分けマップから選択し、外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、選択したテンプレートジョブチケットの属性値などを、実際に印刷実行された値を鑑みて補正し、外部フィニシング処理ジョブチケット管理部(116)は、補正後のテンプレートジョブチケットをジョブ送受信部(101)を介して外部フィニッシング装置に送信する、MFP。」
第5 当審の判断
1 本願発明と引用発明1との対比
(1)本願発明と引用発明1とを対比する。
ア 本願発明の「装置」において、「プリンタ装置」、「媒体への第1の処理工程」を為す「第1の処理機」及び「媒体への第2の処理工程」を為す「第2の処理機」との関係が定かでないところ、本願の願書に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「明細書等」という。)の明細書の発明の詳細な説明に記載の実施例には、「プリンタ装置」、「第1の処理機」及び「第2の処理機」という3つの装置からなる構成を有する「装置」は記載されていないことから、ここでの「プリンタ装置」とは、「第1処理機」と「第2処理機」とを包含する「装置」を意味するものと解して、以下検討する。
イ 前者の「複写」は、後者の「印刷」の下位概念であるところ、前者の「複写」に「印刷」に包含される他の概念と区別するような特定がされているものではないから、前者の「複写」と後者の「印刷」とは実質的に差異のないものであると認められる。
ウ 後者の「印刷システム」「カラーMFP37」、「ニアラインフィニッシャ46」、「印刷物」及び「CPU101」は、それぞれ、前者の「プリンタ装置」、「第1の処理機」、「第2の処理機」、「媒体」及び「コントローラ」に相当する。
エ 後者の「印刷システム」における「クライアントPC31」は、MISサーバ20からジョブを受信するものであるから、前者の「プリンタ装置」と後者の「印刷システム」とは、「ジョブを受信する」との概念で共通する。
オ 後者の「カラーMFP37」は、その排紙部10に対して決定した排紙方法で排紙を行うものであるから、後者の「排紙部10に対する排紙」及び「排紙方法」は、前者の「第1の処理工程」及び「第1の仕様」に相当する。
カ 後者の「ニアラインフィニッシャ46」は、「紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、断裁、封入、帳合等のフィニッシング処理」という複数の処理が実行されるものであって、実行されるフィニッシング処理には、様々な仕様があることは、技術常識に照らせば明らか項であるから、後者の「フィニッシング処理」は、前者の「第2の処理工程」に相当し、前者の「第2の処理工程」と後者の「フィニッシング処理」とは、「第2の仕様」を有する点で共通するものといえる。
キ 後者の「印刷物」は、デジタルプリント部5より排紙され、ポストプレス部6で、紙折り、中綴じ製本、くるみ製本、断裁、封入、帳合等のフィニッシング処理が実行されるところ、ポストプレス部6を構成するニアラインフィニッシャ46の給紙部11は、筐体外に解放されたものであるから、後者の「印刷物」は、デジタルプリント部5を構成するカラーMFP37の排紙部10からオペレータにより降ろされ、ニアラインフィニッシャ46の給紙部11にオペレータにより積まれるものと認められる。そうすると、前者の「媒体」と後者の「印刷物」とは、「第1の処理工程と第2の処理工程との間にオペレータによって媒体取扱作業に供され、媒体取扱作業は、第1の処理機から降ろしてから第2の処理機に積むまでの間にオペレータが手動で行う中間媒体取扱作業を含む」点で共通する。
ク 前者の「コントローラ」と後者の「CPU101」とは、「複写ジョブを受信する」ものである点で共通する。
ケ 後者の「CPU101」は、ニアラインフィニッシャが実行可能な給紙方法を示すテーブルを参照することで力情報を取得し判別するものであるから、能力情報を判別するに際しては、クライアントPC31内に「記憶した能力情報テーブルにアクセス」することは明らかである。
コ 後者の「能力情報」を判別することにより、ニアラインフィニッシャ46の実行可能な給紙方法を判別するのであるから、前者の「構成情報」と後者の「能力情報」とは、「第2の処理機に媒体を積むことに関するもの」である点で共通する。
サ 前者の「前記コントローラは、前記媒体取扱作業を簡略化するために、前記構成情報を取得して前記第2の処理機に媒体をどのように積むべきか分析した」とは、本願明細書の【0036】の記載を参酌すると、第2の処理装置に積む際にオペレーターによる手動の媒体取扱作業を無くすために、印刷工程をどのように変更すべきかを判定すること、すなわち、前者の「コントローラ」は、第2の処理装置に積む際にオペレーターによる媒体取扱作業を無くす(簡略化)ために、第1の処理工程の第1の仕様をどのように変更するかを判定することを意味するものと認められる。
これに対し、後者の「CPU101」は、「ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法がフェースアップのみであると判別された場合は、CPU101がカラーMFP37での排紙方法をフェースアップに決定し」、「ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法がフェースダウンのみであると判別された場合は、CPU101がカラーMFP37の排紙方法をフェースダウンに決定」するものであるところ、カラーMFP37の排紙方法を、ニアラインフィニッシャ46の給紙方法の情報に合わせて変更するものであって,それによりオペレータが排紙された印刷物を並び替える必要がなくなることから、オペレータの媒体取扱作業を簡略化しているものといえる。
そうすると、前者の「コントローラ」と後者の「CPU101」とは、「媒体取扱作業を簡略化するために、構成情報を取得して第2の処理機に媒体をどのように積むべきか分析」するものである点で共通する。
そして、後者の「CPU101」は、「ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法」を「判別された場合」に、「カラーMFP37での排紙方法を決定」するのであって、印刷ジョブにおける排紙方法である印刷物の印刷面を判定していることは明らかであるから、前者の「コントローラ」と後者の「CPU101」とは、「構成情報を取得して第2の処理機に媒体をどのように積むべきか分析した後で」、「複写ジョブにおけるドキュメントのページの媒体シートの印刷面を判定すること」、「を行うことにより複写ジョブに含まれる第1の仕様における第1の処理工程を指定するように構成され」ている点で共通する。
(2)したがって、本願発明と引用発明1とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。
<一致点>
「複写ジョブを作成又は受信するためのプリンタ装置であって、該複写ジョブは、第1の処理機による媒体への第1の処理工程の第1の仕様と、第2の処理機による前記媒体への第2の処理工程の第2の仕様とを含み、前記第1の処理機によって出力される前記媒体は、前記第1の処理工程と前記第2の処理工程との間にオペレーターによって媒体取扱作業に供され、該媒体取扱作業は、前記第1の処理機から降ろすことと、前記第2の処理機に積むことと、前記第1の処理機から降ろしてから前記第2の処理機に積むまでの間に前記媒体に対して前記オペレーターが手動で行う中間媒体取扱作業を含み、当該装置は、前記複写ジョブを作成又は受信するように構成されたコントローラを含み、前記コントローラはさらに、前記第2の処理機に関する構成情報を記憶する記憶装置にアクセスするように構成され、該構成情報は前記第2の処理機に媒体を積むことに関するものであり、続きを表示(全11行)前記コントローラは、前記媒体取扱作業を簡略化するために、前記構成情報を取得して前記第2の処理機に媒体をどのように積むべきか分析した後で、前記複写ジョブにおけるドキュメントの印刷順序を判定すること、前記複写ジョブにおけるドキュメントのページの印刷順序を判定すること、前記複写ジョブにおけるドキュメントのページの印刷向きを判定すること、及び前記複写ジョブにおけるドキュメントのページの媒体シートの印刷面を判定すること、のうちの少なくとも1つを行うことにより前記複写ジョブに含まれる前記第1の仕様における前記第1の処理工程を指定するように構成されている、装置」
<相違点>
「コントローラ」が「第1の仕様における第1の処理工程を指定する」のは、本願発明では、「第1の処理機によって出力される媒体が第2の処理機に搭載される前に中間媒体取扱作業が必要かどうかを判定し、要否に応じて」行うものであるのに対し、引用発明1は、ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法にあわせて、カラーMFP37の排紙方法を決定しているものである点。
2 相違点についての判断
本願発明の「第1の処理機によって出力される媒体が第2の処理機に搭載される前に中間媒体取扱作業が必要かどうかを判定」における「中間媒体取扱作業が必要かどうかを判定」することは、本願明細書の【0036】~【0038】を参酌すると、「第1処理工程の第1の仕様と第2処理工程の第2の仕様とが一致しているのか否かを判断する」ことにより、「中間媒体取扱作業が必要かどうか」の判定をしているものと認められる。
また,上記第4の2(2)にて摘記したとおり、引用発明2には、後工程用ジョブチケットが示されており、該チケットには、印刷後の後工程に際しての作業工程が指定されているものであるから、ジョブチケットの出力に際しては、印刷後の排紙状態と、後処理工程での積載状態とが比較され、印刷工程から後処理工程の間で,「作業」を必要とするか否かが判定されていることは、明らかである。
してみると,上記1(1)サで検討したとおり、引用発明1の「CPU101」は、「カラーMFP37での排紙方法を決定」する際に、カラーMFP37の排紙方法と、ニアラインフィニッシャ46の給紙方法とが一致しているのか否かを判断していること,すなわち,「中間媒体取扱作業が必要であるか否か」に応じて,当該「中間媒体取扱作業」が不要になるように,カラーMFP37の排紙方法を決定しているものである。
そして,引用発明2に記載されているように,印刷工程から後処理工程の間で,オペレータの中間媒体取扱作業の要否を判定することが示されているのであるから、引用発明1の「ニアラインフィニッシャ46が実行可能な給紙方法が判別された場合は、CPU101がカラーMFP37での排紙方法を決定」するに際し、引用発明2を参酌し、中間媒体作業が必要かどうかを判定し、その要否に応じて、カラーMFP37の排紙方法を決定するようにし、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得るものである。
そして、本願発明の作用効果についても、引用発明1及び引用発明2に基づいて当業者が予測し得る程度のことであって、格別のものということはできない。
3 小括
以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
第6 むすび
上記第4のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、上記の結論のとおり審決する。
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2019-012605