特許拒絶査定不服審判
2019-011614
消火装置バルブ、および消火装置バルブを備えた消火装置
- 審判番号
- 2019-011614
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-532754外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年09月04日
- 審決日
- 2020年04月28日
- 公報発行日
- 2020年11月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ミニマックス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
- 【請求人代理人】加藤 朝道
- 【請求人代理人】内田 潔人
- 分類
- P18 .121-Z (A62C) / P18 .575-Z (A62C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017-532754「消火装置バルブ、および消火装置バルブを備えた消火装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年6月23日国際公開、WO2016/097201、平成30年2月22日国内公表、特表2018-504953〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
1.本願は、2015年(平成27年)12月17日(パリ条約による優先権主張2014年(平成26年)12月19日(DE)ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする出願であって、平成29年8月15日に審査請求と同時に手続補正書が提出され、平成30年6月26日付け(発送日:平成30年7月3日)で拒絶の理由が通知され、平成30年11月20日に意見書及び手続補正書が提出され、平成31年4月19日付け(発送日:令和元年5月7日)で拒絶査定がなされ、これに対し、令和元年9月4日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に、手続補正書が提出されたものである。
第2 令和元年9月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和元年9月4日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.本件補正について
(1)本件補正前の平成30年11月20日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
ケーシング(2、3)を備えた消火装置バルブ(1)であって、
前記ケーシング(2、3)は、流体入口室(8)、流体出口室(9)、および阻止状態と解放状態との間で往復運動可能な閉鎖体(4a)を有し、前記流体入口室(8)と前記流体出口室(9)は、阻止状態では互いに分離されており、解放状態では流体的に互いに連通しているという消火装置バルブであり、
少なくとも一つの圧力センサ(6)が、前記ケーシング(2、3)に組み込まれており、
警報チャネル(5)が、前記消火装置バルブ(1)に組み込まれており、阻止状態では前記流体入口室(8)および前記流体出口室(9)から流体密に分離されており、解放状態では前記流体入口室(8)および前記流体出口室(9)と連通しており、
前記圧力センサ(6)は、前記警報チャネル(5)内の圧力を検出するように構成されていること
を特徴とする消火装置バルブ。」
(2)そして、本件補正により、上述の本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおり補正された(下線は、請求人が補正箇所を示すために付したものである。)
「【請求項1】
ケーシング(2、3)を備えた消火装置バルブ(1)であって、
前記ケーシング(2、3)は、ケーシングカバー(3)、流体入口室(8)、流体出口室(9)、および阻止状態と解放状態との間で往復運動可能な閉鎖体(4a)を有し、前記流体入口室(8)と前記流体出口室(9)は、阻止状態では互いに分離されており、解放状態では流体的に互いに連通しており、
警報チャネル(5)が、前記消火装置バルブ(1)に組み込まれており、阻止状態では前記流体入口室(8)および前記流体出口室(9)から流体密に分離されており、解放状態では前記流体入口室(8)および前記流体出口室(9)と連通しているという消火装置バルブであり、
前記消火装置バルブ(1)は、少なくとも二つの圧力センサ(6)を含み、これらのセンサ(6)は、前記ケーシング(2、3)に組み込まれており、
少なくとも一つの圧力センサ(6)は、前記流体入口室(8)内の圧力または前記流体出口室(9)内の圧力を検出するように構成されており、
少なくとも一つの圧力センサ(6)は、前記警報チャネル(5)内の圧力を検出するように構成されており、
少なくとも一つの圧力センサ(6)は、前記ケーシングカバー(3)に格納されていること
を特徴とする消火装置バルブ。」
2.本件補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「圧力センサ」において、「少なくとも二つの圧力センサ(6)を含み、これらのセンサ(6)は、前記ケーシング(2、3)に組み込まれており」、少なくとも一つの圧力センサは「流体入口室(8)内の圧力または前記流体出口室(9)内の圧力」を検出し、少なくとも一つの圧力センサは「警報チャネル(5)内の圧力」を検出するように構成され、少なくとも一つの圧力センサ(6)は、「ケーシングカバー(3)に格納」されているとの限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1(以下「本件補正発明」という。)が、同法同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記1.(2)に記載したとおりのものである。
(2) 引用文献の記載事項
ア 引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2012-217777号(以下「引用文献1」という。)には、「流水検知装置」に関して、図面(特に、図10ないし図13を参照。)と共に次の記載がされている(下線は、当審が付与したものである。以下同様。)。
(ア)「【0022】前記本発明は、カバー上には本体内部と連通し、圧力計が接続可能な穴を穿設することができる。
これによれば、カバー上に穿設した貫通穴に直接圧力計を設置することが可能となり、圧力計の設置スペースを省くことができる。」
(イ)「【0077】第3実施形態(図10~図13)
続いて、本発明の第3実施形態の流水検知装置A3について説明する。
【0078】流水検知装置A3は常時弁体によって塞がれている本体内部の穴を有しており、該穴は本体外部へ通じており、穴の本体外部側に接続された圧力スイッチが水圧により作動することで信号を出力する自動警報弁型の流水検知装置である。第3実施形態は、圧力スイッチをカバー上に設置した実施形態である。第3実施形態の流水検知装置A3において第1実施形態と構造や機能が同じ箇所には同符号を付して説明は省略する。
【0079】流水検知装置A3は、弁座6の近傍に本体1の外部へと通じる連通穴31が穿設されており、該連通穴31は弁体7の周縁に設けた子弁32によって常時閉塞されている。子弁32は上下に鍔部33を有しており両端の鍔部33の間は鍔部33より外径が小さい柱部34により接続している。
【0080】柱部34は弁体7の周縁に穿設された穴を貫通しており、子弁32は図中において上下方向へ摺動可能な構成となっている。子弁32の連通穴31側の鍔部33aと、柱部34が挿通された穴の端面の間にはバネ35が設置されている。バネ35により鍔部33aは連通穴31側へ付勢されている。バネ35の作用により弁体7が極僅か開放した場合においても子弁32は連通穴31の閉塞状態を維持することができる。
【0081】連通穴31は本体1の正面側の開口部1A側に貫通して出口31aとなっている。連通穴31は中間部で本体1の側面側に分岐され、側面側の出口31bにはオートドリップ36が接続している。オートドリップ36は連通穴31内に流入した水を少量ずつ外部に放出する作用を有しており、弁体7が非火災時に配管内の水の振動等で瞬時的に開放して連通穴31が開いた際に、連通穴31内に流入してきた水を外部に排出可能である。
【0082】出口31aはカバーCに穿設された貫通穴Kと接続している。カバーC外部側の貫通穴Kには圧力スイッチPSが接続される。圧力スイッチPSはリミットスイッチが内蔵されており、圧力スイッチPS内に水が流入した際に、水の圧力によってリミットスイッチが作動する構造となっている。リミットスイッチPSの構造については既に公知であり、一例として特開平7-47147号公報や特開2009-268663号公報に記載されているので詳細な説明は省略する。」
(ウ)「【0084】流水検知装置A2は、消火設備配管に設置され、一次側室Iは図示しないポンプ等の給水装置および貯水槽等の水源に通じる配管に対して接続され、二次側室IIに接続された配管の末端には図示しないスプリンクラーヘッドが設置されている。
【0085】消火設備配管内は充水された状態にあり、流水検知装置A2の本体1も一次側室Iおよび二次側室IIの中は充水状態にある。常時において、弁体7は弁座6の上に着座しており、一次側室Iから二次側室IIへの通水は遮断されている。
【0086】火災が発生して二次側室II側の配管に設置されたスプリンクラーヘッドが作動すると、二次側室II側の配管内の水はスプリンクラーヘッドから放出されるので次第に減圧してくる。弁体7を閉止していた二次側室IIの水の圧力が減少したことで一次側室Iの水の圧力により弁体7が押し上げられ、弁棒9を支点に回動する。
【0087】弁体7が弁座6から離れて開放したことにより一次側室Iの水は二次側室IIに送られる。また、弁体7の開放により連通穴31を閉塞していた子弁32による連通穴31の閉塞状態が解除され、連通穴31内に水が流入する。
【0088】連通穴31内に流入した水は、出口31bに接続されたオートドリップ36から少量ずつ外部に排出されるが、連通穴31への水の流入量がオートドリップ36からの排出量を上回るので水は出口31aから貫通穴Kを通って圧力スイッチPSに達する。
【0089】圧力スイッチPSに達した水は、水の圧力により圧力スイッチPS内部のリミットスイッチを作動させて信号が出力される。信号は圧力スイッチPSに接続された電線を通じて管理人室に設置された受信機等の監視装置に送られる。
【0090】上記の信号によって前述のポンプが起動され、火災により作動したスプリンクラーヘッドに対して水源から水が送られてスプリンクラーヘッドからは連続して水が散布され火災を消し止める。」
(エ)「【0092】先に説明した第1実施形態から第3実施形態の流水検知装置において、カバーC上にスプリンクラーヘッドの作動によって信号を出力する流水検知部2(弁体回動検出部26、圧力スイッチPS)を設置したが、これに加えてカバーC上に圧力計を接続可能な穴40を設け、該穴40に圧力計Pを接続することが可能である(図13参照)。」
これらの記載事項及び図面の図示内容を総合し、整理すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「本体1を備えた流水検知装置A3であって、
前記本体1は、カバーC、一次側室I、二次側室II、および遮断時と開放時との間で閉止及び開放可能な弁体7を有し、前記一次側室Iと前記二次側室IIは、遮断時では互いに分離されており、開放時では流体的に互いに連通しており、
連通穴31が、前記流水検知装置A3に組み込まれており、遮断時では前記一次側室Iおよび前記二次側室IIから子弁32によって常時閉塞されており、開放時では前記一次側室Iおよび前記二次側室IIと連通しているという流水検知装置A3であり、
前記流水検知装置A3は、圧力スイッチPS、圧力計Pを含み、
圧力スイッチPSは、前記連通穴31内のリミットスイッチを作動させるように構成されている、
流水検知装置A3。」
(3) 引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「本体1」はその機能、構成及び技術的意義からみて前者の「ケーシング(2、3)」に相当し、以下同様に、「カバーC」は「ケーシングカバー(3)」に、「一次側室I」は「流体入口室(8)」に、「二次側室II」は「流体出口室(9)」に、「遮断時」は「阻止状態」に、「開放時」は「解放状態」に、「閉止及び開放」は「往復運動」に、「連通穴31」は「警報チャネル(5)」に、「子弁32によって常時閉塞」は「流体密に分離」に、「圧力スイッチPS、圧力計P」は「少なくとも二つの圧力センサ(6)」に、「圧力スイッチPS」は「少なくとも一つの圧力センサ(6)」に、「リミットスイッチを作動させる」は「圧力を検出する」にそれぞれ相当する。
したがって、両者は、
「ケーシングを備えた消火装置バルブであって、
前記ケーシングは、ケーシングカバー、流体入口室、流体出口室、および阻止状態と解放状態との間で往復運動可能な閉鎖体を有し、前記流体入口室と前記流体出口室は、阻止状態では互いに分離されており、解放状態では流体的に互いに連通しており、
警報チャネルが、前記消火装置バルブに組み込まれており、阻止状態では前記流体入口室および前記流体出口室から流体密に分離されており、解放状態では前記流体入口室および前記流体出口室と連通しているという消火装置バルブであり、
前記消火装置バルブは、少なくとも二つの圧力センサを含み、
少なくとも一つの圧力センサは、前記警報チャネル内の圧力を検出するように構成されている、
消火装置バルブ。」
である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
「圧力センサ」に関し、本件補正発明において、少なくとも二つの圧力センサ(6)は、ケーシング(2、3)に組み込まれており、少なくとも一つの圧力センサ(6)は、ケーシングカバー(3)に格納されているのに対し、引用発明は、圧力センサの配置について不明である点。
[相違点2]
「圧力センサ」に関し、本件補正発明は「少なくとも一つの圧力センサ(6)は、流体入口室(8)内の圧力または流体出口室(9)内の圧力を検出するように構成」されているのに対し、引用発明は、圧力計が「流体入口室内の圧力または流体出口室内の圧力」を検出する構成を備えているか不明である点。
(4) 判断
(ア)上記相違点1について
引用文献1には「カバー上に穿設した貫通穴に直接圧力計を設置することが可能となり、圧力計の設置スペースを省くことができる。」(上記(2)ア(ア)参照。)との記載がされ、【図13】には、流水検知装置A3のカバーC上に、圧力スイッチPS及び圧力計Pのための貫通孔が穿設された構成が図示されている。
したがって、引用発明において、設置スペースを省くことを目的として、カバー上に穿設した貫通穴に直接「圧力計P」を設置することが示唆されているといえ、同様に、「圧力スイッチPS」についても、設置スペースを省く目的においてカバー上に穿設した貫通穴に直接設置することは当業者が容易に想到し得たことである。
(イ)上記相違点2について
引用文献1には「これに加えてカバーC上に圧力計を接続可能な穴40を設け、該穴40に圧力計Pを接続することが可能である(図13参照)。」(上記(2)ア(エ)参照)との記載がある。当該記載からは、「圧力計P」がどの圧力を検出する構成であるのか不明であるが、引用文献1における「カバー上には本体内部と連通し、圧力計が接続可能な穴を穿設することができる。」(上記(2)ア(ア)参照。)との記載、及び図10を参酌すると、「圧力計P」は本体内部である「二次側室」と連通する構成が示されているといえる。また、消火装置用のバルブにおいて、流体出口側の圧力を検出する圧力センサを設けることは本願優先日前の周知技術といえる(例えば、特開昭62-57569号公報3ページ左下欄12ないし19行及び第2図、特開2013―85914号公報段落【0035】及び図1参照。)。
そうすると、引用文献1には、流体出口室内の圧力を検出するように構成された圧力センサが開示されていることから上記相違点2は実質的な相違点といえず、仮に、引用文献1の記載からそのように認定できないとしても、上記周知技術より相違点2に係る本件補正発明の特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本件補正発明は、全体としてみても、引用発明及び周知技術から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。
したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。
なお、審判請求人は、令和元年9月4日の審判請求書において、「(3.3.5.2)引用発明1について」として、以下の主張をしている。
(主張)「引用発明1は、カバーCの外側に配置される圧力スイッチPS(連通穴31と接続)や圧力計P(本体1の内部と接続)を開示しているだけであり、本願発明1で規定するように、流体入口室(8)内の圧力、流体出口室(9)内の圧力、或いは警報チャネル(5)内の圧力を検出するための複数の圧力センサ(6)のうち、選択的に少なくとも1つの圧力センサ(6)がケーシングカバー(3)に格納されていることを開示する或いは示唆するものではありません。つまり引用発明1では、本願発明1のように、ケーシングカバー(3)に格納される少なくとも1つの圧力センサ(6)も、この圧力センサ(6)の選択可能性も、開示する或いは示唆するものではありません。」(下線は、請求人による。)
以下、上記主張について検討する。
上記(4)「(ア)上記相違点1について」において述べたように、引用文献1には「カバー上に穿設した貫通穴に直接圧力計を設置することが可能となり、圧力計の設置スペースを省くことができる。」(上記(2)ア(ア)参照。)との記載がされ、【図13】には、流水検知装置A3のカバーC上に、圧力スイッチPS及び圧力計Pのための貫通孔が穿設された構成が図示されていることから、「圧力計P」がカバーCに格納される構成が示唆されているといえる。
そして、「(イ)上記相違点2について」において述べたように、「圧力計P」が流体出口室内の圧力を検出することは示唆されているか、あるいは当業者によって容易に想到し得たことである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
3.むすび
上記のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
令和元年9月4日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし22に係る発明は、平成30年11月20日の手続補正により補正された請求項1ないし22に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、第2 1.(1)に記載したとおりのものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、以下のとおりである。
本願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前に発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1.特開2012-217777号公報
3.引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2[理由]2.(2)に記載したとおりである。
4.対比・判断
本件補正発明は、上記第2の[理由]で検討したとおり、本願発明に発明特定事項を付加して限定したものであるから、本願発明は、本件補正発明の発明特定事項の一部を削除したものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]2.(3)及び(4)に記載したとおり、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2019-011614