審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2019-011561

電動ブラインド

審判番号
2019-011561
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-008962外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年09月03日
審決日
2020年06月15日
公報発行日
2020年09月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (E06B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-  8962「電動ブラインド」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 7月25日出願公開、特開2016-132942〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成27年1月20日の特許出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 平成30年 9月 6日付け:拒絶理由通知 平成31年 1月11日  :意見書 令和 1年 5月23日付け:拒絶査定 令和 1年 9月 3日  :審判請求書 第2 本願発明 本願の請求項1ないし9に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 ヘッドボックスから垂下されたスラット支持コードによって支持された複数のスラットの傾斜角度が電動モーターの回転に伴って変更可能に構成された電動ブラインドにおいて、 前記スラットの部屋外側に配置され且つ光の照射によって電力を生成する太陽電池パネルと、前記電力によって充電される充電池と、 太陽の直射光の受光量が前記スラットの傾斜角度に依存して変化する位置に配置された光センサと、 前記光センサの出力に基づいて前記スラットの傾斜角度を制御する制御部と備え、 前記制御部は、前記太陽電池パネルに前記直射光が照射されていると判断した場合に、前記光センサの出力に基づいて前記スラットの傾斜角度を制御するように構成される、電動ブラインド。」 第3 原査定における拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。 1(進歩性) この出願の請求項1ないし3に係る発明は、本願の出願前に日本国内において頒布された下記の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 証拠 ・引用文献1:特開平6-248857号公報 ・引用文献2:特開2014-29059号公報 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 原査定の拒絶の理由で引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開平6-248857号公報(平成6年9月6日出願公開)(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。他の引用文献も同じ。) (1) 「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は窓面に設置する縦型、横型のブラインドに関するものである。」 (2) 「【0010】そして、窓枠や庇の影を受けない窓面中央下部の任意の1枚のスラット1の左右両面に、スラット1の幅方向にフォトセンサとして例えば1cm程度の大きさの太陽電池8a,8b,8c,9a,9b,9cをそれぞれ3個ずつ並べて取り付ける。この場合、右面の 太陽電池8aを窓ガラス7側、太陽電池8b,8cを室内側に、左面の太陽電池9aを窓ガラス7側、太陽電池9b,9cを室内側にそれぞれ位置させる。さらに、窓ガラス7の内側面にも太陽電池10を取り付ける。 【0011】以上のようにして各スラット1が所定角度の範囲で回動自在に取り付けられるが、回動角度は太陽電池10の出力により判断される直射日光の照射の有無や太陽電池8a~8c、9a~9cの出力により判断される太陽光線の照射方向や季節、例えば夏期の冷房時であるのか冬期の暖房時であるのかなどのデータを制御装置(図示は省略する)に取り込み、このデータをもとに角度調節用モータ3の回動角度すなわちスラット1の回動角度を決定する。なお、スラット1の回動角度の調節は手動による修正も可能なものとした。 【0012】・・・(中略)・・・ 【0013】また、窓ガラス7に日射が直接当たっているかの判断は、窓ガラス7面に取り付けた太陽電池10の出力によって行う。例えば太陽電池の発電効率はアモルファス系のシリコン太陽電池で10%程度であるが、窓ガラス7面に入射する日射量が100 kcal/m2 時に相当する電池の出力と比較して、それ以上か以下かで判断する。 【0014】そして、前記のようにして判断した結果、窓ガラス7に日射が直接当たらない場合は、冷暖房のモードに関係なく、図1に示すようにスラット角度が窓ガラス7面と垂直になるように角度調節用モータ3を回転して眺望を極力妨げないようにする。この角度では天空日射は最も多く室内に入射し、昼間照明に寄与する。」 (3) 「【0021】次に横型のブラインドの場合を説明すると、基本構成は縦型と同様であるが、図8に示すように多数のスラット1を水平に並列し、角度調節用モータ3の駆動軸に連結したプーリー5に紐6を巻回し、この紐6で各スラット1の端部の前後を順次結合して各スラット1を前後に回動自在なものに構成した。 【0022】そして、各スラット1の構成も縦型のものと基本的には同様であるが、太陽光線の照射方向は上方からに限定され下方からは照射しないから、図9に示すようにスラット1の下面の室内側に設ける太陽電池9b,9cは省略する。 【0023】窓ガラス7に日射が直接当たり、かつ夏期などで冷房モードの場合は、図4の横型の場合と同様に図10に示すように、眺望を極力確保したうえで、直接日射を防ぐようにスラット1の角度を制御する。すなわち、太陽光線の照射方向は上方からに限っているから、スラット1の室内側を上方に持ち上げることになるが、この回動角は太陽電池8b,8cからの出力により判断して、太陽電池8bには直射光線が当たるが、太陽電池8cは上方のスラット1の影になってここには当たらない角度に設定する。これにより、太陽光度に対応して必要最小限の角度で直射光線を効率よく遮蔽できる。」 (4) 「【0026】このようにして、窓に直接日射が当たらない場合は眺望を最大限確保でき、窓に直接日射が当たり、かつ冷房モードの場合は日射を極力遮蔽し、窓に直接日射が当たり、かつ暖房モードの場合は、眺望を最大限確保するか、日射を積極的に暖房に利用するかを選択できるものである。」 (5)上記(2)の【0010】及び(3)【0022】の記載を踏まえると、図9及び図10からは、1枚のスラット1の上下両面に、フォトセンサとして太陽電池8a,8b,8c,9aを取り付け、上面の太陽電池8aを窓ガラス7側、太陽電池8b,8cを室内側に、下面の太陽電池9aを窓ガラス7側にそれぞれ位置させることが看て取れる。 (6)上記(1)ないし(5)からみて、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。 「多数のスラット1を水平に並列し、角度調節用モータ3の駆動軸に連結したプーリー5に紐6を巻回し、この紐6で各スラット1の端部の前後を順次結合して各スラット1を前後に回動自在なものに構成した横型のブラインドであって、 窓枠や庇の影を受けない1枚のスラット1の上下両面にフォトセンサとして太陽電池8a,8b,8c,9aを取り付け、上面の太陽電池8aを窓ガラス7側、太陽電池8b,8cを室内側に、下面の太陽電池9aを窓ガラス7側にそれぞれ位置させ、 窓ガラス7の内側面にも太陽電池10を取り付け、 窓ガラス7に日射が直接当たっているかの判断は、窓ガラス7面に取り付けた太陽電池10の出力によって行い、 各スラット1が所定角度の範囲で回動自在に取り付けられ、回動角度は太陽電池10の出力により判断される直射日光の照射の有無や太陽電池8a~8c、9aの出力により判断される太陽光線の照射方向や季節などのデータを制御装置に取り込み、このデータをもとに角度調節用モータ3の回動角度すなわちスラット1の回動角度を決定するものであり、 窓ガラス7に日射が直接当たらない場合は、スラット角度が窓ガラス7面と垂直になるように角度調節用モータ3を回転して眺望を極力妨げないようにし、 窓ガラス7に日射が直接当たり、かつ夏期などで冷房モードの場合は、眺望を極力確保したうえで、直接日射を防ぐように、太陽電池8b,8cからの出力により判断して、太陽電池8bには直射光線が当たるが、太陽電池8cは上方のスラット1の影になってここには当たらない角度にスラット1の角度を制御する横型ブラインド。」 2 原査定の拒絶の理由で引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開2014-29059号公報(平成26年2月13日出願公開)(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。 (1) 「【0001】 本発明は、住宅やビルなどの建物に装備されるブラインド、シャッター又はオーニング(日よけ)を自動的に開閉する電動開閉機の自動制御装置に関し、特に、建物外の太陽光に応じてブラインドなどを自動的に開閉するものに係わる。 【背景技術】 【0002】 従来、ブラインドの自動制御装置(開閉制御装置又は制御装置ともいう)として、例えば特許文献1に開示されているように、ブラインドを自動的に開閉する電動開閉機(開閉機構ともいう)と、建物外の太陽光を検出する光センサ(陽光センサともいう)と、この光センサからの検出信号に応じて上記電動開閉機に開閉制御信号を出力する制御回路とを備え、直射日光が検出されたときブラインドを全閉にし、曇り等になったときブラインドを全開にするようにしたものは知られている。」 (2) 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところが、このような自動制御装置においては、制御系の光センサ及び制御回路と駆動系の電動開閉機とは、それらの設置箇所が異なることなどから別々に商用電源を導入するようになっている上、停電対策のために、制御系及び駆動系に各々別々のバックアップ用の電源としてUPS(無停電電源装置)を装備する必要があり、コスト的に高くつくなどの問題があった。 【0006】 本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、光センサの代わりに、ソーラパネルを用いて、太陽光の検出機能を発揮しつつ、バックアップ用の電源機能をも発揮し得る構成にすることにより、制御系に商用電源及びバックアップ用の電源(UPS)を不要にして、コスト的に安価でかつ省電力化を図り得る電動開閉機の自動制御装置を提供せんとするものである。 【0007】 上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、建物に装備されるブラインド、シャッター又はオーニングを自動的に開閉する電動開閉機と、建物外の太陽光を検出する太陽光検出手段と、この太陽光検出手段の検出信号に応じて上記電動開閉機に開閉制御信号を出力する制御部とを備えた電動開閉機の自動制御装置において、上記太陽光検出手段をソーラパネルで構成し、上記制御部に、ソーラパネルが発電するときの電力を蓄電する蓄電池と、ソーラパネルが発電するときその電力を制御部の電源に、ソーラパネルが発電しないとき上記蓄電池を制御部の電源にするように切り替えを行う電源切替部とを設ける構成にする。 【0008】 この構成では、太陽光検出手段を構成するソーラパネルが建物外の太陽光を受けて発電をするときには、ソーラパネルの太陽光検出手段としての検出信号が制御部に入力し、この検出信号に応じて制御部から電動開閉機に開閉制御信号が出力される。例えばブラインド用の電動開閉機の場合、電動開閉機は閉信号により閉動作をしてブラインドを閉じ、シャッター用又はオーニング用の電動開閉機の場合、電動開閉機は開信号により開動作をしてシャッター又はオーニングを開くことになる。また、ソーラパネルが発電した電力は、制御部の蓄電池に蓄電されるとともに、制御部の電源切替部により制御部の電源になるように切り替えられて利用される。」 (3) 「【0015】 図1は本発明の第1の実施形態に係る電動開閉機の自動制御装置の全体構成を示し、1は建物の窓内側に装備されるブラインド、2はこのブラインド1を自動的に開閉するシンクロナスモータなどからなる電動開閉機であり、この電動開閉機2には商用電源3から電力が供給される。ブラインド1は、図示していないが、巻き取りパイプで遮蔽幕としてのスクリーンを巻き上げて開き、または巻き下げて閉じるスクリーン型のものである。 【0016】 また、4は建物外の太陽光を検出する太陽光検出手段としての機能を兼備するソーラパネルであり、このソーラパネル4は、ブラインド1が装備される建物の窓の近傍で直接太陽光が採光できる場所に設置される。また、ソーラパネル4は、パネル型及びフィルム型のいずれを用いても良い。パネル型のソーラパネル4は、建物の外部及び内部のいずれにも設置可能であるが、建物の外部に設置する場合には防水・防塵構造を有するものを使用する必要がある。フィルム型のソーラパネル4は、基本的に建物の内部に設置するものである。 【0017】 上記ソーラパネル4は、コネクタ5を介して制御部6に接続されている。この制御部6は、ソーラパネル4の太陽光検出手段としての検出信号に応じて上記ブラインド1の電動開閉機2に開閉制御信号を出力する制御回路7を有しており、制御部6とブラインド1の電動開閉機2とは、各々に設けたコネクタ8,9間に接続したモジュラーコードよりなる有線10を介して信号授受可能に接続されている。 【0018】 上記制御部6には、ソーラパネル4が発電するときの電力を蓄電する蓄電池11と、ソーラパネル4が発電するときその電力を制御部6の電源に、ソーラパネル4が発電しないとき上記蓄電池11を制御部6の電源にするように切り替えを行う電源切替部12と、この電源切替部12の指令に基づいて点灯又は点滅する発光ダイオードよりなる状態表示灯13とが設けられている。蓄電池11は、ニッケル水素電池などからなり、大きさは単3型又は単4型のものを使用することが好ましい。状態表示灯13は、ソーラパネル4による発電状態を、例えば発電時に点灯し、発電時以外は消灯することで表示すること以外に、蓄電池11の容量などを、例えば交換時期が来ると点滅することで表示するようになっている。」 (4) 「【0020】 次に、上記第1の実施形態の作用効果を説明するに、ソーラパネル4が建物外の太陽光を受けて発電をするときには、その電圧が制御部6の電源切替部12を通して制御回路7に入力する。制御回路7は、その入力電圧を基に太陽光に所定の照度がありかつ所定時間持続したと認定すれば晴れと判断し、ブラインド1の電動開閉機2に対し閉信号を出力する。これにより、電動開閉機2が閉動作をし、ブラインド1が閉じられる。また、ソーラパネル4が発電した電力は、制御部6の蓄電池11に蓄電されるとともに、制御部6の電源切替部12により制御部6(詳しくは制御回路7及び状態表示灯13)の電源になるように切り替えられて利用される。 【0021】 一方、ソーラパネル4が建物外の太陽光を受けず発電をしないときには、ソーラパネル4からは電圧が出力されなくなるため、制御回路7は、曇り又は夜間と判断し、曇りと判断したときには常にブラインド1の電動開閉機2に対し開信号を出力し、夜間と判断したときにはポジションスイッチ17が開位置に選択されることを条件にブラインド1の電動開閉機2に対し開信号を出力する。これにより、電動開閉機2が開動作をし、ブラインド1が開けられる。このとき、制御部6の電源切替部12は、蓄電池11を制御部6の電源にするように切り替わるため、ソーラパネル4が発電しないことに起因して、制御部6の制御が異常を生じることはない。 【0022】 このように、ソーラパネル4が太陽光検出手段としての機能を発揮し、建物外の太陽光の有無に応じて電動開閉機2を適切に開閉制御することができる上、ソーラパネル4が発電した電力を利用することで、従来の如き制御系の商用電源及びバックアップ用の電源(UPS)を必要とせず、電源面で自律した制御を行うことができるので、コスト的に安価に実施化を図ることができるとともに、省電力化を図ることができるという効果を奏する。」 (5) 「【0026】 尚、本発明は上記第1 及び第2 の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記各実施形態では、建物に装備されるブラインド1として、巻き取りパイプで遮蔽幕としてのスクリーンを巻き上げて開き、または巻き下げて閉じるスクリーン型のものについて述べたが、本発明は、このスクリーン型のブラインドに限らず、水平方向に延びる多数の羽根(スラット)を上下方向に所定間隔毎に配置してなる横型のブラインド、あるいは上下方向に延びる多数の羽根(ルーバー)を水平方向に所定間隔毎に配置してなる縦型のブラインドにも同様に適用することができる。また、本発明は、ブラインドの代わりに、シャッター又はオーニングを自動的に開閉する電動開閉機の自動制御装置としても同様に適用することができる。」 (6) 上記(1)ないし(5)からみて、引用文献2には、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。 「建物に装備されるブラインドを自動的に開閉する電動開閉機と、建物外の太陽光を検出する太陽光検出手段と、この太陽光検出手段の検出信号に応じて上記電動開閉機に開閉制御信号を出力する制御部とを備えた電動開閉機の自動制御装置において、上記太陽光検出手段をソーラパネルで構成し、上記制御部に、ソーラパネルが発電するときの電力を蓄電する蓄電池と、ソーラパネルが発電するときその電力を制御部の電源に、ソーラパネルが発電しないとき上記蓄電池を制御部の電源にするように切り替えを行う電源切替部とを設ける構成にした電動開閉機の自動制御装置であって、 上記ブラインドは、水平方向に延びる多数の羽根(スラット)を上下方向に所定間隔毎に配置してなる横型のブラインドであり、 上記ソーラパネルは、ブラインドが装備される建物の窓の近傍で直接太陽光が採光できる場所に設置され、ソーラパネルは、パネル型及びフィルム型のいずれを用いても良く、パネル型のソーラパネルは、建物の外部及び内部のいずれにも設置可能であり、フィルム型のソーラパネルは、基本的に建物の内部に設置するものであり、 ソーラパネルが建物外の太陽光を受けて発電をするときには、その電圧が制御部の電源切替部を通して制御回路に入力し、制御回路は、その入力電圧を基に太陽光に所定の照度がありかつ所定時間持続したと認定すれば晴れと判断し、ブラインドの電動開閉機に対し閉信号を出力し、 ソーラパネルが建物外の太陽光を受けず発電をしないときには、ソーラパネルからは電圧が出力されなくなるため、制御回路7は、曇り又は夜間と判断し、曇りと判断したときには常にブラインド1の電動開閉機に対し開信号を出力して、 ソーラパネルが太陽光検出手段としての機能を発揮し、建物外の太陽光の有無に応じて電動開閉機を適切に開閉制御することができる上、ソーラパネルが発電した電力を利用することで、電源面で自律した制御を行うことができ、コスト的に安価に実施化を図ることができるとともに、省電力化を図ることができる、電動開閉機の自動制御装置。」 第5 対比 本願発明と引用発明1を対比する。 1 引用発明1における、(1)「多数のスラット1」、(2)「角度調節用モータ3」、(3)角度調節用モータ3の駆動軸に連結したプーリー5に巻回され、各スラット1の端部の前後を順次結合した「紐6」、(4)「角度調節用モータ3の駆動軸に連結したプーリー5に巻回し、この紐6で各スラット1の端部の前後を順次結合して各スラット1を前後に回動自在なものに構成した横型のブラインド」は、それぞれ本願発明における(1)「複数のスラット」、(2)「複数のスラットの傾斜角度」を変更可能な「電動モーター」、(3)複数のスラットを支持する「スラット支持コード」、(4)「複数のスラットの傾斜角度が電動モーターの回転に伴って変更可能に構成された電動ブラインド」に相当する。 2 太陽電池が光の照射によって電力を生成するものであることは技術常識であるから、引用発明1における「太陽電池10」と、本願発明における「光の照射によって電力を生成する太陽電池パネル」とは、「光の照射によって電力を生成する太陽電池」である点で共通する。 また、引用発明1における太陽電池10が取り付けられる「窓ガラス7の内側面」は、太陽電池10の出力により窓ガラス7に日射が直接当たっているかの判断を行うことが可能な位置であるから、ブラインドが閉じていても日射が直接当たる位置であって、スラットよりも室外側の位置であり、直接太陽光が太陽電池に当たる位置である。 一方、本願明細書の【0017】には、「太陽電池パネル13は、スラット7の部屋外側に配置すればよく、例えば電動ブラインド1が設置される窓枠に固定してもよい。」と記載されていることからみて、本願発明における太陽電池パネルが設置される「スラットの部屋外側」は、スラットよりも室外側を意味するから、引用発明1における「窓ガラス7の内側面」は、本願発明における「スラットの部屋外側」に相当する。 そうすると、引用発明1における「窓ガラス7の内側面に」取り付けた「太陽電池10」と、本願発明における「前記スラットの部屋外側に配置され且つ光の照射によって電力を生成する太陽電池パネル」とは、「前記スラットの部屋外側に配置され且つ光の照射によって電力を生成する太陽電池」である点で共通する。 3 引用発明1における「フォトセンサとして」取り付けられた「太陽電池8a,8b,8c,9a」は、本願発明における「光センサ」に相当する。 そして、「太陽電池8b,8c」は、太陽電池8b,8cからの出力により判断して、太陽電池8bには直射光線が当たるが、太陽電池8cは上方のスラット1の影になってここには当たらない角度に設定するものであるから、本願発明における「太陽の直射光の受光量が前記スラットの傾斜角度に依存して変化する位置に配置された光センサ」に相当する。 4 引用発明1における、「太陽電池10の出力により判断される直射日光の照射の有無や太陽電池8a~8c、9aの出力により判断される太陽光線の照射方向や季節などのデータ」を「取り込み、このデータをもとに角度調節用モータ3の回動角度すなわちスラット1の回動角度を決定する」「制御装置」は、本願発明における「前記光センサの出力に基づいて前記スラットの傾斜角度を制御する制御部」に相当する。 5 引用発明1における「制御装置」が、「太陽電池10の出力により判断される直射日光の照射の有無や太陽電池8a~8c、9aの出力により判断される太陽光線の照射方向や季節などのデータ」を取り込み、「このデータをもとに角度調節用モータ3の回動角度すなわちスラット1の回動角度を決定する」ものであって、「窓ガラス7に日射が直接当たらない場合は、スラット角度が窓ガラス7面と垂直になるように角度調節用モータ3を回転して眺望を極力妨げないようにし、窓ガラス7に日射が直接当たり、かつ夏期などで冷房モードの場合は、眺望を極力確保したうえで、直接日射を防ぐように、太陽電池8b,8cからの出力により判断して、太陽電池8bには直射光線が当たるが、太陽電池8cは上方のスラット1の影になってここには当たらない角度にスラット1の角度を制御して」いることと、本願発明における「制御部は、前記太陽電池パネルに前記直射光が照射されていると判断した場合に、前記光センサの出力に基づいて前記スラットの傾斜角度を制御する」こととは、「制御部は、前記太陽電池に前記直射光が照射されていると判断した場合に、前記光センサの出力に基づいて前記スラットの傾斜角度を制御する」という点で、共通する。 6 上記1ないし5を踏まえると、本願発明と引用発明1とは、以下の一致点及び相違点を有する。 ・一致点 「スラット支持コードによって支持された複数のスラットの傾斜角度が電動モーターの回転に伴って変更可能に構成された電動ブラインドにおいて、 前記スラットの部屋外側に配置され且つ光の照射によって電力を生成する太陽電池と、 太陽の直射光の受光量が前記スラットの傾斜角度に依存して変化する位置に配置された光センサと、 前記光センサの出力に基づいて前記スラットの傾斜角度を制御する制御部と備え、 前記制御部は、前記太陽電池に前記直射光が照射されていると判断した場合に、前記光センサの出力に基づいて前記スラットの傾斜角度を制御するように構成される、電動ブラインド。」 ・相違点1 本願発明においては、スラット支持コードがヘッドボックスから垂下されたものであるのに対して、引用発明1においては紐6がヘッドボックスから垂下されたものであることは特定されていない点。 ・相違点2 光の照射によって電力を生成する太陽電池について、本願発明は、太陽電池パネルであって、その電力によって充電される充電池を備えるのに対して、引用発明1は、太陽電池10が「パネル」であると特定されておらず、また、その電力により充電される充電池を備えるものではない点。 第6 判断 1 相違点1について 横型ブラインドの技術分野において、複数のスラットを回動可能に支持する紐をヘッドボックスから垂下するように構成する技術は例示するまでもなく周知であり、引用発明1における紐6を上記周知技術のようにヘッドボックスから垂下するように構成することは当業者が適宜採用する設計事項に過ぎない。 そうすると、上記相違点1に係る本願発明の構成を得ることは当業者が適宜なし得たことである。 2 相違点2について 引用発明2は、「ブラインドが装備される建物の窓の近傍で直接太陽光が採光できる場所に設置」され、「その入力電圧を基に太陽光に所定の照度がありかつ所定時間持続したと認定すれば晴れ」と判断し、「太陽光を受けず発電をしないとき」には「曇り又は夜間」と判断して、検出信号をブラインドの制御に用いる太陽光検出手段を、「ソーラパネル」とするとともに、「ソーラパネルが発電するときの電力を蓄電する蓄電池」を併せて設ける構成を有しており、引用発明2における当該構成は、上記相違点2に係る本願発明の構成に相当する。 ここで、引用発明1において、「窓ガラス7の内側面」に取り付けた「太陽電池10」は、上記第5の2に示したとおり、窓ガラス7に日射が直接当たっているか否かの判断を行うことが可能であるよう、ブラインドが閉じていても日射が直接当たる、スラットよりも室外側の位置に設けて、日射が直接当たっているか否かを検出して、ブラインドの制御を行うものであるところ、引用発明2におけるソーラパネルは、「ブラインドが装備される建物の窓の近傍で直接太陽光が採光できる場所」に設置されるから、「建物の外部及び内部のいずれに」設置するとしても、引用発明1の「太陽電池10」と同様に、ブラインドのスラットより外側に配置されると解される。そして、引用発明2のソーラパネルは、直接太陽光を採光できる位置に配置されて、日射が直接当たっているか否かの情報をブラインドの制御に用いるという点で、引用発明1における太陽電池10と作用が共通しており、引用発明1において太陽電池10が担う機能を代替し得ることが明らかである。 また引用文献2の【0006】に記載のように、引用発明2は省電力化を図ることを課題とするものであるところ、一般に、装置で消費される電力を少なくして省電力化を図ることは広く認識された課題であり、引用発明1においても省電力化を図る課題が内在することは明らかである。そして、引用発明1において、制御装置が電力を必要とすることは技術常識であるとともに、当該制御装置で必要となる電力が少なくなれば省電力化に資することは明らかである。 そうすると、引用発明1と引用発明2は、電動ブラインドという技術分野が共通し、太陽電池を、ブラインドが閉じていても日射が直接当たる位置であって、スラットよりも室外側の位置に設置して、直接太陽光が太陽電池に当たるようにし、当該太陽電池の出力により日射が直接当たっていることを検出して、ブラインドの制御を行うという作用機能が共通するとともに、装置で消費される電力を少なくして省電力化を図るという課題が共通するといえるから、引用発明1において、窓ガラス2の内側面に取り付けた太陽電池10に代えて、引用発明2のように、ブラインドが装備される建物の窓の近傍で直接太陽光が採光できる場所に設置され、建物外の太陽光を検出する太陽光検出手段としての機能を兼備するソーラパネルを用いて、ブラインドを設置した窓に直射日光が当たっているか否かを判断するとともに、ソーラパネルが生成した電力によって充電される充電池を備える構成とし、装置の省電力化を図るようにして、相違点2に係る本願発明の構成を得ることは当業者が容易に想到し得たことである。 3 そして、本願発明の作用効果も、引用発明1、引用発明2及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。 4 よって、本願発明は、原査定の理由のとおり、引用発明1、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者であれば容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 5 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において以下の意見を主張している。 「引用文献2では、段落5に記載のように、「制御系の光センサ及び制御回路と駆動系の電動開閉機とは、それらの設置箇所が異なることなどから別々に商用電源を導入するようになっている」という構成を前提とし、その課題解決方法として、太陽光検出手段としての機能を兼備するソーラパネル及び蓄電池を導入しています。 一方、引用文献1は、フォトセンサを用いてスラット角度を最適化する技術に関するものであり、上記の通り、「制御系の光センサ及び制御回路と駆動系の電動開閉機とは、それらの設置箇所が異なる」という前提は存在しておりませんし、ソーラパネルによる給電が必要であるという前提も存在しておりません。従って、引用文献1~2の組み合わせは、本発明の構成の見た上での後知恵に基づくものであり、合理的ではありません。」 しかしながら、上記2で示したように、引用発明2の太陽光検出手段としての機能を兼備するソーラパネルは、ブラインドが設置される窓の近傍で直射日光の有無を検出するという、引用発明1の太陽電池10と共通する機能を有しており、また、引用発明1において、制御装置が電力を必要とすることは技術常識であるとともに、当該制御装置で必要となる電力が少なくなれば省電力化に資することは明らかである。 そして、引用発明1において制御装置が必要とする電力として、太陽光検出手段としての機能を兼備するソーラパネルによって生成された電力を利用することができないと考えるべき特段の事情は見当たらない。 よって上記の意見は採用できない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶するべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2019-011561

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決33件(立川ブラインド工業株式会社)
  • 2022-016636拒絶査定不服審判 / 2023-12-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遮蔽装置のコード制動装置とコード制動装置のキャリア、コード制動装置のウェイトホル…
    同じ当事者: 立川ブラインド工業株式会社
  • 2022-006041拒絶査定不服審判 / 2023-01-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)プリーツスクリーン
    同じ当事者: 立川ブラインド工業株式会社
  • 2021-013244拒絶査定不服審判 / 2022-05-11 / 原査定取消(特許/登録すべき)パーテーション
    同じ当事者: 立川ブラインド工業株式会社
  • 2020-017401拒絶査定不服審判 / 2021-12-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)日射遮蔽装置
    同じ当事者: 立川ブラインド工業株式会社
  • 2020-017443拒絶査定不服審判 / 2021-09-27 / 原査定取消(特許/登録すべき)電動横型ブラインド
    同じ当事者: 立川ブラインド工業株式会社
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2022-002554拒絶査定不服審判 / 2022-12-01 / 請求不成立複合建具
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2020-008120拒絶査定不服審判 / 2021-09-30 / 請求不成立複合枠及び建具
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2019-010953拒絶査定不服審判 / 2020-05-08 / 請求不成立熱膨張性耐火材、開口枠体、および建具
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-800074無効審判 / 2025-11-27 / 請求不成立単位遮光生地及びその製造方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2017-700789異議申立 / 2018-07-31 / 請求成立(取消)開閉装置
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)133件(121・E06B)
  • 2024-008307拒絶査定不服審判 / 2026-05-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)バリアフリー化建具
    共通の審決分類: 121・E06B
  • 2024-008308拒絶査定不服審判 / 2026-05-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)バリアフリー化建具
    共通の審決分類: 121・E06B
  • 2024-015103拒絶査定不服審判 / 2026-03-12 / 原査定取消(特許/登録すべき)ドアのトリム構造体
    共通の審決分類: 121・E06B
  • 2024-012790拒絶査定不服審判 / 2026-02-03 / 請求不成立断熱建具
    共通の審決分類: 121・E06B
  • 2024-002323拒絶査定不服審判 / 2025-07-15 / 請求不成立開口部装置
    共通の審決分類: 121・E06B

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存