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特許拒絶査定不服審判

2019-010584

摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材

審判番号
2019-010584
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-260993外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年08月08日
審決日
2020年03月24日
公報発行日
2020年06月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (C09K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-260993「摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 7月 7日出願公開、特開2016-121245〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年12月24日を出願日とする特許出願であって、平成30年9月6日付けの拒絶理由通知に対し、同年11月9日付けで意見書の提出とともに手続補正がなされ、同年11月22日付けの拒絶理由通知に対し、平成31年3月26日付けで意見書の提出がなされ、同年4月23日付けの拒絶査定に対し、令和元年8月8日付けで審判請求がなされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1~6に係る発明は、平成30年11月9日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」ともいう。)は、次のとおりのものである。 「結合剤、有機充填材、無機充填材および繊維基材を含む摩擦材組成物であって、 該摩擦材組成物中に元素としての銅を含まない、または銅の含有量が0.5質量%以下であり、 繊維長が800μm以上のスチール繊維を2~5質量%含有することを特徴とする摩擦材組成物。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は「この出願については、平成30年11月22日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって、拒絶をすべきものです。」というものである。 そして、平成30年11月22日付け拒絶理由通知書には「(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」との理由が示されるとともに、 その「記」には「請求項1~6・引用文献等1~2,3~4」との指摘がなされている。 また、原査定の備考欄には「●理由(特許法第29条第2項)について・請求項1~6・引用文献等1~4…引用文献3~4記載の発明は、スチール繊維の含有量が多少異なるものの、引用文献1~2記載の発明と同様に結合材や有機充填剤、無機充填剤等を含有するブレーキ等の摩擦部材に使用するための摩擦材であることから、引用文献3~4記載のスチール繊維を、引用文献1~2記載の摩擦材へ使用することに格別の困難性は認められない。さらに、本願明細書の実施例において、含有するスチール繊維の繊維長が「800μm以上」の場合と、当該範囲外の場合との比較が行われておらず、繊維長が「800μm以上」である場合の効果が把握できないことから、含有するスチール繊維の繊維長を「800μm以上」とする効果が顕著であるとはいえない。」との指摘がなされている。 第4 当審の判断 1.引用文献及びその記載事項 (1)引用文献2 原査定において引用文献2として引用された特開昭64-55441号公報(特開平1-55441号公報)には、次の記載がある。 摘記2a:請求項1 「1…ロックウールから成る補強繊維又は前記ロックウールにスチール繊維,ガラス繊維,芳香族ポリアミド繊維等のうち1種若しくは2種以上の繊維を混合して成る補強繊維と,結合剤及び摩擦調整剤を含むことを特徴とする摩擦材。」 摘記2b:第2頁左上欄第8~19行 「本発明において使用する補強繊維としては、上記の範囲の成分から成るロックウール又は該ロックウールにスチール繊維,ガラス繊維,芳香族ポリアミド繊維等のうち1種若しくは2種以上の繊維を含んだ混合物が用いられ、その量は摩擦材全体の1~50重量%である。 また、結合剤としては、フェノール樹脂等の樹脂が用いられ、その量は摩擦材全体の5~30重量%である。 更に、摩擦調整剤としては、カシューダスト,硫酸バリウム,グラファイト等が用いられ、その量は摩擦材全体の20~80重量%である。」 摘記2c:第2頁左上欄第20行~右下欄末行 「〔実施例〕…ロックウールA,Bを表-1に示す割合で各成分を均一に混合した後、…実施例A,B,C,Dの摩擦材を得た。 また、石綿40重量部,フェノール樹脂,カシューダスト及び硫酸バリウム各20重量部を均一に混合した後、上記と同様にして、比較例としての摩擦材を得た。 …〔発明の効果〕 本発明は上述の通りであるから、産業機械や自動車等のブレーキライニング,ディスクブレーキパッド,クラッチフェーシング等に用いる非石綿系の摩擦材として好適である。」 (2)引用文献4 原査定において引用文献4として引用された特開平4-353591号公報には、次の記載がある。 摘記4a:段落0001、0007及び0011 「【0001】…本発明は、自動車のブレーキパッド・ブレーキライニング等として使用される、高温で摩耗が良好な摩擦材とその製造方法に関する。… 【0007】本発明において用いられるスチール繊維は摩擦材に通常用いられているものが用いられるが、長さ2mm、径90μmのものが好適に用いられる。… 【0011】…実施例は、スチール繊維(長さ2mm、径90μm)の表面に三酸化アンチモンを施したものである。」 2.引用文献2に記載された発明 摘記2aの「ロックウールにスチール繊維,ガラス繊維,芳香族ポリアミド繊維…を混合して成る補強繊維と,結合剤及び摩擦調整剤を含むことを特徴とする摩擦材。」との記載、 摘記2bの「本発明において使用する補強繊維としては…ロックウールにスチール繊維,ガラス繊維,芳香族ポリアミド繊維…を含んだ混合物が用いられ、その量は摩擦材全体の1~50重量%である。…結合剤としては、フェノール樹脂等の樹脂が用いられ、その量は摩擦材全体の5~30重量%である。…摩擦調整剤としては、カシューダスト,硫酸バリウム,グラファイト等が用いられ、その量は摩擦材全体9の20~80重量%である。」との記載、及び 摘記2cの「ロックウールA,Bを表-1に示す割合で各成分を均一に混合した後、…実施例A,B,C,Dの摩擦材を得た。」との記載、及び表-1の「実施例C」の記載からみて、引用文献2には、 『ロックウールA10重量%にスチール繊維5重量%、ガラス繊維5重量%、芳香族ポリアミド繊維5重量%を混合して成る補強繊維と、結合剤としてのフェノール樹脂20重量%、及び摩擦調整剤としてのカシューダスト20重量%、硫酸バリウム32重量%、グラファイト3重量%からなる摩擦材を得るために各成分を均一に混合した混合物。』についての発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。 3.対比 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明の補強繊維としての成分にあたる「ロックウールA」、「スチール繊維」、「ガラス繊維」及び「芳香族ポリアミド繊維」は、いずれも本願発明の「繊維基材」に相当する。 引用発明の「スチール繊維5重量%」は、本願発明の「スチール繊維を2~5質量%含有する」に相当する。 引用発明の結合剤としての成分にあたる「フェノール樹脂」は、本願発明の「結合剤」に相当する。 引用発明の摩擦調整剤としての成分にあたる「カシューダスト」、「硫酸バリウム」、「グラファイト」は、本願明細書の段落0042の表1の「無機充填材…硫酸バリウム…黒鉛…有機充填材…カシューダスト」との記載を参酌するに、「カシューダスト」が本願発明の「有機充填材」に、「硫酸バリウム」と「グラファイト」が本願発明の「無機充填材」に相当する。 引用発明の「…からなる摩擦材を得るために各成分を均一に混合した混合物」は、その成分に「銅」が含まれていないことが明らかな組成物であるから、本願発明の「摩擦材組成物中に元素としての銅を含まない、または銅の含有量が0.5質量%以下」の「摩擦材組成物」に相当する。 してみると、本願発明と引用発明は、両者とも「結合剤、有機充填材、無機充填材および繊維基材を含む摩擦材組成物であって、該摩擦材組成物中に元素としての銅を含まない、または銅の含有量が0.5質量%以下であり、スチール繊維を2~5質量%含有することを特徴とする摩擦材組成物。」という点で一致し、次の〔相違点〕において相違するものと認められる。 〔相違点〕所定量含有されているスチール繊維の繊維長が、本願発明は「800μm以上」のものに特定されているのに対して、引用発明は繊維長の値が不明な点。 4.判断 上記〔相違点〕について検討する。 引用発明は、引用文献2の第2頁右下欄(摘記2c)の「本発明は…自動車等のブレーキライニング…等に用いる…摩擦材として好適である。」との記載にあるように『自動車のブレーキライニング等に用いる摩擦材』の技術分野に属するものであるところ、 引用文献4の段落0001及び0007(摘記4a)の「本発明は、自動車の…ブレーキライニング等として使用される…摩擦材…に関する。…本発明において用いられるスチール繊維は摩擦材に通常用いられている…長さ2mm…ものが好適に用いられる。」との記載にあるように、『自動車のブレーキライニング等に使用される摩擦材』の技術分野においては、「スチール繊維」の長さが「2mm」程度のものが「通常」用いられているものとして知られている。 してみると、引用発明を実施するにあたり、その「スチール繊維」として、『自動車のブレーキライニング等に使用される摩擦材』の技術分野における「通常」の長さとして知られる2mm=2000μm程度のものを採用することは、当業者にとって至極自然なことというべきであり、これを妨げる事情も見当たらない。 次に、当該相違点に係る本願発明の構成(所定量のスチール繊維の繊維長として「2500μm以下」という数値範囲を採用すること)により、引用発明と比較した有利な効果を奏するか否かについて検討をする。なお、当該有利な効果の顕著性は、当該数値範囲内のすべての部分で満たされる必要があることはいうまでもない。 まず、本願発明のスチール繊維において特定の繊維長及び含有量を採用することの技術的意義について理解するために、本願明細書を子細にみると、次の記載を認めることができる。 「【0007】本発明者らは、摩擦材中に繊維長の長いスチール繊維を特定量含有させることで、環境有害性の高い銅を含有しない組成においても高速フェード条件における摩擦係数の保持に有効であるだけでなく、低温での耐摩耗性が良好であることを見出した。すなわち、高速フェード条件のように摩擦材表面が高温で灰化した状態で摩擦によるせん断力がかかるような過酷な摩擦条件下では、繊維長の長いスチール繊維は灰化層の補強効果が高く、結果、摩擦係数の保持に有利である。しかし、繊維長の長いスチール繊維を多量に添加すると、スチール繊維と摩擦対面材である鋳鉄との凝着摩耗で低温での耐摩耗性が悪化する。このため、繊維長の長いスチール繊維を特定の添加量範囲で添加することにより、高速フェード条件において高い摩擦係数を示すだけでなく、低温の耐摩耗性が良好となる。」 「【0018】また、スチール繊維の含有量を2~5質量%とすることで高速フェード条件における摩擦係数の保持と低温の耐摩耗性を両立して改善することができる。スチール繊維の含有量が2質量%を下回ると高速フェード条件における摩擦材表面の補強効果が不十分となり、5質量%を超えるとスチール繊維と対面材となる鋳鉄との間の凝着摩耗が大きくなり、低温における耐摩耗性が悪化する。摩擦材組成物中もしくは摩擦材中のスチール繊維の含有量は、例えば、電子線マイクロアナライザ(EPMA)等により摩擦材の任意の断面についてFe成分の定量分析することにより求めることができる。」 「【0040】…表1に示す配合比率に従って材料を配合し、実施例1~2および比較例1~3の摩擦材組成物を得た。表中の配合比率は質量%である。実施例および比較例にて用いたスチール繊維は、SINOMA社製「3L-80」(カール状、繊維長900~5500μm、平均繊維径106μm)を用いた。なお、繊維長は、株式会社キーエンス製マイクロスコープで100本の繊維の繊維長を測長し計測した。… 【0045】【表1】 【0046】銅を含有せず、繊維長800μm以上のスチール繊維を2~5質量%の範囲で含有する実施例1、2は、銅を含有する比較例3と同等以上の高速フェード特性を示した。また、繊維長800μm以上のスチール繊維を含有しない比較例1に対し優れた高速フェード特性を示した。更に、繊維長800μm以上のスチール繊維の含有量が5%を超える比較例3に対し低温での摩耗量が少ない。以上より、繊維長800μm以上のスチール繊維を2~5質量%の範囲で含有する実施例1、2は、銅を含有せずとも高速フェード特性と低温の耐摩耗性が両立して良好であることは明らかである。」 上記認定の記載のうち、【0007】には、本願発明におけるスチール繊維の繊維長に関する定性的な技術的意義(作用効果)について記載され、具体的には、「高速フェード条件のように摩擦材表面が高温で灰化した状態で摩擦によるせん断力がかかるような過酷な摩擦条件下では、繊維長の長いスチール繊維は灰化層の補強効果が高く、結果、摩擦係数の保持に有利である」ことが記載されている。しかしながら、ここでいう「繊維長の長いスチール繊維」が、「800μm以上」に属するすべての繊維長のものを指すかは判然としない上、当該記載の機序が、当該すべての繊維長のものに対して当てはまる技術的事項であると当業者が首肯しうるに足りる証拠も見当たらない。そうである以上、当該【0007】の記載は、確かに「繊維長の長いスチール繊維」に関する技術的意義の一端を説明するものではあるが、当該記載から、本願発明において、所定量のスチール繊維の繊維長として「800μm以上」という数値範囲を採用することによる有利な効果の顕著性までを認めることはできない。 また、上記【0018】には、本願発明におけるスチール繊維の含有量に関する定性的な技術的意義について記載されており、さらに、上記【0040】~【0046】には、具体例(実験データ)が記載され、当該具体例は本願発明のスチール繊維に関連する定量的な技術的意義(作用効果)について記載したものと解される。しかしながら、当該具体例の実施例1、2及び比較例2に供されたスチール繊維の繊維長は「900~5500μm」であって、「800μm以上」に属するすべての繊維長のものを対象とするものではないし、【0040】によれば、当該繊維長「900~5500μm」は、たかだか100本の繊維を測長した結果からの推定値であって、実際には900μm(さらには800μm)に満たないものが相当量混入している可能性は否めない。その上、実施例1、2と比較例1、2は、スチール繊維の繊維長を異ならしめた具体例ではなく、その含有量を異ならしめ、本願発明が規定する所定量の範囲内外とした具体例であると解するのが合理的であり、それらを考察した【0046】の記載に照らすと、当該具体例は、上記【0018】記載のスチール繊維の含有量に関する定性的な技術的意義の裏付けとするためのものと理解するのが相当である。そうである以上、これらの記載を斟酌しても、本願発明において、所定量のスチール繊維の繊維長として「800μm以上」という数値範囲を採用することの技術的意義、さらには、当該数値範囲の採用による有利な効果の顕著性までを認めることはできない。 以上を総合すると、上記相違点に係る本願発明の構成、すなわち、所定量のスチール繊維の繊維長として「800μm以上」という数値範囲を採用すること(構成の容易想到性)については、単に、引用発明におけるスチール繊維として、通常用いられている繊維長のものを採用したにすぎないということができるから、当業者が通常の創作能力の発揮として適宜行う設計的事項の範ちゅうの事項というほかなく、さらに、当該本願発明の構成により、引用発明と比較した有利な効果を奏するか否か(有利な効果の顕著性)を、その技術的意義も含めて検討してみても、本願明細書の記載から、当業者が首肯しうるような当該構成の技術的意義を理解することはできず、当該顕著性を上記数値範囲内のすべての部分で認めることはできないから、上記構成の容易想到性の帰趨を覆すほどの事情を見い出すことはできない。 したがって、本願発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものと認められる。 5.審判請求人の主張について 審判請求書における審判請求人の主張は、おおむね次の三点に集約することができる。 (1)引用文献4は、スチール繊維を主要基材とするセミメタリック系摩擦材に関するものであり、他方、引用文献2は、当該スチール繊維の含有量が少ないロースチール系又はノンスチール系摩擦材に関するものであるから、引用文献4に記載された、摩擦材において通常用いられるとされたスチール繊維の繊維長の数値(2mm)は、セミメタリック系摩擦材におけるものであって、これとは分野の異なる、引用文献2のロースチール系又はノンスチール系摩擦材における通常の数値を示すものでないし、当該引用文献4記載の繊維長を、当該引用文献2のものに適用する動機は存在しない。 (2)引用文献2は、銅の環境有害性を認識しておらず、銅の使用を許容する技術であるから、「環境有害性の高い銅を含有しない、もしくは銅を含有する場合であっても0.5質量%以下の少量である摩擦材組成物において、高温制動におけるブレーキ振動を抑制できる摩擦材組成物およびそれを成形して得られる摩擦材」を提供する本願発明とは、技術的思想が異なっている。 (3)本願発明は、実施例において実証されているとおり、「環境有害性の高い銅を含有しない、もしくは銅を含有する場合であっても0.5質量%以下の少量である摩擦材組成物において、高温制動におけるブレーキ振動を抑制できる摩擦材組成物およびそれを成形して得られる摩擦材」を提供することができるという、引用文献2と比較した有利かつ顕著な効果を奏するものである。 そこで、これらの主張について以下検討をする。 (1)の主張について 引用文献4を子細にみても、スチール繊維の繊維長に関する記載が、セミメタリック系摩擦材に限定したものであるとの記載は見当たらず、また、ロースチール系又はノンスチール系摩擦材においては、セミメタリック系摩擦材において使用されるスチール繊維とは異なる繊維長のものを使用しているという技術常識も見当たらない。むしろ、セミメタリック系摩擦材に特化していない特開2003-194121号公報(参考文献A)の実施例や特開2005-24005号公報(参考文献B)の比較例において、スチール繊維として、平均長さ(平均繊維長)2mmのものが使用されていることからすると、当該引用文献4の記載は、ブレーキ摩擦材全般におけるスチール繊維について記載したものと解するのが合理的である。したがって、当該主張を採用することはできない。 (2)、(3)の主張について 引用発明は、銅の含有量において本願発明と相違するものではないし、既に述べたとおり、本願発明に、引用発明に対する有利な効果の顕著性は認められないから、当該主張を採用することはできない。 6.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献2及び4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。 したがって、原査定に誤りはなく、その余の理由及び請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-010584

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