特許拒絶査定不服審判
2019-010545
遊技機
- 審判番号
- 2019-010545
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-120073外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年08月08日
- 審決日
- 2020年10月13日
- 公報発行日
- 2021年01月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社三共
- 分類
- P18 .121-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017-120073号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年10月12日出願公開、特開2017-185278号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年5月22日に出願した特願2014-106417号の一部を平成29年6月20日に新たな特許出願(特願2017-120073号)としたものであって、平成30年3月14日付けで拒絶の理由が通知され、同年5月1日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月18日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年12月19日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和1年5月10日付けで、平成30年12月19日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、令和1年8月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、令和2年2月25日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月28日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
この出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年4月28日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A~Lについては、発明特定事項を分説するため当審で付した。)。
「A 可変表示を実行し、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 未だ開始条件の成立していない可変表示に関する情報を保留記憶として記憶する保留記憶手段と、
C 開始条件が成立したときに、前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶にもとづいて、前記有利状態に制御するかを決定する事前決定手段と、
D 前記事前決定手段による決定の前に、前記有利状態に制御されるかを判定する先読み判定手段と、
E 前記先読み判定手段の判定結果にもとづいて、少なくとも前記保留記憶に対応して表示される保留表示の表示態様を変化させるための保留変化演出を実行可能な変化演出実行手段と、
F 前記変化演出実行手段により実行される前記保留変化演出の態様を決定する変化態様決定手段と、
G 実行された前記保留変化演出に連続して、最終段階演出を実行可能な最終段階演出実行手段と、を備え、
H 前記最終段階演出実行手段は、前記先読み判定手段によって前記有利状態に制御されると判定された場合、実行された前記保留変化演出に連続して特別態様を含む複数の演出態様のうちいずれかの前記最終段階演出を実行可能であり、
I 前記先読み判定手段によって前記有利状態に制御されないと判定された場合、前記特別態様の前記最終段階演出の実行を制限し、
J 前記保留変化演出の態様として、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が実行されて保留表示の表示態様が変化する態様と、前記示唆演出が実行されて保留表示の表示態様が変化しない態様と、前記示唆演出が実行されることなく保留表示の表示態様が変化する態様があり、
K 保留表示の表示態様が特殊態様であるときに、前記示唆演出を実行し易い、
L ことを特徴とする遊技機。」
第3 拒絶の理由
令和2年2月25日付けで当審において通知した拒絶理由のうちの理由1は、次のとおりのものである。
本願発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開2013-208221号公報
引用文献2:特開2013-116314号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1の記載事項
引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(1)「【0009】
[第1の実施の形態]
以下、図面を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機)について説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態によるパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。」
(2)「【0031】
特図1始動口230は、本実施の形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技(以下、「特図1変動遊技」という場合がある)を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0032】
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施の形態では右側経路上に1つだけ配設している。特図2始動口232は、左右に開閉自在な一対の羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技(以下、「特図2変動遊技」という場合がある)を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0033】
可変入賞口234、235は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施の形態では可変入賞口234が遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設され、可変入賞口235が右側経路上に1つだけ配設されている。可変入賞口234、235は、開閉自在な扉部材をそれぞれ備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能である。特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合には、例えば可変入賞口234、235のうち一方の扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234、235への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234、235に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。」
(3)「【0071】
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本例では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。」
(4)「【0082】
ステップS215の次のステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、特図1始動口230、特図2始動口232、普図始動口228および可変入賞口234、235への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS205における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。
【0083】
特図1始動口230へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タンでない場合、乱数値生成回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した特図1当選乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図1乱数値生成用乱数カウンタから特図1乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の特図1当選乱数値および特図1乱数値の組は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先)の特図1当選乱数値および特図1乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図1当選乱数値および特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1当選乱数値および特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1当選乱数値および特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
【0084】
特図2始動口232へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タンでない場合、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した特図2当選乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図2乱数値生成用乱数カウンタから特図2乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の特図2当選乱数値および特図2乱数値の組は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2当選乱数値および特図2乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図2当選乱数値および特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2当選乱数値および特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2当選乱数値および特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。」
(5)「【0110】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。特図2関連抽選処理は、特図1および特図2の変動遊技を行っておらず、特図1および特図2の状態がいずれも非作動中であり、かつ保留している特図2変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図2乱数値記憶領域内の最先の特図2当選乱数値および特図2乱数値を用いて実行される。特図1関連抽選処理は、特図1および特図2の変動遊技を行っておらず、特図1および特図2の状態がいずれも非作動中であり、かつ保留している特図1変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図1乱数値記憶領域内の最先の特図1当選乱数値および特図1乱数値を用いて実行される。
・・・
【0112】
ステップS229の特図2関連抽選処理の場合には、主制御部300は、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306に記憶された当否判定用テーブル(後述する図10(a)~(d)参照)を用いて大当りとするか、小当り(本例では小当りは特図1でのみ選択され得る)とするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行う。次いで、主制御部300は、取得した特図2始動情報内の特図2乱数値および決定した当否判定結果などに基づいて、ROM306に記憶された特図決定用テーブル(後述する図11(a)、(b)参照)を用いて特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。次いで、主制御部300は、例えば、決定した当否判定結果、停止図柄、当該当否判定時の特図2保留数、取得した特図変動時間決定用乱数値等に基づいて、ROM306に記憶された各種テーブル(後述する図12および図13参照)を用いて特図2の変動表示時間(タイマ番号)の決定を行う。」
(6)「【0117】
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行う。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11~14はコマンド種別(本実施の形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、先読み結果情報コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0~10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0118】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始(回転開始)コマンドの場合であればコマンドデータに、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグ、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止(回転停止)コマンドの場合であれば、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグ、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出開始コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口230への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、可変入賞口234、235への入賞の有無などを含む。先読み結果情報コマンドの場合であれば、特図1および特図2の種別、後述する先読み数記憶領域に記憶された先読み数、先読み結果記憶部に記憶された停止図柄等の情報をコマンドデータに含む。」
(7)「【0126】
図8は、主制御部タイマ割込処理の特図先読み処理(ステップS224)の流れの一例を示すフローチャートである。特図先読み処理では、主制御部300は、特図1および特図2のそれぞれにおいて増加した始動情報を先読みして、当否判定処理よりも前に停止図柄を事前判定し、事前判定結果(特図先読み結果)をRAM308内の先読み結果記憶部(図9(a)~(c)参照)に記憶する。」
(8)「【0129】
特図先読み処理において、まず主制御部300は、特図2の始動情報が増加しているか否かを判定する(ステップS301)。特図2の始動情報が増加しているか否かの判定は、例えば、特図2保留数記憶領域に記憶されている特図2保留数と、特図2先読み数記憶領域に記憶されている特図2先読み数とを比較して行う。主制御部300は、特図2保留数が特図2先読み数よりも大きい場合には特図2の始動情報が増加していると判定し、特図2保留数が特図2先読み数と等しい場合には特図2の始動情報は増加していないと判定する。特図2の始動情報が増加していると判定した場合にはステップS303に進み、特図2の始動情報が増加していないと判定した場合にはステップS307に進む。
【0130】
ステップS303では、増加した特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を、特図2関連抽選処理(ステップS229)での当否判定処理よりも前に、特図2乱数値記憶領域から先読みする。そして、先読みした特図2始動情報と、例えば当否判定時に用いる当否判定用テーブルおよび特図決定用テーブルを用いて、当該始動情報に係る特図2変動遊技の停止図柄を、特図2関連抽選処理(ステップS229)での当否判定処理よりも前に事前判定する。なお、この事前判定処理は、当否判定時に用いるテーブルではなく事前判定用の特別のテーブルを用いて行ってもよい。
【0131】
ステップS303の次のステップS305では、事前判定で得られた特図2先読み結果としての停止図柄情報をRAM308内の特図2用先読み結果記憶部の最先の空き領域に記憶する。その後、ステップS307に移行する。
【0132】
ステップS307では、主制御部300は、特図1の始動情報が増加しているか否かを判定する。特図1の始動情報が増加しているか否かの判定は、例えば特図2と同様に、特図1保留数記憶領域に記憶されている特図1保留数と、特図1先読み数記憶領域に記憶されている特図1先読み数とを比較して行う。特図1の始動情報が増加していると判定した場合にはステップS309に進み、特図1の始動情報が増加していないと判定した場合には特図先読み処理を終了して主制御部タイマ割込処理に復帰する。
・・・
【0134】
ステップS311では、増加した特図1始動情報(特図1当選乱数値および特図1乱数値の組)を、特図1関連抽選処理(ステップS231)での当否判定処理よりも前に、特図1乱数値記憶領域から先読みする。そして、先読みした特図1始動情報と、例えば当否判定時に用いる当否判定用テーブルおよび特図決定用テーブルを用いて、当該始動情報に係る特図1変動遊技の停止図柄を、特図1関連抽選処理(ステップS231)での当否判定処理よりも前に事前判定する。なお、この事前判定処理は、当否判定時に用いるテーブルではなく事前判定用の特別のテーブルを用いて行ってもよい。
【0135】
ステップS311の次のステップS313では、事前判定で得られた特図1先読み結果としての停止図柄情報をRAM308内の特図1用先読み結果記憶部の最先の空き領域に記憶する。その後、特図先読み処理を終了して主制御部タイマ割込処理に復帰する。」
(9)「【0158】
本例では、タイマ6~22はリーチ以上の変動タイマである。また、タイマ1~7、11~13、16、17は、当該変動の当否判定結果がはずれである場合に選択される変動タイマであり、タイマ8~10、14、15、18~22は、当該変動の当否判定結果が当りである場合に選択される変動タイマである。同一演出種別を実行可能な変動タイマ同士を比較すると、当りのときに選択される変動タイマは、図柄停止表示後に当り演出を実行できるように、はずれのときに選択される変動タイマよりも変動時間が所定時間(例えば10000ms)だけ長くなっている。例えば、ノーマルリーチの演出が可能なタイマ6とタイマ9を比較すると、当りのときに選択されるタイマ9は、はずれのときに選択されるタイマ6と比較して変動時間が10000ms長くなっている。タイマ6が選択された特図変動遊技とタイマ9が選択された特図変動遊技とでは図柄停止直前までほぼ同態様のノーマルリーチ演出が可能であり、タイマ9が選択された特図変動遊技では図柄停止後に所定の当り遊技を実行可能である。」
(10)「【0189】
後述するように、本例では、テクスチャ画像のアニメーションとして保留アイコンが表示される。表示される保留アイコンの数は、基本的には特図変動遊技の保留数と同数である。各保留アイコンは、その表示態様によって当該保留の当否についての先読み予告が可能である。保留アイコンに関連するアニメーションとしては、例えば、保留が増加して新たな保留アイコンが表示される場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの増加アニメーション」という場合がある)、先の保留が消化されたことによって当該保留の順位が変動し、保留アイコンが別の表示位置(例えば左隣の位置)に移動する場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの移動アニメーション」という場合がある)、先読み結果等に基づいて保留アイコンの表示態様が変化する場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの変化アニメーション」という場合がある)、変動が開始された場合に、該変動と対応する保留アイコンが消去される場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの消去アニメーション」という場合がある)、優先変動機において優先側の特図の保留が増加したときに非優先側の特図の保留アイコンを退避させる場合に実行されるアニメーション(以下、「保留アイコンの退避アニメーション」という場合がある)等がある。また、上記のアニメーション以外に、上記アニメーションの実行中以外の期間(例えば、保留の増減や保留アイコンの変化がない期間)に単独で実行されるとともに、上記アニメーションと重複して実行可能なアニメーション(以下、「保留アイコンの待機アニメーション」という場合がある)がある。保留アイコンの増加、移動、変化、消去、退避、待機の各アニメーションは、複数重複して実行される場合がある。
【0190】
また本例では、保留が消化されて特図変動遊技が開始された後に、当該特図変動遊技に対応する1つの変動アイコンが表示される場合がある。変動アイコンは、例えば保留アイコンの表示態様と関連した表示態様からなり、保留アイコンと同様にテクスチャ画像のアニメーションとして表示される。変動アイコンは、その表示態様によって当該変動の当否についての予告(当該変動予告)が可能であり、基本的には当該変動の当否結果が報知されたタイミングで消去される。したがって、変動アイコンは、特図変動遊技の当否結果の報知を保留しているという意味では保留アイコンの一種と考えることもできる。」
(11)「【0201】
次に、図19~図27を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。図19(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図19(a)のステップS801では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS801で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。」
(12)「【0209】
図20は、第2副制御部メイン処理のステップS809における演出制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。演出制御処理のステップS1101では保留アイコン表示制御処理を行い、その次のステップS1103では変動アイコン表示制御処理を行う。保留アイコン表示制御処理および変動アイコン表示制御処理の詳細については後述する。なお、保留アイコン表示制御処理および変動アイコン表示制御処理は、特図1および特図2で独立して実行されるようにしてもよいし、特図1および特図2で共通して実行されるようにしてもよい。ステップS1103の次のステップS1105では、その他の演出制御処理を行う。
【0210】
図21は、保留アイコン表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、保留アイコン表示制御処理のステップS1201では、第1副制御部400から送信される先読み結果情報コマンド等の各種コマンドに基づき、特図変動遊技の保留数が増加したか否かを判定する。保留数が増加したと判定した場合にはステップS1203に進み、保留数が増加していないと判定した場合にはステップS1209に進む。
【0211】
ステップS1203では、保留アイコン変更シナリオ抽選処理を行う。保留アイコン変更シナリオ抽選処理では、後述する保留アイコン表示態様抽選用テーブル(図23~図26)を参照して、特図変動遊技の保留数、増加した保留に対応するタイマグループ、および保留アイコン表示態様抽選用乱数値に基づき、増加した保留についての保留アイコン変更シナリオを抽選で決定する。保留アイコン変更シナリオは、当該保留が消化されるまでの保留アイコンの表示態様の変化を表す情報であり、例えば「入賞時:白、1変動後:白、2変動後:青」と表される。本例の保留アイコンの表示態様には、「白」、「青」、「赤」、「箱」、「千両箱」がある。なお、増加した保留に対応するタイマグループの情報を取得できない場合(例えば、先読みが実行されていない場合)には、当該保留が消化されるまでの保留アイコンの表示態様をデフォルトの「白」に設定する。
・・・
【0215】
ステップS1211では、保留アイコン変更処理を行う。保留アイコン変更処理では、RAM508内のシナリオ記憶領域のそれぞれの記憶領域から保留アイコン変更シナリオを読み出し、各保留アイコン変更シナリオに基づいて各保留アイコンの表示態様の変更が必要か否かを判定し、変更が必要であれば保留アイコンの表示態様を変更する処理(例えば、保留アイコンの変化アニメーションを設定する処理を含む)を行う。その後、ステップS1213の処理に移行する。」
(13)「【0218】
図22は、変動アイコン表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、変動アイコン表示制御処理のステップS1301では、特図変動遊技が開始されたタイミングであるか否かを判定する。例えば、図柄変動開始コマンドを第1副制御部400から受信したタイミングであれば特図変動遊技が開始されたタイミングであると判定し、それ以外であれば特図変動遊技が開始されたタイミングではないと判定する。特図変動遊技が開始されたタイミングであると判定した場合にはステップS1303に進み、特図変動遊技が開始されたタイミングでないと判定した場合にはステップS1307に進む。
【0219】
ステップS1303では、変動アイコン抽選処理を行う。変動アイコン抽選処理では、例えば、後述する変動アイコン表示態様抽選用テーブル(図27)を参照して、開始された特図変動遊技に対応する保留アイコンの変動開始直前(保留消化直前)の表示グループ(保留アイコンの変動開始直前の表示態様が白、青、赤のいずれかであれば「球系」、箱または千両箱であれば「箱系」)、開始された特図変動遊技に対応する変動タイマ、および変動アイコン表示態様抽選用乱数値に基づき、開始された特図変動遊技についての変動アイコンの表示態様を抽選で決定する。本例の変動アイコンの表示態様には、「白」、「青」、「赤」、「金」、「煙」、「酒」、「刀」、「家紋」がある。なお、変動アイコンの表示態様は、保留アイコンの表示態様と一緒に保留アイコン表示制御処理(ステップS1203)で決定されるようにしてもよい。その場合、ステップS1303の変動アイコン抽選処理を省略することができる。またその場合、変動アイコンの表示態様の情報は、保留アイコン変更シナリオに含まれていてもよい。
【0220】
ステップS1303の次のステップS1305では、決定した表示態様の変動アイコンを装飾図柄表示装置208の所定の表示領域に表示する処理(例えば、保留・変動アイコン間の移動アニメーションや変化アニメーションを設定する処理を含む)を行う。その後、ステップS1307の処理に移行する。」
(14)「【0424】
また、変動アイコンは、大当り信頼度が100%の態様(例えば「金」)を有していてもよい。」
(15)「【0553】
図63(b)は、当該特図1変動遊技の変動期間中に特図1の保留が1つ増加した状態を示している。特図1保留ランプ218は、特図1の保留が1から2に増加したことを表示している。保留アイコン表示領域900の第2領域には、増加した保留の当否を高信頼度で先読み予告する保留アイコン902(表示態様:赤)が表示されている。本例では、保留アイコン902での先読み予告に基づき、保留アイコン902以外の保留アイコンでも先読み予告を実行する。これにより、保留アイコン901の表示態様は「白」から「村人A」に変化する。保留アイコン901では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行される。また、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示される。このとき、変動アイコン表示領域800においても、変動アイコン801の表示態様を変化させてもよい。これらの表示により、特別な先読み予告演出が開始されたことが遊技者に示唆される。
【0554】
図63(c)は、当該特図1変動遊技が終了するとともに、特図1の保留が2つ増加した状態を示している。特図1表示装置212には特図E(はずれ)が停止表示され、図柄表示領域208a~208cには、当りを報知する図柄組合せ以外の図柄組合せ「装飾1-装飾10(0)-装飾4」が停止表示される。特図1保留ランプ218は、特図1の保留が4に増加したことを表示する。保留アイコン表示領域900の第3領域には保留アイコン903(表示態様:村人B)が所定の増加アニメーションを伴って表示され、第4領域には保留アイコン904(表示態様:村人A)が所定の増加アニメーションを伴って表示される。保留アイコン903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行される。保留アイコン901、903、904の待機アニメーションは非同期で実行される。
・・・
【0560】
図63(f)~図64(c)は、当該特図1変動遊技の変動期間中におけるその後の状態と、次の特図1変動遊技の変動期間中の状態を示している。図63(f)に示す時点で、保留アイコン表示領域900の第1領域に表示されている保留アイコン902の変化アニメーションが開始される。この変化アニメーションでは、保留アイコン902に割れ目が生じ、ガタガタと振動する。第2および第3領域の保留アイコン903、904では、村人が保留アイコン902の異変に気付く態様の待機アニメーションが実行される。このように、先読み予告の対象となる保留アイコン902で変化アニメーションを実行する場合、対象以外の保留アイコン903、904において、特別な態様(例えば、先読み予告の対象となる保留アイコンのための態様)の待機アニメーションを実行してもよい。
【0561】
図63(g)に示す時点では、保留アイコン902の変化アニメーションにおいて、保留アイコン902が割れて中から千両箱が出現する。これにより、保留アイコン902の表示態様が「千両箱」に変更される。保留アイコン903、904では、村人が万歳をして喜ぶ態様の待機アニメーションが実行される。」
(16)「【図27】
」
(17)「【図63】
」
(18)【0219】には「変動アイコン表示態様抽選用テーブル(図27)を参照して、開始された特図変動遊技に対応する保留アイコンの変動開始直前(保留消化直前)の表示グループ(保留アイコンの変動開始直前の表示態様が白、青、赤のいずれかであれば「球系」・・・)、開始された特図変動遊技に対応する変動タイマ、および変動アイコン表示態様抽選用乱数値に基づき、開始された特図変動遊技についての変動アイコンの表示態様を抽選で決定する」と記載され、【0158】には「タイマ8~10、14、15、18~22は、当該変動の当否判定結果が当りである場合に選択される変動タイマである」と記載されている。
また、図27には、変動タイマが、変動タイマ9、10、14、15、18~22である場合、変動アイコン表示態様として、白、青、赤、金が選択されうることが記載されている。
以上のことから、引用文献1には、「変動タイマが、当該変動の当否判定結果が当りである変動タイマ9、10、14、15、18~22である場合、変動アイコン表示態様として、白、青、赤、金が選択され得る」ことが示されていると認められる。
(19)【0219】には「変動アイコン表示態様抽選用テーブル(図27)を参照して、開始された特図変動遊技に対応する保留アイコンの変動開始直前(保留消化直前)の表示グループ(保留アイコンの変動開始直前の表示態様が白、青、赤のいずれかであれば「球系」・・・)、開始された特図変動遊技に対応する変動タイマ、および変動アイコン表示態様抽選用乱数値に基づき、開始された特図変動遊技についての変動アイコンの表示態様を抽選で決定する」と記載され、【0158】には「タイマ1~7、11~13、16、17は、当該変動の当否判定結果がはずれである場合に選択される変動タイマであ」ることが記載されている。
また、図27には、変動タイマが、変動タイマ1~8、11~13、16、17である場合、変動アイコン表示態様として、金は選択されないことが記載されている。
以上のことから、引用文献1には、「変動タイマが、当該変動の当否判定結果がはずれである変動タイマ1~7、11~13、16、17である場合、変動アイコン表示態様として、金は選択されない」ことが示されていると認められる。
(20)【0553】には「保留アイコン902での先読み予告に基づき、保留アイコン902以外の保留アイコンでも先読み予告を実行する」、「保留アイコン901では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行される。また、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示される」と記載され、【0554】には「保留アイコン903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行される」と記載されている。
また、図63(b)~(e)では、演出表示領域208dに「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示されることが、図63(f)では、図63(e)において表示されていた「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字の表示が終了していることが見て取れる。
さらに、【0560】には「図63(f)に示す時点で、・・・保留アイコン902の変化アニメーションが開始される」と記載され、【0561】には、「保留アイコン902の変化アニメーションにおいて、保留アイコン902が割れて中から千両箱が出現する。これにより、保留アイコン902の表示態様が「千両箱」に変更される」と記載されている。
これらの記載からみて、引用文献には、「保留アイコン902での先読み予告に基づく、保留アイコン902以外の保留アイコンによる先読み予告において、保留アイコン901、903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行され、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示され、これらの文字の表示が終了すると、保留アイコン902の変化アニメーションが実行され、保留アイコン902の表示態様が変更される」ことが示されていると認められる。
上記(1)~(17)の記載事項、(18)~(20)の認定事項からみて、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている(a~lは、本願発明の分説に対応させて当審で付した。)。
「a 特図1表示装置212による特図変動遊技または特図2表示装置214による特図変動遊技を開始し、特図変動遊技に当選した場合には、大入賞口(可変入賞口234、235)を所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、入球を検出した場合、所定の個数の球を排出するパチンコ機100であって(【0009】、【0031】~【0033】、【0071】)、
b 主制御部300は、特図1始動口230へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タンでない場合、特図1当選乱数値と特図1乱数値を取得して、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ、特図1乱数値記憶領域に取得順に格納し、特図2始動口232へ入賞があった場合かつRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タンでない場合、特図2当選乱数値と特図2乱数値を取得して、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ、特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する入賞受付処理を行い(【0071】、【0082】~【0084】)、
c 主制御部300は、特図1および特図2の変動遊技を行っておらず、特図1および特図2の状態がいずれも非作動中であり、かつ保留している特図2変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図2乱数値記憶領域内の最先の特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値)内の特図2当選乱数値などに基づいて、大当りとするか、小当りとするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行う特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い、その後に、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を同様に行い(【0071】、【0110】、【0112】)、
d 主制御部300は、特図2の始動情報が増加しているか否かを判定し、増加した特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を、特図2関連抽選処理での当否判定処理よりも前に、特図2乱数値記憶領域から先読みし、先読みした特図2始動情報を用いて、当該始動情報に係る特図2変動遊技の停止図柄を、特図2関連抽選処理での当否判定処理よりも前に事前判定し、事前判定で得られた停止図柄情報を特図2用先読み結果記憶部に記憶する特図先読み処理を行い、その後、特図1についての特図先読み処理を同様に行い(【0126】、【0129】~【0132】、【0134】、【0135】)、
e 第2副制御部500は、先読み結果記憶部に記憶された停止図柄等の情報を含む先読み結果情報コマンドに基づき、特図変動遊技の保留数と同数表示される保留アイコンの表示態様を保留アイコン変更シナリオに基づいて変更する保留アイコン変更処理を含む保留アイコン表示制御処理を行い(【0117】、【0118】、【0189】、【0201】、【0209】、【0210】、【0215】)、
f 第2副制御部500は、保留アイコン表示制御処理において、保留アイコン表示態様抽選用テーブルを参照して、増加した保留についての保留アイコン変更シナリオを抽選で決定する保留アイコン変更シナリオ抽選処理を行い(【0201】、【0209】、【0211】)、
g 第2副制御部500は、保留アイコン表示制御処理の次に、保留が消化されて特図変動遊技が開始された後に、当該特図変動遊技に対応して表示される変動アイコンを表示する変動アイコン表示制御処理を行い(【0190】、【0201】、【0209】、【0220】)、
h 変動アイコン表示制御処理において、変動アイコンの表示態様の情報は、保留アイコン変更シナリオに含まれており、変動タイマが、当該変動の当否判定結果が当りである変動タイマ9、10、14、15、18~22である場合、変動アイコン表示態様として、白、青、赤、金が選択され得、「金」は大当り信頼度が100%の態様であり(【0218】、【0219】、【0424】、認定事項(18))、
i 変動タイマが、当該変動の当否判定結果がはずれである変動タイマ1~7、11~13、16、17である場合、変動アイコン表示態様として、金は選択されず(認定事項(19))、
j 保留アイコン902での先読み予告に基づく、保留アイコン902以外の保留アイコンによる先読み予告において、保留アイコン901、903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行され、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示され、これらの文字の表示が終了すると、保留アイコン902の変化アニメーションが実行され、保留アイコン902の表示態様が変更される(認定事項(20))、
l パチンコ機100(【0009】)。」
2 引用文献2記載の事項
引用文献2には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)
(1)「【0081】
第一実施形態のパチンコ機50は、常時入賞が可能な第1始動口11と、上述した普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞が可能となる第2始動口12が設けられており、第1,第2始動口11,12への入賞に起因して抽出された乱数による大当り抽選が行われる。そして、大当り抽選の際には、特図表示装置9にて特別図柄の変動表示が行われると共に、これらを停止表示することで大当り抽選の結果が報知される。また、これと並行して、演出図柄表示装置6の画面上で、演出図柄の変動表示させた後にこれらを停止表示させ、大当り抽選の結果を報知する擬似演出が行われる。」
(2)「【0084】
また、パチンコ機50では、保留図柄として複数の種類が設けられており、各種類の保留図柄は、対応する保留記憶が消化される直前に表示された場合における、該保留記憶により大当りとなる確率である信頼度が異なっている。そして、各種類の保留図柄を表示することで、対応する保留記憶により大当りとなる可能性の有無や、該可能性の大きさを示唆する保留予告演出が行われる。また、この保留予告演出の一つとして、一旦表示された保留図柄(一時図柄)を、他の種類の保留図柄(最終図柄)に変化させる変化演出が行われる。なお、この変化演出では、対応する保留記憶が消化されるまで最終図柄が表示され、最終図柄の種類により、該保留記憶により大当りとなる可能性の有無や、該可能性の大きさが示唆される。
【0085】
さらに、変化演出が行われる際には、一時図柄の種類が変化することを示唆する段階演出が行われると共に、変化演出が行われないいずれかの保留図柄に対しても、擬似的な段階演出が行われる。この段階演出には複数の態様が設けられており、抽選により、段階演出が行われる保留図柄の種類や、該保留図柄に対応する保留記憶により大当りとなるか否か等に応じた確率でこの態様が選択される。よって、遊技者には、変化演出が行われるか、或いは、保留図柄に対応する保留記憶が消化される直前になるまで、表示されている保留記憶が一時図柄であるのか最終図柄であるのかわからない。」
(3)「【0149】
S605では、サブ統合制御装置83は、受信した先読みコマンドにより先読み判定の結果が示される新たな保留記憶よりも先に生成された保留記憶(先行保留記憶)が存在しない場合には、抽選により、該先読みコマンドの種類に応じた確率で、後述する図17(b)に記載の保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1~3)の中から新たな保留記憶に対応して表示する保留図柄の種類を選択する。また、先行保留記憶が存在する場合には、抽選により、該先読みコマンドの種類に応じた確率で、後述する図17(b)に記載の保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1~3)の中から新たな保留記憶に対応して表示する保留図柄の種類を選択し(変化演出が行われる場合には該保留図柄が最終図柄となる)、S610に処理を移行する。
【0150】
S610では、サブ統合制御装置83は、先行保留記憶が存在する場合には、抽選により、選択された保留図柄(最終図柄)の種類と先読みコマンドの種類とに応じた確率で、新たな保留記憶についての変化演出を行うか否かを決定する。そして、変化演出を行う場合には(S610:Yes)、S615に処理を移行し、変化演出を行わない場合には(S610:No)、S630に処理を移行する。なお、先行保留記憶が存在しない場合には、必ず否定判定となり、S630に処理を移行する。」
(4)「【0167】
S750では、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6にて選択された態様の擬似的な段階演出を行い、本処理を終了する。
(8)変化演出や段階演出について
第一実施形態では、図17(a)に記載の表の「出現率」が示す確率で大当り抽選に当選する。また、擬似演出では、該表の「出現率」が示す確率で、SPリーチ(スーパーリーチ)や、リーチ(ノーマルリーチ)や、ハズレ(スーパーリーチやノーマルリーチとなること無く大当り抽選で外れること)が発生する。
【0168】
また、保留図柄の種類として、図17(b)の表に記載の通常保留図柄と、特別保留図柄1~3が設けられている。なお、特別保留図柄1~3は、炎を象った図柄となっているが、特別保留図柄1~3の炎の色は、それぞれ、黄色,赤色,青色となっている(図17(b)等では、色の違いを出すために、特別保留図柄の斜線の有無,方向を異ならせている)。」
(5)「【0173】
(b)2個目以降の保留記憶が生じた場合について
次に、2個目以降の保留記憶が生じた場合について説明する。
図18には、2個目以降の保留記憶が生じた場合に、該保留記憶に対応して行われる変化演出や段階演出等のパターン(演出パターン)を示す表が記載されている。
【0174】
該表における「一時→最終」という項目は、該保留記憶に対応して行われる演出パターンを示している。具体的には、該項目に対応する欄のうち、異なる種類の保留図柄が二つ並んで記載されている欄は、変化演出が行われることを示しており、該欄の左側には一時図柄が、右側には最終図柄が記載されている。
【0175】
一方、同一種類の保留図柄が二つ並んで記載されている欄は、2個目以降の保留記憶に対応して該欄に記載された保留図柄が表示され、変化演出が行われることなく、該保留記憶が消化されるまで該保留図柄が表示されることを示している。よって、正確に言うならば、左側は一時図柄ではなく最終図柄である。
【0176】
また、該欄における二つの保留図柄の間に記載された二重線の矢印は、変化演出に伴う段階演出や、変化演出が行われない場合の擬似的な段階演出が行われることを示し、これらの保留図柄の間に記載された単一線の矢印は、段階演出が行われないことを示している。
・・・
【0178】
また、該表の「出現率」は、2個目以降の保留記憶により「ハズレ」,「リーチ」,「SPリーチ」,「大当り」となる各場合において、該保留記憶に対応して各演出パターンが行われる確率を示している。
・・・
【0180】
なお、該表における“1~4”,“5~9”,“10~14”,“15~19”の各演出パターンに対応する「信頼度」は、保留記憶の消化直前に表示されている保留図柄の種類に応じて、凡その大当りの信頼度が決まることを示している。具体的には、各種類の保留図柄が消化直前に表示された場合には、通常保留図柄,特別保留図柄1,特別保留図柄2,特別保留図柄3の順位で信頼度が高くなる。」
(6)「【0229】
[他の実施形態]
(1)第一,第二実施形態では、昇格となる変化演出が行われる場合にも必ず段階演出が行われるが、段階演出を行うことなく昇格となる変化演出が行われるという演出パターンを設けても良い。このような演出パターンを設けた場合であっても、同様の効果を得ることができる。」
(7)「【図17】
」
(8)「【図18】
」
(9)【0167】には、「図17(a)に記載の表の「出現率」が示す確率で大当り抽選に当選する。また、擬似演出では、該表の「出現率」が示す確率で、SPリーチ(スーパーリーチ)や、リーチ(ノーマルリーチ)や、ハズレ(スーパーリーチやノーマルリーチとなること無く大当り抽選で外れること)が発生する。」と記載されている。
また、図17(a)には、「当否結果」が「ハズレ」、「リーチ」、「SPリーチ」、「大当り」のときの「出現率」が、それぞれ、「279/300」、「15/300」、「5/300」、「1/300」であることが記載されている。
よって、引用文献2には、「大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の出現率は279/300であり、「リーチ」の出現率は15/300であり、「SPリーチ」の出現率は5/300であり、「大当り」の出現率は1/300である」ことが示されていると認められる。
(10)【0168】には、「保留図柄の種類として、図17(b)の表に記載の通常保留図柄と、特別保留図柄1~3が設けられている」と記載され、図17(b)には、通常保留図柄と、特別保留図柄1~3の「保留図柄名」と「図柄」の対応関係が示されている。
また、【0173】には、「図18には、2個目以降の保留記憶が生じた場合に、該保留記憶に対応して行われる変化演出や段階演出等のパターン(演出パターン)を示す表が記載されている」と、【0174】には、「異なる種類の保留図柄が二つ並んで記載されている欄は、変化演出が行われることを示しており、該欄の左側には一時図柄が、右側には最終図柄が記載されている」と、【0175】には、「同一種類の保留図柄が二つ並んで記載されている欄は、2個目以降の保留記憶に対応して該欄に記載された保留図柄が表示され、変化演出が行われることなく、該保留記憶が消化されるまで該保留図柄が表示されることを示している」と、【0176】には、「二つの保留図柄の間に記載された二重線の矢印は、変化演出に伴う段階演出や、変化演出が行われない場合の擬似的な段階演出が行われることを示し、これらの保留図柄の間に記載された単一線の矢印は、段階演出が行われないことを示している」と、【0178】には、「該表の「出現率」は、2個目以降の保留記憶により「ハズレ」,「リーチ」,「SPリーチ」,「大当り」となる各場合において、該保留記憶に対応して各演出パターンが行われる確率を示している」と、それぞれ、記載されている。
また、【0180】には「該表における“1~4”,“5~9”,“10~14”,“15~19”の各演出パターン」と記載されている。
これらの記載と、図18の記載から、引用文献2には、「一時図柄が「通常保留図柄」であって、「段階演出無」である、演出パターン1の出現率は、大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の場合、190/200であり、「リーチ」の場合、130/200であり、「SPリーチ」の場合、120/200であり、「大当り」の場合、100/200であり、一時図柄が「通常保留図柄」であって、「段階演出有」である、演出パターン5の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、11/200であり、「SPリーチ」の場合、7/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、一時図柄が「通常保留図柄」であって、「段階演出有」である、演出パターン10の出現率は、大当り抽選の当否結果が「SPリーチ」の場合、12/200であり、「大当り」の場合、10/200であり、一時図柄が「通常保留図柄」であって、「段階演出有」である、演出パターン15の出現率は、大当り抽選の当否結果が「大当り」の場合、4/200である」ことが示されていると認められる。
(11)上記(10)と同様に、引用文献2には、「一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出有」である、演出パターン2の出現率は、大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の場合、4/200であり、「リーチ」の場合、8/200であり、「SPリーチ」の場合、4/200であり、「大当り」の場合、2/200であり、一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出無」である、演出パターン6の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、12/200であり、「SPリーチ」の場合、8/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出有」である、演出パターン7の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、8/200であり、「SPリーチ」の場合、4/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出有」である、演出パターン11の出現率は、大当り抽選の当否結果が「SPリーチ」の場合、10/200であり、「大当り」の場合、10/200であり、一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出有」である、演出パターン16の出現率は、大当り抽選の当否結果が「大当り」の場合、4/200である」ことが示されていると認められる。
上記(1)~(8)の記載事項、(9)~(11)の認定事項からみて、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2記載の事項」という。)が記載されている(e~lは、本願発明の分説に対応させて当審で付した。)。
「e 先読みコマンドの種類に応じた確率で、一旦表示された保留図柄(一時図柄)を、他の種類の保留図柄(最終図柄)に変化させる変化演出を行うか否かを決定するサブ統合制御装置83を(【0084】、【0149】、【0150】)、備え、
j 変化演出が行われる際には、一時図柄の種類が変化することを示唆する段階演出が行われると共に、変化演出が行われないいずれかの保留図柄に対しても、擬似的な段階演出が行われ、段階演出を行うことなく変化演出が行われるという演出パターンも設けられ(【0085】、【0229】)、
k 大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の出現率は279/300であり、「リーチ」の出現率は15/300であり、「SPリーチ」の出現率は5/300であり、「大当り」の出現率は1/300であり、
一時図柄が「通常保留図柄」であって、「段階演出無」である、演出パターン1の出現率は、大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の場合、190/200であり、「リーチ」の場合、130/200であり、「SPリーチ」の場合、120/200であり、「大当り」の場合、100/200であり、一時図柄が「通常保留図柄」であって、「段階演出有」である、演出パターン5の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、11/200であり、「SPリーチ」の場合、7/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、一時図柄が「通常保留図柄」であって、「段階演出有」である、演出パターン10の出現率は、大当り抽選の当否結果が「SPリーチ」の場合、12/200であり、「大当り」の場合、10/200であり、一時図柄が「通常保留図柄」であって、「段階演出有」である、演出パターン15の出現率は、大当り抽選の当否結果が「大当り」の場合、4/200であり、
一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出有」である、演出パターン2の出現率は、大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の場合、4/200であり、「リーチ」の場合、8/200であり、「SPリーチ」の場合、4/200であり、「大当り」の場合、2/200であり、一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出無」である、演出パターン6の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、12/200であり、「SPリーチ」の場合、8/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出有」である、演出パターン7の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、8/200であり、「SPリーチ」の場合、4/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出有」である、演出パターン11の出現率は、大当り抽選の当否結果が「SPリーチ」の場合、10/200であり、「大当り」の場合、10/200であり、一時図柄が「特別保留図柄1」であって、「段階演出有」である、演出パターン16の出現率は、大当り抽選の当否結果が「大当り」の場合、4/200である(認定事項(9)~(11)、
l パチンコ機50(【0081】)。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)~(l)とし、本願発明、引用発明の分説に対応させている。
(a、l)引用発明の「特図1表示装置212による特図変動遊技または特図2表示装置214による特図変動遊技を開始」すること、「特図変動遊技に当選した場合には、大入賞口(可変入賞口234、235)を所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、入球を検出した場合、所定の個数の球を排出する」こと、及び、「パチンコ機100」は、それぞれ、本願発明の「可変表示を実行」すること、「有利状態に制御可能」であること、及び、「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の構成a、lは、それぞれ、本願発明の構成A、Lに相当する。
(b)引用発明の「特図1当選乱数値と特図1乱数値」及び「特図2当選乱数値と特図2乱数値」は、本願発明の「可変表示に関する情報」に相当する。
そして、引用発明の「特図1当選乱数値と特図1乱数値」及び「特図2当選乱数値と特図2乱数値」は、「特図1始動口230へ入賞があった場合」及び「特図2始動口232へ入賞があった場合」に取得されるものであるから、本願発明の「未だ開始条件の成立していない」「可変表示に関する情報」に相当する。
また、引用発明の構成bにおいて、「特図1当選乱数値と特図1乱数値」は、「特図1乱数値記憶領域に取得順に格納」され、「特図2当選乱数値と特図2乱数値」は、「特図2乱数値記憶領域に取得順に格納」されることから、引用発明の「主制御部300」は、本願発明の「保留記憶手段」の機能を備えるものである。
よって、引用発明は、本願発明の構成Bを具備する。
(c)引用発明の「特図1および特図2の変動遊技を行っておらず、特図1および特図2の状態がいずれも非作動中であり、かつ保留している特図2変動遊技の数が1以上であることを開始条件と」することは、本願発明の「開始条件が成立したとき」に相当する。
上記(b)より、引用発明の「特図2乱数値記憶領域内の」「特図2当選乱数値」は、本願発明の「前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶」に相当する。
そして、引用発明の「大当りとするか、小当りとするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行う特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行う」ことは、本願発明の「有利状態に制御するかを決定する」ことに相当するから、引用発明の「主制御部300」は、本願発明の「事前決定手段」の機能を備えるものである。
よって、引用発明は、本願発明の構成Cを具備する。
(d)上記(c)での検討を踏まえると、引用発明の「特図2関連抽選処理での当否判定処理よりも前」は、本願発明の「前記事前決定手段による決定の前」に相当する。
そうすると、引用発明の「増加した特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を、特図2関連抽選処理での当否判定処理よりも前に、特図2乱数値記憶領域から先読みし、先読みした特図2始動情報を用いて、当該始動情報に係る特図2変動遊技の停止図柄を、特図2関連抽選処理での当否判定処理よりも前に事前判定」することは、本願発明の「前記事前決定手段による決定の前に、前記有利状態に制御されるかを判定する」ことに相当するから、引用発明の「主制御部300」は、本願発明の「先読み判定手段」の機能を備えるものである。
よって、引用発明は、本願発明の構成Dを具備する。
(e)引用発明の「先読み結果記憶部に記憶された停止図柄等の情報を含む先読み結果情報コマンドに基づ」くことは、本願発明の「前記先読み判定手段の判定結果にもとづ」くことに相当する。
そして、引用発明の「特図変動遊技の保留数と同数表示される保留アイコンの表示態様を保留アイコン変更シナリオに基づいて変更する保留アイコン変更処理を含む保留アイコン表示制御処理を行う」ことは、本願発明の「前記保留記憶に対応して表示される保留表示の表示態様を変化させるための保留変化演出を実行」することに相当するから、引用発明の「第2副制御部500」は、本願発明の「変化演出実行手段」の機能を備えるものである。
よって、引用発明は、本願発明の構成Eを具備する。
(f)上記(e)より、引用発明の「保留アイコン表示制御処理」を行う「第2副制御部500」は、本願発明の「変化演出実行手段」の機能を備えるものである。
そして、引用発明の「保留アイコン表示態様抽選用テーブルを参照して、増加した保留についての保留アイコン変更シナリオを抽選で決定する保留アイコン変更シナリオ抽選処理を行う」ことは、本願発明の「前記保留変化演出の態様を決定する」ことに相当するから、引用発明の「第2副制御部500」は、本願発明の「変化態様決定手段」の機能を備えるものである。
よって、引用発明は、本願発明の構成Fを具備する。
(g)上記(e)より、引用発明の「保留アイコン表示制御処理を行う」ことは、本願発明の「保留変化演出を実行」することに相当する。
そして、引用発明の「保留が消化されて特図変動遊技が開始された後に、当該特図変動遊技に対応して表示される変動アイコンを表示する変動アイコン表示制御処理」は、「保留アイコン表示制御処理の次に」行われるものであるから、本願発明の「実行された前記保留変化演出に連続して」「実行可能な」「最終段階演出」に相当する。
そうすると、引用発明の「変動アイコン表示制御処理を行う第2副制御部500」は、本願発明の「最終段階演出実行手段」の機能を備えるといえる。
よって、引用発明は、本願発明の構成Gを具備する。
(h)引用発明の構成e、fより、「保留アイコン変更シナリオ」は、「先読み結果情報コマンドに基づき」決定されるものであるから、「保留アイコン変更シナリオに含まれ」ている「変動アイコンの表示態様の情報」も「先読み決定情報コマンドに基づき」決定されているといえる。
そうすると、引用発明の「当該変動の当否判定結果が当りである」「場合」は、本願発明の「前記先読み判定手段によって前記有利状態に制御されると判定された場合」に相当するといえる。
そして、引用発明は「変動タイマが、当該変動の当否判定結果が当りである」「場合、変動アイコン表示態様として、白、青、赤、金が選択され得、「金」は大当り信頼度が100%の態様であ」り、ここで、「大当り信頼度が100%の態様であ」る「「金」」は、本願発明の「特別態様」に相当するといえるから、引用発明の「変動アイコン表示態様として、白、青、赤、金が選択され得、「金」は大当り信頼度が100%の態様であ」ることは、本願発明の「特別態様を含む複数の演出態様のうちいずれかの前記最終段階演出を実行可能であ」ることに相当する。
また、引用発明の構成gから、「変動アイコン表示制御処理」は、「保留アイコン表示制御処理の次に」行われることから、引用発明の「変動タイマが、当該変動の当否判定結果が当りである変動タイマ9、10、14、15、18~22である場合、変動アイコン表示態様として、白、青、赤、金が選択され得、「金」は大当り信頼度が100%の態様であ」る「変動アイコン表示制御処理」は、本願発明の「実行された前記保留変化演出に連続して特別態様を含む複数の演出態様のうちいずれかの前記最終段階演出」に相当する。
よって、引用発明の構成hは、本願発明の構成Hに相当する。
(i)上記(h)での検討を踏まえると、引用発明の「変動タイマが、当該変動の当否判定結果がはずれである」「場合」は、本願発明の「前記先読み判定手段によって前記有利状態に制御されないと判定された場合」に相当する。
そして、引用発明の「変動アイコン表示態様」である「金」は、本願発明の「特別態様」に相当するから、引用発明の「変動アイコン表示態様として、金は選択」しないことは、本願発明の「前記特別態様の前記最終段階演出の実行を制限」することに相当する。
よって、引用発明の構成iは、本願発明の構成Iに相当する。
(j)引用発明の「保留アイコン902での先読み予告」は、「保留アイコン902の表示態様が 変更される」ことから、本願発明の「保留変化演出」に相当する。
そして、引用発明は「保留アイコン902以外の保留アイコンによる先読み予告において、保留アイコン901、903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行され、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示され、これらの文字の表示が終了すると」、「保留アイコン902の表示態様が変更される」のであるから、引用発明の「保留アイコン902以外の保留アイコンによる先読み予告において、保留アイコン901、903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行され、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示され、これらの文字の表示が終了する」ことは、「保留アイコン902の表示態様が変更される」ことを示唆するものであり、本願発明の「保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出」に相当する。
また、引用発明の「保留アイコン902の表示態様が変更」することは、本願発明の「保留表示の表示態様が変化する」ことに相当する。
よって、引用発明は、本願発明の構成Jと、「前記保留変化演出の態様として、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が実行されて保留表示の表示態様が変化する態様」がある点で共通する。
したがって、本願発明と引用発明とは、
「A 可変表示を実行し、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 未だ開始条件の成立していない可変表示に関する情報を保留記憶として記憶する保留記憶手段と、
C 開始条件が成立したときに、前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶にもとづいて、前記有利状態に制御するかを決定する事前決定手段と、
D 前記事前決定手段による決定の前に、前記有利状態に制御されるかを判定する先読み判定手段と、
E 前記先読み判定手段の判定結果にもとづいて、少なくとも前記保留記憶に対応して表示される保留表示の表示態様を変化させるための保留変化演出を実行可能な変化演出実行手段と、
F 前記変化演出実行手段により実行される前記保留変化演出の態様を決定する変化態様決定手段と、
G 実行された前記保留変化演出に連続して、最終段階演出を実行可能な最終段階演出実行手段と、を備え、
H 前記最終段階演出実行手段は、前記先読み判定手段によって前記有利状態に制御されると判定された場合、実行された前記保留変化演出に連続して特別態様を含む複数の演出態様のうちいずれかの前記最終段階演出を実行可能であり、
I 前記先読み判定手段によって前記有利状態に制御されないと判定された場合、前記特別態様の前記最終段階演出の実行を制限し、
J’前記保留変化演出の態様として、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が実行されて保留表示の表示態様が変化する態様がある、
L 遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1](構成J)
本願発明は、前記保留変化演出の態様として、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が実行されて保留表示の表示態様が変化する態様(以下「態様1」という。)と、前記示唆演出が実行されて保留表示の表示態様が変化しない態様(以下「態様2」という。)と、前記示唆演出が実行されることなく保留表示の表示態様が変化する態様(以下「態様3」という。)があるのに対し、引用発明は、本願発明の態様1に相当する保留アイコン902での先読み予告に基づく、保留アイコン902以外の保留アイコンによる先読み予告において、保留アイコン901、903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行され、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示され、これらの文字の表示が終了すると、保留アイコン902の変化アニメーションが実行され、保留アイコン902の表示態様が変更される構成は備えるものの、本願発明の態様2及び態様3に相当する構成を備えていない点。
[相違点2](構成K)
本願発明は、保留表示の表示態様が特殊態様であるときに、前記示唆演出を実行し易いのに対し、引用発明では、このような特定がなされていない点。
第6 判断
上記相違点について検討する。
1 相違点1について
引用文献2記載の事項の「変化演出」は、「先読みコマンドの種類に応じた確率で、一旦表示された保留図柄(一時図柄)を、他の種類の保留図柄(最終図柄)に変化させる」演出であるから、本願発明の「保留変化演出」に相当する。
そして、引用文献2記載の事項の「段階演出」は、「一時図柄の種類が変化することを示唆する」演出であるから、本願発明の「示唆演出」に相当する。
そうすると、引用文献2記載の事項の「一時図柄の種類が変化することを示唆する段階演出が行われ」て「変化演出が行われる」ことは、本願発明の「保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が実行されて保留表示の表示態様が変化する」ことに相当する(態様1)。
また、引用文献2記載の事項において、「擬似的な段階演出」が行われても「変化演出」は「行われない」「演出パターン」があるから、引用文献2記載の事項の「擬似的な段階演出が行われ」ても「保留図柄」の「変化演出が行われない」ことは、本願発明の「前記示唆演出が実行されて保留表示の表示態様が変化しない」ことに相当する(態様2)。
さらに、引用文献2記載の事項の「段階演出を行うことなく変化演出が行われる」ことは、本願発明の「前記示唆演出が実行されることなく保留表示の表示態様が変化する」ことに相当する(態様3)。
したがって、引用文献2記載の事項は、本願発明の構成Jを備えているといえる。
そして、上記「第5 対比」の(j)で検討したように、引用発明の「保留アイコン902以外の保留アイコンによる先読み予告において、保留アイコン901、903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行され、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示され、これらの文字の表示が終了する」ことは、「保留アイコン902の表示態様が変更され」ることを示唆する「示唆演出」といえる。
そうすると、引用発明と引用文献2記載の事項は、いずれも保留変化演出と、保留変化についての示唆演出を行う遊技機である点で技術分野が共通し、また、保留表示を用いた予告に伴う期待感によって遊技者の興趣を向上させるという課題も共通するものであるから、引用発明の当該「示唆演出」に、引用文献2記載の事項の「段階演出」を適用して、「保留アイコン901、903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行され、演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示され」て、保留アイコン902の表示態様が変更する態様(態様1)や変更しない態様(態様2)を設けたり、「保留アイコン901、903、904では、一定の周期で左右をキョロキョロする待機アニメーションが実行され」ず、「演出表示領域208dには、「ワイワイ」、「ガヤガヤ」、「なんだなんだ」、「どうした?」等の文字が表示され」なくても、保留アイコン902の表示態様が変更する態様(態様3)を設けて、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
2 相違点2について
引用文献2記載の事項において、一時図柄として「通常保留図柄」が表示されたときに「段階演出」が行われる確率(すなわち、演出パターン1、5、10、15の出現率の和に対する、演出パターン5、10、15の出現率の割合)は、(リーチの出現率×リーチ時の演出パターン5の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン5の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン5の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン10の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン10の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン15の出現率)/(ハズレの出現率×ハズレ時の演出パターン1の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン1の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン1の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン1の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン5の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン5の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン5の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン10の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン10の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン15の出現率)=(15/300×11/200+5/300×7/200+1/300×4/200+5/300×12/200+1/300×10/200+1/300×4/200)/(279/300×190/200+15/300×130/200+5/300×120/200+1/300×100/200+15/300×11/200+5/300×7/200+1/300×4/200+5/300×12/200+1/300×10/200+1/300×4/200)=278/55938≒0.005であり、一時図柄として「特別保留図柄1」が表示されたときに「段階演出」が行われる確率(すなわち、演出パターン2、6、7、11、16の出現率の和に対する、演出パターン2、7、11、16の出現率の割合)は、(ハズレの出現率×ハズレ時の演出パターン2の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン2の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン2の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン2の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン7の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン7の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン7の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン11の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン11の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン16の出現率)/(ハズレの出現率×ハズレ時の演出パターン2の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン2の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン2の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン2の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン6の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン6の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン6の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン7の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン7の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン7の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン11の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン11の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン16の出現率)=(279/300×4/200+15/300×8/200+5/300×4/200+1/300×2/200+15/300×8/200+5/300×4/200+1/300×4/200+5/300×10/200+1/300×10/200+1/300×4/200)/(279/300×4/200+15/300×8/200+5/300×4/200+1/300×2/200+15/300×12/200+5/300×8/200+1/300×4/200+15/300×8/200+5/300×4/200+1/300×4/200+5/300×10/200+1/300×10/200+1/300×4/200)=1466/1690≒0.87である。
そうすると、引用文献2記載の事項において、「一時図柄として「通常保留図柄」が表示されたときに「段階演出」が行われる確率」が0.005であるのに対して、「一時図柄として「特別保留図柄1」が表示されたときに「段階演出」が行われる確率」が0.87であることから、引用文献2記載の事項は、一時図柄として「特別保留図柄1」が表示されたときに、高い確率で「段階演出」が行われるといえる。
ここで、引用文献2記載の事項の「段階演出」が、本願発明の「示唆演出」に相当することは、上記「1 相違点1について」で説示したとおりである。
また、引用文献2記載の事項の「特別保留図柄1」は「通常保留図柄」とは異なる図柄であるから、本願発明の「特殊態様」の「保留表示」に相当するといえる。
よって、引用文献2記載の事項は、「保留表示の表示態様が特殊態様であるときに、前記示唆演出を実行し易い」という、上記相違点2に係る本願発明の構成を備えるものである。
また、引用文献2記載の事項において、「特別保留図柄1」を、本願発明の「特殊態様」の「保留表示」に相当するとして、「一時図柄として「通常保留図柄」が表示されたときに「段階演出」が行われる確率」と「一時図柄として「特別保留図柄1」が表示されたときに「段階演出」が行われる確率」を比較したが、「特別保留図柄2」または「特別保留図柄3」、あるいは、「特別保留図柄1」、「特別保留図柄2」、「特別保留図柄3」の全てのいずれを本願発明の「特殊態様」の「保留表示」に相当するとしても同様の結果が得られることは、図17(a)、図18から算出することにより明らかである。
そして、引用発明も、引用文献2記載の事項も、保留の表示態様を複数備え、表示態様が変化するときに示唆演出を行う遊技機である点で技術分野が共通し、また、示唆演出を発生させることで遊技者の期待感を向上させるという課題も共通するものであるから、引用発明に引用文献2記載の事項を適用して、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
3 本願発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果、引用文献2記載の事項の奏する効果から、予測することができた程度のものである。
第7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-010545