特許拒絶査定不服審判
2019-006065
画像形成装置及び制御方法
- 審判番号
- 2019-006065
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-076620外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年05月10日
- 審決日
- 2020年10月13日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (B41J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017- 76620「画像形成装置及び制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月 3日出願公開、特開2017-132261〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
本願は、平成25年3月28日を出願日とする特願2013-69300号の一部を平成29年4月7日に新たな出願としたものであって、平成30年1月26日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月28日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年8月2日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月17日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成31年1月31日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、令和1年5月10日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成30年10月17日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、本願発明は以下のとおりである。
「【請求項1】
画像データに基づいて画像を印刷する印刷処理が行われる前に、前記画像データに基づいて前記画像を表示装置にプレビュー表示させる画像形成装置において、
編集を所望する画像に対してタッチ操作によるジェスチャ動作を行うことにより、編集対象画像を指定し、前記編集対象画像に対する編集を実行する機能であって、
前記表示装置に複数ページが表示された状態で、前記複数ページの画像のうちのページ集約を行なう複数の画像に対して、利用者のピンチイン操作による入力操作よりページ集約を行う画像を指定するページ集約指定機能と、
前記ページ集約指定機能によりページ集約が行われた画像を、元の画像の用紙サイズに縮小して表示する表示機能と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。」
ここで、「ページ集約が行われた画像を、元の画像の用紙サイズに縮小して表示する」とは、明細書の段落【0041】の記載及び図3(b)を参酌すれば、ページ集約が行われた画像を、元の画像の用紙サイズに合せて縮小して表示することと解される。
3 原査定の拒絶の理由
原査定の理由のうち、請求項1に係る拒絶の理由の概略は、以下のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・米国特許出願公開第2012/0096378号明細書(以下、「引用文献1」という。)
・米国特許出願公開第2012/0086652号明細書(以下、「引用文献2」という。)
・特開2012-106453号公報(周知技術を示す文献、以下、「引用文献3」という。)
・特開2005-246683号公報(周知技術を示す文献、以下、「引用文献4」という。)
4 引用文献の記載
(1)引用文献1について
引用文献1には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。また、括弧内の訳文は当審が作成した。)。
「[0002] Embodiments described herein relate to a technique for allocating a plurality of page images to one page.」
([0002]本明細書に記載の実施形態は、1つのページに複数のページの画像を割り当てるための技術に関連する。)
「[0071] FIG.4 is a flowchart illustrating the flow of a general process in the display control device 1.」
([0071]図4は、表示制御装置1の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。)
「[0072] The processor 801 acquires page images to be printed (ACT 101). Here, the page images may be acquired by scanning images of an original document in the image processing apparatus Q, may be acquired by receiving the images as image data via a network, or may be acquired from a portable recording medium such as a USE(当審注:「USE」は「USB」の誤記と認められる。) memory or an SD card. The processor 801 stores the image data of the page images acquired in the above-described way in, for example, the HDD 804.」
([0072]プロセッサ801は、印刷すべきページ画像を取得する(ACT 101)。ここでは、ページ画像は、画像処理装置Qにおいて、原稿の画像をスキャンすることによって取得してもよいし、ネットワークを介して画像データとして画像を受信することにより取得してもよいし、USBメモリやSDカードなどの可搬性の記録媒体から取得してもよい。プロセッサ801は、例えば、HDD804に上記のようにして取得されたページ画像の画像データを記憶する。)
「[0073] Subsequently, the processor 801 transmits the image data of the page images acquired in the above-described way to the touch panel display 805, when the user inputs an instruction to request printing setting on the touch panel display 805.」
([0073]続いて、ユーザが、タッチパネルディスプレイ805上で印刷設定を要求する指示が入力された場合、プロセッサ801は、上記したようにして取得されたページ画像の画像データをタッチパネルディスプレイ805に送信する。)
「[0074] Based on the input operation of the user on the touch panel display 805, the processor 801 receives the printing setting of the printing which is based on the acquired image data (ACT 102).」
([0074]タッチパネルディスプレイ805におけるユーザの入力操作に基づいて、プロセッサ801は、取得した画像データに基づく印刷の印刷設定を受け付ける(ACT 102)。)
「[0075] Based on the printing setting received in the above-described way, the processor 801 supplies sheets from the sheet storage unit to the printing unit P (ACT 103).」
([0075]以上のようにして、受信した印刷設定に基づいて、プロセッサ801は、用紙収納部から印刷部Pに用紙を供給する(ACT 103)。)
「[0076] The processor 801 allows the printing unit P to print the acquired image data based on the printing setting (ACT 104).」
([0076]プロセッサ801は、印刷部Pが印刷設定に基づいて、取得した画像データを印刷することを可能にする(ACT 104)。)
「[0077] The processor 801 allows the printing unit P to discharge the sheet subjected to the printing out of the image processing apparatus Q (ACT 105).」
([0077]プロセッサ801は、印刷部Pが画像処理装置Qから印刷が行われた用紙を排出することを可能にする(ACT 105)。)
「[0080] First, the processor 801 allows the touch panel display 805 to display the printing setting screens shown in FIG.6 when receiving the printing setting. In the example shown in FIG.6, five objects O1 to O5 to be displayed, which correspond to five page images to be printed are displayed on the screen. The user operates the touch panel display to execute various kinds of printing setting on the screen shown in FIG.6 and presses down a printing execution button b to execute the printing in accordance with the desired printing setting. Here, for example, the objects O1 to O5 to be displayed are thumbnail images.」
([0080]プロセッサ801は、まず、印刷設定を受け付けるときに、タッチパネルディスプレイ805に、図6に示す印刷設定画面を表示する。図6に示す例では、印刷される5ページ分の画像に対応して表示される5個のオブジェクトO1~O5が、画面上に表示される。ユーザは、タッチパネルディスプレイを操作して、図6に示される画面上で各種の印刷設定を実行し、印刷実行ボタンb1を押下することにより所望の印刷設定に基づいて印刷を実行する。ここで、例えば、表示されるオブジェクトO1~O5はサムネイル画像である。)
「[0081] FIG.7 is a diagram illustrating a data table indicating a correspondence relationship between the objects O1 to O5 to be displayed in FIG. 6 and page images P1 to P5 which correspond to the objects O1 to O5 to be displayed, respectively. The data table shown in FIG.7 is stored in, for example, the HDD 804.」
([0081]図7は、図6に表示させるオブジェクトO1~O5との対応関係を示すデータテーブルを示した図であり、表示しようとするオブジェクトO1~O5にそれぞれ対応するページ画像P1~P5である。図7に示すデータテーブルは、例えば、ハードディスクドライブ804に格納されている。)
「[0082] Regions A1 to A5 can correspond to the plurality of objects O1 to O5 to be displayed. The regions A1 to A5 are each a region (which is a region surrounded by a dotted line shown in FIG. 6) which includes each object to be displayed. In the example shown in FIG. 6, the regions A1 to A5 are not normally displayed on a screen. Of course, the regions A1 to A5 may be temporarily displayed when the user selects the object to be displayed.」
([0082]領域A1~A5は、表示される複数のオブジェクトO1~O5に対応することができる。領域A1~A5は、表示される各オブジェクトを含む領域(図6の破線で囲まれた領域)である。図6に示す例では、領域A1~A5は通常は画面上には表示されない。もちろん、ユーザが表示されるオブジェクトを選択するとき、領域A1~A5が一時的に表示されてもよい。)
「[0087] First, the processor 801 detects a pressed location of the user on the touch panel display 805 (ACT 201).」
([0087]まず、プロセッサ801は、タッチパネルディスプレイ805上のユーザの押圧位置を検出する(ACT 201)。)
「[0088] Subsequently, the processor 801 determines whether the pressed location is a region corresponding to one of the plurality of objects O1 to O5 to be displayed (ACT 202). When the pressed location is the region corresponding to one of the objects to be displayed, detecting a continuous releasing location starts.」
([0088]この後、プロセッサ801は、押圧位置が、表示されているオブジェクトO1~O5のうちの1つに対応する領域であるか否かを判定する(ACT 202)。押圧位置が表示されているオブジェクトのうちの一つに対応する領域である場合、連続的なリリース位置検出を開始する。)
「[0090] Until releasing (separating the finger of the user or the stylus pen from the touch panel display 805) the processor 801 moves and displays the object to be displayed with the movement of the pressed location (ACT 203).」
([0090](ユーザの指やスタイラスペンをタッチパネルディスプレイ805から離す)リリースするまで、プロセッサ801は、押圧位置の移動に伴って表示されるオブジェクトを移動表示する(ACT 203)。)
「[0091] The processor 801 detects the releasing position of the moved object to be moved (ACT 204). When the releasing position is not the region corresponding to one of the objects to be displayed (Yes in ACT 205), the processor 801 cancels the movement display of the object to be displayed and displays a state (for example, the state shown in FIG. 6) of the original location (ACT 209).」
([0091]プロセッサ801は、移動させられたオブジェクトのリリース位置を検出する(ACT 204)。リリース位置が表示されるオブジェクトの一つに対応する領域でない場合(ACT205でYes)、プロセッサ801は、表示されるオブジェクトの移動表示を解除して、元の位置の状態(例えば、図6に示される状態)を表示する(ACT 209)。)
「[0092] On the other hand, when the region (for example, the region A1) at which the releasing position of the object to be moved corresponds to one of the objects to be displayed is designated as the movement destination (No in ACT 205), the processor 801 additionally allocates and displays the page image (for example, the page image P2) corresponding to this object (for example, the object O1 to be displayed) to be moved to the object (for example, the region A1) to be displayed <当審注:図9を参照すれば、「(for example, the object O1 to be displayed) to be moved to the object (for example, the region A1)」は、「(for example, the object O2 to be displayed) to be moved to the page image (for example, the page image P1) corresponding to the object (for example, the object O1) 」の誤記と認められる> to be displayed, which correspond to the region (for example, the region A1) selected as the movement destination by the releasing (ACT 206 and ACT 207) (for example, see FIG.9). FIG.10 is a diagram illustrating an example of a data table stored in the HDD 804 in the state shown in FIG.9.」
([0092]一方、移動されるオブジェクトのリリース位置が、表示されるオブジェクトのうちの1つに対応する領域(例えば、領域A1)を移動先として指定した場合(ACT205でNo)、プロセッサ801は、移動されるこのオブジェクト(例えば、表示されるオブジェクトO2)に対応するページ画像(例えば、ページ画像P2)を、リリースによって移動先として選択されたオブジェクト(例えば、オブジェクトO1)に対応するページ画像(例えば、ページ画像P1)に、追加的に割り当てて表示する(ACT206及びACT207)(例えば、図9)。図10は、図9に示される状態において、ハードディスクドライブ(HDD)804に格納されているデータテーブルの一例を示す図である。)
「[0093] In the example shown in FIG.9, the allocation number of page images per page determined by operating the displayed objects is applied to all the pages, but the invention is not limited thereto. For example, in the example shown in FIG.8, only the page images P1 and P2 are displayed as a 2 in 1 image and the other page images remain as 1 in 1 images.」
([0093]図9に示す例では、表示されるオブジェクトに対する操作により決定されたページ毎のページ画像の割り当て数は、全てのページに適用されるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示す例では、ページ画像P1及びP2のみが、2in1画像として表示され、他のページ画像は1in1画像のままである。)
「[0105] When such allocation is set and then the processor detects pressing of the printing execution button 805b of the user, the printing is performed in the allocation setting.」
([0105]このような割り当てが設定され、次に、プロセッサが、ユーザの印刷実行ボタン805bの押圧を検出すると、その割り当設定で印刷が行われる。)
「[0110] Next, other exemplary embodiments will be described.」
([0110]次に他の実施形態について説明する。)
「[0111] In the above-described exemplary embodiment, a setting method of allocating a plurality of page images on one surface of a single page was described. In an exemplary embodiment, a setting method of allocating page images to the front surface and the rear surface of a single page will be described.」
([0111]上述した例示的な実施形態では、単一のページの一方の面に複数のページの画像を割り当てる設定方法について説明した。例示的な実施形態では、単一のページの表面と裏面にページ画像を割り当てる設定方法について説明する。
「[0112] First, double-side allocation setting based on two display state of 1 in 1 images will be described.」
([0112]まず、2つの1in1画像の表示状態に基づく、両面割り当て設定について説明する。)
「[0113] For example, when the user operates the touch panel display 805 to simultaneously select two objects O2 and O3 to be displayed and to move and draw both of the objects to be mutually moved so that the movement destination of one of the two objects to be displayed becomes the other object to be moved, as shown in FIG.17, the processor 801 displays a double-side allocation image being in a state where one object to be moved can be allocated to the front surface of a single sheet and the other object to be moved can be allocated to the rear surface of the single sheet (FIG.18).」
([0113]例えば、ユーザは、タッチパネルディスプレイ805を操作して、表示される2個のオブジェクトO2及びO3を同時に選択し、図17に示すように、表示される2個のオブジェクトの一方の移動先が、移動される他方のオブジェクトになるように、オブジェクトの両方を相互に移動させて引き込むと、プロセッサ801は、移動される一方のオブジェクトが単一用紙の前面に割り当てられ、他方のオブジェクトが単一用紙の裏面に割り当てられるような状態で両面割り当て画像を表示する(図18)。)
「[0114] In this way, the processor 801 displays the double-side allocation image being in the state where the objects to be displayed, which correspond to the page images on both surfaces of a single sheet.」
([0114]このようにして、プロセッサ801は、表示される2つのオブジェクトが、単一用紙の両面のページ画像に対応する状態で、両面割り当て画像を表示する。)
「[0124] While certain embodiments have been described, these embodiments have been presented by way of example only, and are not intended to limit the scope of invention. Indeed, the novel apparatus and methods described herein may be embodied in a variety of other forms; furthermore, various omissions, substitutions and changes in the form of the apparatus and methods described herein may be made without departing from the spirit of the inventions. The accompanying claims and their equivalents are intended to cover such forms or modifications as would fall within the scope and spirit of the inventions.」
([0124]特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は、例として提示したものにすぎず、発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際、ここにおいて述べた新規な装置及び方法は、その他の様々な形態で実施されることが可能で、さらには、ここに記載された装置や方法の形態における種々の省略、置換及び変更は、発明の精神から逸脱することなく行うことができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本発明の範囲及び精神に含まれるような形態又は変更を網羅することが意図される。)
以上の記載事項から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「タッチパネルディスプレイ805におけるユーザの入力操作に基づいて、取得した画像データに基づく印刷の印刷設定を受け付け、
印刷部Pが前記印刷設定に基づいて、1つのページに複数のページの画像を割り当てて、前記画像データを印刷することを可能にする画像処理装置Qであって、
前記印刷設定を受け付けるときに、印刷される5ページ分の画像に対応してサムネイル画像として5個のオブジェクトO1~O5を前記タッチパネルディスプレイ805の画面上に印刷設定画面として表示し、
ユーザの指の押圧位置が表示されているオブジェクトO2に対応する領域A2である場合、連続的なリリース位置検出を開始し、
ユーザの指がリリースするまで、押圧位置の移動に伴って表示されるオブジェクトO2を移動表示し、
移動されるオブジェクトO2のリリース位置が、表示されるオブジェクトO1に対応する領域A1を移動先として指定した場合、移動されるこのオブジェクトO2に対応するページ画像P2を、リリースによって移動先として選択されたオブジェクトO1に対応するページ画像P1に、追加的に割り当てて表示し、
表示されるオブジェクトに対する操作により、割り当てがなされたページ画像P1及びP2のみを、2in1画像として表示し、他のページ画像は1in1画像のままで表示し、
このような割り当てが設定され、次に、ユーザの印刷実行ボタン805bの押圧を検出すると、その割り当て設定で印刷を行う
画像処理装置Q。」
(2)引用文献2について
引用文献2には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。また、括弧内の訳文は当審が作成した。)。
「[0098] If the “N-UP” printing option icon 1100 is selected, the controller 130 outputs a preview screen 2000 containing a preview image 2100 depending on the N-UP printing option on the touchscreen 100 (208). The preview image 2100 includes a physical page 2110 that represents a sheet of paper and a logical page 2120 provided in the physical page 2110. As will be described hereinafter, if a set value of the N-UP printing option is changed, the number of the logical pages 2120 is changed. Here, the number of the logical pages 2120 refers to the number of pages to be printed on a single side of paper.」
([0098]「N-UP」印刷オプションアイコン1100が選択された場合、制御部130は、タッチパネル100上にN-UP印刷オプションに応じてプレビュー画像2100を含むプレビュー画面2000を出力する(208)。プレビュー画像2100は、1枚の用紙を表す物理ページ2110と、物理ページ2110に提供される論理ページ2120を含む。後述するように、「N-UP」印刷オプションの設定値が変更された場合、論理ページ2120の数が変更される。ここで、論理ページ2120の数は、用紙の片面に印刷されるページ数を意味する。
「[0105] As illustrated in FIG. 6A, assuming that points where the user touches the preview image 2100 displayed on the preview screen 2000 with two fingers are referred to as P1 and P2 and a distance between the touch points is referred to as L1, if the user reduces a distance between the user's fingers to reduce the distance between the touch points from L1 to L2 as illustrated in FIG. 6B, the preview image 2100 having a single logical page 2120 illustrated in FIG. 6A is changed to the preview image 2100 having two logical pages 2120 depending on a distance difference.」
([0105]図6Aに示すように、ユーザが2本の指でプレビュー画面2000に表示されているプレビュー画像2100に接触する点をP1及びP2とし、接触点間の距離をL1とすると、図6Bに示すように、ユーザが、ユーザの指の間の距離を減少させてL1からL2に接触点間の距離を減少させると、図6Aに示す単一の論理ページ2120を有するプレビュー画像2100は、距離差に応じて2つの論理ページ2120を有するプレビュー画像2100に変更される。)
以上の記載事項から、引用文献2には、以下の技術事項が記載されていると認められる。
「1枚の用紙を表す物理ページ2110と、物理ページ2110に提供される用紙の片面に印刷されるページ数を意味する論理ページ2120を含むプレビュー画像2100に対して、ユーザが2本の指でプレビュー画像2100に接触する接触点間の距離をL1からL2に減少させると、単一の論理ページ2120を有するプレビュー画像2100が、距離差に応じて2つの論理ページ2120を有するプレビュー画像2100に変更されること。」
5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(a)引用発明において、「前記印刷設定を受け付けるときに、印刷される5ページ分の画像に対応してサムネイル画像として5個のオブジェクトO1~O5を前記タッチパネルディスプレイ805の画面上に印刷設定画面として表示」することは、「画像データに基づく印刷」の前に行われること、及び「取得した画像データに基づ」いて行われることは明らかである。
したがって、引用発明の「取得した画像データに基づく印刷の」「印刷設定を受け付けるときに、印刷される5ページ分の画像に対応して5個のオブジェクトO1~O5のサムネイル画像を前記タッチパネルディスプレイ805の画面上に印刷設定画面として表示」する「画像処理装置Q」は、本願発明の「画像データに基づいて画像を印刷する印刷処理が行われる前に、前記画像データに基づいて前記画像を表示装置にプレビュー表示させる画像形成装置」に相当する。
(b)「ユーザの指の押圧位置」に「対応する領域A2」に「表示されているオブジェクトO2」及び「リリース位置」に「対応する領域A1」に「表示されるオブジェクトO1」は、本願発明の「編集を所望する画像」及び「編集対象画像」に相当する。
また、引用発明の「表示されているオブジェクトO2に対応する領域A2」に対する「ユーザの指の押圧」、「ユーザの指がリリースするまで」「表示されるオブジェクトO2を移動表示」させる「ユーザの指の」「押圧位置の移動」及び「表示されるオブジェクトO1に対応する領域A1」での「ユーザの指」の「リリース」は、本願発明の「編集を所望する画像に対してタッチ操作によるジェスチャ動作を行うことにより編集対象画像を指定」することに相当する
さらに、引用発明の「移動されるこのオブジェクトO2に対応するページ画像P2を、リリースによって移動先として選択されたオブジェクトO1に対応するページ画像P1に、追加的に割り当てて表示」することは、編集を実行することといえるから、本願発明の「前記編集対象画像に対する編集を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明は、本願発明の「編集を所望する画像に対してタッチ操作によるジェスチャ動作を行うことにより、編集対象画像を指定し、前記編集対象画像に対する編集を実行する機能」に相当する構成を備えるといえる。
(c)引用発明の「印刷される5ページ分の画像に対応してサムネイル画像として5個のオブジェクトO1~O5を前記タッチパネルディスプレイ805の画面上に印刷設定画面として表示し」、「ユーザの指の押圧位置が、表示されているオブジェクトO2に対応する領域A2」とされ、「移動されるオブジェクトO2のリリース位置として、表示されるオブジェクトO1に対応する領域A1が移動先として指定され」ることは、これにより「割り当てがなされ」るのであるから、本願発明の「前記表示装置に複数ページが表示された状態で、前記複数ページの画像のうちのページ集約を行なう複数の画像に対して」「入力操作よりページ集約を行う画像を指定する」ことに相当する。
したがって、本願発明と引用発明とは、「前記表示装置に複数ページが表示された状態で、前記複数ページの画像のうちのページ集約を行なう複数の画像に対して、利用者の入力操作よりページ集約を行う画像を指定するページ集約指定機能」に相当する構成を備える点で共通するといえる。
(d)引用発明の「割り当てがなされたページ画像P1及びP2のみを、2in1画像として表示」することは、本願発明の「前記ページ集約指定機能によりページ集約が行われた画像を」「表示する」ことに相当する。
したがって、本願発明と引用発明とは、「前記ページ集約指定機能によりページ集約が行われた画像を表示する表示機能」を備える点で共通するといえる。
してみると、本願発明と引用発明とは、
「画像データに基づいて画像を印刷する印刷処理が行われる前に、前記画像データに基づいて前記画像を表示装置にプレビュー表示させる画像形成装置において、
編集を所望する画像に対してタッチ操作によるジェスチャ動作を行うことにより、編集対象画像を指定し、前記編集対象画像に対する編集を実行する機能であって、
前記表示装置に複数ページが表示された状態で、前記複数ページの画像のうちのページ集約を行なう複数の画像に対して、利用者の入力操作よりページ集約を行う画像を指定するページ集約指定機能と、
前記ページ集約指定機能によりページ集約が行われた画像を表示する表示機能と、
を備える画像形成装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
(相違点1)
「ページ集約指定機能」が「前記表示装置に複数ページが表示された状態で、前記複数ページの画像のうちのページ集約を行なう複数の画像に対して、利用者の入力操作よりページ集約を行う画像を指定する」ことについて、本願発明は「ピンチイン操作による」入力操作により行われるのに対し、引用発明は「前記タッチパネルディスプレイ805上のユーザの指の押圧位置が、複数のオブジェクトO1~O5のうちの一つに対応する領域である場合、連続的なリリース位置検出を開始し、ユーザの指がリリースするまで、押圧位置の移動に伴って表示されるオブジェクトを移動表示し、移動されたオブジェクトのリリース位置が複数のオブジェクトO1~O5のうちの1つに対応するように、領域が移動先として指定され」ることにより行われる点。
(相違点2)
「表示機能」が「前記ページ集約指定機能によりページ集約が行われた画像を表示する」ことについて、本願発明は「元の画像の用紙サイズに縮小して」表示する、すなわち、上記2の解釈に基づけば、元の画像の用紙サイズに合せて縮小して表示するに対し、引用発明はそのように特定されていない点。
6 判断
(相違点1について)
引用文献1の段落[0110]ないし[0114]には、他の実施形態として、単一のページの表面と裏面にページ画像を割り当てる両面割り当て設定についてではあるが、ユーザが、タッチパネルディスプレイ805を操作して、表示される2個のオブジェクトO2及びO3を同時に選択し、表示される2個のオブジェクトの一方の移動先が、移動される他方のオブジェクトになるように、オブジェクトの両方を相互に移動させて引き込むこと、すなわち、ピンチイン操作が開示されている。
そして、引用発明の「表示されているオブジェクトO2に対応する領域A2」に対する「ユーザの指の押圧」、「ユーザの指がリリースするまで」「表示されるオブジェクトO2を移動表示」させる「ユーザの指の」「押圧位置の移動」及び「表示されるオブジェクトO1に対応する領域A1」での「ユーザの指」の「リリース」と、引用文献1の他の実施形態として記載される、ユーザが、タッチパネルディスプレイ805を操作して、表示される2個のオブジェクトO2及びO3を同時に選択し、表示される2個のオブジェクトの一方の移動先が、移動される他方のオブジェクトになるように、オブジェクトの両方を相互に移動させて引き込むというピンチイン操作は、2つのオブジェクトが指定される点と両者を接近させる点で共通するし、引用文献1の段落[0124]における、実施形態における種々の置換可能性の記載を参酌すれば、引用発明の入力操作に代えて、引用文献1の他の実施形態として記載されたピンチイン操作を適用して、相違点1に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。
また、引用文献2には、ページ集約の対象となるオブジェクトに対応する画像を指定できるピンチイン操作ではないが、ユーザが2本の指でプレビュー画像2100に接触する接触点間の距離をL1からL2に減少させると、用紙の片面に印刷されるページ数が1から2へ変更される、すなわち、ピンチイン操作によりページ集約を行えることが記載されており、これとともに、引用文献1の上記他の実施形態に接した当業者であれば、引用発明の入力操作に代えて、引用文献1の他の実施形態として記載されたピンチイン操作を適用して、相違点1に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。
(相違点2について)
印刷設定のプレビュー表示において、ページ集約が行われた画像を、元の画像の用紙サイズに合せて縮小して表示することは、例えば、引用文献3(図21から、2ページの画像を縮小して形成する2in1のプレビュー領域の線画Pp4~Pp6及び4ページの画像を縮小して形成する4in1のプレビュー領域の線画Pp7~Pp9を、1枚の用紙に1ページの画像を形成する1in1のプレビュー領域の線画Pp1~Pp3の用紙サイズに合せて縮小して表示していることが見て取れる。)及び引用文献4(図5(b)から、レイアウトプレビュー画面において、用紙に2頁ずつ配置される(2)~(9)の文書データの頁の画像を、用紙に1頁ずつ配置される(1)及び(10)の文書データの頁の画像に合せて縮小して表示していることが見て取れる。)に記載されているように周知技術である。
そして、表示されるオブジェクトに対する操作により割り当てられたページ画像P1及びP2のみを2in1画像として表示する引用発明に、上記周知技術を適用して、ページ集約が行われた2in1画像を、元の画像の用紙サイズに合せて縮小して表示することに格別の困難性はなく、そのようにして、相違点2に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。
(効果について)
本願発明の奏する作用効果は、引用文献1、引用文献2及び周知技術から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(請求人の主張について)
請求人は、審判請求書において、
ア 本願発明の「前記表示装置に複数ページが表示された状態で、前記複数ページの画像のうちのページ集約を行なう複数の画像に対して、利用者のピンチイン操作による入力操作よりページ集約を行う画像を指定するページ集約指定機能」については、何れの引用文献にも開示されていない、
イ 引用文献2で開示されている内容は、単にピンチ操作による距離に応じて画像の大きさを変更し、それに応じて集約する画像を変更するといった点に過ぎない、
ウ 引用文献1においては、方法1の2in1の設定をする方法と、方法2の両面印刷を設定する方法で明らかに操作方法が異なる、
エ 引用文献1を主引例として当業者が引用文献2を参照した場合、引用文献1に開示されている方法1の2in1の設定に、引用文献2の発明を組み合わせると考えるのが妥当であり、そうすると、引用文献1のプレビュー表示において、ピンチイン/ピンチアウト操作がなされることにより、指の移動量に応じて全体的な集約するページ数が変わるに過ぎず、本願発明のように、複数のページの中から、任意のページを指定して集約操作を行うといったことは開示されていない、
オ 引用文献2の集約操作に、引用文献1の方法2の両面印刷の設定方法を組み合わせるといったことは、同じ画像形成装置に関する分野であったとしても、そもそも技術の目的・効果が異なるため、当該組み合わせは当業者が通常想定しない組み合わせとなる、
カ そもそも、引用文献2はピンチイン操作における指の距離に応じた処理を行う発明で、引用文献1の方法2におけるページ指定と、引用文献1のNin1の動作を組み合わせるといった点について、動機付けとなる記載もない、
キ 引用文献1において、方法1と、方法2とで操作体系が異なることに鑑みても、Nin1の動作において、ページを指定するといった技術について組み合わせに動機付けがないことは明らかである、
ク 引用文献2において開示されているジェスチャ動作は、指の移動距離に応じた処理を実行する内容であり、本願発明は、指の移動距離に応じて集約動作を行っているものではないから、「どのジェスチャをどの設定に関連付けるかは、当業者が適宜設計し得る事項」との指摘は、引用文献2に開示されている発明の指の移動距離に応じた処理を実行する点を無視し、単に指の動きの部分であるピンチイン/ピンチアウトにだけ注目しているものであり、承服できるものではない、
旨主張する。
しかしながら、上記エの請求人の主張について、引用発明は「割り当てがなされたページ画像P1及びP2のみを、2in1画像として表示し、他のページ画像を1in1画像のままで表示」するものであり、本願発明のように、複数のページの中から、任意のページを指定して集約操作を行うものといえるから、請求人の主張は採用できない。
また、上記ア~ウ、オ~クの請求人の主張について、上記(相違点1について)で述べたように、引用発明の入力操作に代えて、引用文献1の他の実施形態として記載されたピンチイン操作を適用して、相違点1に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(まとめ)
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献1の記載事項及び周知技術に基づいて、または、引用発明、引用文献1の記載事項、引用文献2の記載事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項については検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-006065