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特許拒絶査定不服審判

2019-005615

表示装置、表示方法及びプログラム

審判番号
2019-005615
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-194674外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年04月25日
審決日
2020年06月23日
公報発行日
2020年10月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-194674「表示装置、表示方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月15日出願公開、特開2018- 41473〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,平成24年10月31日に出願した特願2012-240659号の一部を平成28年8月12日に新たな特許出願とした特願2016-158698号の一部を平成29年10月4日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 6月28日付け:拒絶理由通知 平成30年 8月29日:  意見書 平成31年 1月30日付け:拒絶査定 平成31年 4月25日:  審判請求,手続補正 第2 平成31年4月25日の手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成31年4月25日にされた手続補正を却下する。 [補正却下の理由] 1.手続補正の内容 平成31年4月25日の手続補正(以下,「本件補正」という)により,特許請求の範囲の請求項1の記載は,本件補正前の(1)のとおりの記載から,本件補正後の(2)のとおりの記載に補正された(下線は補正により変更された部分を示す)。 (1)本件補正前の請求項1 【請求項1】 操作用画像を表示する操作用画像表示部と, 前記操作用画像に対する操作入力を受け付ける受付部と, 前記受付部による操作入力を受け付けたことを示す入力受付画像を表示する入力受付画像表示部と, 前記操作入力が確定したことを示す入力確定画像を表示する入力確定画像表示部と, を備えていることを特徴とする表示装置。 (2)本件補正後の請求項1 【請求項1】 操作用画像を表示する操作用画像表示部と, 前記操作用画像に対する操作入力を受け付ける受付部と, 前記操作用画像に対する操作入力が行われたときに,前記操作入力を受け付けたことを示す予め定められた入力受付画像を表示する入力受付画像表示部と, 前記入力受付画像を表示した後に,前記操作入力が確定したことを示す入力確定画像を表示する入力確定画像表示部と, を備えていることを特徴とする表示装置。 2.補正の適否 (1)本件補正の目的 この補正は,本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「入力受付画像表示部」について,「入力受付画像を表示する」タイミングを,「前記操作用画像に対する操作入力が行われたときに,」と限定し,当該「入力受付画像」を「予め定められた」ものと限定し,さらに,「入力確定画像表示部」について,「入力確定画像を表示する」タイミングを,「前記入力受付画像を表示した後に,」と限定するものであって,その本件補正の前後で,請求項1に記載の発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,本件補正は,特許法第17条の2第5項第2号に規定された特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そこで,本件補正後の請求項1に係る発明(以下,「本件補正発明」という)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定された特許出願の際独立して特許を受けられるものであるか否かについて以下検討する。 (2)独立特許要件についての判断 ア 本件補正発明 本件補正発明は,上記1.(2)の記載により特定されるとおりのものである。 イ 引用発明 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2003-157131号公報(以下,「引用文献1」という)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は,当審で付加した。以下同様。)。 (ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は音情報,音声情報,音楽情報,画像情報,映像情報,文書情報,図形情報等のメディア情報を編集すること等に用いる入力方法,入力装置,メディア情報合成表示方法,メディア情報合成表示装置,これらを実現するためのプログラム及びこのプログラムを格納した記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来よりグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を搭載したコンピュータではマウスのような入力位置指示装置により表示されているアイコンをカーソルで指定し,指定したアイコンを指示入力(クリック)することにより,プログラムの起動,モードの切替等を実行することができる。従来のマウスでの入力位置指示装置の基本操作は,シングルクリック,ダブルクリック,ドラッグなどが主で,マウスに操作ボタンを増やすこと,或いは一部はトリプルクリックなど,クリックの回数を増やすことなどで入力内容のバリエーションを増やしている。 【0003】タッチパネルなどではここまでの入力機能はなく,表示されているアイコンを直接表示できる利点はあるものの,マウスに見られるバリエーションはない。これらの基本操作は,シングルクリックでは,操作者の選択した対象となるアイコンのシステムへの指示,ダブルクリックではプログラムの実施,格納媒体の詳細表示等,またドラッグではデータの移動,データの入力などを指し示すことが一般的となって現在操作者の直観として根付いてきた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし,アイコンの内部状態(モード)の変更,或いは,二つ以上のアイコンの融合,という機能を直観とも合いながら端的に表示する方法はこれまでなかった。二つ以上のアイコンの融合については,類似した方法にドラッグアンドドロップがある。これは,アイコンにデータを象徴するアイコンをアプリケーションプログラムを象徴するアイコンの上までドラッグし,これをその上で落とす(マウスの押下を終了させる)ことにより,アプリケーションプログラムに入力データとして指示する方法である。これは,前記の融合と似ているが,あくまでも二つのアイコンが入力データとアプリケーションプログラムの関係にあること,二つの対象しか扱えない欠点がある。 【0005】この発明の目的はマウスでの入力機能を拡張し,情報の編集等の操作性を向上しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明はあらゆるメディア情報の一つの単位がアイコンで表示されているとき,入力指示装置の基本操作としてのシングルクリック,ダブルクリック,ドラッグなどの基本操作に更に,一定時間静止して指示し続けるプレスアンドホールドなる基本操作を加えることにより,メディア情報の編集作業上必要な機能であるモード変更,および情報の統合を表す融合等を直観に訴える形で実現する。」 (イ)「【0017】 【発明の実施の形態】図1を用いてこの発明による入力方法及び表示方法の一例を説明する。図1に示すA1は或る情報の存在を表示するアイコン(コンピュータの表示画面上に表示される図柄を指し,形状の大小を問わず情報の存在を象徴する表示手段である)を示す。アイコンA1が表示画面に表示されているということは,その時点で起動されているプログラムが,そのアイコンで指し示す情報D1(データD1)をユーザメモリ部に読み込んでいる状況を示す。アイコンA1の図柄或いはアイコンA1の内部に埋め込まれている文字等により,情報D1の属性が表示される。図1に示す例ではアイコンA1が波形表示モードのデータである場合を示す。 【0018】アイコンA1にカーソルKを合わせ,マウスのボタンを押下し,その押下した状態を一定時間継続し,プレスアンドホールド(指示入力)を行う。プレスアンドホールドが行われると,アイコンA1は変形を開始し,折曲がりながらあたかも金属が溶解する如き形状(図1の表示状態B)をたどって新たに読み取った情報D2を表すアイコンA2を表示する。この間にコンピュータはユーザメモリ部に情報D2を読み込み,コンピュータが情報D2をハンドリングした状況にモードが切替ったことを表示する。図1に示すアイコンA2はこのアイコンA2が表す情報D2が譜面表示モードのデータである場合を示す。 【0019】アイコンA2にカーソルKをあわせ,アイコンA2にプレスアンドホールドを行うと,再び表示状態Bを経て,例えば次に指定される情報D3を表すアイコンA3を表示する。情報の配列がD1,D2,D3の3個である場合はアイコンA3にプレスアンドホールドを行うと,アイコンA1を表示した状態に戻るか,又はアイコンA3-A2-A1の順序で戻るか何れかに設定される。これらの順序は予めプログラムに設定される。プレスアンドホールドが行われる毎に,アイコンの書き替えが実行され,それぞれのアイコンに対応するユーザメモリ内の情報D1~D3を指し示す。」 (ウ)「【0020】図2にこのプレスアンドホールドを行うことができるコンピュータの概略の構成を示す。図中10はコンピュータの全体を示す。コンピュータ10は大凡CPU11と,メインメモリとして動作するRAM12と,入力ポート13と,外部記憶装置14と,出力ポート15とによって構成される。メインメモリRAM12には基本OSと,グラフィカル・ユーザ・インターフェースとが搭載され,グラフィカル・ユーザ・インターフェースにより各ファイル情報D1,D2,D3…が生成される毎にアイコンの付与が自動的に実行され,保存操作によって外部記憶装置14に格納される。ここでは情報D1,D2,D3…は既に外部記憶装置14に格納されているものとする。 【0021】グラフィカル・ユーザ・インターフェースにはアイコン表示手段12Aと,アイコンの変化状態を表示する変化状態表示手段12Bとが設けられる。基本OSの配下に計時手段12Cと,通知手段12Dと,情報読込手段12E及びユーザメモリ部12Fとが配置される。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは入力位置指定装置20から入力される位置情報(カーソルKがアイコンの位置と一致している情報)と,ボタンを押下操作したことを表す情報を取り込んで,その押下操作が継続する時間を計時手段12Cに計測させる。プレスアンドホールドとして見なす時間としては例えば2~3秒程度とすることができる。例えば2秒と設定したとすると,入力位置指定装置20から左ボタンの押下操作が2秒以上継続した情報が入力されると,計時手段12Cはプレスアンドホールドが行われたと判断し,その判定結果を通知手段12Dに引き渡す。通知手段12Dは変化状態表示手段12Bと情報読込手段12Eに指令を発送する。 【0022】情報読込手段12Eは通知手段12Dからの指令に従って,外部記憶装置14から例えば情報D2をユーザメモリ12Eに読み込む。この読み込みの際にアイコン表示手段12Aは情報D2に付与されているアイコンの情報を取得する。これと共に変化状態表示手段12Bは予め用意している図形(変化状態Bを表示するための図形)をアイコン表示手段12Aに送り込み,アイコンA1の形状を変化させ例えば溶解していくような変化状態Bを表示器30に表示し,最終表示形状として情報D2から取得したアイコンの図柄を表示する。これにより図1で説明したモードの切替が実行される。尚,変化状態Bを表示する場合,図形の変化が始まる初期図と,最終図とを与えることにより,その間の変化の様子はモ-フィング(補間)機能により生成させることができる。」 (エ)図1 (オ) 上記(ア)~(エ)より,引用文献1の,特に下線を付加した記載に着目すると,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「入力指示装置の基本操作としての,一定時間静止して指示し続けるプレスアンドホールドなる基本操作であって, アイコンA1にカーソルKを合わせ,マウスのボタンを押下し,その押下した状態を一定時間継続し,プレスアンドホールド(指示入力)を行い,プレスアンドホールドが行われると,アイコンA1は変形を開始し,折曲がりながらあたかも金属が溶解する如き形状(表示状態B)をたどって新たに読み取った情報D2を表すアイコンA2を表示する プレスアンドホールドを行うことができるコンピュータであって, コンピュータ10は大凡CPU11と,メインメモリとして動作するRAM12と,入力ポート13と,外部記憶装置14と,出力ポート15とによって構成され, メインメモリRAM12には基本OSと,グラフィカル・ユーザ・インターフェースとが搭載され, グラフィカル・ユーザ・インターフェースにはアイコン表示手段12Aと,アイコンの変化状態を表示する変化状態表示手段12Bとが設けられ, 基本OSの配下に計時手段12Cと,通知手段12Dと,情報読込手段12E及びユーザメモリ部12Fとが配置され, グラフィカル・ユーザ・インターフェースは入力位置指定装置20から入力される位置情報(カーソルKがアイコンの位置と一致している情報)と,ボタンを押下操作したことを表す情報を取り込んで,その押下操作が継続する時間を計時手段12Cに計測させ, プレスアンドホールドとして見なす時間としては例えば2~3秒程度とすることができ,例えば2秒と設定したとすると,入力位置指定装置20から左ボタンの押下操作が2秒以上継続した情報が入力されると,計時手段12Cはプレスアンドホールドが行われたと判断し,その判定結果を通知手段12Dに引き渡し, 通知手段12Dは変化状態表示手段12Bと情報読込手段12Eに指令を発送し, 変化状態表示手段12Bは予め用意している図形(変化状態Bを表示するための図形)をアイコン表示手段12Aに送り込み,アイコンA1の形状を変化させ例えば溶解していくような変化状態Bを表示器30に表示し,最終表示形状として情報D2から取得したアイコンの図柄を表示するコンピュータであって, 変化状態Bを表示する場合,図形の変化が始まる初期図と,最終図とを与えることにより,その間の変化の様子はモ-フィング(補間)機能により生成させることができる コンピュータ。」 ウ 対比 本件補正発明と,引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「アイコンA1」は,「プレスアンドホールドなる基本操作」の操作対象となる画像であるから,「操作用画像」であるといえる。 また,引用発明の「グラフィカル・ユーザ・インターフェース」の「アイコン表示手段12A」は,「操作用画像」である「アイコンA1」を表示しているから,本件補正発明と引用発明とは,「操作用画像を表示する操作用画像表示部」を備えている点で共通しているといえる。 (イ)引用発明の「グラフィカル・ユーザ・インターフェースは入力位置指定装置20から入力される位置情報(カーソルKがアイコンの位置と一致している情報)と,ボタンを押下操作したことを表す情報を取り込んで,その押下操作が継続する時間を計時手段12Cに計測させ,」「入力位置指定装置20から左ボタンの押下操作が2秒以上継続した情報が入力されると,計時手段12Cはプレスアンドホールドが行われたと判断し」ているから,引用発明の「グラフィカル・ユーザ・インターフェース」は,「プレスアンドホールドなる基本操作」の入力を受け付けているといえる。 また,引用発明では,「アイコンA1にカーソルKを合わせ,マウスのボタンを押下し,その押下した状態を一定時間継続し,プレスアンドホールド(指示入力)を行」っているから,「操作用画像」である「アイコンA1」も,「プレスアンドホールドなる基本操作」の対象となっているといえる。 したがって,本件補正発明と引用発明とは,「前記操作用画像に対する操作入力を受け付ける受付部」を備えている点で共通しているといえる。 (ウ)引用発明の「グラフィカル・ユーザ・インターフェース」は「プレスアンドホールドが行われたと判断し」た際に,予め用意している図形(変化状態Bを表示するための図形)をアイコン表示手段12Aに送り込み,アイコンA1の形状を変化させ例えば溶解していくような変化状態Bを表示器30に表示し」ている。 ここで,ユーザは,「アイコンA1の形状を変化させ例えば溶解していくような変化状態Bを表示器30に表示」されるのを見た際に,「プレスアンドホールドなる基本操作」の入力が受け付けられたことを認識可能であるから,「アイコンA1の形状を変化させ例えば溶解していくような変化状態Bを表示器30に表示」されることは,「グラフィカル・ユーザ・インターフェース」が「プレスアンドホールドなる基本操作」の入力を受け付けたことを示しているといえる。 したがって,本件補正発明と引用発明とは,「前記操作用画像に対する操作入力が行われたときに,前記操作入力を受け付けたことを示す」「入力受付画像を表示する入力受付画像表示部」を備えている点で共通しているといえる。 しかし,本件補正発明では,「入力受付画像」が「予め定められた」ものであるのに対して,引用発明では,「入力受付画像」が「操作用画像」であるアイコンA1の形状から,予め用意している図形(変化状態Bを表示するための図形)をアイコン表示手段12Aに送り込み,アイコンA1の形状を変化させ例えば溶解していくような変化状態Bを表示器30に表示し,その間の変化の様子はモ-フィング(補間)機能により生成したものである点で両者は相違しているといえる。 (エ)引用発明の「「グラフィカル・ユーザ・インターフェース」は「プレスアンドホールドが行われると,アイコンA1は変形を開始し,折曲がりながらあたかも金属が溶解する如き形状(表示状態B)をたどって新たに読み取った情報D2を表すアイコンA2を表示」しており,ここで,「アイコンA2」は,「最終表示形状として情報D2から取得したアイコンの図柄」であり,ユーザは,この「アイコンA2」の表示をみることで,「譜面表示モードに遷移したことを認識できるから,「アイコンA2」の表示は,操作入力が確定したことを示しているといえる。 したがって,本件補正発明と引用発明とは,「前記入力受付画像を表示した後に,前記操作入力が確定したことを示す入力確定画像を表示する入力確定画像表示部」を備えている点で共通しているといえる。 (オ)引用発明の「コンピュータ」は,「グラフィカル・ユーザ・インターフェース」「アイコン表示手段12A」により,「アイコンA1」などを表示しているから,「表示装置」であるといえる。 したがって,本件補正発明と引用発明とは,「表示装置」である点で共通しているといえる。 エ 一致点および相違点 本件補正発明と,引用発明とは,以下(ア)の点で一致し,以下(イ)の点で相違する。 (ア)一致点 「操作用画像を表示する操作用画像表示部と, 前記操作用画像に対する操作入力を受け付ける受付部と, 前記操作用画像に対する操作入力が行われたときに,前記操作入力を受け付けたことを示す入力受付画像を表示する入力受付画像表示部と, 前記入力受付画像を表示した後に,前記操作入力が確定したことを示す入力確定画像を表示する入力確定画像表示部と, を備えた表示装置。」 (イ)相違点 本件補正発明では,「入力受付画像」が「予め定められた」ものであるのに対して,引用発明では,「入力受付画像」が「操作用画像」であるアイコンA1の形状から,予め用意している図形(変化状態Bを表示するための図形)をアイコン表示手段12Aに送り込み,アイコンA1の形状を変化させ例えば溶解していくような変化状態Bを表示器30に表示し,その間の変化の様子はモ-フィング(補間)機能により生成したものである点。 オ 相違点についての判断 コンピュータのグラフィカル・ユーザ・インターフェースの技術分野において,モ-フィング(補間)機能のような処理負荷の大きい画像処理を事前に行っておいて,当該画像処理の結果得られるアニメーション画像を,複数の静止画により構成され連続的に再生されるコマ送り画像データ(例えば,アニメーションGIFデータや,プログレッシブJpegデータなど)を記録しておいて,表示の際に,当該コマ送り画像データを予め定められた画像として記録から読み出して,再生する技術は,文献を示すまでもなく,本願出願前に周知の技術に過ぎない。 したがって,引用発明において,上記周知技術を適用して,「入力受付画像」を表示する際に,「入力受付画像」が「操作用画像」であるアイコンA1の形状から,モ-フィング(補間)機能により生成しながら変化状態Bを表示する構成に代えて,事前に,モ-フィング(補間)機能により生成され予め定められた画像である変化状態B(入力受付画像)を読み出す構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものである。 また,引用発明において,当該相違点に係る構成を採用することによる効果も,当業者が容易に想到しうる範囲内のものに過ぎない。 よって,本件補正発明は,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。 (4)小活 したがって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 上述のとおり,平成31年4月25日の手続補正は却下されたので,本願の請求項に係る発明は,平成29年10月4日の本願出願時の特許請求の範囲の請求項1-5の記載により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という)は,上記第2の1.(1)に記載されたとおりのものである。 2.刊行物に記載された発明 引用文献1の記載事項及び引用発明は,上記第2の2.(2)「イ 引用発明」に記載したとおりである。 3.本願発明と引用発明との対比・判断 本願発明は,上記第2の2(1)で述べたように,本件補正発明から,本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「入力受付画像表示部」について,「入力受付画像を表示する」タイミングを,「前記操作用画像に対する操作入力が行われたときに,」との限定,および,当該「入力受付画像」を「予め定められた」ものとの限定を省き,さらに,「入力確定画像表示部」について,「入力確定画像を表示する」タイミングを,「前記入力受付画像を表示した後に,」と限定を省いたものであるから,本願発明と引用発明とは,上記の省いた構成を除いて,上記第2の2.(2)「エ 対比」と同様に対比でき,本願発明と引用発明との一致点は,上記第2の2.(2)「エ 対比」[一致点]で述べた本願補正発明と引用発明との一致点から,おおむね,上記「前記操作用画像に対する操作入力が行われたときに,」との限定,および,上記「前記入力受付画像を表示した後に,」との限定を除いたものとなり,本願発明と引用発明との相違点は,存在しない。 したがって,本願発明は,引用発明と同一であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。 また,本願発明は,引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおりであるから,本願の請求項1に係る発明は,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。また,本願の請求項1に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって,本願は,その余の請求項について論及するまでもなく,拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2019-005615

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