特許拒絶査定不服審判
2019-005176
図書取扱装置
- 審判番号
- 2019-005176
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-221684外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年04月18日
- 審決日
- 2020年08月26日
- 公報発行日
- 2020年12月25日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (B65G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-221684「図書取扱装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月23日出願公開、特開2016-88641〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年10月30日に出願された特願2014-221684号であり、その手続の経緯は、概略、次のとおりである。
平成30年10月22日付け:拒絶理由通知
平成30年12月21日 :意見書及び手続補正書の提出
平成31年 1月31日付け:拒絶査定
平成31年 4月18日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和 2年 1月20日付け:拒絶理通知
令和 2年 3月 9日 :意見書及び手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~10に係る発明は、令和2年3月9日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
[本願発明]
「それぞれ図書を収納可能な複数の図書収納用フォルダと、
前記複数の図書収納用フォルダのそれぞれに図書を収納した状態で前記複数の図書収納用フォルダを格納可能な格納部と、
前記複数の図書収納用フォルダを前記格納部から選択的に取出して、図書外部取出位置に向けて搬送するピッカーと、
前記図書外部取出位置で前記ピッカーから前記図書収納用フォルダが移載され、移載された前記図書収納用フォルダを、前記図書収納用フォルダ内の図書のみを外部から人手で取出可能な状態で支持する取出口機構部と、
前記格納部および前記ピッカーを覆い、前記図書外部取出位置に移載された前記図書収納用フォルダ内の図書を取り出すための取出口が形成されたパネルと、
前記取出口において水平方向に沿って利用者側に延びる台と、
を備える図書取扱装置。」
第3 拒絶の理由
令和2年1月20日付けで当審が通知した拒絶理由のうち理由2は、概略、次のとおりのものである。
・(進歩性)本件出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用例1に開示の発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用例1:Magex Italy,“Magex Library 24h Leonardo”,[online],2013年6月8日,YouTube,[2020年1月15日検索],インターネット
<URL:https://www.youtube.com/watch?v=ZDNZ9_tkSu4>
第4 引用例1の開示事項及び引用発明
1 引用例1から看取できる事項
引用例1(特に、画像の23秒、38秒、40秒、及び46秒。)を参照すると、下記a~eの事項が看取される。
a:マシンの内部にトレイが複数格納され、マシンの内部に格納された複数のトレイのそれぞれには、本が載置されていること。
b:ロボットアームにより、複数のトレイをマシンの内部から選択的に取出していること。
c:マシンの内部から選択的に取出されたトレイは、ロボットアームにより、開口部の取出し位置に向けて搬送されること。
d:トレイは、開口の取出し位置でロボットアームから開口部へ移送され、前記開口部は、移載された前記トレイを、前記トレイ内の本のみを外部からユーザーが手で取出可能な状態で支持していること。
e:マシンの内部およびロボットアームは、トレイ内の図書を取り出すための開口が形成されたパネルによって覆われていること。
上記の看取事項及び引用例1の開示事項を総合し、本願請求項1の記載ぶりに則って整理すると、引用例1には、「Magex Library 24h Leonardo」に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「それぞれ本を載置可能な複数のトレイと、
前記複数のトレイのそれぞれに本を載置した状態で前記複数のトレイを格納可能なマシンの内部と、
前記複数のトレイを前記マシンの内部から選択的に取出して、開口の取出し位置に向けて搬送するロボットアームと、
前記開口の取出し位置で前記ロボットアームから前記トレイが移載され、移載された前記トレイを、前記トレイ内の本のみをユーザーが手で取出可能な状態で支持する開口部と、
前記マシンの内部および前記ロボットアームを覆い、前記開口の取出し位置に移載された前記トレイ内の図書を取り出すための開口が形成されたパネルと、
を備えるライブラリー。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
その機能及び構造からみて、引用発明の「本を載置可能な」ことは、本願発明の「図書を収納可能な」ことに相当し、引用発明の「トレイ」は、本願発明の「図書収納用フォルダ」に相当するので、引用発明の「本を載置可能な複数のトレイ」は、本願発明の「図書を収納可能な複数の図書収納用フォルダ」に相当する。
以下同様に、「マシンの内部」は、「格納部」に、
「開口の取出し位置」は、「図書外部取出位置」に、
「ロボットアーム」は、「ピッカー」に、
「ユーザーが手で取出可能」であることは、「外部から人手で取出可能」であることに、
「開口」は、「取出口」に、
「開口部」は、「取出口機構部」に、
「パネル」は、「パネル」に、
「ライブラリー」は、「図書取扱装置」に、それぞれ相当する。
以上のことから、本願発明と引用発明とは次の点で一致する。
「それぞれ図書を収納可能な複数の図書収納用フォルダと、
前記複数の図書収納用フォルダのそれぞれに図書を収納した状態で前記複数の図書収納用フォルダを格納可能な格納部と、
前記複数の図書収納用フォルダを前記格納部から選択的に取出して、図書外部取出位置に向けて搬送するピッカーと、
前記図書外部取出位置で前記ピッカーから前記図書収納用フォルダが移載され、移載された前記図書収納用フォルダを、前記図書収納用フォルダ内の図書のみを外部から人手で取出可能な状態で支持する取出口機構部と、
前記格納部および前記ピッカーを覆い、前記図書外部取出位置に移載された前記図書収納用フォルダ内の図書を取り出すための取出口が形成されたパネルと、
を備える図書取扱装置。」
そして、本願発明と引用発明は、次の点で相違する。
[相違点]
本願発明は、「前記取出口において水平に沿って利用者側に延びる台」を備えるものであるのに対し、引用発明は、かかる構成を備えていない点。
第6 判断
上記相違点について検討する。
図書の貸し出し及び返却を行う図書取扱装置において、図書の貸し出し及び返却の際の図書の取り扱いの便宜のために、利用者側に水平に延びる台を図書外部取出口に備えることは、本願出願前当業者には周知・慣用の構成であるといえる(例えば、特開2010-149995号公報の段落【0022】の「天板19」、特許第2761464号公報の段落【0020】の「支持台22」、特開2013-1488号公報の段落【0026】~【0030】の「カウンター台36」及び特公昭60-44201号公報の第1図を参照。)。
引用発明においても「開口の取出し位置」で図書の取り扱いの便宜を図るという課題が内在しており、かかる課題は当業者であれば容易に認識可能であるといえるから、上記周知・慣用の構成を引用発明に適用し、当該課題を解決しようとすることは、当業者にとって格別困難なことであるとはいえない。
したがって、引用発明において、上記周知・慣用の構成を適用し、相違点に係る本願発明の構成と成すことは当業者であれば容易に想到し得たことである。
そして、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び上記周知・慣用の構成の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
よって、本願発明は、引用発明及び上記周知・慣用の構成に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例1に開示の発明及び当業者に周知・慣用の構成に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
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